釣竿用ハンドル及び釣竿
【課題】釣竿に設けた挿通孔を介して挿通した電動リールのコードが挿通孔を介して動かし易く、コードをリールやバッテリに接続する際に容易に行うことができる釣竿用ハンドル及び釣竿を提供すること。
【解決手段】釣竿用ハンドル14は、コード60が接続された電動リール30を着脱可能であるとともに、先端側に竿部12が取り付けられて用いられる。そして、前記ハンドルには前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔74aが設けられるとともに、前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸Cに直交する方向よりもハンドル14の先端側を向いて形成されている。
【解決手段】釣竿用ハンドル14は、コード60が接続された電動リール30を着脱可能であるとともに、先端側に竿部12が取り付けられて用いられる。そして、前記ハンドルには前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔74aが設けられるとともに、前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸Cに直交する方向よりもハンドル14の先端側を向いて形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動リールとともに用いられることが好適な釣竿用ハンドル及び釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から魚釣用釣竿に電動リールを取り付けて魚釣りを行う場合、バッテリから電動リールに給電するためのコードを接続している。しかし、電動リールを取り付けて魚釣りを行う際には、給電用のコードを引きずってしまい、そのコードが邪魔になることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、釣竿に内蔵したバッテリに電動リールのコードを竿内に差し込んで繋ぐ構造が開示されている。また、特許文献2には、コードが魚釣りの邪魔にならないように一度釣竿内に差し込んで再び釣竿の基部(後端)近傍から外側に延出させてバッテリに繋ぐ釣具(釣竿)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−9074号公報
【特許文献2】実開昭48−6292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2に開示された構造は、釣竿内にコードを差し入れるための挿通孔が小さく、また、その挿通孔は釣竿の長手方向に対して直交方向に開口されている。したがって、この挿通孔を介して挿通したコードが釣竿の内部で長手方向に急に折り曲げられることとなるため、挿通したコードを挿通孔を介して動かし難く、リールやバッテリへの接続が難しい。このため、コードをリールやバッテリに接続する際などにコードに大きな負荷をかけることがある。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、釣竿に設けた挿通孔に挿通した電動リールのコードを動かし易く、コードをリールやバッテリに接続する際に容易に行うことができる釣竿用ハンドル及び釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明に係る、コードが接続された電動リールを着脱可能であるとともに、先端側に竿部が取り付けられて用いられる釣竿用ハンドルにおいては、前記ハンドルに前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔を設けるとともに、前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸に直交する方向よりも前記ハンドルの先端側を向いて形成されていることを特徴とする。
【0008】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外側に突出する突部のハンドルの先端側に形成されていることが好ましい。
前記突部は、その内側に前記ハンドルの後端側に向かうにつれて前記ハンドルの前記中心軸に近接する傾斜面を有することが好ましい。
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外周面よりも内側にある凹部に形成されていることが好ましい。
前記ハンドルは、前記電動リールを取り付けるリール取付部を有し、前記挿通孔は、前記リール取付部よりも後方側に配設されていることが好ましい。
前記ハンドルは、前記電動リールを着脱可能な位置よりも後方側に、前記電動リールに前記コードを通して給電するバッテリを着脱自在に保持するバッテリ保持部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、釣竿のハンドルに、ハンドルの中心軸に直交する方向よりもハンドルの先端側を向いて形成されている挿通孔を設けた。このため、その挿通孔は、コードをハンドル内に出し入れ(挿脱)する際に、ハンドルの中心軸に直交する方向に対してできるだけ平行な状態に近づけた状態でコードを挿脱することができる。このため、ハンドルの挿通孔に対してコードを容易に動かすことができ、ハンドルに対して挿脱する際にコードに掛ける負担を軽減することができる。そして、コードをハンドルの挿通孔に対して挿脱可能に配置した状態で、容易に電動リールやバッテリにコードの端部を装着することができる。
【0010】
釣竿のハンドルに挿通孔を有する突部を設けることによって、釣りの際にハンドルの突部に指を掛けて使用することができる。このため、ハンドルを握持し易い。
【0011】
また、ハンドルに挿通孔を有する凹部を設けることによって、挿通孔に挿通したコードをハンドルの中心軸に直交する方向に対してこれより平行な状態に近づけた状態で配置することができる。
【0012】
釣竿のハンドルの挿通孔をリール取付部よりも後方に設けることによって、リール取付部の握持が規制されずに電動リールを支えながら釣竿をしっかりと持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1から第4の実施の形態に係る釣竿を示す概略図。
【図2】第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図3】第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端からバッテリを取り外した状態を示す概略的な縦断面図。
【図4】(A)は第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの突部の開口にキャップを装着した状態を示す概略的な縦断面図、(B)はキャップを示す概略的な斜視図。
【図5】第2の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図6】第3の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図7】第3の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略図。
【図8】第4の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図9】第5の実施の形態に係る釣竿を示す概略図。
【図10】第5の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図11】第6の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0015】
第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。
図1に示すように、この実施の形態の釣竿10は、竿部12と、この竿部12の後端に配設され釣り人が把持するハンドル14とを備えている。図2及び図3に示す竿部12の後端の嵌合突起13aは、ハンドル14の後述する芯部材14dの先端の嵌合孔13bに差し込まれて取り付けられている。なお、竿部12の後端の嵌合突起13aはハンドル14の先端の嵌合孔13bに対して固定(固着)または着脱可能に取り付けられる。
【0016】
竿部12は、例えば繊維強化樹脂材製の竿桿22と、竿桿22に配設された釣糸用ガイド24とを備えている。なお、本実施形態の釣竿10の竿部12は、中通し竿として形成されていることも好適である。また、竿桿22は、中空構造に限らず、中実構造であっても良い。
【0017】
図2及び図3に示す魚釣用電動リール30は、リール本体32の両側に配置した1対の側板34間に、図示しないスプール軸を介してスプールが回転可能に支持されている。この側板34で支えられたハンドル軸(図示しない)を介して、このリール30のハンドル34a(図7及び図10参照)の回転をリール本体32内に配置された駆動機構に伝達することができる。
【0018】
通常と同様に、このスプールは、一方の側板34に設けたハンドル34aを介する手動操作で形成される駆動力により、リール本体32内に配置された公知の駆動機構を介して回転され、あるいは、リール本体32のスプール前方の側板34間にモータケースを介して収容された公知のスプール駆動モータにバッテリ40から給電する電動操作で形成される駆動力により、動力伝達機構を介して回転され、このスプール上に釣糸が巻回される。
【0019】
電動操作による駆動力で釣糸を巻き取る際は、リール本体32に通常と同様に取り付けられたスプール駆動モータのモータ出力調節用操作部を操作することにより、リール本体32に内蔵のマイクロコンピュータを通じてスプール駆動モータの出力を自由に制御(モータ出力の停止や出力の増減調節)することができる。また、この操作部の操作により、マイクロコンピュータを通じて、スプール駆動モータの停止位置から高出力値までスプール駆動モータの出力を調節し、スプールの回転速度、つまり、釣糸の巻き取り速度を制御することができる。
【0020】
このリール本体32の上面の前方部位には、通常の電動リールと同様に、制御部32aを配置してあり、例えば、釣糸の繰出し量(糸長)、棚位置等の種々の制御機能、制御条件等を表示する液晶表示部を配置し、更に、棚位置を設定する棚取りボタン、糸長計測値の値をゼロにリセットするリセットボタン、および、押し込んでいるときにのみスプール駆動モータを駆動させ、解放したときに停止して微妙な巻上操作を可能とする寸動ボタン等の種々のボタンあるいはスイッチ類を配置してある。
【0021】
通常と同様に、リール本体32には、クラッチ機構(図示しない)も設けられており、このクラッチ機構を通じて、スプール軸に駆動連結するスプール駆動モータあるいはハンドルで形成される駆動力を、スプールに伝達し或いはスプールから遮断することができる。クラッチ機構がスプール軸をスプール駆動モータおよびハンドルから分離した状態(スプールフリー状態)で、ハンドルを回転させると、図示しない復帰機構を介して、スプール軸が元の状態(巻取状態)に復帰する。これにより、スプール軸と一体化されているスプールを、スプール駆動モータあるいはハンドルが形成する駆動力で回転することができる。符号36は、スプールフリー状態におけるスプールの回転に適度な制動力を掛けて過回転を防止する調節ネジを示す。
【0022】
更に、リール本体32の下部前方の、ハンドルから離隔した側の側板34の下部で、リール本体32を保持した手と干渉しない位置に、給電部38を下方に向けて配置してある(図7参照)。給電部38は、後述する取付脚部30aやリール取付部14bのリールシート52と干渉しない位置に延出されている。この給電部38はリール本体32内のスプール駆動モータに外部電力源から給電するものであり、バッテリ40が電気的に連結される。
【0023】
このような魚釣用電動リール30を釣竿10のハンドル14に取り付けるため、リール本体32には釣竿10のハンドル14の長手方向に沿って前後に延びる取付脚部30aがその下側に配置されている。
【0024】
釣竿10の釣竿用ハンドル14は、前グリップ14aと、魚釣用電動リール30の取付脚部30aが着脱可能に取り付けられるリール取付部14bと、後グリップ14cとを備えている。これら前グリップ14a、リール取付部14b及び後グリップ14cは、例えば筒状に形成され、これらの内部に芯部材14dが配設されている。上述したように、竿部12の竿桿22の基端は、芯部材14dの先端部に配設されている。芯部材14dは、前グリップ14a及びリール取付部14bの内部の全体に配設されているのに対して、後グリップ14cはその先端側に配設されている。
【0025】
釣竿10の釣竿用ハンドル14のリール取付部14bは、魚釣用電動リール30の取付脚部30aを介して魚釣用電動リール30を取り付けるためのいわゆる筒状のリールシート52からなっている。リール取付部14bは取付脚部30aが載置される取付脚部載置面52aの後方に例えば一体的に形成され、取付脚部30aの後端部を受け入れる固定フード54aを配置している。また、リール取付部14bは取付脚部載置面52aの前方に移動フード54bが配設され、この移動フード54bの前端にナット(移動フード54bの操作部であるネジリング)56が配設されている。ナット56はリールシート52に形成されたネジ部52bに回転可能に螺合されている。このため、ナット56を回転させると、移動フード54bを釣竿用ハンドル14の長手方向に沿って前後動させて取付脚部30aの前端部を受け入れることができる。
【0026】
したがって、ナット56を回転させつつ移動フード54bを魚釣用電動リール30の取付脚部30aの先端部を移動フード54b内に収容して後方に押し込み移動させると、魚釣用電動リール30の取付脚部30aは、固定フード54aおよび移動フード54b間で挟持されつつ取付脚載置面52a上に押圧される。これにより、魚釣用電動リール30は、その取付脚部30aがリール取付部14bの上面の取付脚載置面52aの上に載せられてリール取付部14bに取り付けられる。ナット56を逆に回転させて移動フード54bを前方に移動させることにより、釣竿10のリール取付部14b(リールシート52)から魚釣用電動リール30を取り外すことができる。
【0027】
本実施形態では、このように釣竿10に取り付けられる魚釣用電動リール30にコード60を介して接続されるバッテリ40は、例えばリチウムイオン電池等により携帯可能な小型かつ軽量に形成されている。このバッテリ40は充電により再使用可能である。
【0028】
このバッテリ40は、外部を樹脂製の外装部材すなわちボディ42で覆った密閉構造を有する。図3中、左側に示す先端側には、魚釣用電動リール30の給電部38に対してコード60を介して電気的に接続される接続部44が突出した状態に配置されている。ボディ42は、略柱状に形成され、その接続部44に近接する側は肩部46として形成されている。肩部46は、略円錐台状を有し、接続部44側に向けて先細り状になる傾斜面を有している。
【0029】
コード60は、その一端にリール用コネクタ62を備え、その他端にバッテリ用コネクタ64を備えている。なお、ここでは、リール用コネクタ62は図2及び図3に示すように、コード60およびリール用コネクタ62の軸方向が給電部38に対して真っ直ぐのストレートタイプのものが用いられる場合について説明するが、コード60とリール用コネクタ62との軸方向が異なる、例えばL型タイプなどが用いられることも好ましい。
【0030】
図2及び図3に示すように、この実施の形態に係る後グリップ14cは、例えば金属や合成樹脂(繊維強化樹脂を含む)などの硬質材料で筒状に形成され、内部にコード60を挿通させる中空状の挿通部Sを有するグリップ本体72を備えている。グリップ本体72の先端はリール取付部14bの後端に取り付けられ、芯部材14dが差し込まれて固定されている。グリップ本体72の先端側には、リール取付部14bの取付脚部載置面52aが形成された側とは反対側(裏面側)であって、取付脚部載置面52aよりも後方に、先端に開口(挿通孔)74aを有する突部74が一体的に形成されている。突部74の開口74aはハンドル14のリール取付部14bの後方の後グリップ14cに形成され、グリップ本体72の内部に形成されたコード60の挿通部Sに連通されている。突部74の内周面の開口(挿通孔)74aの内側には、グリップ本体72のコード60の挿通部Sの内周面と滑らかに連続するようにグリップ本体72の外側から内部に向かう傾斜面74bが形成されている。したがって、開口(挿通孔)74aに挿通したコード60は傾斜面74bに誘導されて徐々にハンドル14の中心軸Cに沿った方向に向きながら挿通部S内に差し込まれる。また、この傾斜面74bに対向する芯部材14dの端部には、コード60を挿脱する際のガイドとなる案内面74cが形成されている。
【0031】
すなわち、開口74aの縁部のうち、ハンドル14に対して前方側よりも後方側の方がハンドル14の中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。そして、開口74aの縁部のうち、ハンドル14の後端側の縁部Kは後グリップ14cのグリップ本体72の最外周よりも外側にあるのに対し、前端側の縁部Zは後グリップ14cのグリップ本体72の最外周にあり、中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。このため、開口74aの前端側の縁部Zと後端側の縁部Kとを結ぶ線分KZに直交する線分KCが開口(挿通孔)74aの方向であり、開口74aの中心軸KCが、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて、開口74aはハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けられて形成されている。開口74aの中心軸KCは、ハンドル14の中心軸Cのできるだけ後端側(後端側の縁部Kよりも後端側)で交わることが好ましい。
【0032】
ハンドル14の外周面が中心軸Cから離れる方向に変移する変移部75が突部74の前側(ハンドル14側)に形成され、この変移部75に開口(挿通孔)74aが形成されている。
【0033】
なお、突部74の開口74aの大きさは、コード60のリール用コネクタ62及びバッテリ用コネクタ64のいずれか一方または両方を通すことが可能な大きさに形成されている。このため、コード60は後グリップ14cに対して着脱(挿脱)可能である。本実施形態では、図2及び図3に示すリール用コネクタ62及びバッテリ用コネクタ64の両方を開口74aに通すことが可能である。
【0034】
そして、突部74の開口74aをグリップ14のうち取付脚部載置面52aよりも後方(特に、電動リール30の給電部38よりも後方)に設け、コード60のバッテリ用コネクタ64をハンドル14の中心軸Cにその軸方向が近づけられた開口74aを通して容易に挿通させることができる。このため、コード60に無理な力をかけることが防止できる。このように、開口74aに対してコード60を挿脱する際にコード60の軸方向(長手方向)をハンドル14の中心軸Cに対して直交する状態よりも平行に近づけて中心軸Cに沿った方向にしているので、コード60を開口(挿通孔)74aに挿通したときの湾曲が小さくなってコード60に大きな負荷をかけることなく出し入れ(挿脱)可能である。そして、特に、突部74の傾斜面74b及び芯部材14dの案内面74cにより、コード60を開口74aに対して出し入れする際に、コード60を滑らかに移動させることができる。
なお、グリップ14の取付脚部載置面52aの反対側は魚釣用電動リール30と共に握持するため、これより後方に開口(挿通孔)74aを設けると、グリップ14を確実に握持することができる。
【0035】
なお、後グリップ14cに形成された突部74は、後グリップ14cの指掛部として使用することができる。このため、突部74の開口74aにコード60が挿通されても、後グリップ14cの把持のし易さを極力維持することができる。
【0036】
また、開口74aの中心軸KCから離れた後端側の縁部Kをハンドル14の中心軸Cに近い前端側の縁部Zよりハンドル14の前方側になるよう配して開口74aの中心軸KCがハンドル14の中心軸Cに前方で近づく(交わる)方向となるようにして開口74をハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けて形成しても良い。
【0037】
一方、グリップ本体72の後端には、グリップ本体72の内径よりも外径が大きいバッテリ40を収容するためにやや拡径された拡径部76が形成されている。この拡径部76の後端には雄ネジ部76aが形成されている。この雄ネジ部76aには、バッテリ40が収容されるバッテリケース78の雌ネジ部78aが着脱可能に螺合される。そして、後グリップ14cの拡径部76およびバッテリケース78は、バッテリ保持部を形成する。このため、釣竿10のうち、釣り人が釣りの最中に直接的にバッテリ40に触れない状態にバッテリ40を配置することができ、バッテリ40が邪魔にならない状態で釣りをすることができる。また、バッテリ40を釣竿10の後端に配置したので、釣竿10の重心位置を釣竿10の後端側に移動させることができる。すなわち、釣竿10の重心を、電動リール30とハンドル14の後端側とに分けて配し、重量を分散させてバランスを良くできるので、釣竿10の操作も容易に行うことができる。
なお、拡径部76は、バッテリ40の肩部46と略同じ傾斜を有し、後端側ほど開口が大きく形成されている。一方、バッテリケース78は、バッテリ40をハンドル14の中心軸Cに沿って先端側に向かって押圧する押圧パッド(押圧部)78bが配設されている。このため、バッテリケース78にバッテリ40が配設された状態でバッテリケース78の雌ネジ部78aが拡径部76の雄ネジ部76aに螺合したときには、バッテリ40のガタツキを防止するように、バッテリ40の肩部46が後グリップ14cの拡径部76の内周面(度当て面)76bに度当てされる。
【0038】
そして、電動リール30の給電部38とバッテリ40の接続部44とを接続するコード60は、後グリップ14cの突部74の開口74aを通して後グリップ14cの後端まで延出されている。
【0039】
なお、図4(A)に示すように、突部74の開口74aにはキャップ(栓体)80が配設されることが好ましい。図4(B)に示すように、キャップ80は、可撓性を有するゴム材や合成樹脂材等で略円柱状に形成されている。キャップ80は、略円柱状の中心軸上に形成されコード60が配設される取付孔82と、このキャップ80の外側と取付孔82とを連通するように形成された切り欠き溝84と、キャップ80を突部74の端部に引っ掛けるフランジ部86とを備えている。図4(A)に示すように、取付孔82は、コード60に密着する。切り欠き溝84は、コード60を取付孔82に配設する際に弾性変形により開いてコード60を取付孔82に配置する。
【0040】
このため、キャップ80を突部74の開口74aに配設した場合、取付孔82の径を小さくし、かつ、切り欠き溝84を閉塞するように作用する。このため、突部74からハンドル14の内部への水やゴミ等の侵入を防止することができる。
【0041】
なお、キャップ80を突部74を延長するように突出させて指掛けをより大きく形成するようにしても良い。
【0042】
次に、第2の実施の形態について図5を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。以下、第3の実施の形態から第6の実施の形態も同様である。
【0043】
図5に示すように、ハンドル14の後グリップ14cのグリップ本体72(リール取付部14bよりも後方)には、ハンドル14の長手方向(中心軸C)に対して直交する方向に開口92が形成されている。この開口92には、後グリップ14cのグリップ本体72とは別部材で突部94が嵌合されている。この突部94は、第1の実施の形態で説明した突部74の変移部75や開口74aや傾斜面74b(図2及び図3参照)と同様に、変移部95と、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりもハンドル14の前側に向けられた(中心軸の線分KCを有する)開口(挿通孔)94aと、傾斜面94bとを有する。そして、第1の実施の形態で説明した芯部材14dの案内面74cと同じ作用を有するように、突部94自体に、傾斜面94bに対向するように案内面94cが形成されている。
【0044】
なお、この実施形態の場合、芯部材14dの基端は、第1の実施の形態と同様に案内面74cが形成されていることも好適であるし、図5に示すように、中心軸Cに対して直交する端面が形成されていることも好適である。
【0045】
次に、第3の実施の形態について図6及び図7を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。
【0046】
図6に示すように、この実施の形態は、第1および第2の実施の形態で説明した突部74,94ではなく、後グリップ14cのグリップ本体72(リール取付部14bよりも後方)の最外周よりも内側に凹んだ凹部104が形成されている。この凹部104には、開口(挿通孔)104aが形成されている。この開口104aの縁部のうち、ハンドル14に対して前方側よりも後方側の方がハンドル14の中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。開口104aは、その縁部が先端側から基端側に向かって一旦ハンドル14の中心軸Cに対して近接するように変移した後、ハンドル14の中心軸Cから離れるように変移している。そして、開口104aの縁部うち、ハンドル14の後端側の縁部Kは後グリップ14cの最外周にあるのに対し、前端側の縁部Zは後グリップ14cの最外周よりも内側にある。すなわち、開口104aには、ハンドル14の外側面が中心軸Cから外方へ離れる方向に変移する変移部105が形成され、この変移部105に開口(挿通孔)104aが形成されている。
開口104aの前端側の縁部Zと後端側の縁部Kとを結ぶ線分KZに直交する線分KCが開口(挿通孔)104aの方向であり、開口104aの中心軸KCで、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて、開口104aはハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けられて形成されている。
【0047】
このような開口104aを形成することにより、ハンドル14の中心軸C(長手方向)に対して直交する方向の挿通孔よりもハンドル14の長手方向に平行な状態に近接するように挿通孔を形成できる。このため、コード60を挿脱する際に屈曲等させずにスムーズに挿脱させることができる。また、第1の実施の形態で説明した突部74(図2及び図3参照)のような出っ張りがないので、ハンドル14を小さく保つことができる。
このように開口104aの一部がハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりもハンドル14の前側に向けられていても良い。
【0048】
次に、第4の実施の形態について図8を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。本実施形態は、後グリップ14cではなく、リール取付部14bに突部114が設けられた例である。
【0049】
図8に示すように、リール取付部14bのうち固定フード54aの反対側(裏面側)のリール取付部14bの後端には、変移部115に開口(挿通孔)114aを有する突部114が例えば一体的に形成されている。突部114が形成された部分の後端は、後グリップ14cの内径よりも小さい外径を有する嵌合部116が形成されている。このため、リール取付部14bの嵌合部116で後グリップ14bの先端に嵌合されている。
【0050】
突部114の内周面には、傾斜面114bが形成されている。このため、バッテリ用コネクタ64を突部114の開口114aを通してリール取付部14b及び後グリップ14cの内側に出し入れする際に容易に行うことができる。
【0051】
突部114及び開口114aはリール取付部14bに設けたが、取付脚部載置面52aよりも後方側にあるため、グリップ14の握持は容易に行える。また、第1から第3の実施の形態で説明したのと同様に開口114aの縁部K,Z及び線分KZによって規定される開口114aの中心軸KCがハンドル14の中心軸Cに直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて開口114aがハンドル14の前側に向けて形成されている。
【0052】
なお、本実施形態では、突部114を設けた例について説明したが、第3の実施の形態で説明した凹部104(図6参照)を設けることも好適である。また、この実施形態では、芯部材14dの後端をハンドル14の中心軸Cに対して直交する面として形成する場合について図示したが、第1の実施の形態で説明した案内面74c(図2及び図3参照)と同様に形成されていることも好適である。
【0053】
次に、第5の実施の形態について図9及び図10を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。
この実施の形態は、図9及び図10に示すように、開口(挿通孔)124aを有する突部124が取付脚部載置面52aの反対側ではなく、取付脚部載置面52aに対して1/4周ずれた位置に形成された例である。突部124の構造は第1の実施の形態で説明した突部74(図2及び図3参照)と同様である。このため、第1の実施の形態で説明したように開口124aの縁部K,Z、線分KZおよび中心軸KCが規定され、第1の実施の形態で説明した作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0054】
なお、突部124の位置は、第1の実施の形態および第5の実施の形態で説明した位置に限られない。すなわち、第5の実施の形態で説明した位置よりも上側(電動リール30が配設される側)や下側(第1の実施の形態で説明した突部74に近接した位置)にあることも許容される。
【0055】
また、突部124の代わりに第3の実施の形態で説明した凹部104(図6参照)を設けることも好適であるし、第4の実施の形態で説明したようにリール取付部14bに突部114を設けることも好適である。
【0056】
次に、第6の実施の形態について図11を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。特に、本実施形態は、ハンドル14の後端でバッテリ40の保持する際の変形例である。
【0057】
ここでは、図11に示すように、本実施形態は、バッテリ40のボディ42を保持するのにバッテリケース78(図1から図3、図5から図10参照)を用いない。
図11に示すように、拡径部76には、雄ネジ部76aが形成されていない。その代わりに、拡径部76の後端の内周面には、例えばOリング等のシール材76cが配設されている。このシール材76cは、弾性材料で形成され、シール材76cの内径はバッテリ40のボディ42の外径よりもやや小さく形成されている。このため、バッテリ40のボディ42を拡径部76の内側に配設するときには、シール材76cを弾性変形させてバッテリ40のボディ42の外周面に密着させる。このようにして、バッテリ40をハンドル14の後グリップ14cの後端に保持することができる。すなわち、後グリップ14cの後端の拡径部76およびシール材76cは、バッテリ保持部を形成する。なお、シール材76cの作用によって、バッテリ40が拡径部76の後端に配設された状態でハンドル14内に水やゴミ等が侵入するのを防止できる。
【0058】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【符号の説明】
【0059】
12…竿桿、14…ハンドル、13a…嵌合突起、13b…嵌合孔、14a…前グリップ、14b…リール取付部、14c…後グリップ、14d…芯部材、30…電動リール、30a…取付脚部、32…リール本体、32a…制御部、34…側板、36…調節ネジ、38…給電部、40…バッテリ、42…ボディ、46…肩部、52…リールシート、52a…取付脚部載置面、52b…ネジ部、54a…固定フード、54b…移動フード、56…ナット、60…コード、62…リール用コネクタ、64…バッテリ用コネクタ、72…グリップ本体、74…突部、74a…開口(挿通孔)、74b…傾斜面、74c…案内面、76…拡径部、78…バッテリケース、78b…押圧パッド。
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動リールとともに用いられることが好適な釣竿用ハンドル及び釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から魚釣用釣竿に電動リールを取り付けて魚釣りを行う場合、バッテリから電動リールに給電するためのコードを接続している。しかし、電動リールを取り付けて魚釣りを行う際には、給電用のコードを引きずってしまい、そのコードが邪魔になることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、釣竿に内蔵したバッテリに電動リールのコードを竿内に差し込んで繋ぐ構造が開示されている。また、特許文献2には、コードが魚釣りの邪魔にならないように一度釣竿内に差し込んで再び釣竿の基部(後端)近傍から外側に延出させてバッテリに繋ぐ釣具(釣竿)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−9074号公報
【特許文献2】実開昭48−6292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2に開示された構造は、釣竿内にコードを差し入れるための挿通孔が小さく、また、その挿通孔は釣竿の長手方向に対して直交方向に開口されている。したがって、この挿通孔を介して挿通したコードが釣竿の内部で長手方向に急に折り曲げられることとなるため、挿通したコードを挿通孔を介して動かし難く、リールやバッテリへの接続が難しい。このため、コードをリールやバッテリに接続する際などにコードに大きな負荷をかけることがある。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、釣竿に設けた挿通孔に挿通した電動リールのコードを動かし易く、コードをリールやバッテリに接続する際に容易に行うことができる釣竿用ハンドル及び釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明に係る、コードが接続された電動リールを着脱可能であるとともに、先端側に竿部が取り付けられて用いられる釣竿用ハンドルにおいては、前記ハンドルに前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔を設けるとともに、前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸に直交する方向よりも前記ハンドルの先端側を向いて形成されていることを特徴とする。
【0008】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外側に突出する突部のハンドルの先端側に形成されていることが好ましい。
前記突部は、その内側に前記ハンドルの後端側に向かうにつれて前記ハンドルの前記中心軸に近接する傾斜面を有することが好ましい。
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外周面よりも内側にある凹部に形成されていることが好ましい。
前記ハンドルは、前記電動リールを取り付けるリール取付部を有し、前記挿通孔は、前記リール取付部よりも後方側に配設されていることが好ましい。
前記ハンドルは、前記電動リールを着脱可能な位置よりも後方側に、前記電動リールに前記コードを通して給電するバッテリを着脱自在に保持するバッテリ保持部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、釣竿のハンドルに、ハンドルの中心軸に直交する方向よりもハンドルの先端側を向いて形成されている挿通孔を設けた。このため、その挿通孔は、コードをハンドル内に出し入れ(挿脱)する際に、ハンドルの中心軸に直交する方向に対してできるだけ平行な状態に近づけた状態でコードを挿脱することができる。このため、ハンドルの挿通孔に対してコードを容易に動かすことができ、ハンドルに対して挿脱する際にコードに掛ける負担を軽減することができる。そして、コードをハンドルの挿通孔に対して挿脱可能に配置した状態で、容易に電動リールやバッテリにコードの端部を装着することができる。
【0010】
釣竿のハンドルに挿通孔を有する突部を設けることによって、釣りの際にハンドルの突部に指を掛けて使用することができる。このため、ハンドルを握持し易い。
【0011】
また、ハンドルに挿通孔を有する凹部を設けることによって、挿通孔に挿通したコードをハンドルの中心軸に直交する方向に対してこれより平行な状態に近づけた状態で配置することができる。
【0012】
釣竿のハンドルの挿通孔をリール取付部よりも後方に設けることによって、リール取付部の握持が規制されずに電動リールを支えながら釣竿をしっかりと持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1から第4の実施の形態に係る釣竿を示す概略図。
【図2】第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図3】第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端からバッテリを取り外した状態を示す概略的な縦断面図。
【図4】(A)は第1の実施の形態に係る釣竿のハンドルの突部の開口にキャップを装着した状態を示す概略的な縦断面図、(B)はキャップを示す概略的な斜視図。
【図5】第2の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図6】第3の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図7】第3の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略図。
【図8】第4の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図9】第5の実施の形態に係る釣竿を示す概略図。
【図10】第5の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略的な縦断面図。
【図11】第6の実施の形態に係る釣竿のハンドルの後端にバッテリを装着した状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0015】
第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。
図1に示すように、この実施の形態の釣竿10は、竿部12と、この竿部12の後端に配設され釣り人が把持するハンドル14とを備えている。図2及び図3に示す竿部12の後端の嵌合突起13aは、ハンドル14の後述する芯部材14dの先端の嵌合孔13bに差し込まれて取り付けられている。なお、竿部12の後端の嵌合突起13aはハンドル14の先端の嵌合孔13bに対して固定(固着)または着脱可能に取り付けられる。
【0016】
竿部12は、例えば繊維強化樹脂材製の竿桿22と、竿桿22に配設された釣糸用ガイド24とを備えている。なお、本実施形態の釣竿10の竿部12は、中通し竿として形成されていることも好適である。また、竿桿22は、中空構造に限らず、中実構造であっても良い。
【0017】
図2及び図3に示す魚釣用電動リール30は、リール本体32の両側に配置した1対の側板34間に、図示しないスプール軸を介してスプールが回転可能に支持されている。この側板34で支えられたハンドル軸(図示しない)を介して、このリール30のハンドル34a(図7及び図10参照)の回転をリール本体32内に配置された駆動機構に伝達することができる。
【0018】
通常と同様に、このスプールは、一方の側板34に設けたハンドル34aを介する手動操作で形成される駆動力により、リール本体32内に配置された公知の駆動機構を介して回転され、あるいは、リール本体32のスプール前方の側板34間にモータケースを介して収容された公知のスプール駆動モータにバッテリ40から給電する電動操作で形成される駆動力により、動力伝達機構を介して回転され、このスプール上に釣糸が巻回される。
【0019】
電動操作による駆動力で釣糸を巻き取る際は、リール本体32に通常と同様に取り付けられたスプール駆動モータのモータ出力調節用操作部を操作することにより、リール本体32に内蔵のマイクロコンピュータを通じてスプール駆動モータの出力を自由に制御(モータ出力の停止や出力の増減調節)することができる。また、この操作部の操作により、マイクロコンピュータを通じて、スプール駆動モータの停止位置から高出力値までスプール駆動モータの出力を調節し、スプールの回転速度、つまり、釣糸の巻き取り速度を制御することができる。
【0020】
このリール本体32の上面の前方部位には、通常の電動リールと同様に、制御部32aを配置してあり、例えば、釣糸の繰出し量(糸長)、棚位置等の種々の制御機能、制御条件等を表示する液晶表示部を配置し、更に、棚位置を設定する棚取りボタン、糸長計測値の値をゼロにリセットするリセットボタン、および、押し込んでいるときにのみスプール駆動モータを駆動させ、解放したときに停止して微妙な巻上操作を可能とする寸動ボタン等の種々のボタンあるいはスイッチ類を配置してある。
【0021】
通常と同様に、リール本体32には、クラッチ機構(図示しない)も設けられており、このクラッチ機構を通じて、スプール軸に駆動連結するスプール駆動モータあるいはハンドルで形成される駆動力を、スプールに伝達し或いはスプールから遮断することができる。クラッチ機構がスプール軸をスプール駆動モータおよびハンドルから分離した状態(スプールフリー状態)で、ハンドルを回転させると、図示しない復帰機構を介して、スプール軸が元の状態(巻取状態)に復帰する。これにより、スプール軸と一体化されているスプールを、スプール駆動モータあるいはハンドルが形成する駆動力で回転することができる。符号36は、スプールフリー状態におけるスプールの回転に適度な制動力を掛けて過回転を防止する調節ネジを示す。
【0022】
更に、リール本体32の下部前方の、ハンドルから離隔した側の側板34の下部で、リール本体32を保持した手と干渉しない位置に、給電部38を下方に向けて配置してある(図7参照)。給電部38は、後述する取付脚部30aやリール取付部14bのリールシート52と干渉しない位置に延出されている。この給電部38はリール本体32内のスプール駆動モータに外部電力源から給電するものであり、バッテリ40が電気的に連結される。
【0023】
このような魚釣用電動リール30を釣竿10のハンドル14に取り付けるため、リール本体32には釣竿10のハンドル14の長手方向に沿って前後に延びる取付脚部30aがその下側に配置されている。
【0024】
釣竿10の釣竿用ハンドル14は、前グリップ14aと、魚釣用電動リール30の取付脚部30aが着脱可能に取り付けられるリール取付部14bと、後グリップ14cとを備えている。これら前グリップ14a、リール取付部14b及び後グリップ14cは、例えば筒状に形成され、これらの内部に芯部材14dが配設されている。上述したように、竿部12の竿桿22の基端は、芯部材14dの先端部に配設されている。芯部材14dは、前グリップ14a及びリール取付部14bの内部の全体に配設されているのに対して、後グリップ14cはその先端側に配設されている。
【0025】
釣竿10の釣竿用ハンドル14のリール取付部14bは、魚釣用電動リール30の取付脚部30aを介して魚釣用電動リール30を取り付けるためのいわゆる筒状のリールシート52からなっている。リール取付部14bは取付脚部30aが載置される取付脚部載置面52aの後方に例えば一体的に形成され、取付脚部30aの後端部を受け入れる固定フード54aを配置している。また、リール取付部14bは取付脚部載置面52aの前方に移動フード54bが配設され、この移動フード54bの前端にナット(移動フード54bの操作部であるネジリング)56が配設されている。ナット56はリールシート52に形成されたネジ部52bに回転可能に螺合されている。このため、ナット56を回転させると、移動フード54bを釣竿用ハンドル14の長手方向に沿って前後動させて取付脚部30aの前端部を受け入れることができる。
【0026】
したがって、ナット56を回転させつつ移動フード54bを魚釣用電動リール30の取付脚部30aの先端部を移動フード54b内に収容して後方に押し込み移動させると、魚釣用電動リール30の取付脚部30aは、固定フード54aおよび移動フード54b間で挟持されつつ取付脚載置面52a上に押圧される。これにより、魚釣用電動リール30は、その取付脚部30aがリール取付部14bの上面の取付脚載置面52aの上に載せられてリール取付部14bに取り付けられる。ナット56を逆に回転させて移動フード54bを前方に移動させることにより、釣竿10のリール取付部14b(リールシート52)から魚釣用電動リール30を取り外すことができる。
【0027】
本実施形態では、このように釣竿10に取り付けられる魚釣用電動リール30にコード60を介して接続されるバッテリ40は、例えばリチウムイオン電池等により携帯可能な小型かつ軽量に形成されている。このバッテリ40は充電により再使用可能である。
【0028】
このバッテリ40は、外部を樹脂製の外装部材すなわちボディ42で覆った密閉構造を有する。図3中、左側に示す先端側には、魚釣用電動リール30の給電部38に対してコード60を介して電気的に接続される接続部44が突出した状態に配置されている。ボディ42は、略柱状に形成され、その接続部44に近接する側は肩部46として形成されている。肩部46は、略円錐台状を有し、接続部44側に向けて先細り状になる傾斜面を有している。
【0029】
コード60は、その一端にリール用コネクタ62を備え、その他端にバッテリ用コネクタ64を備えている。なお、ここでは、リール用コネクタ62は図2及び図3に示すように、コード60およびリール用コネクタ62の軸方向が給電部38に対して真っ直ぐのストレートタイプのものが用いられる場合について説明するが、コード60とリール用コネクタ62との軸方向が異なる、例えばL型タイプなどが用いられることも好ましい。
【0030】
図2及び図3に示すように、この実施の形態に係る後グリップ14cは、例えば金属や合成樹脂(繊維強化樹脂を含む)などの硬質材料で筒状に形成され、内部にコード60を挿通させる中空状の挿通部Sを有するグリップ本体72を備えている。グリップ本体72の先端はリール取付部14bの後端に取り付けられ、芯部材14dが差し込まれて固定されている。グリップ本体72の先端側には、リール取付部14bの取付脚部載置面52aが形成された側とは反対側(裏面側)であって、取付脚部載置面52aよりも後方に、先端に開口(挿通孔)74aを有する突部74が一体的に形成されている。突部74の開口74aはハンドル14のリール取付部14bの後方の後グリップ14cに形成され、グリップ本体72の内部に形成されたコード60の挿通部Sに連通されている。突部74の内周面の開口(挿通孔)74aの内側には、グリップ本体72のコード60の挿通部Sの内周面と滑らかに連続するようにグリップ本体72の外側から内部に向かう傾斜面74bが形成されている。したがって、開口(挿通孔)74aに挿通したコード60は傾斜面74bに誘導されて徐々にハンドル14の中心軸Cに沿った方向に向きながら挿通部S内に差し込まれる。また、この傾斜面74bに対向する芯部材14dの端部には、コード60を挿脱する際のガイドとなる案内面74cが形成されている。
【0031】
すなわち、開口74aの縁部のうち、ハンドル14に対して前方側よりも後方側の方がハンドル14の中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。そして、開口74aの縁部のうち、ハンドル14の後端側の縁部Kは後グリップ14cのグリップ本体72の最外周よりも外側にあるのに対し、前端側の縁部Zは後グリップ14cのグリップ本体72の最外周にあり、中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。このため、開口74aの前端側の縁部Zと後端側の縁部Kとを結ぶ線分KZに直交する線分KCが開口(挿通孔)74aの方向であり、開口74aの中心軸KCが、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて、開口74aはハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けられて形成されている。開口74aの中心軸KCは、ハンドル14の中心軸Cのできるだけ後端側(後端側の縁部Kよりも後端側)で交わることが好ましい。
【0032】
ハンドル14の外周面が中心軸Cから離れる方向に変移する変移部75が突部74の前側(ハンドル14側)に形成され、この変移部75に開口(挿通孔)74aが形成されている。
【0033】
なお、突部74の開口74aの大きさは、コード60のリール用コネクタ62及びバッテリ用コネクタ64のいずれか一方または両方を通すことが可能な大きさに形成されている。このため、コード60は後グリップ14cに対して着脱(挿脱)可能である。本実施形態では、図2及び図3に示すリール用コネクタ62及びバッテリ用コネクタ64の両方を開口74aに通すことが可能である。
【0034】
そして、突部74の開口74aをグリップ14のうち取付脚部載置面52aよりも後方(特に、電動リール30の給電部38よりも後方)に設け、コード60のバッテリ用コネクタ64をハンドル14の中心軸Cにその軸方向が近づけられた開口74aを通して容易に挿通させることができる。このため、コード60に無理な力をかけることが防止できる。このように、開口74aに対してコード60を挿脱する際にコード60の軸方向(長手方向)をハンドル14の中心軸Cに対して直交する状態よりも平行に近づけて中心軸Cに沿った方向にしているので、コード60を開口(挿通孔)74aに挿通したときの湾曲が小さくなってコード60に大きな負荷をかけることなく出し入れ(挿脱)可能である。そして、特に、突部74の傾斜面74b及び芯部材14dの案内面74cにより、コード60を開口74aに対して出し入れする際に、コード60を滑らかに移動させることができる。
なお、グリップ14の取付脚部載置面52aの反対側は魚釣用電動リール30と共に握持するため、これより後方に開口(挿通孔)74aを設けると、グリップ14を確実に握持することができる。
【0035】
なお、後グリップ14cに形成された突部74は、後グリップ14cの指掛部として使用することができる。このため、突部74の開口74aにコード60が挿通されても、後グリップ14cの把持のし易さを極力維持することができる。
【0036】
また、開口74aの中心軸KCから離れた後端側の縁部Kをハンドル14の中心軸Cに近い前端側の縁部Zよりハンドル14の前方側になるよう配して開口74aの中心軸KCがハンドル14の中心軸Cに前方で近づく(交わる)方向となるようにして開口74をハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けて形成しても良い。
【0037】
一方、グリップ本体72の後端には、グリップ本体72の内径よりも外径が大きいバッテリ40を収容するためにやや拡径された拡径部76が形成されている。この拡径部76の後端には雄ネジ部76aが形成されている。この雄ネジ部76aには、バッテリ40が収容されるバッテリケース78の雌ネジ部78aが着脱可能に螺合される。そして、後グリップ14cの拡径部76およびバッテリケース78は、バッテリ保持部を形成する。このため、釣竿10のうち、釣り人が釣りの最中に直接的にバッテリ40に触れない状態にバッテリ40を配置することができ、バッテリ40が邪魔にならない状態で釣りをすることができる。また、バッテリ40を釣竿10の後端に配置したので、釣竿10の重心位置を釣竿10の後端側に移動させることができる。すなわち、釣竿10の重心を、電動リール30とハンドル14の後端側とに分けて配し、重量を分散させてバランスを良くできるので、釣竿10の操作も容易に行うことができる。
なお、拡径部76は、バッテリ40の肩部46と略同じ傾斜を有し、後端側ほど開口が大きく形成されている。一方、バッテリケース78は、バッテリ40をハンドル14の中心軸Cに沿って先端側に向かって押圧する押圧パッド(押圧部)78bが配設されている。このため、バッテリケース78にバッテリ40が配設された状態でバッテリケース78の雌ネジ部78aが拡径部76の雄ネジ部76aに螺合したときには、バッテリ40のガタツキを防止するように、バッテリ40の肩部46が後グリップ14cの拡径部76の内周面(度当て面)76bに度当てされる。
【0038】
そして、電動リール30の給電部38とバッテリ40の接続部44とを接続するコード60は、後グリップ14cの突部74の開口74aを通して後グリップ14cの後端まで延出されている。
【0039】
なお、図4(A)に示すように、突部74の開口74aにはキャップ(栓体)80が配設されることが好ましい。図4(B)に示すように、キャップ80は、可撓性を有するゴム材や合成樹脂材等で略円柱状に形成されている。キャップ80は、略円柱状の中心軸上に形成されコード60が配設される取付孔82と、このキャップ80の外側と取付孔82とを連通するように形成された切り欠き溝84と、キャップ80を突部74の端部に引っ掛けるフランジ部86とを備えている。図4(A)に示すように、取付孔82は、コード60に密着する。切り欠き溝84は、コード60を取付孔82に配設する際に弾性変形により開いてコード60を取付孔82に配置する。
【0040】
このため、キャップ80を突部74の開口74aに配設した場合、取付孔82の径を小さくし、かつ、切り欠き溝84を閉塞するように作用する。このため、突部74からハンドル14の内部への水やゴミ等の侵入を防止することができる。
【0041】
なお、キャップ80を突部74を延長するように突出させて指掛けをより大きく形成するようにしても良い。
【0042】
次に、第2の実施の形態について図5を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。以下、第3の実施の形態から第6の実施の形態も同様である。
【0043】
図5に示すように、ハンドル14の後グリップ14cのグリップ本体72(リール取付部14bよりも後方)には、ハンドル14の長手方向(中心軸C)に対して直交する方向に開口92が形成されている。この開口92には、後グリップ14cのグリップ本体72とは別部材で突部94が嵌合されている。この突部94は、第1の実施の形態で説明した突部74の変移部75や開口74aや傾斜面74b(図2及び図3参照)と同様に、変移部95と、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりもハンドル14の前側に向けられた(中心軸の線分KCを有する)開口(挿通孔)94aと、傾斜面94bとを有する。そして、第1の実施の形態で説明した芯部材14dの案内面74cと同じ作用を有するように、突部94自体に、傾斜面94bに対向するように案内面94cが形成されている。
【0044】
なお、この実施形態の場合、芯部材14dの基端は、第1の実施の形態と同様に案内面74cが形成されていることも好適であるし、図5に示すように、中心軸Cに対して直交する端面が形成されていることも好適である。
【0045】
次に、第3の実施の形態について図6及び図7を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。
【0046】
図6に示すように、この実施の形態は、第1および第2の実施の形態で説明した突部74,94ではなく、後グリップ14cのグリップ本体72(リール取付部14bよりも後方)の最外周よりも内側に凹んだ凹部104が形成されている。この凹部104には、開口(挿通孔)104aが形成されている。この開口104aの縁部のうち、ハンドル14に対して前方側よりも後方側の方がハンドル14の中心軸Cに対して離れた位置(外側)にある。開口104aは、その縁部が先端側から基端側に向かって一旦ハンドル14の中心軸Cに対して近接するように変移した後、ハンドル14の中心軸Cから離れるように変移している。そして、開口104aの縁部うち、ハンドル14の後端側の縁部Kは後グリップ14cの最外周にあるのに対し、前端側の縁部Zは後グリップ14cの最外周よりも内側にある。すなわち、開口104aには、ハンドル14の外側面が中心軸Cから外方へ離れる方向に変移する変移部105が形成され、この変移部105に開口(挿通孔)104aが形成されている。
開口104aの前端側の縁部Zと後端側の縁部Kとを結ぶ線分KZに直交する線分KCが開口(挿通孔)104aの方向であり、開口104aの中心軸KCで、ハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて、開口104aはハンドル14に直交する方向よりもハンドル14の前側(先端側)に向けられて形成されている。
【0047】
このような開口104aを形成することにより、ハンドル14の中心軸C(長手方向)に対して直交する方向の挿通孔よりもハンドル14の長手方向に平行な状態に近接するように挿通孔を形成できる。このため、コード60を挿脱する際に屈曲等させずにスムーズに挿脱させることができる。また、第1の実施の形態で説明した突部74(図2及び図3参照)のような出っ張りがないので、ハンドル14を小さく保つことができる。
このように開口104aの一部がハンドル14の中心軸Cに対して直交する方向よりもハンドル14の前側に向けられていても良い。
【0048】
次に、第4の実施の形態について図8を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。本実施形態は、後グリップ14cではなく、リール取付部14bに突部114が設けられた例である。
【0049】
図8に示すように、リール取付部14bのうち固定フード54aの反対側(裏面側)のリール取付部14bの後端には、変移部115に開口(挿通孔)114aを有する突部114が例えば一体的に形成されている。突部114が形成された部分の後端は、後グリップ14cの内径よりも小さい外径を有する嵌合部116が形成されている。このため、リール取付部14bの嵌合部116で後グリップ14bの先端に嵌合されている。
【0050】
突部114の内周面には、傾斜面114bが形成されている。このため、バッテリ用コネクタ64を突部114の開口114aを通してリール取付部14b及び後グリップ14cの内側に出し入れする際に容易に行うことができる。
【0051】
突部114及び開口114aはリール取付部14bに設けたが、取付脚部載置面52aよりも後方側にあるため、グリップ14の握持は容易に行える。また、第1から第3の実施の形態で説明したのと同様に開口114aの縁部K,Z及び線分KZによって規定される開口114aの中心軸KCがハンドル14の中心軸Cに直交する方向よりも中心軸Cに沿った方向を向いて開口114aがハンドル14の前側に向けて形成されている。
【0052】
なお、本実施形態では、突部114を設けた例について説明したが、第3の実施の形態で説明した凹部104(図6参照)を設けることも好適である。また、この実施形態では、芯部材14dの後端をハンドル14の中心軸Cに対して直交する面として形成する場合について図示したが、第1の実施の形態で説明した案内面74c(図2及び図3参照)と同様に形成されていることも好適である。
【0053】
次に、第5の実施の形態について図9及び図10を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。
この実施の形態は、図9及び図10に示すように、開口(挿通孔)124aを有する突部124が取付脚部載置面52aの反対側ではなく、取付脚部載置面52aに対して1/4周ずれた位置に形成された例である。突部124の構造は第1の実施の形態で説明した突部74(図2及び図3参照)と同様である。このため、第1の実施の形態で説明したように開口124aの縁部K,Z、線分KZおよび中心軸KCが規定され、第1の実施の形態で説明した作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0054】
なお、突部124の位置は、第1の実施の形態および第5の実施の形態で説明した位置に限られない。すなわち、第5の実施の形態で説明した位置よりも上側(電動リール30が配設される側)や下側(第1の実施の形態で説明した突部74に近接した位置)にあることも許容される。
【0055】
また、突部124の代わりに第3の実施の形態で説明した凹部104(図6参照)を設けることも好適であるし、第4の実施の形態で説明したようにリール取付部14bに突部114を設けることも好適である。
【0056】
次に、第6の実施の形態について図11を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。特に、本実施形態は、ハンドル14の後端でバッテリ40の保持する際の変形例である。
【0057】
ここでは、図11に示すように、本実施形態は、バッテリ40のボディ42を保持するのにバッテリケース78(図1から図3、図5から図10参照)を用いない。
図11に示すように、拡径部76には、雄ネジ部76aが形成されていない。その代わりに、拡径部76の後端の内周面には、例えばOリング等のシール材76cが配設されている。このシール材76cは、弾性材料で形成され、シール材76cの内径はバッテリ40のボディ42の外径よりもやや小さく形成されている。このため、バッテリ40のボディ42を拡径部76の内側に配設するときには、シール材76cを弾性変形させてバッテリ40のボディ42の外周面に密着させる。このようにして、バッテリ40をハンドル14の後グリップ14cの後端に保持することができる。すなわち、後グリップ14cの後端の拡径部76およびシール材76cは、バッテリ保持部を形成する。なお、シール材76cの作用によって、バッテリ40が拡径部76の後端に配設された状態でハンドル14内に水やゴミ等が侵入するのを防止できる。
【0058】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【符号の説明】
【0059】
12…竿桿、14…ハンドル、13a…嵌合突起、13b…嵌合孔、14a…前グリップ、14b…リール取付部、14c…後グリップ、14d…芯部材、30…電動リール、30a…取付脚部、32…リール本体、32a…制御部、34…側板、36…調節ネジ、38…給電部、40…バッテリ、42…ボディ、46…肩部、52…リールシート、52a…取付脚部載置面、52b…ネジ部、54a…固定フード、54b…移動フード、56…ナット、60…コード、62…リール用コネクタ、64…バッテリ用コネクタ、72…グリップ本体、74…突部、74a…開口(挿通孔)、74b…傾斜面、74c…案内面、76…拡径部、78…バッテリケース、78b…押圧パッド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードが接続された電動リールを着脱可能であるとともに、先端側に竿部が取り付けられて用いられる釣竿用ハンドルであって、
前記ハンドルに前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔を設けるとともに、
前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸に直交する方向よりも前記ハンドルの先端側を向いて形成されていることを特徴とする釣竿用ハンドル。
【請求項2】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外側に突出する突部のハンドルの先端側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項3】
前記突部は、その内側に前記ハンドルの後端側に向かうにつれて前記ハンドルの前記中心軸に近接する傾斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項4】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外周面よりも内側にある凹部に形成されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項5】
前記ハンドルは、前記電動リールを取り付けるリール取付部を有し、
前記挿通孔は、前記リール取付部よりも後方側に配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記電動リールを着脱可能な位置よりも後方側に、前記電動リールに前記コードを通して給電するバッテリを着脱自在に保持するバッテリ保持部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1に記載の釣竿用ハンドルの先端側に竿部を設けた釣竿。
【請求項1】
コードが接続された電動リールを着脱可能であるとともに、先端側に竿部が取り付けられて用いられる釣竿用ハンドルであって、
前記ハンドルに前記ハンドルの内部と外部とを連通するとともに前記コードを挿通する挿通孔を設けるとともに、
前記挿通孔が前記ハンドルの中心軸に直交する方向よりも前記ハンドルの先端側を向いて形成されていることを特徴とする釣竿用ハンドル。
【請求項2】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外側に突出する突部のハンドルの先端側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項3】
前記突部は、その内側に前記ハンドルの後端側に向かうにつれて前記ハンドルの前記中心軸に近接する傾斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項4】
前記ハンドルの前記挿通孔は、前記ハンドルの外周面よりも内側にある凹部に形成されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項5】
前記ハンドルは、前記電動リールを取り付けるリール取付部を有し、
前記挿通孔は、前記リール取付部よりも後方側に配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記電動リールを着脱可能な位置よりも後方側に、前記電動リールに前記コードを通して給電するバッテリを着脱自在に保持するバッテリ保持部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の釣竿用ハンドル。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1に記載の釣竿用ハンドルの先端側に竿部を設けた釣竿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−29176(P2010−29176A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44528(P2009−44528)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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