説明

鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材

【課題】 鋼管矢板のパイプ状継手部のV字形状のスリット近傍空間に対して、確実にスリットを閉塞することのでき、且つ製造及び施工の容易な止水用のスリット閉塞部材を提供する。
【解決手段】 長手方向のスリット(1a)を有する断面C形状の継手(1)を鋼管本体(P1)の外周に長手方向に沿って固着した鋼管矢板(Pa)と、対応する構造を有する鋼管矢板(Pb)とを、スリット(1a,2a)を介して継手同士を嵌合させることにより鋼管矢板を順次接合して打設する鋼管矢板構造における、継手部のスリット閉塞部材(10,20)であって、直線状の棒材(11,21)と、棒材に断面方向の両側に張り出した状態で取り付けた可撓性帯状体(12,22)と、で構成し、断面C形状の継手の嵌合部に長手方向に挿入・設置可能な構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋼管矢板のパイプ状継手部の止水構造、特に、パイプ状継手部(断面C形状の継手部)のスリットにおける止水用の閉塞部材に関する。
【背景技術】
【0002】
水底を掘削して構造物やその基礎を築造する場合、止水や土留の目的で、或いは構造物の基礎として鋼管矢板が使用される。
【0003】
鋼管矢板の使用状態は、図1〜図4に示すように、構造物の基礎を囲撓して鋼管矢板を打設する。鋼管矢板は一般にパイプ対パイプ(P−P)型の構造をしており、鋼管矢板(Pa)の鋼管本体(P1)の外周にこの鋼管本体(P1)の長手方向に沿って、この鋼管本体(P1)より細径の鋼管からなる継手(1)が固着されており、継手(1)はその長手方向に沿ってスリット(1a)を有し、このスリット(1a)は鋼管本体(P1)の径方向の中心と継手(1)の径方向の中心とを通る中心線Oに対し一方の側に所定の角度(約45°〜60°)ずらした位置で開口し、断面C形状の継手となっている。そして、継手(1)の断面形状において鋼管本体(P1)との接合部から長い方の円弧部を係合部(1b)、短い方の円弧部を受部(1c)という。
【0004】
このような構造の鋼管矢板を継手部のスリットを介して順次連結して特定の構造物のための基礎等として打設する場合は、当該鋼管矢板(Pa)の継手(1)とこれと同一構成をもった隣接する鋼管矢板(Pb)の継手(2)とを相対する側となるように、継手(1)のスリット(1a)には継手(2)の円弧係合部(2b)が嵌合し、逆に、継手(2)のスリット(2a)には継手(1)の円弧係合部(1b)が嵌合するように、打設済みの一方の鋼管矢板(Pa)に対して次の鋼管矢板(Pb)を長手方向に係合させることにより、鋼管矢板を順次連結しながら打設する。
【0005】
鋼管矢板を水底に打設した後、鋼管矢板で囲まれた部分(図1のA領域)の水を排除し、水底を掘削するのであるが、上記の継手1,2が相互に嵌合されたままの状態では、水がスリット1a,2aを通過して、鋼管矢板で囲まれた部分の外部Bの水が内部Aへ進入する。そこで、継手1,2の内部にモルタル等の不透水性の経時硬化材料を継手の全長にわたって(或いは、少なくとも水中部分に)充填する。
【0006】
充填する材料は、継手1,2の3つの狭い空間C,D,E(図4)に充填するのであるから流動性材料であるが、充填時においてはモルタル等は流動性材料である。充填材料は流動性材料であるため、円弧係合部1b、2bを嵌合したスリット1a,2aのわずかな隙間から継手外部に漏出することがあり、モルタルを流出しない範囲の高さまで充填して充填を中止し、モルタルの硬化を待ち、その後再び充填する。これを繰り返して継手上端まで充填する。このように充填材の充填に時間と手間を要することが問題であった。
【0007】
その対策の1つとして、特許文献1では、鋼管矢板の継手部の止水方法が開示されている。即ち、鋼管矢板間のパイプ状継手の嵌合部に形成された連続する3区画の空間のうち、両側の空間内の外部と連通した嵌合スリット部近傍に、スリット部を閉じるための可撓性帯状板を、その長さ方向にそって挿入し、ついで、この可撓性帯状板で嵌合スリット部が閉じられた3区画の空間内に経時凝固物を流入充填する。
【0008】
【特許文献1】特開昭55−105023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に開示されている鋼管矢板の継手部の止水方法によると、可撓性帯状板を継手空間部に単に挿入するだけであるので、モルタル等の経時凝固物を充填した時に、帯状板がスリットを確実に閉塞してモルタルの流れを完全に防ぐことは難しい。即ち、V字形状のスリット近傍空間に対して帯状板をV字状に屈曲させてスリットを確実に閉塞させるように、帯状板を継手空間部に挿入し、設置しようとして設置位置が安定的に定まらず、その結果スリットを確実に閉塞することは難しいのである。また、帯状板が継手の長さ方向に安定して直線状の位置を維持できないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明では、鋼管矢板のパイプ状継手部のV字形状のスリット近傍空間に対して、確実にスリットを閉塞することのできる、パイプ状継手部のスリット(断面C形状の継手部)における止水用の閉塞部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するために、本発明によれば、長手方向のスリットを有する断面C形状の継手を鋼管本体の外周に長手方向に沿って固着した鋼管矢板と、対応する構造を有する鋼管矢板とを、前記スリットを介して継手同士を嵌合させることにより鋼管矢板を順次連結して打設する鋼管矢板構造における、継手部のスリット閉塞部材であって、直線状の棒材と、該棒材に断面方向の両側に張り出した状態で取り付けた可撓性帯状体と、
で構成し、前記断面C形状の継手の嵌合部に長手方向に挿入・設置可能な、鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材が提供される。
【0012】
可撓性帯状体が、さらし布のような織布であることを特徴とする。
【0013】
或いは、可撓性帯状体が、2mm以下の網目をもった金属製又はプラスチック製等のメッシュであることを特徴とする。この場合において、前記メッシュは長手方向の中心線に沿って断面が略V字形となるように屈曲され、該屈曲部の内側で前記棒材を固定したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明によると、長手方向のスリットを有する断面C形状の継手を鋼管本体の外周に長手方向に沿って固着した鋼管矢板と、対応する構造を有する鋼管矢板とを、前記スリットを介して継手同士を嵌合させることにより鋼管矢板を順次連結して打設する鋼管矢板構造における、継手部のスリット閉塞部材であって、断面形状が略V字形に屈曲した、可撓性及び弾力性を有する網目2mm以下の細長いメッシュからなり、該メッシュを断面C形状の継手の嵌合部に長手方向に挿入・設置した際、断面V字形の一方辺が当該継手の内周形状に沿い、他方辺が当該継手に嵌合している隣接継手の外周形状に沿う形状としたことを特徴とする、鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材が提供される。
【0015】
この場合において、前記メッシュは、前記断面V字形の一方辺が当該継手の内周形状に沿って、両継手の中心間を結んだ中心線の位置まで延在し、他方辺が当該継手に嵌合している隣接継手の外周形状に沿って、中心線の位置まで延在していることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図5は本発明の第1実施形態に係る鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材を示す。図5(a)は同スリット閉塞部材の斜視図、図5(b)はその断面図、図5(c)は継手の嵌合部に挿入・設置した状態を断面図で示す。
【0018】
この第1実施形態の係るスリット閉塞部材10は、直線状の棒材11に帯状さらし布12を取り付けた構造である。より詳細には、棒材11を挟んで帯状さらし布12を約半分の幅となるように部位13にて折り返し、棒材11と折り返し端部13との幅方向の距離及び棒材11と反対側の端部14との幅方向の距離が略同一程度となるように、棒材11の周囲両側付近15でさらし布12を縫い付けて、さらし布12を棒材11に取り付け、棒材11に関しさらし布12が断面方向の両側にそれぞれ例えば3cm程度づつ張り出した状態とする。
【0019】
棒材11は例えば径16mmの鋼棒で、長さは継手1、2に対してモルタル等の経時硬化材料を充填する領域の長さに適合した長さ、すなわち、鋼管矢板の天端からそれを打設した水底を越える深さまでの長さ、例えば5m程度とする。また、さらし布12の長さも棒材11の全長にわたる程度のものとする。棒材11は剛体であるので、継手の内部空間C,Dに挿入して、継手の上端で棒体をスリット1a、2a部近傍に配置するだけでその下端までスリット1a、2a部近傍に位置させることができる。また、棒体11は直線状であるので、継手の内部空間C,Dに挿入するとき、直線状のスリットに沿って確実に配置することができる。
【0020】
鋼管矢板Pa、Pbの継手1、2同士を嵌合させた後、継手1、2の内部空間C,D,Eに硬化材料であるモルタル3を充填するのに先立って、スリット閉塞部材10を、外側に開放されたスリットに対向する継手内側の空間部C,Dに挿入し、棒材11をスリット1a、2aに近接するように設置する。この場合において、棒材11の両側に延在するさらし布12は、概ね、一方をスリットを挟んで当該継手の内周部に、他方を嵌合状態にある隣接の継手の外周部に沿うようにする。
【0021】
そして、さらし布12は可撓性であるので、経時硬化材料である流動性のモルタルを継手1、2の内部空間C,D,Eに打設することにより、モルタル3の圧力により、棒材11の両側に延在するさらし布12は、一方が当該継手の内周部に押圧され、他方が嵌合状態にある隣接の継手の外周部に押圧される。これにより、スリット閉塞部材10は完全にスリットを閉塞し、モルタル3の漏れがなくなる。また、織布、具体的にさらし布12であるので、継手部に充填材を充填した際に、継手部内部に存在する水が容易に排除できる。
【0022】
図6は本発明の第2実施形態に係る鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材を示す。図6(a)は同スリット閉塞部材の斜視図、図6(b)はその断面図、図6(c)は継手の嵌合部に挿入・設置した状態を断面図で示す。
【0023】
この第2実施形態の係るスリット閉塞部材20は、第1実施形態と同様、直線状の棒材21を使用する。しかしながら、この第2実施形態では、帯状さらし布に代えて、帯状の金属又はプラスチック等からなる網体(メッシュ)22を使用する。メッシュ22の網目は2mm以下のものとする。メッシュ22の網目が22mm以下であると、継手の内部空間C,D内に存在する水が容易に通過でき、充填材モルタル中の砂の粒径が2mm以下であるので、砂が確実に網目に詰り、モルタルの漏出を防止することができる。
【0024】
メッシュ22は、幅方向の約半分の位置にて棒材21の外周に沿うように長手方向に屈曲させて、断面が略V字状となるようする。そして、長手方向の所定間隔おきに金属線等の結束線23によりメッシュ22を棒材21に取り付ける。メッシュ22は棒材11に関し断面方向のV字状の両側にそれぞれ例えば3cm程度づつ張り出した状態とする。
【0025】
棒材21の長さは、第1実施形態の場合と同様、継手1、2に対してモルタル等の硬化材料3を充填する領域の長さに適合した長さ、すなわち、鋼管矢板の天端からそれを打設した水底を越える深さまでの長さ、例えば5m程度とする。また、メッシュ22の長さも棒材21の全長にわたる長さを有するものとする。
【0026】
第1実施形態の場合と同様、継手1、2の内部空間C,D,Eに硬化材料であるモルタル3を充填するのに先立って、棒材21をスリット1a、2aに近接するようにスリット閉塞部材20を、継手内側の空間部C,Dに挿入する。この場合において、棒材21の断面V字状両側に延在するメッシュ22は、継手内側スリット近傍の角度に略対応する角度となっているので、硬化材料であるモルタル3を継手1、2の内部空間に打設することにより、モルタル3の圧力により、メッシュ22は、一方が当該継手の内周部に押圧され、他方が嵌合状態にある隣接の継手の外周部に押圧される。これにより、スリット閉塞部材20は完全にスリット1a、2aを閉塞し、モルタル3の漏れがなくなる。
【0027】
図7は本発明の第3実施形態に係る鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材を示す。図7(a)は同スリット閉塞部材の斜視図、図7(b)は継手の嵌合部に挿入・設置した状態を断面図で示す。
【0028】
この第3実施形態の係るスリット閉塞部材30は、第1及び第2実施形態のように、棒材11、21を使用せずに、可撓性及び弾力性のある細長い帯状の金属又はプラスチック等からなる網体(メッシュ)のみで構成する。メッシュ30の材料としてステンレスを用いる場合は、錆びなくて好適である。メッシュ30の網目は、第2実施形態の場合と同様、2mm以下のものとする。
【0029】
メッシュ31は、長手方向に直線状に屈曲させ、断面が略V字状となるようするのであるが、予め、このスリット閉塞部材30を設置すべき断面C字形状の継手内部のスリット近傍の形状に適合した形状となるように屈曲形状を規制しておく。メッシュ31を略V字状に形成すると、メッシュ31は剛性を有するので、且つ、直線状であるので、メッシュ31をスリット1a、2a部近傍に配置するだけでその下端までスリット1a、2a部近傍に位置させることができるとともに、継手の内部空間C,Dに挿入するとき、直線状のスリットに沿って確実に配置することができる。
【0030】
即ち、図7(b)に示すように、メッシュ30を継手に挿入・設置した状態において、その断面略V字形状の一方辺31が当該断面C形状の継手1の内周形状に沿って、両継手中心を結んだ中心線Oの位置まで延在し、他方辺32が当該継手に嵌合している隣接継手2の外周形状に添って、中心線Oの位置まで延在するような断面形状に、予め屈曲しておくのである。
【0031】
しかしながら、帯状の金属又はプラスチック等からなるメッシュ30は、可撓性を有するので、断面V字形状に予め屈曲させておく場合の角度は、正確なものである必要はなく、弾力性をもたせた性状としておくのが好ましい。特に、実際に継手部に設置した場合においては、硬化材料であるモルタルを打設することにより、断面V字形状の内側により大きな圧力が加わるので、図7(a)に矢印Fで示すように、断面V字形状の外側へ開く方向に弾力性をもたせておくのが望ましい。
【0032】
メッシュ30の長さは、第2実施形態の場合と同様、継手1、2に対してモルタル等の硬化材料3を充填する領域の長さに適合した長さ、例えば5m程度とする。
【0033】
前述の実施形態の場合と同様に、断面C字形状の継手1、2の内部空間に硬化材料であるモルタル3を充填するのに先立って、スリット1a、2aに近接するようにスリット閉塞部材30を、継手内側の空間部に挿入する。
【0034】
この場合において、略V字状両側に延在するメッシュ30の両側辺31、32は、継手内側のスリット近傍の角度に略対応する角度となっており、しかもスリット30は可撓性及び弾力性を有するので、メッシュ30を継手内側の空間部に挿入すると、メッシュ30の一方辺31が断面C形状の継手1の内周面に、他方辺32が隣接継手2の外周面に自ら密着し、メッシュ30が積極的にスリットを閉塞する。また、硬化材料であるモルタル3を継手1、2の内部空間に打設することにより、モルタルの圧力により、メッシュ22は、一方31が当該継手の内周部に押圧され、他方32が嵌合状態にある隣接の継手の外周部に押圧されて密着される。これにより、スリット閉塞部材30は完全にスリット1a、2aを閉塞し、モルタル3の漏れがなくなる。
【0035】
また、この第3実施形態では、略V字状両側に延在するメッシュ31、32は、継手部に設置した状態において、それぞれ中心線Oの位置まで延在している、即ち、両側のメッシュ31、32は継手内部の最も幅の広い位置まで延在しているので、メッシュ30を継手内側の空間部に挿入すると、メッシュ30がスリットから離れることもなく確実に継手1の内周面と隣接継手2の外周面に自ら密着し、メッシュ30が積極的にスリットを閉塞する。また、モルタルを打設しても、スリット1a,2a及び継手内周及び外周から離れることがなく、確実にスリットを閉塞し、モルタル3の漏洩を防止する。
【0036】
以上添付図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように、本発明のスリット閉塞部材は、簡単な構造で且つ継手とは別体の部材として構成できるので、製造が容易である。また、可撓性及び弾力性を有し、継手部に部材を密着するので、モルタル等の硬化材料の漏出を確実に防止する。更に、継手自体とは別体であり且つ継手には固定せずに単に挿入・設置するだけであるので、施工が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】鋼管矢板の使用状態を示す平面図である。
【図2】鋼管矢板の使用状態を示す斜視図である。
【図3】隣接する鋼管矢板同士を接合する状態を平面図で示す。
【図4】鋼管矢板の継手部を平面図で示す。
【図5】本発明の第1実施形態に係るスリット閉塞部材を示す。
【図6】本発明の第2実施形態に係るスリット閉塞部材を示す。
【図7】本発明の第3実施形態に係るスリット閉塞部材を示す。
【符号の説明】
【0039】
1、2 継手
1a、2a スリット
10、20、30 スリット閉塞部材
11、21 棒材
12 さらし布
13 折り返し
15 縫い目
22 メッシュ
23 結束線
31、32 メッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向のスリットを有する断面C形状の継手を鋼管本体の外周に長手方向に沿って固着した鋼管矢板と、対応する構造を有する鋼管矢板とを、前記スリットを介して継手同士を嵌合させることにより鋼管矢板を順次連結して打設する鋼管矢板構造における、継手部のスリット閉塞部材であって、
直線状の棒材と、
該棒材に断面方向の両側に張り出した状態で取り付けた可撓性帯状体と、
で構成し、前記断面C形状の継手の嵌合部に長手方向に挿入・設置可能な、鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。
【請求項2】
可撓性帯状体が織布であることを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。
【請求項3】
可撓性帯状体が2mm以下の網目をもったメッシュであることを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。
【請求項4】
前記メッシュは長手方向の中心線に沿って断面が略V字形となるように屈曲され、該屈曲部の内側で前記棒材を固定したことを特徴とする請求項3に記載の鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。
【請求項5】
長手方向のスリットを有する断面C形状の継手を鋼管本体の外周に長手方向に沿って固着した鋼管矢板と、対応する構造を有する鋼管矢板とを、前記スリットを介して継手同士を嵌合させることにより鋼管矢板を順次連結して打設する鋼管矢板構造における、継手部のスリット閉塞部材であって、
断面形状が略V字形に屈曲した、可撓性及び弾力性を有する網目2m以下の細長いメッシュからなり、該メッシュを断面C形状の継手の嵌合部に長手方向に挿入・設置した際、断面V字形の一方辺が当該継手の内周形状に沿い、他方辺が当該継手に嵌合している隣接継手の外周形状に沿う形状としたことを特徴とする、鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。
【請求項6】
前記メッシュは、前記断面V字形の一方辺が当該継手の内周形状に沿って、両継手の中心間を結んだ中心線の位置まで延在し、他方辺が当該継手に嵌合している隣接継手の外周形状に沿って、中心線の位置まで延在していることを特徴とする請求項5に記載の鋼管矢板継手部のスリット閉塞部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−45947(P2006−45947A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229579(P2004−229579)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】