説明

鋼管杭

【課題】貫入性能が高いうえに、先端部を変形させることで貫入後の貫入抵抗を増加させて沈下を抑えることが可能な鋼管杭を提供する。
【解決手段】先端部12に貫入促進手段が形成された鋼管杭1である。
そして、先端部には貫入促進手段として、本体部11より下方に突出する突出部が形成され、その突出部は所定以上の地盤反力Pが作用すると貫入抵抗が大きくなる方向に変形する。
ここで、突出部は、本体部の端部を覆う円錐部121に形成され、所定以上の地盤反力Pが作用するとその突出部の中央付近が本体部側に向けて変形するように構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て住宅などの建物の基礎などに使用される鋼管杭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に鋼管杭を回転圧入することで住宅などの小規模の建物の杭基礎を構築することが知られている。そして、このように鋼管杭を貫入する際の貫入抵抗を低減させるために、鋼管杭の先端部に貫入促進手段を設ける場合がある(特許文献1,2など参照)。
【0003】
例えば、特許文献1の鋼管杭では、鋼管の下部に円錐状の治具を取り付けることで、地盤への貫入抵抗を低減させている。
【0004】
また、特許文献2では、鋼管の本体部より幅の広い円錐状の治具を取り付けることで、地盤への貫入抵抗を低減させるとともに先端部の面積を広げることで先端支持力を増加させている。
【0005】
他方、特許文献3には、鋼管の先端部に軸方向に延びる複数のスリットを設けて片状部を成形し、支持層でその片状部を外側に向けて変形させることで、先端が拡径した鋼管杭とする発明が開示されている。
【特許文献1】実開平7−2534号公報
【特許文献2】特開2004−263414号公報
【特許文献3】特開2005−163348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に開示されているように、先端部を円錐状にして貫入抵抗を低減させると、鋼管杭の貫入はスムースにおこなわれるが、貫入後に鋼管杭に作用する上載荷重によって、貫入が進行して沈下が発生するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2のように先端部のみ拡幅させると、その上方の鋼管杭の本体部と周辺地盤との摩擦による支持力が低減することになる。
【0008】
さらに、特許文献3の鋼管杭は、支持層に到達後、拡径されるので、先端支持力を増加させることができるが、貫入促進手段を備えていないので、地盤によっては貫入が困難になる場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、貫入性能が高いうえに、先端部を変形させることで貫入後の貫入抵抗を増加させて沈下を抑えることが可能な鋼管杭を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の鋼管杭は、先端部に貫入促進手段が形成された鋼管杭であって、前記先端部には前記貫入促進手段として、本体部より下方に突出する突出部が形成され、その突出部は所定以上の力が作用すると貫入抵抗が大きくなる方向に変形することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記突出部は、前記本体部の端部を覆う円錐状、截頭円錐状又はドーム状に形成され、所定以上の力が作用するとその突出部の中央付近が前記本体部側に向けて変形するように構成することができる。また、前記突出部に貫通孔を設けることができる。
【0012】
さらに、前記突出部には変形誘導部が形成されており、所定以上の力が作用するとその変形誘導部より内側が変形するように構成することができる。
【0013】
また、前記突出部は、管材を周方向に断続的に切り欠いて残置された部分で形成することができる。さらに、前記突出部は、内側に向けて傾斜していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
このように構成された本発明の鋼管杭では、本体部より下方に突出する突出部が貫入促進手段として形成されているので、貫入時の貫入抵抗を低減させ、スムースに鋼管杭を地盤に貫入することができる。
【0015】
また、この突出部は、所定以上の力が作用すると、貫入抵抗が大きくなる方向に変形するので、貫入後の基礎として使用している際の沈下の進行を抑えることができる。
【0016】
また、突出部を本体部の端部を覆う円錐状、截頭円錐状又はドーム状に形成することで、鋼管杭の先端の閉塞面積が増加し、先端支持力を大きくすることができる。
【0017】
さらに、突出部に貫通孔を設けることで、鋼管杭の内部に土砂などを取り込むことができ、貫入抵抗を低減することができる。また、突出部が変形する際に応力集中が起き易い中央付近に貫通孔を設けることで、応力集中による突出部の損傷を防ぐことができる。
【0018】
また、突出部に変形誘導部を設けることにより、想定した箇所で変形させることができ、想定外の箇所を損傷させたり、想定外の変形が引き起こされたりして支持力を低下させたり、鋼管杭を傾かせたりすることを防ぐことができる。
【0019】
さらに、管材を周方向に断続的に切り欠いて残置させた部分を突出部とするのであれば、容易に成形することができる。
【0020】
また、突出部を予め内側に向けて傾斜させておけば、本体部側に容易に突出部を変形させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
まず、図1を参照しながら、本実施の形態の鋼管杭1の構成について説明する。
【0023】
この鋼管杭1は、戸建て住宅などの小規模な建物の杭基礎を構成するものであって、例えば直径が70mm−140mm程度の小口径杭への適用が特に適している。
【0024】
この鋼管杭1は、鋼管によって形成される本体部11の下端となる先端部12には、貫入促進手段として突出部が形成される。
【0025】
この突出部は、図1(a)に示すように、下方に向けて先細る円錐部121と、円錐部121と本体部11との境界付近に環状に形成される変形誘導部としての溝部122とを備えている。
【0026】
この円錐部121は、中心部が最も下方に突出した円錐状に形成され、この円錐部121によって本体部11の先端開口が蓋状に覆われることになる。例えば、直径110mm程度の鋼管杭1に対して、中心部が10mm程度、突出する形状に円錐部121を成形する。
【0027】
また、溝部122は、本体部11の内側から見たときに溝状に形成されており、先端部12を外側から見ときにはリブ状に形成されている。
【0028】
このような溝部122がないと、円錐部121に力が作用したときに、円錐部121の様々な箇所で変形が生じるおそれがあるが、変形誘導部として溝部122を設けることによって、その溝部122を境にして変形させることができる。
【0029】
また、この円錐部121は、所定以上の力、例えば地盤反力Pが作用した際に、図1(b)に示すように、本体部11側(上方)に変形するように、円錐部121を形成する材料の材質及び厚さが設定される。
【0030】
すなわち、鋼管杭1の貫入時は円錐部121を貫入促進手段として機能させる必要があるので、貫入時に受ける地盤反力Pに対しては突出形状が保持されて変形しない強度に形成される。そして、支持層Sに到達するなどして貫入を停止する際に、鋼管杭1の頭部を打撃するなどして大きな地盤反力Pを円錐部121に作用させると、図1(b)に示すように、円錐部121の中央付近が上方に向けて窪むような強度に形成される。
【0031】
この円錐部121の強度をどの程度の地盤反力Pが作用した際に変形するように設定するかは、鋼管杭1を打設する際の貫入途中で現れる地盤の硬さ及び先端を支持させる支持層Sの硬さの両方を考慮して調整する。
【0032】
次に、本実施の形態の鋼管杭1の作用について説明する。
【0033】
このように構成された本実施の形態の鋼管杭1では、本体部11より下方に突出する円錐部121が貫入促進手段として形成されているので、貫入時の貫入抵抗を低減させ、スムースに鋼管杭1を地盤に貫入することができる。
【0034】
また、この円錐部121は、所定以上の地盤反力Pが作用すると、溝部122の位置から上方に向けて窪んで、図1(b)に示すように山形になる。このように円錐部121が本体部11側に変形すると、図1(a)のように下方に向けて中央が突出しているときに比べて貫入抵抗が大きくなる。
【0035】
このため、貫入後に杭基礎として使用している際に、上載荷重が鋼管杭1に作用しても、貫入抵抗が大きくなっているので沈下が進行しない。
【0036】
また、円錐部121によって、本体部11の端部が覆われて先端が閉塞されるので、鋼管杭1先端の閉塞面積が増加し、先端支持力を大きく算定することができる。
【0037】
また、突出部に変形誘導部として溝部122を設けることにより、想定した箇所で変形させることができる。すなわち、想定外の箇所で円錐部121を変形させると、局所的に応力が集中して損傷させることがある。また、想定した形状と異なる形状に変形すると、設計値よりも貫入抵抗が小さくなって支持力を低下させるおそれがある。さらに、左右非対称な形状に変形すると鋼管杭1を傾かせる原因にもなる。
【0038】
これに対して溝部122で変形させることによって、設計時に想定した形状に円錐部121を変形させることができ、支持力の低下や鋼管杭1の傾きの発生を防ぐことができる。
【実施例1】
【0039】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について図2を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0040】
この実施例1の鋼管杭2は、前記実施の形態で説明した鋼管杭1と同様に、鋼管によって形成される本体部21の下方に先端部22が設けられている。
【0041】
そして、この先端部22は、円錐状に下方に向けて突出する貫入促進手段としての円錐部221と、円錐部221と本体部21との境界付近に形成される変形誘導部としての溝部222と、円錐部221の最も下方に突出する中央に設けられる貫通孔223とを備えている。
【0042】
この貫通孔223は、鋼管杭2の内外を連通させる孔で、円錐部221の中央の最も突出する位置に設ける。例えば、直径110mm程度の鋼管杭2に対して、直径15mm程度の貫通孔223を設ける。
【0043】
このように円錐部221に貫通孔223を設けることで、鋼管杭2の内部に土砂や地下水などを取り込むことができ、貫入抵抗を低減させることができる。また、貫通孔223に侵入した土砂が抵抗になるので、鋼管杭2が傾き難くなり、直進性能が向上する。
【0044】
さらに、所定以上の地盤反力Pを作用させて円錐部221を変形させる際に、円錐形状の特性から中央付近に応力集中が起き易くなるが、この中央付近に貫通孔223を設けることで応力が集中しにくくなり、過大な応力による円錐部221の損傷を防ぐことができる。
【0045】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0046】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例2について図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0047】
この実施例2の鋼管杭3は、鋼管によって形成される本体部31と、その下方に設けられる先端部32とを備えている。
【0048】
そして、この先端部32は、図3(a)に示すように、截頭円錐状に下方に向けて突出する貫入促進手段としての截頭円錐部321と、截頭円錐部321と本体部31との境界付近に形成される変形誘導部としての溝部322と、截頭円錐部321の最も下方に突出する中央に設けられる平坦部323とを備えている。
【0049】
すなわち、この截頭円錐部321は、前記実施の形態の円錐部121とは異なり、中央付近が平面状の平坦部323に成形されている。この平坦部323は、例えば、直径110mm程度の鋼管杭3に対して、直径15mm程度に成形される。
【0050】
このように平坦部323を設けることで、極端に突出した部分がなくなるので、図3(b)に示すように所定以上の地盤反力Pが作用して截頭円錐部321が上方に窪んでも、応力集中が起きにくくなり、過大な応力による截頭円錐部321の損傷を防ぐことができる。
【0051】
また、中央付近は平坦部323に成形されていても、全体としては下方に向けて先細るテーパー状になっているので、所望される貫入性能を確保することができる。
【0052】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0053】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例3について図4を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0054】
この実施例3の鋼管杭4は、鋼管によって形成される本体部41と、その下方に設けられる先端部42とを備えている。
【0055】
そして、この先端部42は、図4(a)に示すように、ドーム状に下方に向けて突出する貫入促進手段としてのドーム部421と、ドーム部421と本体部41との境界付近に形成される変形誘導部としての溝部422とを備えている。
【0056】
このように突出部に丸みを持たせることで、極端に突出した部分がなくなるので、図4(b)に示すように所定以上の地盤反力Pが作用してドーム部421が上方に窪んでも、応力集中が起きにくくなり、過大な応力によるドーム部421の損傷を防ぐことができる。
【0057】
また、曲面状のドーム部421であっても、全体としては下方に向けて突出しているので、所望される貫入性能を確保することができる。
【0058】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0059】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例4について図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0060】
この実施例4の鋼管杭5は、図5(a)に示すように、鋼管によって形成される本体部51と、その下方に設けられる先端部52とを備えている。
【0061】
この先端部52には、管材である鋼管を周方向に断続的に切り欠いて残置された部分で形成される突出部としての刃部521,521が設けられる。
【0062】
この刃部521は、鋼管を周方向に4分割した際の一つの円弧で、対向する位置に二つの刃部521,521が残置され、その刃部521,521間は切欠き部522となる。
【0063】
また、本体部51の下端は開放されて先端開口5aとなっており、鋼管杭5の内外は連通されている。
【0064】
そして、この刃部521,521は、図5(b)の実線で示すように、内側に向けて僅かに傾斜している。例えば、直径110mm程度、肉厚4〜5mm程度の鋼管杭5に対して、長さ50mm程度の刃部521,521を、鋼管の側面に対して10度程度折り曲げてテーパーを形成する。
【0065】
このテーパー(傾斜)によって、刃部521,521が下方に向けて先細りになるので、貫入抵抗が低減される。また、鋼管杭5を回転させると、刃部521,521によって地盤が切削されて貫入抵抗がより低減される。さらに、刃部521,521間は切欠き部522,522となっているので、鋼管杭5の先端部52の地盤との接触面積が削減されて摩擦抵抗が減るので、貫入抵抗も低減される。
【0066】
一方、支持層Sに先端部52が到達して、所定以上の地盤反力Pが作用すると、図5(b)の二点鎖線で示すように刃部521,521が内側に折れ曲がることになる。
【0067】
すなわち、刃部521,521は、予め内側に傾斜させてあるので、所定以上の管軸方向の力が作用すると、そのまま押し曲げられるように変形が誘導される。そして、二点鎖線で示すように変形した刃部521,521は、貫入抵抗となって鋼管杭5の沈下が進行するのを防止する。
【0068】
このように、管材を周方向に断続的に切り欠いて残置させた部分を刃部521,521とするのであれば、鋼管を切り欠くだけで容易に成形することができる。また、刃部521,521間に切欠き部522という空間が確保されることによって、刃部521,521が変形しやすくなる。
【0069】
また、刃部521,521を予め内側に向けて傾斜させておけば、本体部51側に確実に変形させることができるので、貫入途中で刃部521が外側に向けて変形してしまい、その後の貫入が困難になるというようなことがない。
【0070】
また、以上においては長方形状の刃部521について説明したが、これに限定されるものではなく、別の形状にすることもできる。
【0071】
例えば、図6(a)に示した鋼管杭6では、本体部61の下方の先端部62を対向する2箇所で扇状に切り欠いて、対向する二等辺三角形状の刃部621,621を形成している。この鋼管杭6も、刃部621,621を形成した後に、図6(b)に示すように所定の角度で内側に向けて傾斜させる。
【0072】
また、図7(a)に示した鋼管杭7では、本体部71の下方の先端部72を対向する3箇所で直角三角形状に切り欠いて、直角三角形状の刃部721,721,721を三箇所に形成している。この鋼管杭7も、刃部721,721,721を形成した後に、図7(b)に示すように所定の角度で内側に向けて傾斜させる。
【0073】
この図6,7に示した鋼管杭6,7のように、刃部621,721の先端を鋭角に形成することで、貫入性能をより高めることができる。
【0074】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0075】
例えば、前記実施の形態又は前記実施例では、管軸直交方向に突起のない鋼管杭1〜7について説明したが、これに限定されるものではなく、螺旋状突起を鋼管杭1〜7の周面に設けて回転貫入がしやすい構造にすることもできる。
【0076】
また、前記実施の形態又は前記実施例では、先端部12,22,32,42の突出量がそれ程、大きくならない角度で円錐部121,221、截頭円錐部321、ドーム部421を形成したが、これに限定されるものではなく、突出量を大きくして上述したよりも角度の鋭い突出部を形成することもできる。
【0077】
さらに、前記実施例2及び前記実施例3で説明した截頭円錐部321及びドーム部421は、前記実施例1で説明したような貫通孔223が設けられていないが、これに限定されるものではなく、同様の貫通孔を設けることができる。また、貫通孔は、中央付近だけでなく、円錐部121,221や截頭円錐部321やドーム部421の周面にも設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の最良の実施の形態の鋼管杭の構成を説明する説明図であって、(a)は先端部が変形する前の側面図、(b)は先端部が変形した後の側面図である。
【図2】実施例1の鋼管杭の構成を説明する斜視図である。
【図3】実施例2の鋼管杭の構成を説明する説明図であって、(a)は先端部が変形する前の側面図、(b)は先端部が変形した後の側面図である。
【図4】実施例3の鋼管杭の構成を説明する説明図であって、(a)は先端部が変形する前の側面図、(b)は先端部が変形した後の側面図である。
【図5】実施例4の鋼管杭の構成を説明する説明図であって、(a)は先端部が変形する前の斜視図、(b)は先端部が変形する前後の形状を示した側面図である。
【図6】実施例4で説明する二等辺三角形状の刃部を備えた鋼管杭の構成を示した図であって、(a)は刃部を内側に傾斜させる前の斜視図、(b)は刃部を内側に傾斜させた状態の斜視図である。
【図7】実施例4で説明する直角三角形状の刃部を備えた鋼管杭の構成を示した図であって、(a)は刃部を内側に傾斜させる前の斜視図、(b)は刃部を内側に傾斜させた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
P 地盤反力(力)
1 鋼管杭
11 本体部
12 先端部
121 円錐部(貫入促進手段、突出部)
122 溝部(変形誘導部)
2 鋼管杭
21 本体部
22 先端部
221 円錐部(貫入促進手段、突出部)
222 溝部(変形誘導部)
223 貫通孔
3 鋼管杭
31 本体部
32 先端部
321 截頭円錐部(貫入促進手段、突出部)
322 溝部(変形誘導部)
4 鋼管杭
41 本体部
42 先端部
421 ドーム部(貫入促進手段、突出部)
422 溝部(変形誘導部)
5 鋼管杭
51 本体部
52 先端部
521 刃部(貫入促進手段、突出部)
522 切欠き部
6 鋼管杭
61 本体部
62 先端部
621 刃部(貫入促進手段、突出部)
7 鋼管杭
71 本体部
72 先端部
721 刃部(貫入促進手段、突出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に貫入促進手段が形成された鋼管杭であって、
前記先端部には前記貫入促進手段として、本体部より下方に突出する突出部が形成され、その突出部は所定以上の力が作用すると貫入抵抗が大きくなる方向に変形することを特徴とする鋼管杭。
【請求項2】
前記突出部は、前記本体部の端部を覆う円錐状、截頭円錐状又はドーム状に形成され、所定以上の力が作用するとその突出部の中央付近が前記本体部側に向けて変形することを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
【請求項3】
前記突出部に貫通孔を設けたことを特徴とする請求項2に記載の鋼管杭。
【請求項4】
前記突出部には変形誘導部が形成されており、所定以上の力が作用するとその変形誘導部より内側が変形することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鋼管杭。
【請求項5】
前記突出部は、管材を周方向に断続的に切り欠いて残置された部分で形成されることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
【請求項6】
前記突出部は、内側に向けて傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の鋼管杭。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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