説明

鋼管杭における鋼管の連結構造及び連結方法

【課題】複数の鋼管を容易に、短時間で連結することができる鋼管杭における鋼管の連結構造及び連結方法を提供する。
【解決手段】 複数の鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭の連結構造であって、上下方向に連続する2本の鋼管2、6の連結部3,7間を連結する連結手段10を備え、該連結手段10は、下方の鋼管2の連結部3外面に一体に設けられる複数の第1の羽根11と、上方の鋼管6の連結部7外面に一体に設けられる複数の第2の羽根13と、各第1の羽根11と各第2の羽根13とを一体に連結する連結部材16とから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管杭における鋼管の連結構造及び連結方法に関し、特に、複数の小口径鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭に有効な鋼管の連結構造及び連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の小口径鋼管(以下、鋼管という。)を順次連結しながら地盤に貫入させる場合、鋼管同士を溶接によって連結する方法、鋼管同士をボルト等の締結部材で連結する方法、一方の鋼管の端部内周に雌ねじを設け、他方の鋼管の端部外周に雄ねじを設け、雌ねじと雄ねじとを互いに螺合させて締め付けることで連結する方法(例えば、特許文献1参照。)等が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−142122号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、溶接によって連結する方法は、下方の鋼管と上方の鋼管との間を全周に亘って溶接しなければならないため、その作業に非常に手間がかかる。また、ボルト等の締結部材によって連結する方法は、鋼管の内面側からボルト等の締結部材を締め付けることができないため、ボルト等の締結部材の取付部の構造が非常に複雑になる。さらに、雌ねじと雄ねじとを螺合させる方法は、雌ねじ及び雄ねじを設ける分だけ鋼管の肉厚を厚くしなければならないため、鋼管の肉厚が必要以上に厚くなり、経済的でない。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、複数の鋼管を容易に、短時間で連結することができるとともに、必要以上に厚い肉厚の鋼管を使用する必要がなく、経済的に有利な鋼管杭における鋼管の連結構造及び鋼管杭の連結方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、複数の丸型鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭における鋼管の連結構造であって、上下方向に連続する2本の鋼管の連結部間を連結する連結手段を備え、該連結手段は、下方の鋼管の連結部外面に一体に設けられる複数の第1の羽根と、上方の鋼管の連結部外面に一体に設けられる複数の第2の羽根と、各第1の羽根と各第2の羽根とを一体に連結する連結部材とから構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造によれば、下方の鋼管の連結部外面の複数の第1の羽根の各第1羽根と、上方の鋼管の連結部外面の複数の第2の羽根の各第2の羽根とを互いに密着させ、この状態で各第1の羽根と各第2の羽根とを連結部材で一体に連結することで、下方の鋼管と上方の鋼管とを一体に連結することができる。そして、このような作業を複数の鋼管に対して順次行うことにより、複数の鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭を形成することができる。また、下方の鋼管の各第1の羽根と上方の鋼管の各第2の羽根とを連結部材で連結し、この状態で両鋼管と一体に複数の第1の羽根及び第2の羽根を回転させることにより、これらの羽根による推進力が付与され、両鋼管が地盤に貫入されることになる。
【0008】
また、本発明において、前記各第1の羽根は、前記下方の鋼管の中心軸を中心した螺旋状に設けられ、前記第2の羽根は、前記上方の鋼管の中心軸を中心した前記下方の鋼管の螺旋と同一傾きの螺旋状に設けられていることとしてもよい。
【0009】
本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造によれば、鋼管杭の地盤への貫入の際に、第1の羽根及び第2の羽根によって鋼管杭に推進力を付与することができるとともに、地盤への貫入の完了後に、鋼管杭による支持力を第1の羽根及び第2の羽根を介して地盤へ伝達させることができる。
【0010】
また、本発明において、前記連結部材は、各第1の羽根に設けられた貫通孔と各第2の羽根に設けられた貫通孔との間を挿通するねじと、該ねじに螺着されるナットとからなることとしてもよい。
【0011】
本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造によれば、各第1の羽根の貫通孔と各第2の羽根の貫通孔との間にねじを挿通させ、このねじにナットを螺合させて締め付けることで、第1の羽根と第2の羽根とを一体に連結することができる。
【0012】
さらに、本発明において、前記連結部材は、各第1の羽根又は各第2の羽根の一方に設けられた貫通孔と、各第1の羽根又は各第2の羽根の他方の設けられたねじ孔と、前記貫通孔を挿通して前記ねじ孔に螺着されるねじとからなることとしてもよい。
【0013】
本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造によれば、各第1の羽根又は各第2の羽根の一方に設けた貫通孔内にねじを挿通させ、このねじを各第1の羽根又は各第2の羽根の他方のねじ孔に螺合させて締め付けることで、各第1の羽根と各第2の羽根とを一体に連結することができる。
【0014】
さらに、本発明において、前記連結部材は、各第1の羽根に設けられた貫通孔と各第2の羽根に設けられた貫通孔との間を挿通し、この状態で両端部が各第1の羽根及び各第2の羽根の表面にかしめつけられるリベットからなることとしてもよい。
【0015】
本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造によれば、各第1の羽根の貫通孔と各第2の羽根の貫通孔との間にリベットを挿通させ、このリベットの両端部を押し潰して各第1の羽根及び各第2の羽根の表面にかしめ付けることで、各第1の羽根と各第2の羽根とを一体に連結することができる。
【0016】
さらに、本発明において、前記鋼管は、口径が300mm以下、肉厚が6mm以下の小口径鋼管であることとしてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、複数の丸型鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭における鋼管の連結方法であって、地盤に第1の鋼管を貫入させ、該第1の鋼管の上方から第2の鋼管を下降させて、前記第1の鋼管の連結部外面に設けられた複数の第1の羽根と前記第2の鋼管の連結部外面に設けられた複数の第2の羽根とを互いに密着させ、各第1の羽根と各第2の羽根とを連結部材によって連結し、このような作業を複数の鋼管に対して順次行うことにより、複数の鋼管を上下方向に順次連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明の鋼管杭における鋼管の連結構造及び連結方法によれば、上下方向に連続する下方の鋼管の第1の羽根と上方の鋼管の第2の羽根とを連結部材によって連結することで、下方の鋼管と上方の鋼管とを一体に連結することができる。そして、このような作業を複数の鋼管に対して順次行うことにより、複数の鋼管からなる所定の長さの鋼管杭を形成することができる。従って、複数の鋼管の連結作業を容易に短時間で行うことができるので、鋼管杭の貫入作業の効率を高めることができる。また、下方の鋼管の内周に雌ねじを設け、上方の鋼管の外周に雄ねじを設ける必要がないので、鋼管杭の肉厚を必要以上に厚くする必要がなく、経済的に有利なものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による鋼管杭における鋼管の連結構造の一実施の形態を示した概略図である。
【図2】図1の第1の連結手段を示した概略図である。
【図3】第1の第1の連結手段の変形例を示した概略図である。
【図4】図1の第1の連結手段の他の変形例を示した概略図である。
【図5】本発明による鋼管杭における鋼管の連結方法を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による鋼管杭における鋼管の連結構造の一実施の形態が示されている。この鋼管杭における鋼管の連結構造は、図1に示すように、同一の口径及び肉厚の複数の丸型鋼管(第1の鋼管2、第2の鋼管6、第3の鋼管)を上下方向に順次連結することによって所定の長さに形成される鋼管杭1に適用したものであって、上下方向に連続する2本の鋼管間(第1の鋼管2と第2の鋼管6との間、第2の鋼管6と第3の鋼管との間)を連結する連結手段(第1の連結手段10、第2の連結手段)を備えている。
【0021】
各鋼管(第1の鋼管2、第2の鋼管6、第3の鋼管)は、口径が300mm以下、肉厚が6mm以下の小口径鋼管であって、本実施の形態においては、各鋼管に口径が267.4mm、肉厚が6mmの一般構造用炭素鋼鋼管(STK400)を使用している。
【0022】
第1の鋼管2は、軸線方向の一端部(上端部)に連結部3が設けられ、他端部(下端部)に地盤への貫入部4が設けられている。第2の鋼管6及び第3の鋼管は、軸線方向の両端部に連結部7、8が設けられている。第1の鋼管2の上端部の連結部3と第2の鋼管6の下端部の連結部7とが第1の連結手段10を介して互いに連結され、第2の鋼管6の上端部の連結部8と第3の鋼管の下端部の連結部とが第2の連結手段を介して互いに連結される。同様に、第3の鋼管の上端部の連結部と第4の鋼管の下端部の連結部とが第3の連結手段を介して互いに連結される。
【0023】
第1の鋼管2の貫入部4の外面には、複数枚(本実施の形態では4枚)の推進羽根5が一体に設けられ、この推進羽根5によって第1の鋼管2を地盤に貫入させる際に第1の鋼管2に推進力が付与される。
【0024】
各推進羽根5は、略円弧板状をなすものであって、第1の鋼管2の貫入部4の外面に溶接等により、第1の鋼管2の軸線を中心とした螺線状に一体に設けられている。
【0025】
第1の連結手段10は、第1の鋼管2の連結部3の外面に一体に設けられる複数枚(本実施の形態では4枚)の第1の羽根11と、第2の鋼管6の連結部7の外面に一体に設けられる複数枚(本実施の形態では4枚)の第2の羽根13と、各第1の羽根11と各第2の羽根13とを一体に連結する連結部材16とから構成されている(図5参照)。
【0026】
なお、第2の鋼管6と第3の鋼管とを連結する第2の連結手段、第3の鋼管と第4の鋼管とを連結する第3の連結手段は、第1の連結手段10と同一の構成を有しているので、その詳細な説明は省略する。
【0027】
各第1の羽根11は、略円弧板状をなすものであって、第1の鋼管2の連結部3の外面に溶接等により、第1の鋼管2の中心軸を中心とした螺線状に一体に設けられている。各第1の羽根11には、上下面間を貫通する貫通孔12が複数箇所(本実施の形態では2箇所)に設けられ、各貫通孔12内を連結部材16のねじ17が挿通可能に構成されている。
【0028】
各第2の羽根13は、各第1の羽根11と同一大きさの略円弧板状をなすものであって、第2の鋼管6の連結部7の外面に溶接等により、第1の羽根11と同一傾きで第2の鋼管6の中心軸を中心した螺旋状に一体に設けられている。各第2の羽根13の各第1の羽根11の各貫通孔12に対応する位置には、上下面間を貫通する貫通孔14がそれぞれ設けられ、各貫通孔14内を連結部材16のねじ17が挿通可能に構成されている。
【0029】
第1の鋼管2の連結部3の各第1の羽根11の上面と第2の鋼管6の連結部7の各第2の羽根13の下面とを密着させ、各第1の羽根11の各貫通孔12と各第2の羽根13の各貫通孔14との間に連結部材16のねじ17を挿通させ、各第2の羽根13の各貫通孔14から突出させたねじ17の部分にナット18を螺合させて締め付けることにより、各第1の羽根11と各第2の羽根13とが一体に連結され、第1の鋼管2の連結部3と第2の鋼管6の連結部7とが一体に連結される。
【0030】
なお、連結部材16のねじ17を各第2の羽根13側から挿通させ、各第1の羽根11側に突出させたねじ17の部分にナット18を螺合させて締め付けるようにしてもよい。
【0031】
図3に第1の連結手段10の変形例を示す。この変形例は、第1の羽根11又は第2の羽根13の一方(図2では第1の羽根11)に上下面間を貫通する貫通孔12を設け、第1の羽根11又は第2の羽根13の他方(図2では第2の羽根13)に上下面間を貫通するねじ孔15を設け、第1の羽根11又は第2の羽根13の一方の貫通孔12を挿通させたねじ17を第1の羽根11又は第2の羽根13の他方のねじ孔15に螺合させて締め付けることにより、第1の羽根11と第2の羽根13とを一体に連結するように構成したものである。
【0032】
図4に第1の連結手段10の他の変形例を示す。この変形例は、第1の羽根11の貫通孔12と第2の羽根13の貫通孔14との間にリベット19を挿通させ、リベットの頭部を押し潰して第1の羽根11及び第2の羽根13の表面にかしめ付けることにより、第1の羽根11と第2の羽根13とを一体に連結したものである。
【0033】
次に、本実施の形態の鋼管杭における鋼管の連結方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、第1の鋼管2を回転させながら下方に押圧することによって地盤に貫入させ、連結部3の外面の第1の羽根11が地表から突出した状態で、第1の鋼管2の貫入作業を停止する。
【0034】
次に、図5(a)、(b)に示すように、第1の鋼管2の上方から第2の鋼管6を下降させて、第1の鋼管2の連結部3の各第1の羽根11の上面と第2の鋼管6の連結部7の各第2の羽根13の下面とを互いに密着させ、各第1の羽根11の各貫通孔12と各第2の羽根13の各貫通孔14とを合致させ、各第1の羽根11の各貫通孔12と各第2の羽根13の各貫通孔14との間にねじ17を挿通させ、第2の羽根13の各貫通孔14から突出させたねじ17の部分にナット18を螺合させて締め付ける。
【0035】
このようにして、第1の鋼管2の連結部3の各第1の羽根11と第2の鋼管6の連結部7の各第2の羽根13とを一体に連結することで、第1の鋼管2と第2の鋼管6とを第1の連結手段10を介して一体に連結することができる。
【0036】
次に、第1の鋼管2と第2の鋼管6とを第1の連結手段10を介して一体に連結した状態で、第1の鋼管2及び第2の鋼管6を回転させながら下方に押圧し、第1の鋼管2及び第2の鋼管6を地盤に更に貫入させ、第2の鋼管6の連結部8の第1の羽根11が地表から突出した状態で第1の鋼管2及び第2の鋼管6の貫入作業を停止させる。
【0037】
次に、第2の鋼管6の上方から第3の鋼管(図示せず)を下降させて、第2の鋼管6の連結部8の各第1の羽根の上面と第3の鋼管の連結部の各第2の羽根の下面とを互いに密着させ、各第1の羽根の各貫通孔と各第2の羽根の各貫通孔とを合致させ、各第1の羽根の各貫通孔と各第2の羽根の各貫通孔との間にねじを挿通させ、各第2の羽根の各貫通孔から突出させたねじの部分にナットを螺合させて締め付ける。
【0038】
このようにして、第2の鋼管6の連結部8の各第1の羽根と第3の鋼管の下端部の連結部の各第2の羽根とを一体に連結することで、第2の鋼管6と第3の鋼管とを第2の連結手段を介して一体に連結することができる。
【0039】
そして、このような貫入、連結作業を連続して行うことにより、複数の鋼管(第1の鋼管2、第2の鋼管6、第3の鋼管)を上下方向に順次連結した所定の長さの鋼管杭1を地盤に貫入させることができ、この鋼管杭1によって地盤上の構造物を支持することができる。
【0040】
上記のように構成した本実施の形態による鋼管杭における鋼管の連結構造及び連結方法にあっては、複数の鋼管を上下方向に順次連結して所定の長さの鋼管杭1を形成する場合に、第1の鋼管2の第1の羽根11と第2の鋼管6の第2の羽根13とを連結部材16によって一体に連結し、第2の鋼管6の第1の羽根と第3の鋼管の第2の羽根とを連結部材によって一体に連結し、このような作業を連続して行えばよいことになる。
【0041】
従って、従来のように、隣接する鋼管同士を溶接によって連結する必要はなく、また、複雑な構造のボルト等の締結部材によって連結する必要もなく、さらに、雌ねじと雄ねじとを設けるために肉厚を必要以上に厚くする必要もない。このため、複数の鋼管の連結作業を容易に、短時間で行うことができ、鋼管杭1の貫入作業を効率良く行うことができ、また、鋼管の材料費を抑制することができるので、工費を削減することができる。
【0042】
また、第1の羽根11及び第2の羽根13によって推進力を付与することができるので、鋼管杭1の地盤への貫入を効率良く行うことができる。さらに、鋼管杭1による支持力を第1の羽根11及び第2の羽根13によって地盤に伝達させることもできる。
【0043】
なお、前記の説明においては、第1鋼管2の貫入部4の外面に4枚の推進羽根5を設け、第1の鋼管2の上端部の連結部3に4枚の第1の羽根11を設け、第2の鋼管6の下端部の連結部7に4枚の第2の羽根13を設けたが、図示はしないが、第1鋼管2の貫入部4の外面に2枚、3枚、又は5枚以上の推進羽根を設け、第1の鋼管2の上端部の連結部3に2枚、3枚、又は5枚以上の第1の羽根11を設け、第2の鋼管6の下端部の連結部7に2枚、3枚、又は5枚以上の第2の羽根を設けてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 鋼管杭
2 第1の鋼管
3 連結部
4 貫入部
5 推進羽根
6 第2の鋼管
7 連結部
8 連結部
10 第1の連結手段
11 第1の羽根
12 貫通孔
13 第2の羽根
14 貫通孔
15 ねじ孔
16 連結部材
17 ねじ
18 ナット
19 リベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の丸型鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭における鋼管の連結構造であって、
上下方向に連続する2本の鋼管の連結部間を連結する連結手段を備え、
該連結手段は、下方の鋼管の連結部外面に一体に設けられる複数の第1の羽根と、上方の鋼管の連結部外面に一体に設けられる複数の第2の羽根と、各第1の羽根と各第2の羽根とを一体に連結する連結部材とから構成されていることを特徴とする鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項2】
前記各第1の羽根は、前記下方の鋼管の中心軸を中心した螺旋状に設けられ、前記第2の羽根は、前記上方の鋼管の中心軸を中心した前記下方の鋼管の螺旋と同一傾きの螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項3】
前記連結部材は、各第1の羽根に設けられた貫通孔と各第2の羽根に設けられた貫通孔との間を挿通するねじと、該ねじに螺着されるナットとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項4】
前記連結部材は、各第1の羽根又は各第2の羽根の一方に設けられた貫通孔と、各第1の羽根又は各第2の羽根の他方の設けられたねじ孔と、前記貫通孔を挿通して前記ねじ孔に螺着されるねじとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項5】
前記連結部材は、各第1の羽根に設けられた貫通孔と各第2の羽根に設けられた貫通孔との間を挿通し、この状態で両端部が各第1の羽根及び各第2の羽根の表面にかしめつけられるリベットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項6】
前記鋼管は、口径が300mm以下、肉厚が6mm以下の小口径鋼管であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の鋼管杭における鋼管の連結構造。
【請求項7】
複数の丸型鋼管を上下方向に順次連結してなる鋼管杭における鋼管の連結方法であって、
地盤に第1の鋼管を貫入させ、該第1の鋼管の上方から第2の鋼管を下降させて、前記第1の鋼管の連結部外面に設けられた複数の第1の羽根と前記第2の鋼管の連結部外面に設けられた複数の第2の羽根とを互いに密着させ、各第1の羽根と各第2の羽根とを連結部材によって連結し、このような作業を複数の鋼管に対して順次行うことにより、複数の鋼管を上下方向に順次連結することを特徴とする鋼管杭における鋼管の連結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−69072(P2011−69072A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219505(P2009−219505)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】