説明

鋳鉄管鋳造用中子用塗型剤槽

【課題】作業を煩雑にすることなく、中子内への塗型剤の浸入を確実に防ぐ。
【解決手段】閉塞板8を塗型剤槽6に昇降可能に支持して上方へ付勢し、常時は前記塗型剤槽6内の塗型剤eの液面よりも上に維持する。筒状の鋳鉄管鋳造用中子17をチャック5によりチャッキングし、その中子17の下端縁全周を前記閉塞板8上面に密着させ下端開口を閉じ、付勢力に抗して中子17を押し下げて塗型剤eに浸漬する。浸漬後、中子17を液面よりも上に完全に引き上げることにより前記閉塞板8は前記下端開口を閉じたまま液面よりも上に復帰する。このようにすれば、閉塞板8は、塗型剤槽6に支持されて傾くことなく水平状態を維持しながら安定して昇降し、閉塞板8は付勢力により中子17に終始密着し内部への塗型剤eの浸入を確実に防ぐことができる。また、液面よりも上の位置で閉塞板8の上昇を規制すれば、閉塞板8は自動的に中子17から離れるので作業が簡単である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鋳鉄管を鋳造する際、その受口部に装填する中子への塗型剤を塗布する際に使用する塗型剤槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠心力鋳造は、鋳造物内部にブローホール、引け巣などの欠陥が生じ難く、材質も緻密と成り、機械的性質等の良好な品質の鋳造物を円滑に得ることができる。このため、鋳鉄管においても、今日、前記良好な品質、生産性などの点からその遠心力鋳造により製造されている。
【0003】
その遠心力鋳造法による鋳鉄管Pの製造は、例えば、図1に示すように、円筒形モールド(鋳型)11をローラ12により回転し、そのモールド11内面に、取鍋13から、三角取鍋14を介して鋳込用トラフ15に溶湯aを送り込み、そのトラフ15を介して溶湯aをモールド11内に鋳込んで(注湯し)、所要厚の円筒状溶湯層(管状体)を形成することによって行うのが一般的である(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開昭54−38229号公報
【特許文献2】特開2004−58094号公報
【0004】
この遠心力鋳造法において、同図に示すように、受口1内面1aの形成のために、中子17をモールド11の受口部分内に装着し、その中子17とモールド11内面との間(受口形成部)に溶湯aを送り込んで受口1を鋳造するようにしている。図中、2は挿し口である。
【0005】
その中子17には、溶湯aの焼き付けを防止して良好な鋳肌面を得るために、塗型剤が塗布される。その塗布に、例えば、塗型剤槽に浸漬させる、所謂、どぶ漬け法が採用されている。このとき、中子17を塗型剤槽に浸漬させて取出した後、その塗布面の余分な塗型剤(液溜まり)を除去するための塗型剤の液切り(垂れ切り)を行い、その後、乾燥工程に送るようにしている。
なお、塗型剤の塗布には、中子17の表面強度の向上や表面組織の改質を図り得る効能もある。
【0006】
この塗型剤の塗布において、例えば遠心鋳造などに用いる中子、すなわち下端開口を有する筒状の中子の場合、中子の内外面の全体が塗型剤に浸漬されると、乾燥不良などに起因する鋳造不良が発生する恐れがあるとともに、中子の内面も塗型剤が塗布されることによって、多量の塗型剤が無駄になり歩留まりが悪くなるという問題がある。
このため、特許文献3では、前記下端開口を閉じる発泡スチロール製の閉塞板を液面上に浮かべて、その浮力により閉塞板を上方へ付勢し、前記中子の下端縁をその閉塞板に密着させ、その状態で、中子を閉塞板の浮力に抗して押し下げて塗型剤に浸漬させることにより、中子外面にのみ塗型を施し、内面への塗型剤の浸入を防いでいる。
【特許文献3】特開2002−254140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の閉塞板は、発泡スチロール製であるため、塗型剤への浸漬を繰り返すことにより早期に劣化してしまうという問題がある。閉塞板が劣化すると、その劣化した部分から中子内へと塗型剤が浸入することがあるので好ましくない。
【0008】
また、閉塞板が液内を浮遊してどこからも支持されていないため、閉塞板に中子を密着させて押し下げた際に、その閉塞板が不安定で傾きやすいという問題がある。閉塞板が傾くと、中子の下端縁と閉塞板との密着状態が維持できず、その密着が離れた部分から中子内に塗型剤が浸入することがあるので好ましくない。
【0009】
また、中子内面への塗型剤の浸入を確実に防ぐために、中子に樹脂又は金属等からなる硬質の閉塞板を予め固定しておき、その状態で塗型剤に浸漬し、乾燥後にその閉塞板を取り外すという手法も考えられる。
しかし、このような手法は作業が繁雑であるとともに、中子やチャックに、別途閉塞板の固定手段を設ける必要があり、装置が複雑化するので好ましくない。
【0010】
そこで、この発明は、下端開口を有する筒状中子のどぶ漬けにおいて、作業を煩雑にすることなく、中子内への塗型剤の浸入を確実に防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明は、上方へ向かって付勢された閉塞板を、塗型剤槽内に昇降可能に支持したのである。
このようにすれば、閉塞板は、塗型剤槽に支持されているので途中傾くことなく水平状態を維持しながら安定して昇降し得る。また、閉塞板は上方へ付勢されているので、その閉塞板は、前記水平状態で中子に終始密着し得る。このため、中子の下端開口は、常にしっかりと閉じられて内部への塗型剤の浸入を確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、以上のように、下端開口を有する筒状中子のどぶ漬けにおいて、作業を煩雑にすることなく、中子内への塗型剤の浸入を確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の実施形態としては、筒状の鋳鉄管鋳造用中子をチャックによりチャッキングし、その中子の下端開口を閉塞板により閉じた状態で中子を塗型剤槽に浸漬させて、前記中子の外周に塗型剤を塗布する際に使用する塗型剤槽において、上記閉塞板を上記塗型剤槽に昇降可能に支持し、その閉塞板を上方へ付勢して、常時は前記閉塞板を、その上面が前記塗型剤槽内の塗型剤の液面よりも上になる位置に維持し、その中子の下端縁全周を前記閉塞板上面に密着させ下端開口を閉じるとともに、その状態で前記付勢力に抗して中子を押し下げることによりその中子及び閉塞板を前記液面よりも下に降下させ、中子を前記液面よりも上に完全に引き上げることにより前記閉塞板は前記付勢力によりその上面が前記液面よりも上になる位置に復帰するようにしたのである。
【0014】
このとき、上記閉塞板の昇降を、その閉塞板の上面が上記液面よりも上になる位置でその上昇を規制すれば、中子と閉塞板との密着は、上記付勢力により、中子を液面上に引き上げるまで維持され、閉塞板が中子の上昇とともに液面上に復帰した後、さらに中子を引き上げれば閉塞板は自動的に中子から離れるので作業が簡単である。閉塞板が中子から離れれば、その当接していた中子部分の液切れは促進されるので好ましい。
【0015】
上記の構成において、閉塞板の塗型剤槽への支持方法は、閉塞板が昇降自在に支持される限りにおいて、紐やバネによる閉塞板と塗型剤槽との連結、あるいはレール等による相互の係合等、周知の手法を採用することができるが、例えば、閉塞板を塗型剤槽に設けたガイドによって昇降可能に支持すれば、その閉塞板の昇降はさらに安定するので好ましい。また、上記のごとく閉塞板の昇降範囲に規制を設ける場合には、そのガイドにストッパ機能を付加すれば、その上限を簡単に設定できるようになる。その設定は、上限の規制、下限の規制いずれの場合においても同様である。
【0016】
また、上記付勢力の付与には、浮力、磁力、バネ、その他弾性体等の周知の手法を採用し得るが、例えば、その付勢力を上記閉塞板と上記塗型剤槽との間に設けたコイルバネにより付与すれば、バネの取替えによりそのバネ係数を変更できるので付勢力を調整しやすくなる。
また上記閉塞板に紐を取り付け、その紐を上方へ導いて滑車を介して下方に反転させてその先端におもりを取り付けてもよい。付勢力は、そのおもりにより付与されるので、おもりの重量を変更することにより付勢力を調整することができる。また、おもりによって付勢すれば、バネを使用した場合に起こり得る閉塞板のバウンドを防止し得る。
【実施例1】
【0017】
この実施例1は、図1に示した中子17の外周面にどぶ漬けによって塗型剤eを塗布するものであって、まず、中子17の被塗布面をエアブローして、結合力の弱い砂を剥離する。
【0018】
つぎに、図2(a)に示すように、チャック5によりこの中子17を鉛直方向に吊り下げ、その吊り下げ状態で、中子17を塗型剤eを入れた塗型剤槽6に浸漬していく。チャック5は、その各爪5aが中心から放射方向に進退して、中子17をその内面でもってチャッキングする。
【0019】
塗型剤槽6には、底部7から立ち上がるコイルバネ18が設けてあり、そのコイルバネ18の上端にフラットな鉄板等からなる閉塞板8が水平に取り付けられている。この閉塞板8は、中子17を宛がわない通常の状態で、図2(a)に示すように、その上面が塗型剤eの液面よりも上になるように維持されている。
【0020】
中子17の下端縁17aを、その全周に亘って閉塞板8に当接させ、閉塞板8によって中子17の開口を閉塞させる(図2(b)参照)。この状態で、コイルバネ18の付勢力に抗してさらに中子17を押し下げて、その中子17及び閉塞板8を前記液面よりも下に降下させ、中子17の塗型剤eの要塗布箇所が、その塗型剤eの液中に完全に浸るようにする(図2(c)参照)。
このとき、閉塞板8は、コイルバネ18によって塗型剤槽6に支持されているので、その昇降は安定し、中子17と閉塞板8との密着は、そのコイルバネ18の付勢力によって終始維持され、開口は常に閉塞する。この閉塞により、塗型剤eの塗布が不要な中子17内面への塗型剤eの浸入が阻止されるので、塗型剤eの無駄がない。
【0021】
十分な時間のどぶ漬け後、中子17を塗型剤槽6の真上に向かって引き上げる。中子17を液面よりも上に完全に引き上げるまでの間も、閉塞板8は前記コイルバネ18の付勢力により常に中子17に密着し、前記閉塞状態は維持される。
中子17を液面上に引き上げた後、さらに中子17を上方へ引き上げれば、閉塞板8はコイルバネ18に引かれて、液面よりも上においてその上昇が規制されてそれ以上は上昇しない。このため、閉塞板8は、自動的に中子17から離れる。閉塞板8が中子17から離れれば、その当接していた中子部分の液切れは促進されるので好ましい。
【0022】
さらに、中子17を引き上げた後、図2(d)に示すように、その中子17を、その軸心cが鉛直方向に所要角度θとなるように傾け、その傾斜した状態で、中子17をその軸心c回りに回転させることが望ましい。これは、中子17が傾むけば、中子17下方の一点が最下部となって、その最下部に塗型剤eが集まり、その集まった塗型剤eは、落下しやすくなって液切れし易くなり、中子を回転させれば、塗型剤eは遠心力によって移動が活発となり、最下部の液切れはさらに促進され、中子17表面の余分な塗型剤eは遠心力によって塗布面上を活発に移動して、垂れ跡を残すことなく剥離されるとともに、塗布面は満遍なく均される。
【0023】
液切れ作業が終了すれば(塗布面が均され、垂れ跡が無くなれば)、つぎの乾燥工程に中子17を移動させる。以後、同様にして、未塗布の中子17に順々に塗型剤eを塗布する。
【0024】
なお、この実施例では閉塞板8に鉄板等を使用したが、例えば、発泡スチロール製の板等、他の素材であっても上記のごとく機能する。しかし、特に、硬質の樹脂板、ステンレス板、さび止め塗装の鉄板、アルミニウム板等の硬質板を使用すれば、耐久性がよいものとなる。
【実施例2】
【0025】
この実施例2は、図3及び図4に示すように、上記閉塞板8を、塗型剤槽6に設けたガイド10でその塗型剤槽6に昇降可能に支持したものである。
【0026】
ガイド10は、閉塞板8の下面に設けた上下方向の筒状部材10aと、塗型剤槽6の底部7から立ち上がる筒状部材10bとからなる。筒状部材10a内に筒状部材10bが嵌って摺動自在となっており、その内側にはコイルバネ18が収納されている。このガイド10を設ける位置及び数量は自由であり、図4(a)に示すように4箇所設けても良いし、図4(b)に示すように3箇所としても良い。
【0027】
閉塞板8は、このガイド10によって塗型剤槽6に昇降可能に支持され、また、実施例1と同様、コイルバネ18によって上方へ付勢されているので、閉塞板8は、常時は、塗型剤eの液面上に維持されている。
【0028】
中子17の下端縁17aを、その全周に亘って閉塞板8に当接させ、閉塞板8によって中子17の開口を閉塞させる(図3(a)参照)。この状態で、コイルバネ18の付勢力に抗してさらに中子17を押し下げて、その中子17及び閉塞板8を前記液面よりも下に降下させ、塗型剤eの液中に完全に浸漬する(図3(b)参照)。
十分な時間のどぶ漬け後、中子17を塗型剤槽6の真上に向かって引き上げる。中子17を液面よりも上に完全に引き上げるまで、閉塞板8はコイルバネ18の付勢力により常に中子17に密着し、前記閉塞状態が維持される点は、実施例1の場合と同様である。
【0029】
なお、閉塞板8の昇降とともに、ガイド10の筒状部材10aと筒状部材10bとが摺動、伸縮し、同時に内部に収納されたコイルバネ18も伸縮する(図4(c)から図4(d)参照)。このとき、ガイド10及びコイルバネ18が、閉塞板8の中心から等分方位に設けられているのでその伸縮は均等なものとなり、閉塞板8の塗型剤槽6への支持が安定して、昇降がスムースである。
【実施例3】
【0030】
この実施例3は、図5に示すように、塗型剤槽6の周囲等分方位の縁6aに、複数のコイルバネ18の各一端を取り付け、その各コイルバネ18の他端を上記閉塞板8の周縁部に取り付けたものである。閉塞板8は、この複数のコイルバネ18を介して塗型剤槽6に昇降可能に支持される。コイルバネ18が、閉塞板8の周囲等分方位に設けられているのでその伸縮は均等なものとなり、その塗型剤槽6への支持が安定して、昇降がスムースである。
【0031】
なお、中子17を塗型剤eに浸漬する際の作用は、上記実施例1及び実施例2に共通するので、説明を省略する。
【実施例4】
【0032】
この実施例4は、図6に示すように、塗型剤槽6の周囲等分方位の縁6aに、複数の滑車19bを取り付け、その各滑車19bに紐19aを嵌めて、その紐19aの内側端を上記閉塞板8の周縁部に取り付け、外側端におもり20を取り付けたものである。すなわち、紐19aは、図示するように、閉塞板8から滑車19bにむかって上方へ導かれた後、その滑車19bで下方に反転し、その先端におもり20が取り付けられる。
【0033】
おもり20の総重量は、閉塞板8の重量よりも大きく設定されるので、閉塞板8は、そのおもり20により上方へ付勢される。また、紐19aは、閉塞板8の周囲等分方位に設けられているので、閉塞板8の塗型剤槽6への支持が安定して、昇降がスムースである。
なお、この実施例では、閉塞板8の上昇を、その閉塞板8の上面が塗型剤eの液面よりも上になる所定位置で止めるストッパ(図示せず)を設けることが望ましい。
【0034】
なお、塗型剤槽6には、図6に示すように、ざる9を沈めておいてもよい。ざる9を設ければ、所要数の中子17への塗型剤塗布が終了すれば、例えば、一日の作業終了後、ざる9を塗型剤槽6から引き上げて、塗型剤槽6内に浮遊・沈降する砂粒子を取り出すことができるので、便利である。
このざる9は、実施例4のみならず、閉塞板8の塗型剤槽6への支持、昇降を阻害しない限りにおいて、すべての実施例に採用可能である。上述のガイド10やコイルバネ18を塗型剤槽6の底部7から立ち上がるように取り付ける場合には、ざる9を塗型剤槽6に脱着する際に、そのガイド10やコイルバネ18を取外しできるようにしておくと便利であり、また、ざる9が塗型剤槽6にしっかりと固定されている場合には、そのざる9の底部に前記ガイド10やコイルバネ18を直接固定してもよい。
【0035】
なお、上記付勢力の付与には、上記各実施例に示す手法のほか、コイルバネ以外のバネにより付勢する手法、閉塞板の素材を塗型剤eの比重よりも小さいものとして浮力により付勢する手法、あるいは、磁力により付勢する手法、ゴムなど他の弾性体等により付勢する手法など、各種の手法を採用し得る。
【0036】
また、上記各実施例において、閉塞板8の昇降を所定の位置で止めるストッパを設けても良い。ストッパは、閉塞板8が液面よりも上の所定位置にある場合においてそれ以上の上昇を規制するもの、及び中子17の被塗布部分がすべて浸漬される位置にある場合においてそれ以上の下降を規制するものとをそれぞれ選択的に設けることができる。
ストッパの具体的構成として、例えば、ガイド10を設けた構成において、そのガイド10にストッパを設ける手段が考えられる。図4(c)に示すガイド10の下側の筒状部材10bの外面に上下方向に所定長さの溝を切っておき、上側の筒状部材10aの内面にその溝に嵌る凸部を設けて、その凸部が溝内を摺動するようにすればよい。ガイド10の上下筒状部材10a,10bが伸縮し、その伸縮に伴い凸部が溝の上端又は下端に達するとガイド10のさらなる伸縮が規制されるので、閉塞板8の昇降がその位置で止まる。
また、他の構成として、塗型剤槽6の内壁に、閉塞板8に当たってその閉塞板8の昇降を所定位置で止めるストッパを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】遠心鋳造の概略図
【図2(a)】実施例1の作用図
【図2(b)】実施例1の作用図
【図2(c)】実施例1の作用図
【図2(d)】実施例1の作用図
【図3】実施例2の作用図で、(a)は中子を閉塞板に押し当てた状態、(b)は中子を押し下げて塗型剤に浸漬した状態を示す。
【図4】実施例2を示し(a)(b)はそれぞれガイドの本数が異なる各態様の平面図を示し、(c)(d)はそのガイドの作用を示す要部拡大正面図
【図5】実施例3の作用図で、(a)は中子を閉塞板に押し当てた状態、(b)は中子を押し下げて塗型剤に浸漬した状態を示す。
【図6】実施例4の作用図で、(a)は中子を閉塞板に押し当てた状態、(b)は中子を押し下げて塗型剤に浸漬した状態を示す。
【符号の説明】
【0038】
1 鋳鉄管の受口
2 鋳鉄管の挿し口
5 チャック
6 塗型剤槽
7 底部
8 閉塞板
9 ざる
10 ガイド
11 モールド
17 中子
18 コイルバネ
19a 紐
19b 滑車
20 おもり
a 溶湯
e 塗型剤
P 鋳鉄管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の鋳鉄管鋳造用中子17をチャック5によりチャッキングし、その中子17の下端開口を閉塞板8により閉じた状態で中子17を塗型剤槽6に浸漬させて、前記中子17の外周に塗型剤eを塗布する際に使用する塗型剤槽において、
上記閉塞板8を上記塗型剤槽6に昇降可能に支持し、その閉塞板8を上方へ付勢して、常時は前記閉塞板8を、その上面が前記塗型剤槽6内の塗型剤eの液面よりも上になる位置に維持し、その中子17の下端縁全周を前記閉塞板8上面に密着させ下端開口を閉じるとともに、その状態で前記付勢力に抗して中子17を押し下げることによりその中子17及び閉塞板8を前記液面よりも下に降下させ、中子17を前記液面よりも上に完全に引き上げることにより前記閉塞板8は前記付勢力によりその上面が前記液面よりも上になる位置に復帰することを特徴とする塗型剤槽。
【請求項2】
上記閉塞板8の昇降は、その閉塞板8の上面が上記液面よりも上になる位置でその上昇が規制されることを特徴とする請求項1に記載の塗型剤槽。
【請求項3】
上記閉塞板8の支持は、上記塗型剤槽6に設けたガイド10によることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗型剤槽。
【請求項4】
上記付勢力は、上記閉塞板8と上記塗型剤槽6との間に設けたコイルバネ18により付与されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗型剤槽。
【請求項5】
上記閉塞板8に紐19aを取り付け、その紐を上方へ導いて滑車19bを介して下方に反転させてその先端におもり20を取り付け、上記付勢力は、そのおもり20により付与されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗型剤槽。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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