説明

鋼管継柱嵌合部の取り外し工具

【課題】この発明は、嵌合式組立鋼管継柱の建柱位置の変更や嵌合式組立鋼管継柱の撤去を行う場合に、当該鋼管継柱の嵌合部を取り外して分解できる工具の提供を目的とするものである。
【解決手段】正面視略逆L字の上部L字型部材4を少なくとも二つ設け、これらの上部L字型部材4を、嵌合部の上側の鋼管2の下端に、掛止爪11を掛止させて、上側の鋼管2に当接させ、これらの上から固定バンド5を巻き回させて、上側の鋼管2に上部L字型部材4を固定し、上部L字型部材4と略同構造の下部L字型部材8を、上部L字型部材4と同数設け、これらの下部L字型部材8を夫々、上部L字型部材4の真下にくるように、下側の鋼管3の外周に当接させ、これらの上から固定バンド9を巻き回させて、下側の鋼管3に下部L字型部材8を固定し、各上部L字型部材4と、対向する各下部L字型部材8との間に油圧シリンダー7を介在させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、嵌合式組立鋼管継柱の建柱位置の変更や嵌合式組立鋼管継柱の撤去を行う場合に、当該鋼管継柱の嵌合部を取り外して分解できる工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、嵌合式組立鋼管継柱を撤去する場合には、建柱現場にガス切断機を持ち込んで、ガスを用いて鋼管継柱を切断した後、鋼管継柱の廃棄処分を行っていた。
【特許文献1】特開平11−17287
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ガスを用いて鋼管継柱の切断を行う場合には、切断時に生じる火の粉によって火災が発生する可能性があり、火災の発生を防止するため、鋼管継柱の周りを養生する必要がある等、建柱現場の近隣住民に配慮が必要であった。また、切断後撤去した鋼管継柱は再使用ができないため、鋼管継柱の建柱位置を変更する場合には、新たに鋼管継柱を購入し、建柱する必要がある等の問題があった。
【0004】
そこで、この発明は、上記従来技術を考慮したものであって、嵌合式組立鋼管継柱の建柱位置の変更や嵌合式組立鋼管継柱の撤去を行う場合に、当該鋼管継柱の嵌合部を取り外して分解できる工具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、少なくとも二以上の鋼管を継ぎ足した嵌合式組立鋼管継柱において、
鋼管に当接する内側面を有する垂直片と、当該垂直片の外面上部から外方に突出する水平片とから成る、正面視略逆L字の上部L字型部材を少なくとも二つ設け、
これらの上部L字型部材を、嵌合部の上側の鋼管の下端に、前記垂直片の鋼管に当接する内側面の下端に設けた掛止爪を掛止させて、当該鋼管に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、上側の鋼管に前記上部L字型部材を固定し、
前記上部L字型部材と略同構造で、掛止爪のない下部L字型部材を、前記上部L字型部材と同数設け、これらの下部L字型部材を夫々、前記上部L字型部材の真下にくるように、下側の鋼管外周に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、下側の鋼管に前記下部L字型部材を固定し、
各上部L字型部材の水平片と、対向する各下部L字型部材の水平片との間に油圧シリンダーを介在させ、当該油圧シリンダーを作動させることにより、各上部L字型部材を突き上げさせ、上側の鋼管と下側の鋼管との嵌合を外れさせる、鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具とした。
【0006】
請求項2の発明では、前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片の鋼管に当接する内側面が、横断山型にへこんでいる、請求項1に記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具とした。
【0007】
請求項3の発明では、前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片に永久磁石を設ける、請求項1又は2に記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具とした。
【0008】
請求項4の発明では、前記固定バンドの内周面に間隙をあけて、前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片の厚さに略等しい厚さのスペーサーを設ける、請求項1、2又は3のいずれかに記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具とした。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜4の発明によれば、油圧シリンダーを作動させると、嵌合式組立鋼管継柱の上側の鋼管が持ち上がり、上側の鋼管を、上側の鋼管と下側の鋼管との嵌合部から上方に外すことが可能となり、取り外した鋼管は再利用でき、便宜である。この取り外した鋼管を再利用できるという点は、資源を節約でき、近年、注目を集めているエコ対策となる。また、油圧シリンダーを用いて、嵌合式組立鋼管継柱の上側の鋼管を取り外す構成としたため、ガスで切断する場合と比して、建柱現場で電源を必要とせず、火災の危険もない。
【0010】
また特に、請求項2の発明によれば、前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片の鋼管に当接する内側面が、横断山型にへこんでいることにより、外径の異なる嵌合式組立鋼管継柱の嵌合部の取り外しに対応でき、便宜である。
【0011】
また特に、請求項3の発明によれば、上部L字型部材及び下部L字型部材を上側又は下側の鋼管に当接させれば、永久磁石によりこれらの部材は鋼管に吸着され、仮止めできる。従って、作業者はこれらの上から固定バンドを巻き回す作業を、容易にできる。
【0012】
また特に、請求項4の発明によれば、前記鋼管と前記固定バンドとの間に、スペーサーを介在させる構成とすることで、鋼管と固定バンドとの間の空隙が埋まり、二つ以上の上部L字型部材又は下部L字型部材を接続した際も固定バンドの円形が確保され、固定バンドの締め付け、又は加圧シリンダーによって上部L字型部材又は下部L字型部材にかかった荷重に固定バンドが耐えられる。従って、固定バンドの再使用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明は、少なくとも二以上の鋼管を継ぎ足した嵌合式組立鋼管継柱において、鋼管に当接する内側面を有する垂直片と、当該垂直片の外面上部から外方に突出する水平片とから成る、正面視略逆L字の上部L字型部材を少なくとも二つ設け、これらの上部L字型部材を、嵌合部の上側の鋼管の下端に、前記垂直片の鋼管に当接する内側面の下端に設けた掛止爪を掛止させて、当該鋼管に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、上側の鋼管に前記上部L字型部材を固定し、前記上部L字型部材と略同構造で、掛止爪のない下部L字型部材を、前記上部L字型部材と同数設け、これらの下部L字型部材を夫々、前記上部L字型部材の真下にくるように、下側の鋼管外周に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、下側の鋼管に前記下部L字型部材を固定し、各上部L字型部材の水平片と、対向する各下部L字型部材の水平片との間に油圧シリンダーを介在させ、当該油圧シリンダーを作動させることにより、各上部L字型部材を突き上げさせ、上側の鋼管と下側の鋼管との嵌合を外れさせる構成とすることにより、油圧シリンダーを作動させて、嵌合式組立鋼管継柱の上側の鋼管を、上側の鋼管と下側の鋼管との嵌合部から上方に外すことが可能となり、取り外した鋼管は再利用でき、便宜である。
【実施例1】
【0014】
図1は、鋼管継柱1の上側の鋼管2と下側の鋼管3の嵌合部に取り付けられた取り外し工具Aの全体を示す正面図である。取り外し工具Aは主として、上部L字型部材4、固定バンド5、押し棒6、油圧シリンダー7、下部L字型部材8、固定バンド9から構成されている。
【0015】
上部L字型部材4は、例えば金属製で、図2(a)に示すように、正面視略逆L字型で、鋼管継柱1の外周と当接する内側面16を有する垂直片4aと、当該垂直片の上端から外方へ突出する水平片4bとから構成され、垂直片4aの横断面は、図2(b)に示すように、山形に凹湾曲している。このように、鋼管継柱1の外周と当接する内側面16が山形にへこんでいるため、種々の外径を有する上側の鋼管2の外周に沿って、当接することが可能となる。また内側面16の上端には、永久磁石10が設けられており、上部L字型部材4は、この永久磁石10によって、上側の鋼管2の外周に吸着することができる。また上部L字型部材4の内側面16の下端部には、掛止爪11が内側に向けて設けられており、この掛止爪11を上側の鋼管2の下縁に引っ掛けて、上部L字型部材4は、上側の鋼管2の外周に固定される。この上部L字型部材4は、水平片4bの下面19で、押し棒6の先端と当接されることにより、油圧シリンダー7から受けた押し上げ力を上側の鋼管2に伝達する役割を果たす。そして、掛止爪11が、上側の鋼管2の下縁に引っ掛けられていることによって、上部L字型部材4が押し上げ力を油圧シリンダー7から受けた際に、上側の鋼管2と上部L字型部材4とがずれるのを防止する。
【0016】
固定バンド5は、例えば金属製であり、図3に示すように、2つの略半円形の外枠12の両端の突片12aを相対向させて、これらの突片12a間に、ボルト13を通して、ナット14で締め付けることにより、組み合わされて、略リング状になっている。この固定バンド5は、2つの上部L型部材4が上側の鋼管2の外周に配置された上から、上側の鋼管2に巻き回され、2つの上部L型部材4を鋼管2の外周に固定する役割を果たす。
【0017】
押し棒6は、例えば金属製であり、先端部が上部L字型部材4の水平片4bの下面19に当接するように、油圧シリンダー7の先端に取り付けられている。この押し棒6は、油圧シリンダー7の押し上げ力を上部L字型部材4に伝達する役割を果たす。なお、押し棒6の後端部には、油圧シリンダー7の先端を嵌合可能なように、嵌合孔18が穿たれている。油圧シリンダー7は、油の圧力でシリンダーを動かす機構となっており、油圧シリンダー7を作動させると、押し上げ力を得ることができる。なお本実施例では、油圧シリンダー7は2つ設けられているが、1つにつき6kN〜13kNの押し上げ力を得ることができる油圧シリンダーであることが望ましい。また、図6に示すように、油圧シリンダー7には油圧ケーブル15が接続され、油圧ケーブル15は地上に配置された油圧ポンプ(図示省略)に接続されている。この地上に配置された油圧ポンプを操作することにより、油圧シリンダー7を作動させることができるため、作業員は地上から安全に作業することが可能となる。
【0018】
下部L字型部材8は、例えば金属製で、図4(a)及び図5に示すように、正面視略逆L字型で、鋼管継柱1の外周と当接する内側面24を有する垂直片8aと、当該垂直片の上端から外方へ突出する水平片8bとから構成され、垂直片8aの横断面は、図4(b)に示すように、山形に凹湾曲している。このように、鋼管継柱1の外周と当接する内側面24が山形にへこんでいるため、種々の外径を有する下側の鋼管3の外周に沿って、当接することが可能となる。また内側面24の上端には、永久磁石10が設けられており、下部L字型部材8は、この永久磁石10によって、下側の鋼管3の外周に吸着することができる。この下部L字型部材8は、水平片8b上に油圧シリンダー7を載置し、油圧シリンダー7を作動させることで発生した押し上げ力に対する反力を受ける台としての役割を果たす。なお本実施例では図1に示すように、下部L字型部材8の水平片8b上に、油圧シリンダー7が載置されているだけでなく、油圧シリンダー7が下部L字型部材8の水平片8b上からずれたり、落下したりしないように、油圧シリンダー7の下端に設けたねじ孔に、下部L型部材8の水平片8bに設けられた貫通孔23を通して、ボルト17を螺着させ、油圧シリンダー7を固定している。
【0019】
固定バンド9は、例えば金属製であり、固定バンド5と同様の構成である。この固定バンド9は、2つの下部L型部材8が下側の鋼管3の外周に配置された上から、下側の鋼管3に巻き回され、2つの下部L型部材8を、下側の鋼管3の外周に固定する役割を果たす。
【0020】
次に取り外し工具Aを用いて、鋼管継柱1から上側の鋼管2を取り外す方法を説明する。まず作業員は、掛止爪11を上側の鋼管2の下縁に引っ掛けて、2つの上部L字型部材4を、対向させて上側の鋼管2の外周に吸着させる。そして、上側の鋼管2の外周に吸着している2つの上部L字型部材4の上から外枠12を被せてボルト13等を用いて組み立て、固定バンド5を上側の鋼管2の外周に巻き回す。固定バンド5が上側の鋼管2に巻き回されると、2つの上部L字型部材4は、垂直片4aの内側面16が上側の鋼管2の外周に当接し、水平片4bが外方に突出した状態で、上側の鋼管2の外周に固定されることとなる。次に、2つの下部L字型部材8を、対向させ、かつ前記各上部L字型部材4の真下にくるように、下側の鋼管3の外周に吸着させる。そして、下側鋼管3の外周に吸着している2つの下部L字型部材8の上から外枠を被せ、ボルト等を用いて組み立て、固定バンド9を下側の鋼管3の外周に巻き回す。図5に示すように、固定バンド9が下側の鋼管3に巻き回されると、2つの下部L字型部材8は、垂直片8aの内側面24が下側の鋼管3の外周に当接し、水平片8bが外方に突出した状態で、下側の鋼管3の外周に固定されることとなる。
【0021】
また、図5で下側の鋼管3の外周と固定バンド9との間に、スペーサー22を挟持させる構成を示したように、固定バンド9の内周に間隔をあけて、前記下部L字型部材8の垂直片8aの厚さとほぼ等しい厚さのスペーサー22を設けても良い。スペーサー22を挟持させることによって、下側の鋼管3と固定バンド9との間の空隙が埋まり、二つ以上の下部L字型部材8を接続した際も、固定バンド9の円形が確保され、固定バンド9の締め付け、又は加圧シリンダー7によって下部L字型部材8にかかった荷重に固定バンド9が耐えられる。従って、固定バンド9の再使用が可能となる。
【0022】
なお、固定バンド5は上側の鋼管2の外周に巻き回され、また固定バンド9は下側の鋼管3の外周に巻き回されているが、この段階では「仮留め」とし、ボルト13をナット14に、完全には螺着させず、ある程度遊びを設けておく。
【0023】
それから、2つの油圧シリンダー7の先端部を夫々、押し棒6の後端部の嵌合孔18に挿入し嵌合させ、油圧シリンダー7と押し棒6とを一体化させる。そして、下部L字型部材8の水平片8b上に、油圧シリンダー7を載置し、ボルト17を用いて固定する。この結果、油圧シリンダー7と一体化した押し棒6の先端は、上部L字型部材4の外方に延びた水平片4bに当接することとなる。押し棒6の先端が、水平片4bの下面19に当接していることを確認した上で、ボルト13をナット14に、完全に螺着させる等して、固定バンド5及び固定バンド9を夫々、上側の鋼管2の外周及び下側の鋼管3の外周に「本留め」する。なお、上部L字型部材4と下部L字型部材8との間隔が適切でないため、押し棒6の先端が、上部L字型部材4の水平片4bの下面19にうまく当接していない場合には、固定バンド5及び固定バンド9を動かして、上部L字型部材4と下部L字型部材8との間隔を調節した上で、ボルト13をナット14に、完全に螺着させる等して、「本留め」する。その後、各油圧シリンダー7に油圧ケーブル15を接続する。以上で、取り外し工具Aの鋼管継柱1への取り付けが完了する。
【0024】
次に、図6に示すように、ワイヤ20を介して、クレーン21と上側の鋼管2を接続する。鋼管継柱1から取り外した後の上側の鋼管2を、クレーン21で支持するためである。そして、地上で油圧ポンプ(図示省略)を操作し、油圧ケーブル15を通じて接続されている油圧シリンダー7を作動させ、上側の鋼管2を持ち上げると共に、油圧シリンダー7の作動に合わせてクレーン21を操作し、上側の鋼管2を真上に引っ張る。これにより、図7に示すように、鋼管継柱1から上側の鋼管2が取り外される。
【0025】
このように、取り外し工具Aを構成することにより、油圧シリンダー7を作動させて、鋼管継柱1の上側の鋼管2を、鋼管継柱1の嵌合部から上方に外すことが可能となり、取り外した上側の鋼管2は再利用でき、便宜である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明に係る取り外し工具Aを、鋼管継柱に取り付けた状態を示す正面図である。
【図2】(a)は、この発明に係る取り外し工具Aの上部L字型部材を示す正面図であり、(b)は、この発明に係る取り外し工具Aの上部L字型部材を示す平面図である。
【図3】この発明に係る取り外し工具Aの固定バンドを示す平面図である。
【図4】(a)は、この発明に係る取り外し工具Aの下部L字型部材を示す正面図であり、(b)は、この発明に係る取り外し工具Aの下部L字型部材を示す平面図である。
【図5】この発明に係る取り外し工具Aを、鋼管継柱に取り付けた状態を示す底面図である。
【図6】この発明に係る取り外し工具Aを、鋼管継柱に取り付け、また上側の鋼管とクレーンとを接続した状態を示す正面図である。
【図7】この発明に係る取り外し工具Aを用いて、鋼管継柱から上側の鋼管を取り外した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0027】
A:取り外し工具、
1:鋼管、2:上側の鋼管、3:下側の鋼管、4:上部L字型部材、
4a:垂直片、4b:水平片、5:固定バンド、6:押し棒、7:油圧シリンダー、8:下部L字型部材、8a:垂直片、8b:水平片、9:固定バンド、10:永久磁石、11:掛止爪、12:外枠、13:ボルト、14:ナット、15:油圧ケーブル、16:内側面、17:ボルト、18:嵌合孔、19:下面、20:ワイヤ、21:クレーン、22:スペーサー、23:貫通孔、24:内側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二以上の鋼管を継ぎ足した嵌合式組立鋼管継柱において、
鋼管に当接する内側面を有する垂直片と、当該垂直片の外面上部から外方に突出する水平片とから成る、正面視略逆L字の上部L字型部材を少なくとも二つ設け、
これらの上部L字型部材を、嵌合部の上側の鋼管の下端に、前記垂直片の鋼管に当接する内側面の下端に設けた掛止爪を掛止させて、当該鋼管に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、上側の鋼管に前記上部L字型部材を固定し、
前記上部L字型部材と略同構造で、掛止爪のない下部L字型部材を、前記上部L字型部材と同数設け、これらの下部L字型部材を夫々、前記上部L字型部材の真下にくるように、下側の鋼管外周に当接させ、これらの上から固定バンドを巻き回させて、下側の鋼管に前記下部L字型部材を固定し、
各上部L字型部材の水平片と、対向する各下部L字型部材の水平片との間に油圧シリンダーを介在させ、当該油圧シリンダーを作動させることにより、各上部L字型部材を突き上げさせ、上側の鋼管と下側の鋼管との嵌合を外れさせることを特徴とする、鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具。
【請求項2】
前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片の鋼管に当接する内側面が、横断山型にへこんでいることを特徴とする、請求項1に記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具。
【請求項3】
前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片に永久磁石を設けることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具。
【請求項4】
前記固定バンドの内周面に間隙をあけて、前記上部L字型部材及び下部L字型部材の各垂直片の厚さに略等しい厚さのスペーサーを設けることを特徴とする、請求項1、2又は3のいずれかに記載の鋼管継柱の嵌合部の取り外し工具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−1914(P2012−1914A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135768(P2010−135768)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000225201)那須電機鉄工株式会社 (22)
【Fターム(参考)】