鉄塔等昇降用ステップボルト
【課題】 簡単な抜け止め構造を付加することで、鉄塔の塔脚の通孔への取り付けを迅速に行い得ると共に、その鉄塔の保守点検作業が終了したら容易に取り外すことができる。
【解決手段】 棒状のステップボルト本体2の一側に、作業者が足を掛けるステップ部3を形成し、ステップボルト本体2の他側に、鉄塔等を構成する塔脚Tに開けた通孔Hに差し込む差込み部4を設け、差込み部4に、溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成し、溝5内に、抜け止め用の爪6を出没自在に収納し、差込み部4に、爪6と共に通孔Hを挟むための位置決め手段9を、ステップボルト本体2の軸方向に位置調節可能に取り付けたステップボルト1であり、作業者が鉄塔等に昇降する際、このステップボルト1を通孔Hに、挿抜自在に取り付けることができる。
【解決手段】 棒状のステップボルト本体2の一側に、作業者が足を掛けるステップ部3を形成し、ステップボルト本体2の他側に、鉄塔等を構成する塔脚Tに開けた通孔Hに差し込む差込み部4を設け、差込み部4に、溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成し、溝5内に、抜け止め用の爪6を出没自在に収納し、差込み部4に、爪6と共に通孔Hを挟むための位置決め手段9を、ステップボルト本体2の軸方向に位置調節可能に取り付けたステップボルト1であり、作業者が鉄塔等に昇降する際、このステップボルト1を通孔Hに、挿抜自在に取り付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線等の鉄塔等に取り付け、その鉄塔等に作業者が昇降するときに使用するステップボルトに係り、特に鉄塔等の塔脚に着脱自在に取り付けることができる鉄塔等昇降用ステップボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主要送電線の鉄塔には、保守点検の際に作業者が昇降するためのステップボルトが取り付けられている。このステップボルトに関する先行技術としては、特許文献1の特開平10−243536号公報「送電線等の鉄塔等におけるステップボルト」に示すように、送電線等の鉄塔等に取り付けられるステップボルトであって、該鉄塔等側に取り付けられるねじ部等の取付部位と作業者の手掛け部或いは足載せ部となしたステップ部位とからなり、該ステップ部位の表面に対して所望の形状の突状部を多数個形成した構造のものが提案されている。
【特許文献1】特開平10−243536号
【0003】
このようなステップボルトは、図11と図12(a)、(b)、(c)に示すように、ステップボルト51のボルト部52を鉄塔の塔脚Tに開けた通孔Hに差し込み、このボルト部52の先端から塔脚Tを挟むように2個のナット53を締め付け、塔脚Tに強固に固定していた。
【0004】
一方、主要送電線は、鉄塔ボルト保全対策として鉄塔、昇塔防止装置以下のステップボルトを地上から最大9本撤去して、関係者以外の昇塔を防止している。鉄塔の保守点検作業などで作業者が鉄塔に昇塔する際にステップボルト51を持参して取り付け、作業が終了したらそれらのステップボルト51を撤去していた。このときは、作業者はステップボルト51を持ち運ぶときは、図11に示すように、ボルト部52に2個のナット53を締め付けていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来のステップボルト51の構造では、複数本のステップボルト51を鉄塔へ取り付ける作業が煩雑であり、作業者が鉄塔に昇るためには多数本のステップボルト51の締め付けるため、その取り付けに長い作業時間を要するものであった。更に、多数本のステップボルト51の撤去作業も付加されるために一日の作業量が増加するという問題を有していた。
【0006】
また、従来の鉄製のステップボルト51は、重量が重く複数本を持ち歩く際の作業者の負担が重いという問題を有していた。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、簡単な抜け止め構造を付加することで、鉄塔の塔脚の通孔への取り付けを迅速に行い得ると共に、その鉄塔の保守点検作業が終了したら容易に取り外すことができる鉄塔等昇降用ステップボルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、鉄塔等に作業者が昇降する際、その鉄塔等を構成する塔脚(T)に開けた通孔(H)に、挿抜自在に取り付ける鉄塔等昇降用ステップボルトであって、棒状のステップボルト本体(2)の一側に、作業者が足を掛けるステップ部(3)を形成し、前記ステップボルト本体(2)の他側に、前記通孔(H)に差し込む差込み部(4)を設け、該差込み部(4)に、溝(5)を前記ステップボルト本体(2)の軸方向に形成し、前記溝(5)内に、抜け止め用の爪(6)を出没自在に収納し、前記差込み部(4)に、前記爪(6)と共に前記通孔(H)を挟むための位置決め手段(9)を、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に位置調節可能に取り付けた、ことを特徴とする鉄塔等昇降用ステップボルトが提供される。
【0009】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)にボルト形状に形成したねじ山(10)に締め付けたナットである。前記位置決め手段(9)用のナットを締め付けるねじ山(10)は、前記ステップボルト本体(2)のステップ部(3)寄りの一部のみに形成し、前記差込み部(4)の前記塔脚(T)の通孔(H)に差し込まれる部位には形成しない、ことを特徴とする請求項2の鉄塔等昇降用ステップボルト。前記位置決め手段(9)用のナットは、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に長く形成したナット(11)である。
【0010】
前記差込み部(4)に、複数の爪(6)を溝(5)に出没自在に設けることができる。前記位置決め手段(9)には、前記差込み部(4)に形成したラチェット構造のストッパー(12)を用いることも可能である。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の発明では、ステップボルト(1)の差込み部(4)を塔脚(T)の通孔(H)に差し込んだときに、爪(6)が溝(5)内に押し込まれ、通孔(H)を通過させることができる。この通孔(H)を通過した爪(6)は、弾性材(8)の押圧力で突出する。これにより、爪(6)の角部(6b)が塔脚(T)の通孔(H)からの抜け止め作用を奏するので、ステップボルト本体(2)のステップ部(3)に作業者が足を載せて全体重を掛けても、ステップボルト(1)が塔脚(T)から抜けずに作業者は安全に作業することができる。また、位置決め手段(9)はステップボルト本体(2)が塔脚(T)の通孔(H)内でのズレを防止し、ステップボルト(1)を塔脚(T)に強固に取り付けることができる。そこで、ステップボルト(1)が斜めになり、又は抜けることがないので作業者は安全に保守点検作業を行うことができる。
【0012】
ステップボルト(1)の塔脚(T)への取り付け作業は、差込み部(4)を差し込むだけで完了するので、その取付作業時間が短縮された。一方、作業者が鉄塔等の保守点検作業が終了したときには、爪(6)を溝(5)内に押し込むことにより、通孔(H)から差込み部(4)を通過させることができ、ステップボルト(1)を塔脚(T)から容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトは、ステップボルトの差し込み部に抜け止め構造を設けることにより、鉄塔の塔脚の通孔への取り付けを迅速に行うことができる。その鉄塔の保守点検作業が終了したら容易に取り外すことができるように構成したものである。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例1を示す側面図である。図2は実施例1の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。図3は実施例1の差し込み部の構造を示す拡大正面図である。
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルト1は、棒状の金属製のステップボルト本体2の一側に、作業者が足を掛けるステップ部3を設け、このステップボルト本体2の他側に、鉄塔等の塔脚Tの通孔Hへ差し込む差込み部4を設けたものである。
【0015】
ステップボルト本体2は、軽量化を目的として例えばアルミニウム合金で製造したものである。従来のように鋼鉄であると、作業者が複数本を持ち運ぶときに不便であったので、アルミニウム合金等の軽量金属を用いた。なお、軽量であればこのアルミニウム合金以外の材質のもので製造することは可能である。また、強度的に問題がなければ、中空のパイプ状に形成したものでもよい。
ステップ部3は、作業者が掛け止めた足が滑ることを防止するものであり、図示例はローレット加工したものである。これ以外に表面にゴム製被膜、合成樹脂製被膜等の滑り止めを張り付けたものでもよい。
【0016】
差込み部4は、鉄塔等の塔脚Tの通孔Hへ差し込む部分であり、本発明のステップボルト1の抜け止め部分になる。この差込み部4には、図2と図3に示すように、溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成してある。この溝5内に抜け止め用の爪6を出没自在に収納した。この爪6は、溝5内においてステップボルト1の先端側に回動軸7で揺動自在に軸止すると共に、この爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すようにコイルスプリング、板ばね等の弾性部材8をその爪6の凹部6a間に介在したものである。この爪6は、ステップボルト1の外周より突出することなく溝5内に押し込みことができると共に、逆に弾性部材8の押圧力で突出したときは、爪6の角部6bが塔脚Tの通孔Hに引っ掛かるようになっている。この爪6は、回動軸7により先端側から角部6bにかけて傾斜して突出した状態になり、この爪6の傾斜面に物が当接すると容易に押し込まれるようになっている。
【0017】
位置決め手段9は、通孔Hに差し込んだ差込む部4を爪6と共に、この通孔Hを挟むものである。この位置決め手段9は、例えば差込み部4に形成したボルト状に形成したねじ山10にナットを締め付けたものである。このように位置決め手段9を、ステップボルト本体2の軸方向に移動自在に取り付けることにより、塔脚Tの通孔Hの厚みに応じて、調節することができるようになっている。これは、爪6の角部6aを塔脚Tの通孔Hに引っ掛けてステップボルト1を抜けなくすることはできるが、このステップボルト1が強固に取り付けられていないと作業中にステップボルト1が揺れて作業者が安全に保守点検作業ができないからである。
【0018】
図4は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
先ず、図4(a)に示すように、ステップボルト1は、塔脚Tの通孔Hに差込み部4から差し込む。このとき爪6は、図4(b)に示すように、溝5内に押し込まれるために、通孔Hを容易に通過させることができる。差込み部4の外径と爪6の角部6bの突出量との和(L1)は、塔脚Tの通孔Hの内径(L2)より長くする必要がある。
【0019】
図4(c)に示すように、塔脚Tの通孔Hにステップボルト1を取り付けたら、次に位置決め手段9のナットを締め付け、この位置決め手段9と爪6の角部6により通孔Hを挟みステップボルト1を強固に取り付ける。この状態でステップボルト本体2のステップ部3に作業者が足を載せ全体重を掛けても、爪6が塔脚Tの通孔Hから抜けないので、ステップボルト1が塔脚Tから抜けずに安全に作業することができる。また、位置決め手段9のナットはステップボルト本体2が塔脚Tの通孔H内でのズレを防止して、ステップボルト1を塔脚Tに強固に取り付ける。そこで、ステップボルト1が斜めになったり、抜けたりしないので、作業者は安全に保守点検作業を行うことができる。
【0020】
最後に、作業者が保守点検作業を終了したときには、爪6を溝5内に押し込むことにより、通孔Hから差込み部4を通過させることができ、ステップボルト1を塔脚Tから容易に取り外すことができる。
なお、差込み部4の全体にはボルト状のねじ山10を形成しているので、この差込み部4にナット(図示していない)を締め付けることにより、本発明のステップボルト1を塔脚Tの通孔Hに長期的に取り付けることも可能である。
【実施例2】
【0021】
図5は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例2を示す一部断面を有する側面図である。図6は実施例2の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。図7は実施例2の差し込み部の構造を示す拡大平面図である。
実施例2では、位置決め手段用のナットを締め付けるねじ山10を、ステップボルト本体2のステップ部3寄りの一部のみに形成した。即ち、差込み部4の塔脚Tの通孔Hに差し込まれる位置にはねじ山10を形成していないので、塔脚Tの通孔Hに差し込む際に円滑に差し込むことができる。ねじ山10を形成していない差込み部4は、差込み部4と塔脚Tの通孔Hの内径面との密着性を高めることができ、ガタ付きを防止することができる。また、実施例2の位置決め手段用のナット11は、実施例1のナット9より、軸方向に長くすることにより、ねじ山10が形成されていない差込み部4までこのナット11の座面11aが接するようになっている、この実施例2のナット11の周囲にローレット加工を施して指で簡単に締め付けられるようにする。或いは、その他の滑り止め手段をナット11の周囲に施すことが好ましい。
【0022】
実施例2では、ステップボルト本体2の軸方向に、抜け止め用の爪6を出没自在に収納する溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成してある。この溝5は、図6と図7に示すように、差込み部4の円周方向のみ開口した構造になっている。実施例2の爪6も、溝5内においてステップボルト1の先端側に回動軸7で揺動自在に軸止すると共に、この爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すように弾性部材8をその爪6の凹部6a間に介在したものである。
【0023】
図8は実施例2の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
先ず、図8(a)に示すように、ステップボルト1は、塔脚Tの通孔Hに差込み部4から差し込む。このとき爪12は、図8(b)に示すように、溝13内に押し込まれるために、通孔Hを容易に通過させることができる。実施例2では、差込み部4部分の周囲が円滑面に形成されているので、容易に差込み部4に塔脚Tの通孔Hに差し込むことができる。
図8(c)に示すように、塔脚Tの通孔Hにステップボルト1を取り付けたら、次に位置決め手段9のナット11を締め付けて、この位置決め手段9のナット11の座面11aと爪6の角部6bにより通孔Hを挟みステップボルト1を強固に取り付ける。
【0024】
最後に、作業者が保守点検作業を終了したときには、実施例1と同様に爪6を溝5内に押し込むことにより、通孔Hから差込み部4を通過させることができ、ステップボルト1を塔脚Tから容易に取り外すことができる。特に、実施例2では、差込み部4にねじ山10が形成されていないので、円滑に引き抜くことができる。
【実施例3】
【0025】
図9は実施例3の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
実施例3は、差込み部4の溝5に、2個以上の複数個の爪6を出没自在に設けたものである。差込み部4の爪6は、上述したように1個に限定されず、2個以上の複数個を設けることができる。例えば、差込み部4の溝5内において、2個の爪6をステップボルト1の先端側に回動軸7でそれぞれ揺動自在に軸止すると共に、これら2個の爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すように弾性部材8を介在することができる。このように複数の爪6を設けることで、抜け止め作用する点が2箇所以上になり、より安全性を高めることができる。
【実施例4】
【0026】
図10は実施例4の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
実施例4は、差込み部4の位置決め手段9としてラチェット構造のストッパー12を形成したものである。差込み部4の位置決め手段は、上述したナットに限定されずに、ラチェット構造のストッパー12を形成したものでもよい。例えば、このラチェット構造のストッパー12は、ステップボルト本体2の軸方向に移動させ、そのストッパー12を瞬時に塔脚Tの通孔Hの厚みに調節することができる。
【0027】
なお、本発明は、ステップボルト1を鉄塔の塔脚Tの通孔Hへ迅速に取り付け、容易に取り外すことができる出没自在になる爪6による抜け止め構造のものであれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトは、主に送電線等の鉄塔等の塔脚に利用することができる、更にステップボルトを着脱自在に取り付けることができる場所であれば鉄塔以外の作業現場にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例1を示す側面図である。
【図2】実施例1の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図3】実施例1の差し込み部の構造を示す拡大正面図である。
【図4】本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
【図5】図5は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例2を示す一部断面を有する側面図である。
【図6】実施例2の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図7】実施例2の差し込み部の構造を示す拡大平面図である。
【図8】実施例2の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
【図9】実施例3の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図10】実施例4の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図11】従来のステップボルトを示す側面図である。
【図12】従来のステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、通孔に差込む部を差し込みナット締めする状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)である。
【符号の説明】
【0030】
1 ステップボルト
2 ステップボルト本体
3 ステップ部
4 差込み部
5 溝
6 爪
6a 爪の角部
9 位置決め手段(ナット)
10 ねじ山
11 ナット
12 ストッパー
T 塔脚
H 通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線等の鉄塔等に取り付け、その鉄塔等に作業者が昇降するときに使用するステップボルトに係り、特に鉄塔等の塔脚に着脱自在に取り付けることができる鉄塔等昇降用ステップボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主要送電線の鉄塔には、保守点検の際に作業者が昇降するためのステップボルトが取り付けられている。このステップボルトに関する先行技術としては、特許文献1の特開平10−243536号公報「送電線等の鉄塔等におけるステップボルト」に示すように、送電線等の鉄塔等に取り付けられるステップボルトであって、該鉄塔等側に取り付けられるねじ部等の取付部位と作業者の手掛け部或いは足載せ部となしたステップ部位とからなり、該ステップ部位の表面に対して所望の形状の突状部を多数個形成した構造のものが提案されている。
【特許文献1】特開平10−243536号
【0003】
このようなステップボルトは、図11と図12(a)、(b)、(c)に示すように、ステップボルト51のボルト部52を鉄塔の塔脚Tに開けた通孔Hに差し込み、このボルト部52の先端から塔脚Tを挟むように2個のナット53を締め付け、塔脚Tに強固に固定していた。
【0004】
一方、主要送電線は、鉄塔ボルト保全対策として鉄塔、昇塔防止装置以下のステップボルトを地上から最大9本撤去して、関係者以外の昇塔を防止している。鉄塔の保守点検作業などで作業者が鉄塔に昇塔する際にステップボルト51を持参して取り付け、作業が終了したらそれらのステップボルト51を撤去していた。このときは、作業者はステップボルト51を持ち運ぶときは、図11に示すように、ボルト部52に2個のナット53を締め付けていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来のステップボルト51の構造では、複数本のステップボルト51を鉄塔へ取り付ける作業が煩雑であり、作業者が鉄塔に昇るためには多数本のステップボルト51の締め付けるため、その取り付けに長い作業時間を要するものであった。更に、多数本のステップボルト51の撤去作業も付加されるために一日の作業量が増加するという問題を有していた。
【0006】
また、従来の鉄製のステップボルト51は、重量が重く複数本を持ち歩く際の作業者の負担が重いという問題を有していた。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、簡単な抜け止め構造を付加することで、鉄塔の塔脚の通孔への取り付けを迅速に行い得ると共に、その鉄塔の保守点検作業が終了したら容易に取り外すことができる鉄塔等昇降用ステップボルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、鉄塔等に作業者が昇降する際、その鉄塔等を構成する塔脚(T)に開けた通孔(H)に、挿抜自在に取り付ける鉄塔等昇降用ステップボルトであって、棒状のステップボルト本体(2)の一側に、作業者が足を掛けるステップ部(3)を形成し、前記ステップボルト本体(2)の他側に、前記通孔(H)に差し込む差込み部(4)を設け、該差込み部(4)に、溝(5)を前記ステップボルト本体(2)の軸方向に形成し、前記溝(5)内に、抜け止め用の爪(6)を出没自在に収納し、前記差込み部(4)に、前記爪(6)と共に前記通孔(H)を挟むための位置決め手段(9)を、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に位置調節可能に取り付けた、ことを特徴とする鉄塔等昇降用ステップボルトが提供される。
【0009】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)にボルト形状に形成したねじ山(10)に締め付けたナットである。前記位置決め手段(9)用のナットを締め付けるねじ山(10)は、前記ステップボルト本体(2)のステップ部(3)寄りの一部のみに形成し、前記差込み部(4)の前記塔脚(T)の通孔(H)に差し込まれる部位には形成しない、ことを特徴とする請求項2の鉄塔等昇降用ステップボルト。前記位置決め手段(9)用のナットは、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に長く形成したナット(11)である。
【0010】
前記差込み部(4)に、複数の爪(6)を溝(5)に出没自在に設けることができる。前記位置決め手段(9)には、前記差込み部(4)に形成したラチェット構造のストッパー(12)を用いることも可能である。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の発明では、ステップボルト(1)の差込み部(4)を塔脚(T)の通孔(H)に差し込んだときに、爪(6)が溝(5)内に押し込まれ、通孔(H)を通過させることができる。この通孔(H)を通過した爪(6)は、弾性材(8)の押圧力で突出する。これにより、爪(6)の角部(6b)が塔脚(T)の通孔(H)からの抜け止め作用を奏するので、ステップボルト本体(2)のステップ部(3)に作業者が足を載せて全体重を掛けても、ステップボルト(1)が塔脚(T)から抜けずに作業者は安全に作業することができる。また、位置決め手段(9)はステップボルト本体(2)が塔脚(T)の通孔(H)内でのズレを防止し、ステップボルト(1)を塔脚(T)に強固に取り付けることができる。そこで、ステップボルト(1)が斜めになり、又は抜けることがないので作業者は安全に保守点検作業を行うことができる。
【0012】
ステップボルト(1)の塔脚(T)への取り付け作業は、差込み部(4)を差し込むだけで完了するので、その取付作業時間が短縮された。一方、作業者が鉄塔等の保守点検作業が終了したときには、爪(6)を溝(5)内に押し込むことにより、通孔(H)から差込み部(4)を通過させることができ、ステップボルト(1)を塔脚(T)から容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトは、ステップボルトの差し込み部に抜け止め構造を設けることにより、鉄塔の塔脚の通孔への取り付けを迅速に行うことができる。その鉄塔の保守点検作業が終了したら容易に取り外すことができるように構成したものである。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例1を示す側面図である。図2は実施例1の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。図3は実施例1の差し込み部の構造を示す拡大正面図である。
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルト1は、棒状の金属製のステップボルト本体2の一側に、作業者が足を掛けるステップ部3を設け、このステップボルト本体2の他側に、鉄塔等の塔脚Tの通孔Hへ差し込む差込み部4を設けたものである。
【0015】
ステップボルト本体2は、軽量化を目的として例えばアルミニウム合金で製造したものである。従来のように鋼鉄であると、作業者が複数本を持ち運ぶときに不便であったので、アルミニウム合金等の軽量金属を用いた。なお、軽量であればこのアルミニウム合金以外の材質のもので製造することは可能である。また、強度的に問題がなければ、中空のパイプ状に形成したものでもよい。
ステップ部3は、作業者が掛け止めた足が滑ることを防止するものであり、図示例はローレット加工したものである。これ以外に表面にゴム製被膜、合成樹脂製被膜等の滑り止めを張り付けたものでもよい。
【0016】
差込み部4は、鉄塔等の塔脚Tの通孔Hへ差し込む部分であり、本発明のステップボルト1の抜け止め部分になる。この差込み部4には、図2と図3に示すように、溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成してある。この溝5内に抜け止め用の爪6を出没自在に収納した。この爪6は、溝5内においてステップボルト1の先端側に回動軸7で揺動自在に軸止すると共に、この爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すようにコイルスプリング、板ばね等の弾性部材8をその爪6の凹部6a間に介在したものである。この爪6は、ステップボルト1の外周より突出することなく溝5内に押し込みことができると共に、逆に弾性部材8の押圧力で突出したときは、爪6の角部6bが塔脚Tの通孔Hに引っ掛かるようになっている。この爪6は、回動軸7により先端側から角部6bにかけて傾斜して突出した状態になり、この爪6の傾斜面に物が当接すると容易に押し込まれるようになっている。
【0017】
位置決め手段9は、通孔Hに差し込んだ差込む部4を爪6と共に、この通孔Hを挟むものである。この位置決め手段9は、例えば差込み部4に形成したボルト状に形成したねじ山10にナットを締め付けたものである。このように位置決め手段9を、ステップボルト本体2の軸方向に移動自在に取り付けることにより、塔脚Tの通孔Hの厚みに応じて、調節することができるようになっている。これは、爪6の角部6aを塔脚Tの通孔Hに引っ掛けてステップボルト1を抜けなくすることはできるが、このステップボルト1が強固に取り付けられていないと作業中にステップボルト1が揺れて作業者が安全に保守点検作業ができないからである。
【0018】
図4は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
先ず、図4(a)に示すように、ステップボルト1は、塔脚Tの通孔Hに差込み部4から差し込む。このとき爪6は、図4(b)に示すように、溝5内に押し込まれるために、通孔Hを容易に通過させることができる。差込み部4の外径と爪6の角部6bの突出量との和(L1)は、塔脚Tの通孔Hの内径(L2)より長くする必要がある。
【0019】
図4(c)に示すように、塔脚Tの通孔Hにステップボルト1を取り付けたら、次に位置決め手段9のナットを締め付け、この位置決め手段9と爪6の角部6により通孔Hを挟みステップボルト1を強固に取り付ける。この状態でステップボルト本体2のステップ部3に作業者が足を載せ全体重を掛けても、爪6が塔脚Tの通孔Hから抜けないので、ステップボルト1が塔脚Tから抜けずに安全に作業することができる。また、位置決め手段9のナットはステップボルト本体2が塔脚Tの通孔H内でのズレを防止して、ステップボルト1を塔脚Tに強固に取り付ける。そこで、ステップボルト1が斜めになったり、抜けたりしないので、作業者は安全に保守点検作業を行うことができる。
【0020】
最後に、作業者が保守点検作業を終了したときには、爪6を溝5内に押し込むことにより、通孔Hから差込み部4を通過させることができ、ステップボルト1を塔脚Tから容易に取り外すことができる。
なお、差込み部4の全体にはボルト状のねじ山10を形成しているので、この差込み部4にナット(図示していない)を締め付けることにより、本発明のステップボルト1を塔脚Tの通孔Hに長期的に取り付けることも可能である。
【実施例2】
【0021】
図5は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例2を示す一部断面を有する側面図である。図6は実施例2の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。図7は実施例2の差し込み部の構造を示す拡大平面図である。
実施例2では、位置決め手段用のナットを締め付けるねじ山10を、ステップボルト本体2のステップ部3寄りの一部のみに形成した。即ち、差込み部4の塔脚Tの通孔Hに差し込まれる位置にはねじ山10を形成していないので、塔脚Tの通孔Hに差し込む際に円滑に差し込むことができる。ねじ山10を形成していない差込み部4は、差込み部4と塔脚Tの通孔Hの内径面との密着性を高めることができ、ガタ付きを防止することができる。また、実施例2の位置決め手段用のナット11は、実施例1のナット9より、軸方向に長くすることにより、ねじ山10が形成されていない差込み部4までこのナット11の座面11aが接するようになっている、この実施例2のナット11の周囲にローレット加工を施して指で簡単に締め付けられるようにする。或いは、その他の滑り止め手段をナット11の周囲に施すことが好ましい。
【0022】
実施例2では、ステップボルト本体2の軸方向に、抜け止め用の爪6を出没自在に収納する溝5をステップボルト本体2の軸方向に形成してある。この溝5は、図6と図7に示すように、差込み部4の円周方向のみ開口した構造になっている。実施例2の爪6も、溝5内においてステップボルト1の先端側に回動軸7で揺動自在に軸止すると共に、この爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すように弾性部材8をその爪6の凹部6a間に介在したものである。
【0023】
図8は実施例2の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
先ず、図8(a)に示すように、ステップボルト1は、塔脚Tの通孔Hに差込み部4から差し込む。このとき爪12は、図8(b)に示すように、溝13内に押し込まれるために、通孔Hを容易に通過させることができる。実施例2では、差込み部4部分の周囲が円滑面に形成されているので、容易に差込み部4に塔脚Tの通孔Hに差し込むことができる。
図8(c)に示すように、塔脚Tの通孔Hにステップボルト1を取り付けたら、次に位置決め手段9のナット11を締め付けて、この位置決め手段9のナット11の座面11aと爪6の角部6bにより通孔Hを挟みステップボルト1を強固に取り付ける。
【0024】
最後に、作業者が保守点検作業を終了したときには、実施例1と同様に爪6を溝5内に押し込むことにより、通孔Hから差込み部4を通過させることができ、ステップボルト1を塔脚Tから容易に取り外すことができる。特に、実施例2では、差込み部4にねじ山10が形成されていないので、円滑に引き抜くことができる。
【実施例3】
【0025】
図9は実施例3の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
実施例3は、差込み部4の溝5に、2個以上の複数個の爪6を出没自在に設けたものである。差込み部4の爪6は、上述したように1個に限定されず、2個以上の複数個を設けることができる。例えば、差込み部4の溝5内において、2個の爪6をステップボルト1の先端側に回動軸7でそれぞれ揺動自在に軸止すると共に、これら2個の爪6をステップボルト1の周囲外方向へ押し出すように弾性部材8を介在することができる。このように複数の爪6を設けることで、抜け止め作用する点が2箇所以上になり、より安全性を高めることができる。
【実施例4】
【0026】
図10は実施例4の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
実施例4は、差込み部4の位置決め手段9としてラチェット構造のストッパー12を形成したものである。差込み部4の位置決め手段は、上述したナットに限定されずに、ラチェット構造のストッパー12を形成したものでもよい。例えば、このラチェット構造のストッパー12は、ステップボルト本体2の軸方向に移動させ、そのストッパー12を瞬時に塔脚Tの通孔Hの厚みに調節することができる。
【0027】
なお、本発明は、ステップボルト1を鉄塔の塔脚Tの通孔Hへ迅速に取り付け、容易に取り外すことができる出没自在になる爪6による抜け止め構造のものであれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトは、主に送電線等の鉄塔等の塔脚に利用することができる、更にステップボルトを着脱自在に取り付けることができる場所であれば鉄塔以外の作業現場にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例1を示す側面図である。
【図2】実施例1の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図3】実施例1の差し込み部の構造を示す拡大正面図である。
【図4】本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
【図5】図5は本発明の鉄塔等昇降用ステップボルトの実施例2を示す一部断面を有する側面図である。
【図6】実施例2の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図7】実施例2の差し込み部の構造を示す拡大平面図である。
【図8】実施例2の鉄塔等昇降用ステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、差込む部を通孔に差し込んでいる状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)、取り外す状態(d)である。
【図9】実施例3の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図10】実施例4の差し込み部の構造を示す拡大断面図である。
【図11】従来のステップボルトを示す側面図である。
【図12】従来のステップボルトを塔脚の通孔に取り付ける状態を示す説明図であり、取り付ける前の状態(a)、通孔に差込む部を差し込みナット締めする状態(b)、ステップボルトを通孔に取り付けた状態(c)である。
【符号の説明】
【0030】
1 ステップボルト
2 ステップボルト本体
3 ステップ部
4 差込み部
5 溝
6 爪
6a 爪の角部
9 位置決め手段(ナット)
10 ねじ山
11 ナット
12 ストッパー
T 塔脚
H 通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔等に作業者が昇降する際、その鉄塔等を構成する塔脚(T)に開けた通孔(H)に、挿抜自在に取り付ける鉄塔等昇降用ステップボルト(1)であって、
棒状のステップボルト本体(2)の一側に、作業者が足を掛けるステップ部(3)を形成し、
前記ステップボルト本体(2)の他側に、前記通孔(H)に差し込む差込み部(4)を設け、
該差込み部(4)に、溝(5)を前記ステップボルト本体(2)の軸方向に形成し、
前記溝(5)内に、抜け止め用の爪(6)を出没自在に収納し、
前記差込み部(4)に、前記爪(6)と共に前記通孔(H)を挟むための位置決め手段(9)を、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に位置調節可能に取り付けた、ことを特徴とする鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項2】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)にボルト形状に形成したねじ山(10)に締め付けたナットである、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項3】
前記位置決め手段(9)用のナットを締め付けるねじ山(10)は、前記ステップボルト本体(2)のステップ部(3)寄りの一部のみに形成し、前記差込み部(4)の前記塔脚(T)の通孔(H)に差し込まれる部位には形成しない、ことを特徴とする請求項2の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項4】
前記位置決め手段(9)用のナットは、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に長く形成したナット(11)である、ことを特徴とする請求項3の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項5】
前記差込み部(4)に、複数の爪(6)を溝(5)に出没自在に設けた、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項6】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)に形成したラチェット構造のストッパー(12)である、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項1】
鉄塔等に作業者が昇降する際、その鉄塔等を構成する塔脚(T)に開けた通孔(H)に、挿抜自在に取り付ける鉄塔等昇降用ステップボルト(1)であって、
棒状のステップボルト本体(2)の一側に、作業者が足を掛けるステップ部(3)を形成し、
前記ステップボルト本体(2)の他側に、前記通孔(H)に差し込む差込み部(4)を設け、
該差込み部(4)に、溝(5)を前記ステップボルト本体(2)の軸方向に形成し、
前記溝(5)内に、抜け止め用の爪(6)を出没自在に収納し、
前記差込み部(4)に、前記爪(6)と共に前記通孔(H)を挟むための位置決め手段(9)を、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に位置調節可能に取り付けた、ことを特徴とする鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項2】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)にボルト形状に形成したねじ山(10)に締め付けたナットである、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項3】
前記位置決め手段(9)用のナットを締め付けるねじ山(10)は、前記ステップボルト本体(2)のステップ部(3)寄りの一部のみに形成し、前記差込み部(4)の前記塔脚(T)の通孔(H)に差し込まれる部位には形成しない、ことを特徴とする請求項2の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項4】
前記位置決め手段(9)用のナットは、前記ステップボルト本体(2)の軸方向に長く形成したナット(11)である、ことを特徴とする請求項3の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項5】
前記差込み部(4)に、複数の爪(6)を溝(5)に出没自在に設けた、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【請求項6】
前記位置決め手段(9)は、前記差込み部(4)に形成したラチェット構造のストッパー(12)である、ことを特徴とする請求項1の鉄塔等昇降用ステップボルト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−63605(P2006−63605A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246184(P2004−246184)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(000001890)三和テッキ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(000001890)三和テッキ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
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