説明

鋼管内面の塗装装置及び塗装方法

【課題】両端に十分大きな開口を作れない鋼管や大きく径の異なる異径鋼管の内面を全域に渡って緻密で均一な塗装をする装置及び方法を提供する。
【解決手段】伸縮性を有するゴム等の素材で作られた風船1と、その風船を覆う変形自由度が高い柔軟な素材で作られた袋2からなり、風船の気体出入孔3に接続したホース4を塗装対象鋼管5の外まで導き、外部に設置した気圧調整装置によりホース4を通じて風船内の気体を出し入れして、対象鋼管の径や形状の変化に応じて風船1の大きさや形状を変化させ、覆っている袋2を介して風船1が対象鋼管5の内面に適切な圧力を与えつつ移動することにより塗装を行うことを特徴とする鋼管内面の塗装装置及び同装置を吸引法又は押込法により作った気流に乗せて、あるいは、ロープによる牽引により移動させて行う鋼管内面の塗装方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管内面の塗装を行う装置、及び、その方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鋼管を組み合わせた、いわゆる、パイプ構造の鉄塔が多数製作されている。
送電用の鉄塔を例にとると、高さは平均で70m、高いものは200mに達するものもある。その柱を構成する鋼管は 例えば、鉄塔上部で口径150mmから200mm、鉄塔底部では口径400mmから450mmで、その間を径が順に大きくなる何種類かの管をつないだ異径管を成している。
これらの鋼管は、厳しい天候にさらされているので建設から長期間経過すると錆や腐食の発生がさけられない。 強度の低下を防ぎ、長期間の使用を確実なものとするためには、定期的に再研磨して、塗装をし直すことが必要である。
【0003】
従来、鋼管、特に配管系統の内面の研磨や塗装のためには、機械的に回転するブラシを挿入したり、特許文献1あるいは特許文献2に開示されているように吸引法又は押込法により管内に気流を作り研磨用又は塗装用ピグをその気流に乗せて送りこむ等の方法が実用化されている。
【特許文献1】特開2000−334363号公報
【特許文献2】特開2001−191045号公報
【0004】
これらの方法を適用するには、研磨又は塗装対象鋼管の管端に鋼管口径に相当する開口を必要とするが、鉄塔の柱を構成する鋼管の場合には、その上部端は開放可能であっても、下部端は強度上の問題から大きな開口を設けることができず、ハンドホールの大きさの開口を作るのが、場合によっては、口径1インチ位の開口を作るのが限度である。
このような小さい開口では、鋼管の口径に見合った大きさのブラシやピグを出し入れすることは不可能であり、配管系統で使われてきた従来の方法が使えない。
【0005】
また、上述のように鉄塔上部から下部にかけて大きく径が変わる異径管を対象とする場合には、その全域に渡って効果的な研磨や緻密で均一な塗装を行えるブラシやピグは存在しない。
例えば、いくら弾性のある素材でできたピグを用いても、数%を越える対象鋼管の口径の変化に対しては対応できないので、それを越える口径の変化に対しては適切な研磨や塗装を対象鋼管の全域に渡って行うことができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、大きく径の異なる異径管を組み合わせた鋼管や両端に十分大きな開口を作れない鋼管の内面を全域に渡って、緻密で均一な塗装をする装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は大きく径の異なる異径管を組み合わせた鋼管や両端に充分大きな開口を作れない鋼管の内面を塗装する塗装装置であって、伸縮性を有するゴム、合成樹脂、あるいは、それらと同等の素材で作られ、膨張したときに塗装対象鋼管(以下「対象鋼管」という。)の最大径の部分の内面に接触するに十分な大きさを有する風船と、その風船を覆う変形自由度が高い柔軟な素材で作られた袋からなり、風船の気体出入孔に接続したホースを対象鋼管の外まで導き、その対象鋼管の外部に設置した気圧調整装置によりホースを通じて風船内の気体を出し入れして、対象鋼管の径や形状の変化に応じて風船の大きさや形状を変化させ、覆っている袋を介して風船が対象鋼管の内面に適切な圧力を与えつつ移動することにより塗装を行うことを特徴とする鋼管内面の塗装装置である。
【0008】
本装置の主体となる伸縮性を有するゴム、合成樹脂、あるいは、それらと同等の素材で作られた風船は、その中の気体を出し入れすることにより膨らんだりしぼんだりしてその形状、特に、その径を大きく変えることができる。風船の形状は、球形、楕円球形、円柱形の前後に半球形を付けた形、さらに、角形鋼管に適用する場合には四角柱形の前後や角に丸みを付けた形等が適用できる。
変形自由度が高い柔軟な素材からなる袋は、風船の変形に応じて自らも変形し、風船の外側を覆い続ける。
風船への気体の出し入れは、風船に設けられた気体出入孔に接続したホースを介して対象鋼管の外部に設置した気圧調整装置により気体を送り込み、又は、気体を外部に放出して行う。
【0009】
風船内の気圧を、塗装のために最適な値とするように気圧調整装置によって制御することにより、風船は対象鋼管の径や形状の変化に応じて膨張又は収縮し、風船を覆う柔軟な素材からなる袋を挟んで、対象鋼管の内面に塗装のために最適な圧力を加える。
この状態を保ちながら風船を対象鋼管の中を移動させることにより、風船を覆う袋は対象鋼管の内面に適切な圧力を加えつつ擦ることになる。
袋の材質として塗装に適したものを選択し、塗料を風船の前方にあらかじめ挿入することにより、この圧力と動きを活用して塗装作業をすることが出来る。
【0010】
風船は伸縮性に富み、かつ、膨張したときに対象鋼管の最大径の部分の内面に接触するに十分な大きさを有し、袋は変形自由度が高い柔軟な素材から作られているので、風船内の気圧を調整することにより、鉄塔の柱を構成する鋼管のように大きく径の異なる異径管の場合でも全長に渡り適切な圧力を対象管の内面にかけて擦ることができ、緻密で均一な塗装が行えると言う効果を有する。
しかも、風船内の気体を抜けば、それを覆う袋もろとも小さく収縮するので、本装置を対象鋼管内に挿入する作業、あるいは、本装置を対象鋼管から取り出す作業は、ごく小さな開口を通して行えるので、対象鋼管へ強度的な負担をかけないという効果を有する。
【0011】
なお、本装置による塗装は、円筒状の鋼管だけでなく角形鋼管においても可能であり、また、対象鋼管の一部に異形の部分がある場合にも可能である。さらに、鉄塔の柱を構成する鋼管に限らず、配管系統等にも広く適用できることは当然である。
また、風船内の気圧は一つの塗装工程に対して一定の値でなく、対象鋼管の内径に対応して変化させたり、塗装の状況に応じて変化をさせたりすることも容易であり、さらに効果的な作業をすることができる。
【0012】
本発明の塗装装置では、風船を覆う袋を耐摩耗性を有し、かつ、塗料の刷毛塗り効果の高い素材のネットで構成してもよい。
高い耐摩耗性を有するものとしては樹脂強化材として用いられる強化繊維、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が、塗料の刷毛塗り効率の高い素材としては従来塗装用ローラーの素材として使われてきたアクリル、ポリエステル等が考えられる。使用する塗料に合わせてこれらから選定するなり、これらを組み合わせて使用する。
【0013】
また、本発明は、上述の塗装装置を吸引法又は押込法により作った気流に乗せて、及び/あるいは、ロープによる牽引により、対象鋼管の中で移動させることにより対象鋼管の内面を塗装する方法である。
【0014】
本発明の塗装装置を、対象鋼管の中に挿入し気圧調整装置を作動させて風船内の気圧を適正値にした後、吸引法又は押込法により対象鋼管内に気流を作り、その気流により搬送させる方法、塗装装置にロープを取付けそのロープを対象鋼管外から牽引して移動させる方法、あるいは、それらを併用する方法により移動させて対象鋼管の内面の塗装を行う。対象鋼管が異径管の場合には、移動により鋼管の径の異なる箇所にさしかかると風船内の気圧が変化するので、移動の間、その気圧が常に塗装の最適値になるように気圧調整装置で調整する。
【0015】
風船は伸縮性に富み、かつ、膨張したときに対象鋼管の最大径の部分の内面に接触するに十分な大きさを有し、袋は変形自由度が高い柔軟な素材から作られているので、風船内の気圧を調整することにより、鉄塔の柱を構成する鋼管のような大きく径の異なる異径管の場合でも全長に渡り適切な圧力を対象鋼管の内面にかけて擦ることができ、緻密で均一な塗装が行えると言う効果を有する。
しかも、風船内の気体を抜けば、それを覆う袋もろとも小さく収縮するので、本装置を対象鋼管内に挿入する作業、あるいは、本装置を対象鋼管から取り出す作業は、ごく小さな開口を通して行えるので、対象鋼管へ強度的な負担をかけないという効果を有する。
なお、本装置による塗装は、円筒状の鋼管だけでなく角形鋼管においても可能であり、また、対象鋼管の一部に異形の部分がある場合にも可能である。さらに、分岐や合流のある配管系統にも適用できる。
【0016】
鉄塔の柱を構成する鋼管のように開口部が小さく装置の挿入や取り出しが困難な場合には、一旦挿入した装置を往復動させて塗装を行えることが特に望ましい。そのためにはロープを装置の両端に取付けていずれの方向にも牽引できるようにしたり、気流により搬送する方向とは逆の方向にロープで牽引できるようにすることが考えられる。
また、ロープで牽引する方法は、対象鋼管のある特定の部分のみ繰返しならしライニングを行いたい場合に、ロープの繰り出し量を調整することにより容易に装置をその特定部分に導くことができるという効果を有する。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べた通り本発明の鋼管内面の塗装装置及びその装置を用いた塗装方法は、風船内の気圧を調整することにより、鉄塔の柱を構成する鋼管のように大きく径の異なる異径管の場合でも全長に渡り適切な圧力を対象管の内面にかけて擦ることができ、緻密で均一な塗装が行えると言う効果を有する。
しかも、風船内の気体を抜けばそれを覆う袋もろとも小さく収縮するので、本装置を対象鋼管内に挿入する作業、あるいは、本装置を対象鋼管から取り出す作業は、ごく小さな開口を通して行えるので、対象鋼管へ強度的な負担をかけないという効果を有する。
【0018】
さらに、本発明の鋼管内面の塗装装置及びその装置を用いた塗装方法は、ロープを装置の両端に取付けていずれの方向にも牽引できるようにしたり、気流により搬送する方向とは逆の方向にロープで牽引できるようにすることにより、一旦挿入した装置を往復動させて塗装を行ったり、対象鋼管のある特定の部分のみ繰返しならしライニングを行うことが容易にできるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明をする。なお、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。
図1は、本発明の鋼管内面の塗装装置の実施例の構成を示す断面図、図2はロープによる牽引を用いた本発明の塗装方法の説明図、図3は吸引法による搬送とロープによる牽引を併用した本発明の塗装方法の説明図である。
【0020】
図1は、本発明の塗装装置の実施例を示す。
伸縮性を有するゴム、合成樹脂、あるいは、それらと同等な素材で作られた風船1と、その風船を覆う変形自由度が高い柔軟な素材で作られた袋2からなり、風船の気体出入孔3に接続したホース4は塗装対象鋼管5の外部まで導かれ、外部に設置された気圧調整装置(本図には図示されていない。)につながっている。
気圧調整装置によりホース4を通じて風船1内の気体を出し入れして、対象鋼管5の径や形状の変化に応じて風船1の大きさや形状を変化させ、覆っている袋2を介して、対象鋼管5の内面に対して塗装するのに適切な圧力を常に加える。
【0021】
本実施例では、袋2は筒状の耐摩耗性を有し、かつ、塗料の刷毛塗り効果の高い素材のネットから作られ、風船1を中に納めたのち筒状のネットの上下端を固定金具7a、7bで止め、その部分を利用して牽引用のロープ8a、8bを接続している。ロープにより両方向から牽引する場合を想定したものであり、気流により搬送する場合にはロープは必ずしも必要ない。
【0022】
円筒型の鋼管を対象とする場合には、風船1は球形、楕円球形、あるいは、円柱形の前後に半球形を付けた形等が用いられるが、いずれの場合にも、塗装に適切な圧力を対象鋼管5の内壁に与えるように中の気圧を調整することにより、図のような形状を取り対象鋼管の内壁との間に袋2を挟んで適度の接触面積を持つことになる。この接触部分9が、塗装作業にあって刷毛やローラーの役目をする面として機能する。
対象鋼管5の口径が変化しても、風船1内の気圧を気圧調整装置により維持することにより、口径の変化に応じて風船の径も変化し、常に適度な接触部分9を持ちうるように風船1の形状や径を事前に選定しておく。
【0023】
図2では、ロープによる牽引を用いた本発明の塗装方法の説明をする。
鉄塔15の柱を構成する鋼管16は、鉄塔上部での口径が150mm、鉄塔底部での口径が400mmで、その間を径が順に大きくなる数種類の鋼管でつないだ異径管である。鉄塔上部は大きな開口16aがあるが、強度上の制限から鉄塔底部には小さな開口16bしかない。
【0024】
作業準備として、鉄塔上部に設けたウインチ17aからロープ8aをセンタリング・プーリー18aを介して鋼管16の中に降ろし、鉄塔底部の開口16aに引き出して、あらかじめホース4及びロープ8bを取付けておいた風船と袋からなる塗装装置13に連結する。
ホース4は気圧調整装置6に接続されている。気圧調整装置6は、気体を風船に送り込む圧縮機6a、気体を逃がす調節弁6b、気圧を検出する圧力計6c、その信号を受けて調節弁を制御する制御装置6dにより構成される。
ロープ8bは鉄塔底部に設けられたウインチ17bに接続されている。
【0025】
ロープ8aに連結された塗装装置13は風船の中に気体を入れずしぼんだ状態のまま、鉄塔底部の開口16bを通って鋼管16の中に挿入される。ウインチ17a、17bを操作してロープ8a、8bを緊張させる。この際、ロープ8bはセンタリング・プーリー18bにより支持される。
気圧調整装置6を起動し、塗装装置13の風船の中の気圧を塗装に適した値に調節する。続いて鉄塔上部より適量の塗料21を入れて準備作業は完了する。
なお、塗料21は鋼管16の内面に塗るに適した全量を1回に投入するのではなく、塗装の状態を見ながら数回に分けて投入することになろう。
【0026】
塗装装置13の風船の中の気圧を塗装に適した値に常に維持しながら、ウインチ17a、17bを操作して塗装装置13を鋼管16の中で上下させる。気圧調整装置6で塗装装置13の中の風船の中の気圧を常に塗装に適した値に調整することにより、緻密で均一な塗装を行なうことができる。ウインチ17aと17bの操作は、機械的に、あるいは、制御系を通じて連動させるのが望ましい。
【0027】
図3では、吸引法による搬送とロープによる牽引を併用した本発明の塗装方法を説明する。図2に示された鉄塔上部のウインチ17aとロープ8aに代えて、上部開口16aから仮設の配管あるいはダクト16cにより塗料受止め装置19を介して吸引装置20に接続する。
まず、風船に気体を入れずしぼんだ状態の塗装装置14を鉄塔底部の開口16bを通して鋼管16の中に挿入したあと、事前にホース4を介して接続されている気圧調整装置6を起動し、塗装装置14の風船の中の気圧を塗装に適した値に調節する。続いて、鉄塔上部より適量の塗料21を入れて準備は完了する。なお、塗料21は鋼管16の内面に塗るに適した全量を一回で投入するのではなく、塗装の状況を見ながら数回に分けて投入することになろう。
【0028】
吸引装置20を起動し鋼管16の中に気流を作り、その力で塗装装置14と塗料21を搬送しながら、塗装装置14の耐摩耗性を有し刷毛塗り効果の高い素材のネットからなる袋で塗料を鋼管内面に押し付け塗装を行う。余剰の塗料は外部に排出されることなく塗料受止装置19で回収される。
気圧調整装置6で塗装装置14の風船の中の気圧を常に塗装に適した値に調整することにより、緻密で均一な塗装を行うことが出来る。
なお、吸引法や押込法により対象鋼管の中に気流を作り、塗装装置を搬送しながら鋼管内の塗装を行う方法については、特開2000−334363「合流又は分岐配管の更生装置と更生方法」や特開2001−191045「管内清掃用又は塗装用ピグ及びその使用法」に詳説されている。
【0029】
本図の実施例では、塗装装置14に鉄塔底部側のロープ8bを取付け、そのロープがセンタリング・プーリー18bを介して鉄塔底部のウインチ17bに接続されている。
吸引法による搬送方向と逆の方向に塗装装置14を動かす手段を確保することにより、一旦塗装作業をしながら鉄塔上部に搬送された塗装装置14を鉄塔底部に戻して、繰返し塗装作業を行わせたり、ウインチ17bによりロープ8bの繰り出し量を加減して塗装しにくい箇所での塗装装置14の往復運動をさせることができ、より緻密で均一な塗装を行うことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
大きく径の異なる異径管の組み合わせからなる鉄塔の柱を構成する鋼管や配管システムの更生のための塗装に広く活用できる。特に、強度的な問題から装置を取入れる開口部が小さい場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の鋼管内面の塗装装置の実施例の構成を示す断面図である。
【図2】ロープによる牽引を用いた本発明の鋼管内面の塗装方法の説明図である。
【図3】吸引法による搬送とロープによる牽引を併用した本発明の鋼管内面の塗装方法の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 風船
2 袋
3 気体出入孔
4 ホース
5 塗装対象鋼管
6 気圧調整装置
6a 圧縮機
6b 調節弁
6c 圧力計
6d 制御装置
7a、7b 固定金具
8a、8b ロープ
9 接触部分
13、14 塗装装置
15 鉄塔
16 柱を構成する鋼管
16a、16b 開口
16c 配管又はダクト
17a、17b ウインチ
18a、18b センタリング・プーリー
19 塗料受止装置
20 吸引装置
21 塗料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きく径の異なる異径管を組み合わせた鋼管や両端に充分大きな開口を作れない鋼管の内面を塗装する塗装装置であって、伸縮性を有するゴム、合成樹脂、あるいは、それらと同等の素材で作られ、膨張したときには塗装対象配管の最大径の部分の内面に接触するに十分な大きさを有する風船と、該風船を覆う変形自由度が高い柔軟な素材で作られた袋からなり、該風船の気体出入孔に接続したホースを該塗装対象鋼管の外まで導き、外部に設置した気圧調整装置により該ホースを通じて該風船内の気体を出し入れして、該塗装対象鋼管の径や形状の変化に応じて該風船の大きさや形状を変化させ、覆っている該袋を介して該風船が該塗装対象鋼管の内面に適切な圧力を与えつつ移動することにより塗装を行うことを特徴とする鋼管内面の塗装装置。
【請求項2】
前記袋が耐摩耗性を有し、かつ、塗料の刷毛塗り効果の高い素材のネットからなることを特徴とする請求項1記載の鋼管内面の塗装装置。
【請求項3】
前記塗装対象鋼管の中で、請求項1又は請求項2に記載の鋼管内面の塗装装置を吸引法又は押込法により作った気流に乗せて、及び/あるいは、ロープによる牽引により、移動させることにより該塗装対象鋼管の内面を塗装する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−38225(P2007−38225A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298519(P2006−298519)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【分割の表示】特願2002−134856(P2002−134856)の分割
【原出願日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願人】(595090716)有信株式会社 (6)
【出願人】(594050175)ライニングサービス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】