説明

鋼製ドアの養生装置

【課題】 竣工検査で除去したダンボール及びビニールシートの養生に代えて,竣工検査から竣工引渡迄の間の補修工事業者の出入等による鋼製ドアへの傷等の損傷を防止するとともに外観よく鋼製ドアを養生する。
【解決手段】 鋼製ドア21の下方部分をサンドイッチ状に被覆する正背面一対の養生パネル10a,10bをプラスチックダンボールで形成し,この養生パネル10a,10b裏面の幅方向両端に帯状のゴムマグネット11を配置することによって鋼製ドア21の室内外に各養生パネル10a,10bを一次固定するとともに正背面一方の養生パネル10aに面ファスナー一方の長尺テープ12を,他方の養生パネル10bに面ファスナー他方の短尺テープ13をそれぞれ固定することによって鋼製ドア21に養生パネル10a,10bを二次固定して,竣工引渡まで鋼製ドア21を養生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋼製ドア設置時の損傷を防止するように用いる鋼製ドアの養生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼製ドアは,マンション,ホテル等に多用されるが,その設置は一般に建築物にドア枠を取付けて内装工事を施工した後に鋼製ドアを納入してドア枠に吊り込み設置するものとされており,このとき該鋼製ドアの養生は,一般に鋼製ドアの納入に際してそれぞれ梱包用の粘着テープによってダンボール及びビニールシートを鋼製ドアの正面及び背面の全部を覆うように配置して,物の衝接等による損傷を防止する一方,その後にダンボール及びビニールシートを除去して建物の建築物の竣工検査を受け,必要な手直し工事等その後に1ヶ月程度を経てから竣工引渡しに至るものとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし乍ら,養生に使用したダンボール及びビニールシートはその除去によって破損することが多く,これらを再度使用して鋼製ドアの養生を行なうのは外観を損なう可能性が高く,従って竣工検査から竣工引渡しまでの1ヶ月程度の期間が経過する間は,該鋼製ドアが無養生の状態で放置されるのが一般であり,この間に行われる手直し等工事業者の出入時の工具や腰袋や搬入搬出する資材の衝接,鋼製ドアへの物の立掛け,ドア開放用のストッパー噛ませ等々の原因によって鋼製ドアのいずれかに微細な傷を含めた損傷を生じることがあり,例えばこの種の損傷は設置した鋼製ドア総数に対して5〜6%程度の比率で生じることが多いが,損傷が生じると竣工引渡しまでの間に鋼製ドア毎に個別の補修を行なう必要があり,煩雑であるとともに作業者の人件費等予定外のコストが掛る結果となり易い。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,ダンボール及びビニールシートに代えて又はその除去後に使用することによって鋼製ドアを外観良く簡易に養生し得るようにした鋼製ドアの養生装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に沿って本発明は,プラスチックダンボールにより正背面一対の養生パネルを形成することによって,プラスチックダンボールの弾性により高度な耐衝撃性を確保し,折り曲げにも強く丈夫であることから再利用が可能となるとともに外観のよい養生を可能とし,該プラスチックダンボールの養生パネルを鋼製ドアの正面及び背面に一次固定(仮止めといってもよい)した後に二次固定(本止めといってもよい)することによって,鋼製ドア養生の作業性が良好にして現場に設置した鋼製ドアに対する後付け設置とその除去を容易化し得るとともに該一次固定を養生パネル裏面に配置した軟質磁石層で行なうことによって鋼製ドアを損傷する可能性を解消しつつ養生パネルを鋼製ドアに確実に保持し,また上記二次固定を正背面一対の養生パネル間の面ファスナーで行なうことによって鋼製ドアを挟持するように双方の養生パネルを強固に一体化して鋼製ドアに対する養生パネルの安定固定を簡易且つ確実になし得るようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,鋼製ドアの正面及び背面の一部又は全部を覆うプラスチックダンボール製正背面一対の養生パネルと,該正背面一対の各養生パネルの裏面側に配置した養生パネル一次固定用の軟質磁石層と,上記正背面一対の一方又は双方の養生パネルに長手方向一端を固定した面ファスナー一方のフック側又はループ側による養生パネル二次固定用にして複数本の長尺テープと,上記正背面一対の他方の養生パネルの長尺テープ自由端位置に固定して該長尺テープを受止め係止する面ファスナー他方のループ側又はフック側による正背面一対の養生パネルに複数箇所の短尺テープとを備えてなることを特徴とする鋼製ドア養生装置としたものである。
【0006】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,例えば標準的な鋼製ドアにおける正背面一対の養生パネル二次固定を簡易且つ確実になし得るものとするように,これを,上記複数本の長尺テープを,該長尺テープ固定の養生パネルからそれぞれ横方向に向けて配置することによって養生パネル横方向固定用としてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドア養生装置としたものである。
【0007】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,例えば指挟み防止用に吊元側の見込面を湾曲したもの等にあっては,該見込面と気密材間に長尺テープが絡んで引掛り状となって鋼製ドアの開閉が重くなることがあるため,このような場合に該吊元側の長尺テープの配置を縦方向に行なう如くに,必要に応じて一部の鋼製ドアにおける正背面一対の養生パネル二次固定を簡易且つ確実になし得るものとするように,これを,上記複数本の長尺テープを,該長尺テープ固定の養生パネルから横方向と縦方向に向けて配置することによって養生パネル縦横方向固定用としてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドア養生装置としたものである。
【0008】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0009】
なお本発明で長尺テープ及び短尺テープの長尺,短尺とは,相対的に前者が長く,後者が短い意味に使用するものとしてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,プラスチックダンボールにより正背面一対の養生パネルを形成することによって,プラスチックダンボールの弾性により高度な耐衝撃性を確保し,折り曲げにも強く丈夫であることから再利用が可能となるとともに外観のよい養生を可能とし,該プラスチックダンボールの養生パネルを鋼製ドアの正面及び背面に一次固定した後に二次固定することによって,鋼製ドア養生の作業性が良好にして現場に設置した鋼製ドアに対する後付け設置とその除去を容易化し得るとともに該一次固定を養生パネル裏面に配置した軟質磁石層で行なうことによって鋼製ドアを損傷する可能性を解消しつつ養生パネルを鋼製ドアに確実に保持し,また二次固定を正背面一対の養生パネル間の面ファスナーで行なうことによって鋼製ドアを挟持するように双方の養生パネルを強固に一体化して鋼製ドアに対する養生パネルの安定固定を簡易且つ確実になし得るようにして,ダンボール及びビニールシートに代えて又はその除去後に使用するに適した鋼製ドアの養生装置を提供することができる。
【0011】
請求項2及び3に記載の発明は,上記に加えて,それぞれ上記鋼製ドアにおける表裏一対の養生パネル二次固定を簡易且つ確実になし得るものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図5においてAは鋼製ドア21の表裏を覆うように配置した養生装置であり,該養生装置Aは,養生パネル10a,10bと,軟質磁石層11と,面ファスナーの長尺テープ12及び短尺テープ13とを備えて構成したものとしてある。
【0013】
養生パネル10a,10bは,鋼製ドア21の正面及び背面の一部又は全部を覆うプラスチックダンボール製正背面一対のものとしてあり,本例にあって該養生パネル10a,10bは,例えば鋼製ドア21の一部,特に一般に損傷を受ける傾向が強い高さ方向に図示省略のドアハンドルの上端近傍位置から下端に至るように下方の略1/2乃至2/3を部分的に覆い,幅方向にその全部を覆う面積を有するものとしてあり,このとき本例にあってはドアハンドルを露出して養生状態で鋼製ドア21の開閉を可能とするようにドアハンドル部分を切り欠き又は透設したものとしてある。
【0014】
プラスチックダンボールは,例えば厚さを5mm程度とした乳白色乃至その余の淡色の色調に着色した硬質塩化ビニール樹脂製の平坦な単層にして表面に印刷が可能のものを使用して,それぞれその表面に鋼製ドアメーカー名や図示省略の所定注意事項等を印刷表示したものとしてある。
【0015】
軟質磁石層11は上記正背面一対の各養生パネル10a,10bの裏面側に配置した養生パネル一次固定用のものとしてあり,該軟質磁石層11は,これを養生パネル10a,10b裏面に帯状乃至点在状に配置して養生パネル10a,10bを鋼製ドア21に磁力で支持することによって一次固定を行なうようにしてあり,本例にあって該軟質磁石層11は,例えばテープ状のゴムマグネットを使用し,各養生パネル10a,10b裏面の幅方向両端にそれぞれ上下に帯状をなすように配置することによって養生パネル10a,10bの磁力支持による一次固定を確実になし得るようにしてあり,このとき軟質磁石層11のゴムマグネットは接着剤乃至両面接着テープによって養生パネル10a,10bに接着してその配置を行なってある。
【0016】
長尺テープ12は,上記正背面一対の一方又は双方の養生パネル10a及び/又は10bに長手方向一端を固定した面ファスナー一方のフック側又はループ側による養生パネル二次固定用にして複数本のものとし,また短尺テープ13は,上記正背面一対の他方の養生パネル10b又は10aの長尺テープ12自由端位置に固定して該長尺テープ12を受止め係止する面ファスナー他方のループ側又はフック側による正背面一対の養生パネル10a,10bに複数箇所のものとしてある。
【0017】
即ち長尺テープ12及び短尺テープ13はフックとループ,特に微細フックと微細ループの掛止め係止によって双方を着脱自在に密着固定する,例えばベルクロ,マジックテープ等の登録商標で市販されているものを使用してこれを所定寸法に切断してそれぞれ正背面一対の養生パネル10a,10bの結束状の二次固定を行なうように配置してあり,このとき該テープ12,13は,例えば接着,溶着等の適宜の手段によって上記プラスチックダンボールの養生パネル10a,10bに対して固定したものとしてあり,本例にあっては超音波ウエルダーにより溶着固定してその配置を行なったものとしてある。
【0018】
本例にあって上記複数本の長尺テープ12は,これを,該長尺テープ12固定の養生パネル10a及び/又は10bからそれぞれ横方向に向けて配置することによって養生パネル10a,10b横方向固定用としたものとしてあり,本例の長尺テープ12は,鋼製ドア21の正面,即ち室外側用の養生パネル10aに対してそのループ側又はフック側を裏面に向けるように,正背面一対のうち一方,本例にあっては室外配置用の養生パネル10bの幅方向両端にそれぞれ長手方向一端を溶着固定することによって幅方向各端部に上下2本づつの合計4本を配置したものとしてあり,このとき該長尺テープ12は,その長さを該一方の室外配置用養生パネル10aの端部から鋼製ドア21の戸当り側及び吊元側の各縦の見込面を介して他方の養生パネル,即ち背面の室内配置用の養生テープ10bの表面に至るように,例えば20〜30cm程度にして幅を5cm程度としたものとしてある。
【0019】
一方本例の上記複数箇所の短尺テープ13は,これを上記長尺テープ12に合せてその非固定の自由端と重なる位置に,鋼製ドア21の背面,即ち室内配置用の養生パネル10bに対してフック側又はループ側を正面に向けるように溶着固定して同じくその幅方向両端の上下にそれぞれ2箇所づつ合計4箇所に配置したものとしてあり,このとき該短尺テープ13は,長さと幅を合せて5cm程度とした方形のものとしてある。
【0020】
このように形成した養生装置Aは,例えば従来のダンボールに代えて又はダンボール除去後に,鋼製ドア21の下方部分に正背面一対の養生パネル10a,10bを配置することによって該鋼製ドア21をサンドイッチ状に挟持するようにその養生をなすものとしてあり,具体的には各養生パネル10a,10bの軟質磁石層11を鋼製ドア21のドアパネルに吸着させて該各養生パネル10a,10bの鋼製ドア21に対する一次固定を行い,必要に応じて位置調整等を施した後,鋼製ドア21を開放した状態で正背面一方,本例にあっては室外側の養生パネル10aに一端を固定した長尺テープ12を該鋼製ドア21の戸先及び吊元側面の見込面を通過するように他方室内側の養生パネル10b側に廻して弛みを取り除き,該養生パネル10bに配置した短尺テープ13に長尺テープ12先端の自由端を受止め係止することによってその対接面のフックとループを掛止め係止して面ファスナーとして密着することによって養生パネル10a,10bの二次固定を行なうものとしてある。これによって養生パネル10a,10bは鋼製ドア21に一次固定した状態のまま面ファスナーによって更に二次固定される結果,養生パネル10a,10bが鋼製ドア21に対して強固且つ確実に固定されるに至り,鋼製ドア21の開閉はもとより該鋼製ドア21が風圧や振動を受けても養生パネル10a,10bが剥離したり,落下したりすることなくその安定した固定状態を維持することができる。工事が完了して竣工引渡しに際しては,上記と逆に長尺テープ12を短尺テープ13から剥すように二次固定を解除し,各養生パネル10a,10bを磁力に抗して引き剥すように一次固定を解除すれば,鋼製ドア21からその取り外しを行なうことができる。このとき養生パネル10a,10bの一次固定は軟質磁石層11によって行なうために鋼製ドア21のドアパネル,特に一般に使用されるカラー鋼板のドアパネルにこれが吸着して養生パネル10a,10bの支持を行なうも,そのカラー鋼板に擦り傷が付いたりすることもなく,また養生パネル10a,10bはプラスチックダンボール製であることによって,外観良好にして,耐衝撃性,耐水性,耐薬品性等に優れ,折り曲げにも強く丈夫であるから,耐久性に富んだ養生パネル10a,10bとして度重なる再利用が可能となるとともに鋼製ドア21を外観よく養生することができ,また養生パネル10a,10bは上記軟質磁石層11の一次固定と面ファスナーを用いた二次固定によってその安定した固定をなし得るから,その作業が容易であり,養生の作業性を可及的高度に確保したものとすることができる。
【0021】
図中10cは,本例において上記と同様に軟質磁石層11又は再剥離型テープを裏面側に配置し,これによって鋼製ドア21における鋼製のドア袖25に吸着固定して該ドア袖25部分を同様に養生するようにした同じくプラスチックダンボールによる袖用養生パネルであり,このときドア袖25部分は開閉不能にして該開閉による振動等を受けないので上記軟質磁石層11又は再剥離型テープによってその固定を完結的に行なうものとしてある。また図中20はドア枠,22は該鋼製ドア21の芯枠,23はハニカム芯材,24はドア枠20と鋼製ドア21間の気密材をそれぞれ示す。
【0022】
図6乃至図9は他の例を示したもので,本例にあって養生装置Aは,上記複数本の長尺テープ12を,該長尺テープ12固定の養生パネル10a,10bから横方向と縦方向に向けて配置することによって養生パネル10a,10b縦横方向固定用としたものとしてあり,例えば図示するように鋼製ドア21が,その指挟み防止用に吊元側の見込面を湾曲したものとされているとき等に,該湾曲した見込面と気密材24間に長尺テープ12が絡んで引掛り状となり鋼製ドア21の開閉が重くなることがあるため,このような場合に該吊元側において長尺テープ12の配置を縦方向に吊り支持するように行なうことによって,長尺テープ12が該見込面に至ることのないようにするとともに該長尺テープ12による養生パネル10a,10bの確実な固定を行なうようにした例である。
【0023】
即ち本例にあって同様に正面,即ち室外側の養生パネル10aの幅方向両端の上下にそれぞれ2本づつの合計4本の長尺テープ12を溶着固定するとともに該養生パネル10aの幅方向一端,即ち戸先側においては,上記と同様に2本の長尺テープ12をそれぞれ横方向に向けて配置する一方,幅方向他端,即ち吊元側においては上記と異なり2本の長尺テープ12を縦方向に向けて配置し,また背面,即ち室内側の養生パネル10bにおける上記長尺テープ12の非固定の自由端と重なる上下端位置に同様に短尺テープ13を溶着固定してあり,これによって幅方向一端の戸先側において上記例と同様に長尺テープ13を横方向二次固定用とし,幅方向他端の吊元側において長尺テープ12を縦方向二次固定用としてある。
【0024】
このとき上記横方向二次固定用の2本の長尺テープ12は,上記例と同様に戸先側の縦の見込面を介してそれぞれ他方の養生パネル,即ち背面たる室内側用の養生パネル10b表面に至り,その上下端の短尺テープ13に横方向の固定を行なうようにし,また上記縦方向二次固定用の2本の長尺テープ12は,吊元側上下の横の見込面を介してそれぞれ室内側用の養生パネル10b表面に至り,その上下端位置の短尺テープ13に縦方向の固定を行うようにして,戸先側と吊元側とで縦横方向の各固定を行なうものとしてある。
【0025】
これによって本例にあっては長尺テープ12が鋼製ドア21の吊元側における横の湾曲した見込面に配置されることがないので,該吊元側で長尺テープ12が絡むことによって生じる鋼製ドア21の開閉不良といった,一部の鋼製ドア21の事情によって生じる養生装置Aの問題点を解消することができる。
【0026】
本例にあっても上記と同様に,軟質磁石層11による養生パネル10a,10bの一次固定を行い,長尺テープ12の横方向と縦方向とによる縦横方向の各二次固定を行なうことによって,養生パネル10a,10bが鋼製ドア21に対して強固且つ確実に固定され,安定した固定状態を維持することができるとともに鋼製ドア21からその取り外しを行なうことができ,鋼製ドア21のドアパネルのカラー鋼板に擦り傷が付いたりすることもなく,鋼製ドア21を外観よく養生することができ,養生の作業性を可及的高度に確保したものとすることができる。
【0027】
その余の基本的な構成は上記例と変らないので同一符合を付してその重複する説明を省略する。
【0028】
図示した例は以上のとおりとしたが,正背面一対の一方の養生パネルを鋼製ドアの全部を覆い,他方の養生パネルを鋼製ドアの一部を覆うようにし,また双方の養生パネルが鋼製ドアの全部を覆うようにすること,養生パネルのプラスチックダンボールを複層のものとすること,養生パネルの幅方向中間部を膨出した形状として鋼製ドアがその面内中間部にモール等の突起段差部分を表面に有するときに該突起部分を膨出部分に受入れ可能とし,また養生パネルの面内に伸縮自在の蛇腹部分を形成して同様に鋼製ドアの突起段差部分を該蛇腹部分の伸張によって吸収するようにすること,軟質磁石層を養生パネルの裏面に適宜に点在して養生パネルを磁力支持するようにすること,長尺テープを正背面一対の双方の養生パネルに配置して且つ該双方の養生パネルにそれぞれ長尺テープを受止め係止する短尺テープを配置するようにすること,長尺テープを一方の養生パネルに配置するとき,上記例と逆に室内用の養生パネルにこれを配置し,正面用の養生パネルに短尺テープを配置するようにすること,複数の長尺テープを片側に3本とする如くに多数本のものとすること等を含めて,本発明の実施に当って鋼製ドア,養生パネル,軟質磁石層,長尺テープ,短尺テープ等の各具体的材質,形状,構造,これらの関係,これらに対する付加等は上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】鋼製ドアと養生装置との関係を示す正面図である。
【図2】鋼製ドアと養生装置との関係を示す袖部分を省略した背面図である。
【図3】鋼製ドアと養生装置との関係を示す横断面図である。
【図4】図1の正面用養生パネルの正面図である。
【図5】図2の背面用養生パネルの正面図である。
【図6】他の例を示す鋼製ドアと養生装置との関係を示す正面図である。
【図7】その鋼製ドアと養生装置との関係を示す背面図である。
【図8】鋼製ドアと養生装置との関係を示す横断面図である。
【図9】鋼製ドアと養生装置との関係を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0030】
A 養生装置
10 養生パネル
10a 正面用養生パネル
10b 背面用養生パネル
11 軟質磁石層
12 長尺テープ
13 短尺テープ
21 鋼製ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製ドアの正面及び背面の一部又は全部を覆うプラスチックダンボール製正背面一対の養生パネルと,該正背面一対の各養生パネルの裏面側に配置した養生パネル一次固定用の軟質磁石層と,上記正背面一対の一方又は双方の養生パネルに長手方向一端を固定した面ファスナー一方のフック側又はループ側による養生パネル二次固定用にして複数本の長尺テープと,上記正背面一対の他方の養生パネルの長尺テープ自由端位置に固定して該長尺テープを受止め係止する面ファスナー他方のループ側又はフック側による正背面一対の養生パネルに複数箇所の短尺テープとを備えてなることを特徴とする鋼製ドア養生装置。
【請求項2】
上記複数本の長尺テープを,該長尺テープ固定の養生パネルからそれぞれ横方向に向けて配置することによって養生パネル横方向固定用としてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドア養生装置。
【請求項3】
上記複数本の長尺テープを,該長尺テープ固定の養生パネルから横方向と縦方向に向けて配置することによって養生パネル縦横方向固定用としてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドア養生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−169768(P2006−169768A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361676(P2004−361676)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(504459179)トステムSD株式会社 (2)
【Fターム(参考)】