説明

鉄骨部材の耐火構造

【課題】隣接するボード部材間の目地から侵入する熱量を低減することを目的とする。
【解決手段】鉄骨柱110の周囲には、複数の下張りボード部材160が配置されている。この下張りボード部材160の外面には、上張りボード部材170が重ねられている。これらの下張りボード部材160及び上張りボード部材170は、コーナースタッド120C及び中間スタッド120Mによって支持されている。また、下張りボード部材160と上張りボード部材170との間には、シート部材190が設けられている。シート部材190は、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uにまたがって配置され、これらの端部170T,170U間に形成された横目地172を塞いでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨部材の耐火構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄骨柱を耐火ボードで被覆する耐火被覆構造としては、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1では、重ねられた2枚の耐火ボードによって鉄骨柱が被覆されている。ところで、隣接する耐火ボードの目地(横目地、縦目地)は、火災時の熱気や炎等による熱が侵入する経路となり易い。この対策として特許文献2には、間仕切り壁において、隣接する壁パネルの目地に断面T型の金属板(敷目板)を配置し、当該金属板を介して壁パネルを鉄骨躯体に取り付けた壁耐火目地構造が提案されている。しかしながら、この壁耐火目地構造では、隣接する壁パネルの目地から侵入する熱が金属板によって低減されるものの、目地内に配置された金属板を介して壁パネルの熱が鉄骨躯体に伝達されてしまう。即ち、金属板が火災により生じた熱を鉄骨躯体に伝達するいわゆるヒートブリッジとなるため、耐火性能が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−1976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の事実を考慮し、隣接するボード部材間の目地から侵入する熱量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の鉄骨部材の耐火構造は、鉄骨部材の周りを前記鉄骨部材と間隔をあけて囲む複数の第1ボード部材と、前記鉄骨部材と前記第1ボード部材との間に該鉄骨部材の軸方向を長手方向として配置され、該第1ボード部材を支持する支持部材と、前記第1ボード部材間に形成される第1目地を塞ぐシート部材と、を備えている。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、シート部材によって、第1ボード部材間に形成される第1目地が塞がれるため、第1目地から侵入する熱量が低減される。従って、鉄骨部材の耐火性能が向上する。また、支持部材によって第1ボード部材が支持されるため、シート部材を介して第1ボード部材を鉄骨部材に取り付ける必要がなく、鉄骨部材から離れた位置にシート部材を設けることができる。従って、第1ボード部材の熱がシート部材を介して直接鉄骨部材に伝達されないため、耐火性能の低下が抑制される。
【0007】
請求項2に記載の鉄骨部材の耐火構造は、鉄骨部材の周りを前記鉄骨部材と間隔をあけて囲む複数の第1ボード部材と、前記鉄骨部材と前記第1ボード部材との間に該鉄骨部材の軸方向を長手方向として配置され、該第1ボード部材を支持する支持部材と、前記第1ボード部材の外面に重ねられる複数の第2ボード部材と、前記第1ボード部材間に形成される第1目地、及び該第2ボード部材間に形成される第2目地の少なくとも一方を塞ぐシート部材と、を備えている。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、シート部材によって、隣接する第1ボード部材間に形成された第1目地、及び隣接する第2ボード部材間に形成された第2目地の少なくとも一方が塞がれるため、第1目地及び第2目地の少なくとも一方から侵入する熱量が低減される。従って、鉄骨部材の耐火性能が向上する。また、支持部材によって、第1ボード部材及び第2ボード部材が支持されるため、シート部材を介して第1ボード部材を鉄骨部材に取り付ける必要がなく、鉄骨部材から離れた位置にシート部材を設けることができる。従って、火災熱等がシート部材を介して鉄骨部材に伝達されないため、耐火性能の低下が抑制される。
【0009】
請求項3に記載の鉄骨部材の耐火構造は、請求項2に記載の鉄骨部材の耐火構造において、前記鉄骨部材が、上下方向を軸方向として配置された鉄骨柱である。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、第1ボード部材、及び第1ボード部材の外面に重ねられた第2ボード部材によって鉄骨柱が囲まれている。従って、鉄骨柱の耐火性能が向上する。
【0011】
請求項4に記載の鉄骨部材の耐火構造は、請求項3に記載の鉄骨部材の耐火構造において、前記第1目地が、上下方向に隣接する前記第1ボード部材間に形成される横目地であり、前記第2目地が、上下方向に隣接する前記第2ボード部材間に形成される横目地である。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、鉄骨柱は、火災によって加熱されると、熱膨張して軸方向に伸張する。この鉄骨柱の軸方向の伸張に第1ボード部材及び第2ボード部材が追従すると、横目地の開きが大きくなる。本発明では、このような横目地をシート部材で塞ぐことにより、横目地から侵入する熱量を効率的に抑制することができる。
【0013】
請求項5に記載の鉄骨部材の耐火構造は、請求項3に記載の鉄骨部材の耐火構造において、前記第1目地が、上下方向に隣接する前記第1ボード部材間に形成される横目地であり、前記第2目地が、上下方向に隣接する前記第2ボード部材間に形成される横目地である。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、シート部材によって、第1ボード部材における角部に形成される縦目地、及び第2ボード部材における角部に形成される縦目地の少なくとも一方が塞がれるため、これらの縦目地の少なくとも一方から侵入する熱量が低減される。従って、鉄骨柱の耐火性能が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記の構成としたので、隣接するボード部材間の目地から侵入する熱量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造が適用された柱を部分的に切り欠いて示す、斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造が適用された柱を示す、立面図(側面図)である。
【図3】(A)は図2の3A−3A線拡大断面図、(B)は図2の3B−3B線拡大断面図である。
【図4】図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図4に相当する断面図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図4に相当する断面図である。
【図7】(A)は、本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す鉛直断面図、(B)は、比較例を示す図7(A)に相当する断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図3(A)に相当する断面図である。
【図9】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図4に相当する断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図3(A)に相当する断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例が適用された柱を示す、図3(A)に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造について説明する。なお、各図において、適宜示される矢印Xは水平方向を示し、矢印Yは矢印Xで示される方向と直交する水平方向を示し、矢印Zは、矢印X及び矢印Yで示される方向と直交する鉛直方向(上下方向)を示している。
【0018】
図1、図2、図3(A)、及び図3(B)には、構造物10の柱100が示されている。柱100は、鉄骨部材としての鉄骨柱110が複数のボード150で耐火被覆された構成とされている。これらのボード150は、当該ボード150と鉄骨柱110の間に配置された複数のスタッド120によって支持されている。
【0019】
なお、図3(A)及び図3(B)に示されるように、柱100(柱100の壁面を構成するボード150で囲まれた部位)の水平断面は略正方形状とされ、この柱100の断面における鉄骨柱110に向かう方向を内側方向とし、鉄骨柱110から離れる方向を外側方向として以下説明する。また、後述する柱100の4つの隅部102に配置されたスタッド(支持部材)120をコーナースタッド(コーナー支持部材)120Cとし、隣接するコーナースタッド120Cの間に配置されたスタッド120を中間スタッド(中間支持部材)120Mとして、両者を区別して説明する場合があるが、両者の構成は同じである。
【0020】
鉄骨柱110は、水平断面が略正方形の角形鋼管とされ、上下方向(矢印Z方向)を軸方向として配置されている。この鉄骨柱110の周囲には、複数のスタッド120が配置されている。各スタッド120は、鉄骨柱110と間隔を空け、鉄骨柱110の軸方向、即ち、上下方向(矢印Z方向)を長手方向として配置されている。隣接するスタッド120は、鉄骨柱110の軸方向と直交する幅方向(矢印X方向又は矢印Y方向)に間隔を空けて複数配置されている。言い換えると、スタッド120は、鉄骨柱110の周囲に、矢印X方向と矢印Y方向とに沿って間隔を空けて複数配置されている。なお、本実施形態では、スタッド120は軽鉄製のC形鋼とされており、その水平断面の形状は略長方形とされている。
【0021】
各スタッド120の長手方向(上下方向)の下端部は、構造物10の躯体を構成するスラブ12に設けられたランナー130(図1参照)に支持されている。ランナー130は軽鉄製とされ、垂直断面が溝状(断面C形)のレールとされている。ランナー130は、鉄骨柱110の周囲に矢印X方向と矢印Y方向とに沿って配置され、図示しないビスやタップネジ等でスラブ12に固定されている。このランナー130のフランジ132に、スタッド120の下端部が図示しないビスやタップネジ等で固定されている。これと同様に、各スタッド120の長手方向(上下方向)の上端部(図示省略)は、構造物10の躯体を構成する図示しない上階のスラブに設けられたランナーに支持されている。なお、スタッド120の上端部を支持するランナーは、スタッド120の下端部を支持するランナー130と同様の構成であるため、説明を省略する。これらのランナー130等によって、各スタッド120が鉄骨柱110に対して独立して支持されている。また、隣接するスタッド120は、これらのスタッド120の間に幅方向(水平方向)を長手方向として配置された振れ止め用の横棒140によって連結されている。なお、図3(A)及び図3(B)では、ランナー130の図示が省略されている。
【0022】
このように鉄骨柱110の周囲に独立して立てられたスタッド120に、複数のボード150が支持されている。各ボード150はスタッド120の外側に配置されており、鉄骨柱110を囲んでいる。別の言い方をすると、鉄骨柱110とボード150との間に複数のスタッド120が配置されている。
【0023】
各ボード150は、内側(鉄骨柱110側)に配置された下張りボード部材(第1ボード部材)160と、下張りボード部材160の外面(外側)に重ねられた仕上げ兼用の上張りボード部材(第2ボード部材)170を備え、鉄骨柱110の4つの側壁にそれぞれ対向して配置されている。つまり、ボード150は、仕上げ兼用の耐火被覆材とされている。
【0024】
なお、本実施形態では、下張りボード部材160は強化石膏ボードで構成され、上張りボード部材170は石膏ボードで構成されており、ボード150の面外方向(板厚方向)に重ねられている。ただし、上張りボード部材170は必ずしも石膏ボードである必要はない。上張りボード部材170に強化石膏ボードを用いることで、耐火性能をさらに高めることが可能である。ここで、石膏ボードは、石膏を主成分とした素材を板状にして特殊な用紙で包んで構成された耐火ボードであり、強化石膏ボードは石膏の芯にガラス繊維などを加えて耐火性能を強化した耐火ボードである。この石膏は、一般に多量の結晶水を含んでおり、炎や熱に晒されると、この結晶水が蒸気として空気中に放出される。この結晶水の蒸発により熱が吸収されることによって、断熱効果が発揮される。
【0025】
図2に示されるように、下張りボード部材160は、鉄骨柱110の各側壁に対し、鉄骨柱110の高さに応じて上下方向に複数(本実施形態では、3枚)並べられて配置されている。上下方向に隣接する下張りボード部材160の端部160T,160Uの間には、水平方向に延びる横目地162(第1目地)が形成されている。また、下張りボード部材160は、隣接するコーナースタッド120Cに渡って(またがって)配置され、その幅方向(矢印Y方向又は矢印X方向)の端部160L,160R(図3(A)参照)がビス164でコーナースタッド120Cにそれぞれ固定されると共に、その幅方向の中央部がビス164で中間スタッド120Mに固定されている。なお、ビス164は、上下方向に間隔を空けて複数設けられており、下張りボード部材160を貫通し、コーナースタッド120C又は中間スタッド120Mに留められている。
【0026】
図3(A)に示されるように、鉄骨柱110の各側壁に対向して配置された下張りボード部材160は、幅方向の端部160L、160R同士が突き当てられており、鉄骨柱110を囲んでいる。具体的には、隣接する一方の下張りボード部材160の幅方向の端部160Lにおける側面(内面)に、隣接する他方の下張りボード部材160の幅方向の端部160Rにおける端面が突き当てられており、これらの端部160L,160Rによって角部104が形成されている。このように、下張りボード部材160の幅方向の端部160L、160R同士が突き当てられて形成された柱100の4つの隅部102にコーナースタッド120Cが配置されている。
【0027】
なお、本実施形態では、向きが異なる2つのスタッド120が各隅部102に立てられており、これら2つのスタッド120によって1つのコーナースタッド120Cが構成されている。これにより、コーナースタッド120Cの剛性が増加され、下張りボード部材160及び上張りボード部材170の面外変形に対する拘束力が大きくなっている。
【0028】
また、隅部102とは、2枚の下張りボード部材160が角度(本実施形態では、略90度)を持って配置され、突き当てられた幅方向(矢印X方向又は矢印Y方向)の端部160L、160R同士によって囲まれた内側(鉄骨柱110側)の領域であり、この領域にスタッド120を立てた場合に、当該スタッド120によって下張りボード部材160の幅方向の端部160L、160Rが支持可能となる領域を意味する。言い換えると、下張りボード部材160の幅方向の端部160L、160R同士が突き当てられて形成された角部104によって囲まれた内側(鉄骨柱110側)の領域を意味する。また、ここで言う下張りボード部材160の幅方向の端部160L、160Rとは、下張りボード部材160の幅方向の端部160L、160Rにおける端面に限らず、当該端面の周辺部(例えば、側面(内面))を含む概念である。
【0029】
図2に示されるように、下張りボード部材160の外面に重ねられた上張りボード部材170は、鉄骨柱110の各側壁に対し、上下方向に複数(本実施形態では、3枚)並べられて配置されており、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170U間に水平方向に延びる横目地172(第2目地)が形成されている。また、上張りボード部材170は、隣接するコーナースタッド120Cに渡って(またがって)配置されている。なお、下張りボード部材160及び上張りボード部材170は、各々の横目地162、172(図2参照)が上下方向(鉛直方向)にずれるように配置されている。
【0030】
ここで、下張りボード部材160と上張りボード部材170との間には、シート部材190が設けられている。シート部材190は、鉄やステンレス等による薄鋼板で構成され、下張りボード部材160の外面に重ねられており、ビス192で中間スタッド120M及びコーナースタッド120Cに固定されている。なお、シート部材190は、ドリリングタッピンねじ、ステープル、接着剤等で下張りボード部材160に固定しても良い。このシート部材190の上(外面)に、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uがそれぞれ重ねられ、これらの端部170T,170Uの端面同士が突き合わされている。別の言い方をすると、シート部材190は、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170U、即ち、横目地172を形成する端部170T,170Uにおける内面にまたがって配置され、横目地172を内側(内面側)から塞いでいる。なお、図3(B)では、シート部材190の図示が省略されている。
【0031】
また、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uは、ビス174でコーナースタッド120C及び中間スタッド120Mにそれぞれ固定されている。このビス174は、上張りボード部材170の端部170T(又は端部170U)、及び下張りボード部材160を貫通し(シート部材190がある部位ではシート部材190も貫通)、コーナースタッド120C又は中間スタッド120Mに留められている。これにより、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uの間に形成された横目地172の開きが抑制されている。なお、上張りボード部材170は、下張りボード部材160の外面には塗布された接着剤等で下張りボード部材160に接着しても良いし、ドリリングタッピンねじ、ステープル等で下張りボード部材160に固定しても良い。
【0032】
図3(B)に示されるように、鉄骨柱110の各側壁に対向する上張りボード部材170は、その幅方向(矢印Y方向又は矢印X方向)の端部170L、170R同士が突き当てられており、鉄骨柱110を囲んでいる。具体的には、隣接する一方の上張りボード部材170の幅方向の端部170Rにおける側面に、隣接する他方の上張りボード部材170の幅方向の端部170Lおける端面が突き当てられ、角部106が形成されている。
【0033】
なお、隣接する一方の上張りボード部材170の端部170Rにおける側面には、隣接する他方の上張りボード部材170の端部170Lおける端面だけでなく、下張りボード部材160の幅方向の端部160Lにおける端面も突き当てられている。また、上記した下張りボード部材160の幅方向の端部160L,160R、及び上張りボード部材170の幅方向の端部170L,170R同士の突き当て方は、あくまでも一例であってこれに限定されるものではない。
【0034】
また、図示を省略するが、下張りボード部材160及び上張りボード部材170と、スラブ12及び上階のスラブ(図示省略)との間には、隙間ができないようにロックウールや耐火シール材等の耐火性能を有する目地材を挟むことで、耐火性や遮音性をさらに高めることが可能である。
【0035】
次に、本実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の作用について説明する。
【0036】
構造物10の柱100を構成する鉄骨柱110の周囲をボード150で囲んで耐火被覆を施すことにより、火災時における鉄骨柱110の温度上昇が抑えられる。その結果、火災時における鉄骨柱110の耐力低下や熱膨張の影響が抑えられる。また、下張りボード部材160の外面に仕上げ兼用の上張りボード部材170を重ねたことにより、耐火性能を向上しつつ、柱100の仕上げ材等を省略することができる。
【0037】
更に、鉄骨柱110の周囲に配置されたスタッド120でボード150を支持したことにより、鉄骨柱110の外面に接着剤等でボード150を直接接合する構成と比較して、ボード150を精度良く施工することができる。従って、ボード150の施工(鉄骨柱110の耐火被覆)と壁等の内装工事とを同一の業者で行うことが可能となる。また、スタッド120は、鉄骨柱110と間隔を空けて配置され、スラブ12等に設けられたランナー130等によって鉄骨柱110から独立して支持されている(図1参照)。従って、鉄骨柱110の外面に沿ってスタッド120を溶接等で接合する構成と比較して、鉄骨柱110の精度に依存することなく、スタッド120を精度良く設置することができる。
【0038】
また、鉄骨柱110にロックウール等の吹付け材(耐火被覆材)を吹付け、その周りを仕上げ用のボードで囲った構造と比較し、本実施形態のように、吹付け材を省略し、鉄骨柱110の周りを耐火被覆材と仕上げ材とを兼用したボード150で囲む構造とすることで、ボード150で囲まれた軸方向と直交する断面(柱100の水平断面)の仕上げ幅が抑えられ、その結果、居室の有効面積を大きくすることができる。
【0039】
ここで、強化石膏ボード及び石膏ボードを構成する石膏は多量の結晶水を含んでおり、炎や熱に晒されると、結晶水が蒸気として空気中に放出される。この結晶水の蒸発によって、熱が吸収されて断熱効果を発揮する。これと同様に、石膏ボードで構成された上張りボード部材170は、その結晶水が蒸発することによって耐熱効果を発揮するが、この場合、炎や熱に晒される外面側から温度が上昇して結晶水が蒸発する。従って、上張りボード部材170の外面側が収縮する。これにより、図4に示される想像線(二点鎖線)のように、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uが外側に向かって湾曲するように変形し(反り)、これらの端部170T,170U間に形成された横目地172が開いて、弱点となる恐れがある。なお、強化石膏ボードで構成された下張りボード部材160についても同様である。
【0040】
この対策として、本実施形態では、下張りボード部材160と上張りボード部材170の間にシート部材190を設けている。このシート部材190は、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uにまたがって配置されている。従って、仮に横目地172が開いたとしても、シート部材190によって横目地172が塞がれるため、横目地172から柱100の内部へ侵入する熱量が低減される。また、シート部材190によって横目地172付近の下張りボード部材160の露出が抑制されるため、下張りボード部材160の温度上昇が低減される。従って、鉄骨柱110の耐火性能が向上する。特に、本実施形態では、シート部材190で横目地172を塞いだことにより、鉄骨柱110の耐火性能を効率的に向上することができる。詳説すると、鉄骨柱110は、火災熱等によって加熱されると、熱膨張して軸方向(上下方向)に伸張する。この鉄骨柱110の軸方向の伸張に下張りボード部材160及び上張りボード部材170が追従すると、横目地172等の開きが大きくなる。このように弱点となり易い横目地172をシート部材190で塞ぐことにより、鉄骨柱110の耐火性能を効率的に向上することができる。
【0041】
更に、本実施形態では、図4に示されるように、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uをビス174でコーナースタッド120C(図3(B)参照)及び中間スタッド120Mに固定したことにより、これらの端部170T,170U間に形成された横目地172の開きが抑制される。また、ビス174によって、上張りボード部材170の端部170T,170Uだけでなく、下張りボード部材160もコーナースタッド120C及び中間スタッド120Mに固定されるため、下張りボード部材160の支持性能が向上する。
【0042】
また、下張りボード部材160及び上張りボード部材170は、コーナースタッド120C及び中間スタッド120Mによって支持されている。従って、目地を塞ぐ断面T型の金属板(敷目板)を介して鉄骨躯体に取り付ける従来(例えば、特許文献1)の構成のように、上張りボード部材170の熱がシート部材190を介して鉄骨柱110に伝達されることがない。従って、耐火性能の低下が抑制される。
【0043】
このように、本実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造によれば、上下方向に隣接する上張りボード部材170間に形成された横目地172から侵入する熱量を低減することができる。
【0044】
次に、本実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造の変形例について説明する。
【0045】
上記実施形態では、下張りボード部材160と上張りボード部材との間にシート部材190を設けたがこれに限らない。例えば、図5(A)に示される変形例のように、上張りボード部材170の外面にシート部材190を設けても良い。具体的には、シート部材190は、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uにまたがって配置され、これらの端部170T,170U間に形成される横目地172を外側(外面側)から塞いでいる。これにより、目視しながら横目地172をシート部材190で塞ぐことができるため、施工性が向上する。なお、シート部材190はビス174で上張りボード部材170等に固定されているが、図示しないドリリングタッピンねじ、ステープル、接着剤等で上張りボード部材170の外面に固定しても良い。
【0046】
また、図5(B)に示される変形例のように、下張りボード部材160と上張りボード部材170の間にシート部材190を配置し、下張りボード部材160の横目地162を塞いでも良い。具体的には、シート部材190は、上下方向に隣接する下張りボード部材160の端部160T,160Uにまたがって配置され、これらの端部160T,160U間に形成される横目地162を外側(外面側)から塞いでいる。これにより、横目地162から柱100の内部に侵入する熱量が抑制される。
【0047】
更に、図6(A)に示される変形例のように、下張りボード部材160の内面にシート部材190を設け、内側(内面側)から下張りボード部材160の横目地162を塞いでも良い。この場合、中間スタッド120M等に下張りボード部材160をビス164で固定する前に、下張りボード部材160の内面に予めシート部材190を設けておけば良い。
【0048】
また、図6(B)に示される変形例のように、下張りボード部材160の横目地162、及び上張りボード部材170の横目地172を1つのシート部材190で塞いでも良い。即ち、下張りボード部材160と上張りボード部材170は、各々の横目地162,172が重なるように配置されており、これらの下張りボード部材160と上張りボード部材170との間にシート部材190が設けられている。このシート部材190は、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uにまたがると共に、上下方向に隣接する下張りボード部材160の端部160T,160Uにまたがって配置されており、横目地162,172をそれぞれ塞いでいる。この構成では、横目地162,172をずらす必要がないため、施工性が向上する。なお、横目地162と横目地172は、必ずしも重なっている必要はない。1つのシート部材190で横目地162,172を塞ぐことが可能であれば良く、横目地162と横目地172とが上下方向にずれていても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、上下方向に隣接する上張りボード部材170の端部170T,170Uをビス174でコーナースタッド120C及び中間スタッド120Mに固定したが、ビス174は適宜省略可能である。例えば、図7(A)に示される変形例では、4枚の上張りボード部材170E,170F,170G,170Hが上下方向に並べられて配置されている。そして、上下方向に隣接する上張りボード部材170F,170Gの端部170T,170U間に形成される横目地172がシート部材190で塞がれている。これらの端部170T,170Uにはビス等が設けられておらず、横目地172が開き易くなっている。一方、上張りボード部材170Fにおけるシート部材190が設けられた上端部170T(一端部)と反対側の下端部170U(他端部)は、ビス174で中間スタッド120M等に固定されている。これと同様に、上張りボード部材170Gにおけるシート部材190が設けられた下端部170U(一端部)と反対側の上端部170T(他端部)は、ビス174で中間スタッド120M等に固定されている。
【0050】
ここで、上下方向に隣接する上張りボード部材170F,170Gの間に形成される横目地172は、火災加熱によって各上張りボード部材170F,170Gに収縮や反りが生じ、図7(A)中の想像線(二点鎖線)のように、上張りボード部材170F,170Gの端部170T,170U同士が移動する(離れる)ことにより開かれる。本変形例では、横目地172を形成する上張りボード部材170F,170Gの端部170T,170Uが中間スタッド120Mに固定されておらず、移動し易くなっている。一方、各上張りボード部材170Fの下端部170U及び上張りボード部材170の上端部170Tは、ビス174によって中間スタッド120M等に固定されており、移動し難くなっている。従って、上張りボード部材170Fに収縮や反りが生じたときに、上張りボード部材170Fが全体として下端部170U側へ移動するため、当該下端部170Uの移動量が相対的に小さくなる。即ち、図7(B)に示されるように、各上張りボード部材170Fの上端部170T及び下端部170Uの両方がビス174で中間スタッド120M等に固定されている構成と比較して、上張りボード部材170Fの下端部170Uの移動量が小さくなる。従って、上張りボード部材170Fの下端部170U側に形成される横目地172の開きが小さくなるため、当該横目地172を塞ぐシート部材190等が省略可能になる。これと同様に、上張りボード部材170Gの上端部170T側に形成される横目地172を塞ぐシート部材190等も省略可能になる。従って、コスト削減を図ることができる。このように本変形例では、上下方向に隣接する上張りボード部材170F,170Gの端部170T,170U間に開き易い横目地172を設け、シート部材190を設ける位置を局所化することにより、耐火性能を確保しつつ、施工性の向上、コスト削減を図ることができる。
【0051】
また、上記実施形態では、上下方向に隣接する上張りボード部材170の横目地172をシート部材190で塞いだがこれに限らない。例えば、図8に示される変形例では、下張りボード部材160の外面に、複数(本変形例では、2枚)の上張りボード部材170A,170Bが幅方向(矢印X方向)に並べられて配置されている。そのため、幅方向に隣接する上張りボード部材170A,170Bの端部170L,170Rの間に上下方向に延びる縦目地176(第2目地)が形成されている。また、下張りボード部材160と上張りボード部材170A,170Bとの間にはシート部材190が設けられている。このシート部材190は、幅方向に隣接する上張りボード部材170A,170Bの端部170L,170Rにまたがって配置され、縦目地176を内側(内面側)から塞いでいる。これにより、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。なお、シート部材190は、ビス164で中間スタッド120Mに留められている。
【0052】
また、図8に示されるように、下張りボード部材160の幅方向の端部160L,160R同士が突き当てられて形成された角部104とコーナースタッド120Cの間にシート部材190を設けても良い。シート部材190は断面L形で、下張りボード部材160の幅方向の端部160L,160R同士にまたがって配置されており、このシート部材190によって角部104に形成された縦目地168(第1目地)が内側(内面側)から塞がれている。ここで、角部104は、隣接する下張りボード部材160の端部160L,160R同士が所定の角度(例えば、90度)で突き当てられて形成される。そのため、角部104に形成された縦目地168は、同一面内において幅方向に隣接する上張りボード部材170A,170Bの端部170L,170R間に形成される縦目地176等と比較して、一般に開き易くなっている。従って、角部104に形成された縦目地168をシート部材190で塞ぎ、当該縦目地168から侵入する熱量を抑制することにより、耐火性能を効率的に向上することができる。なお、図示を省略するが、下張りボード部材160の角部104と、上張りボード部材170の角部106との間にシート部材190を設け、これらの角部104,106に形成された縦目地168(第1目地)及び縦目地178(第2目地)を塞いでも良いし、上張りボード部材170の角部106の外面にシート部材190を重ね合わせ、当該角部106に形成された縦目地178を塞いでも良い。即ち、角部104,106に形成された縦目地168,178の少なくとも一方がシート部材190で塞がれていれば良い。
【0053】
また、上記実施形態では、下張りボード部材160と上張りボード部材170を重ねてボード150を構成したがこれに限らない。例えば、図9(A)に示されるように、複数のボード部材を重ねずに、一層のボード部材152(第1ボード部材)でボード150を構成しても良い。この構成では、ボード部材152の内面にシート部材190が重ねられており、このシート部材190によって、上下方向に隣接するボード部材152の端部152T,152U間に形成された横目地154が内側(内面側)から塞がれている。また、図9(B)に示されるように、ボード部材152の外面にシート部材190を重ね合わせ、外側(外面側)から横目地154を塞いでも良い。なお、上下方向に隣接するボード部材152の端部152T,152Uは、ビス156で中間スタッド120M等に固定されている。
【0054】
また、3枚以上のボード部材を重ねてボード150を構成しても良い。即ち、上張りボード部材170の外面に、更に1枚以上のボード部材を重ねても良いし、スタッド120に支持された1枚以上のボード部材の外面に下張りボード部材160及び上張りボード部材170を重ねても良い。
【0055】
更に、図10に示されるように、シート部材190を支持する支持ボード182を設けても良い。具体的には、鉄骨柱110の各側壁に対し、複数(本変形例では、2枚)のボード部材152A,152Bが幅方向に並べられて配置されており、鉄骨柱110を囲んでいる。ボード部材152A,152Bと鉄骨柱110の間には、支持ボード182が設けられている。支持ボード182は、隣接する中間スタッド120M及びコーナースタッド120Cに渡って配置されている。この支持ボード182の上で、幅方向に隣接するボード部材152A,152Bの端部152L,152Rの端面同士が突き合わされており、これらの端部152L,152Rの間に縦目地158(第1目地)が形成されている。また、支持ボード182とボード部材152A,152Bとの間には、シート部材190が設けられている。シート部材190は、幅方向に隣接するボード部材152A,152Bの端部152L,152Rにまたがって配置され、縦目地158を内側(内面側)から塞いでいる。これにより、縦目地158から侵入する熱気や炎等が抑制される。なお、シート部材190は、支持ボード182と共にビス184で中間スタッド120Mに固定されている。
【0056】
このように支持ボード182とボード部材152A,152Bとの間でシート部材190を挟むことにより、シート部材190の変形(反り等)が抑制される。従って、シート部材190による縦目地158の遮蔽性能が向上する。また、支持ボード182によっても縦目地158が塞がれるため、鉄骨柱110の耐火性能が向上する。なお、支持ボード182は、鉄骨柱110を囲む必要がなく、ボード部材152A,152Bの目地(縦目地、横目地)に応じて適宜設ければ良い。
【0057】
また、上記実施形態では、シート部材として薄鋼板を用いたが、高温時に発泡する発泡シート(熱膨張シート)を用いても良い。この発泡シートで目地を塞ぐことにより、火災時に発泡シートが発泡して断熱層が形成される。これにより、目地から侵入する熱量が抑制される。
【0058】
更に、上記実施形態では、下張りボード部材160は、石膏ボード(正確には、下張りボード部材160は繊維補強された強化石膏ボード)で構成されていたが、これに限定されない。石膏ボード以外の耐火ボード、例えば、繊維混入けい酸カルシウム板、モルタルボード、ロックウールボード、セラミックファイバーボード、PC板、ALCパネル、押し出し成形セメント板等で構成されていても良い。これらの耐火ボードには、火災時にそれぞれの特性に応じた伸縮、反り、破損等が生じるが、上記実施形態に係る鉄骨部材の耐火構造を適用することで、鉄骨柱110の耐火性能を向上することができる。また、下張りボード部材160等が、耐火ボード以外のボード部材(化粧板など)で構成されていても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、2つのスタッド120でコーナースタッド120Cを構成したが、2つ以上のスタッド120でコーナースタッド120Cを構成しても良いし、図11に示されるように、1つのスタッド120で構成しても良い。更に、中間スタッド120Mは、鉄骨柱110の水平断面積に応じて設ければ良く、その配置や数は適宜変更可能であり、また、省略することも可能である。
【0060】
更に、上記実施形態では、スタッド120は、鉄骨柱110と間隔を空けて配置されていたが、これに限定されない。スタッド120と鉄骨柱110との間にスペーサが挟まれていても良い。或いは、スタッド120の長手方向の一部又は全部が鉄骨柱110と接触していても良い。ただし、スペーサが挟まれたり接触したりする構造であっても、施工性の観点からスタッド120は鉄骨柱110から独立して支持された構造とすることが望ましい。
【0061】
また、上記実施形態では、支持部材として断面C字形状のスタッド120を用いたが、これに限定されない。例えば、正方形、円形(楕円を含む)、管状、或いは断面H形状等の支持部材を用いても良い。更に、スタッド120は、スラブ12に設けられたランナー130等で支持されているが、これに限定されない。スタッド120の支持構造は、どのような支持構造でも良く、例えば、断面L字状等のアングルをスラブ12や梁に設け、このアングルにスタッド120を固定しても良い。
【0062】
また、上記実施形態では、鉄骨柱110の水平断面が略矩形状(略長方形又は略正方形)の鋼管であったが、これに限定されない、例えば、円形の鋼管やH形鋼等であっても良い。また、管状の鉄骨柱(鋼管柱)であれば、その中にコンクリートやモルタル等が充填されていても良い。
【0063】
更に、鉄骨柱110とボード150との間に、スタッド120以外の他の部材が配置されていても良い。例えば、鉄骨柱110とボード150との間にグラスウールなどの断熱材が配置されていても良い。別の言い方をすると、鉄骨柱110の周りにグラスウールなどの断熱材が巻かれ、この断熱材の外側をボード150で囲んだ(耐火被覆した)構造としても良い。また、柱100の水平断面は、略矩形状(略長方形又は略正方形)であったが、円形や三角形、五角形等の多角形状であっても良い。或いは、一部又は全部の辺が湾曲した形状であっても良い。
【0064】
また、上記実施形態では、鉄骨コンクリート構造の構造物を構成する鉄骨柱の耐火構造を例に説明したが、これに限定されない。例えば、鉄骨コンクリート構造等の鉄骨構造や鉄骨鉄筋構造の構造物を構成する鉄骨部材の耐火構造にも適用することができる。また、複合耐火構造(例えば、鉄骨柱を壁と耐火ボードで囲む耐火構造)にも適用可能である。更に、鉄骨梁の耐火構造にも適用することができる。なお、鉄骨梁に適用する場合は、上記実施形態で説明した鉄骨柱110の構造を90°傾けた構造と略同様であり、鉄骨梁の軸方向は、水平方向又は略水平方向となる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態を組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
104 角部
106 角部
110 鉄骨柱(鉄骨部材)
120 スタッド(支持部材)
152 ボード部材(第1ボード部材)
154 横目地(第1目地)
158 縦目地(第1目地)
160 下張りボード部材(第1ボード部材)
162 横目地(第1目地)
168 縦目地(第1目地)
170 上張りボード部材(第2ボード部材)
172 横目地(第2目地)
178 縦目地(第2目地)
176 縦目地(第2目地)
178 縦目地(第2目地)
190 シート部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨部材の周りを前記鉄骨部材と間隔をあけて囲む複数の第1ボード部材と、
前記鉄骨部材と前記第1ボード部材との間に該鉄骨部材の軸方向を長手方向として配置され、該第1ボード部材を支持する支持部材と、
前記第1ボード部材間に形成される第1目地を塞ぐシート部材と、
を備える鉄骨部材の耐火構造。
【請求項2】
鉄骨部材の周りを前記鉄骨部材と間隔をあけて囲む複数の第1ボード部材と、
前記鉄骨部材と前記第1ボード部材との間に該鉄骨部材の軸方向を長手方向として配置され、該第1ボード部材を支持する支持部材と、
前記第1ボード部材の外面に重ねられる複数の第2ボード部材と、
前記第1ボード部材間に形成される第1目地、及び該第2ボード部材間に形成される第2目地の少なくとも一方を塞ぐシート部材と、
を備える鉄骨部材の耐火構造。
【請求項3】
前記鉄骨部材が、上下方向を軸方向として配置された鉄骨柱である請求項2に記載の鉄骨部材の耐火構造。
【請求項4】
前記第1目地が、上下方向に隣接する前記第1ボード部材間に形成される横目地であり、
前記第2目地が、上下方向に隣接する前記第2ボード部材間に形成される横目地である請求項3に記載の鉄骨部材の耐火構造。
【請求項5】
前記第1目地が、前記第1ボート部材における前記軸方向と直交する幅方向の端部同士が突き当てられた角部に形成される縦目地であり、
前記第2目地が、前記第2ボード部材における前記軸方向と直交する幅方向の端部同士が突き当てられた角部に形成される縦目地である請求項3に記載の鉄骨部材の耐火構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−41749(P2012−41749A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184271(P2010−184271)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】