説明

金属様光沢外観を有する化粧用コーティングを得るための化粧料組成物、人工フィンガーネイル、およびPVDアルミニウム顔料の使用

本発明は化粧料組成物に関し、それには、液状相と、PVDアルミニウム顔料(ここで、その化粧料組成物は、化粧料組成物の全重量を基準にして、0.05〜5.0重量%の顔料レベルでPVDアルミニウム顔料を含んでいる)と、少なくとも1種のリーフィング添加物とが含まれる。本発明はさらに、人工フィンガーネイルに関し、そしてPVDアルミニウム顔料の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光沢のある金属様外観を有する化粧用コーティングを与える化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フィンガーネイルに金属様外観を付与するネイルポリッシュは、WO02/03913に開示されている。その公知のネイルポリッシュ配合には、PVD顔料が使用されている。PVD顔料は、それらが極端に滑らかな表面を有しているために、きわだった鏡のような光沢を有しているが、それらを基材に適用した場合には、リーフィング効果を有していない。このことは、それらが液状のエナメル膜の中に沈み込んで、そのために光輝効果が低下することを意味している。
【0003】
US2004/0241423にも、鏡状の効果を示すネイルポリッシュが記載されている。その記載のパラグラフ[0004]に示されているように、WO02/03913に勝る、改良された鏡状の効果が達成されるが、それは特に、その調合物が低粘度であり、金属粒子を多量に含んでいるという事実に基づいている。
【0004】
しかしながら、PVD顔料が高価格であることを考えれば、金属顔料を低含量で使用しつつ満足のいく結果が達成されれば、望ましい。さらに、US2004/0241423に記載された手順では、配列が改良されるが、リーフィング効果が達成されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コーティングを適用した後で、極めて強い鏡のような光沢を与えるような、化粧料配合物に対する必要性が依然として存在する。
本発明の目的は、塗布した後に、従来公知の化粧料組成物を用いた場合に可能なよりは、一段と強い鏡のような光沢を与え、好ましくはひきしまった金属膜(closed metal film)の印象を与えるような化粧料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、液状相およびPVDアルミニウム顔料を含む化粧料組成物を提供することにより達成されるが、その化粧料組成物は、化粧料組成物の全重量を基準にして、0.05〜5.0重量%の顔料レベルでのPVDアルミニウム顔料と、少なくとも1種のリーフィング添加物とを含む。
【0007】
好適な展開は、従属請求項において定義される。
【0008】
本発明の化粧料組成物を塗布した後には、光沢のある金属様外観を有する化粧用コーティングを作り出すことができる。
【0009】
リーフィング挙動は示さないが、鏡のような光沢を示す、公知のPVD−アルミニウム顔料(たとえばECKART GmbH & Co.KGにより上市されているMetalure(登録商標)など)から出発して、顔料をエナメル膜の表面に浮き上がらせて、大いに改良された高度の鏡面光沢を示させるような、1種または複数のリーフィング添加物を添加することにより、その顔料にリーフィング特性を付与する。そのリーフィング添加物は、PVDアルミニウム顔料の表面に結合して、それにより、液状物の表面上または表面の近くにPVDアルミニウム顔料を配列させる。
【0010】
その目的はさらに、請求項21において特許請求される人工フィンガーネイルを提供することによっても、達成される。本発明の目的においては、「人工フィンガーネイル(人工の指の爪)」という用語には、人工トウネイル(人工の足指の爪)も意味していると解釈される。
【0011】
本発明の目的はさらに、化粧料組成物、好ましくはネイルポリッシュ(爪の光沢剤)においてリーフィング性を示す、PVDアルミニウム顔料を使用することによっても達成される。
【0012】
好適な変更例は、従たる請求項22において定義されている。
【0013】
本発明において適用する場合、「PVDアルミニウム顔料」という用語は、そのアルミニウム顔料が、PVDプロセス(PVD=Physical Vapor Deposition,物理蒸着法)を用いて製造されたものである、ということを意味している。PVDプロセスによって、極端に滑らかで反射性の表面を有する、極めて薄いアルミニウム顔料を製造することができる。アルミニウム顔料を製造するためのPVDプロセスは、たとえばEP0 826 745からも、当業者には周知である(この特許を、ここに参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
【0014】
本発明において使用されるPVDアルミニウム顔料は、回折構造や回折成分を含まない。本発明において使用されるPVDアルミニウム顔料の表面は滑らかで平坦であり、そのため、所望の金属様の鏡のような光沢を与える。
【0015】
それらのPVDアルミニウム顔料は、強い集塊を避けるために、有機溶媒中に高度に希釈した分散体として取り扱うのが好ましい。
【0016】
極めて驚くべきことには、通常はリーフィング性を示さないそれらのPVDアルミニウム顔料に、リーフィング添加物を加えることによって、リーフィング性を付与することが可能であることが、今や見出された。
【0017】
それらの顔料としては、市販されているPVDアルミニウム顔料たとえば、ECKART GmbH & Co.KGにより上市されている、Metalure(登録商標)などが挙げられるが、リーフィング促進性物質またはリーフィング添加物を単に添加することだけで、化粧料組成物にリーフィング効果を起こさせることが可能であるとは、当業者も予想しなかったことである。
【0018】
そのようなリーフィング促進性物質(「リーフィング添加物」)は、長鎖のリン酸エステルまたはリン酸エステルの混合物であるのが好ましい。本発明においては、12〜24個の炭素原子の炭素鎖長を有するリン酸エステルが高度に適していることが判った。特に好ましいのは、その炭素鎖が、14〜18個の炭素原子の長さを有する、リン酸エステルまたはリン酸エステルの混合物である。その炭素鎖は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素鎖が直鎖状であるのが好ましい。
【0019】
リン酸エステルとしては、モノ−、ジ−、および/またはトリ−エステルが挙げられるが、リン酸モノエステルが特に好ましい。
【0020】
リン酸エステルは、好ましくは脂肪酸リン酸エステル、好ましくは脂肪酸リン酸モノエステルである。
【0021】
ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、およびステアリン酸のリン酸エステルが特に好適であることが判ったが、それらは、リーフィング添加物として、個別に使用しても、互いに混合して使用してもよい。
【0022】
極めて驚くべきことには、PVD顔料の分散体にリーフィング添加物を単に添加することだけで、所望の効果(リーフィング効果)を得ることが可能であるということが判った。驚くべきことには、リーフィング添加物を用いてPVDアルミニウム顔料を、それを化粧料組成物に添加する前に、コーティングすることも必要ない。
【0023】
本発明はさらに、塗布した後に、これまで得られたことが決してないような、鏡のような光沢を有するひきしまった金属膜の外観を好ましくは有するコーティングを形成する化粧料組成物に関する。
【0024】
本発明の目的においては、「化粧料組成物」という用語は、その中でPVDアルミニウム顔料がリーフィング性を呈し、実質的に平坦な基材に対して塗布される液状相を有する全ての化粧料配合物を指している。それらの化粧料調合物は好ましくは、液状メイクアップ、液状アイライナー、液状リッド(まぶた)シャドー、ボディローション、香水、リップグロス、およびネイルポリッシュからなる群より選択される。
【0025】
化粧料組成物がネイルポリッシュであるのが好ましい。
【0026】
本発明の化粧料組成物の光沢のある外観は、その化粧料組成物を平坦な基材に塗布した後に現れる。その効果が、化粧料組成物そのものの中にある場合と同じように見えなければならない、という訳ではない。本発明の化粧料組成物を塗布すると、それに続いて、PVDアルミニウム顔料が、好ましくは液状のエナメル膜の表面に、すなわち天然または人工フィンガーネイルの上や、唇、まぶた、頬、あるいは身体のその他の平坦な箇所の上に浮き上がってくる。アルミニウム顔料をこのように配列させるためには、その化粧料組成物が液状相を有している必要がある。
【0027】
液状相を含まない化粧料組成物はたいてい適していないが、その理由は、アルミニウム顔料を浮き上がらせ、適用されたコーティングに所望の金属様の光沢のある効果を与えるためには、液状相が必要であるからである。
【0028】
このことは、アルミニウム顔料に配列を起こさせるためには、化粧料組成物の中に、その組成物を塗布し、溶媒を蒸発させた後で効果顔料を配列させるのに十分な、水分または溶媒が含まれていることが必要である、ということを意味している。その化粧料組成物を塗布する際に、それに機械的な影響が与えられるような場合、PVDアルミニウム顔料の配列をさらに改良したり、推進したりすることが可能である。このことは、たとえばブラシを用いてネイルポリッシュを天然または人工フィンガーネイルに塗布するような場合に起きる。たとえば、唇にリップグロスを塗布する際、リップグロスアプリケータースティックのアプリケーターボールまたはローラーボールの作用により、配列が促進される。別な方法として、ブラシを使用してリップグロスを唇に塗布することも可能である。
【0029】
使用される液状相は、上述の方法により使用したときに、健康に害のないような液状成分であるのが好ましい。これは、ネイルポリッシュの場合ならば、有機溶媒を使用してもよいが、有機溶媒は、リップグロスの場合では、全く使用しないか、極めて制限された量でしか使用してはいけない、ということを意味している。しかしながら、当業者ならば、意図する用途に適した液状相、たとえば、有機溶媒、水、油分、ゲル、あるいはそれらの適切な混合物などを選択することには、何の困難もないであろう。
【0030】
本発明によるネイルポリッシュ組成物は通常、意図する目的において非毒性であり、天然または人工フィンガーネイルの上で金属様の光沢効果を示す膜コーティングを形成するのに適した成分からなる。本明細書においては、「非毒性」という用語は一般に、ECガイドライン76/768/ECにリストアップされた物質に関連する。
【0031】
ネイルポリッシュ組成物には、好ましくは、溶媒、少なくとも1種の膜形成性成分、PVDアルミニウム顔料、およびリーフィング添加物が含まれる。
【0032】
高度に光沢のある金属様外観を有する化粧用コーティングを得るための本発明の化粧料組成物には、液状相と、PVDアルミニウム顔料(そのPVDアルミニウム顔料はリーフィング性を示し、化粧料組成物中に、化粧料組成物の全重量を基準にして0.05〜5.0重量%の顔料レベルで存在する)と、さらには、リーフィング促進性添加物とが含まれる。
【0033】
PVDアルミニウム顔料の顔料レベルは、化粧料組成物の全重量を基準にして、1〜2%、好ましくは1.3〜1.8重量%である。
【0034】
化粧料組成物の固形分含量は、化粧料組成物の全重量を基準にして、5〜17重量%の間であるのが好ましい。
【0035】
本発明の化粧料組成物は好ましくは、ネイルポリッシュである。それには、たとえば以下のものから選択される膜形成性成分が含まれていてよい:ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、またはセルロースアセテートブチレートおよび適切な非毒性の誘導体、ならびにそれらの混合物。セルロースアセテートブチレートおよびニトロセルロースが好ましい。そのニトロセルロースは、好ましくは少なくとも56,000g/モル、より好ましくは少なくとも112,000g/モルの分子量を有する。セルロースアセテートブチレートは、好ましくは83,000g/モルより大きい分子量を有する。
【0036】
化粧料組成物を製造するためには、PVDアルミニウム顔料は、好ましくは有機溶媒中での分散体の形態で使用し、それにリーフィング添加物を加える。
【0037】
それらは、好ましくは長鎖(C12〜C24)リン酸エステルであるが、C14〜C18リン酸エステルであれば特に好ましい。そのPVDアルミニウム顔料の分散体にリーフィング添加物を単に添加することにより、所望の効果(リーフィング効果)を達成することが可能である。次いでその分散体を、次の加工工程に入る前に、しばらくの間静置させておくのが好ましい。
【0038】
化粧料組成物に添加するべき分散体の固形分含量は、化粧料組成物の全重量を基準にして、1〜15%、好ましくは3〜10重量%とするのがよい。PVDアルミニウム顔料の含量が多いと、アルミニウム顔料の集塊が起きる危険性がある。
【0039】
溶媒の選択に関しては、驚くべきことには、リーフィング効果を得るには120g/モル未満の分子量を有するケトンおよび酢酸エステルが特に適していることが、見出された。たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、アセトン、またはそれらの混合物を使用するのがよい。ネイルポリッシュ組成物には、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルが好ましい。
いくつかの場合においては、採用するリーフィング添加物に溶媒を適合させてやる必要があるかもしれない。
【0040】
本発明において調製される化粧料組成物、特にネイルポリッシュ組成物は、結果として、これまで知られていないような光沢を呈する。
【0041】
しかしながら、その他の溶媒、たとえばトルエン、エタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、環状エーテルたとえばテトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサン、セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、およびそれらの混合物もまた、ネイルポリッシュ組成物における有機溶媒として使用することができる。
【0042】
本発明のネイルポリッシュ組成物の溶媒含量は、いずれもネイルポリッシュ組成物の全重量を基準にして、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%、さらにより好ましくは65〜75重量%である。
【0043】
そのようにすると、塗布したときにこれまで知られていない鏡のような光沢を呈するネイルポリッシュ組成物を得ることが可能である。
【0044】
本発明の好適な展開においては、ネイルポリッシュ組成物に可塑剤および/または分散剤が含まれていてもよい。
【0045】
可塑剤は、特にバインダーを軟化させ、製造を容易とする。単一の可塑剤を使用しても、2種以上の可塑剤を組み合わせて使用してもよい。そのような可塑剤の例としては、ショウノウ、ヒマシ油、クエン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フタル酸および安息香酸のエステル、それらの誘導体などが挙げられる。
【0046】
使用するフタル酸エステルとしては好ましくは、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジアミル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブトキシエチル、またはそれらの混合物が挙げられる。しかしながら、毒性の面で許容できないフタル酸エステルに代わるものとして、たとえば以下のような他の可塑剤を使用してもよい:グリセリルトリアセテート、グリセリルトリプロピオネート、グリセリルトリベンゾエート、酒石酸ジブチル、安息香酸ベンジル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、アセチルリシノール酸ブチル、ステアリン酸ブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、サッカロース−アセテートイソブチレート、グリコール酸ブチル、グリセリントリアセテート、およびグリセリントリプロピオネート、またはそれらの混合物。
【0047】
本発明のまた別な実施態様においては、PVDアルミニウム顔料の分散性を改良するために、分散用添加物を加えてもよい。そのような分散剤の好適な例としては、モンモリロナイトクレーたとえばベントナイト、および特にステアリルアルコニウムヘクトライトおよび/またはステアリルアルコニウムベントナイトなどがある。使用可能なその他の分散剤としては、重合体尿素、場合によってはそれとベントナイトとの組合せがある。
【0048】
化粧料組成物に含まれていてもよいその他の添加物としては、他の効果顔料および/または染料、たとえば有色顔料および/または色素などが挙げられる。
【0049】
本発明によるネイルポリッシュ組成物にさらに、他の添加物が含まれていてもよいが、そのようなものとしては、たとえば次のようなものがある:チキソトロピー調節剤、抗酸化剤、乳化剤、ビタミン、香料、抗ハレーション剤[光遮蔽剤]、保存剤、充填剤、および/または医薬成分。それらの添加物は従来技術において公知であり、場合によって、常用される量で添加する。
【0050】
好ましくは非毒性の成分からなる、本発明のネイルポリッシュ組成物には、アルミニウム顔料の全重量を基準にして90〜99.9重量%の金属アルミニウム含量を有し、そしてネイルポリッシュの全重量を基準にして0.05から5重量%以下の顔料レベルである、PVD−アルミニウム顔料と、少なくとも1種のリーフィング添加物とを含む。ネイルポリッシュの全重量を基準にして0.1〜2重量%の顔料レベルであれば、さらに好ましい。
【0051】
この化粧料組成物においては、PVDアルミニウム顔料を極めて高効率で使用できる、すなわち、それらが傑出した被覆力を呈する、ということが見出された。PVDアルミニウム顔料を含む化粧料組成物は、極めて高い被覆力を有している。その理由から、PVDアルミニウム顔料は、本発明の化粧料組成物の中で極めて低い顔料レベルで、有利に使用することができる。
【0052】
PVDプロセスによって製造されるアルミニウム顔料は、その厚みが薄いために、極めてフレキシブルであるので、それらは、基材の形状に完全に適合することができる、すなわち、言ってみれば、基材にまつわりつくことができる。
【0053】
本発明を使用することによって、化粧料組成物、好ましくはネイルポリッシュまたはリップグロスの中に少なくとも1種のリーフィング添加物を組み入れることにより、その中で集塊が起きる傾向が驚く程低くなることが見出された。
【0054】
さらに、本発明による組成物には、香水、抗酸化剤、抗ハレーション剤[光遮断剤]または保存剤のような添加物がさらに含まれていてもよい。ここでは、当業者に一般的に知られている物質を使用する。
【実施例】
【0055】
ネイルポリッシュ組成物
【0056】
本発明による実施例1:
【0057】
【表1】

【0058】
製造法:
酢酸ブチルの最初のバッチに、撹拌しながらCAB粉末を少量ずつ添加する。成分2〜4をこの順で、Metalure(登録商標)分散体に添加し、穏やかにブレンドする。
【0059】
比較例2:
【0060】
【表2】

【0061】
製造法:
実施例1と同様であるが、Hostaphat CS120を使用しない。
【0062】
実施例1および比較例2の組成物の比較と評価:
人工フィンガーネイルに塗布後の、実施例1および比較例2の視覚的外観:
本発明による実施例1:高度に光沢のある、銀のような、ひきしまった金属膜であって、「液状金属(liquid metal)」に類似。
比較例2:輝く銀色であるが、実施例1よりは明らかに光沢が低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状相およびPVDアルミニウム顔料を含む化粧料組成物であって、前記化粧料組成物が、前記化粧料組成物の全重量を基準にして、0.05〜5.0重量%の顔料レベルでのPVDアルミニウム顔料、および少なくとも1種のリーフィング添加物を含むことを特徴とする、化粧料組成物。
【請求項2】
前記リーフィング添加物が、長鎖リン酸エステルまたは2種以上の長鎖リン酸エステルの混合物であり、前記(1種または複数の)長鎖リン酸エステルが好ましくは、12〜24個の炭素原子を含む炭素鎖を有することを特徴とする、請求項1に定義される化粧料組成物。
【請求項3】
前記リーフィング添加物が、長鎖リン酸エステルまたは2種以上の長鎖リン酸エステルの混合物であり、前記(1種または複数の)長鎖リン酸エステルが好ましくは、14〜28個の炭素原子を含む炭素鎖を有することを特徴とする、請求項2に定義される化粧料組成物。
【請求項4】
前記リーフィング添加物が、脂肪酸リン酸エステルであるか、または異なった脂肪酸リン酸エステルの混合物であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項5】
前記PVDアルミニウム顔料の顔料レベルが、いずれも化粧料組成物の全重量を基準にして、1〜2重量%、好ましくは1.3〜1.8重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項6】
前記化粧料組成物の固形分含量が、化粧料組成物の全重量を基準にして、5〜17重量%の間であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項7】
前記化粧料組成物が、少なくとも1種の膜形成性成分をさらに含み、ネイルワニスであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項8】
前記膜形成性成分が、ニトロセルロースを含むことを特徴とする、請求項7に定義される化粧料組成物。
【請求項9】
前記膜形成性成分が、56,000g/モルを超える、好ましくは112,000g/モルを超える分子量を有するニトロセルロースを含むことを特徴とする、請求項8に定義される化粧料組成物。
【請求項10】
前記膜形成性成分が、好ましくは83,000g/モルを超える分子量を有するセルロースアセテートブチレートを含むことを特徴とする、請求項7に定義される化粧料組成物。
【請求項11】
前記液状相が、好ましくは、120g/モル未満の分子量を有するケトン、酢酸エステル、およびそれらの混合物からなる群より選択される有機溶媒であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項12】
前記液状相が、好ましくは、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、アセトン、およびそれらの混合物からなる群より選択される有機溶媒であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項13】
前記有機溶媒が、メチルエチルケトンまたは酢酸エチルであることを特徴とする、請求項12に定義される化粧料組成物。
【請求項14】
前記化粧料組成物が、可塑剤および/または分散剤をさらに含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項15】
前記化粧料組成物が、可塑剤として、場合によってはサッカロースアセテートイソブチレートと共に、少なくともフタル酸ジブチルを含むことを特徴とする、請求項14に定義される化粧料組成物。
【請求項16】
前記化粧料組成物が、分散剤として、ベントナイト、ステアリルアルコニウムヘクトライトもしくはステアリルアルコニウムベントナイト、および/または化粧料組成物尿素と呼ばれる重合体を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項17】
前記化粧料組成物が、少なくとも1種の着色剤をさらに含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項18】
前記着色剤が、有色顔料および/または染料であることを特徴とする、請求項17に定義される化粧料組成物。
【請求項19】
前記化粧料組成物が、添加物たとえば、チキソトロピー調節剤、抗酸化剤、乳化剤、ビタミン、香料、光安定剤、保存剤、充填剤、および/または医薬成分を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項20】
前記PVDアルミニウム顔料の顔料レベルが、いずれも前記組成物の前記全重量を基準にして、好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物。
【請求項21】
人工フィンガーネイルであって、前記人工フィンガーネイルが、先行する請求項のいずれか1項に定義される化粧料組成物を用いてコーティングされていることを特徴とする、人工フィンガーネイル。
【請求項22】
リーフィング性を有するPVDアルミニウム顔料の、化粧料組成物中、好ましくはネイルワニス中における使用。
【請求項23】
前記PVDアルミニウム顔料が、その表面上にリーフィング添加物を具備していることを特徴とする、請求項22に定義される使用。

【公表番号】特表2009−502839(P2009−502839A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523228(P2008−523228)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007354
【国際公開番号】WO2007/014680
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(502099902)エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (48)
【氏名又は名称原語表記】Eckart GmbH
【Fターム(参考)】