説明

鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠、およびその製造方法並びに永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版

【課題】軽量で施工現場への搬入が容易で、且つコンクリート打設後はそのまま取り外す必要のない永久型枠であり、しかも永久型枠はコンクリート床版の一部を構成する補強部材として作用し、長期間に亘って腐食やコンクリートとの剥離がない鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製型枠を提供するものである。
【解決手段】繊維強化樹脂2で覆われ、上部側面に突出部9を形成した複数本の角型鋼管3を、シート状繊維強化樹脂2で形成された底板4の上面に所定間隔で平行に配置して一体に成形したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高架道路等の既設道路橋の鉄筋コンクリート床版の打替えを目的とした鉄筋コンクリート打設用の繊維強化樹脂製永久型枠、およびその製造方法並びに永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、重交通化による既設橋梁の鉄筋コンクリート床版の損傷が目立つようになり、既設の鉄筋コンクリート床版を部分的、あるいは全面的に打替える工事が行われるようになってきている。鉄筋コンクリート床版の打替え床版には、既設の鉄筋コンクリート床版のコンクリートを取り除き、現場で型枠を設置しコンクリートを打設し直す鉄筋コンクリート床版と、予め工場でコンクリートを打設し既設の床版と置き替えるプレキャスト床版と、予め工場で製作された鋼製の型枠を既設の床版と置き替え、施工現場でコンクリートを打設する鋼コンクリート合成床版がある。
【0003】
しかしながら現場で型枠を設置しコンクリートを再度打設する鉄筋コンクリート床版は、現在の設計基準を適用した場合、床版厚が厚くなり死荷重が増大し、基礎および主構造の補強が必要となる場合がある。更に、現場で型枠を設置するため施工に手間がかかる上、コンクリート打設後に型枠の撤去作業が必要となり工期が長期化し施工費用が高くなる問題がある。
【0004】
またプレキャスト床版は、現場施工の簡略化や工期の短縮を図ることができるが、重量が大きくその搬入および架設に大型の重機が必要となり、交通の遮断、架設コストの増大等の問題がある。
【0005】
また鋼コンクリート合成床版は、これに使用されている鋼製型枠の重量が重く、現場架設には前述と同様の問題がある。更に鋼製型枠を永久型枠として用いる場合には、コンクリート床版の下面の鋼板がコンクリートのひび割れの進展を防止する効果があるが、コンクリート床版の下面に露出する鋼板の防蝕のため、定期的な塗装等による保守の必要がある。
【0006】
また路橋を通過する重量車輌による動荷重が鋼製永久型枠を用いたコンクリート床版に作用すると、鉄筋コンクリートと鋼製型枠のヤング率の差により、コンクリートと鋼製型枠の接合面が剥離する恐れがあり、永久型枠による床版補強効果の低下や剥離した接合面に侵入する水による鋼材の腐食、コンクリートのひび割れ防止効果の低下等の問題がある。
【0007】
そこで、繊維強化樹脂製の永久型枠として例えば特許文献1〜4などがある。これらにおいては、樹脂層とコンクリート層の界面接着を向上させる必要であり、プライマー処理、接着剤の塗布、樹脂表面の凸凹化などの改質(特許文献1、2)、ニードルパンチ層とポリマーセメント層の配置(特許文献3)、小石の層の配置、ロックボルトによる接合(特許文献4)などして樹脂とコンクリート層の接着を向上させている。しかし、これら従来技術は従来の鋼材を繊維強化樹脂に変更したのみであり、永久型枠自体の強度および剛性が未だ不十分である。
【特許文献1】特許第2561570号
【特許文献2】特開2002−146904号
【特許文献3】特開2005−048367号
【特許文献4】特開2001−132147号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の鉄筋コンクリート床版の打替え用型枠の問題点に対し、軽量で施工現場への搬入が容易で、且つコンクリート打設後はそのまま取り外すことない永久型枠であり、しかも永久型枠はコンクリート床版の一部を構成する優れた強度と剛性を有する補強部材として作用し、長期間に亘って腐食やコンクリートとの剥離がない鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製型枠、およびその製造方法並びに永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠は、繊維強化樹脂で覆われた複数本の角型鋼管を、シート状繊維強化樹脂で形成された底板の上面に所定間隔で平行に配置して一体に成形したことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠は、角型鋼管を覆う繊維強化樹脂の側面に突出部を形成したことを特徴とするものである。請求項3記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠は、角型鋼管を覆う繊維強化樹脂の表面と、繊維強化樹脂で形成された底板の上面に凹凸部を形成したことを特徴とするものである。請求項4記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠は、角型鋼管の両端側を露出させて、角型鋼管を繊維強化樹脂で覆ったことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項5記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠の製造方法は、角型鋼管の外側に予め繊維基材を巻き付け、これをシート状の繊維基材で形成された底板の上面に所定の間隔で平行に配置し、角型鋼管上面から底板にかけて繊維基材で覆い、次いで隣接する角型鋼管の間に樹脂分配導管を複数本設置すると共に、減圧導管を型枠の周辺部に設置し、これら全体を軟質フィルムで覆って内部を密閉した状態で減圧しながら樹脂を流し込んで、繊維基材に樹脂を含浸させて、繊維強化樹脂で覆われた複数本の角型鋼管を、繊維強化樹脂で形成された底板の上面に一体に成形することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項6記載の鉄筋コンクリート合成床版は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠に平行に設けられた角型鋼管の間に複数本の縦鉄筋を配置すると共に、角型鋼管の上方に、これと平行に複数本の縦鉄筋を配置し、これら縦鉄筋と直交して複数本の横鉄筋を所定の間隔で配置して格子状に連結して、型枠内に所定厚さのコンクリートを打設したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠によれば、底板の上面に所定間隔で複数本の角型鋼管を平行に配置して繊維強化樹脂によりー体に成形したので、角型鋼管の剛性と強度が高く、コンクリート打設時のたわみを減少させ、鉄筋コンクリート床版の強度を向上させることができる。
【0014】
また角型鋼管は内部が空洞なので、その分だけコンクリートの重量を減らすことができると共に、角型鋼管の垂直方向の鉄筋量を減らすことで現場施工を短期間で行え、更に永久型枠には角型鋼管による凹凸があり角型鋼管側面のコンクリートが拘束され、道路を通過する重量車輌による動荷重が加わっても、コンクリートとの接合面は良好な密着状態に保持されているので、長期間にわたり高い剛性効果が得られる。また従来の鋼コンクリート合成床版よりも軽量で現場での架設に大型の重機を必要とせず、また死荷重が軽減され、基礎および主構造補強が不要である。
【0015】
更にコンクリート打設後、鉄筋コンクリート床版と一体に永久型枠を残置するので型枠の撤去作業が不要で工期の短縮化が図れ、更に合成床版としての重量も軽量であるため基礎構造の補強を行う必要がなく、施工コストの低減や交通規制を最小減に抑制することができる。また表面が繊維強化樹脂で覆われているのでコンクリートのひび割れの進展を抑制することができると共に、耐食性、耐水性に優れ、特別な保守を必要とせず、維持管理が容易である。
【0016】
また請求項2記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠によれば、角型鋼管を繊維強化樹脂で覆い、その側面には突出部が形成されているので、床版に動荷重が作用しても、コンクリートと永久型枠が剥離することを抑制でき、コンクリートと型枠が長期間良好な密着性を保持することができる。
【0017】
また請求項3記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠によれば、繊維強化樹脂の表面に凹凸部が形成されているので更にコンクリートとの密着性を向上させることができる。
【0018】
また請求項4記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠の製造方法によれば、角型鋼管の両端側を露出させて、角型鋼管を繊維強化樹脂で覆っているので、露出した両端を、H形鋼などの支持鋼材に溶接で接合して固定することができる。
【0019】
また請求項5記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠によれば、インフュージョン成形法により減圧しながら液状の樹脂を繊維基材に含浸させるので成形が容易である。
【0020】
また請求項6記載の繊維強化樹脂製永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版によれば、角型鋼管の間と上部に複数本の縦鉄筋を配置すると共に、これに直交して複数本の横鉄筋を配置して格子状に連結して、型枠内に所定厚さのコンクリートを打設するので、鉄筋コンクリート床版の強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図8を参照して詳細に説明する。図1は鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠1を示すもので、図1(a)は永久型枠1の平面図、図1(b)は永久型枠1の右側面図、図1(c)は永久型枠1の正面図である。鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠1は、繊維強化樹脂2で覆われた複数本の角型鋼管3を、シート状繊維強化樹脂2で形成された底板4の上面に所定間隔で平行に配置して一体に成形したものである。
【0022】
角型鋼管3は図2に示すように、コストや強度、剛性に優れ、この角型鋼管3の高さは、例えば40〜200mm程度が好ましい。角型鋼管3の側面上部の両側には丸棒状の棒鋼5が溶接されている。棒鋼5の直径は型枠全体の軽量性とコンクリートとの密着性を考え3〜15mm程度が好ましい。棒鋼5の取付け高さは、角型鋼管3の上面と棒鋼5の上面が接する位置で溶接するのが好ましいが、繊維基材7との賦形性を考えると角型鋼管3の上面から1.6〜7.5mm程度の位置が良い。また棒鋼5を取付けた角型鋼管3の表面に、鋼材と繊維基材7との接着性を向上させるためプライマー処理を行う。
【0023】
角型鋼管3と棒鋼5を溶接した隙間には、熱硬化性樹脂によるパテ8で埋めた後、繊維基材7を、角型鋼管3の両端を除いてこの外周に巻き付け、角型鋼管3の側面上部側に突起部9、9を有する巻回部を形成する。
【0024】
次に図3に示すように、底板4として、例えば縦3m、横1.5mの大きさの長方形の繊維基材6を基板11の上に配置し、この上に上記の表面に繊維基材7で被覆した複数本の角型鋼管3を間隔を置いて平行に配置する。この場合、角型鋼管3の配置間隔は、100〜400mm程度がよい。また、基板11に段差を設けて、底板4となるシート状の繊維基材6の一端側に段差部18を形成するとよい。その後、上記の表面に繊維基材7で被覆した複数本の角型鋼管3の上部から底部にかけて左右対称に繊維基材10を配置しオーバーレイ部を作成する。
【0025】
上記繊維基材7、繊維基材6、繊維基材10の繊維基材は同種または異種の強化繊維シートを複数枚重ねて得ることができる。この強化繊維シートの強化繊維としては炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維が好ましい。また、強化繊維シートの形態は、チョップドストランドマットや、連続ストランドマットのマット基材のほかに、一方向に強化繊維を配置した一方向強化繊維、経緯二方向に強化繊維を配置した二方向強化繊維、経方向の強化繊維とこれに二方向から斜交する強化繊維を配置した三方向強化繊維、およびこの三方向強化繊維にさらに緯方向に強化繊維を配置した四方向強化繊維の織物、編物、メッシュ体を挙げることができる。
【0026】
上記強化繊維シートとして、例えば、一方向強化繊維の織物としては、経糸が強化繊維であり、緯糸が熱可塑性樹脂含有繊維からなり、強化繊維が密に、熱可塑性樹脂含有繊維が疎に配置され、該熱可塑性樹脂含有繊維の間隔が3〜100mmであり、且つ該経糸と該緯糸とが前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹脂により固着されている強化繊維シートが好ましく使用できる。
【0027】
また、一方向強化繊維の編物としては、強化繊維が扁平に並列した所要幅の強化繊維束と補強糸経編地とが固着して構成されたシート材であって、前記補強糸経編地は、前記強化繊維束間において所定のウェール間隔に沿って複数列の鎖組織を形成する鎖編地糸と、この鎖編地糸の形成する鎖組織に編込まれた補強挿入糸とから構成されており、前記各鎖組織を形成する鎖編地糸が強化繊維束間に配置される一方、これら鎖組織に編込まれた前記各補強挿入糸は、一定のコース毎に振られており、かつ、少なくとも複数の強化繊維束を離間して側方に並行する鎖組織に編絡した箇所を含み、この少なくとも複数ウェール離間する鎖組織同士を勾引状態に接結して当該強化繊維束の両面を挟持しており、かつ、前記補強挿入糸の少なくとも一部には、糸表面に低融点熱可塑性樹脂を含む熱融着糸を含んでおり、加熱処理により前記低融点熱可塑性樹脂が溶融して強化繊維束に融着し、これら両部材を固着した強化繊維シートが好ましく使用できる。
【0028】
また、二方向強化繊維の織物としては、ロービングクロスが好ましく使用できる。上記強化繊維シートの目付け量は100〜1000g/mが好ましい。目付け量が1000g/mを超えると賦形性が悪くなることがあり、目付け量が100g/m未満ではいたずらに強化繊維シートの重ね枚数が増えるのみである。また、繊維基材7と繊維基材10の目付け量の合計は、繊維基材6の目付け量に対して、80%〜120重量%とほぼ同程度にすることが好ましく、底板4の繊維基材6の目付け量は5000〜9000g/mであることが好ましい。
【0029】
また、繊維強化樹脂2の角型鋼管3に接する部分や外層部や、底板4のシート状繊維強化樹脂2の表面は、接着性や耐候性を向上させるため、樹脂分を大きくすることが好ましい。そのため、巻回部としての繊維基材7の鋼管側、オーバーレイ部としての繊維基材10の両表面、底板4としての繊維基材6の両表面はマット基材や編物シートを配置することが好ましい。
【0030】
このように、底板4となるシート状の繊維基材6の上に、角型鋼管3を間隔をおいて平行に配置した後、図4に示すようにこの上から凹凸のある離型シート12を被せて上面を覆う。次に隣接する角型鋼管3、3の間にその長手方向に沿って液状の樹脂13を供給する樹脂分配導管15を配置した後、角型鋼管3と平行な型枠の周辺部2辺に、図示しない真空ポンプに接続した減圧導管を設置する。必要な場合、減圧導管は型枠全周わたって設置することもできる。なお、樹脂流動性を向上させる必要がある場合は、軟質フィルム16の内側に樹脂流動媒体としてメッシュ体を配置してもよい。
【0031】
この後、軟質フィルム16により全体を覆って内部を密閉する。次に、インフュージョン成形法により真空ポンプを運転して減圧導管から内部の空気を吸引すると同時に、樹脂分配導管15から液状の樹脂13を供給すると、繊維基材6、7、10の内部まで樹脂13が含浸される。液状の樹脂13が硬化してから、軟質フィルム16と凹凸のある離型シート12を引き剥がすと、図5に示すように表面に凹凸部17が転写された永久型枠1を製造することができる。
【0032】
上記構成の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠1は、施工現場で複数個平面状に並べて、型枠1の段差部18を隣接する型枠1の水平な底板4の端部上面に重ねて接着剤、ボルト、リベットなどで接合する。次に図6に示すように支持鋼材となるH形鋼19の上面に、隣接する永久型枠1の繊維強化樹脂2で被覆していない角型鋼管3、3の両端部を突き合わせて載せ、H形鋼19と接合する。
【0033】
この後、図7および図8に示すように、永久型枠1の角型鋼管3、3の間にスペーサー20を取付けて、この上に縦鉄筋21と横鉄筋22を格子状に組合せて結束する。同様に各角型鋼管3の上部にもスペーサー20を取付けて、この上に縦鉄筋21と横鉄筋22を格子状に組合せて結束する。この後、永久型枠1にコンクリート24を打設し、硬化させることにより永久型枠1と一体になった鉄筋コンクリート合成床版25を形成することができる。
【0034】
なお上記説明では角型鋼管3の側面上部に棒鋼5を取付けて突出部9を形成した場合について説明したが、その取付位置や突出部9の形状はこれに限定されるものではなく、また突出部9を設けない構造でも良い。また繊維強化樹脂2の表面に凹凸部17を形成した構造について示したが、凹凸部17のない構造でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の一形態による鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠を示すもので、(a)は永久型枠の平面図、(b)は永久型枠の右側面図、(c)は永久型枠の正面図である。
【図2】棒鋼を取付けた角型鋼管の外周に繊維基材を巻き付けた状態を示す断面図である。
【図3】繊維基材を巻き付けた角型鋼管を繊維基材7で形成された底板の上に配置した状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態から離型シートと軟質フィルムを被せた状態を示す断面図である。
【図5】永久型枠の断面図である。
【図6】複数の永久型枠をH形鋼の上に支持した状態を示す正面図である。
【図7】永久型枠にコンクリートを打設した鉄筋コンクリート合成床版を示す断面図である。
【図8】永久型枠に配筋した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 永久型枠
2 繊維強化樹脂
3 角型鋼管
4 底板
5 棒鋼
6 繊維基材
7 繊維基材
8 パテ
9 突出部
10 繊維基材
11 基板
12 離型シート
13 液状の樹脂
15 樹脂分配導管
16 軟質フィルム
17 凹凸部
18 段差部
19 H形鋼
20 スペーサー
21 縦鉄筋
22 横鉄筋
24 コンクリート
25 鉄筋コンクリート合成床版


【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂で覆われた複数本の角型鋼管を、シート状繊維強化樹脂で形成された底板の上面に所定間隔で平行に配置して一体に成形したことを特徴とする鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠。
【請求項2】
角型鋼管を覆う繊維強化樹脂の側面に突出部を形成したことを特徴とする請求項1記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠。
【請求項3】
角型鋼管を覆う繊維強化樹脂の表面と、繊維強化樹脂で形成された底板の上面に凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠。
【請求項4】
角型鋼管の両端側を露出させて、角型鋼管を繊維強化樹脂で覆ったことを特徴とする請求項1、2または3記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠。
【請求項5】
角型鋼管の外側に予め繊維基材を巻き付け、これをシート状の繊維基材で形成された底板の上面に所定の間隔で平行に配置し、角型鋼管上面から底板にかけて繊維基材で覆い、次いで隣接する角型鋼管の間に樹脂分配導管を複数本設置すると共に、減圧導管を型枠の周辺部に設置し、これら全体を軟質フィルムで覆って内部を密閉した状態で減圧しながら樹脂を流し込んで、繊維基材に樹脂を含浸させて、繊維強化樹脂で覆われた複数本の角型鋼管を、繊維強化樹脂で形成された底板の上面に一体に成形することを特徴とする鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠に、平行に設けられた角型鋼管の間に複数本の縦鉄筋を配置すると共に、角型鋼管の上方に、これと平行に複数本の縦鉄筋を配置し、これら縦鉄筋と直交して複数本の横鉄筋を所定の間隔で配置して格子状に連結して、型枠内に所定厚さのコンクリートを打設したことを特徴とする繊維強化樹脂製永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−46364(P2007−46364A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232968(P2005−232968)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【出願人】(390003241)株式会社宮地鐵工所 (8)
【出願人】(595089972)株式会社富士技建 (3)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)