説明

金属箔付きシュリンクフィルム

【課題】 熱収縮性のシュリンクフィルムの少なくとも一部に金属箔を貼着させた金属箔貼着部が設けられた金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、金属箔貼着部に貼着された金属箔の光沢が損なわれないようにする。
【解決手段】 熱収縮性のシュリンクフィルム10の少なくとも一部に、金属箔21を貼着させた金属箔貼着部11が設けられた金属箔付きシュリンクフィルム1において、上記の金属箔貼着部に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部11aが分散された状態で存在するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱収縮性のシュリンクフィルムの少なくとも一部に、金属箔を貼着させた金属箔貼着部が設けられた金属箔付きシュリンクフィルムに係り、特に、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた場合においても、金属箔貼着部に貼着された金属箔の光沢が損なわれないようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の印刷等を行った熱収縮性のシュリンクフィルムを熱収縮させて、このシュリンクフィルムを各種の容器等の外周に装着させることが行われている。
【0003】
また、近年においては、このように容器等の外周にシュリンクフィルムを装着させた場合において、その装飾性等を高めるために、金属光沢部分を設けることが要望されるようになった。
【0004】
そして、近年においては、上記のシュリンクフィルムの適当な位置に金属箔を貼着させることが検討されるようになった。
【0005】
ここで、このようにシュリンクフィルムの適当な位置に金属箔を貼着させるにあたり、このシュリンクフィルムの適当な位置に接着剤を付与し、このように接着剤が付与された部分の全面に金属箔を取り付けた場合、このシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させると、シュリンクフィルムは収縮されるが、このシュリンクフィルムに取り付けられた金属箔自体は収縮しないため、シュリンクフィルムの収縮により金属箔が隆起するように変形し、金属箔に皺等が生じて、金属箔の光沢等が損なわれるという問題があった。
【0006】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、容器等の外周に金属箔などを設け、このように金属箔などが設けられた容器等の外周にシュリンクフィルムを装着させることが提案されている。
【0007】
しかし、このように容器等の外周に金属箔などを設けた後、この容器等の外周にシュリンクフィルムを装着させる場合、作業が面倒でコストが高くつくと共に、シュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させる際に、金属箔に力が加わって、金属箔が剥がれたり、金属箔の光沢が損なわれたりするという問題があった。
【特許文献1】実用新案登録第3037179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、熱収縮性のシュリンクフィルムの少なくとも一部に、金属箔を貼着させた金属箔貼着部が設けられた金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、金属箔貼着部に貼着された金属箔の光沢が損なわれないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明においては、上記のような課題を解決するため、熱収縮性のシュリンクフィルムの少なくとも一部に、金属箔を貼着させた金属箔貼着部が設けられた金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、上記の金属箔貼着部に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在するようにした。
【0010】
ここで、上記のように金属箔貼着部に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部を分散させた状態で存在させるにあたり、この金属箔貼着部において、上記の金属箔非貼着部の面積比率が小さくなりすぎると、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、金属箔に皺等が生じ、金属箔の光沢等が損なわれるようになる。一方、上記の金属箔非貼着部の面積比率が大きくなりすぎると、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた場合においても、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が目立って、十分な金属光沢が得られなくなる。
【0011】
このため、上記の金属箔貼着部において、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率を5〜40%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは7〜25%の範囲になるようにする。
【0012】
また、この発明の金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、上記のように金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在するようにして、金属箔貼着部に金属箔を貼着させるにあたって、熱収縮性のシュリンクフィルムにおける金属箔貼着部に接着剤を付与するに際し、接着剤が付与されていない接着剤非付与部が分散された状態で存在するようし、このように接着剤非付与部が分散されて存在する接着剤の付与部分に金属箔を貼着させるようにすることができる。
【0013】
ここで、上記の接着剤としては、例えば、凸版印刷用の高粘度の接着剤や、フレキソ印刷用の低粘度の接着剤等の各種の接着剤を用いることができる。また、上記のように接着剤の付与部分に金属箔を貼着させた後、シュリンクフィルムに熱を加えることなく、この接着剤を速やかに硬化させるようにするため、接着剤としては、光硬化性の接着剤を用いることが好ましい。
【0014】
また、上記の接着剤に凸版印刷用の高粘度の接着剤を用いた場合においては、この高粘度の接着剤を上記のシュリンクフィルムにおける金属箔貼着部全体に付与するようにしても、付与された接着剤における厚みむら等により、金属箔の貼着にむらが生じ、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在するようになる。
【発明の効果】
【0015】
この発明における金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、金属箔を貼着させるシュリンクフィルムの金属箔貼着部において、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在するようにしたため、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させた場合においても、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部により、金属箔が隆起するように変形するのが緩和され、金属箔に皺等が生じるのが防止されるようになる。
【0016】
この結果、この発明における金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、金属箔貼着部に貼着された金属箔の光沢が損なわれるということがなく、綺麗な金属光沢が得られるようになる。
【0017】
また、この発明における金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、金属箔貼着部に金属箔を分散させた状態で貼着させるにあたり、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率を5〜40%の範囲にすると、金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、金属箔の光沢等が損なわれるのが一層抑制されると共に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が目立って十分な金属光沢が得られなくなるのも防止されるようになり、特に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率を7〜25%の範囲にすると、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器等の外周に装着させた際に、より綺麗な金属光沢が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、この発明の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る金属箔付きシュリンクフィルムは、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0019】
この実施形態における金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、図1に示すように、熱収縮性のシュリンクフィルム10の片面において、金属箔21を貼着させる金属箔貼着部11に接着剤12を付与するようにした。
【0020】
ここで、上記の熱収縮性のシュリンクフィルム10としては、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムが一軸延伸されたものや、一軸がもう一軸よりも強く延伸されたものが主として用いられ、また一部、二つの軸が同程度に二軸延伸されたものも用いられる。
【0021】
また、上記の接着剤12としては、前記のように高粘度の凸版印刷用接着剤や、フレキソ印刷用接着剤などを用いることができ、この実施形態においては、上記の接着剤12として、紫外線硬化性で高粘度の凸版印刷用接着剤を用いるようにした。なお、上記のような紫外線硬化性の凸版印刷用接着剤としては、例えば、T&K TOKA社製のUV糊SPP(商品名)を用いることができ、また紫外線硬化性のフレキソ印刷用接着剤としては、例えば、T&K TOKA社製のUVフレキソコールドホイル接着剤(商品名)を用いることができる。
【0022】
そして、上記のように金属箔21を貼着させるシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11に接着剤12を付与するにあたっては、各種の印刷方法を用いることができるが、この実施形態においては、図2に示すように、長尺のシュリンクフィルム10を圧胴31に導き、このシュリンクフィルム10に凸版ローラ32から上記の接着剤12を付与するようにした。
【0023】
ここで、上記のように凸版ローラ32からシュリンクフィルム10に接着剤12を付与するにあたり、この実施形態においては、図3に示すように、シュリンクフィルム10に接着剤12を供給する凸版部分32aに、凹部32bが網点状に多数設けられた凸版ローラ32を用い、この凸版ローラ32からシュリンクフィルム10に接着剤12を供給した際に、図1に示すように、この凹部32bに対応して接着剤12が付与されない接着剤非付与部12aが網点状に分散されて存在するようにした。
【0024】
次いで、このように接着剤非付与部12aが網点状に分散されて接着剤12が付与されたシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11に金属箔21を貼着させるにあたっては、図4に示すように、ポリエチレンテレフタレート等で構成された支持フィルム22の片面に、この支持フィルム22から簡単に剥離される離型層23と、アルミニウム等の金属の蒸着膜からなる金属箔21と、シュリンクフィルム10に付与された接着剤12との接着性が高いプライマー層24とが積層された金属箔供給用シート20を用いるようにした。
【0025】
そして、この実施形態においては、図2に示すように、上記のように接着剤12が付与されたシュリンクフィルム10の面と、離型層23と金属箔21とプライマー層24とが積層された金属箔供給用シート20の面におけるプライマー層24とが対面するようにして、上記のシュリンクフィルム10と金属箔供給用シート20とを一対の押圧ローラ33,33間に導いて、シュリンクフィルム10に付与された接着剤12に金属箔供給用シート20を押圧させるようにした。
【0026】
その後、上記の金属箔供給用シート20の上から紫外線照射装置34によりシュリンクフィルム10に付与された接着剤12に紫外線を照射させて上記の接着剤12を硬化させ、接着剤12に金属箔供給用シート20における上記のプライマー層24を接着させるようにした。なお、プライマー層24は、上記の接着剤12への金属箔21の接着性をよくするために設けたものであり、金属箔21の接着剤12への接着性が優れている場合には、特に設ける必要がない。
【0027】
そして、このようにシュリンクフィルム10に付与された接着剤12に金属箔供給用シート20におけるプライマー層24を接着させた後、一対の分離ローラ35,35を通して上記の金属箔供給用シート20とシュリンクフィルム10とを分離させるようにした。
【0028】
このように、金属箔供給用シート20とシュリンクフィルム10とを分離させると、図5に示すように、シュリンクフィルム10に付与された接着剤12にプライマー層24が接着された部分においては、上記の支持フィルム22から離型層23が分離されて、接着剤12が付与されたシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11の接着剤付与部に、金属箔供給用シート20におけるプライマー層24と金属箔21と離型層23とが貼着されるようになった。なお、金属箔貼着部11における接着剤非付与部12aにおいては、金属箔供給用シート20がシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11に接着されないので、この金属箔供給用シート20が一対の分離ローラ35,35を通過した後、図2に示すように、このようにシュリンクフィルム10に接着されない部分におけるプライマー層24と金属箔21と離型層23とが金属箔供給用シート20に残った状態になって分離される。
【0029】
また、このようにして接着剤12が付与されたシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11にプライマー層24を介して金属箔21等を貼着させた場合、金属箔貼着部11に網点状に分散されて存在する接着剤12が付与されない接着剤非付与部12aや、金属箔貼着部11に付与された接着剤12の厚みむら等により、図6に示すように、この金属箔貼着部11に、金属箔21等が貼着されていない金属箔非貼着部11aが分散された状態で存在するようになった。
【0030】
そして、このようにシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11に金属箔非貼着部11aが分散された状態で存在するこの実施形態の金属箔付きシュリンクフィルム1を、図7に示すように筒状に成形した後、この金属箔付きシュリンクフィルム1を容器2の外周を覆うように配し、この金属箔付きシュリンクフィルム1を熱収縮させて、図8に示すように、この金属箔付きシュリンクフィルム1を容器2の外周に装着させるようにした。
【0031】
このように金属箔付きシュリンクフィルム1を熱収縮させて容器2の外周に装着させた場合、この実施形態の金属箔付きシュリンクフィルム1においては、シュリンクフィルム10が熱収縮されても、金属箔貼着部11に金属箔21等が貼着されていない金属箔非貼着部11aが分散された状態で存在するため、金属箔貼着部11において金属箔21が重なり合って隆起するように変形するのが緩和され、金属箔21に皺等が生じて金属箔21の光沢が損なわれるということがなく、金属箔貼着部11において綺麗な金属光沢が得られるようになった。
【0032】
なお、この実施形態においては、シュリンクフィルム10に接着剤12を付与するにあたり、凸版部分32aに凹部32bが網点状に多数設けられた凸版ローラ32を用い、シュリンクフィルム10に接着剤12を供給した際に、この凹部32bに対応して接着剤12が付与されない接着剤非付与部12aが網点状に分散されるようにしたが、接着剤12として、上記のような高粘度の凸版印刷用接着剤を用いた場合、凸版部分32aに凹部32bが設けられていない凸版ローラ32によってシュリンクフィルム10の金属箔貼着部11に接着剤12を付与するようにしても、付与された接着剤12の厚みむら等により、この金属箔貼着部11に、金属箔21等が貼着されていない金属箔非貼着部11aが分散された状態で存在するようになり、上記の場合と同様の効果が得られた。
【実施例】
【0033】
次に、上記のように金属箔貼着部に金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在するこの発明の実施例に係る金属箔付きシュリンクフィルムと、金属箔貼着部の略全面に金属箔が貼着された比較例の金属箔付きシュリンクフィルムとを挙げ、これらの金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた場合、この発明の実施例に係る金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、金属箔貼着部における金属箔の光沢が損なわれるということがなく、金属箔貼着部において綺麗な金属光沢が得られることを明らかにする。
(実施例1〜3)
実施例1〜3においては、シュリンクフィルムの金属箔貼着部に付与する接着剤として、紫外線硬化性で高粘度の凸版印刷用接着剤(T&K TOKA社製:UV糊SPP−BK)を用いた。
【0034】
ここで、実施例1〜3において、凸版ローラにより上記の接着剤をシュリンクフィルムの金属箔貼着部に付与するにあたり、実施例1においては、凸版部分に凹部が設けられていない凸版ローラを、実施例2においては、凸版部分に網点状に設けられた凹部の面積比率が20%になった凸版ローラを、実施例3においては、凸版部分に網点状に設けられた凹部の面積比率が40%になった凸版ローラを用いるようにした。
【0035】
そして、これらの凸版ローラを用いてそれぞれシュリンクフィルムの金属箔貼着部に上記の接着剤を付与した後、上記の実施形態に示すようにして、各金属箔貼着部にそれぞれ、表面にプライマー層としてアクリル樹脂がコートされた金属箔を貼着させて、実施例1〜3の各金属箔付きシュリンクフィルムを作製した。
【0036】
このようにして作製した実施例1〜3の各金属箔付きシュリンクフィルムについて、それぞれの金属箔貼着部において金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率を求めた結果、実施例1のものにおいては、金属箔非貼着部の面積比率が16.1%、実施例2のものにおいては、金属箔非貼着部の面積比率が10%、実施例3のものにおいては、金属箔非貼着部の面積比率が35%になっていた。
(比較例1)
比較例1においては、シュリンクフィルムの金属箔貼着部に付与する接着剤として、紫外線硬化性で低粘度のフレキソ印刷用接着剤(T&K TOKA社製:UVフレキソコールドホイル接着剤)を用いた。
【0037】
ここで、上記の接着剤を凸版ローラによりシュリンクフィルムの金属箔貼着部に付与するにあたり、この比較例1においては、凸版部分に凹部が設けられていない凸版ローラを用いるようにした。
【0038】
そして、この凸版ローラを用いてシュリンクフィルムの金属箔貼着部に上記の接着剤を付与した後、上記の実施形態に示すようにして、金属箔貼着部に、上記の実施例1〜3の場合と同様に、表面にプライマー層としてアクリル樹脂がコートされた金属箔を貼着させて、比較例1の金属箔付きシュリンクフィルムを作製した。
【0039】
このようにして作製した比較例1の金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、金属箔貼着部において金属箔が略全面に貼着された状態になっており、金属箔非貼着部の面積比率は0.58%になっていた。
【0040】
そして、上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例1の各金属箔付きシュリンクフィルムについて、金属箔貼着部における金属箔の状態の評価を行い、その結果を下記の表1に示した。なお、この評価においては、金属箔貼着部における金属箔非貼着部が目視によって確認できなかった場合を○、金属箔貼着部における金属箔非貼着部が目視によって少し確認できた場合を△で示した。
【0041】
次に、上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例1の各金属箔付きシュリンクフィルムをそれぞれ筒状に形成し、各金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた。なお、各金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた際のシュリンク率は1.5%程度であった。
【0042】
そして、このように熱収縮させて容器の外周に装着させた各金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、金属箔貼着部における金属箔の状態の評価を行い、その結果を下記の表1に示した。なお、この評価においては、金属箔貼着部における金属箔の光沢が良好であった場合を○、金属箔貼着部における金属箔非貼着部によって金属箔の光沢が少し低くなって熱収縮前と殆ど同じ光沢状態になっていた場合を△、金属箔貼着部における金属箔に皺等が生じて金属光沢が悪くなっていた場合を×で示した。
【0043】
【表1】

この結果から明らかなように、金属箔貼着部において金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散されて存在する各金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、金属箔貼着部において金属箔が略全面に貼着された比較例1の金属箔付きシュリンクフィルムのように、金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた際に、金属箔貼着部における金属箔に皺等が生じて金属光沢が悪くなるということがなかった。
【0044】
また、金属箔貼着部において金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率を7〜25%の範囲にした実施例1,2の金属箔付きシュリンクフィルムにおいては、金属箔非貼着部による金属箔の光沢の低下は認められなかった。
【0045】
次に、金属箔非貼着部が金属箔貼着部に囲まれるようにして分散されて存在している上記の実施例1〜3の各金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、前記の金属箔非貼着部24箇所について面積を測定し、金属箔非貼着部における最小及び最大の面積を求めると共に、金属箔非貼着部の面積の平均値を求め、その結果を下記の表2に示した。
【0046】
【表2】

この結果、分散された個々の金属箔非貼着部の面積が1.0×10-9〜47.5×10-9程度である金属箔非貼着部が形成されている場合、この金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた際に、金属箔の光沢を維持するのに効果があると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを製造するにあたり、金属箔を貼着させるシュリンクフィルムの金属箔貼着部に接着剤を付与した状態を示した概略平面図である。
【図2】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを製造する状態を示した概略説明図である。
【図3】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを製造するにあたり、シュリンクフィルムの金属箔貼着部に接着剤を付与するのに使用した凸版ローラにおける凸版部分の状態を示した概略平面図である。
【図4】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを製造するのに使用した金属箔供給用シートの積層構造を示した概略説明図である。
【図5】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを製造するにあたり、シュリンクフィルムの金属箔貼着部に金属箔等を貼着させた状態を示した概略説明図である。
【図6】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、金属箔貼着部に金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散されて存在する状態を示した部分拡大模式図である。
【図7】上記の実施形態に係る金属箔付きシュリンクフィルムを筒状に形成した状態を示した概略斜視図である。
【図8】上記の実施形態において、筒状に形成した金属箔付きシュリンクフィルムを熱収縮させて容器の外周に装着させた状態を示した概略正面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 金属箔付きシュリンクフィルム
2 容器
10 シュリンクフィルム
11 金属箔貼着部
11a 金属箔非貼着部
12 接着剤
12a 接着剤非付与部
20 金属箔供給用シート
21 金属箔
22 支持フィルム
23 離型層
24 プライマー層
31 圧胴
32 凸版ローラ
32a 凸版部分
32b 凹部
33 押圧ローラ
34 紫外線照射装置
35 分離ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性のシュリンクフィルムの少なくとも一部に、金属箔を貼着させた金属箔貼着部が設けられた金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、上記の金属箔貼着部に、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部が分散された状態で存在することを特徴とする金属箔付きシュリンクフィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の金属箔付きシュリンクフィルムにおける上記の金属箔貼着部において、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率が5〜40%の範囲であることを特徴とする金属箔付きシュリンクフィルム。
【請求項3】
請求項1に記載の金属箔付きシュリンクフィルムにおける上記の金属箔貼着部において、金属箔が貼着されていない金属箔非貼着部の面積比率が7〜25%の範囲であることを特徴とする金属箔付きシュリンクフィルム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の金属箔付きシュリンクフィルムにおいて、上記のシュリンクフィルムに対して金属箔が高粘度の接着剤によって貼着されていることを特徴とする金属箔付きシュリンクフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−155366(P2010−155366A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334436(P2008−334436)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】