説明

鋳型造型システム

【課題】造型作業の完全自動化と造型サイクルの向上とが有利に達成され得る鋳型造型システムを提供する。
【解決手段】鋳型造型機10に設けられた圧縮盤38に、回転板58の回転により、湯口棒62の位置を変更させて、鋳型内での湯口位置を変更させる湯口位置変更装置56を設けると共に、パターンプレート移送装置16にてパターンプレート収納装置14から取り出されて、移送された新パターンプレート54と、鋳型造型機10から取り出された旧パターンプレート54とを交換するパターンプレート交換装置12を設け、更に、かかる旧パターンプレート54を、パターンプレート移送装置16にて、パターンプレート収納装置14内に移送して、収納させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳型造型システムに係り、特に、多品種の鋳型を自動的に造型可能な鋳型造型システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋳型造型の機械化は急速に進んできており、近年では、模型が一体的に形成されたパターンプレートを挟んで、その両側に一対の鋳枠を重ね合わせる一方、それら各鋳枠の外側開口部内にそれぞれ圧縮盤を嵌め込んで覆蓋することにより、それらの鋳枠内に所定の造型空間を形成した後、、かかる造型空間内に鋳物砂を充填し、締め固めることによって、鋳型を造型するまでの作業を完全に自動で行う鋳型造型機が、一般的に用いられるようになってきている。そして、このような鋳型造型機の採用によって、鋳型の造型サイクルの著しい向上が実現されているのである。
【0003】
ところで、このような鋳型造型機を用いる場合、造型されるべき鋳型を変更する際に、パターンプレートの交換や、鋳型に注湯用の湯口を形成する湯口棒の鋳枠内への配設位置を変更する必要があるが、特に近年では、造型機自体の性能向上に伴う造型サイクルの短縮化や、製品の多様化に伴う多品種少量生産への対応のために、パターンプレートの交換作業や湯口棒の位置の変更作業を、頻繁に、しかもより短い時間で行わなければならなくなってきている。
【0004】
そこで、本願出願人は、特許第2505625号公報(特許文献1)において、鋳型の変更に際してのパターンプレートの交換と使用しないパターンプレートの収納とが自動的に行われ得る鋳型造型機を提案し、また、特許第2825936号公報(特許文献2)において、鋳型の変更に際しての湯口位置の変更が自動的に実施可能な鋳型造型機における湯口位置変更機構を提案した。
【0005】
しかしながら、パターンプレートの自動交換機能を備えた鋳型造型機では、湯口位置の変更を、未だ手作業で行わなければならず、また、湯口位置変更機構を有する鋳型造型機では、パターンプレートの交換や使用しないパターンプレートの収納を人的作業に頼らざるを得なかった。従って、それら従来の鋳型造型機を用いても、鋳型の変更に伴う各種の作業を完全に自動化することができなかったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2505625号公報
【特許文献2】特許第2825936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、鋳型の変更に際してのパターンプレートの交換と使用しないパターンプレートの収納、更には湯口位置の変更が、何れも自動的に且つ効率的に実施され得、以て、造型作業の完全自動化と造型サイクルの向上とが、更に一層有利に達成され得る鋳型造型システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0009】
<1> (a)模型が一体的に形成されたパターンプレートを挟んで、その両側に一対の鋳枠を重ね合わせると共に、それら各鋳枠の外側開口部内にそれぞれ圧縮盤を嵌め込んで覆蓋することにより、それらの鋳枠内に所定の造型空間を形成し、該造型空間内で鋳物砂を締め固めることによって、該模型に対応した鋳造空間を有する鋳型を造型する鋳型造型機と、(b)前記一方の圧縮盤の前記パターンプレートとの対向面に、該パターンプレートと対向して回転可能に設けられた回転板と、該回転板を回転させる駆動手段と、該回転板の該パターンプレートとの対向面における該回転板の回転中心から外周側に偏倚した位置に立設されて、該パターンプレートに当接することにより、前記鋳型内に湯口を形成する湯口棒とを有し、該駆動手段による該回転板の回転により、該湯口棒の該回転板上の周方向位置を変えることによって、該鋳型内での湯口位置を変更せしめる湯口位置変更装置と、(c)前記鋳型造型機から、造型に使用した旧パターンプレートを取り出して、かかる取出位置から所定の支持位置に導いて支持する一方、該支持位置において支持された、造型に使用する新パターンプレートを該取出位置に導いて、該鋳型造型機に装着せしめるパターンプレート交換装置と、(d)造型に使用する又は造型に使用したパターンプレートを収容するストック部が、回転端を鉛直方向両側に有して循環せしめられるエンドレス状の回転支持部材に支持されることにより、該ストック部が、鉛直方向において複数個、昇降可能に設けられたパターンプレート収納装置と、(e)前記パターンプレート交換装置の前記支持位置において支持された、造型に使用した旧パターンプレートを前記パターンプレート収納装置内に移送して、前記ストック部に収容せしめる一方、該パターンプレート収納装置から造型に使用する新パターンプレートを取り出し、該支持位置に移送して、支持せしめるパターンプレート移送装置とを有することを特徴とする鋳型造型システム。
【0010】
<2> 前記パターンプレート交換装置が、前記取出位置に位置して、前記鋳型造型機から取り出された前記旧パターンプレートを支持する第一の支持部と、前記支持位置に位置して、前記新パターンプレートを支持する第二の支持部とを、備えた回転体を有し、該回転体の回転により、該第一の支持部の位置と該第二の支持部の位置が該取出位置と該支持位置との間で相互に入れ替えられることによって、該第一の支持部に支持された旧パターンプレートが該支持位置に導かれると同時に、該第二の支持部に支持された新パターンプレートが該取出位置に導かれるようになっている上記態様<1>に記載の鋳型造型システム。
【0011】
<3> 前記パターンプレートが前記パターンプレート交換装置の前記支持位置において支持されているときには、溶湯の品質評価用のテストピースに対応した形状の模型が一体的に形成されたテストピースパターンプレートを保持する一方、該パターンプレートが該支持位置において支持されていないときに、該テストピースパターンプレートを該支持位置に移動させて、支持せしめるテストピースパターンプレート保持装置を、更に有し、そして、前記パターンプレート交換装置が、該支持位置において支持された該テストピースパターンプレートを前記取出位置に導いて、前記鋳型造型機に装着せしめるように構成されている上記態様<1>又は<2>に記載の鋳型造型システム。
【0012】
<4> 前記パターンプレート移送装置が、前記旧パターンプレートと前記新パターンプレートのうちの何れか一方を支持した状態で移動して、それらのパターンプレートを前記パターンプレート交換装置の前記支持位置と前記パターンプレート収納装置内とに移送する可動体を有すると共に、かかる可動体が、該パターンプレートを支持していないときに、該支持位置とは異なる第一の待機位置で待機せしめられるように構成される一方、前記テストピースパターンプレート保持装置が、該支持位置において該パターンプレートが支持されているときに、前記テストピースパターンプレートを保持して、該支持位置とは異なる第二の待機位置で待機せしめられる保持体を有して構成され、更に、該パターンプレート移送装置の可動体を、前記第一の待機位置と、該第一の待機位置よりも前記支持位置から離間する位置との間で移動させる第一の移動装置と、該テストピースパターンプレート保持装置の保持体を、前記第二の待機位置と、該第二の待機位置よりも該支持位置から離間する位置との間で移動させる第二の移動装置とが、更に設けられている上記態様<1>乃至<3>のうちの何れか一つに記載の鋳型造型システム。
【発明の効果】
【0013】
要するに、本発明に従う鋳型造型システムにおいては、鋳型変更のためにパターンプレートを交換するに際して、パターンプレート交換装置により、鋳型造型機で使用した旧パターンプレートと新たな造型に使用する新パターンプレートとが交換される。また、パターンプレート移送装置によって、旧パターンプレートが、鋳型造型機からパターンプレート収納装置に移送されて、収納される一方、新パターンプレートが、パターンプレート収納装置内から取り出されて、鋳型造型機にまで移送される。更に、その一方で、鋳型変更に際して、鋳枠内での湯口棒の位置が、人手を掛けることなく、湯口位置変更装置によって変更される。
【0014】
従って、かくの如き鋳型造型システムによれば、鋳型変更に際してのパターンプレートの交換と使用しないパターンプレートの収納、更には湯口位置の変更が、何れも自動的に且つ効率的に実施され得るのである。それによって、造型作業の完全自動化が実現されて、労力とコストの軽減が効果的に図られ得ると共に、造型サイクルが、更に一層有利に短縮化され得る。そして、その結果として、多品種の鋳型の1個取りをも含めた少量の生産が、極めて低コストに且つ効率的に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に従って構成された鋳型造型システムの全体的な構造を概略的に示す正面説明図である。
【図2】図1の平面説明図である。
【図3】図1に示された鋳型造型システムを構成する鋳型造型機が備える湯口位置変更装置を概略的に示す、図2におけるIII−III断面の部分拡大説明図である。
【図4】図3のIV矢視説明図である。
【図5】図1に示された鋳型造型システムを構成するパターンプレート交換装置を概略的に示す正面説明図である。
【図6】図5のVI矢視説明図である。
【図7】図1に示された鋳型造型システムを構成するパターンプレート収納装置を概略的に示す、一部切欠図を含む正面説明図である。
【図8】図7の平面説明図である。
【図9】図1に示された鋳型造型システムを構成するパターンプレート移送装置を概略的に示す、一部切欠図を含む図7の部分拡大説明図である。
【図10】図9のX矢視説明図である。
【図11】図1に示された鋳型造型システムを構成するテストピースパターンプレート保持装置を概略的に示す、図1の部分拡大説明図である。
【図12】図11の XII矢視説明図である。
【図13】図1に示された鋳型鋳造システムの一使用形態を説明するための図1に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0017】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を備えた鋳型造型システムの一実施形態が、その正面形態と平面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それら図1及び図2から明らかなように、本実施形態の鋳型造型システムは、鋳物砂を締め固めて鋳型を造型する鋳型造型機10と、かかる鋳型造型機10に対するパターンプレートの装着及び取出しを行うパターンプレート交換装置12と、複数のパターンプレートを収納するパターンプレート収納装置14と、パターンプレート交換装置12とパターンプレート収納装置14との間でパターンプレートを移送するパターンプレート移送装置16と、溶湯の品質評価用のテストピースパターンプレートを保持するテストピースパターンプレート保持装置18とを有して、構成されている。
【0018】
より詳細には、鋳型造型機10は、所謂無枠式鋳型の造型に際して用いられている構造のものであって、基台19の中央に立設された支柱20を有し、かかる支柱20の図1における右側に位置するエリアが、造型ステーション21とされている一方、支柱20の図1における左側に位置するエリアが、鋳型取出ステーション22とされている。
【0019】
そして、支柱20には、2個の支持台23,23が、造型ステーション21と鋳型取出ステーション22とにそれぞれ1個ずつ位置するように、取り付けられている。また、それら各支持台23には、一対の鋳枠としての上枠24と下枠26とが、2本のガイドバー28(図1には1本のみを示す)を介して、互いに接近/離隔可能にそれぞれ支持されている。即ち、上枠24と下枠26とが、造型ステーション21と鋳型取出ステーション22とにそれぞれ一対ずつ位置するように設置されている。そして、二つの支持台23,23が、支柱20の下端部に取り付けられて上方に延びる支持台回動用シリンダ30,30の伸縮作動によって、支柱20の上端部に設けられた回転軸32,32回りに、それぞれ略90度回動させられるようになっている。また、各支持台23にそれぞれに支持された上枠24と下枠26も、各支持台23の回動に伴って、回転軸32を中心として、略90度回動させられるようになっている。
【0020】
さらに、支柱20は、基台19上において、中心軸:P回りに回転可能とされている。また、それら支柱20と基台19との間には、支柱回転用シリンダ33が架設されている。そして、かかる支柱回転用シリンダ33の伸縮作動によって、支柱20が、中心軸:P回りに180度回転させられ、また、この支柱20の回転に伴って、二つの支持台23,23のそれぞれの位置、更にはそれら各支持台23に支持された上枠24及び下枠26の位置が、造型ステーション21での配置位置と鋳型取出ステーション22での配置位置との間で入れ替えられるようになっている。
【0021】
造型ステーション21の上方には、上枠用スクイズ装置34と下枠用スクイズ装置36とが配設されている。この上枠用スクイズ装置34と下枠用スクイズ装置36は、圧縮盤としての上スクイズヘッド38と下スクイズヘッド40とを、それぞれ有している。それら上枠用スクイズ装置34の上スクイズヘッド38と下枠用スクイズ装置36の下スクイズヘッド40は、図1に二点鎖線で示されるように、造型ステーション21に位置する支持台23に支持された上枠24と下枠26とが互いの接近移動と支持台23の回動とに基づいて水平方向に重ね合わされた状態において、それら上枠24と下枠26とを間に挟んで、水平方向の両側において、互いに対向し、且つ相互に接近/離隔可能に配置されている。そして、そのような上枠24と下枠26の水平方向での重合せ状態下における上スクイズヘッド38と下スクイズヘッド40の互いの接近移動によって、上スクイズヘッド38と下スクイズヘッド40とが、上枠24と下枠26のそれぞれの外側開口部内に嵌め込まれて、それらの外側開口部を各々覆蓋するようになっている。
【0022】
また、そのような上枠用及び下枠用スクイズ装置34,36の更に上方には、上枠24内と下枠26内とに鋳物砂を充填するブロー装置42が配設されている。
【0023】
一方、鋳型取出ステーション22の上方には、かかる鋳型取出ステーション22に位置する上枠24内と下枠26内の鋳型を、それら上枠24及び下枠26から抜き出す突出プレート44を備えた鋳型抜装置46が設置されている。また、鋳型取出ステーション22の下方には、鋳型抜装置46にて上枠24及び下枠26から抜き出された鋳型を受ける受けプレート48を備えた鋳型受装置50が設置されている。更に、かかる鋳型受装置50の側方には、受けプレート48上に受けた鋳型を押し出して、鋳型取出ステーション22から所定の取出場所に取り出す鋳型取出用シリンダ52が設置されている。
【0024】
このような構造とされた鋳型造型機10を用いて鋳型を造型する際には、先ず、造型ステーション21に位置する支持台23を、図1の実線で示される回動位置に位置させて、かかる支持台23に支持された上枠24と下枠26との間に、要求される鋳造品形状に成形された模型(図示せず)が一体形成されたパターンプレート54(図1に二点鎖線で示す)を、後述するパターンプレート交換装置12の支持バー76,76に支持させて、配置する。そして、そのような状態下で、上枠24と下枠26とを相互に接近移動させることにより、パターンプレート54を間に挟んで、上枠24と下枠26とを互いに重ね合わせる。
【0025】
次に、造型ステーション21に位置する支持台23を、図1に二点鎖線で示される回動位置に回動させた後、上枠用スクイズ装置34の上スクイズヘッド38と下枠用スクイズ装置36の下スクイズヘッド40とを、上枠24と下枠26のそれぞれの外側開口部内に嵌め込んで、それらの外側開口部を覆蓋することにより、上枠24内と下枠26内とに、所定の造型空間をそれぞれ形成する。その後、ブロー装置42によって、上枠24内と下枠26内の造型空間内に鋳物砂を充填した後、それら各造型空間内の鋳物砂を、上及び下スクイズヘッド38,40によって締め固める。これによって、目的とする鋳型を造型する。
【0026】
その後、造型ステーション21に位置する支持台23を、図1に実線で示される回動位置に戻した後、かかる支持台23に支持された上枠24と下枠26とを互いに離隔させて、型開きし、それらの間に挟まれていたパターンプレート54を、上枠24と下枠26の間から除去すると共に、パターンプレート交換装置12の支持バー76,76に再び支持させる。
【0027】
次に、支柱回転用シリンダ33を伸縮作動させることにより、支柱20を中心軸:P回り180度回転させる。なお、支柱回転用シリンダ33は、図2に示される如き伸張作動状態から収縮作動することにより、支柱回転用シリンダ33自身も回動しつつ、支柱20を一方向に90度だけ回転させ、更に、かかる状態から伸張作動することにより、支柱20を一方向に更に90度回転させるようになっている。即ち、支柱回転用シリンダ33の1回の収縮及び伸張作動によって、支柱20を中心軸:P回りの一方向に180度回転させるようになっているのである。そして、そのような支柱20の180度の回転により、造型された鋳型が内部に収容された上枠24及び下枠26を、造型ステーション21から鋳型取出ステーション22に移動させる。また、それと同時に、鋳型取出ステーション22に位置していた上枠24と下枠26を、造型ステーション21に移動させる。
【0028】
その後、鋳型取出ステーション22に移動した上枠24内や下枠26内の鋳型に対して、必要に応じて、中子を納めた後、上枠24と下枠26とを再び互いに重ね合わせ、上枠24内と下枠26内の鋳型を、鋳型抜装置46の抜出プレート44によって、鋳型受装置50の受けプレート48上に抜き出す。そして、それに引き続いて、鋳型取出用シリンダ52を伸張作動させて、受けプレート48上の鋳型を鋳型取出ステーション22から取り出すのである。なお、このような鋳型取出ステーション22での上枠24と下枠26の間からの鋳型の抜出し操作を行う際には、それと同時に、造型ステーション21において、そこに移動した上枠24と下枠26との間で、別の鋳型を造型する操作が実施されることとなる。
【0029】
ところで、本実施形態の鋳型造型システムにおいては、上記の如き構造を有する鋳型造型機10の上枠用スクイズ装置34の上スクイズヘッド38に対して、湯口位置変更装置56が設けられている。この湯口位置変更装置56は、図3に示されるように、上スクイズヘッド38に設けられた回転板58と、回転板58を回転駆動させる駆動手段としての油圧モータ60と、回転板58に立設された湯口棒62とを有して構成されている。
【0030】
より具体的には、図1、図3及び図4から明らかなように、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面における中心よりも外周側に偏倚した箇所には、円形の配設穴64が設けられている。そして、この配設穴64内には、円形平板状の回転板58が、嵌り込んで、下スクイズヘッド40と対向して、かかる配設穴64を覆蓋するように配設されている。また、回転板58は、配設穴64内において、下スクイズヘッド40との対向面を、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面に対して略面一となるように位置させた状態で、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面内において、或いはかかる対向面と平行な面内において、回転板58の背面の中心部に一体形成された回転軸70回りに回転可能とされている。
【0031】
さらに、そのような回転板58の下スクイズヘッド40との対向面には、互いに同一径の複数の雌ネジ孔66が設けられている。それら複数の雌ネジ孔66は、回転板58において、その中心からの距離が互いに異なる箇所に、それぞれ配置されている。そして、そのような複数の雌ネジ孔66のうちの1個には、湯口棒62が螺着されており、また、それらのうちの残りのものには、雄ネジ部材68が、それら残りの雌ネジ孔66の開口部を閉塞するように、それぞれ螺合されている。これによって、回転板58の下スクイズヘッド40との対向面の中心から外周側に変位した位置に湯口棒62が立設されており、以て、かかる湯口棒62が、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面上に突設されているのである。なお、かかる湯口棒62は、上スクイズヘッド38が上枠24内に嵌め込まれたときに、上枠24内に位置するパターンプレート54に当接することによって、上枠24内で造型される鋳型に湯口を形成する公知の構造を備えたものである。
【0032】
一方、上スクイズヘッド38の背面(下スクイズヘッド40との対向側とは反対側の面)には、油圧モータ60が取り付けられている。そして、回転板58の背面の中心部に一体形成された回転軸70が、かかる油圧モータ60の駆動軸(図示せず)に接続されている。これにより、油圧モータ60の回転駆動に伴って、回転板58が、その回転軸70回りに回転させられるようになっている。
【0033】
かくして、かくの如き構造をもって上スクイズヘッド38に設けられた湯口位置変更装置56にあっては、図3及び図4に二点鎖線で示されるように、油圧モータ60による回転板58の回転に伴って、回転板58の下スクイズヘッド40との対向面上における湯口棒62の周方向位置、更には上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面上における湯口棒62の突出位置が、適宜に変更され得るようになっている。なお、ここでは、油圧モータ60の駆動軸70の回転位置を検出する公知のセンサ(図示せず)によって、駆動軸70の回転位置が検出され、その検出位置に基づいて、油圧モータ60の駆動軸の回転位置、ひいては回転板58の回転位置が、図示しない制御装置にて制御されるようになっている。そして、それにより、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面上における湯口棒62の突出位置が、任意の位置に変更し得るようになっているのである。また、複数の雌ネジ孔66に対する湯口棒62の螺着位置を変更することによっても、上スクイズヘッド38の下スクイズヘッド40との対向面上における湯口棒62の突出位置が変更可能とされている。
【0034】
一方、鋳型造型機10に対するパターンプレート54の装着及び鋳型造型機10からのパターンプレート54の取出しを行うパターンプレート交換装置12は、図1に示されるように、造型ステーション21の鋳型取出ステーション22側とは反対側(図1の右側)のエリアからなる段替えステーション72に配置されている。
【0035】
より具体的には、図1、図5及び図6に示されるように、パターンプレート交換装置12は、架台74を有しており、この架台74に、2個の支持バー76,76が、取付ステー78を介して取り付けられて、構成されている。それら2個の支持バー76,76は、十分な剛性を備えた長手平板形状を呈する、互いに同一構造の部材からなっている。また、それら2個の支持バー76,76においては、長さ方向一端側部位が、第一の支持部79とされている一方、長さ方向他端側部位が、第二の支持部80とされている。そして、かかる2個の支持バー76,76が、第一の支持部79を、造型ステーション21に位置する上枠24と下枠26との間に突入位置させ、且つ第二の支持部80を段替えステーション72に位置させた状態で、水平方向において所定間隔を開けつつ、造型ステーション21と段替えステーション72とに跨って、互いに平行に延びるように配置されている。
【0036】
また、各支持バー76の第一及び第二の支持部79,80には、支持突起81が、それぞれ2個ずつ、各支持バー76の長さ方向に所定間隔を隔てて、同一高さで突設されている。更に、各支持バー76の第一の支持部79に設けられた2個の支持突起81,81と第二の支持部80に設けられた2個の支持突起81,81のうち、支持バー76の長さ方向中央部側にそれぞれ設けられた2個の支持突起81,81には、位置決めピン82が、それぞれ一体的に立設されている。
【0037】
一方、取付ステー78は、全体として、略Y字状を呈し、かかるY字状の脚部にて構成された、上下方向に延びる架台取付部84と、この架台取付部84の上端から二股に分かれて延びる2個の支持バー固定部86,86とを一体的に有している。そして、そのような取付ステー78の支持バー固定部86,86が、それぞれの上端部において、2個の支持バー76,76のそれぞれの長さ方向中央部に固定されている。一方、架台取付部84は、架台74に固定された、各支持バー76の長さ方向に延びる案内レール85に沿って、かかる案内レール85の長さ方向に往復移動可能な状態で、架台74に対して中心軸:Q回りに回転可能に装着されている。
【0038】
また、架台74に装着された架台取付部84の下端部位と架台74との間には、支持バー回転用シリンダ88が架設されている。これにより、支持バー回転用シリンダ88の伸縮作動に伴って、取付ステー78の全体と2個の支持バー76,76とが、架台取付部84の中心軸:Q回りの正逆方向に180度の回転角度で、一体的に回転するようになっている。更に、架台取付部84の長さ方向中間部と架台74との間には、支持バー移動用シリンダ89が架設されている。これにより、支持バー移動用シリンダ89の伸縮作動に伴って、取付ステー78の全体と2個の支持バー76,76とが、各支持バー76の長さ方向に、所定の距離だけ往復移動するようになっている。
【0039】
かくして、パターンプレート交換装置12にあっては、図1、図5及び図6に示されるように、造型ステーション21に位置する上枠24と下枠26との間に挟まれて、造型に使用されるパターンプレート54(図1、図5及び図6に二点鎖線で示す)が、造型ステーション21に配置された、2個の支持バー76,76の第一の支持部79において、それら2個の支持バー76,76の間に跨って配置された状態で、かかる第一の支持部79に立設された各支持突起81にて支持されるようになっている。また、造型に使用されないパターンプレート54(図1、図5及び図6に二点鎖線で示す)が、段替えステーション72に配置された、2個の支持バー76,76の第二の支持部80において、それら2個の支持バー76,76の間に跨って配置された状態で、かかる第二の支持部80に立設された各支持突起81にて支持されるようになっている。なお、2個の支持バー76,76の第一及び第二の支持部79,80にそれぞれ支持された2個のパターンプレート54,54は、何れも、所定の支持突起81に立設された位置決めピン82が、各パターンプレート54に設けられた位置決め孔内に挿入されることで、所定の位置に位置決めされるようになっている。
【0040】
そして、上記のようにして2個のパターンプレート54,54が2個の支持バー76,76の第一及び第二の支持部79,80にそれぞれ支持された状態下で、支持バー移動用シリンダ89の伸張作動により、2個の支持バー76,76が、段替えステーション72側に所定の距離だけ移動させられるようになっている。また、そのような移動下で、支持バー回転用シリンダ88の1回の伸縮作動により、2個の支持バー76,76が架台取付部84の中心軸:Q回りに180度の角度で回転させられるようになっている。そして、それによって、造型ステーション21側に配置された、2個の支持バー76,76の第一の支持部79に支持されるパターンプレート54の位置と、段替えステーション72に配置された、2個の支持バー76,76の第二の支持部80に支持されるパターンプレート54の位置とが、互いに入れ替えられるようになっている。
【0041】
また、かかるパターンプレート交換装置12においては、2個の支持バー76,76の配置間隔が、上枠24と下枠26とが通過可能な大きさとされている。このため、各支持バー76,76が、図5に実線で示される位置(支持バー移動用シリンダ89の収縮状態での位置)に配置されて、造型ステーション21での支持台23の回動位置が、図1に実線で示される位置とされた状態で、上枠24と下枠26とが型合せされることにより、2個の支持バー76,76の第一の支持部79に支持されたパターンプレート54が、上枠24と下枠26との間に装着されるようになっている。また、各支持バー76,76の位置と造型ステーション21での支持台23の回動位置とが上記と同一の位置とされた状態で、上枠24と下枠26とが型開きされることにより、それら上枠24と下枠26との間に装着されたパターンプレート54が、2個の支持バー76,76の第一の支持部79に支持されて、上枠24と下枠26の間から取り出されるようになっている。
【0042】
従って、上枠24と下枠26の間から取り出されたパターンプレート54を、造型ステーション21に位置する、2個の支持バー76,76の第一の支持部79において支持した状態で、2個の支持バー76,76を取付ステー78と共に180度回転させることにより、上枠24と下枠26の間から取り出されたパターンプレート54が、段替えステーション72の所定位置に導かれて、そのまま支持されるようになっている。また、それと同時に、それまで、段替えステーション72に位置する、2個の支持バー76,76の第二の支持部80において支持されていたパターンプレート54が、造型ステーション21の上枠24と下枠26との間にまで導かれるようになっている。これらのことから明らかなように、本実施形態では、2個の支持バー76,76と取付ステー78とにて、回転体が構成されていると共に、2個の支持バー76,76の第一の支持部79が造型ステーション21の上枠24と下枠26との間に配置される位置が、取出位置とされている一方、2個の支持バー76,76の第二の支持部80が段替えステーション72に配置される位置が、支持位置とされている。
【0043】
一方、図1に示されるように、複数のパターンプレート54を収納するパターンプレート収納装置14は、段替えステーション72において、パターンプレート交換装置12を間に挟んだ鋳型造型機10側とは反対側に、パターンプレート交換装置12と隣り合って配置されている。
【0044】
そして、かかるパターンプレート収納装置14は、図7及び図8に示されるように、縦型の架台90を備えている。この架台90の内側の幅方向両側には、それぞれ、エンドレス状の回転支持部材としての2本の支持チェーン92,92が、互いに所定間隔を隔てて配設されている。そして、それら2本の支持チェーン92,92は、それぞれ、架台90の鉛直方向上部及び下部に取り付けられた上側スプロケット94,94及び下側スプロケット96,96間に架け渡されていることにより、回転端を鉛直方向両側に有して循環させられるようになっている。
【0045】
さらに、2本の支持チェーン92,92間には、それらに跨るようにして、水平に延びる複数本の連結ロッド98が、互いに一定の間隔を隔てて架設されている。また、2本の支持チェーン92,92のうちの1本が巻き掛けられる1個の下側スプロケット96が、プーリ108を介して駆動モータ110にて回転駆動させられるようになっている。これによって、駆動モータ110による1個の下側スプロケット96の回転に伴って、かかる1個の下側スプロケット96に巻き掛けられた1本の支持チェーン92が回転駆動(循環)するようになっており、また、それと同時に、かかる1本の支持チェーン92に複数本の連結ロッド98にて連結された別の1本の支持チェーン92も回転駆動させられ、以て、それら2本の支持チェーン92,92が、同期して、回転駆動するようになっている。なお、駆動モータ110は、正逆両方向に回転可能とされており、それによって、2本の支持チェーン92,92も、正逆両方向に回転駆動可能となっている。
【0046】
また、2本の支持チェーン92,92間に架設された複数本の連結ロッド98の軸方向両側端部には、逆T字形状を呈するストック部材100が、それぞれ、懸吊状態下で1個ずつ取り付けられている。それら各ストック部材100は、連結ロッド98に懸吊されて、鉛直方向に延びる、逆T字状の脚部からなる連結部102と、連結部102の下端部に一体形成されて、水平方向に延びる、逆T字状の頭部からなる支持部104とを有している。また、かかる支持部104の長さ方向両端部には、位置決めピン106が、それぞれ1個ずつ立設されている。
【0047】
そして、図8及び図9に二点鎖線で示されるように、複数のパターンプレート54の1個ずつが、長さ方向の両端部を、各連結ロッド98の軸方向両端部に取り付けられた2個のストック部材100,100の各支持部104に載置させた状態で、それら2個のストック部材100,100に支持されるようになっている。また、そのような2個のストック部材100,100によるパターンプレート54の支持状態下では、パターンプレート54が有する位置決め孔内に、各ストック部材100の位置決めピン106が挿通されて、パターンプレート54の位置決めが行われるようになっていると共に、パターンプレート54の各ストック部材100からの無用な脱落が防止されるようになっている。
【0048】
かくして、パターンプレート収納装置14では、複数のパターンプレート54が、1本の連結ロッド98に取り付けられた2個を一組とするストック部材100,100の複数組のものに支持状態で収容されて、パターンプレート収納装置14内に収納されるようになっている。そして、2本の支持チェーン92,92の回転駆動により、複数組のストック部材100,100のそれぞれに1個ずつ支持された複数のパターンプレート54が、パターンプレート収納装置14内で昇降可能とされている。
【0049】
なお、ここでは、複数組のストック部材100,100の各組の位置を検出する公知の検出センサ(図示せず)と、かかる検出センサによって検出される各組のストック部材100,100の位置に基づいて、駆動モータ110の回転方向と回転量とを制御する制御装置(図示せず)とによって、各組のストック部材100,100の位置、ひいてはパターンプレート54の収納位置が、任意の位置に変更可能とされている。また、2本の支持チェーン92,92の回転駆動の停止位置が、予め定められた一定の位置とされている。即ち、図7に示されるように、パターンプレート移送装置16の後述する可動体118が、所定の待機位置に配置されたときの、かかる可動体118の支持体124よりも所定高さだけ高い位置に、一組のストック部材100,100が配置される位置が、2本の支持チェーン92,92の回転停止位置とされているのである。
【0050】
また、本実施形態においては、パターンプレート収納装置14の架台90における鋳型造型機10側とは反対側に、パターンプレート搬入出装置112が設置されている。このパターンプレート搬入出装置112は、パターンプレート54を支持する支持台114を有している。かかる支持台114は、パターンプレート収納装置14の架台90内から、かかる架台90の鋳型造型機10側とは反対側に延び出す一対の案内レール116,116上に載置されている。そして、架台90内に設置された、図示しない支持台移動用シリンダの伸縮作動に伴って、支持台114が、案内レール116,116に案内されつつ、架台90に出入り可能とされている。
【0051】
かくして、パターンプレート搬入出装置112にあっては、支持台114が、パターンプレート54を支持した状態で、支持台移動用シリンダの収縮作動によって、架台90内に進入し、所定位置に位置させられるようになっている。そして、そのような状態で、パターンプレート収納装置14の2本の支持チェーン92,92が、図7において反時計回りの方向に循環させられることにより、架台90内の所定位置に位置する支持台114に支持されたパターンプレート54が、一組のストック部材100,100の各支持部104側に自動的に移行して、それら各支持部104にて支持されるようになっている。そうして、新たなパターンプレート54が、パターンプレート収納装置14内に搬入されて、収納されるようになっているのである。
【0052】
また、パターンプレート54を支持していない支持台114が、架台90内の所定位置に位置させられた状態で、パターンプレート収納装置14の2本の支持チェーン92,92が、図7において時計回りの方向に循環させられることにより、一組のストック部材100,100の各支持部104に支持されたパターンプレート54が、架台90内の支持台114側に自動的に移行して、かかる支持台114に支持されるようになっている。そして、パターンプレート54を支持した支持台114が、支持台移動用シリンダの伸張作動に伴って、架台90から退出させられることにより、パターンプレート収納装置14内に収納されていたパターンプレート54が、パターンプレート収納装置14内から搬出されるようになっているのである。
【0053】
さらに、図1に示されるように、パターンプレート収納装置14の架台90における鋳型造型機10側の下端部には、スライド式デッキ117が設置されている。このスライド式デッキ117は、架台90から鋳型鋳造機10側に所定距離だけ離隔した位置で、上下方向に延びる部分と、架台90に向かって水平方向に延びる部分とを備えた逆L字状を呈している。また、かかるスライド式デッキ117の水平方向に延びる部分には、作業者が乗る踏み台119が水平方向に移動可能に配置されている。更に、そのようなスライド式デッキ117の水平方向に延びる部分の先端部には、図1の紙面に垂直な方向において所定間隔を隔てて、架台90に向かって延び出して、その延出先端部において架台90に連結された一対のスライド用レール121(図1には1個のみを示す)が設けられている。そして、踏み台119が、一対のスライド用レール121に案内されつつ、スライド式デッキ117の上下方向に延びる脚部側と架台90側との間で水平方向にスライド移動可能とされている。なお、スライド用デッキ117と一対のスライド用レール121と踏み台119は、図2、図7、図8、図9、及び図10において省略されていることが理解されるべきである。
【0054】
また、上記の如き構造とされたパターンプレート収納装置14と前記したパターンプレート交換装置12との間でパターンプレート54を移送するパターンプレート移送装置16は、図1に示されるように、段替えステーション72において、パターンプレート交換装置12とパターンプレート収納装置14との間に配置されている。
【0055】
図9及び図10に示されるように、パターンプレート移送装置16は、可動体118を有している。この可動体118は、可動体本体120と、それに固定された取付体122と、かかる取付体122に取り付けられた支持体124とを更に有して、構成されている。
【0056】
可動体118の可動体本体120は、パターンプレート収納装置14における架台90の鋳型造型機10側の面に設置された一対の第一案内レール126,126に対して、それらの第一案内レール126,126に沿って上下方向に移動可能に取り付けられている。また、そのような架台90の第一案内レール126,126設置面における第一案内レール126,126よりも上側部位には、二つの可動体昇降用シリンダ128,128が、上下方向に延びるように固定されている。そして、それら各可動体昇降用シリンダ128,128の下端部が、可動体本体120に取り付けられている。これにより、可動体本体120、更には可動体118の全体が、二つの可動体昇降用シリンダ128,128の伸縮作動に伴って、パターンプレート収納装置14における架台90の鋳型造型機10側の面上を、第一案内レール126,126に案内されつつ昇降させられるようになっている。なお、可動体118が下降する際には、パターンプレート収納装置14の架台90に連結された前記スライド式デッキ117の一対のスライド用レール121の間を通過するようになっている。
【0057】
そして、ここでは、そのような二つの可動体昇降用シリンダ128,128の収縮作動に伴う可動体118の上昇により、図9に実線で示された上死点に配置された可動体118の位置が、可動体118の待機位置(第一の待機位置)とされている。一方、二つの可動体昇降用シリンダ128,128の伸張作動に伴う可動体118の下降により、図9に一点鎖線で示された下死点に配置された可動体118の位置が、可動体118の待避位置とされている。つまり、可動体118は、それら待機位置と待避位置との間で上下動するようになっているのである。なお、可動体118の待機位置は、パターンプレート交換装置12の支持バー76における第二の支持部80の高さ位置よりも所定寸法だけ低い高さ位置とされている。また、可動体118の待避位置は、待機位置よりも第二の支持部80から離間した位置で、前記スライド式デッキ117の一対のスライド用レール121の下側に、可動体118の全体が配される位置とされている(図13参照)。
【0058】
一方、支持体124は、第一支持板130と第二支持板132と第三支持板134とを有している。それら第一乃至第三支持板130,132,134は、何れも、パターンプレート交換装置12とパターンプレート収納装置14との間で水平方向に延びる、縦断面コ字状の金属板からなっている。そして、そのような支持体124の第一支持板130が、取付体122の上面に固定されている。また、第二支持板132が、第一支持板130に対して、図示しない複数のローラを介して連結され、更に、第三支持板134が、第二支持板132に対して、図示しないローラを介して連結されている。
【0059】
そして、第二支持板132と第三支持板134とが、公知の構造により、取付体122に固定された駆動モータ144の正逆方向への回転に伴って、水平方向に移動させられるようになっている。即ち、第一支持板130にはスプロケット142が取り付けられ、このスプロケット142が、取付体122に固定された駆動モータ144の正逆方向への回転に伴って、正逆方向に回転駆動させられるようになっている。また、第一支持板130と第二支持板132との間には、駆動チェーン(図示せず)が、スプロケット142に巻き掛けられた状態で架設されており、更に、第一支持板130と第三支持板134の間には、第二支持板132に設けられたスプロケット(図示せず)に巻き掛けられた状態で架設されている。かくして、駆動モータ144の正逆方向への回転によるプーリ142の正逆方向への回転に伴う駆動チェーンの駆動により、第二支持板132が、図9に二点鎖線で示されるように、パターンプレート交換装置12側とパターンプレート収納装置14側の両側に向かって、第一支持板130に対して水平方向に相対移動させられるようになっている。また、第三支持板134も、第二の支持板132の移動により、第一支持板130との間に架設されたチェーンにて引っ張られることで、図9に二点鎖線で示されるように、パターンプレート交換装置12側とパターンプレート収納装置14側の両側に向かって、第二支持板132に対して水平方向に相対移動させられるようになっている。
【0060】
なお、第二支持板132と第三支持板134とがパターンプレート交換装置12側に水平移動した際には、第三支持板134が、パターンプレート交換装置12の支持バー76における第二の支持部80に対応位置するようになっている。また、第二支持板132と第三支持板134とがパターンプレート収納装置14側に水平移動した際には、第三支持板134が、パターンプレート収納装置14の架台90内の前記所定位置で回転停止した2本の支持チェーン92,92に支持される複数組のストック部材100,100のうちで、可動体118に直近の一組のストック部材100,100に対応位置するようになっている。
【0061】
そして、図8乃至図10に示される如く、上記のようにして水平移動させられる第三支持板134の上面の長さ方向の両端部には、支持ロッド136が、第三支持板134を横切って延びるように、それぞれ、1個ずつ取り付けられている。また、それら各支持ロッド136の延出方向の両端部には、支持突起138がそれぞれ1個ずつ立設されている。更に、それらの支持突起138のうち、第三支持板134の長さ方向一端部側(パターンプレート収納装置14側)に位置する支持ロッド136に設けられた支持突起138には、位置決めピン140が、それぞれ突設されている。そして、パターンプレート54(図8乃至図10に二点鎖線で示す)が、2個の支持ロッド136,136に跨って配置された状態で、それらの支持ロッド136,136に立設された各支持突起138にて支持されるようになっている。また、それら各支持突起138にて支持されたパターンプレート54は、所定の支持突起138に立設された位置決めピン140が、パターンプレート54に設けられた位置決め孔内に挿入されることで、所定の位置に位置決めされるようになっている。
【0062】
さらに、図9及び図10から明らかなように、可動体本体120の第一案内レール126,126への取付側とは反対側の面には、第一案内レール126,126よりも長さが短い一対の第二案内レール146,146が、上下方向に延びるように設置されている。また、可動体本体120の第二案内レール146,146設置面における第二案内レール146,146よりも下側部位には、取付体移動用シリンダ148が、上下方向に延びるように固定されている。そして、かかる取付体移動用シリンダ148の上端部が、取付体122に取り付けられている。
【0063】
これによって、取付体122と、それに取り付けられた支持体124とが、取付体移動用シリンダ148の伸縮作動に伴って、第二案内レール146,146に案内されつつ昇降させられるようになっている。この取付体移動用シリンダ148の伸縮作動に伴う取付体122と支持体124の昇降は、前記した2個の可動体昇降用シリンダ128,128の伸縮作動に伴う可動体118の昇降とは独立して行われるようになっている。
【0064】
かくして、かくの如き構造とされたパターンプレート移送装置16にあっては、パターンプレート54をパターンプレート収納装置14内からパターンプレート交換装置12に移送する操作が、以下の手順によって実施されるようになっている。
【0065】
すなわち、先ず、二つの可動体昇降用シリンダ128,128の収縮作動により、可動体118の位置が、前記待機位置(図9に実線で示される位置)とされた状態において、駆動モータ144が逆回転されることにより、支持体124の第二支持板132と第三支持板134とが、パターンプレート収納装置14内に進入させられる。このとき、第三支持板134は、図9に実線で示される位置から、パターンプレート収納装置14内において、図9にアにて示される位置に移動させられる。即ち、所定位置で回転停止した2本の支持チェーン92,92に支持された複数組のストック部材100,100のうち、待機位置とされた可動体118の直近に位置する一組のストック部材100,100における各支持部104の上面よりも下方に、第三支持板134に設けられた各支持突起138の先端が配される位置まで、第三支持板134が移動して、配置される。
【0066】
そして、その状態から、取付体移動用シリンダ148が伸張作動することにより、可動体118が、待機位置よりも所定寸法だけ上昇させられ、それと共に、パターンプレート収納装置14内に進入した第三支持板134も上昇して、図9にイで示される位置に配置される。このとき、図9に二点鎖線で示されるように、一組のストック部材100,100にて支持されたパターンプレート54が、第三支持板134側に移行して、第三支持板134の4個の支持突起138、138,138,138にて支持されるようになる。かかる状態下では、パターンプレート54の位置決め孔内に、2個の支持突起138,138の位置決めピン140,140が挿入される。
【0067】
次に、可動体118を待機位置に配置させて、取付体移動用シリンダ148を伸張作動させたままで、駆動モータ144が正回転されることにより、支持体124の第二支持板132と第三支持板134とが、パターンプレート収納装置14外に退出し、パターンプレート交換装置12側に移動させられて、第三支持板134が、図9にウで示される位置に配置される。即ち、第三支持板134の4個の支持突起138、138,138,138を、パターンプレート交換装置12の2個の支持バー76,76における第二の支持部80に対応させると共に、それら各支持突起138の先端部を、かかる第二の支持部80よりも上方に位置するように、第三支持板134が配置される。
【0068】
そして、その状態から、取付体移動用シリンダ148が収縮作動することにより、可動体118が、待機位置よりも所定寸法だけ下降させられ、それと共に、2個の支持バー76,76の第二の支持部80に対応位置する第三支持板134も下降して、図9にエで示される位置に配置される。このとき、図9に二点鎖線で示されるように、第三支持板134の4個の支持突起138、138,138,138にて支持されたパターンプレート54が、2個の支持バー76,76の第二の支持部80側に移行して、かかる第二の支持部80に立設された4個の支持突起81,81,81,81にて支持されるようになる。かかる状態下では、パターンプレート54の位置決め孔内に、2個の支持突起81,81の位置決めピン82,82が挿入される。かくして、パターンプレート収納装置14内に収納されたパターンプレート54が、パターンプレート交換装置12の2個の支持バー76,76における第二の支持部80上に移送されることとなる。
【0069】
その後、駆動モータ144の逆回転により、第二支持板132と第三支持板134とがパターンプレート収納装置14側に移動させられて、第三支持板134が、パターンプレート54を何等支持していない状態で、図9に実線で示される位置に復帰させられる。
【0070】
一方、かかるパターンプレート交換装置12の第二の支持部80上に支持されたパターンプレート54を、パターンプレート移送装置16にて、パターンプレート収納装置14内に移送する際には、上記の操作とは逆の操作が実施される。即ち、可動体118を待機位置に位置させた状態で、先ず、駆動モータ144が正回転することにより、第三支持板134が、図9にエで示される位置にまで移動させられる。次に、取付体移動用シリンダ148の伸張作動により、第三支持板134が、図9にウで示される位置に配置され、このとき、第二の支持部80上に支持されたパターンプレート54が、第三支持板134側に移行して、支持される。その後、駆動モータ144の逆回転により、第三支持板134が、パターンプレート収納装置14内に進入させられて、図9にイで示される位置に配置される。そして、取付体移動用シリンダ148の収縮作動により、第三支持板134が図9にアで示される位置に配置される。このとき、第三支持板134に支持されたパターンプレート54が、一組のストック部材100,100側に移行して、それら一組のストック部材100,100に支持される。その後、駆動モータ144の正回転により、第三支持板134が、図9に実線で示される位置に復帰させられるのである。
【0071】
このように、パターンプレート移送装置16においては、可動体118を待機位置に位置させた状態で、取付体移動用シリンダ148の伸縮作動と、駆動モータ144の正逆回転とを組み合わせて行うことにより、パターンプレート54を、パターンプレート収納装置14とパターンプレート交換装置12との間で移送し得るようになっているのである。
【0072】
また、図1に示されるように、テストピースパターンプレート保持装置18は、段替えステーション72に配置されている。このテストピースパターンプレート保持装置18は、鋳型造型機10の支柱20の上部において、鋳型取出ステーション22と造型ステーション21と段替えステーション72とに跨って延びる梁150に固定されたレール板152と、このレール板152に対して移動可能に取り付けられた移動体154と、移動体154に取り付けられた保持体156とを有している。
【0073】
より詳細には、図1、図11及び図12に示されるように、レール板152は、長手の板材からなり、パターンプレート交換装置12の2個の支持バー76,76における第二の支持部80の上方において、鋳型造型機10とパターンプレート収納装置14との対向方向に対して直角な方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びるように配置されている。また、かかるレール板152の梁150への固定側とは反対側の面には、一対の案内レール158,158が、長手方向に延びるように形成され、更に、それら一対の案内レール158,158間には、ロッドレスシリンダ159が、各案内レール158と平行に延びるように設置されている。
【0074】
レール板150に取り付けられた移動体154は、案内レール158に沿って、レール板150の長手方向、即ち、鋳型造型機10とパターンプレート収納装置14との対向方向に対して直角な方向に移動可能とされている。また、この移動体154には、2個のガイドロッド160,160と保持体昇降用シリンダ162とが、それぞれ上下方向に延びるように固定されている。そして、かかる移動体154が、ロッドレスシリンダ159に内蔵されたピストン(図示せず)に連結されている。これにより、ロッドレスシリンダ159内のピストンの往復作動に伴って、移動体154が、案内レール158に案内されつつ、レール板152の長手方向、つまり、鋳型造型機10とパターンプレート収納装置14との対向方向に対して直角な方向に往復移動するようになっている。
【0075】
保持体156は、矩形の支持枠164を有し、この支持枠164が、移動体152に固定された2個のガイドロッド160,160と保持体昇降用シリンダ162のそれぞれの下端部に対して、懸吊状態下に取り付けられている。これによって、支持枠164が、2個のガイドバー160,160にて案内されつつ、保持体昇降用シリンダ162の伸縮作動に伴って、鉛直上下方向に移動するようになっている。
【0076】
また、支持枠164の四隅部分には、保持用ロッド166が、それぞれ1個ずつ、合計4個(図11及び図12には2個のみを示す)、上下方向に延び、且つ中心軸回りに回転可能に取り付けられている。更に、それら各保持用ロッド166の下端部には、軸直角方向に突出して、テストピースパターンプレート167(図11及び図12に二点差線で示す)を支持する支持突起168が、それぞれ一体形成されている。また、それら4個の支持突起168,168,168,168(図11及び図12には2個のみを示す)のうち、前記レール板150の延出方向の両側に位置する2個の支持突起168,168には、その突出先端部に、位置決めピン170が、それぞれ1個すつ立設されている(図11及び図12には1個のみを示す)。それら2個の位置決めピン170,170は、テストピースパターンプレート167が4個の支持突起168,168,168,168にて支持された状態下で、かかるテストピースパターンプレート167に設けられた位置決め孔内に挿通されて、テストピースパターンプレート167の位置決めを行うようになっている。なお、テストピースパターンプレート167は、鋳造時に用いられる溶湯の品質評価用のテストピースに対応した形状の模型(図示せず)が一体的に形成されてなるものであって、公知の構造を有するものである。
【0077】
さらに、図示されてはいないものの、支持枠164には、駆動シリンダと、この駆動シリンダの伸縮作動に連動して作動する公知のリンク機構が取り付けられれている。そして、そのような駆動シリンダの伸縮作動と、それに連動したリンク機構の作動とに基づいて、4個の保持用ロッド166,166,166,166が同時に、90度の角度で回転するようになっている。また、そのような各保持用ロッド166の中心軸回りの90度の回転に伴って、各保持用ロッド166の下端部に突設された支持突起168が、図12に二点鎖線で示される如き支持枠164の内側に向かって突出する位置と、支持枠164の四つの辺部のうちの互いに平行に延びる二つの辺部(図12の紙面に垂直な方向に延びる二つの辺部)に沿って突出する位置との間で回動するようになっている。
【0078】
かくして、テストピースパターンプレート保持装置18にあっては、図1に示されるように、支持枠164の内側に向かって突出するように配置された4個の支持突起168,168,168,168にて、テストピースパターンプレート167が支持された状態下で、保持体156にて保持されるようになっている。また、そのような保持体156によるテストピースパターンプレート167の保持状態下で、保持体156が、保持体昇降用シリンダ162の伸縮作動により昇降することで、テストピースパターンプレート167も、保持体156と共に、昇降させられるようになっている。更に、移動体154が、図示しない駆動モータの駆動に伴って、案内レール158に案内されつつ移動することにより、保持体156に保持されたテストピースパターンプレート167が、それら移動体154と保持体156と共に、パターンプレート交換装置12の2個の支持バー76,76における第二の支持部80の上方において、鋳型造型機10とパターンプレート収納装置14との対向方向に対して直角な方向に移動させられるようになっている。
【0079】
なお、ここでは、保持体昇降用シリンダ162の収縮状態での上昇位置で、パターンプレート交換装置12の2個の支持バー76,76における第二の支持部80の鉛直上方に配された保持体156の位置が、保持体156の待機位置(第二の待機位置)とされている。また、保持体昇降用シリンダ162の収縮状態での上昇位置で、レール板152の長さ方向の一端部又は他端部に配された保持体156の位置が、それぞれ、待機位置よりも第二の支持部80から離間した、保持体156の待避位置とされている。
【0080】
かくの如き構造とされたテストピースパターンプレート保持装置18にあっては、パターンプレート交換装置12の第一の支持部79に支持されたパターンプレート54を用いて鋳型を造型している間は、保持体156が、前記待機位置で、テストピースパターンプレート167を保持した状態とされる。そして、テストピースパターンプレート167を用いて、溶湯の品質評価用のテストピースを鋳造するための鋳型を造型する際には、パターンプレート交換装置12の第二の支持部80に支持されていたパターンプレート54が、パターンプレート移送装置16にてパターンプレート収納装置14内に移送されて、かかる第二の支持部80においてパターンプレート54が何等支持されていない状態下において、図11に示されるように、保持体156が、保持体昇降用シリンダ162の伸張作動により下降させられる。それによって、保持体156の4個の支持突起168,168,168,168に支持されて、保持されたテストピースパターンプレート167を、パターンプレート交換装置12における2個の支持バー76,76の第二の支持部80に移行させて、かかる第二の支持部80に設けられた4個の支持突起81,81,81,81にて支持させるようになっている。なお、そのようにして第二の支持部80に支持されたテストピースパターンプレート167は、2個の支持バー76,76の回転により、造型ステーション21に移動させられる。そして、前記したパターンプレート54を用いた鋳型の製造操作と同様にして、かかるテストピースパターンプレート167を用いた鋳型の製造が、実施されるようになる。
【0081】
そして、上記の如き構造を有する本実施形態の鋳型造型システムにおいては、鋳型造型機10とパターンプレート交換装置12とパターンプレート収納装置14とパターンプレート移送装置16とテストピースパターンプレート保持装置18とが、図示しない制御装置による制御の下で、互いに連動して作動することにより、複数種類のパターンプレート54を用いた鋳型の造型や、テストピースパターンプレート167を用いた鋳型の造型が、それぞれ自動的に行われるようになっている。
【0082】
すなわち、先ず、複数種類の鋳型の造型に使用されるパターンプレート54の種類と、各種類のパターンプレート54を用いて造型される鋳型の種類毎の数量、更には、テストピースパターンプレート167を用いた鋳型の造型のタイミング等を含む造型レシピが、図示しない制御装置に入力される。
【0083】
その後、かかる造型レシピに基づいて、1種類目の鋳型の造型に使用されるパターンプレート54が、パターンプレート移送装置16にて、パターンプレート収納装置14内から取り出されて、パターンプレート交換装置12に移送される。このとき、支持バー移動用シリンダ89の伸張作動により、パターンプレート交換装置12の支持バー76,76の全体が、段替えステーション72側に移動させられていると共に、第一の支持部79が、段替えステーション72に配置された状態となっている。そして、パターンプレート移送装置16にて移送されたパターンプレート54が、段替えステーション72に位置する支持バー76,76の第一の支持部79に支持される。その後、支持バー76,76が、中心軸:Q回りに180度回転させられた後、支持バー移動用シリンダ89の収縮作動により、造型ステーション21側に移動させられる。これによって、第一の支持部79に支持されたパターンプレート54が、造型ステーション21で、図1に実線で示される回動位置の支持台23に支持された上枠24と下枠26との間に配置される。一方、テストピースパターンプレート保持装置18の保持体156が待機位置に配置された状態で、所定のテストピースパターンプレート167が、かかる保持体156に保持される。
【0084】
次に、図1に実線で示される支持台23の回動位置において、上枠24と下枠26とが、パターンプレート54を挟んで、互いに重ね合わされる。その後、造型ステーション21に位置する支持台23が、図1に二点鎖線で示される回動位置に回動させられた後、上枠24内と下枠26内への鋳物砂の充填と締め固めが実施される。これにより、湯口位置変更装置56にて、所定の位置に位置決めされた湯口棒62にて湯口が設けられると共に、パターンプレート54の模型に応じたキャビティが形成されてなる鋳型が、自動的に造型される。
【0085】
その後、支持台23が、図1に実線で示される回動位置に戻された後、造型ステーション21で、上枠24と下枠26の離型により、それらの間からパターンプレート54が取り出されて、支持バー76,76の第一の支持部79に支持される。次いで、支柱20が中心軸:P回りに回転させられることにより、造型された鋳型が、鋳型取出ステーション22に移動させられる。引き続き、造型された鋳型が、鋳型取出ステーション22で、上枠24内と下枠26内から、鋳型取出装置46にて取り出される。また、このような鋳型取出ステーション22での鋳型の取出操作と並行して、造型ステーション21では、そこに配置された上枠24と下枠26とにて、次の造型が実施される。そして、このような1種類のパターンプレート54を用いた1種類目の鋳型の造型から取出しまでの操作が、予め定められた数の鋳型を造型するまで、制御装置の制御の下で、自動的に繰り返し実施される。
【0086】
一方、上記のようにして鋳型が造型されている間には、次に実施されるべき別の種類の鋳型の造型に備えて、新たなパターンプレート54をパターンプレート交換装置12に支持させる操作が、制御装置の制御下におて、任意のタイミングで自動的に実施される。
【0087】
すなわち、造型ステーション21での造型操作に使用されているパターンプレート54とは別の形状の模型を備えた別のパターンプレート54が、パターンプレート移送装置16によりパターンプレート収納装置14内から取り出され、それが、パターンプレート交換装置12に移送される。そして、支持バー76,76の回転によって、段替えステーション72の支持位置に配置されている第二の支持部80に対して、かかる別のパターンプレート54が支持される。このとき、1種類目のパターンプレート54を支持バー76,76の第一の支持部79に支持させる際と同様に、支持バー76,76の全体が、支持バー移動用シリンダ89の伸縮作動に基づいて、造型ステーション21側と段替えステーション72側に往復移動させられる。このような一連の操作が、造型ステーション21での造型操作や鋳型取出ステーション22での鋳型取出操作と並行して行われる。
【0088】
そして、1種類目の鋳型の造型数が予め定められた数に達したら、最後に造型した鋳型の取出しのために、支柱20が中心軸:P回りに回転させられたときに、それと同時に、支持バー76,76が中心軸:Q回りに180度回転させられて、支持バー76,76の第一の支持部79と第二の支持部80のそれぞれの位置が入れ替えられる。これにより、1種類目の鋳型の造型に使用されていた旧パターンプレート54が、段替えステーション72に配置される一方、2種類目の鋳型の造型に使用される新パターンプレート54が、造型ステーション21に配置される。また、それら支柱20や支持バー76,76のそれぞれの回転と同時に、湯口位置変更装置56の回転板58も、制御装置の制御に基づいて、予め定められた回転角度だけ回転させられる。これにより、回転板58に取り付けられた湯口棒62の位置が、2種類目の鋳型の湯口位置に対応した位置に変更させられる。かくして、最後に造型された1種類目の鋳型の取出操作と同時に、旧パターンプレート54と新パターンプレート54の位置の変更と、湯口位置の変更とが、同時に且つ一挙に行われる。
【0089】
その後、1種類目の鋳型の造型時と同様にして、2種類目の鋳型の造型が、予め定められた数の鋳型を得るまで続行される。また、2種類目の鋳型を造型している間に、段替えステーション72に配置された支持バー76,76の第一の支持部79に支持される、1種類目の鋳型の造型に使用された旧パターンプレート54が、パターンプレート移送装置16にて、パターンプレート収納装置14に移送されて、かかるパターンプレート収納装置14内に、所定のストック部材100,100への保持状態で収納される。その後、パターンプレート収納装置14内から、3種類目の鋳型の造型に使用されるパターンプレート54が、パターンプレート移送装置16にて、パターンプレート収納装置14内から取り出されて、パターンプレート交換装置12まで移送され、段替えステーション72に配置された支持バー76,76の第一の支持部79に支持される。そして、これ以降も、所定の種類の鋳型を全て得るまで、造型レシピに基づく制御装置による制御下で、鋳型の造型及び取出操作や、湯口位置の変更操作、パターンプレート54の交換操作が、上記と同様にして、逐次、自動的に実施されるのである。
【0090】
また、そのような各種のパターンプレート54を使用した鋳型の造型操作の実施中には、使用される溶湯が変わる毎に、溶湯の品質評価用のテストピースを鋳造するための鋳型の造型操作が1回ずつ行われる。なお、一般に、溶湯がバッチ式で使用されるため、かかるテストピース用鋳型の造型操作のタイミングは、1バッチでの溶湯の使用量に基づいて、予め造型レシピに組み込まれている。従って、テストピース用鋳型の造型は、造型レシピに基づいて、制御装置の制御の下で、自動的に実施されることとなる。
【0091】
すなわち、テストピース用鋳型の造型を行う際には、先ず、かかる鋳型の造型前のパターンプレート54を用いた鋳型の造型時に、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)に支持されているパターンプレート54が、パターンプレート移送装置16にてパターンプレート収納装置14に移送された後、テストピースパターンプレート保持装置18の保持体156に保持されたテストピースパターンプレート167が、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)に移されて、支持される。なお、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)に、パターンプレート54が何等支持されていない場合には、テストピースパターンプレート167の保持体156側から支持バー76,76側への移行のみが行われる。
【0092】
そして、テストピース用鋳型の造型の直前に実施された、パターンプレート54を用いた造型の造型操作後に、支柱20の中心軸:P回りの回転と同時に、支持バー76,76も中心軸:Q回りに回転させられて、造型ステーション21に位置する上枠24と下枠26との間に、テストピースパターンプレート167が配置される。その後、パターンプレート54を用いた鋳型の造型及び取出操作と同様にして、テストピースパターンプレート167を用いた鋳型の造型及び取出操作が実施される。これによって、テストピース用鋳型が自動的に造型される。
【0093】
そして、造型されたテストピース用鋳型が、鋳型取出ステーション22で、上枠24内と下枠26内とから取り出されている間に、支持バー76,76上に戻されたテストピースパターンプレート167が、支持バー76,76の回転により、段替えステーション72側に移動させられた後、テストピースパターンプレート保持装置18の保持体156に移されて、再び、テストピースパターンプレート保持装置18に保持される。その後、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)に、パターンプレート54が支持される。そして、それに引き続いて、上記の如きパターンプレート54を用いた造型操作が再開される。
【0094】
ところで、本実施形態の鋳型造型システムでは、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)に支持されたパターンプレート54に対して、冷やし金等を人手によってセットする作業も、容易に且つスムーズに行われるようになっている。
【0095】
すなわち、図13に示されるように、上記の如き人的作業を行う場合には、それに先立って、パターンプレート移送装置16の可動体118が、待機位置(図1に実線で示される位置)から、スライド用デッキ117の一対のスライド用レール121よりも下側の待避位置(図13に実線で示される位置)にまで移動させられる。また、テストピースパターンプレート保持装置18の移動体154と保持体156とが、テストピースパターンプレート167を保持したままで、段替えステーション72に配置される支持バー76,76の支持部(第一の支持部79又は第二の支持部80)の鉛直上方の待機位置から、レール板152の長さ方向の一端部又は他端部に配される待避位置(図12に二点鎖線で示される位置)にまで移動させられる。更に、スライド用デッキ117の踏み台119が、パターンプレート収納装置14側に移動させられる。
【0096】
これによって、段替えステーション72におけるパターンプレート交換装置12とパターンプレート収納装置14との間に、作業員が立って作業を行うことのできる作業スペースが、十分な大きさにおいて形成される。そして、そのような十分な作業スペース内で、作業者が、踏み台119に乗って、パターンプレート移送装置16の可動体118やテストピースパターンプレート保持装置18の保持体156等が、何等、邪魔となることもなく、パターンプレート54に対する冷やし金のセット作業等が、スムーズに行われ得るようになっているのである。
【0097】
このように、本実施形態の鋳型造型システムにおいては、鋳型の造型及び取出操作は勿論、造型に使用されるパターンプレート54のパターンプレート収納装置14からの取出操作と、使用済みのパターンプレート54のパターンプレート収納装置14への収納操作と、造型される鋳型の種類の変更時における旧パターンプレート54と新パターンプレート54の交換操作とに係るパターンプレート54の段替え作業と、造型される鋳型の種類の変更に際しての、上枠24内での湯口位置の変更操作とが、何等の人手を掛けることもなく、全て、自動で行われる。
【0098】
従って、かくの如き鋳型造型システムによれば、造型作業の完全自動化が有利に実現されて、労力とコストの軽減が効果的に図られ得ると共に、人的作業に伴うサイクルロスが有効に削減されて、造型サイクルが、極めて有利に短縮化され得る。そして、その結果、多品種の鋳型の1個取りをも含めた少量の生産が、極めて低コストに且つ効率的に実現され得るのである。
【0099】
また、本実施形態では、パターンプレート54とテストピースパターンプレート167との交換操作も含むテストピース用鋳型の造型操作が、パターンプレート54を用いた鋳型の造型操作に割り込みつつ、全て自動的に実施される。これによって、テストピース用鋳型の造型作業の無人化も有利に図られ、以て、テストピース用鋳型の造型が、短い造型サイクルで、より低コストに且つ効率的に行われ得るのである。
【0100】
さらに、本実施形態の鋳型造型システムにおいては、パターンプレート交換装置12の支持バー76,76が、その中心軸:Q回りに180度回転するだけで、例えば、造型操作に使用されていた旧パターンプレート54が、造型ステーション21の上枠24と下枠26との間から取り出される一方、次回の造型に使用される新パターンプレート54やテストピースパターンプレート167が、かかる上枠24と下枠26との間に配置させることが可能となっている。これによっても、パターンプレート54を用いた鋳型の造型や、テストピースパターンプレート167を用いた鋳型の造型が、より短い造型サイクルで、更に効率的に実施され得る。
【0101】
また、本実施形態の鋳型造型システムでは、パターンプレート移送装置16の可動体118とテストピースパターンプレート保持装置18の保持体156とを、それぞれの待避位置に移動させることで、それら可動体118や保持体156に邪魔されることなく、例えば、パターンプレート54に対する冷やし金のセット作業等が、十分な作業スペース内でスムーズに行われ得るようになっている。これによっても、パターンプレート54を用いた鋳型の造型が、より円滑に且つ効率的に行われ得ることとなるのである。
【0102】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0103】
例えば、鋳型造型機10の構造は、例示の無枠式のものの他にも、有枠式の構造を有するものを含んで、従来から公知の各種の自動鋳型造型機が採用され得る。
【0104】
また、湯口位置変更装置56も、例示の構造に代えて、或いはそれに加えて、例えば、特許第2825936号公報等に開示される如き、従来より公知の構造が適宜に採用される。
【0105】
さらに、パターンプレート交換装置12も、その具体的な構造が、特に限定されるものではなく、パターンプレート交換装置12として、例えば、特許第2505625号公報等に開示される如き、第一のパターンプレート移動装置とパターンプレート交換装置とを組み合わせた構造のものを用いても良い。
【0106】
更にまた、パターンプレート移送装置16も、例えば、特許第2505625号公報等に開示されるように、パターンプレート収納装置14内で、可動体118が上下動せずに、所定の高さ位置で停止した状態で、ストック部材100,100が昇降することにより、パターンプレート54を、可動体118とストック部材100,100との間で移行させるように為すことも可能である。
【0107】
また、パターンプレート収納装置14の構造も、例示のものに何等限定されるものではなく、例えば、回転支持部材として、ベルト等の他の材質のものを用いたり、回転支持部材を回転駆動させるのに、モータ以外の装置を用いることも可能である。更に、ストック部材100の構造にも、適宜、変更、改良が加えられ得る。
【0108】
テストピースパターンプレート保持装置18としても、保持体156によるテストピースパターンプレート167の保持構造も、例示のものに代えて、従来より公知の構造が、適宜に採用可能である。
【0109】
加えて、パターンプレート交換装置12での支持バー76,76の中心軸:Q回りの回転や、パターンプレート移送装置16での可動体118の移動、テストピースパターンプレート保持装置18での保持体156の移動は、例示のシリンダを用いた構造に代えて、例えば、モータやその他の各種のアクチュエータを用いた構造により実現可能である。
【0110】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0111】
10 鋳型造型機 12 パターンプレート交換装置
14 パターンプレート収納装置 16 パターンプレート移送装置
18 テストピースパターンプレート保持装置
24 上枠 26 下枠
38 上スクイズヘッド 40 下スクイズヘッド
54 パターンプレート 56 湯口位置変更装置
58 回転板 62 湯口棒
76 支持バー 79 第一の支持部
80 第二の支持部 92 支持チェーン
100 ストック部材 117 スライド用デッキ
118 可動体 119 踏み台
154 移動体 156 保持体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型が一体的に形成されたパターンプレートを挟んで、その両側に一対の鋳枠を重ね合わせると共に、それら各鋳枠の外側開口部内にそれぞれ圧縮盤を嵌め込んで覆蓋することにより、それらの鋳枠内に所定の造型空間を形成し、該造型空間内で鋳物砂を締め固めることによって、該模型に対応した鋳造空間を有する鋳型を造型する鋳型造型機と、
前記一方の圧縮盤の前記パターンプレートとの対向面に、該パターンプレートと対向して回転可能に設けられた回転板と、該回転板を回転させる駆動手段と、該回転板の該パターンプレートとの対向面における該回転板の回転中心から外周側に偏倚した位置に立設されて、該パターンプレートに当接することにより、前記鋳型内に湯口を形成する湯口棒とを有し、該駆動手段による該回転板の回転により、該湯口棒の該回転板上の周方向位置を変えることによって、該鋳型内での湯口位置を変更せしめる湯口位置変更装置と、
前記鋳型造型機から、造型に使用した旧パターンプレートを取り出して、かかる取出位置から所定の支持位置に導いて支持する一方、該支持位置において支持された、造型に使用する新パターンプレートを該取出位置に導いて、該鋳型造型機に装着せしめるパターンプレート交換装置と、
造型に使用する又は造型に使用したパターンプレートを収容するストック部が、回転端を鉛直方向両側に有して循環せしめられるエンドレス状の回転支持部材に支持されることにより、該ストック部が、鉛直方向において複数個、昇降可能に設けられたパターンプレート収納装置と、
前記パターンプレート交換装置の前記支持位置において支持された、造型に使用した旧パターンプレートを前記パターンプレート収納装置内に移送して、前記ストック部に収容せしめる一方、該パターンプレート収納装置から造型に使用する新パターンプレートを取り出し、該支持位置に移送して、支持せしめるパターンプレート移送装置とを、
有することを特徴とする鋳型造型システム。
【請求項2】
前記パターンプレート交換装置が、前記取出位置に位置して、前記鋳型造型機から取り出された前記旧パターンプレートを支持する第一の支持部と、前記支持位置に位置して、前記新パターンプレートを支持する第二の支持部とを、備えた回転体を有し、該回転体の回転により、該第一の支持部の位置と該第二の支持部の位置が該取出位置と該支持位置との間で相互に入れ替えられることによって、該第一の支持部に支持された旧パターンプレートが該支持位置に導かれると同時に、該第二の支持部に支持された新パターンプレートが該取出位置に導かれるようになっている請求項1に記載の鋳型造型システム。
【請求項3】
前記パターンプレートが前記パターンプレート交換装置の前記支持位置において支持されているときには、溶湯の品質評価用のテストピースに対応した形状の模型が一体的に形成されたテストピースパターンプレートを保持する一方、該パターンプレートが該支持位置において支持されていないときに、該テストピースパターンプレートを該支持位置に移動させて、支持せしめるテストピースパターンプレート保持装置を、更に有し、そして、前記パターンプレート交換装置が、該支持位置において支持された該テストピースパターンプレートを前記取出位置に導いて、前記鋳型造型機に装着せしめるように構成されている請求項1又は請求項2に記載の鋳型造型システム。
【請求項4】
前記パターンプレート移送装置が、前記旧パターンプレートと前記新パターンプレートのうちの何れか一方を支持した状態で移動して、それらのパターンプレートを前記パターンプレート交換装置の前記支持位置と前記パターンプレート収納装置内とに移送する可動体を有すると共に、かかる可動体が、該パターンプレートを支持していないときに、該支持位置とは異なる第一の待機位置で待機せしめられるように構成される一方、前記テストピースパターンプレート保持装置が、該支持位置において該パターンプレートが支持されているときに、前記テストピースパターンプレートを保持して、該支持位置とは異なる第二の待機位置で待機せしめられる保持体を有して構成され、更に、該パターンプレート移送装置の可動体を、前記第一の待機位置と、該第一の待機位置よりも前記支持位置から離間する位置との間で移動させる第一の移動装置と、該テストピースパターンプレート保持装置の保持体を、前記第二の待機位置と、該第二の待機位置よりも該支持位置から離間する位置との間で移動させる第二の移動装置とが、更に設けられている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の鋳型造型システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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