説明

釣り用靴・ウェ−ダ

【課題】 接合部は接着剤を介して接合すると共に接合部の内側に沿って縫着して接合部を補強した釣り用靴・ウェ−ダを提供することである。
【解決手段】 ソックス部1は、柔軟性と防水性と伸縮性を有する発泡ゴムや発泡合成樹脂で形成され、例えば、クロロプレ−ンゴム、ウレタン等の発泡材シ−トで形成され、底材2の上に左右の内側胴部3と外側胴部4が接着剤5で貼り合わせで固定され、接合部aの内側は糸6でかがり縫いで縫着されて底材2と内側胴部3と外側胴部4で袋状に形成されている。
接合部aの外側は接合部aを覆うようにカバ−体7が貼着されている。
カバ−体7の材質は、ソックス部1の発泡材シ−トより伸びの小さい材料で形成され、ナイロンなどの織布や合成樹脂シ−トが用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡材のシ−トを接合してソックス部を形成した釣り用靴・ウェ−ダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から釣りにおいて、一般的な長靴、胴長靴(ウェ−ダ)やストッキングやタイツ状に形成して釣人が好みの釣り用靴やタビを履くようにしたストッキングウェ−ダ等の釣り用靴やウェ−ダが用いられている。
これら釣り用靴・ウェ−ダは特許文献1のようにクロロプレ−ン等の防水素材からなる各パ−ツの対応する縁部同士を接着剤を介して接合した後、その表面側を、所望の強度を備えた糸ですくい縫いにより縫い合わせて形成している。
上記のように接合部の表面側に縫着部を形成すると、ソックス部に足を挿入した時に、つま先等の接合部は足によって内側から押圧されると、接合部が外面側に膨出するように膨らむこととなる。
したがって、接合部の外面側に縫着部を形成すると、内側は補強されていないので弱く、縫目が広がりやすく、これが使用によって広げられると縫目が裂けたり、孔が広がって水漏れの原因になりやすい。
【特許文献1】実用新案登録第2527078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、防水素材からなる各パ−ツの対応する縁部同士を接着剤を介して接合した後、その表面側を、糸ですくい縫いにより縫い合わせて形成しているので、ソックス部に足を挿入した時に、つま先等の接合部は足によって内側から押圧されると、接合部が外面側に膨出するように膨らみ、内側は補強されていないので弱く、縫目が広がりやすく、これが使用によって広げられると縫目が裂けたり、孔が広がって水漏れの原因になりやすいことである。
【0004】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、接合部は接着剤を介して接合すると共に接合部の内側に沿って縫着して接合部を補強した釣り用靴・ウェ−ダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、発泡材のシ−トを接合して形成したソックス部を有する釣り用靴・ウェ−ダにおいて、前記接合部は接着剤を介して接合すると共に前記接合部の内側に沿って縫着したことを要旨とするものである。
本発明の請求項2は、接合部の外側に沿って接合部を覆うカバ−体を設けたことを要旨とするものである。
本発明の請求項3は、カバ−体は、発泡材シ−トより伸びの小さい材料で形成したことを要旨とするものである。
本発明の請求項4は、カバ−体は、織布で形成したことを要旨とするものである。
本発明の請求項5は、カバ−体は、合成樹脂層で形成したことを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項により、ソックス部の接合部は、接合部の内側に沿って縫着しているため、外側を縫着した場合に比較して足を差し込んだ時の伸びが小さく、縫着した糸の縫目が広がり難く、接合部の破損を防止して接合部の補強ができる。
接合部の外側をカバ−体で覆ったため、接合部の外側からの破損が防止される。
カバ−体はソックス部を形成する発泡材シ−トの伸びを規制するため、接合部の広がりが防止され、内側の縫着による縫目の広がりを防止することができる。
接合部の内側に沿って縫着した糸が覆うため、接合部の内側に足の指が触れた時に当たり感が柔らかくなり、履き心地が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ソックス部1は、柔軟性と防水性と伸縮性を有する発泡ゴムや発泡合成樹脂で形成され、例えば、クロロプレ−ンゴム、ウレタン等の発泡材シ−トで形成され、底材2の上に左右の内側胴部3と外側胴部4が接着剤5で貼り合わせで固定され、接合部aの内側は糸6でかがり縫いで縫着されて底材2と内側胴部3と外側胴部4で筒状に形成されている。
接合部aの外側は接合部aを覆うようにカバ−体7が貼着されている。
カバ−体7の材質は、ソックス部1の発泡材シ−トより伸びの小さい材料で形成され、織布やナイロンなどの合成樹脂シ−トが用いられる。
【実施例1】
【0008】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図3は第1実施例で、図1は靴・ウェ−ダのソックス部の斜視図、図2は釣り用靴・ウェ−ダのソックス部の分解斜視図、図3は釣り用靴・ウェ−ダのソックス部の内部の一部を示す断面側面図ある。
【0009】
釣り用靴・ウェ−ダのソックス部1は、柔軟性と防水性と伸縮性を有する発泡ゴムや発泡合成樹脂などで形成し、例えばクロロプレ−ンゴム、ウレタン等の発泡材シ−トで形成され、底材2の上に左右の内側胴部3と外側胴部4が接着剤5で貼り合わせで固定され、接合部aの内側は糸6でかがり縫いで縫着されて底材2と内側胴部3と外側胴部4で袋状に形成されている。
接合部aの外側は接合部aを覆うようにカバ−体7が貼着されている。
カバ−体7の材質は、ソックス部1の発泡材シ−トより伸びの小さい材料で形成され、ナイロンなどの織布や合成樹脂シ−トが用いられる。
【0010】
釣り用靴・ウェ−ダのソックス部1が底材2と内側胴部3と外側胴部4が接着剤5で貼り合わせで固定され、接合部aの内側は糸6でかがり縫いで縫着されて形成され、接合部aの外側は接合部aを覆うようにカバ−体7が接合部aに沿って貼着されていると、足をソックス部1の中に差し込んだ時の接合部aの伸びが小さく、縫着した縫目が広がり難くい。
【0011】
前記のように釣り用靴・ウェ−ダが構成されていると、ソックス部1の接合部aは、接合部aの内側に沿って糸6でかがり縫いで縫着しているため、外側を縫着した場合に比較して足を差し込んだ時の伸びが小さく、縫着した糸の縫目が広がり難く、接合部aの破損を防止して接合部aの補強ができる。
接合部aの外側をカバ−体7で覆ったため、接合部aの外側からの破損が防止される。
カバ−体7はソックス部1を形成する発泡材シ−トの伸びを規制するため、接合部aの広がりが防止され、内側の縫着による縫目の広がりを防止することができる。
接合部aの内側に沿って縫着した糸が覆うため、接合部aの内側に足の指が触れた時に当たり感が柔らかくなり、履き心地が良くなる。
【実施例2】
【0012】
図4は第2実施例で、図4は釣り用靴・ウェ−ダのソックス部を靴に形成した内部の一部を示す断面側面図である。
【0013】
第2実施例の釣り用靴・ウェ−ダは、ソックス部1が底材2と胴部3、4がそれぞれ接着剤5で貼り合わせで固定され、接合部aの内側は糸6でかがり縫いで縫着されて形成され、接合部aの外側には合成樹脂を肉盛りした合成樹脂層からなるカバ−体7′が設けられ、接合部aの上下と底材2を覆うようにゴムシ−トからなる補強部材8が設けられている。
補強部材8の底部にはゴムやフェルト等からなる靴底9が貼着されて靴10が構成されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【実施例3】
【0014】
図5は第3実施例で、図5はソックス部を短靴に形成した斜視図である。
【0015】
第3実施例ではソックス部1′の底材の裏側に靴底9が固定されて短靴11としている。
靴底にはゴムやフェルトが使用される。
このように、ソックス状のまま使用する他に、靴底を取り付けて使用することが出来る。
【実施例4】
【0016】
図6は第4実施例で、図6はソックス部を長靴に形成した斜視図である。
【0017】
第4実施例ではソックス部1″の底材の裏側に靴底9が固定されて長靴12としている。
なお、ソックス部1″の外側が補強材で覆われていてもよい。
【実施例5】
【0018】
図7は第5実施例で、図7はソックス部と胴部ウェ−ダが一体の斜視図である。
【0019】
第5実施例では釣り用胴部13にソックス部1が一体的に固定されている。
胴部13はクロロプレ−ンゴム等で形成されている。
【実施例6】
【0020】
図8は第5実施例で、図8は長靴付ウェ−ダの斜視図である。
【0021】
第5実施例では釣り用胴部13に靴10が固定されている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は釣り用靴やウェ−ダ全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施例で、靴・ウェ−ダのソックス部の斜視図である。
【図2】同釣り用靴・ウェ−ダのソックス部の分解斜視図である。
【図3】同釣り用靴・ウェ−ダのソックス部の内部の一部を示す断面側面図である。
【図4】第2実施例で、釣り用靴・ウェ−ダのソックス部を靴に形成した内部の一部を示す断面側面図である。
【図5】第3実施例で、ソックス部を短靴に形成した斜視図である。
【図6】第4実施例で、ソックス部を長靴に形成した斜視図である。
【図7】第5実施例で、ソックス部と胴部ウェ−ダが一体の斜視図である。
【図8】第6実施例で、長靴付ウェ−ダの斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1、1′、1″ ソックス部
5 接着剤
7、7′ カバ−体
a 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡材のシ−トを接合して形成したソックス部を有する釣り用靴・ウェ−ダにおいて、前記接合部は接着剤を介して接合すると共に前記接合部の内側に沿って縫着したことを特徴とする釣り用靴・ウェ−ダ。
【請求項2】
接合部の外側に沿って接合部を覆うカバ−体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用靴・ウェ−ダ。
【請求項3】
カバ−体は、発泡材シ−トより伸びの小さい材料で形成したことを特徴とする請求項2に記載の釣り用靴・ウェ−ダ。
【請求項4】
カバ−体は、織布で形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の釣り用靴・ウェ−ダ。
【請求項5】
カバ−体は、合成樹脂層で形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の釣り用靴・ウェ−ダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−125189(P2010−125189A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304910(P2008−304910)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】