説明

金属被接合部材の接合方法及び接合構造

【課題】 金属被接合部材3を接着剤6により、金属被接合部材3の母材強度より大きい強度が得られるように接合させる。
【解決手段】 金属製差込み継ぎ手は、金属被接合部材3の端部が挿入される挿入孔2aが形成された受け口部4を有している。また、その開口端からその奥側に至る受け口部4の外面はテーパ状面となっている。受け口部4の最奥方位置の挿入孔中心線方向引張強度は、金属被接合部材3の中心線方向引張強度に対し同等以上である。
金属製差込み継ぎ手は、挿入孔2aの幅が金属被接合部材3の端部と比べて0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の大きさだけ前記挿入孔2aの幅を大きく形成されている。金属被接合部材3の端部を焼入れ、若しくは冷間加工を行い、金属被接合部材3の端部を前記挿入孔2a内に押し込むと共に金属被接合部材3の端部と前記挿入孔2aの内面との間に接着剤を密状に存在させて金属被接合部材3と接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属管(鋼管、鉄管、ステンレス鋼管等)或いは鋼板などの金属被接合部材を溶接によらないで接着剤により強力に接合させる金属被接合部材の接合方法、及び、この方法の実施において使用される金属製差込み継ぎ手に関する。
【背景技術】
【0002】
非金属材料の被接合部材を特定形状の継ぎ手と、接着剤とで接合させるものとして、特許文献1や特許文献2に開示されたようなものが存在している。
【0003】
特許文献1には、硬質塩化ビニール管の端部を同一材からなる管継ぎ手の受け口部の挿入孔内に嵌挿し接着させて接合させる技術が開示されている。
【0004】
この技術においては、受け口部の挿入孔の内周面が受け口部開口側よりその奥側へ向け漸次小径となるテーパ状面となされ、また受け口部の外周部の外表面が受け口部奥側からその開口側へ向け漸次小径となるテーパ状面となるように形成されており、硬質塩化ビニール管の端部を受け口部に接合させるさいは、硬質塩化ビニール管の端部の外周面と、受け口部の挿入孔の内周面とに接着剤を塗布した後に、硬質塩化ビニール管の端部を挿入孔の内方に押し込むように実施される。
【0005】
これによれば、硬質塩化ビニール管や管継ぎ手が硬質塩化ビニール材であることにより、接着剤の塗布された表面に0.1mm厚程度の膨潤層が形成され、受け口部の挿入孔内に硬質塩化ビニール管の端部が押し込まれることにより、これら膨潤層が圧密状に当接されて必要な接着強度が得られる。
【0006】
また受け口部の外周面が受け口部奥側からその開口側へ向け漸次小径となるテーパ状面となされているため、硬質塩化ビニール管と受け口部が接合された状態の下で、受け口部の挿入孔の開口端面においてそれら接合構造の急激な形状変化が回避されるのであり、これにより次のような2つの作用が得られる。
【0007】
即ち、その1つは、該開口端面近傍の硬質塩化ビニール管箇所に前記不連続形状に起因して生じていた応力集中が抑制され、硬質塩化ビニール管の前記開口端面近傍箇所の折損が防止されるというものである。
【0008】
そして他の1つは、硬質塩化ビニール管の端部と受け口部の挿入孔内とに接着剤を塗布し硬質塩化ビニール管の端部を挿入孔内に押し込んだときに、接着剤が受け口部の開口端面近傍である硬質塩化ビニール管の外周面上に漏れ出るが、受け口部の開口端面での形状変化が小さくなることから、その漏れ出た接着剤を完全に拭き取って除去することができるのであり、これにより、その漏れ出た接着剤の溶剤に起因して発生する硬質塩化ビニール管に特有の弊害が回避されるというものである。
【0009】
次に特許文献2には、GFRP(glass fiber reinforced plastics)管の端部を同一材からなる管継ぎ手の受け口部の挿入孔内に嵌挿し接着させて接合させる技術が開示されている。
【0010】
この技術においては、管継ぎ手は、受け口部の挿入孔の内周面を受け口部開口側よりその奥側へ向け漸次小径となるテーパ状面となされると共に受け口部の外周部の外表面を直状の一様断面形状となされており、一方、GFRP管は端部の外周面が端面へ向け漸次に小径となるテーパ状面となされている。そして、GFRP管の端部を受け口部に接合させるさいは、GFRP管の端部の外周面と、受け口部の挿入孔の内周面とに接着剤を塗布した後に、GFRP管の端部を受け口部の内方に押し込むように実施される。
【0011】
これによれば、受け口部がその開口側から奥側へ向け漸次小径となるテーパ状面となされているため、GFRP管と受け口部が接合された状態の下で、受け口部の開口側端面において急激な形状変化が回避されるようになる点では特許文献1のものと同じであり、この結果、外力の作用時においてGFRP管の受け口部開口側端面近傍箇所に急激な形状変化による応力集中が発生し難くなり、受け口部開口側端面近傍箇所の応力集中に起因したGFRP管の折損が回避されることが予想される。
学会においては、金属製接着について非特許文献1に示すように、テーパ形軸継手についての検討が過去にされ、テーパ形にすることにより引っ張り強度が向上するとの報告がされている。
【特許文献1】特開平9−217883号公報
【特許文献2】特開平5−346187号公報
【非特許文献1】金属製接着中空軸継手の強度に及ぼすカップリング形状の影響 日本機械学会論文集(A編)52巻477号(昭61−5) PP1252−1256
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
金属被接合部材を溶接することなく、該被接合部材の中心線方向の引張強度と同等以上の強度で接合させることを可能とすることは、配管構造や一般構造物の構築の手法を広範となす上で有用である。
【0013】
特に、鋼管の溶接においては、火気を取り扱う関係上、完全に火が消えている状態を確認する必要がある。
【0014】
一方、上記した特許文献1及び2に開示された技術は、硬質塩化ビニール管又はGFRP管を継ぎ手や接着剤を介して接合させるものであるが、金属管や金属棒の代表的な素材である鋼材などはこれら硬質塩化ビニール管やGFRP管などの素材に較べて、比重が大きく、強度の変形、粘性においても異なる性質をもっている。また接着剤との化学上のなじみ性に劣り、同一には論じられない。
【0015】
また、非特許文献1の報告においては、先の特許文献1及び2とは異なり金属管についてのものであり、テーパとすることにより継ぎ手受け口の端面部に形状変化による応力集中が発生し難くなることは述べられている。しかながら、本負荷試験においては、引張力(180MPa)と捻りの合力(180MPa)の合力ではあるが、一般的な圧延鋼材の引張強度400MPaよりも小さい負荷において、継ぎ手に破断が生じている。論文中、負荷試験を行った際の継手の破断の理由として、継ぎ手よりも外側の金属管側に塑性変形が起き、継手端部の接着層および界面に初期破損が生じ破損が進行し、破断したと考えられるとしている。このように、テーパ形としただけでは接着強度は、金属管の強度を超えられなかったことを示している。
【0016】
尚、非特許文献1では、接着層の厚さが0.05mmであるとの報告がされているが、継手の受口の内周径とこれに挿入される金属管の外周径との差を0.1mmとしたような場合には、金属管を受口に挿入する際において、金属管と受口との間で塗布した接着剤が削れて失われるので、接着面全域に渡って0.05mmとすることは極めて困難である。
【0017】
金属管の接続については、現状実現されているものは溶接によるものであって、例えばJIS規格には、接続する鋼管に応じて使用すべき継手の厚さが規定されている。具体的には、継手の肉厚は、引張試験において、継手に接続される鋼管の母材の方が切断されるような肉厚とすることを要求している。また、溶接による接続についても同様に鋼管の母材の方が切断するような溶接強度が必要であって、図3に示すように継手200の側面dに対して、金属管の外周上に脚長を伸ばすことが定められている。尚、継手の受口の内周面と金属管外周は当接しているのみであって、接続強度を得るための指標にはされていない。
【0018】
このような鋼管の母材が切断される強度を要求するJIS規格に当てはめると、非特許文献1の接着接続方法では、継手側の接着部に破損が起きており、鋼管の接続における実用には資すことができない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、金属被接合部材を接着剤により、該被接合部材の母材の引張強度と同等以上の引張強度の得られるように接合させることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明に係る金属被接合部材の接合方法は、金属部材の端部を挿入され接着剤で接着される挿入孔の形成された受け口部を形成され且つ、前記受け口部開口端からその奥側に至る受け口部外面が受け口部開口端から受け口部奥側へ向け漸次に増大するようなテーパ状面となされ且つ、受け口部最奥方位置の挿入孔中心線方向引張強度を前記被接合部材の中心線方向引張強度に対し同等以上となした金属製差込み継ぎ手を形成し、一方では、前記被接合部材の端部と前記挿入孔の幅とは0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の大きさだけ前記挿入孔を大きく形成し、前記金属被接合部材の端部を焼入れ、若しくは冷間加工を行い、前記被接合部材の端部を前記挿入孔内に押し込むと共に前記被接合部材の端部と前記挿入孔との間に接着剤を密状に存在させた状態とするものである。
【0020】
本発明に係る金属被接合部材の接合方法の他の面は、金属被接合部材と前記挿入孔の内面と間に、球部材を単層状且つ散点状に位置させるものである。
【0021】
また、本発明に係る金配管と継手の接合構造においては、継手の受け口部は、前記金属管を挿入する挿入孔の内周面を、これに対応した前記受け口部と略同心の直状円筒面となされ且つ、前記受け口部開口端からその奥側に至る受け口部外周面が受け口部奥側から受け口部開口端へ向け漸次に縮径するようなテーパ状面となされ且つ、受け口部最奥方位置の継ぎ手本体の挿入孔中心線方向引張強度を前記被接合部材の中心線方向引張強度に対し同等以上となし、一方では、前記金属管の端部の外周面は前記直状円筒面と平行な形状となし、且つその外径と前記直状円筒面の内径とは0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の大きさだけ前記直状円筒面大きいものであって、前記金属被接合部材の端部が焼入れ、若しくは冷間加工されており、前記金属管の端部の外周面と前記挿入孔の内周面と間に接着剤が密状に存在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、金属被接合部材の端部が焼入れ若しくは冷間加工により硬化するため、該端部と金属製差込み継ぎ手との接合構造に金属被接合部材の中心線方向の引張力が作用したときの、金属被接合部材の端部の変形が阻止されるものとなり、テーパ効果による応力分散が適切に行われ、接着剤の持つ接着力が仕様通りに発揮されるものとなる。従って、接着面積を金属被接合部材の母材の強度以上に設定すれば、過大な引張り力をかけた場合には母材の方が切断することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
まず、本実施例に使用する配管用の金属製差込継ぎ手について説明する。
図1は金属製差込継ぎ手を示す断面図である。
図1において、金属製差込継ぎ手1aは金属材で単体筒状であり、その中心位置に直状孔2が形成されている。金属材としては、例えば、FC、SS、SF、SCなどが多用されるが、これに限定するものではなく継ぎ手1aにより接合される金属管(金属被接合部材、金属配管)3の材料に適応した任意なもので差し支えない。
【0024】
金属製差込継ぎ手1aは長さ方向中央個所p1が最大径となされると共に長さ方向中央箇所p1を境にして左右対称形状となっている。直状孔2は一様断面を有する直状円筒面により形成されており、継ぎ手1aの長さ方向上での左方向と右方向のそれぞれの端部Q(左半分個所、右半分個所)に開口を有している。端部Qにおいて、その奥側へ向かう長さ(継ぎ手本体1の半分長さ)の範囲が、その対応する金属管3の端部3aの嵌挿される挿入孔2aである。そして、p1を境に金属製差込継ぎ手1aの左右半分が夫々左右の受け口部4となる。各受け口部4の外周面の形状は、受け口部4奥側から受け口部4開口側へ向け漸次に縮径するテーパ状面となっている。
受け口部4の開口端個所の断面形状はナイフエッジ状になる。しかし、金属管3と金属製差込継ぎ手1aとの接合処理を容易且つ的確に行えるようにするため、図1右側に示すように、受け口部4の中心線CLに対し直交した面で切断して切除しても良い。図1右側に示す例では受け口部4の開口端位置は、左側開口端よりも数mm程度中央点p1寄りの位置Q点にする。Q点位置において、半径方向巾をもつ開口端面10を形成している。図中、P1からE点の間の距離L1は、後術する最低必要長さであり、距離L2は開口端面10とE点との間の距離である。尚、切断して切除する場所は、E点よりも外側である。
【0025】
次に、本実施例による接合構造について、次の順番に従い説明する。
(A)・・・金属管の材料や径の決定
(B)・・・継ぎ手本体の材質と肉厚
(C)・・・継ぎ手本体の形状と接着面積
(D)・・・接着剤の厚さ
(E)・・・配管の接着箇所の処理

(A)金属管の材料や径の決定
まず、使用条件などから金属管3の材料や径が決められる。これにより金属製差込継ぎ手1aの挿入孔2aの内周面の直径が決定される。即ち、該挿入孔2aは、嵌挿される金属管3の端部3aの外径よりも例えば概略、0.2mm〜0.6mmの範囲内の任意な大きさだけ大きい寸法とする。
【0026】
ここに、0.2mmを下限境界とする意義は、これよりも小さいと、挿入孔2aとこれに嵌挿された金属管3の端部3aとの隙間が0.1mmよりも小さくなって挿入孔2a内に金属管3の端部3を挿入する作業が難しくなると共に挿入孔2aの内周面と金属管3の端部3aとの間に介在される接着剤層の層厚の均一化処理が困難となるからであり、また0.6mmを上限境界とする意義は、これよりも大きいと、挿入孔2aとこれに嵌挿された金属管3の端部3aとの隙間が0.3mmよりも大きくなって前記接着剤層の接着強度が大きく低下するからである。
【0027】
図2は接着剤層の厚さと接着剤層の接着強度との関係を示す図であり、横軸は接着剤層の厚さtを示し、縦軸は接着剤層の破断時の剪断応力(接着剤層の破断強度)τを示している。この図2から理解されるように、接着剤層の厚さtが略0.17mm程度よりも大きい範囲では、それよりも小さい範囲に較べて、破断時の剪断応力τの大きさが接着剤層の厚さの増大側への変化に伴って大きな割合で低下するものとなっている。したがって、接着剤層の強度を効果的に発現させるには接着剤層の厚さtは略0.3mm以下とするのがよい。さらに厳密には略0.17mm以下とするのがよい。
【0028】
(B)継ぎ手本体の材質と肉厚
図3は、従来より存在するJIS規格(JIS B 2316−1986)に係る配管用の差込継ぎ手200を示す断面図である。この差込継ぎ手200は既に各種の配管において用いられており、その口径毎に必要強度などを充足する受け口部肉厚(JIS厚さ)Tなどが定められている。
【0029】
JIS規格「B 2316−1986」は材料がFCである場合の金属製差込継ぎ手200についてのsch80とsch160の場合について規定しているのであり、sch80の管肉厚より小さい管肉厚の金属管3を接合させるさいはsch80についてのJIS受け口部肉厚Tを基準とし、またsch80の管肉厚より大きくてsch160の管肉厚以下である管肉厚の金属管3を接合させるさいはsch160についてのJIS受け口部肉厚Tを基準とし、金属製差込継ぎ手1aにおける受け口部最奥方位置(p1点)での肉厚はJIS受け口部肉厚T以上とする。

(C)継ぎ手本体の形状と接着面積
接着剤層が必要とする接着面の面積(接着面積)は、挿入孔2aに嵌挿される金属管3の外周面の直径と接着剤層の受け口部4の長さ(中心線CL方向の長さ)L1と円周率πを乗ずることで算出される。長さL1は、接着剤層の受け口部4中心線方向の最低必要長さ(強度計算上接着長さ)である。この接着面積は、金属被接合部材3である金属管の引張破断荷重と同一大きさの力が作用しても接着剤層にこれの破断時の応力(接着剤層の破断時の剪断応力)以上の応力が発生しない大きさとする。
いま、金属管の引張破断荷重の大きさがF1であるとすると、上記最低必要長さL1は次の(1)式により算出される。
L1=F1/πrτ ・・・(1)式
ここにおいて、τは接着剤の接合強度(接着剤層の破断時の単位面積あたりの剪断応力)、rは金属管の外径である。
【0030】
こうして最低必要長さL1が決定され、左右の各受け口部4の最奥方位置であるp1点から最低必要長さ(強度計算上接着長さ)L1だけ受け口部4開口側へ離れた位置(E点)まで接着剤を塗布することになる。
次に、開口端位置を決める。開口端位置はE点と等しいか、さらにp1点よりも離れた位置(Q点)に設定される。そして、受け口部4の外周面をなすテーパ状面1bは、受け口部最奥方位置(p1点)での肉厚T以上とした外周面位置Z点と、Q点とを結ぶ直線SL1を含む形状とする。これにより受け口部4の外周面であるテーパ状面1bが確定される。ここにおいて、テーパの角度は、3度乃至12度が適当であり、角度が小さくなるほど応力による歪は小さくなる。角度が小さければ継ぎ手の開口端肉厚が薄く強度が小さくなり、一方、角度が大きければ受け口部4の最奥方位置の肉厚が厚くなり材料コストが増加する。従って、実際の製品としては、5度乃至7度とするのが好ましい。
応力を分散する上では、テーパ形状は優れているが、受け部の開口部の部分の応力歪については、どのテーパ角度においても他の接着部分よりも大きい傾向が示されており、金属管の母材強度に匹敵する張力が加わった際に発生する開口部の応力歪が接着剤の接着強度を超えないようにすべきである。また、応力を分散させるのには、テーパの部分の範囲は長い方が良く、少なくとも金属管の先端が到達する受け口の奥部の直上の位置までは傾斜が連続させる。
【0031】
この金属製差込継ぎ手1aにおいて、各受け口部4において、E点からその対応する開口端Qまでの挿入孔2aの内周面も接着剤により金属管3の端部3aと接着されるように使用されるが、金属製差込継ぎ手1aの強さに余裕を持たせる上で寄与するものである。この場合、E点からその対応する開口端Qまでの挿入孔2aの内周面と金属管3の端部3aとの間の任意個所にリング状のシール材を嵌着し、水分が挿入孔2aと金属管3の端部3aとの間の奥方へ侵入するのを規制する構造としても良い。

(D)接着剤の厚さとその均一性
次に上記のように形成された金属製差込継ぎ手1aを使用して、金属管3同士を接合する場合は次のように行う。ここに、図4は金属製差込継ぎ手1aに金属管を嵌挿した結合構造100を示す断面図である。
金属管3の外径よりも0.2〜0.6mm大きな挿入孔2aを持つ金属製差込継ぎ手1aを用意する。
【0032】
次に図4に示すように、金属管3の端部3aを金属製差込継ぎ手1aの受け口部4の挿入孔2a内に嵌挿し、且つ、端部2aの外周面と挿入孔2aの内周面との間に多数の球部材5を単層状且つ散点状に位置させると共に接着剤6を密状に存在させる。
【0033】
次に金属管3の端部3aの外周面、及び又は、金属製差込継ぎ手の受け口部4の挿入孔2aの内周面の全面に接着剤6(先に球部材5に塗布した接着剤と同じものであってもよい。)を塗布し、その後、金属管3の端部3aを挿入孔2a内の予定位置(最奥部位置)であるp1点まで押し込んだ状態となし、この状態を、接着剤6が自身の接着力で金属管3と受け口部4との相対位置を維持させ得る状態に固化するまで継続させる。
また挿入孔2a内に金属管3の端部3aを押し込んだときに挿入孔2a内からその開口を通じて溢れ出た接着剤6は固化する前に拭き取る。
以後は、接着剤6が予定された強度を発現するまで待つのである。
【0034】
このさい、接着剤6としては、1液加熱硬化型のエポキシ系構造用接着剤(例えば、住友スリーエム社製の商品「Scotch−WeldXA7416」など)を使用するのがよい。接着面は脱脂処理し、プライマを塗布すれば接着力は強化される。
球部材5は金属、セラミック又はガラスなど適当な材料で形成されたものでよいのであり、例えばビーズ玉を使用すれば任意な径のものを容易に入手することができる。但し、セラミック又はガラスを利用する場合には、金属管3を挿入する際の衝撃により割れる可能性があるため、作業を慎重に行う必要がある。球部材5の直径は接着剤6層の予定最小厚さと予定最大厚さとの間となる大きさとし、例えば接着剤6が1液加熱硬化型のエポキシ系構造用接着剤である場合、その一般的な直径は概略、0.1mm〜0.25mmの範囲内の大きさとする。
このような球部材5を予め接着面に設定しておけば、金属管3と挿入孔2aの内周面との隙間が維持できるので、金属製差込継ぎ手1aの中央付近の外周面から内部の接合面までの間に貫通孔を設けておき、金属管3を挿入した後に、接着剤を貫通孔に圧入する方法により、接着剤を接合面に供給することも可能である。例えば図5において、球部材5が予め接着面に設置された状態で、開口端面10をブロック9によりシールをする。そして、金属製差込継ぎ手1aに設けられた貫通孔8から、継ぎ手の内部の空気を真空に抜く。その後、貫通孔8から接着剤6を注入するのである。
なお、球部材5を使用せずに、金属管3と金属製差込継ぎ手1aを器具により精密に固定して、0.1〜0.3mmの隙間を接着面全周に亘って維持するようにしても良い。但し、この場合、現場での作業は困難となり、実際は研究棟や工場等における屋内機材でのみ実施可能である。接着剤の中に予め、球部材5を予め混ぜ込んで球部材5を配置することも考えられるが、単層に球部材5を配置する制御が必要である。

(E)配管の接着箇所の処理
接着に先立って、金属管3の端部3aに対して硬化処理が行われる。金属管3の端部3aはオーステナイト領域まで加熱後、適当な冷却剤中で急速に冷却し、マルテンサイト組織として硬化させる、所謂焼入れ処理をする。また、このさい、鋼の表面層の炭素量を増加させるため、浸炭剤中で過熱処理した後、焼入れ処理を行ってもよい。強度を増大させて該端部3aを変形し難くすることが目的である。また、硬化させる手法として、再結晶温度以下で塑性変形を与える冷間加工も利用することができる。鋼管においては、JIS規格上ある程度の伸びを有していなければならないが、上記処理により金属管の端部3aの伸びは抑制されたものとなる。硬化処理の行われる端部3aとは、接着剤が塗布される範囲、すなわちL1を言うが、硬化処理を行う範囲を厳密にL1の範囲のみに限定的に行うことは技術的に不可能である。また、逆にL1よりも多少広い範囲で硬化処理を行っても支障は無く、硬化処理を行う範囲は少なくともL1の範囲であって、これよりも大きくて(例えば、L1の1.5倍)良いものである。また、焼入れ処理を行うにあたっては、必要部分のみを瞬時の加熱と急冷により焼入れが可能な高周波焼入れを利用するのが良い。
金属管3の端部3a周辺の焼入れを行うことに代えて、該端部3a周辺を冷間加工により硬化させても良い。
また、JIS規格品である炭素鋼鋼管(SGP、STPG、STSなど)の外周面は必ずしも真円とはなっていないため、これら鋼管を接合すべき金属管3として使用する場合、その端部3aを測定し該端部3aが真円の直円筒面となっていないときは、金属管3を円形状にする方法としては旋盤で切削する。
【0035】
(金属製差込継ぎ手の変形例1)
図6は変形例に係る結合構造101を示す断面図である。各受け口部4の最奥方位置p2を金属製差込継ぎ手1bの中央個所であるp1点に合致させないで、p1点よりも受け口部4開口側へ適当距離L3だけ変位させている。金属製差込継ぎ手1bの左右各側の受け口部4の最奥方位置p2点とその対応する側のE点との間の距離は、図1に示す場合と同じ長さL1とする。したがって、この変形例の接合構造101において、金属製差込継ぎ手1bの左半分範囲内のE点と、右半分範囲内のE点との間の距離は、図1に示す場合よりも距離L3の2倍の長さだけ大きくなる。
【0036】
また金属製差込継ぎ手1bの左半分範囲内の受け口部4の最奥方位置p2と、右半分範囲内の受け口部4の最奥方位置p2とのそれぞれに半径面部7が形成され、これら半径面部7、7間に形成された直状孔部分2bは挿入孔2aの内周面の直径よりも小さくなされると共に挿入孔2aに嵌挿される金属管3の内孔の直径以上となされる。
また、E点から開口端面10までの距離L2は、L1の0.2倍の長さである。開口端面10における挿入孔2aの内周面から外周面までの半径方向長さRL1は取扱い上の便宜性から数mm(例えば0.5mm〜3mm)程度である。そして開口端面10の外周面位置E2とZ点とを結んだ直線SL1がその対応する受け口部4の外周面をなすテーパ状面を特定するものとなる。なお、図中、金属製差込継ぎ手1aに対応する箇所には同一符号が付してある。
【0037】
この変形例によれば、金属管3の端部3aをその対応する受け口部4の挿入孔2a内に嵌挿するとき、金属管3の端部3aの先端がその受け口部4の半径面部7に衝接するため、端部3aをそれ以上の進入の規制される位置まで押し入れるだけで、金属管3は予定位置に正確に位置された状態となり、受け口部4に対する金属管3の押し込み量などを計測具で測定しないでも金属管3と受け口部4とを正確な相対配置に位置させることができる。その他の点は図1の場合に準じた構成となされる。なお、長さL3の大きさは継ぎ手強度上、任意であって差し支えない。
【0038】
(金属製差込継ぎ手の変形例2)
図7は別の変形例に係る接合構造102を示している。この接合構造102に用いる金属製差込継ぎ手1cは異なる4方向の各端部のそれぞれを受け口部4となされ、4本の金属管3を十字状に接合するためのものである。そして図8はさらに別の変形例に係る接合構造103を示している。この接合構造103は異なる3方向にそれぞれ受け口部4を有する金属製差込継ぎ手1dを用いて、3本の金属管3をY字状に接合するためのものである。さらには、2つの受け口部4をその中心線が90度で交叉する金属製差込継ぎ手を用いて、2本の金属管3をL字状に接合させるように変形してもよい。
【0039】
(金属製差込継ぎ手の変形例3)
図9は別の変形例に係る接合構造104の断面図である。
この図9において、図1の場合と同様に、金属製差込継ぎ手1eの長さ方向中央個所p1を左右各側の受け口部4の最奥方位置とする。そして、金属製差込継ぎ手1eのp2点における肉厚T2は、金属管3の引張強度と同等以上の引張強度とする。例えば、金属管3の肉厚以上となるように決定する。開口端QとE点とは一致しており、また、左右のp1点の間は、肉厚T2のままとなっている。
〈実験例〉
本発明者等は図6に示す金属製差込継ぎ手1bを使用して2本の金属管(SGP20A)3、3を住友スリーエム社製の商品「Scotch−WeldXA7416にて接合し、端部3aの強度計算上接着長さL1を38mm(L2=0mm)とした接合構造を形成して引張試験を行った。金属管の強度(400MPa)と同等な強度となるように、接着剤の単位面積当りの強度から接着面積を計算し、強度計算上接着長さL1(38mm)を得た。テーパの角度は7度とした。なお、本実験においては、球部材5を使用せずに隙間0.1mmの間隔を持つように金属管と継ぎ手を器具にて固定して接着した。
(1)金属管3の端部3aを、焼き入れ若しくは冷間加工をしない状態で、金属製差込継ぎ手1bにより接合し、中心線CL方向の引張力を付与してこれを増大させた。引張力が50kNを超えた後、挿入孔2aに嵌挿された金属管3の端部3aが伸びてその径が縮小され、挿入孔2aの内周面と金属管3の端部3aの外周面との接着剤による接合が破壊され分離した。
(2)金属管3の端部3a周辺(挿入孔内に嵌挿される端部3a長さの1.5倍程度の長さ範囲)に焼入れを実施した。中心線CL方向の引張力を付与してこれを増大させていくと引張力が85kNに到達した段階で、金属製差込継ぎ手1bと金属管3との接合構造は破断せず、金属管3の母材個所が破断した。
(3) 本発明者らは、接合構造の接合強度を測定するために、SGP20Aよりも強度の高い同径鋼管(STPT410 SCH160)を、先の実験と同様な接着面積(L1=38mm)にて、接着面が破断する張力を調べた。その結果、150kNを過ぎたところで、今度は接着面が破断した。また、接着剤の厚さについては、先の実験も含めて0.1mmにて制御して接着を行ったが、本破壊試験の後に接着面についてその厚さをマイクロメータで測定したところ、約0.15mmとなっていた。
【0040】
この実験の結果、接着剤の接合強度τは、金属管(STPT410 SCH160)3を使用した際の接着面の破断荷重である150kNを、接着面積である3246mmで除した値46.2MPaとなった。
接合すべき任意の金属管に対する強度計算上接着長さL1は、その金属管の破断強度F1を、実験で求めた接着剤の接合強度τである46.2MPa及び金属管3の内周(πr:rは金属管の外径)で、除することにより算出されるのである。
【0041】
焼入れされたときの金属製差込継ぎ手1bによる接合構造101は、引張力に対する強度部材として支障なく使用し得るものである。焼入れた金属管(SGP20A)に対して85kN引張試験を行った結果、継ぎ手ではなく金属管側が破断した様子を図10に示す。
【0042】
(金属板への適用例)
金属板においても、引張力を付加することにより、接着部6における変形が起きる。図11に、金属板を接合する接合構造105を示す。図中破線Sに示すように、金属板30の左右に引張り力を付加することにより、板厚が薄くなる方向に変形しようとする応力が発生する。
継ぎ手の受け口上下にテーパ形状を設けて応力を分散させてはいるが、特に受け口4の端部において観測される歪は大きく、接着面を剥離する方向に力が働くものである。
本実施例においては、金属製差込継ぎ手1aに対応する箇所には同一の符号が付してある。図11に示すように、金属製差込継ぎ手1fは、各受け口部4の最奥方位置p2を金属製差込継ぎ手1fの中央個所であるp1点に合致させないで、p1点よりも受け口部4開口側へ適当距離L3だけ変位させている。金属製差込継ぎ手1fの左右各側の受け口部4の最奥方位置p2点とその対応する側のE点との間の距離は、図1に示す場合と同じ長さL1とする。
また継ぎ手1fの左半分範囲内の受け口部4の最奥方位置p2と、右半分範囲内の受け口部4の最奥方位置p2との間が連結部70が形成されており、上下のテーパ状面がp1点において連結されている。
本実施例においても、金属板の端部を焼き入れ又は冷間加工されており、接着部における変形は抑止される。この結果、接着面積を金属板の引張強度以上に確保するようにL1を定めれば、引張力が加わったときに、金属板の母材の方が破断する結果となり、継ぎ手としての性能が確保される。
金属板30が挿入される挿入孔2aは、対向する少なくとも2つの平面を持っておれば良い。金属板30の厚さと受け口部4の挿入孔2aの幅(対向する平面の間隔、図11中 挿入孔2aの上下の平面)との関係を、0.2〜0.6mm開口幅を大きくすることは他の接合構造と同様である。尚、
このような継ぎ手の変形例を図12に示す。金属製差込継ぎ手1fは本図12Aに示すT字状に受け口をもつ継ぎ手1gや、図12Bに示すようなクロス状に受け口を持つ継ぎ手1hに応用することもできる。T字状或いはクロス状の継ぎ手においては、テーパの傾斜が接続する部分Fにおいて、曲面によって連続的につなげるのが良い。角度を持つものとすると応力が集中するからである。

(変形の阻止の他の方法)
引張力を付加した際に、金属管を変形し難くさせる方法として、焼入れ(浸炭を含む)、冷間加工を実施することを示したが、図13に示すように金属管内に金属製の円柱部材11を挿入することによっても、変形を抑えることができる。
すなわち、金属管3は引張力により、伸張して縮径が生じるが、管内に円柱部材11が存在するため縮径に抗することができるようになる。図中、上記実施形態に対応する箇所には同一の符号が付してある。この継ぎ手1i、ijは、金属管3の内部に挿入される円柱部材11を両端に有しており、先に示した金属管或いは金属板の外側から接着する継ぎ手とは異なり、テーパ状の形状は有しないものである。円柱部材11の付け根p2を継ぎ手1i、1jの中央個所であるp1点に合致させないで、p1点よりも距離L3だけ変位させている。継ぎ手1i、1jの左右各側のp2点と円柱部先端E点との間の距離は、図1に示す場合と同じ長さL1とする。
また左右の円柱部材11の底面位置となる左右p2点の間には、更に太い径を持つ鍔部12が形成され、これら鍔部12の直径は、金属管3の内孔の直径以上となされる。
円柱部材11の外径は、金属管3の内径よりも0.2〜0.6mm小さく、接着の隙間を0.1〜0.3mmと制御できるようになっている。このような継ぎ手によれば、金属管3に対して焼入れ、冷間加工を行わなくても、引張りによる接合部分の変形を抑制すことができるので、接着面の強度を確保することができる。
円柱部材11および鍔部12は、図13Aに示すような中空なものと、図13Bに示すような鋼の中実であるものを利用することができる。
上記した図1〜図12において対応する部位には同一の符号を付して説明を簡略化している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】金属製差込継ぎ手を示す断面図である。
【図2】接着剤層の厚さと接着剤層の接着強度との関係を示す図である。
【図3】JIS規格に係る差込継ぎ手を示す断面図である。
【図4】金属製差込継ぎ手に金属管を嵌挿した接合構造を示す断面図である。
【図5】接着剤の注入方法を示す図である。
【図6】他の接合構造を示す断面図である。
【図7】さらに他の接合構造を示す断面図である。
【図8】他の接合構造を示す断面図である。
【図9】他の接合構造を示した断面図である。
【図10】実験の結果を示す図である。
【図11】他の接合構造を示す断面図である。
【図12】他の接合構造を示す断面図である。
【図13】他の接合構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 継ぎ手本体
2a 挿入孔
3 金属被接合部材(金属管、金属棒)
3a 端部
4 受け口部
5 球部材
6 接着剤
100 金属製差込み継ぎ手
E 形状基準点
L1 強度計算上接着長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材の端部を挿入され接着剤で接着される挿入孔の形成された受け口部を形成され且つ、前記受け口部開口端からその奥側に至る受け口部外面が受け口部開口端から受け口部奥側へ向け漸次に増大するようなテーパ状面となされ且つ、受け口部最奥方位置の挿入孔中心線方向引張強度を前記被接合部材の中心線方向引張強度に対し同等以上となした金属製差込み継ぎ手を形成し、一方では、前記被接合部材の端部と前記挿入孔の幅が0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の任意な一定大きさだけ前記挿入孔の幅を大きく形成し、前記金属被接合部材の端部を焼入れ、若しくは冷間加工を行い、前記被接合部材の端部を前記挿入孔内に押し込むと共に前記被接合部材の端部と前記挿入孔の内面との間に接着剤を密状に存在させた状態となすように実施することを特徴とする金属被接合部材の接合方法。
【請求項2】
前記接着剤の破断時の単位面積あたりの剪断応力に、前記被接合部材の端部と前記挿入孔の内面との間に接着剤が存在する面積を掛けた値が、前記被接合部材の中心線方向引張強度以上の値となるように、前記面積を決めることを特徴とする請求項1の金属被接合部材の接合方法。
【請求項3】
前記金属部材は、金属管であることを特徴とする請求項工1の金属被接合部材の接合方法。
【請求項4】
前記金属被接合部材の端部の外面と前記挿入孔の内面と間に、前記任意な一定大きさの半分よりも小さい直径となされた球部材を単層状且つ散点状に位置させることを特徴とする請求項1記載の金属被接合部材の接合方法。
【請求項5】
前記金属被接合部材の端部の外面の外面、又は前記挿入孔の内面に多数の球部材を接着剤を介して単層状に接着させた後に、前記端部の外周面、及び又は、前記挿入孔の内面のほぼ全面に接着剤を塗布した後、前記被接合部材の端部を前記受け口部内に押し込んで接合することを特徴とする請求項1記載の金属被接合部材の接合方法。
【請求項6】
球部材が金属、ガラス又はセラミックで形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の金属被接合部材の接合方法。
【請求項7】
金属管と継手の接合構造であって、
継手の受け口部は、前記金属管を挿入する挿入孔の内周面を、これに対応した前記受け口部と略同心の直状円筒面となされ且つ、前記受け口部開口端からその奥側に至る受け口部外周面が受け口部奥側から受け口部開口端へ向け漸次に縮径するようなテーパ状面となされ且つ、受け口部最奥方位置の挿入孔中心線方向引張強度を前記被接合部材の中心線方向引張強度に対し同等以上となし、
一方では、前記金属管の端部の外周面は前記直状円筒面と平行な形状となし、且つその外径と前記直状円筒面の内径とは0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の任意な一定大きさだけ前記直状円筒面が大きいものであって、
前記金属管の端部が焼入れ、若しくは冷間加工されており、
前記金属管の端部の外周面と前記挿入孔の内周面と間に接着剤が密状に存在することを特徴とする金属管の接合構造。
【請求項8】
前記金属管の端部の外周面と前記挿入孔の内周面と間に、前記任意な一定大きさの半分よりも小さい直径となされた球部材が単層状且つ散点状に位置させすることを特徴とする請求項6記載の金属管の接合構造。
【請求項9】
金属管の接合方法であって、
外周面が直状円筒面となされた円柱部材と、円柱部材の底面に連結する前記金属管の内径よりも大きい外径の鍔部とを有する金属継ぎ手を形成し、金属管の端部の内周面は前記直状円筒面と平行な形状であって、且つその外径と前記直状円筒面の内径とは0.2mm〜0.6mmまでの範囲内の任意な一定大きさだけ前記直状円筒面の内径が小さく、前記円柱部材を前記被接合部材の端部内に押し込むと共に前記被接合部材の端部の内周面と前記円柱部材の外周面と間に接着剤を密状に存在させた状態となすように実施することを特徴とする金属管の接合方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図10】
image rotate