説明

金銭において、流通の過程や家庭において消毒・殺菌及び除菌をするという行為。加えて受け取って内部に挿入した現金及び一般通貨を消毒・殺菌及び除菌した上で再度金銭を渡す事ができるレジスター(金銭登録器=大辞林・大辞泉による)や現金自動預払機を始めとする金銭授受に使用する機械。

【課題】お金を消毒・殺菌すること。
【解決手段】消毒・殺菌及び除菌する場所はレジスターや現金自動預払機など、金銭の授受を扱う機械の中が望ましい。方法としては、受け取った金銭を収納する容器とつり銭等消費者に渡すための容器を分け、収納する容器から渡すための容器に移動させる過程もしくは収納容器内で、消毒・殺菌及び除菌を施す。方法としては、紫外線やオゾン、電子線により自動で一枚ずつ消毒・殺菌及び除菌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、日常様々な場面で使用するレジスターや現金自動預払機等金銭を扱う機械や家庭に金銭を持ち帰った際に、金銭の消毒・殺菌及び除菌の作用を施し、受け取った金銭を一度消毒・殺菌及び除菌して使用する事を目的とした物である。
【背景技術】
【0002】
従来、レジスターというのは、商店や飲食店等において金銭の計算及び授受に使用する機械であり、現金自動預払機は銀行等において金銭の受け渡しに使うための物である。また金銭というものは、日常生活の流通の対価として、様々な流通過程及び企業・銀行等全ての経済行為においてなくてはならないものであり、家庭においても絶えず手元に存在する物である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、金銭というものは何年にも渡ってあらゆる人の手や物、場所に介在し、その間一度も消毒・殺菌及び除菌される機会が無い為、表面に様々な雑菌が付着していてもそのままになっており、非常に不潔なものであるにも関わらず日常なくてはならない物である。
また、実際には病院において様々な感染症を持った人が使ったり、日常の様々な場面において非常に不潔な手で触る場合があったりするが、細菌やウィルス等の菌は目に見えない程小さいために、いくら不潔な状態でも見た目ではわからない。そのため抵抗力の無い小さい子供や高齢者、免疫力が落ちている病人が触ってそこから何らかの感染症にかかる可能性も大きいが、金銭というものは普段あまりにも無防備に接するため、その菌の付着による危険性についても、一般的には無頓着である。そのため、これだけ世の中が「抗菌」「殺菌」と叫ばれる中でも雑菌が付き続ける状態で流通し、様々な場面で菌を運ぶ媒体となっていると考えられるが、金銭というものはその性質上聖域に置かれているためか「お金を殺菌する」という発想は現れなかった。
金銭の授受は通常手によって行われる。実際に手や指に付いている細菌を調べてみると、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌等、食中毒を起こす細菌から感染症を起こす細菌まで、何十万、場合によっては何百万の様々な種類や数の細菌が付着している。それに伴い金銭の表面にはやはり前述の大腸菌等ありとあらゆる種類の細菌が付着し、日本より衛生状態の良くない発展途上国の流通紙幣の中には前述の菌の他に、淋菌や癌に関係するといわれる腫瘍ウィルスの検出の報告等もある。また、金銭ほどあらゆる年齢、あらゆる職種、あらゆる階層の人々の間を循環する物はない。以上の事を考えると、金銭の授受があらゆる細菌やウィルス等の雑菌を広げる大きな媒介になっていると考えられる。
そこで発明者は、金銭の授受や循環・流通において、通常最も使用されるレジスターや現金自動預払機等、金銭を扱う為の機械に金銭を消毒・殺菌及び除菌する作用を施す事及び、家庭に持ち帰った金銭を消毒・殺菌及び除菌する事を考えた。
本発明は、その行為または方法及び仕組みに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、金銭を流通の過程や家庭において消毒・殺菌及び除菌する行為そのものと、金銭登録器(レジスターと表現)や現金自動預払機など金銭の授受に使う機械の中で、金銭を消毒・殺菌及び除菌する仕組みについての物である。これを具体的に説明すれば、
(イ)レジスターや現金自動預払機内に金銭を受け取って入れる際に、紙幣であれば一枚ずつ、硬貨も裏表が殺菌や除菌ができるようにある一定の殺菌及び除菌用の場所を作成し、その中で殺菌や除菌をする。その際、殺菌や除菌の方法としては、紫外線や電子線、オゾンによる方法が一番望ましいと考える。
(ロ)殺菌及び除菌された金銭を殺菌・除菌済みの容器に移し、支払いの際にはその中から出すようにする。
(ハ)実際には(イ)から(ロ)の一枚ずつ移動させる過程において前述の紫外線等の方法で消毒・殺菌及び除菌を施すことが出来れば、使用者が簡便に使用できると考える。
(ニ)家庭に金銭の消毒・殺菌及び除菌できる機械を設置する事によって、商店などで殺菌のされていない金銭を持ち帰ったとしても、家庭内で細菌汚染の輪を絶つ事ができる。この場合は、一般の紫外線照射による消毒・殺菌に使う装置のように、箱状の機械の中で内部に金網のような金銭を一枚ずつ置ける所をつくり、その上に一枚ずつ置いた金銭を上記紫外線の照射等により、消毒・殺菌及び除菌する。
本発明は、以上の構成からなる、金銭を流通の過程や家庭において消毒・殺菌及び除菌する行為と、その為に使用するレジスターや現金自動預払機等の内部で金銭を消毒・殺菌及び除菌できる金銭授受機に関するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、金銭の授受や流通においてその過程に消毒・殺菌及び除菌を介在させる事により、金銭の流通過程における細菌やウィルスの拡散を飛躍的に防げるので、以下のようなすばらしい効果がある。
(イ)夏場、食中毒の季節に手や指の消毒の不足による細菌やウィルス感染が軽減されるので、夏場に良く起きる病原性大腸菌O−157や、ノロウィルス等による集団食中毒等、保育園や老人施設などでは死者も出るような集団食中毒を水際で防ぐ事に効果を発揮する。
(ロ)金銭に触れる事による細菌感染を軽減する事により、病院における院内感染の軽減に効果を発揮する。また、病院内のレジスターにおいて金銭の消毒・殺菌及び除菌が行われる事により、病院というあらゆる感染症の患者が介在する場所においての細菌汚染が軽減される。
(ハ)赤ちゃんや寝たきりの老人、急性及び慢性疾患の病人等、抵抗力の弱い人を家族に持つ人にとって、普段手にする金銭が消毒・殺菌及び除菌されている事により、家の中に持ち込む細菌や雑菌・ウィルス等を必要最小限に抑えられ、抵抗力の弱い家族の感染症に陥る危険性を最小限度で抑えられる。
(ニ)冬場、インフルエンザの流行期にも金銭の授受がウィルス感染の媒体の一つになると考えられる。本発明により、金銭が授受される場面において消毒・殺菌及び除菌されている事により細菌汚染における循環の輪を断ち切る事が出来るので、ウィルス感染の拡大を防ぐ事ができる。
(ホ)飲食店においては給仕をする人と金銭の授受をする人が同じ場合が多い。人数の少ない小さい店に至っては、調理する人と金銭の授受をする人が同じ場合も少なくない。金銭の授受の際に金銭が消毒・殺菌及び除菌される事により、飲食物を扱う人の手指の細菌汚染が軽減される。そのことにより、客の側は、より清潔な飲食物を食する事が可能になる。
(ヘ)老人施設や乳幼児のように抵抗力の弱い人を扱う施設における様々な集団感染を緩和できる。
(ト)家庭においても持ち帰った金銭を消毒・殺菌及び除菌できる事によって細菌汚染された金銭をきれいにできるので、家庭においての感染症等を効果的に防ぐ事ができる。高齢者や乳幼児、病人を抱えた家庭では、なおさらである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は通常流通している金銭をその授受の中心であるレジスターや現金自動支払機等の金銭授受に使う機械において消毒・殺菌及び除菌をして次の人に渡すという、金銭の流通の過程において今までなされなかった細菌拡散の「輪」を絶つための仕組み及びその行為についてのものである。
菌を殺したり除去したりする方法については様々なものがあるが、金銭というものが「硬貨」と「紙幣」で成り立ち、「硬貨」が金属で、「紙幣」が紙で造られている事から、そのそれぞれの物質としての構成の違いによって、菌を取り除く方法は分けて考える必要がある。
すなわち、「硬貨」に対しては、腐食する可能性のある殺菌・除菌方法は取る事が出来ず、「紙幣」に関しては、濡れてしまうと乾燥させるのに無駄な時間と労力がかかる。以上の事を考えると、様々な殺菌・除菌の方法の中でも紫外線によるものと、電子線によるもの、オゾンによるものが金銭に対する殺菌・除菌に関しては最適ではないかと本発明者は考えるが、今後、技術の発達により、より良い金銭の消毒・殺菌及び除菌の方法が出現する可能性もあるので、この事に関しては、後進の研究開発を期待する。
本発明者が考えた形態は、次のようなものである。
(イ)金銭の授受の際に、受け取った紙幣や硬貨を収納する容器とつり銭等を支払う容器とを分ける。支払う容器には消毒・殺菌及び除菌された金銭のみが入っている状態にする。
(ロ)上記(イ)で説明した受け取った紙幣や硬貨を収納する容器から殺菌・除菌された容器に金銭を移す際に自動で消毒・殺菌及び除菌できる形にするのが望ましい。収納した紙幣を一枚ずつ自動的に移動させ、金網などの間を通して、紫外線や電子線、オゾンのような殺菌作用のあるものを照射し、両面を消毒・殺菌する。硬貨の場合も同様である。
(ハ)[請求項4]に関しては、家庭に持ち帰った金銭を上記の方法に準じた形で消毒・殺菌及び除菌する。
【実施例】
【0007】
一般のレジスターにおいて、金銭を受け取り、消毒・殺菌及び除菌したつり銭を渡す。
【0008】
病院における、金銭の授受に関する機械において、金銭を受け取り消毒・殺菌及び除菌された状態にして渡す。
【0009】
老人施設や保育所など、乳幼児や高齢者など、抵抗力の弱い人が集まっているところの金銭授受機において、金銭を殺菌・消毒及び除菌して渡す。または家庭と同様に上記の場所に金銭を消毒できる機械を設置し、持ち帰った金銭の消毒・殺菌及び除菌を施す。
【0010】
家庭に持ち帰った金銭を専用機により、消毒・殺菌及び除菌する事により、乳幼児や高齢者または病人を家族に抱えた家庭などでは、感染症の危険性からより回避される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
前述の[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、現在あらゆる製品が飽和し、極度に成熟した社会においてあらゆる物が「抗菌」「殺菌」と叫ばれている中、あらゆる人の手を介在するために一番雑菌に汚染されていると考えられる金銭を消毒・殺菌及び除菌するとの発想が無い。
金銭を消毒・殺菌及び除菌して渡すことができるレジスター及び現金自動預払機を備えることが出来れば、特に飲食店や病院など感染症や食中毒への対応が必要なために消毒・殺菌に非常に敏感な場所では、汚れたままの紙幣を扱っているか否かの概念を提示することによって、他の店や病院との差別化が図られる為、大いに歓迎されると考える。
【0012】
「金銭は長年にわたって様々な人の手をわたりながら一度も消毒・殺菌及び除菌されることが無く一番汚れている」「その為に金銭を消毒・殺菌及び除菌する」との概念を社会に認知してもらうことによって、「金銭の消毒・殺菌及び除菌」ということに新しい必要性が生まれ、レジスターや現金自動預払機に付与する事によって、その機械に対して大きな付加価値が付く。インフルエンザや新型肺炎の流行、O−157等食中毒の流行などが社会的な関心事になっているときは尚更である。
【0013】
「自分の持っている汚いお金」が「きれいになって(消毒・殺菌されて)」帰って来る、「お金は雑菌だらけのものよりきれいな方がいい」との新しい概念は金銭に対する概念を一変させると考えられ、この概念に派生・触発されて、様々な新産業や技術が生まれることが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通過程にて金銭を消毒・殺菌及び除菌する行為について。
【請求項2】
商店及び飲食店又は金融機関等において、授受した金銭をレジスター(金銭登録機)にて、消毒・殺菌及び除菌する機械及びその装置。
【請求項3】
金融機関等において、授受した金銭を現金自動預払機や両替機にて消毒・殺菌及び除菌する機械及びその装置。
【請求項4】
家庭にて、持ち帰った金銭を専用容器にて、消毒・殺菌及び除菌する機械及びその装置。

【公開番号】特開2007−172566(P2007−172566A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381223(P2005−381223)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504084568)
【出願人】(505214951)
【Fターム(参考)】