鋼管コンクリート柱
【課題】耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易にすることが可能な鋼管コンクリート柱を提供する。
【解決手段】鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備える。
【解決手段】鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、構造物の構造材として鋼管コンクリート柱(以下、CFT柱ともいう)が用いられている。このCFT柱は、鋼管内部にコンクリートを充填することにより形成されるものであり、内部のコンクリートと外側の鋼管が互いに拘束し合うため、引張力に強いという鋼管の長所と圧縮力に強いというコンクリートの長所が相乗的に生かされる。その結果、曲げ耐力が大きく、また局部座屈が生じにくいなどの特徴をもった構造となる。
ところが、CFT柱においても後述するように火災時に崩壊してしまうおそれがある。このため、CFT柱にも耐火性能を向上させるために通常の鉄骨柱と同様に耐火被覆を施すのが好ましいが、その場合、耐火被覆の量が多くなってしまう。
そこで、鋼管内部に鉄筋を配筋することによって、柱の外周の鋼管が耐力を喪失した場合に鉄筋にて耐力を補強するようにしたCFT柱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−280096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したCFT柱では、鉄骨の製作工場で鋼管を製作した後、工場または現場にて鋼管内部に鉄筋を配筋する作業が必要であり、鋼管内への鉄筋の挿入や、かぶり厚さの確保、主筋相互の連結などの作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能な鋼管コンクリート柱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため、本発明発の鋼管コンクリート柱は、鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備えることを特徴とする。
このような鋼管コンクリート柱によれば、耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能である。
【0007】
かかる鋼管コンクリート柱であって、記補強体は、前記鋼管コンクリート柱の軸方向に沿って形成された鋼製リブであることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、耐力の向上を図ることが可能である。
【0008】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管コンクリート柱のうちの鉄骨梁との接合部には前記補強体がなく、且つ、耐火被覆が施されていることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、柱の製作の際の作業工数を削減することが可能である。
【0009】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、前記鋼管は前記ダイアフラムと接合され、前記補強体は前記ダイアフラムと非接合であってもよい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、製作をより簡易にすることが可能である。
【0010】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管と前記補強体とが接合された前記複数箇所のうち前記接合部に最も近い箇所から前記接合部までの前記鋼管に前記耐火被覆が施されていることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、火災時に確実に耐力を補強することが可能である。
【0011】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、前記補強体は前記ダイアフラムと接合されていてもよい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、さらに耐火被覆の軽減を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】参考例のCFT柱の平断面図である。
【図2】図2A〜図2Cは、参考例のCFT柱の火災時における熱劣化を説明するための概念図である。
【図3】第1実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
【図4】第1実施形態のCFT柱の柱部の平断面図である。
【図5】仕口部の斜視図である。
【図6】図6A〜図6Cは、第1実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【図7】第2実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
【図8】図8A〜図8Eは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【図9】図9A〜図9Dは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の変形例の説明図である。
【図10】柱現場接合箇所とモーメント力との関係の説明図である。
【図11】柱現場接合箇所とモーメント力との関係の別の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態について説明する前に参考例について説明する。
【0015】
≪参考例≫
図1は参考例の鋼管コンクリート(CFT)柱の平断面図である。
図1に示すように参考例のCFT柱は断面が角型に形成された鋼管100の内部にコンクリート200が充填されて形成されている。言い換えると、CFT柱のコンクリート200の外表面は鋼管100で覆われている。なお、コンクリート200は鋼管100よりも熱拡散率が小さい。
【0016】
また、図2A〜図2Cは、参考例のCFT柱の火災時における熱劣化を説明するための概念図である。
【0017】
通常(常温時)、CFT柱は、図2Aに示すように、鋼管100とコンクリート200が合成構造として一体となって荷重を支持している。
火災が生じると(火災時初期)、CFT柱の外周の鋼管100の温度が上昇する。一方、CFT柱内のコンクリート200は熱拡散率が小さいのでCFT柱の中心側では温度が上昇しにくい。これにより図2Bに示すように、CFT柱の軸方向(矢印方向)に対する鋼管100の膨張変形量が、コンクリート200の膨張変形量に比べて大きくなり、鋼管100が荷重を負担する状態になる。
【0018】
火災が続くと(火災時中期)、鋼管100への荷重の負担が大きくなっているのに加え、鋼管100が熱によって劣化(熱劣化)し、図2Cに示すように、鋼管100に局部座屈が発生する。このように局部座屈が発生すると、鋼管100による荷重の支持ができなくなり、コンクリート200が全荷重を支持するようになる。
そして、さらに火災が続くと(火災時末期)、コンクリート200も温度の上昇に伴い熱劣化していき、最終的にコンクリート200が荷重を支持できなくなりCFT柱が崩壊する。
【0019】
このように、CFT柱においても火災時には崩壊するおそれがある。よって、CFT柱にも通常の鉄骨柱と同様に耐火被覆を施すのが好ましい。しかし、この場合、耐火被覆の量が多く必要になる。
【0020】
また、鋼管内部に鉄筋を配筋することにより柱の外周の鋼管が耐力を喪失した場合に、鉄筋にて耐力を補強するようにしたCFT柱が提案されているが、この場合、鋼管内部に鉄筋を配筋する作業が必要であり、鋼管内への鉄筋の挿入や、かぶり厚さの確保、主筋相互の連結などの作業が煩雑になるという問題がある。
【0021】
そこで本実施形態では、CFT柱の耐火性能を向上させて耐火被覆の軽減を図るとともに、柱の製作を簡易に行なうようにしている。
【0022】
≪第1実施形態≫
図3は、第1実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
図に示すように本実施形態のCFT柱10は、仕口部12(接合部に相当する)で大梁20(鉄骨梁に相当する)と接合されている。なお、以下の説明において、CFT柱10のうち、仕口部12以外の部分を柱部11とよぶ。また、図に示すように大梁20、仕口部12及び柱部11の端部には耐火被覆30が施されている。
【0023】
図4は、第1実施形態のCFT柱10の柱部11の平断面図である。
本実施形態の柱部11は、鋼管110とリブ112とを有している。鋼管110は、参考例の鋼管100と同様に断面が角型に形成されている。リブ112は、鋼製であり鋼管110の長さ方向(すなわちCFT柱10の軸方向)に沿って鋼管110の内部に設けられている。なお、図3に示すようにリブ112は、柱部11の長さ方向の端部(仕口部12の近く)で鋼管110と接合されている。また、この接合箇所以外では、リブ112は鋼管110と非接触になっている。
そして、鋼管110の内部にはコンクリート200が充填されている。
【0024】
仕口部12は、鋼管120とダイアフラム122とを有している。
図5は仕口部12の斜視図である。
【0025】
鋼管120は、鋼管110と同様に断面が角型に形成されている。但し、鋼管120は鋼管110よりも柱の軸方向の長さが短くなっている。ダイアフラム122は、中央にコンクリート200の充填用の円形の貫通孔12aが形成された鉄骨プレートであり、鋼管120と溶接によって接合されている。なお、図3に示すように、仕口部12には耐火被覆30を施しているので、鋼管120の内部に補強体(リブ)を設けなくてもよい。これにより、仕口部12の製作の作業工数を削減することが可能である。
【0026】
大梁20は、断面が例えばH型の鉄骨製の梁であり、CFT柱10の仕口部12と溶接によって接合されている。
【0027】
耐火被覆30は、例えば、珪酸カルシウムボード、石膏ボード、ロックウール、耐火塗料などであり耐火性能を高めるために設けられている。本実施形態では、仕口部12と大梁20とに耐火被覆30が施されている。さらに本実施形態では、柱部11のうち鋼管110とリブ112の接合箇所から仕口部12までの鋼管110(図のHの範囲)にも耐火被覆30が施されている。これは、本実施形態ではリブ112と仕口部12(ダイアフラム122)が接合されていないので、火災時に鋼管110のうちの図のHの範囲の部分が熱劣化してしまうとリブ112による耐力の補強ができなくなるからである。本実施形態では、このHの部分に耐火被覆30を施しているので、火災の際にリブ112による耐力の補強を確実に行うことができる。通常、梁フランジ上端のHの範囲には、床スラブのコンクリートがあり、熱から保護されている。従って、床スラブがある多くの場合では耐火被覆30は不要となる。ただし、リブ112と鋼管110の溶接長さが床スラブ厚さを上回る(床スラブ天端より上に出る)場合は、耐火被覆30により断熱保護を行う。
【0028】
このように、本実施形態のCFT柱10では、CFT柱10のうち柱部11の鋼管110の内面にリブ112が設けられており、このリブ112は柱部11の長さ方向の端部(両端部)で鋼管110と接合され、その接合箇所以外では鋼管110と非接触になっている。そして、鋼管110の内部に熱伝導率の小さいコンクリート200が充填されている。
【0029】
以上の構成により、もし火災の際に、鋼管110が耐力を喪失しても、リブ112で耐力を補強することができる。よって、柱部11(図3のHの部分を除く)を無耐火被覆とすることが可能であるので、耐火被覆の軽減を図ることができる。
【0030】
<製作工法について>
次に、第1実施形態のCFT柱10の製作工法について説明する。
図6A〜図6Cは、第1実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【0031】
まず、図6Aに示すように、鋼管110を製作後、鋼管110の内部に両端がL字状に形成されたリブ112を挿入する。
そして、図6Bに示すように、鋼管110長さ方向の端部の内周面にリブ112の端部を溶接により接合する(図の太線部分)。これにより両端部が鋼管110と接合され、それ以外の箇所は鋼管110と非接触のリブ112を鋼管110の内部に設けることができる。
その後、工場において図6Cに示すように、柱部11を仕口部12のダイアフラム122と溶接により接合し、現場においてその内部にコンクリート200を充填させる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態では柱部11の鋼管110の内面にリブ112を設けている。このリブ112は柱部11の長さ方向の両端側で鋼管110と接続され、それ以外の箇所では鋼管110と非接触になっている。また、リブ112と鋼管110の接合箇所には耐火被覆30が施されている。よって、リブ112は外部の熱による影響を受けにくくなるので、火災の際に柱部11の外周の鋼管110が耐力を喪失しても、リブ112で耐力を補強することができる。これにより、柱部11を無耐火被覆とすることができるので、耐火被覆を軽減することが可能である。
【0033】
また、本実施形態では、工場にて鋼管110を製作する際にリブ112を接合しておくことができる。よって、鋼管内に鉄筋を配筋する場合と比べて、CFT柱10の製作を簡易に行うことができる。
【0034】
≪第2実施形態≫
図7は、第2実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。なお、図7において図3と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0035】
第2実施形態のCFT柱10においても、第1実施形態と同様に柱部11にリブ112が備えられており、このリブ112は柱部11の長さ方向の端部で鋼管110の内周面と接合されている。
ただし、第2実施形態では、リブ112が仕口部12のダイアフラム122にも接合されている。このように第2実施形態では、リブ112とダイアフラム122が接合しているので、柱部11の鋼管110が完全に熱劣化してもリブ112によって耐力の補強を行うことができる。このため、第2実施形態では仕口部12と大梁20のみに耐火被覆30が施されており、柱部11は無耐火被覆となっている。よって、第2実施形態ではさらに耐火被覆の軽減を図ることができる。
【0036】
<製作工法について>
図8A〜図8Eは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
まず、図8Aに示すように、鋼管110を製作後、鋼管110の内部に両端がL字状に形成されたリブ112を挿入する。なお、第2実施形態では鋼管110の全長とリブ112の長さは等しくなっている。
そして、図8Bに示すように、鋼管110長さ方向の両端部の内周面にリブ112の端部を溶接により接合する。これにより柱部11が形成される。
さらに、第2実施形態では、図8Cに示すように、柱部11の両端にダイアフラム122を溶接により接合する。そして、その後、ダイアフラム122の貫通孔12a(図5参照)を利用して、図8Dに示すように、鋼管110内のリブ112とダイアフラム122とを溶接により接合する。
そして、工場において、図8Eに示すように、ダイアフラム112と鋼管120とを溶接により接合し、現場においてその内部にコンクリート200を充填する。
【0037】
このように、第2実施形態では、リブ112を鋼管110と接合しているのに加え、リブ112を仕口部12のダイアフラム122にも接合している。これにより、柱部11を完全に無耐火被覆とすることができ、耐火被覆の軽減をさらに図ることができる。
なお、リブ112とダイアフラム122との接合は、ダイアフラム122のコンクリート充填用の貫通孔12aを利用して容易に行うことができる。
【0038】
≪第2実施形態の変形例≫
図9A〜図9Dは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の変形例の説明図である。
なお、この変形例では、柱部11の鋼管として、鋼管110よりも全長の短い(例えば半分の長さの)鋼管110Aと鋼管110Bを用いる。また、鋼管110A及び鋼管110Bのそれぞれの全長に対応した長さのリブ112Aとリブ112Bを用いる。
【0039】
この変形例では、図9Aに示すように、まずリブ112Aの一端をダイアフラム122に溶接する。同様にリブ112Bの一端をダイアフラム122に溶接する。
そして、図9Bに示すように、ダイアフラム122と接合されたリブ112Aを鋼管110Aに挿入する。同様にして、リブ112Bを鋼管110Bに挿入する。
挿入後、図9Cに示すように、ダイアフラム122と鋼管110Aとを溶接により接合する。また、リブ112Aの他端と鋼管110Aの内周面とを溶接により接合する。同様に、ダイアフラム122と鋼管110Bとを溶接により接合し、リブ112Bの他端と鋼管110Bの内周面とを溶接により接合する。
そして、図9Dに示すように鋼管110Aと鋼管110Bの端部を溶接により接合する。
【0040】
この変形例においても、柱部11を完全に無耐火被覆とすることができ、耐火被覆の軽減を図ることができる。
また、この変形例では、予めリブ112A(112B)とダイアフラム122とを接合しているので、CFT柱10の製作をより簡易にすることができる。
【0041】
なお、前述した各実施形態において、CFT柱10の柱部11が複数の鋼管で構成され、現場で上下の鋼管を接合する場合、その接合箇所(以下、柱現場接合箇所ともいう)については、鋼管内のリブ同士を接合できないことになる。このような場合、柱現場接合箇所は、火災時の架構に作用するモーメント力を伝達出来ない。
【0042】
図10及び図11は、柱現場接合箇所とモーメント力との関係の説明図である。なお、図10及び図11の左側はCFT柱10と大梁20との接合構造を示す図であり、右側はモーメント力を表した図である。
【0043】
図10の場合、下側の大梁20に近い位置(例えば、下側の大梁20よりも1メートル程度上の位置)でモーメント力がゼロになる。この場合、柱脚部よりも柱頭部でのモーメント力が大きくなり、柱頭部は柱脚部よりも大きな断面が必要となるが、火災時に作用する力に対してラーメン架構として抵抗できる。また、図11のように階高の中央付近に柱現場接合箇所を設けた場合、柱脚部と柱頭部のモーメント力はほぼ同じ大きさとなり、柱脚部と柱頭部は同じ断面となり、より経済的な設計をすることができる。
【0044】
以上のように、柱現場接合箇所においてリブ同士が接合されていなくても、柱部11の表面の鋼管が熱劣化した場合に、鋼管内のリブとコンクリートとによって耐力を確保することができる。
【0045】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0046】
例えば、前述した実施形態ではCFT柱10は断面が角型であったが丸型であってもよい。また、前述した実施形態では、CFT柱10の各辺についてそれぞれ一つのリブ112を設けていたが、各辺に複数のリブ112を設けてもよい。なお、リブ112を多く形成することにより、より耐力を向上させることができる。また、前述した実施形態では鋼管110の内部にFB材(フラットバー材)のリブ112を設けていたが、これには限られず、例えば、鋼管110の内部にCT材やアングル材(L材)を設けても良い。
【0047】
また、前述の実施形態では、柱部11を無耐火被覆とするようにしていたが、耐火被覆30の厚さを他の部分よりも薄くするようにしてもよい。この場合においても耐火被覆の軽減を図ることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 CFT柱、11 柱部、
12 仕口部、12a 貫通孔、
20 大梁、30 耐火被覆、
100,110,120 鋼管、
112 リブ、122 ダイアフラム、
200 コンクリート
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、構造物の構造材として鋼管コンクリート柱(以下、CFT柱ともいう)が用いられている。このCFT柱は、鋼管内部にコンクリートを充填することにより形成されるものであり、内部のコンクリートと外側の鋼管が互いに拘束し合うため、引張力に強いという鋼管の長所と圧縮力に強いというコンクリートの長所が相乗的に生かされる。その結果、曲げ耐力が大きく、また局部座屈が生じにくいなどの特徴をもった構造となる。
ところが、CFT柱においても後述するように火災時に崩壊してしまうおそれがある。このため、CFT柱にも耐火性能を向上させるために通常の鉄骨柱と同様に耐火被覆を施すのが好ましいが、その場合、耐火被覆の量が多くなってしまう。
そこで、鋼管内部に鉄筋を配筋することによって、柱の外周の鋼管が耐力を喪失した場合に鉄筋にて耐力を補強するようにしたCFT柱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−280096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したCFT柱では、鉄骨の製作工場で鋼管を製作した後、工場または現場にて鋼管内部に鉄筋を配筋する作業が必要であり、鋼管内への鉄筋の挿入や、かぶり厚さの確保、主筋相互の連結などの作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能な鋼管コンクリート柱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため、本発明発の鋼管コンクリート柱は、鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備えることを特徴とする。
このような鋼管コンクリート柱によれば、耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能である。
【0007】
かかる鋼管コンクリート柱であって、記補強体は、前記鋼管コンクリート柱の軸方向に沿って形成された鋼製リブであることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、耐力の向上を図ることが可能である。
【0008】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管コンクリート柱のうちの鉄骨梁との接合部には前記補強体がなく、且つ、耐火被覆が施されていることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、柱の製作の際の作業工数を削減することが可能である。
【0009】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、前記鋼管は前記ダイアフラムと接合され、前記補強体は前記ダイアフラムと非接合であってもよい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、製作をより簡易にすることが可能である。
【0010】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記鋼管と前記補強体とが接合された前記複数箇所のうち前記接合部に最も近い箇所から前記接合部までの前記鋼管に前記耐火被覆が施されていることが望ましい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、火災時に確実に耐力を補強することが可能である。
【0011】
かかる鋼管コンクリート柱であって、前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、前記補強体は前記ダイアフラムと接合されていてもよい。
このような鋼管コンクリート柱によれば、さらに耐火被覆の軽減を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、耐火被覆の軽減を図ることができ、しかも製作を簡易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】参考例のCFT柱の平断面図である。
【図2】図2A〜図2Cは、参考例のCFT柱の火災時における熱劣化を説明するための概念図である。
【図3】第1実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
【図4】第1実施形態のCFT柱の柱部の平断面図である。
【図5】仕口部の斜視図である。
【図6】図6A〜図6Cは、第1実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【図7】第2実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
【図8】図8A〜図8Eは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【図9】図9A〜図9Dは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の変形例の説明図である。
【図10】柱現場接合箇所とモーメント力との関係の説明図である。
【図11】柱現場接合箇所とモーメント力との関係の別の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態について説明する前に参考例について説明する。
【0015】
≪参考例≫
図1は参考例の鋼管コンクリート(CFT)柱の平断面図である。
図1に示すように参考例のCFT柱は断面が角型に形成された鋼管100の内部にコンクリート200が充填されて形成されている。言い換えると、CFT柱のコンクリート200の外表面は鋼管100で覆われている。なお、コンクリート200は鋼管100よりも熱拡散率が小さい。
【0016】
また、図2A〜図2Cは、参考例のCFT柱の火災時における熱劣化を説明するための概念図である。
【0017】
通常(常温時)、CFT柱は、図2Aに示すように、鋼管100とコンクリート200が合成構造として一体となって荷重を支持している。
火災が生じると(火災時初期)、CFT柱の外周の鋼管100の温度が上昇する。一方、CFT柱内のコンクリート200は熱拡散率が小さいのでCFT柱の中心側では温度が上昇しにくい。これにより図2Bに示すように、CFT柱の軸方向(矢印方向)に対する鋼管100の膨張変形量が、コンクリート200の膨張変形量に比べて大きくなり、鋼管100が荷重を負担する状態になる。
【0018】
火災が続くと(火災時中期)、鋼管100への荷重の負担が大きくなっているのに加え、鋼管100が熱によって劣化(熱劣化)し、図2Cに示すように、鋼管100に局部座屈が発生する。このように局部座屈が発生すると、鋼管100による荷重の支持ができなくなり、コンクリート200が全荷重を支持するようになる。
そして、さらに火災が続くと(火災時末期)、コンクリート200も温度の上昇に伴い熱劣化していき、最終的にコンクリート200が荷重を支持できなくなりCFT柱が崩壊する。
【0019】
このように、CFT柱においても火災時には崩壊するおそれがある。よって、CFT柱にも通常の鉄骨柱と同様に耐火被覆を施すのが好ましい。しかし、この場合、耐火被覆の量が多く必要になる。
【0020】
また、鋼管内部に鉄筋を配筋することにより柱の外周の鋼管が耐力を喪失した場合に、鉄筋にて耐力を補強するようにしたCFT柱が提案されているが、この場合、鋼管内部に鉄筋を配筋する作業が必要であり、鋼管内への鉄筋の挿入や、かぶり厚さの確保、主筋相互の連結などの作業が煩雑になるという問題がある。
【0021】
そこで本実施形態では、CFT柱の耐火性能を向上させて耐火被覆の軽減を図るとともに、柱の製作を簡易に行なうようにしている。
【0022】
≪第1実施形態≫
図3は、第1実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。
図に示すように本実施形態のCFT柱10は、仕口部12(接合部に相当する)で大梁20(鉄骨梁に相当する)と接合されている。なお、以下の説明において、CFT柱10のうち、仕口部12以外の部分を柱部11とよぶ。また、図に示すように大梁20、仕口部12及び柱部11の端部には耐火被覆30が施されている。
【0023】
図4は、第1実施形態のCFT柱10の柱部11の平断面図である。
本実施形態の柱部11は、鋼管110とリブ112とを有している。鋼管110は、参考例の鋼管100と同様に断面が角型に形成されている。リブ112は、鋼製であり鋼管110の長さ方向(すなわちCFT柱10の軸方向)に沿って鋼管110の内部に設けられている。なお、図3に示すようにリブ112は、柱部11の長さ方向の端部(仕口部12の近く)で鋼管110と接合されている。また、この接合箇所以外では、リブ112は鋼管110と非接触になっている。
そして、鋼管110の内部にはコンクリート200が充填されている。
【0024】
仕口部12は、鋼管120とダイアフラム122とを有している。
図5は仕口部12の斜視図である。
【0025】
鋼管120は、鋼管110と同様に断面が角型に形成されている。但し、鋼管120は鋼管110よりも柱の軸方向の長さが短くなっている。ダイアフラム122は、中央にコンクリート200の充填用の円形の貫通孔12aが形成された鉄骨プレートであり、鋼管120と溶接によって接合されている。なお、図3に示すように、仕口部12には耐火被覆30を施しているので、鋼管120の内部に補強体(リブ)を設けなくてもよい。これにより、仕口部12の製作の作業工数を削減することが可能である。
【0026】
大梁20は、断面が例えばH型の鉄骨製の梁であり、CFT柱10の仕口部12と溶接によって接合されている。
【0027】
耐火被覆30は、例えば、珪酸カルシウムボード、石膏ボード、ロックウール、耐火塗料などであり耐火性能を高めるために設けられている。本実施形態では、仕口部12と大梁20とに耐火被覆30が施されている。さらに本実施形態では、柱部11のうち鋼管110とリブ112の接合箇所から仕口部12までの鋼管110(図のHの範囲)にも耐火被覆30が施されている。これは、本実施形態ではリブ112と仕口部12(ダイアフラム122)が接合されていないので、火災時に鋼管110のうちの図のHの範囲の部分が熱劣化してしまうとリブ112による耐力の補強ができなくなるからである。本実施形態では、このHの部分に耐火被覆30を施しているので、火災の際にリブ112による耐力の補強を確実に行うことができる。通常、梁フランジ上端のHの範囲には、床スラブのコンクリートがあり、熱から保護されている。従って、床スラブがある多くの場合では耐火被覆30は不要となる。ただし、リブ112と鋼管110の溶接長さが床スラブ厚さを上回る(床スラブ天端より上に出る)場合は、耐火被覆30により断熱保護を行う。
【0028】
このように、本実施形態のCFT柱10では、CFT柱10のうち柱部11の鋼管110の内面にリブ112が設けられており、このリブ112は柱部11の長さ方向の端部(両端部)で鋼管110と接合され、その接合箇所以外では鋼管110と非接触になっている。そして、鋼管110の内部に熱伝導率の小さいコンクリート200が充填されている。
【0029】
以上の構成により、もし火災の際に、鋼管110が耐力を喪失しても、リブ112で耐力を補強することができる。よって、柱部11(図3のHの部分を除く)を無耐火被覆とすることが可能であるので、耐火被覆の軽減を図ることができる。
【0030】
<製作工法について>
次に、第1実施形態のCFT柱10の製作工法について説明する。
図6A〜図6Cは、第1実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
【0031】
まず、図6Aに示すように、鋼管110を製作後、鋼管110の内部に両端がL字状に形成されたリブ112を挿入する。
そして、図6Bに示すように、鋼管110長さ方向の端部の内周面にリブ112の端部を溶接により接合する(図の太線部分)。これにより両端部が鋼管110と接合され、それ以外の箇所は鋼管110と非接触のリブ112を鋼管110の内部に設けることができる。
その後、工場において図6Cに示すように、柱部11を仕口部12のダイアフラム122と溶接により接合し、現場においてその内部にコンクリート200を充填させる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態では柱部11の鋼管110の内面にリブ112を設けている。このリブ112は柱部11の長さ方向の両端側で鋼管110と接続され、それ以外の箇所では鋼管110と非接触になっている。また、リブ112と鋼管110の接合箇所には耐火被覆30が施されている。よって、リブ112は外部の熱による影響を受けにくくなるので、火災の際に柱部11の外周の鋼管110が耐力を喪失しても、リブ112で耐力を補強することができる。これにより、柱部11を無耐火被覆とすることができるので、耐火被覆を軽減することが可能である。
【0033】
また、本実施形態では、工場にて鋼管110を製作する際にリブ112を接合しておくことができる。よって、鋼管内に鉄筋を配筋する場合と比べて、CFT柱10の製作を簡易に行うことができる。
【0034】
≪第2実施形態≫
図7は、第2実施形態のCFT柱と大梁との接合構造の説明図である。なお、図7において図3と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0035】
第2実施形態のCFT柱10においても、第1実施形態と同様に柱部11にリブ112が備えられており、このリブ112は柱部11の長さ方向の端部で鋼管110の内周面と接合されている。
ただし、第2実施形態では、リブ112が仕口部12のダイアフラム122にも接合されている。このように第2実施形態では、リブ112とダイアフラム122が接合しているので、柱部11の鋼管110が完全に熱劣化してもリブ112によって耐力の補強を行うことができる。このため、第2実施形態では仕口部12と大梁20のみに耐火被覆30が施されており、柱部11は無耐火被覆となっている。よって、第2実施形態ではさらに耐火被覆の軽減を図ることができる。
【0036】
<製作工法について>
図8A〜図8Eは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の説明図である。
まず、図8Aに示すように、鋼管110を製作後、鋼管110の内部に両端がL字状に形成されたリブ112を挿入する。なお、第2実施形態では鋼管110の全長とリブ112の長さは等しくなっている。
そして、図8Bに示すように、鋼管110長さ方向の両端部の内周面にリブ112の端部を溶接により接合する。これにより柱部11が形成される。
さらに、第2実施形態では、図8Cに示すように、柱部11の両端にダイアフラム122を溶接により接合する。そして、その後、ダイアフラム122の貫通孔12a(図5参照)を利用して、図8Dに示すように、鋼管110内のリブ112とダイアフラム122とを溶接により接合する。
そして、工場において、図8Eに示すように、ダイアフラム112と鋼管120とを溶接により接合し、現場においてその内部にコンクリート200を充填する。
【0037】
このように、第2実施形態では、リブ112を鋼管110と接合しているのに加え、リブ112を仕口部12のダイアフラム122にも接合している。これにより、柱部11を完全に無耐火被覆とすることができ、耐火被覆の軽減をさらに図ることができる。
なお、リブ112とダイアフラム122との接合は、ダイアフラム122のコンクリート充填用の貫通孔12aを利用して容易に行うことができる。
【0038】
≪第2実施形態の変形例≫
図9A〜図9Dは、第2実施形態のCFT柱の製作工法の変形例の説明図である。
なお、この変形例では、柱部11の鋼管として、鋼管110よりも全長の短い(例えば半分の長さの)鋼管110Aと鋼管110Bを用いる。また、鋼管110A及び鋼管110Bのそれぞれの全長に対応した長さのリブ112Aとリブ112Bを用いる。
【0039】
この変形例では、図9Aに示すように、まずリブ112Aの一端をダイアフラム122に溶接する。同様にリブ112Bの一端をダイアフラム122に溶接する。
そして、図9Bに示すように、ダイアフラム122と接合されたリブ112Aを鋼管110Aに挿入する。同様にして、リブ112Bを鋼管110Bに挿入する。
挿入後、図9Cに示すように、ダイアフラム122と鋼管110Aとを溶接により接合する。また、リブ112Aの他端と鋼管110Aの内周面とを溶接により接合する。同様に、ダイアフラム122と鋼管110Bとを溶接により接合し、リブ112Bの他端と鋼管110Bの内周面とを溶接により接合する。
そして、図9Dに示すように鋼管110Aと鋼管110Bの端部を溶接により接合する。
【0040】
この変形例においても、柱部11を完全に無耐火被覆とすることができ、耐火被覆の軽減を図ることができる。
また、この変形例では、予めリブ112A(112B)とダイアフラム122とを接合しているので、CFT柱10の製作をより簡易にすることができる。
【0041】
なお、前述した各実施形態において、CFT柱10の柱部11が複数の鋼管で構成され、現場で上下の鋼管を接合する場合、その接合箇所(以下、柱現場接合箇所ともいう)については、鋼管内のリブ同士を接合できないことになる。このような場合、柱現場接合箇所は、火災時の架構に作用するモーメント力を伝達出来ない。
【0042】
図10及び図11は、柱現場接合箇所とモーメント力との関係の説明図である。なお、図10及び図11の左側はCFT柱10と大梁20との接合構造を示す図であり、右側はモーメント力を表した図である。
【0043】
図10の場合、下側の大梁20に近い位置(例えば、下側の大梁20よりも1メートル程度上の位置)でモーメント力がゼロになる。この場合、柱脚部よりも柱頭部でのモーメント力が大きくなり、柱頭部は柱脚部よりも大きな断面が必要となるが、火災時に作用する力に対してラーメン架構として抵抗できる。また、図11のように階高の中央付近に柱現場接合箇所を設けた場合、柱脚部と柱頭部のモーメント力はほぼ同じ大きさとなり、柱脚部と柱頭部は同じ断面となり、より経済的な設計をすることができる。
【0044】
以上のように、柱現場接合箇所においてリブ同士が接合されていなくても、柱部11の表面の鋼管が熱劣化した場合に、鋼管内のリブとコンクリートとによって耐力を確保することができる。
【0045】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0046】
例えば、前述した実施形態ではCFT柱10は断面が角型であったが丸型であってもよい。また、前述した実施形態では、CFT柱10の各辺についてそれぞれ一つのリブ112を設けていたが、各辺に複数のリブ112を設けてもよい。なお、リブ112を多く形成することにより、より耐力を向上させることができる。また、前述した実施形態では鋼管110の内部にFB材(フラットバー材)のリブ112を設けていたが、これには限られず、例えば、鋼管110の内部にCT材やアングル材(L材)を設けても良い。
【0047】
また、前述の実施形態では、柱部11を無耐火被覆とするようにしていたが、耐火被覆30の厚さを他の部分よりも薄くするようにしてもよい。この場合においても耐火被覆の軽減を図ることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 CFT柱、11 柱部、
12 仕口部、12a 貫通孔、
20 大梁、30 耐火被覆、
100,110,120 鋼管、
112 リブ、122 ダイアフラム、
200 コンクリート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備える
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記補強体は、前記鋼管コンクリート柱の軸方向に沿って形成された鋼製リブである
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管コンクリート柱のうちの鉄骨梁との接合部には前記補強体がなく、且つ、耐火被覆が施されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項4】
請求項3に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、
前記鋼管は前記ダイアフラムと接合され、前記補強体は前記ダイアフラムと非接合である
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項5】
請求項4に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管と前記補強体とが接合された前記複数箇所のうち前記接合部に最も近い箇所から前記接合部までの前記鋼管に前記耐火被覆が施されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項6】
請求項3に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、
前記補強体は前記ダイアフラムと接合されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項1】
鋼管の内部にコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管の内周面と複数箇所で接合されるとともに、前記複数箇所以外では前記鋼管と非接触である補強体を前記鋼管の内部に備える
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記補強体は、前記鋼管コンクリート柱の軸方向に沿って形成された鋼製リブである
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管コンクリート柱のうちの鉄骨梁との接合部には前記補強体がなく、且つ、耐火被覆が施されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項4】
請求項3に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、
前記鋼管は前記ダイアフラムと接合され、前記補強体は前記ダイアフラムと非接合である
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項5】
請求項4に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記鋼管と前記補強体とが接合された前記複数箇所のうち前記接合部に最も近い箇所から前記接合部までの前記鋼管に前記耐火被覆が施されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【請求項6】
請求項3に記載の鋼管コンクリート柱であって、
前記接合部は前記コンクリートの充填用の貫通孔が形成されたダイアフラムを有し、
前記補強体は前記ダイアフラムと接合されている
ことを特徴とする鋼管コンクリート柱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−111730(P2011−111730A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266646(P2009−266646)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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