説明

鋼板耐力壁

【課題】耐力が高く壁厚の小さな鋼板耐力壁を提供すること。
【解決手段】外周に配置された枠材110、112、120と枠材に固定された面材130、230とを備え、面材は、所定の間隔で突出した互いに平行な複数の突出部132、232と突出部の端部で、面材が折り重ねられた折り重ね部142、242とを有し、突出部は、枠材の内側方向に突出するように、面材が枠材に固定されたことを特徴とする。上記面材の板厚は、枠材の板厚のほぼ1/2であり、折り重ね部は、面材が3重に折り重ねられて形成され、面材の幅方向端部において上下方向に配置されるとしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板耐力壁に関し、構造物の耐力壁の面材に好適である鋼板耐力壁に関する。
【背景技術】
【0002】
木造ツーバイフォー住宅、スチールハウス等の構造物は、枠組壁工法によって建築されており、構造形式は、壁構造である。壁構造は、耐力壁によって、重力、風、地震等の荷重を支持する構造である。枠組壁工法の構造物は、一般に、枠材と面材とからなる耐力壁を有する。具体的には、枠材は、縦枠と下枠、上枠とから構成され、これらの枠材を組み合わせた表面に、面材がねじ等で固定される。スチールハウスでは、通常、枠材として薄板軽量形鋼が使用され、面材として、構造用合板及び石膏ボードが使用される。
【0003】
ところで、構造物の床には、折曲げ加工された鋼製のデッキプレートが使用される場合がある。デッキプレートが折曲げ加工されていることによって、床面に対して鉛直方向の外力、例えば、デッキプレート上に施工されるコンクリートの重力荷重や、床面に載置される物の積載荷重等に対して、曲げ変形を抑えることが可能となる。
【0004】
床材としてデッキプレートを使用する例として、例えば、折曲げ加工によって形成された補強リブを有するデッキプレートが、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された補強リブを有するデッキプレートは、デッキプレートの側縁近傍では補強リブが無く、断面形状が平板状に形成されたものが使用されてきた。デッキプレートの側縁近傍の断面形状を平板状にすることによって、デッキプレート側縁からのセメントペーストや骨材の流出を防止することができた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−279291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、折曲げ加工した面材は、耐力壁の面材として使用される例は少なく、例えば、荷重を支持しない装飾的なサイディングや、面材に対して鉛直方向の風荷重に耐えるための外壁や屋根などの外装材にのみ使用されてきた。また、他方では、枠組壁工法の耐力壁は、平板状の面材が使用されており、折曲げ加工した面材が適用されることは無かった。
【0007】
床材にデッキプレートを使用する場合、デッキプレートを面外曲げに抵抗させるには、デッキプレートの平板状の端部2辺を固定すればよく、せん断力は伝達する必要がないため、面材同士の接合部は差し込み接合等で十分である。また、デッキプレートを支える枠材(H形鋼)は床の自重、積載荷重を支えるために板厚の厚い部材で作られているため、枠材と面材の接合は、溶接が一般的であり、特殊工具と品質管理が必要となる。
【0008】
そして、枠組壁工法の耐力壁では、壁に対するせん断力を考慮する場合、折曲げ加工された鋼板を使用することで強度が向上することが、最近本願発明の発明者らによって見出された。しかし、突出部が鋼板耐力壁の外側に突出するように、面材を枠材に固定しなければならないため、壁厚が増し、外壁材および開口部枠材の支持に注意が必要とされ、また狭小地においては居住空間の確保に不利な要因となった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、強度を高め、しかも厚みを減少させることが可能な、新規かつ改良された鋼板耐力壁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、外周に配置された枠材と枠材に固定された面材とを備え、面材は、所定の間隔で突出した互いに平行な複数の突出部と突出部の端部で、面材が折り重ねられた折り重ね部とを有し、突出部は、枠材の内側方向に突出するように、面材が枠材に固定されたことを特徴とする、鋼板耐力壁が提供される。
【0011】
かかる構成により、枠材は、通常時の鋼板耐力壁全体の形状を保持し、面材は、鋼板耐力壁に外部から入力されるせん断力に抵抗する。また、突出部は、外部から入力されるせん断力に対する強度を向上させることができ、突出部は、鋼板耐力壁の内部に納まるため、突出部が鋼板耐力壁の外側に突出するように面材を枠材に固定させたときよりも、壁厚を減少させることができる。
【0012】
上記枠材は、縦枠と上枠と下枠とを有し、上枠と下枠は、縦枠より上枠と下枠の板厚だけ厚く、面材の板厚は、上枠と下枠の板厚のほぼ1/2であり、折り重ね部は、面材が3重に折り重ねられて形成され、面材の幅方向端部において上下方向に配置されるとしてもよい。かかる構成により、枠材が、面材の高さ方向に平行な縦枠と、面材の幅方向に平行な上下枠とを備えるとき、折り重ね部は、面材の幅方向端部において上下方向、すなわち縦枠に沿って配置される。そして、上下枠が縦枠よりも枠材の厚さだけ厚いとき、面材の板厚は、枠材の板厚のほぼ1/2であり、折り重ね部は、面材が3重に折り重ねられて形成されることから、折り重ね部を有する面材には不陸が生じない。なお、面材の幅方向端部とは、鋼板耐力壁を立てたときの面材の両側端近辺の領域であり、面材の高さ方向端部とは、鋼板耐力壁を立てたときの面材の上下端近辺の領域である。
【0013】
上記枠材と、折り重ね部とが、ねじ結合されるとしてもよい。かかる構成により、面材が厚くなった折り重ね部にねじ結合がされているため、面材の支圧耐力を高めることができ、簡単かつ迅速に耐力壁の最大耐力を向上させることができる。また、面材の支圧耐力が向上することから、面材の幅方向端部のねじ結合の数を、折り重ね部以外のみにねじ結合するときよりも減少させることができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外周に配置された枠材と枠材に固定された面材とを備え、面材は、所定の間隔で突出した互いに平行な複数の突出部と突出部の端部で、面材が折り重ねられた折り重ね部とを有し、突出部は、枠材の外側方向に突出するように、面材が枠材に固定されたことを特徴とする、鋼板耐力壁が提供される。
【0015】
かかる構成により、枠材は、通常時の鋼板耐力壁全体の形状を保持し、面材は、鋼板耐力壁に外部から入力されるせん断力に抵抗する。また、突出部は、外部から入力されるせん断力に対する強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、耐力壁の強度を高め、しかも厚みを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る鋼板耐力壁について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼板耐力壁100の正面図、側面図及び下面図である。図2は、本実施形態に係る鋼板耐力壁100の斜視図である。図3は、図1のA−A線で切断した断面図である。図4は、図1のB−B線で切断した部分拡大断面図である。図5は、図1のC−C線で切断した部分拡大断面図である。
【0019】
鋼板耐力壁100は、枠組壁工法によって建築される壁パネルである。鋼板耐力壁100は、ランナー110、112と、スタッド組合せ材120と、エンドクローズ加工した折板130とから構成される。ここで、ランナー110、112は、下枠、上枠の一例である。スタッド組合せ材120は、スタッド121を2本組み合わせて構成され、スタッド121は、縦枠の一例である。折板130は、面材の一例である。また、下枠、上枠、縦枠を総称したものが、枠材である。
【0020】
ランナー110、112は、例えば、薄板軽量形鋼であり、具体的には、例えば軽溝形鋼が使用される。ランナー110、112は、図4に示すように、断面がコの字形状を有しており、フランジ部114と、ウェブ部116とからなる。フランジ部114は、互いに平行な2枚の板材である。ウェブ部116は、2枚のフランジ114のそれぞれの一側端部で連続的に、フランジ部114に対してほぼ垂直に形成された1枚の板材である。ランナー110、112は、例えば冷間ロール成形によって製造される。
【0021】
ランナー110、112の長さは、例えば910mm、肉厚は、例えば1.0mm〜1.6mm等のものが使用されるが、ランナー110、112の長さや肉厚は、上記の例に限定されない。また、フランジ部114やウェブ部116の断面寸法も、鋼板耐力壁100の設計に応じて選択される。
【0022】
ランナー110、112は、鋼板耐力壁100の周囲に配置される枠材のうち、鋼板耐力壁100の上部及び下部に配置される。ここで、下部に配置されるランナーを下ランナー110といい、上部に配置されるランナーを上ランナー112という。下ランナー110は、鋼板耐力壁100を設置する階の床面上に、ウェブ部116が接触するように固定され、上ランナー112は、鋼板耐力壁100を設置する階の床根太に接触するように固定される。下ランナー110と床材、上ランナー112と床根太との結合は、例えば、ドリルねじ等によって行われる。
【0023】
スタッド組合せ材120は、鋼板耐力壁100の周囲に配置される枠材のうち、鋼板耐力壁100の両側部に配置される。このとき、スタッド組合せ材120は、図1及び図3に示すように、2本のスタッド121を相互のウェブ部126が互いに接触するように組み合わされる。そして、組み合わせられた2本のスタッド121から構成されるスタッド組合せ材120が、鋼板耐力壁100の両側端に1組ずつ配置される。スタッド組合せ材120は、鋼板耐力壁100の上下方向に、ランナー110、112に対して垂直方向に配置される。
【0024】
スタッド121は、例えば、薄板軽量形鋼であり、具体的には、例えばリップ溝形鋼が使用される。スタッド121は、図3に示すように、断面がほぼCの字形状を有しており、フランジ部124と、ウェブ部126と、リップ部128とからなる。フランジ部124は、互いに平行な2枚の板材である。ウェブ部126は、2枚のフランジ部124のそれぞれの一側端部と連続的に、フランジ部124に対してほぼ垂直に形成された1枚の板材である。リップ部128は、ウェブ部126と接続されていないフランジ部124の他の側端部と連続的に、スタッド121の内側方向に、フランジ部124に対してほぼ垂直に形成された板材である。スタッド121は、例えば、冷間ロール成形によって製造される。
【0025】
スタッド121の長さは、例えば2430mm、2730mm、肉厚は、例えば1.0mm〜1.6mm等のものが使用されるが、スタッド121の長さや肉厚は、上記の例に限定されない。また、フランジ部124、ウェブ部126、リップ部128の断面寸法も、鋼板耐力壁100の設計に応じて選択される。
【0026】
スタッド組合せ材120の上下端部は、ランナー110、112の溝内に納められる。例えば、スタッド組合せ材120のスタッド121は、図4に示すように、スタッド121のフランジ部124の外側が、ランナー110、112のフランジ部114の内側に接触するように納められる。スタッド121のフランジ部124と、ランナー110、112のフランジ部114とは、例えばドリルねじ150によって固定される。
【0027】
以上のように、下ランナー110と、上ランナー112と、スタッド121が組み合わされたスタッド組合せ材120とが相互に固定されることによって、例えば長方形状の枠材が構成される。そして、この枠材は、通常時の鋼板耐力壁100全体の形状を保持することができる。
【0028】
折板130は、例えば、鋼製の面材であり、図1及び図2に示すように、突出部132と、平面部134と、エンドクローズ部140とからなる。突出部132と平面部134とは、折板130の高さ方向、即ち鋼板耐力壁100を立てたときの上下方向に、交互に配列される。更に、エンドクローズ部140は、図1、図2及び図4に示すように、折り重ね部142と、平坦部144とからなる。
【0029】
折板130は、具体的には、例えばエンドクローズ加工された折板構造の鋼板が使用される。エンドクローズ加工された折板130は、1枚の平板状の鋼板から折曲げ加工されて形成される。具体的には、例えば、まず、鋼板を折曲げ加工して、図5に示した突出部132と同じテーパ状の突出を、折板130の一方の幅方向端部から他方の幅方向端部にわたって形成する。次いで、折板130の幅方向端部近辺の領域にあるテーパ状の突出をプレス機等によって押圧する。その結果、押圧されなかった折板130の中央の領域は、突出部132と、平面部134とが形成され、押圧された折板130の幅方向端部の領域は、エンドクローズ部140となり、折り重ね部142と、平坦部144とが形成される。
【0030】
突出部132は、図5に示すように、折板130の幅方向の中央に奥行きDの突出を有する。奥行きDは、例えば、鋼板耐力壁100の壁厚さの半分未満である。突出部132は、折板130の高さ方向断面がテーパ状である。即ち、突出部132は、折板130の高さ方向に幅Hの開口を有し、幅Hの底面を有する。そして、幅Hは、幅Hよりも長い。また、突出部132は、図3に示すように、折板130の幅方向断面がテーパ状である。即ち、突出部132は、折板130の幅方向、即ち鋼板耐力壁100を立てたときの水平方向に、折板130の幅より狭い幅Wの開口を有し、幅Wの底面を有する。そして、幅Wは、幅Wよりも長い。なお、突出部132の形状は、上記の例に限定されず、例えば、図5に示す幅Hの底面を有さず、折板130の高さ方向断面が三角形状であってもよい。
【0031】
そして、複数の突出部132が、所定の間隔で平行に配列される。なお、図1及び図2には、突出部132が7列形成される場合を示したが、この例に限定されず、突出部132の列数は、鋼板耐力壁100の高さや、折板130の強度設計に応じて変更される。
【0032】
平面部134は、折板130の幅方向全てにわたって、平板状である。平面部134は、折板130の高さ方向端部、即ち上下端部、及び平行に配列された複数の突出部132の間に複数配列される。折板130がランナー110、112及びスタッド121に配置されると、平面部134の面は、ランナー110、120のフランジ部114及びスタッド121のフランジ部124と平行に配置されることになる。
【0033】
エンドクローズ部140は、突出部132の幅方向の両端部に形成され、折板130が折り重ねられた折り重ね部142と、折板130が折り重ねられていなく、1枚で形成された平坦部144と、からなる。
【0034】
エンドクローズ部140は、平面部134の面内近傍に収まるように形成される。平面部134の面内近傍にエンドクローズ部140が形成されることで、折板130を枠材に固定したとき、エンドクローズ部140を鋼板耐力壁100の外側方向に突出させずに、突出部132を鋼板耐力壁100の内側方向に向けて配置することができる。そのため、壁厚を減らすことができる。
【0035】
折り重ね部142は、図1及び図2に示すように、突出部132の両側端部で、折板130の高さ方向上下に2箇所ずつ形成される。折り重ね部142は、折板130の幅方向端部、即ち側端部において上下方向に配置される。折り重ね部142は、図4に示すように、鋼板が3重に折り重ねられて形成される。折り重ね部142は、鋼板が、鋼板耐力壁100の高さ方向に折り曲げられ、互いに重ねられて形成される。折り重ね部142の一端は、平面部134に連続しており、他端は、エンドクローズ部140の平坦部144に連続している。
【0036】
折り重ね部142の厚さは、鋼板が3重に折り重ねられているため、平面部134の厚さ、即ち折板130の厚さtの約3倍となる。折り重ね部142は、厚さが3×tとなるため、例えばエンドクローズ加工のない折板の曲げ強度よりも、折板130の曲げ強度を向上させる。従って、鋼板耐力壁100に外力が入力されたとき、折り重ね部142は、スタッド121のねじれを抑制することができる。
【0037】
平坦部144は、2つの折り重ね部142の間に位置する。折板130がスタッド121上に配置されたとき、平坦部144は、スタッド121と接触する。平坦部144は、折板130の幅方向端部において上下方向に配置される。
【0038】
次に、折板130とランナー110、112、スタッド組合せ材120との固定について説明する。
【0039】
折板130は、ランナー110、112及びスタッド組合せ材120に固定されるとき、突出部132が鋼板耐力壁100の内側方向に向くように固定される。その結果、突出部132は、鋼板耐力壁100の内部に納まるため、突出部132を枠材の外側方向に突出するように折板130を枠材に固定するときよりも、壁厚を減少させることができる。また、鋼板の厚さは例えば1mm以下であるため、厚さ9mmの合板を面材としたスチールハウスの従来の耐力壁と比べると、ほぼ面材の厚みの差の分だけ壁厚を減らすことができる。
【0040】
折板130とランナー110、112とは、図1に示すように、折板130の上下端部の平面部134で、例えばドリルねじ150によって、ねじ結合される。また、折板130とスタッド組合せ材120のスタッド121とは、図1及び図4に示すように、折り重ね部142及び平坦部144で、例えばドリルねじ150によって、ねじ結合される。
【0041】
なお、ねじ結合は、平面部134、折り重ね部142、平坦部144において、図1及び図2に示すような位置に設けられる場合に限定されない。例えば、折板130とスタッド121とのねじ結合の位置を図6に示す。図6は、本実施形態に係る鋼板耐力壁を示す部分正面図である。図6(a)に示すように、折板130とスタッド121とは、折り重ね部142のみにねじ結合されて、固定されてもよい。また、図6(b)に示すように、折板130とスタッド121とは、平坦部144のみにねじ結合されて、固定されてもよく、1つの平坦部144につき、1箇所又は2箇所以上にねじ結合がされてもよい。更に、例えば、鋼板耐力壁100の強度設計などに応じて、ねじ結合の総数を変えることができる。
【0042】
次に、折板130とランナー110、112、スタッド組合せ材120とが固定されたときの折板130の納まりについて説明する。本実施形態の構成によれば、図4に示すように、折板130の板厚tが、ランナー110、112のフランジ部114の厚さtの1/2程度であるとき、折り重ね部142の厚さ3×tは、折板130とランナー110、112とを結合した厚さ(t+t)とほぼ等しくなる。その結果、平面部134は、スタッド121のフランジ部124と平行に配置され、平面部134は、鋼板耐力壁100において均一な面となり、不陸を発生させない。鋼板耐力壁100の全ての平面部134で、不陸が解消されると鋼板耐力壁100上の仕上げを精度良く行うことができる。
【0043】
即ち、床材にデッキプレートを適用する場合、コンクリートを打設するため、不陸が生じても問題が生じにくいが、本実施形態のように、壁材の場合、断熱材や外壁等の乾式部材を折板上に重ねる必要がある。本発明の第1の実施形態によれば、折板130とランナー110、112及びスタッド121の接合において、不陸が生じないため、鋼板耐力壁100上の仕上げを精度良く行うことができる。
【0044】
次に、本実施形態の鋼板耐力壁に外力が入力される場合の、鋼板耐力壁の作用について説明する。鋼板耐力壁100は、鋼板耐力壁100が設置された階よりも上階の重力荷重や積載荷重を受け、更に風荷重、地震荷重等を受けることによって、外力が入力される。
【0045】
折板130は、折曲げ加工されて、突出部132と平面部134が複数形成されているため、せん断力に対しては、平板状の面材と比べて、局所的な応力集中が起きないため、エネルギー吸収能力が向上する。
【0046】
また、折板130とスタッド121とが、エンドクローズ部140の折り重ね部142でねじ結合されることによって、鋼板耐力壁100に外力が入力された場合のねじ周りの折板130の支圧耐力を高めることができる。このことについて、以下に詳細に説明する。
【0047】
本実施形態では、折板130の板厚tを0.6 mm〜2.4 mm、スタッド121の板厚tを1.2 mm、折板130の鋼板の設計基準強度F値(F)及びスタッド121の鋼板の設計基準強度F値(F)を280
N/mm2、ドリルねじ径dを4.8 mm、ドリルねじの断面積Ad1をAd1=π×d12/4(mm2)、ドリルねじの長期許容せん断応力度でねじ部有効断面積比(0.55)を考慮した値fをfs=570/(1.5×31/2)×0.55≒120(N/mm2)とする。
【0048】
このとき、ねじ結合部の長期許容せん断耐力Ras(kN)は、(1)ねじ斜め抜け出し耐力Ras1(kN)、(2)ねじ周りの折板130の鋼板の支圧耐力Ras2(kN)、(3)ねじ周りのスタッド121の鋼板の支圧耐力Ras3(kN)、(4)ねじ地震の軸部せん断耐力Ras4(kN)の4つの破壊モードに対応する耐力の最小値となる。
【0049】
ここで、
Ras1=2.2η1/2×(t2/d1)3/2×Ad1×F2
但し、影響係数ηは、
η=3.1-5.6(t1/t2)+3.5(t1/t2)2
Ras2=0.43{0.6+12(t2/d1)}×(t1/d1)×Ad1×F1
Ras3=0.43{1.5+6.7(t1/d1)}×(t2/d1)×Ad1×F2
Ras4=fs×Ad1≒120×Ad1
である。
【0050】
そして、折板130の板厚tを0.6 mm〜2.4 mmの範囲で0.2 mmずつ変化させたときのRas1、Ras2、Ras3、Ras4を算出した。図7は、本実施形態に係る鋼板耐力壁のねじ結合部の長期許容せん断耐力を示すグラフであり、RasやRas1〜Ras4と折板130の板厚tとの関係を示す。図7では、Ras1〜Ras4の最小値Rasを実線で結んだ。
【0051】
算出結果より、折板130の板厚tが0.6 mmの場合、例えば平坦部144の位置で1枚の折板130とスタッド121とをねじ結合すると仮定すると、ねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras2がRas1〜Ras4のうち最小値を示し、Ras(=Ras2)=0.98(kN)である。この結果は、ねじ周りの折板130が、ドリルねじ150や、スタッド121よりも破損しやすいことを表す。
【0052】
一方、3重に折板130を折り重ねた折り重ね部142の板厚は、折板130の板厚tの3倍であり、3×t=1.8 mmである。ここで、折り重ね部142のねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、折板130の3倍の板厚の鋼板を用いたときに相当すると仮定する。そして、厚さ1.8
mmのときについて検討すると、上記算出式より、折り重ね部142のねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras4がRas1〜Ras4のうち最小値を示し、Ras(=Ras4)=2.17(kN)である。この結果は、ドリルねじが、ねじ周りの折板130や、スタッド121よりも破損しやすいことを表す。
【0053】
以上の結果より、折板130の板厚tが0.6 mmの場合、1枚の折板130でスタッド121とねじ結合した場合より、折り重ね部142でスタッド121とねじ結合した場合のほうが、約2.2倍(=2.17/0.98)の耐力が発揮される。従って、本実施形態では、折板130とスタッド121とが、エンドクローズ部140の折り重ね部142でねじ結合されることによって、鋼板耐力壁100に外力が入力された場合のねじ周りの折板130の支圧耐力を高めることができるといえる。
【0054】
また、同様に、折板130の板厚tが0.8 mmの場合について検討すると、例えば平坦部144の位置で1枚の折板130とスタッド121とをねじ結合したときの、ねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras2がRas1〜Ras4のうち最小値を示し、Ras(=Ras2)=1.31(kN)である。一方、3重に折板130を折り重ねた折り重ね部142の板厚は、板厚tの3倍の2.4
mmであり、折り重ね部142のねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras4がRas1〜Ras4のうち最小値を示し、Ras(=Ras4)=2.17(kN)である。
【0055】
以上の結果より、折板130の板厚tが0.8 mmの場合、1枚の折板130でスタッド121とねじ結合した場合より、折り重ね部142でスタッド121とねじ結合した場合のほうが、約1.7倍(=2.17/1.31)の耐力が発揮される。従って、この場合でも、折板130とスタッド121とが、折り重ね部142でねじ結合されることによって、鋼板耐力壁100に外力が入力された場合のねじ周りの折板130の支圧耐力を高めることができるといえる。
【0056】
次に、折板130の上下端部の平面部134で、ランナー110、112と1枚の折板130とが、ねじ結合されたときのねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasと、スタッド121と折板130とが、折り重ね部142のみでねじ結合されたときのねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasとを比較する。
【0057】
折板130の板厚tを0.6 mm、スタッド121の板厚tを1.2 mm、ランナー110、112の板厚tをスタッド121の板厚tと同じ1.2
mmとし、他の条件については、上記の例と同様の条件とした場合、ランナー110、112と1枚の折板130とが、ねじ結合されたときのねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras=1.31(kN)である。一方、折り重ね部142とスタッド121とがねじ結合されたときのねじ結合部の長期許容せん断耐力Rasは、Ras=2.17(kN)である。
【0058】
以上の結果より、折板130の板厚tが0.6 mmの場合、ランナー110、112と1枚の折板130とをねじ結合した場合より、折り重ね部142のみでスタッド121と折板130とをねじ結合した場合のほうが、約2.2倍(=2.17/0.98)の耐力が発揮される。
【0059】
ところで、鋼板耐力壁100の耐力を決定するためには、ランナー110、112と折板130とのねじ結合部の耐力と、スタッド121と折り重ね部142とのねじ結合部の耐力は、均等であるとよい。鋼板耐力壁100全てのねじ結合部を考慮して、鋼板耐力壁100の耐力を決定することができるからであり、ランナー110、112側、又はスタッド121側のいずれか一方のねじ結合部の耐力が弱いとすると、耐力が弱いほうのねじ結合部によって、鋼板耐力壁100の耐力が決定されてしまうからである。
【0060】
従って、ランナー110、112と1枚の折板130とのねじ結合部の耐力と、スタッド121と折り重ね部142とのねじ結合部の耐力を均等にする場合、スタッド121側のねじ結合部間のピッチP(図6(a)参照)は、ランナー110、112側のねじ結合部間のピッチP(図6(a)参照)よりも長くすることができる。具体的には、ランナー110、112と1枚の折板130とのねじ結合部の耐力と、スタッド121と折り重ね部142とのねじ結合部の耐力の比率によって、ねじ結合部間のピッチP、Pを決定することができる。例えば、スタッド121と折り重ね部142とのねじ結合部の耐力が、ランナー110、112と1枚の折板130とのねじ結合部よりも、2倍の耐力となる場合、スタッド121側のねじ結合部間のピッチPは、ランナー110、112側のねじ結合部間のピッチPの2倍とすることができる。
【0061】
また、折り重ね部142でねじ結合することによって、スタッド121と折板130とのねじ結合部間のピッチPは、折り重ね部142以外、例えば平坦部144でスタッド121と1枚の折板130とをねじ結合する場合よりも、ねじ結合部間のピッチを長くすることができる。従って、折り重ね部142でねじ結合をする本実施形態は、スタッド121側のねじ結合部の総数を減少させることができる。
【0062】
以上まとめると、本実施形態では、エンドクローズ部140の折り重ね部142でねじ結合することにより、ねじ結合部の長期許容せん断耐力、即ち折板130の支圧耐力を向上させることができる。従って、鋼板耐力壁100の耐力を決定するため、ランナー110、112と1枚の折板130とのねじ結合部の耐力と、折り重ね部142と折板130とのねじ結合部の耐力を均等にする場合、スタッド121側のねじ結合部間のピッチPを、ランナー110、112側のねじ結合部間のピッチPよりも長くすることができる。また、折り重ね部142でねじ結合をするので、平坦部144でねじ結合する場合よりも、スタッド121側のねじ結合部の総数を減少させることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る鋼板耐力壁について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る鋼板耐力壁200の正面図、側面図及び下面図である。図9は、本実施形態に係る鋼板耐力壁200の斜視図である。図10は、図8のD−D線で切断した断面図である。図11は、図8のE−E線で切断した断面図である。図5は、図9のF−F線で切断した断面図である。
【0064】
本実施形態は、ランナー110、112、スタッド121からなるスタッド組合せ材120が、第1の実施形態のランナー110、112、スタッド121からなるスタッド組合せ材120の構成と同一であるため、これらの部材の詳細な説明は省略する。以下、折板230について説明する。
【0065】
折板130は、例えば、鋼製の面材であり、図8及び図9に示すように、突出部232と、平面部234と、エンドクローズ部240とからなる。突出部232と平面部234とは、折板230の幅方向、即ち鋼板耐力壁200を立てたときの水平方向に、交互に配列される。更に、エンドクローズ部240は、図8、図9及び図11に示すように、折り重ね部242と、平坦部244とからなる。
【0066】
折板230は、例えばエンドクローズ加工された折板構造の鋼板が使用される。エンドクローズ加工された折板230は、第1の実施形態の折板130と同様に、1枚の平板状の鋼板から折曲げ加工されて形成され、折板230の高さ方向端部近辺の領域にあるテーパ状の突出をプレス機等によって押圧することによって形成される。押圧されなかった折板230の中央の領域は、突出部232と、平面部234とが形成され、押圧された折板230の高さ方向端部の領域は、エンドクローズ部240となり、折り重ね部242と、平坦部244とが形成される。
【0067】
突出部232は、図10に示すように、折板230の幅方向の中央に奥行きDの突出を有する。奥行きDは、例えば、鋼板耐力壁200の壁厚さの半分未満である。突出部232は、折板230の幅方向断面がテーパ状である。即ち、突出部232は、折板230の幅方向に幅Hの開口を有し、幅Hの底面を有する。そして、幅Hは、幅Hよりも長い。また、突出部232は、図12に示すように、折板230の高さ方向断面がテーパ状である。即ち、突出部232は、折板230の高さ方向に、折板230の高さより狭い幅Wの開口を有し、幅Wの底面を有する。そして、幅Wは、幅Wよりも長い。なお、突出部232の形状は、上記の例に限定されず、例えば、図10に示す幅Hの底面を有さず、折板230の高さ方向断面が三角形状であってもよい。
【0068】
そして、複数の突出部232が、所定の間隔で平行に配列される。なお、図8及び図9には、突出部232が3列形成される場合を示したが、この例に限定されず、突出部232の列数は、鋼板耐力壁200の幅や、折板230の強度設計に応じて変更される。
【0069】
平面部234は、折板230の高さ方向全てにわたって、平板状である。平面部234は、折板230の幅方向端部、即ち両側端部、及び平行に配列された複数の突出部232の間に複数配列される。折板230がランナー110、112及びスタッド121に配置されると、平面部234の面は、ランナー110、120のフランジ部114及びスタッド121のフランジ部124と平行に配置されることになる。
【0070】
エンドクローズ部240は、突出部232の面材高さ方向の両端部に形成され、折板230が折り重ねられた折り重ね部242と、折板230が折り重ねられていなく、1枚で形成された平坦部244と、からなる。
【0071】
エンドクローズ部240は、平面部234の面内近傍に収まるように形成される。平面部234の面内近傍にエンドクローズ部240が形成されることで、折板230を枠材に固定したとき、エンドクローズ部240を鋼板耐力壁200の外側方向に突出させずに、突出部232を鋼板耐力壁200の内側方向に向けて配置することができる。そのため、壁厚を減らすことができる。
【0072】
折り重ね部242は、図8及び図9に示すように、突出部232の両端部で、折板230の幅方向左右に2箇所ずつ形成される。折り重ね部242は、折板230の高さ方向端部、即ち側端部において上下方向に配置される。折り重ね部242は、図11に示すように、鋼板が3重に折り重ねられて形成される。折り重ね部242は、鋼板が、鋼板耐力壁200の高さ方向に折り曲げられ、互いに重ねられて形成される。折り重ね部242の一端は、平面部234に連続しており、他端は、エンドクローズ部240の平坦部244に連続している。
【0073】
平坦部244は、2つの折り重ね部242の間に位置する。折板230がスタッド121上に配置されたとき、平坦部244は、スタッド121と接触する。平坦部244は、折板230の高さ方向端部において上下方向に配置される。
【0074】
次に、折板230とランナー110、112、スタッド組合せ材120との固定について説明する。
【0075】
折板230は、ランナー110、112及びスタッド組合せ材120に固定されるとき、突出部232が鋼板耐力壁200の内側方向に向くように固定される。その結果、突出部232は、鋼板耐力壁200の内部に納まるため、突出部232を枠材の外側方向に突出するように折板230を枠材に固定するときよりも、壁厚を減少させることができる。
【0076】
折板230とスタッド120とは、図8に示すように、折板230の両側端部の平面部234で、例えばドリルねじ150によって、ねじ結合される。また、折板230とランナー110、112とは、図8及び図11に示すように、折り重ね部242及び平坦部244で、例えばドリルねじ150によって、ねじ結合される。
【0077】
なお、ねじ結合は、平面部234、折り重ね部242、平坦部244において、図8及び図9に示すような位置に設けられる場合に限定されない。例えば、折板230とランナー110、112とは、折り重ね部242のみにねじ結合されて、固定されてもよい。また、折板230とランナー110、112とは、平坦部244のみにねじ結合されて、固定されてもよく、1つの平坦部244につき、1箇所又は2箇所以上にねじ結合がされてもよい。更に、例えば、鋼板耐力壁200の強度設計などに応じて、ねじ結合の総数を変えることができる。
【0078】
折板230は、折曲げ加工されて、突出部232と平面部234が複数形成されているため、せん断力に対しては、平板状の面材と比べて、局所的な応力集中が起きないため、エネルギー吸収能力が向上する。
【0079】
また、折板230とランナー110、112とが、エンドクローズ部240の折り重ね部242でねじ結合されることによって、鋼板耐力壁200に外力が入力された場合のねじ周りの折板230の支圧耐力を高めることができる。この作用効果については、上述した第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0080】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、鋼板耐力壁は、折板がランナーとスタッドの4辺で固定されることによって、せん断力に抵抗することができ、また、隣接する折板同士の継ぎ目のずれを防止して、せん断力に抵抗することができる。
【0081】
床では、大きな荷重を支える必要があるため、H形鋼など板厚の厚い部材を使用し、デッキプレートとH形鋼の接合は、溶接が一般的である。一方、本実施形態のように、壁では、ランナーやスタッドといった板厚が薄い枠材を使用するため、溶接で接合することは好ましくない。そこで、本実施形態によれば、折り重ね部にねじ結合するので、ねじで応力を効率よく伝達することができ、耐力が向上した鋼板耐力壁を実現することができる。また、ねじ本数を減らすことができるので、効率良く鋼板耐力壁を得られる。
【0082】
また、本発明の実施形態によれば、現行スチールハウスの耐力壁にくらべて耐力が高く、しかも厚みの小さな耐力壁を実現することができる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
例えば、上記実施形態では、ねじ結合の位置や数について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上述以外の場所で折板と枠材とをねじ結合してもよいし、ねじ結合部間を等間隔とせずに、様々な間隔で折板と枠材とが結合されるとしてもよい。例えば、壁の厚みを薄くする必要はないものの、ねじの総数は減らしたい場合は、面材の突出部を枠材の外側に向けてもよい。
【0085】
例えば、上記実施形態では、折板の形状について、平面部、平坦部の形状が平板状であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、平面部や平坦部で、折曲げ加工がされていることにより、曲げ強度を向上させるとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る鋼板耐力壁を示す正面図、下面図及び側面図である。
【図2】同実施形態に係る鋼板耐力壁を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A線で切断した断面図である。
【図4】図1のB−B線で切断した断面図である。
【図5】図1のC−C線で切断した断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る鋼板耐力壁の変更例を示す正面図である。
【図7】同実施形態に係る鋼板耐力壁のねじ接合部の許容せん断力を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る鋼板耐力壁を示す正面図、下面図及び側面図である。
【図9】同実施形態に係る鋼板耐力壁を示す斜視図である。
【図10】図8のD−D線で切断した断面図である。
【図11】図8のE−E線で切断した断面図である。
【図12】図8のF−F線で切断した断面図である。
【符号の説明】
【0087】
100、200 鋼板耐力壁
110、112 ランナー
114、124 フランジ部
116、126 ウェブ部
120 スタッド組合せ材
121 スタッド
128 リップ部
130、230 折板
132、232 突出部
134、234 平面部
140、240 エンドクローズ部
142、242 折り重ね部
144、244 平坦部
150 ドリルねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に配置された枠材と前記枠材に固定された面材とを備え、前記面材は、所定の間隔で突出した互いに平行な複数の突出部と、前記突出部の端部で、前記面材が折り重ねられた折り重ね部とを有し、前記突出部は、前記枠材の内側方向に突出するように、前記面材が前記枠材に固定されたことを特徴とする、鋼板耐力壁。
【請求項2】
前記枠材は、縦枠と上枠と下枠とを有し、前記上枠と下枠は、前記縦枠より前記上枠と下枠の板厚だけ厚く、前記面材の板厚は、前記上枠と下枠の板厚のほぼ1/2であり、前記折り重ね部は、前記面材が3重に折り重ねられて形成され、前記面材の幅方向端部において上下方向に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の鋼板耐力壁。
【請求項3】
前記枠材と、前記折り重ね部とが、ねじ結合されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板耐力壁。
【請求項4】
外周に配置された枠材と前記枠材に固定された面材とを備え、前記面材は、所定の間隔で突出した互いに平行な複数の突出部と、前記突出部の端部で、前記面材が折り重ねられた折り重ね部とを有し、前記突出部は、前記枠材の外側方向に突出するように、前記面材が前記枠材に固定されたことを特徴とする、鋼板耐力壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−150911(P2008−150911A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341951(P2006−341951)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】