説明

錠剤の側面に配置されている分離マークを有する医薬錠剤

2個のセグメントを有し、そのうちの一方は、頂部セグメントであり、他方は底部セグメントである医薬錠剤であって、前記の錠剤は、前記の錠剤が1つまたは複数の分離マークを与えられる少なくとも1つの側面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤の任意選択的な所望の破断が、1個のセグメント内に収まるように指示して、より正確な錠剤破断を助けるために、新規の方法で錠剤に、好ましくは1個のセグメント内に配置されているマーキングを有するセグメント化された医薬錠剤を記載している。
【背景技術】
【0002】
医薬錠剤は従来から、錠剤表面を通る連続的な窪みである刻み目を備えている。この刻み目の目的は、前記の錠剤を破断(細分)して、2個のより小さいサブユニット(本願明細書ではタブレッテと称される)にするための可能で望ましい錠剤領域を示すことである。
【0003】
刻み目のある錠剤の現在のバージョンに関する問題は、よく知られている。これらの問題には、活性薬物の損失および錠剤の不正確な分割が含まれるので、2個の等分の半分錠剤に細分されることを意図されている錠剤は往々にして、その理想には近づいていない。
【0004】
したがって従来、刻み目を有したとしても、錠剤を正確に破断することは困難であると認識されている。
【0005】
その刻み目のある錠剤が往々にして破断されるワルファリンなどの多くの薬物は、用量調節を必要とする。患者による錠剤破断を介してのこれらの用量調節は、不正確であると決定されている。次の検討で示されるように、多年にわたって専門家が錠剤破断の質を改善するように薬剤業界に呼びかけていたが、本発明に至るまで、いまだこのようなことは、最適化されていない。
【0006】
1984年に、Stimpel et al.(「Stimpel」)は、心臓血管の問題を治療するための様々な錠剤の破断の相対的正確度を記載している。M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299。熟練した器用なヒトにより、破断は行われたが、Stimpelは、破断が正確ではないことを発見し、さらに、患者による現実世界での使用は、さらにより不十分な結果をもたらしているであろうと述べている。Stimpelは、薬剤工業に対して、錠剤の分割精度を改善するよう次のように呼びかけている:「錠剤を半分に分割しても不正確な用量はもたらされないであろうという仮説は明らかに根拠がない。この不正確さの考えられる原因は、臨床的状況ではさらに重大であり(我々の研究は理想的な条件下で行った)、薬剤工業は、分割性を改善するか(ロプレッサーおよびログロトン(logroton)に関して既に行われている)、さらに良好には、刻み目のない錠剤を幅広く市販することにより、臨床的に必要となりうるすべての用量を提供することに取り組むべきである」。
【0007】
このような所見および声明にもかかわらず、さらに、刻みパターンおよび/または錠剤形態を最適化することに関する様々な特許の発行にもかかわらず、Rodenhuis et al.、(2004)は、「刻み線の機能の改善は、この用量形態を禁止するよりもより実用的な手法であり得る」(強調が加えられている)と記載した。N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308(後記では「Rodenhuis」)。Rodenhuisは、欧州規制当局が、1998年に錠剤の刻みに反対する政策を始めたと述べている。この政策の変化は、Rodenhuisによると、「刻み目を有する錠剤の多くは、破断が難しく」、「刻み目を有する錠剤の多くは、小分けされた半分に関して不十分な質量均一性を示す」との「劣悪な刻み線の機能に関する多くの最近のリポート」に関しているようであった。次いで著者は、錠剤に刻み目をつける場合の有用な側面の記載を続けている。このトピックに関する包括的な概説論文に関しては、van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145参照。
【0008】
問題の深刻さを証明しているいくつかの最近の研究を下記に示す。
【0009】
Peek et al.、(2002)は、50〜79才の「年配患者」により分割される錠剤を研究した。Peek,B.T.、Al−Achi,A.、and Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。特別な指導なしに機械的な錠剤分割機を用いて、刻み目のある錠剤を破断すると、錠剤のかなり不満足な分離が生じる。例えば、ワルファリン5mgは平均で、1.9mgと3.1mgの錠剤に分割された。この有力な抗凝血剤は、2、2.5および3mg錠剤用量が製造されるような狭い治療範囲を有する。Biron et al.(1999)は、ワルファリン10mgも往々にして、4.25mg未満または5.75mg超に分割されることを証明している。Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.and Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)。加えて、彼らは、ワルファリン錠剤の破断からの細片化またはチップ化による質量の損失は、統計的に重大であることを証明している。彼らはさらに、錠剤の四分化は、大いに不正確であることを証明している。
【0010】
McDevitt et al.、(1998)は、刻み目のない25mgヒドロクロロチアジド(HCTZ)錠剤は手では劣悪に分割されて、12.4%が、理想重量から20%超逸脱していることを発見した。McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197。試験被験者の77%が、刻み目のない25mg錠剤を分割するよりも、個別に製造されている12.5mg HCTZ錠剤のための割増金を支払いたいと述べている。
【0011】
Rosenberg et al.(2002)は、薬剤師により分取される分割錠剤を研究した。Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.and Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205。彼らは、「錠剤分割は、許容できないほど高い重量変動の発生をもたらす」ことを発見した。彼らは、「分割錠剤の均一性を保証するために、標準を開発すべきである」と勧めている。
【0012】
Teng et al.、(2002)は、錠剤を分割するための実験状況内で熟練した個人を使用して、「我々が試験した11個の薬物製品の大部分は、等用量の半分の錠剤に分割しうるかを評価すると、寛大に解釈されるUSP(アメリカ薬局方)均一性試験に失格である...コストを削減するか、用量レジームを改善するための錠剤分割の実施は、比較的高い重大な毒性および急勾配の用量応答効力曲線を有する薬物を使用する患者には推奨されない」と結論した。Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.and Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199。
【0013】
Rodenhuisは、あるオランダ研究での錠剤全部のうちの31%が、嚥下される前に細分されていると報告した。
【0014】
米国においては、多くの「マネジドケア」保険団体は、刻み目のない不規則な形状の錠剤でも、患者が分割することを勧めている。米国の非常に多くの薬物製品は、刻み目がないか、錠剤とすることもできるがカプセルとして提供されている。本発明は、刻み目があるか、ない錠剤の両方に関して、解決策を提供するが、これにより、前記の問題に対して改善された解決がもたらされる。
【非特許文献1】M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299
【非特許文献2】N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308
【非特許文献3】van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145
【非特許文献4】Peek,B.T.、Al−Achi,A.、and Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。
【非特許文献5】Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.and Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)
【非特許文献6】McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197
【非特許文献7】Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.and Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205
【非特許文献8】Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.and Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199
【非特許文献9】Sica,D.、Drugs、2002;62(3):「Rationale for Fixed−Dose Combinations in the Treatment of Hypertension」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
加えて、組合せ製品での治療は、医薬では一般的であり、このことは、1剤形が複数の活性成分を含みうることを意味している。この治療の意味は一部では、次のように検討することができる:
本発明に関連する分野は、全身動脈性高血圧(「高血圧」)の併用薬物治療の分野である。技術的には、高血圧のための併用治療は、患者の高血圧を治療するための通常ベースにおいて2種またはそれ以上の薬物を使用することを必要とする。通常、この用語は、少なくとも2種の薬物製品での毎日の治療を包含する。
【0016】
併用療法は、高血圧を治療するために以前から長く使用されている。高血圧の全ケースのうちのほぼ半分は、1種の薬物を最大許容用量で用いても、目的血圧まで治療することができないことは広く評価されている。治療を助けるために、1個の錠剤またはカプセル内に複数の活性成分を含む固体の経口剤形が製造されている。これらの剤形は、患者、看護士または薬剤師が、一方の活性剤を他方の活性剤から分離する手段を有さないので、「固定用量」組合せ製品として知られている。Sica(2002)は、「1950年代までのかなりの遺産が、固定用量併用治療に関して存在する」と述べている。同じ論文において後に、著者は、固定用量手法に伴う困難、本発明の実施形態が新規で有用な解決策をそのために提示する困難(Sica,D.、Drugs、2002;62(3))、「高血圧の治療における固定用量組合せに関する理論的根拠」を指摘し、次のように述べている。「医師には、自由な組合せの使用に固有の用量投与柔軟性を利用することは一般的ではないが、固定用量組合せの使用に関する欠点は、その個々の成分での用量投与柔軟性が欠けていることである。固定用量併用治療を用いると、BP制御のために、いずれかの薬物が調整可能な量で必要である場合に、別々の処方が必要となる。このことは、レジームの複雑さを高め、コンプライアンスにマイナスの影響を及ぼす可能性を有する。加えて、固定用量併用治療は、一般に高血圧と共に存在するアンギナまたはうっ血性心不全などの疾患を管理するために適した薬物量を提供することができない。」。
【0017】
本発明は、層状錠剤で現在実施されているすべてのセグメントまたは層の所ではなく、好ましくは1個のセグメントまたは層での新規の方法での錠剤の破断を助ける医薬錠剤における新規の位置のマーキングを伴うセグメント化された層状医薬錠剤を記載することにより、前記の状況を改善するための手段を提供する。
【0018】
高速製造の間に、3層錠剤の中間層にのみ刻み目を入れることは、技術的に実行不可能であり、そのようにするためには、パンチ上にエンボシングと称される装置を有する錠剤金型が必要であろう。金型から延びていて、前記の金型中で成形された錠剤に水平に窪みをつけるこのような構造を用いて成形される錠剤を、実際に製造することはできるが、これを、前記の金型から取り出すことはできず、そのようにしたら、錠剤は壊れ、その下部の出口は、前記の「エンボシング」により物理的にブロックされるであろう。
【0019】
頂部および底部刻み目に加えて、場合によっては、錠剤金型の部分である「エンボシング」により作られる、錠剤の高さ方向に延びる垂直な刻み目を作り出すことが知られている。こうして作られた錠剤の例は、Desyrel Dividose(登録商標)であり、これは、頂部または底部パンチ上のエンボシングにより簡便に作られる刻み目を有し、さらに、金型から生じる「エンボシング」に由来する、錠剤の高さ(この場合には短軸)方向の垂直刻み目を有する。
【0020】
加えて、2つまたはそれ以上の層からなる錠剤の1層(セグメント)に好ましくは限られる領域を破断するようにヒトをガイドする他の手段の使用は開示されていない。このような可能な手段には、可食性インクでの印刷、ゼラチンバンディングおよび穿孔が含まれる。
【0021】
複数の層を有する錠剤の破断を助ける現在の方法は、商品名Norgesi(登録商標)およびNorgesic Forte(登録商標)の製品により例示される。この3種薬物製品は、3つの層で製造されており、1つは、アスピリンのみから形成され、1つは、カフェインのみから形成され、他は、クエン酸オルフェナドリンから形成されている。頂部層(または底部層)刻み目は、前記の層の表面に限られており、前記の層の中央に位置している。刻み目の所で慣用の方法で錠剤を破断すると、錠剤の3層すべてで破断され、破断が各層それぞれを半分にすることを意図していることは明白である。本発明に至るまで、このような3層錠剤の中央層に破断点を設ける補助手段を提供して、このような錠剤を頂部層全部および中間層の一部を含むものと、底部層をおよび中間層の一部を含むものとの2個のより小さい錠剤(本出願では「タブレッテ」)が生じるように破断することができるようにすることは教示されていない。
【0022】
加えて、本発明は、1個のセグメントまたはセグメント間の境界面で錠剤が破断されるようにする層の着色を利用する。異なる色を有する層を伴う錠剤はよく知られているが、これらは、層状錠剤を、全層ではなく1層で破断することができるように構造化されていないし、そうして利用することも教示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、2個のセグメントを有し、そのうちの1個は、頂部セグメントであり、他方は底部セグメントである医薬錠剤を提供しており、この錠剤は、前記の錠剤が圧縮される錠剤金型の内表面(壁)と接触している面を有する。本発明の前記の錠剤は、
(a)側面の刻み目(前記の刻み目は、垂直方向ではなく、好ましくは水平方向であり、ここで、垂直および水平方向は、本開示に従い決定することができる)、
(b)前記の錠剤の望ましい破断領域を示す少なくとも1側面上の印、
(c)1個のセグメント上に位置する1個のセグメント上または2個のセグメントの境界面に位置するバンド、または
(d)第1の下部および第2の上部セグメントが、同じ色を有し、薬理学的に有効な量の同じ薬物を含有するか、両方とも薬理学的に有効な量で薬物を含有せず、前記の第1セグメントとは異なる色を有する第3の内部中間セグメントは、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を有する場合には、前記の第1のセグメントと同じ薬物を有し、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を含有しない場合には薬理学的に有効な量の薬物を有しない前記の錠剤の核を有する。
【0024】
分離マークの適切な位置は、2個のセグメントの境界面である。
【0025】
本発明による好ましい医薬錠剤は、分離マークが頂部または底部セグメントでない単一のセグメントに位置しているものである。
【0026】
さらに本発明は、少なくとも1個の付加的な分離マークが、頂部または底部セグメントである1個または複数のセグメントに設けられている医薬錠剤を含む。
【0027】
したがって、錠剤の領域を示し、すべてのセグメントよりも少ないセグメント数で破断することを指示する分離マークを提供することが、本発明の第1の目的である。
【0028】
さらに、相対的に不活性なセグメントで錠剤を破断するためのガイドとなる分離マークを提供することが、本発明の目的である。
【0029】
さらに、錠剤を破断することにより錠剤部分を作るための改善方法を提供することが、本発明の目的であり、その際、相対的に不活性な部分を有する錠剤を提供し、錠剤の破断者に、錠剤の相対的に不活性な部分で錠剤を破断するように力を加えさせることにより、刻み目のある錠剤および刻み目のない錠剤の破断の正確度を高めるようにする。
【0030】
本発明のこれらの目的または他の目的は、本明細書から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
分離マークはそれだけで、慣用的に刻み目をつけられている錠剤の場合と同様に、分離マークの所での破断をもたらす破断力の適用を示唆する。しかしながら、分離マークに注意を正確に向ける記載指示が、本発明を利用する医薬品のパッケージングまたはラベルに含まれていてもよいと、考えられる。
【0032】
「セグメント」との用語を本願明細書では、本発明の錠剤を記載するために利用する。セグメントは、本発明の錠剤またはタブレッテ(下記参照)の実質的に均一な連続領域全体を示している。セグメントは、1個または複数の層に由来する。顆粒を錠剤プレス機の金型に完全に入れた(即ち、「充填」を行った)後に、層を生じさせる。本発明の主なトピックである圧縮錠剤では、層は、前記の顆粒がタンピングされていないか、タンピングされているか、十分に圧縮されているかにかかわらず存在していると見なす。実質的に同一の顆粒の2回またはそれ以上の連続的な供給を、錠剤を成形する際に利用することができ、その際、これら2個の実質的に組成的に同一の層を圧縮すると、これらは、通常、錠剤の1ユニットとして処理される。この「ユニット」は、セグメントと称され、より明確には、コンパウンドセグメントと称される。層が連続的で(細分されてなく)、実質的に同一の層と隣接していない場合、セグメントは、1つの層を有する。このようなセグメントは、本願明細書では単一セグメントと称される。複数の連続する実質的に同一の層からなるセグメントは、本願明細書では、コンパウンドセグメントと称される。
【0033】
本願明細書で使用する場合、「水平」(「横位」)および「垂直」などの用語は、錠剤に関して使用する場合、金型中で製造され、金型から除去または排出される前の錠剤の空間的方向をベースとしている。したがって、錠剤の頂部層(セグメント)は、中間および底部層(セグメント)の上にあると考えられる。錠剤の層およびセグメントは、相互に垂直に配置されており、顆粒として入れられ、垂直に層を形成すると考えられる。
【0034】
錠剤の高さは、錠剤の最下部から最も高い部分のレベルまでの垂直距離を示している。2種の横位寸法があり、その最も幅広な部分での錠剤の断面を取ることにより測定される。錠剤の断面構造が円形または正方形でない限り(そうでなければ正方形断面形の周辺でのべべリングまたはカッピングを除く)、少なくとも2種の異なる横位寸法が存在する。前記の2種の異なる横位寸法の長い方を、幅、短い方を奥行きと称する。本発明の錠剤は、少なくとも2つのセグメントを含み、即時放出(即ち、制御放出または「薬物輸送」コーティング、添加剤または特性がない)である放出特性を有し、幅を上回る高さを有する。本発明の錠剤は、セメント、膠、接着剤などを使用して成形されていない。
【0035】
同じ薬物を含む他のセグメントに対して薄い濃度で活性薬物を含むセグメントの場合、または錠剤のいずれかのセグメント中に前記の薬物の最大濃度である薬物濃度を含むセグメントの場合(破断のより高い正確さがさらに有利である)には、錠剤破断が、錠剤の最も望ましい位置で確実に生じるようにするために、サイズが限定されるか、範囲内のさらに限られた領域を示す分離マークに対する必要性は、ますます高くなる。
【0036】
本発明の錠剤を破断すると生じる主な分離構造は、本願明細書ではタブレッテと称され、好ましい実施形態では、これらは、正確な量の1種または複数の薬物を含む。
【0037】
分離マークには次が含まれる:(a)三角形または正方形などのいずれかのタイプのプロファイルを錠剤の1個または複数の表面に有する刻み目、(b)錠剤上の所望の破断領域での実線または点線などの印刷された印、(c)はさみ、矢印またはドットまたはドットシリーズの表示などの破断を示唆する記号を伴うか、伴わないロゴ、「破断」などの語または「ここで破断」などの語などの印刷された印、(d)適切なパターンで点々と、しかし線として錠剤の横位寸法にわたって配置されていてよい窪み、(e)ゼラチンバンドまたは可食性ポリマーテープなどの、錠剤全部または一部を取り囲むテープなどのバンド、(f)これらに限られないが、深さ例えば0.1から0.5mmまでの錠剤の一部の機械的除去により、または所望の量の材料を除去するために有効な波長および出力を有するレーザーにより生じさせることができ、適切なパターンで配置されていてよい錠剤の穿孔部、(f)例えば、対照的に着色されているか、着色されていない相対的に不活性なセグメントが、その上の実質的に不活性な白色または着色セグメントおよびその下の別の実質的に不活性な白色または着色セグメント色に隣接していて、例えば、印刷または刻みを必要とせずに、相対的に不活性なセグメントが相対的に不活性な錠剤領域の中心として識別されることにより、あるいは、1種または複数のコントラスト顆粒が使用されて、錠剤における破断領域を示すために役立つ薄いコントラストセグメントを生じさせる多層錠剤装置で錠剤中にモールディングされている狭いコントラストセグメントなど、色のコントラストにより生じる新規のカラーガイド。
【0038】
これらはすべて、所望の破断領域を示す際に役立ち、本発明の錠剤を所望に破断する物理的動作を助ける。したがって、好ましい分離マークは、3セグメント錠剤の内部セグメントを横切る刻み目であり、この際、前記の内側セグメントは、薬理学的に活性な量の薬物を含有せず、両外側(頂部および底部)セグメントが、薬理学的に活性な量の同じか異なる薬物を含有する。
【0039】
前記のタイプの刻み目は、市販の錠剤製造においては製造することができない。それというのも、そうするためには、錠剤形成を可能にするが、金型から形成された錠剤を排出することを妨げる水平な「シェルフ」または「エンボシング」が金型内に必要であるためである。しかしながらこのような刻み目は、他の手段により、例えばヤスリを使用して手動で、または高速製造法により製造することができる。薬学的に許容できるインクおよびバンド材料などの印を施与する様々な方法が、よく知られており、錠剤の側面に施与して、2個のセグメントの間に挿入されている相対的に不活性なセグメントなどでの望ましい錠剤破断領域を示すことができる。
【0040】
刻み目の深さは、約0.5mmから約3mmであってよいが、錠剤の厚さの約40〜50%を上回るべきではない。分離マークの長さは、厳密ではなく、円形錠剤の場合には、30°から180°、さらに好ましくは60°から120°の弧を有してよく、長方形、台形などの錠剤の場合には、刻み目は、分離マークが位置している点で測定して錠剤の周囲の約10%から50%を含んでよい。
【0041】
「活性剤」、「活性薬」、「薬物」、「活性医薬成分」および「薬理学的に活性な薬剤」との用語は、本願明細書では互換的で、生物(ヒトまたは動物)に投与されると、薬理学的作用をもたらし、処方および非処方薬剤化合物、薬理学的に有効な量のビタミンおよび補酵素などの物質が含まれる化学物質または化合物を指している。「推奨1日許容」量での食料またはビタミンなどの物質は、本願明細書では、「薬物」と見なされない。
【0042】
顆粒を錠剤金型に連続して導入することにより、本発明の医薬錠剤を、層状に製造する。特定のために、錠剤を、金型での形成順序に関して、頂部、底部、側面、垂直方向(または軸)、水平(横位)方向(または軸)の用語で記載する。したがって、金型に3種の異なる顆粒を連続的に導入することにより生じる錠剤は、3層錠剤を形成し、次のように記載することができる。金型への第1の顆粒は、底部層(外側層である)を形成し、第2の顆粒は内部層を形成し、第3および最後の顆粒は頂部層(外側層である)を形成する。錠剤の底部から頂部に至る理論的軸は、垂直軸であり、錠剤の垂直方向として示されるが、金型を出た後の錠剤の方向に関してではない。垂直軸または寸法に対して垂直な線または面は、水平または横位の線または面である。
【0043】
本発明の主な課題は、通常は単一のセグメントで錠剤を簡便に破断することができるようにすることであるが、さらに、複数のセグメント間の境界面で錠剤を破断することも含む。破断のための好ましい領域は、薬理学的に有効な用量の薬物を含まないセグメントの所である。
【0044】
別々の顆粒を、金型中で現在実施されているように垂直ではなく、水平に(横方向に)連続して入れることができると、こうして製造された錠剤は、同じ生成物が製造されるであろう本発明の範囲内になるであろう。
【0045】
力を加えて、分離マークの所またはその付近で、錠剤の破断が行われることが望まれている表面に対して実質的に垂直である方向に錠剤を破断すると、錠剤の破断により、予測可能な量の活性成分が生じる。ちょうど分離マークに、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより、本発明により錠剤を破断して、分離マークの所またはその付近で分離マークの方向に錠剤を破断することができる。
【0046】
分離マークは、刻み目を用いるよく知られている通常の方法で、任意選択的な錠剤破断をガイドすることを意図しているので、その力は、分離マークの所またはその付近で、錠剤の破断が行われることが望まれている表面に対して実質的に垂直である方向に錠剤を破断するように加えられる。ちょうど分離マークに、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより、本発明により錠剤を破断して、分離マークの所またはその付近で分離マークの方向に錠剤を破断することができる。
【0047】
図面は、本発明の錠剤およびタブレッテの垂直断面を描いている。それらが金型中にあるように錠剤は描かれているので、頁の方向での錠剤の頂部は、金型中での錠剤の頂部に対応している。言い換えると、図面にみられる錠剤の頂部セグメントは、金型に最後に入れられた顆粒を含んでいる。無傷の錠剤から分離される前に、金型に存在していたように、タブレッテは描かれている。
【0048】
「正面図」は、正面として任意に設計された面に関して錠剤を通る理論的幾何面を有する、錠剤の断面図を指している。対応する「正面図」も有する「側面図」と標識されている図面は、正面図右側からの錠剤全体の断面と見なされる。即ち、側面図は、断面正面図に対して90°の角度で錠剤全体の垂直軸で面を返した断面図である。各正面図は、図式的断面図を示しており、これらは、錠剤の正面から錠剤またはタブレッテの後側までを測定された水平断面図の中心点を通る。正面図はさらに、錠剤の主軸に対して平行であり(例えば、長方形(正方形ではない)の錠剤に関しては横位断面)、周囲の長い方の辺は、断面正面図を描いている辺と平行である。この面は、前記の錠剤の正面と背面との中間に位置している。
【0049】
薬理学的に有効な量の薬物を含有するセグメントは、斜線を引かれて示されている。薬物を含まないか、薬理学的量の1種または複数の薬物を含まないセグメントは、何もなしに示されている(そのまま、斜線または点描なし)。各図面の上部は、錠剤の上部に対応しており、これらはすべて、最終圧縮を終え、金型から排出される前に、金型内に位置しているように描かれている。一貫性のために、タブレッテは、錠剤が形成された後に作られるが、タブレッテは、それらが由来する錠剤と同じ方向で描かれている。図面に描かれている錠剤中の分離マークは、錠剤の表面上またはその中に存在し、錠剤の表面上または内の前記の刻み目の位置(図示せず)を反映している点線として図面に描かれている断面図に表われるほど錠剤に十分に深くは達していない刻み目として描かれている。分離マークまたは他の刻み目の深さは、特定の実施形態における錠剤の最も幅広の断面の半分よりも深くてもよく、分離マークである表面刻み目を反映する横位点線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限するものではないと理解されたい。同様に、表面刻み目を反映する点線は、分離マークとして役立つ刻み目の垂直または水平規模もしくは高さまたは深さを制限しない。穿孔部または断続的な刻み目は、本発明の範囲内である。適切な出力および波長のレーザーまたは細い器具により、穿孔を製造することもできる。本願明細書では穿孔は、錠剤の一方の側面から他の側面、好ましくは反対側の側面へと延びる「トンネル」などの穴と定義する。分離マークとして役立つ何らかの刻み目または印刷された印は簡便には本願明細書では、錠剤の正面表面に位置していると仮定されており、これは、錠剤の垂直方向表面から任意に選択される。錠剤の「側面図」は、正面図から90度回転させた錠剤の断面図である。分離マークの寸法は、図面中の点線としてのその描出により制限されない。加えて、破断をガイドする印刷された分離マークとしての印の有効性を制限することも意図されていない。錠剤は、微細な鋸歯パターンにより示されている破断表面と共に描かれている。このような鋸歯描出は図式的で、錠剤またはタブレッテの破断の実際のパターンを表すことを意図したものではない。
【0050】
図1aおよび1bは、組成的に実質的に同一の上部セグメント40および下部セグメント44を有する錠剤を描いている。内部セグメント42は、セグメント40および44それぞれでは治療的有効量で存在する薬物を痕跡量で含有する。境界面46および48は、セグメント42の上部部分およびセグメント42の下部部分とがそれぞれ、上部セグメント40および下部セグメント44と隣接している領域を示している。曲線境界面は、湾曲している上部タブレットパンチのプロファイルから生じている。刻み目52が、図1bに描かれている。図1a中の破線50は、錠剤の表面上の刻み目52の反映(図示せず)であり、錠剤の短い方の横軸の中間は通っていない。
【0051】
図2a〜dは、刻み目52で図1aおよび1bの錠剤を破断して生じさせたタブレッテを描いている。図1aの内部セグメント42は、無傷のセグメントとしてはもはや存在していない。図1aおよび1cの上部タブレッテは、無傷の上部セグメント40に付着したセグメント80を含み、下部タブレッテは、セグメント82および無傷のセグメント44を含む。
【0052】
セグメント42に位置する刻み目で図1aおよび1bの錠剤を破断することは、刻み目のある層状(セグメント化)錠剤で現在実施されている垂直寸法での錠剤の破断よりも明らかに容易である。活性薬物が位置する錠剤部分で破断が行われないという事実により、錠剤中に含まれる1種または複数の活性薬物に関して非常に正確な破断がもたらされる。
【0053】
図3は、2セグメント錠剤を示しており、この際、顆粒から生じている各セグメントは、薬理学的に有効な量の医薬品を含有する。上部(外側)セグメント124は、下部(外側)セグメント126よりも長い。境界面128は、そこで前記の各セグメントが接触している領域を示している。錠剤の外側表面にある印刷マーク(図示せず)は、前記の表面印刷マークの位置を反映している矢印130の位置により示されている望ましい破断点を示している。しかしながら、錠剤のどの部分がどのセグメントを含むかを識別することができるように、これら2個のセグメントはさらに、異なる色を有する。
【0054】
図4aおよび4bは、図3の錠剤を破断することにより生じた2個のタブレッテを描いている。図4aのタブレッテは、図3のセグメント124の大部分を示すセグメント118からなる。図4bに描かれているタブレッテは、無傷の形のセグメント112および、図3のセグメント126の半分未満のポーションを示しているセグメント120を含む。境界面116は、前記のセグメントが隣接している領域を示している。湾曲面は、錠剤パンチのプロファイルに基づく。
【0055】
図5は、以前記載したものよりも長い錠剤が示されている。前記の錠剤は、1個のセグメントでの破断を容易にすることに関して、他のものよりもさらに適している。上部セグメント600は、治療的量の薬物を備えており;点を打たれている内部セグメント604は、治療適量の別の薬物を備えており、下部セグメント608は、セグメント600および604中に治療的量で存在する薬物とは別の薬物を治療的量で備えている。そのままの(模様のない)内部セグメント602および606は、錠剤中に存在する3種の各薬物を薬理学的に無効な量で含む。境界面610、612、614および616は、2個の隣接するセグメントが近接する領域を示している。図5の錠剤は、各セグメントごとに異なる色を備えている。表面刻みまたは印が存在しなくても、この色スキームは、セグメント602で錠剤を破断して、図6aおよび6bに描かれているタブレッテを作るように力を加えるように、ヒトの注意を向けるためのスキームである。図6aは、横方向でセグメント602の所で図5の錠剤を破断することにより作られた、より小さなタブレッテを描いている。セグメント620は、前記の破断により作られており、図5のセグメント602は、もはや無傷のセグメントとしては存在していない。図6bは、図5の錠剤を前記のように破断することにより作られた、より大きなタブレッテを描いている。新たな上部セグメント622が作られている。
【0056】
図7a〜cは、図6bの錠剤をさらに破断することにより作られた3個のタブレッテを描いている。新規のセグメント630およびセグメント632が作られており、セグメント606はもはや、無傷のセグメントとして存在しない。
【0057】
図8は、本発明の錠剤の透視図であり、これは、正面表面上の分離マークとしての刻み目701および頂部活性(薬物含有)セグメント702;中間不活性セグメント(検出可能な薬物がないか、薬理学的に無効な量の薬物)および底部活性セグメント706を示している。錠剤を刻み目701で破断しても、頂部セグメントおよび底部セグメントは無傷なままである。
【0058】
図9は、本発明の錠剤の正面図であり、硬質ゼラチンカプセルをシーリングするために使用されるゼラチンバンドなどのバンド901を示しており、これは、分離マークをもたらすために本発明による適切な錠剤に施与されている。参照により本願明細書に援用される米国特許第4922682号明細書に開示されているような、カプセルをバンドするための技術などの技術を変更して、本発明による錠剤を製造する際に、バンドを得る。
【0059】
図10は、本発明による分離マークを生じさせるために錠剤の表面に製造することができる一連の穿孔部100を示している。これらの穿孔部は、例えば、表面から1〜2mmの深さまで達する1〜2mmの穴を機械的かレーザーによるドリルにより生じさせることができる。
【0060】
図11は、本発明による錠剤の正面図を示しており、これは、本発明による分離マークとして役立つ2本の印刷された点線を有する。
【0061】
活性薬物を含むか含まない処方に従い、顆粒を製造することができる。本願明細書では、活性薬物を含まない顆粒が不活性な顆粒である。
【0062】
1種を上回る同一でない顆粒から錠剤を製造した後に、本発明の錠剤を、新規のさらなる処理に掛ける。好ましい実施形態は次のようであるが、これに制限されることはない:
アムロジピン(心臓血管剤)を含有する第1の顆粒を、続いて、不活性顆粒を、続いて、第1の顆粒と実質的に同一の顆粒を金型に入れる。錠剤を圧縮し、金型から出した後に、錠剤を処理して、不活性顆粒に由来する中央セクションに刻み目を入れる。刻みは、手動で、半自動で、または自動で行うことができる。あるいは、前記の中央セグメントを横切る線を、インクの施与、当技術分野でよく知られている技術または可食性テープを使用することにより生じさせることができる。さらなる選択肢として、錠剤を処理して、レーザーエネルギーに掛けることにより、1個または複数の全貫通穿孔物を中央セグメントに生じさせることができる。これらの技術はすべて、1個のセグメント中またはその上に分離マークをもたらすので、錠剤破断を正確に行うことができ、錠剤の各破断部分に、所定の量の活性薬物をもたらすことができる。このような「半分」は、本願明細書では、タブレッテと称される。したがって本発明は、刻み目があるなしにかかわらず、錠剤を、所望に等量に確実に破断しないという大いに検討されていた問題を解決する。不活性顆粒に由来する中央セグメントに力が加えられた場合に、本発明は、錠剤破断が、等しい半分量になることを必要としないが、前記の例では、破断される領域とは異なる領域に高濃度の活性薬物が位置しているので、その目的には成功している。
【0063】
本発明の目的を達成するために、本発明では、他の方法を利用することもできる。他の技術は、異なる色を伴うセグメントを作ることを含む。前記の例では、頂部および底部セグメントは、白っぽく、中間セグメントは、緑色であってよい。したがって緑色の中間セグメントは、分離マークとして見なすことができ、これは、錠剤破断が推奨される場合の前記の錠剤の望ましい破断領域を示している。
【0064】
他の実施形態は、次のように、頂部および底部セグメントへの異なる薬物を伴う顆粒の導入を含む:
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を含む顆粒を、続いて不活性な顆粒を、続いてラミプリルを含む顆粒を金型に入れる。3セグメント(3層)錠剤を圧縮し、金型から出した後に、中央セグメントの所で錠剤に刻みを入れる。すると、手で、またはナイフまたは市販の錠剤分割機などの器具を用いて力を加えると容易に、錠剤が破断されて(図3に示されているような)、2個のタブレッテにすることができ、その一方は、治療用量のHCTZを含み、他方は、治療用量のラミプリルを含み、いずれのタブレッテも、中央セグメントの一部を含む。所望の破断点が刻み目、印刷されたか、それ以外の印、穿孔部または色描写によるかどうかは、本発明が、正確なセグメントで錠剤を破断して、所望の結果を達成することができるような十分に視覚的な(さらに、刻み目または穿孔部、場合によっては可食性テープの場合には)触知できる情報をもたらすという事実に比べると重要ではない。
【0065】
本発明の錠剤は、特定の数の薬物に限られない。これらは、不活性な顆粒に由来するセグメントを含まなくてもよい。例えば、2セグメント錠剤を次のように生じさせることができる:
マイクロカプセル封入された塩化カリウム製剤を含む2種の連続する、実質的に同一の顆粒を、続いて、フロセミド(利尿剤)を含む顆粒を金型に入れる。したがって、前記の錠剤は、2セグメント錠剤、即ち、フロセミドの単一セグメントおよびKClのコンパウンドセグメントである。層を最終的に圧縮し、錠剤を金型から出した後に、錠剤に、様々な位置、例えばKClセグメントで水平(横位)に刻み目を入れる。この錠剤を、組合せ製剤として全体で利用することもできるし、刻み目で破断することもできる。タブレッテはそれぞれ有効であり、フルオロセミドおよび錠剤全体中の量よりも少ない多少の量のKClからなるタブレッテは、治療的に価値があり、フルオロセミドを実質的に含有しないKCl量も治療的に価値がある。
【0066】
その必要のある患者もしくは他のヒトまたは他の動物を治療する際のいくつかの具体的な使用を続ける。本発明による錠剤に有効に供給することができる多数の医薬剤のうちの数種を次に列挙する。
【0067】
加えて、本発明は、1種の活性薬を他の活性薬から十分に分離することができるように、組合せ錠剤を提供する際に役立つ。本発明により有効に作ることができる多くの製品のうちの数種を、次に記載する。
【0068】
3個のセグメントを有し、それぞれ、活性な頂部または上部セグメント、および実質的に不活性な中間セグメントにより分離されている活性な下部または底部セグメントを有する、幅よりも高さのある錠剤を製造する。Stokes 27ステーション3層回転錠剤プレス機を使用する。すべての処方物は、直接圧縮可能な粉末ブレンドである。アムロジピン処方物とベナゼプリル処方物の両方のブレンドを、Patterson−Kelly「V」ブレンダー中で行う。中間セグメントは、Nu−Tab(登録商標)194mgからなり、ブレンドを必要としない。0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮する。底部セグメントを初めに金型に導入する。錠剤重量は310mgである。こうして製造された錠剤は、高さ8mmであり;不活性な中央セグメントは、高さ5〜6mmで変動し、幅は4mmである。
【0069】
各セグメントが有する顆粒の重量mgは、次である:
【0070】
【表1】

【0071】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0072】
中間セグメント Mg
Nu−Tab(登録商標)(圧縮可能な糖30/35 N.F.) 194.00
【0073】
【表2】

【0074】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0075】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0076】
前記と同様の頂部および底部セグメントを使用して、ただし、中間セグメントのためにNu−Tabの代わりに次の成分を使用して、本発明の同様の錠剤を別に製造する。次のものを、Patterson−Kelly「V」ブレンダーを使用してブレンドする。
【0077】
【表3】

【0078】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.滑剤を除くすべての成分を適切なミキサーに加え、所望の時間混合する。
4.ステップ#3からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
5.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0079】
0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮した。底部セグメントを初めに金型に導入した。錠剤重量は280mgであった。前記の中間セグメントを有する錠剤は、高さ6mmであり、不活性な中間セグメントは、高さ3.5〜4mmであった。
【0080】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0081】
同様に、比較的深い充填および上部と下部圧縮ツールとの比較的広い距離を可能にする深い充填カムのためのそのデザインにより、比較的高い錠剤を製造することができるKorsch TRP900などの錠剤プレス機で、他の幅よりも高さのある錠剤を製造することができる。Korsch TRP900で高さ12mmである0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するために、処方者は、不活性Nu−Tab(登録商標)中間セグメントの重量を約323mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るために、約388mgの重さの中間セグメントを用いて錠剤を処方する。処方者が好むならば、中間層のための第2の例、即ち、二塩基性リン酸カルシウム(DCP)処方物を使用することもできる。Korsh TRP900で高さ12mmである0.131インチ×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するような場合には、処方者は、不活性DCP中間セグメントの重量を約410mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るためには、錠剤を、約492mgの重さの中間セグメントを用いて処方する。
【0082】
さらに本発明は、疾患を予防または治療するために、良好な健康を維持するために、加齢を遅らせるために、または他の目的のために、1種または複数の薬物を本発明の錠剤およびタブレッテなどの剤形を介して、薬剤を必要とする患者、哺乳動物または他の動物に投与する方法を含む。様々な理由で下方用量調節を可能にする本発明の新規のタブレッテを用いるなど、組合せ製品からの1種のみの薬物を用いて患者を治療する方法が含まれる。あるいは、同様にして、患者を、複数の活性薬物を含有する1個の錠剤全体で治療することができ、さらに同様の錠剤からの1種のみの薬物を投与し、したがって上方用量調節が可能となる。1種の薬物が外側活性セグメントに存在し、第2の異なる薬物が、他の外側活性セグメントにあり、前記のパラグラフ3および4に記載されたような実施形態でのように不活性中間セグメントが存在する、本発明による利点を有し得る組合せ製品には、次の薬物対を含有するものが含まれる:アムロジピンとベナゼプリル、クロルタリドンまたはアトルバスタチン;ベナゼプリルとヒドロクロロチアジド;オルメサルタンおよびヒドロクロロチアジド;などであり、現在製造されている組合せ製品の大部分が含まれる。全体用量の半分または1/4であってよいが、有用に様々なフラクションであってもよい、錠剤全体からの医薬品の正確な部分用量を用いて、患者を治療する方法も含まれる。半分、1/4などであってよいが、そうでなくてもよい錠剤の分離可能なセグメントを用いる本発明により、特にワルファリンは有用に製造し、投与することができる。ワルファリンと共に、L−チロキシンおよびジゴキシンは、利益を売ることができる他の例である。
【0083】
次に、本発明の錠剤が重大な利点をもたらしうる考えられる臨床的状況を示す。
【0084】
1.米国で現在市販されている製品は、Caduet(登録商標)であり、これは、活性成分アトルバスタチンカルシウム(アトルバスタチン)およびアムロジピンベシレート(アムロジピン)を含有し、これらは、刻み目のない錠剤中に広く均一に内部分散している。この製品では、高脂血症(アトルバスタチン)および高血圧(アムロジピン)の両方を治療することが意図されている。この錠剤を毎日摂取する患者は、血液検査を受けると、血中酵素濃度の上昇により示される肝機能障害と診断されることがある。すると、医師は、製造者により肝機能障害を原因となりうると述べられているアトルバスタチンの、場合によっては一次的な中止を勧めることがある。しかしながら、Caduetを投与されている患者は、アムロジピンも中止しなければならないが、このことは、この例では、医師が望まない。アトルバスタチンおよびアムロジピンが異なる外側活性セグメント中に分離されていて、適切な寸法の中間セグメントにより分離されている本発明の錠剤は、現在のCaduet処方物を上回る明白な進歩であろう。それというのも、このような錠剤は、患者がアトルバスタチンの摂取を中止しながらも、アムロジピンの摂取を迅速に続けることができるためであり、この際、薬局に行く必要もないし、活性成分としてアムロジピンのみを含有する錠剤のために新規の処方箋に応じなくてもよく、単一の剤形中に組み合わされた両方の薬物を有するという簡便さを保つことができる。本発明の前記の実施形態は、現在のCaduet剤形の改善を示している。
【0085】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、1日1回アムロジピン5mgおよび1日1回アトルバスタチン20mgを投与されている患者が、医師に、アムロジピン1日用量を1日1回10mgまで増やすようにアドバイスされる状況である。3セグメント錠剤中で分離されている活性薬物を用いる本発明の適切な錠剤を持っている患者であれば、1日1回本発明の錠剤1個全部に加えて、本発明の錠剤全体を2個に破断することにより作られたアムロジピン5mgを含有するタブレッテを摂取することにより、アムロジピン用量を即座に増やすことができるであろう。
【0086】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、医師が、毎朝アトルバスタチン20mgおよび1日2回アムロジピン2.5mgを摂取することを患者に望むケースである。本発明は、アトルバスタチンから分離することができ、次いで、正確に半分に破断することができるアムロジピンを提供する。したがって本発明は、患者に、錠剤が1個であるという利点をもたらすが、これを現在米国で達成しようとすると、20mg Lipitor(登録商標)(アトルバスタチン)錠剤1個およびNorvasc(登録商標)(アムロジピン)2.5mg錠剤2個を必要とするであろう。
【0087】
2.アムロジピンベシレートとベナゼプリル塩酸塩(ベナゼプリル)の組合せは、米国ではLotrel(登録商標)の商品名で販売されている。この製品は、通常はそのまま摂取されるカプセルである。本発明の実施形態は、唯一の活性薬物としてアムロジピンを含有する1個の外側セグメントおよび唯一の外側薬物としてベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを含有する錠剤全体を提供する。望ましい場合には、外側層を、図1aにおいてのように1個を上回るセグメントに生じさせることができる。Caduetに関する前記の例1においてと同様に、中間セグメントは不活性であり、破断して、2個のタブレッテをもたらしうるが、これらはそれぞれ、各外側活性セグメント全量と、ほぼ半分量の中間不活性セグメントを含む。患者が、一方の活性薬物に関しては2倍用量を必要とするが、他方は必要としない場合に、本発明の錠剤は、そのような必要性を満たす。あるいは、血圧変化または一方の薬物に対してであって、他方の薬物に対してではない副作用などの状況によって、患者が、1種の活性薬物のみを摂取することが、場合によっては一時的に必要となった場合、本発明の錠剤は、新たな剤形を処方しなくても、このことを可能にする。
【0088】
3.本発明の他の使用は、高血圧を治療するために有効に組み合わすことができるアムロジピンおよびクロルタリドンまたは他の利尿薬の組合せに関する。本発明の利点は、このパラグラフの直前のパラグラフにおいて記載された利点と同様である。
【0089】
4.本発明の他の使用は、オルメサルタンメドキソミル(オルメサルタン、アンギオテンシン受容体ブロッカー)とヒドロクロロチアジド(HCTZ)の組合せに関する。この製品は、Benicar/HCT(登録商標)の名称で米国で現在販売されており、用量はそれぞれ、mgで20/12.5、40/12.5および40/25である。患者のかなり一般的な出発用量は、1日1回20/12.5である。この製品は、両方の活性薬物を含有する均一な錠剤としてすべての濃度で現在は販売されている。本発明により処方されると、20/12.5用量で治療を開始した患者は、20/12.5錠剤1個全部と、オルメサルタン20mgを含有する錠剤半分またはHCTZ25mgを含有する錠剤半分とを摂取することにより、同じ錠剤を用いて、他の各用量まで増やすことができる。このことにより、医師は、患者に新たな処方箋を与える前に、新規の用量を調査する機会が得られる。本発明の他の利点は、前記の利点と同様である。
【0090】
5.本発明により処方されうる他の有用な組合せ製品は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE)およびHCTZなどの利尿剤に関する。いずれのタイプの薬物も希にも副作用をもたらさないので、本発明は、副作用に携わる医師に役立ち、さらに、薬物の抗高血圧および他の臨床的利点に対処するために、用量を変える必要性に役立つ。
【0091】
6.不活性な中間セグメント(層)を用いて、活性薬物を別々の外側層に分離することに関している本発明から利点を受けうる他の製品は、2種の活性薬物、フルオキセチンおよびオランザピンを含む組合せ製品である。
【0092】
薬物の適切な組合せであれば使用することができる本発明の錠剤に関して、前記の治療分野またはその分野内での特別な例への制限はない。2剤組合せへの制限も存在しない。例えば、本発明による錠剤の一方の外側活性セグメントは、レボドーパおよびカルビドーパを含有してもよく、他方の外側活性セグメントは、エンタカポンを含有してもよく、この際、均一に3種の薬物全部を含有する錠剤製品は現在、米国においてStalevo(登録商標)として販売されている。さらに、本発明による錠剤は、5層セグメントであってもよく、例えば、1個の外側セグメントにアムロジピン、その隣に不活性セグメント、クロルタリドンまたはHCTZを含有する中間セグメントおよびそれら両方に隣接する第2の不活性セグメントおよびベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを伴う(図8参照)。両方の不活性セグメントが、3種の活性セグメントのいずれかを損傷すること無く、簡便に破断される得るような適切な寸法を有するならば、異なる活性セグメントを柔軟に用量することができることにより、著しい臨床的利点が得られる。
【0093】
複数薬物の可能な組合せに関する次のリストは、例であり、限定ではない。言及される組合せは、列挙されている群のうちの2種またはそれ以上のメンバーを含んでもよい。下記および本願明細書中に挙げられている薬物は、簡便に、薬物の任意の塩の言及を除外することができる;例えば、その市販形態はアトルバスタチンカルシウムであるが、「アトルバスタチン」が挙げられている。
【0094】
限定ではないが、有用な組合せには、次の6つの薬物群内からの複数の薬物が含まれ得る。加えて、次のリストの薬物からの1種のみを含有する本発明の錠剤を作ることもできる。組合せ使用に関して、2つの使用法を本発明に適用することができる。これらの方法のうちの一方は、顆粒の形態の個別の薬物および顆粒の形態の異なる個別の薬物(または薬物組合せ)を装入し、場合によってそれらの間に不活性な顆粒を挿入する方法であり;他方の方法は、複数の薬物を1個または複数のセグメントに装入する方法である。
【0095】
1.抗狭心症薬、例えば:
A.カルシウムアンタゴニスト(後記リスト参照);
B.ベータブロッカー(後記リスト参照);
C.有機硝酸塩製剤(例えば、イソソルビド一硝酸塩または二硝酸塩)。
2.抗狭心症薬+抗血小板薬、例えば、アスピリン、クロピドグレルまたはチクロピジン。
3.2種の低血糖症薬(後記リスト参照)。
4.塩化カリウムおよび任意のチアジド型またはループ利尿薬(後記リスト参照)。
5.脂質低下剤+:低血糖症薬、抗血小板薬、抗狭心症薬および/または抗高血圧薬(前記および下記リスト参照)。
【0096】
低血糖症薬には:チアゾリジンジオン:ピオグリタゾン、ロシグリタゾン;スルホニル尿素:グリブリド、グリピジド、グリメピリド、クロルプロパミド;ビグアニド;メトホルミン;メグリチニド:ナテグリニド、レパグリニド;グルコシダーゼ阻害剤:アカルボース、ミグリトールが含まれる。
【0097】
6.抗高血圧薬:
ベータブロッカー:アセブトロール、アテノロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトプロロール、メビボロール、カルベジロール(混合アルファ−ベータブロッカー)、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、ベタキソロール、カルテオロール;カルシウムアンタゴニスト(カルシウムチャネルブロッカー):ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニソルジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、マニジピン;
チアジド型利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、ベンドロフルアジド、ヒドロフルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メチルクロチアジド、メトラゾン;
アンギオテンシン変更酵素阻害剤:カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、キナプリル、ペリンドプリル、モエキシプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル;
アンギオテンシン受容体ブロッカー:ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン;
ハイシーリング(highceiling)(ループ)利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):フロセミド、トルセミド、エタクリン酸、ブメタミド;
アルドステロンアンタゴニスト利尿剤:スピロノラクトン、エプレレノン;
アルファブロッカー:ドキサゾシン、テラゾシン、プラゾシン、インドラミン、ラベトロール(混合アルファ−ベータブロッカー);
中心性(central)アルファアゴニスト:クロニジン、メチルドーパ;イミダゾリン:モキソニジン;
直接血管拡張薬:ヒドララジン、ミノキシジル;
アドレナリン作動性ニューロンブロッカー:グアネチジン。
【0098】
脂質低下剤には:
スタチン:ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン;
フィブラート:クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、シプロフィブラート;
他:エゼチミド、ナイアシン、アシピモックスが含まれる。
【0099】
本願明細書に開示されている薬物の組合せは、例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0100】
錠剤を同様の活性セグメントを含有するタブレッテに分割することを伴う、本発明の錠剤およびタブレッテの重要な利用に関して、それらが最適に正確に分割され得るのであれば、用量調節を受けうる大抵の薬物が、好ましい。このように、本発明による利点を特に受ける薬物の例には、ワルファリン、ジゴキシン、L−チロキシンなどの狭い治療指数薬物;アムロジピンなどの血管作用薬;ロシグリタゾンおよびグリピジドなどの血糖降下薬;およびアルプラゾラムなどの抗不安薬が含まれる。しかしながらこれらは、本発明の様々な実施形態および手順から利益を得るであろう薬物の大きな集団の内の小さいフラクションである。
【0101】
その錠剤およびタブレッテを含み、本発明の剤形には、数多くの使用方法が存在する。医学および薬学分野の専門家であれば、現在の製品を超える、本発明の様々な実施形態が可能にする多くの利点を認識するであろう。正確に1個の同じ活性セグメントを含む錠剤に関する本発明の利点のいくつかの例を、下記に記載する。
【0102】
1.ワルファリンは、Coumadin(登録商標)の商品名で米国で販売されている抗凝血薬であり、これは、刻み目のある錠剤である。研究により、患者は、ワルファリン5mg錠剤を等量の2.5mgセグメントに破断することはないことが判明している。本発明は、別のタイプの錠剤を教示しており、これにより、一般的な任意のヒト用量のワルファリン錠剤を、正確に半分、場合によっては正確に1/3、1/4などに破断することができる。したがって、患者は、錠剤全体においてと同様の信頼度で、本発明により製造されたワルファリン半分錠剤を利用することができる。ワルファリン投与物は往々にして破断されるので、本発明が患者に利益をもたらす多くの臨床的シナリオが存在する。
【0103】
2.Norvasc(本願明細書ではアムロジピンベシレートまたはアムロジピン)は、米国においては刻み目のない2.5、5および10mg錠剤として販売されている。これらの錠剤は、変則的な形態を有し、破断することは難しい。FDA承認用量範囲は、1日に経口で摂取される2.5から10mgである。本発明により、アムロジピンの改善された機能性が可能になる。例えば、本発明では、医師が1日7.5mgまで増やすように望んでいる1日5mgを摂取している患者は、5mg錠剤1個全部と、5mg錠剤をそれぞれアムロジピン2.5mgを含有する2個のタブレッテに破断することにより作られた1個の2.5mgタブレッテを摂取することなどにより、2個の別々の2.5mgセグメントを含む本発明の錠剤を利用して、正確に7.5mgまでの用量に増やすだけでよい。簡便さと経費節減は、明らかである。同様に、用量を1日5mgまで減らすようにアドバイスされているNorvascの10mg用量を摂取している患者は現在、Norvasc錠剤5mgのための新たな処方箋を購入しなければならない。本発明は、それぞれ正確にアムロジピン5mgを含有する2個のタブレッテに破断することができる10mg錠剤を得る可能性を提供する。したがって本発明は、患者の治療に多大な柔軟性をもたらし、経費の節減をもたらすことができる。本発明のさらなる利点は、様々な実施形態が、錠剤全体中に存在する活性成分の用量のうちの1/4を含有するタブレッテに、錠剤を十分に正確に分離することを可能にすることである。これは例えば、アムロジピンでは、すべてアムロジピン2.5mgを含有し、すべて、同じ面で不活性外側セグメントと連続している4個の活性セグメントを用意することにより行うことができる(実施形態#1参照;および2個ではなく4個の活性セグメントを有するように変更された図6a参照)。したがって、本発明の10mgアムロジピン錠剤を利用して、7.5mg用量を用意することもできるし、4個の2.5mg用量を用意するために利用することもできる。
【0104】
本発明のさらなる利点は、小児または老人用量に関するものとすることができ、これは、適切な用量濃度では製造することができない。アムロジピンの場合、1日1.25mg用量が、肝機能障害を有することもある、高血圧を伴う小児か、アンギナまたは高血圧を伴う病弱な高齢患者においては有用であり得る。米国食品医薬品局(FDA)が1.25mg用量を承認していないが、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1.25mg1日用量が可能である。加えて、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1日3.75mgを正確に投与することができる。
【0105】
本発明の別の使用は、保険業者および患者に対して、コスト削減法を初めて可能にすることである。本発明により、これが可能であるが、それというのも、NorvascおよびCoumadinなどの多くの薬物は、異なる用量間で少し(少しだが)異なる価格形成を有するためである。錠剤分割は、大抵の刻み目のある錠剤では不正確であるので、強制的な分割の実施は、大抵の医師および薬剤師機関により認められていない。本発明の錠剤(または図1bにおいてのようにいくつかのタブレッテ)を本願明細書に記載されているように破断すると、正確な用量がもたらされることにより、本発明は、錠剤分割を可能にする。本質的な利点は、この改革から予知される。加えて、組合せ製品において、1個の活性薬物を他の活性薬物から分離することができることにより、コスト削減の利点も得られる。
【0106】
関連発明は、本願明細書の開示の意図の範囲内であることは認められるであろう。また、本出願における省略は、本請求項または開示に発明者らを限定するものではない。一定の好ましい別の本発明の実施形態は、本発明を開示する目的で記載されており、当技術分野の専門家であれば、開示の実施形態の変更を行うことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1a】刻み目を有する錠剤面から見た、幅よりも高さを有する錠剤の断面を示す図である。
【図1b】刻み目が終了する錠剤面で見た、図1aの錠剤の断面を示す図である。
【図2a−d】それぞれ錠剤を刻み目で破断した場合の図1aおよび図1bを示す図である。
【図3】2個のセグメントを有し、そのうちの一方は、錠剤の長さの約3/4である、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図4a−b】錠剤を錠剤のほぼ中心点で破断した場合の図3を示す図である。
【図5】5個のセグメントを有する、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図6a−b】錠剤を1個のセグメントで破断した場合の図5を示す図である。
【図7a−c】錠剤を2段階で2つのセグメントで効果的に破断するが、その際、初めに、錠剤を破断し、次いで、図6bのタブレッテを破断した場合の図5を示す図である。
【図8】本発明による刻み目のある錠剤の透視図を示す図である。
【図9】本発明によるバンディングを有するカプセルの正面図を示す図である。
【図10】本発明による表面に穿孔を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図11】本発明による表面に2本の印刷点線を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のセグメントを有し、そのうちの一方は、頂部セグメントであり、他方は、底部セグメントである医薬錠剤であって、少なくとも1つの側面を有し、その側面において、次の1個または複数からなる群から選択される1つまたは複数の分離マークを備えている医薬錠剤:
(a)1側面の刻み目(前記の刻み目は、垂直方向ではない)、
(b)前記の錠剤の望ましい破断領域を示す少なくとも1側面上の印、
(c)1個のセグメント上に位置する1個のセグメント上または2個のセグメントの境界面に位置するバンド、または
(d)第1の下部および第2の上部セグメントが、同じ色を有し、薬理学的に有効な量の同じ薬物を含有するか、両方とも薬理学的に有効な量で薬物を含有せず、前記の第1セグメントとは異なる色を有する第3の内部の中間挿入セグメントは、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を有する場合には、前記の第1のセグメントと同じ薬物を有し、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を含有しない場合には薬理学的に有効な量の薬物を有しない前記の錠剤の核。
【請求項2】
分離マークが、もっぱら1個のセグメント内か、2個のセグメントの境界面に位置している、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項3】
前記の分離マークは、3個のセグメントを含む医薬錠剤に位置し、この際、前記の分離マークは、頂部または底部セグメントではない単一のセグメント上に位置している、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項4】
少なくとも1個の付加的な分離マークが、頂部または底部セグメントである1個または複数のセグメントに位置している、請求項3に記載の医薬錠剤。
【請求項5】
前記の分離マークは、刻み目を有する、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項6】
刻み目を有する前記の分離マークは、前記の錠剤上に実質的に水平に配置されている、請求項5に記載の医薬錠剤。
【請求項7】
刻み目を有する前記の分離マークは、1個のセグメント内に実質的に限られている、請求項5に記載の医薬錠剤。
【請求項8】
刻み目を有する前記の分離マークは、セグメント間の境界面に実質的に限られている、請求項5に記載の医薬錠剤。
【請求項9】
前記の分離マークは、印を含む、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項10】
前記の分離マークは、印刷された印を含む、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項11】
前記の分離マークは、印刷された1つまたは複数の線、印刷された1つまたは複数のロゴ、印刷された1つまたは複数の矢印、数値または他のタイプの1つまたは複数の用量表示または1つまたは複数のコード番号を含む印刷された印を含む、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項12】
前記の分離マークは、複数の刻み目を有する、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項13】
前記の分離マークは、3個の垂直に配置されたセグメントを有する医薬錠剤にあり、ここで、前記の分離マークは、前記の頂部および底部セグメントの間に挿入されている内部セグメントのみに置かれており、その際、前記の分離マークは、錠剤に水平に置かれており、その水平軸は、前記の錠剤が圧縮される錠剤金型の水平軸に対応している、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項14】
前記の分離マークは、3個の垂直に配置された隣接するセグメントを有する医薬錠剤にあり、ここで、前記の分離マークは、頂部および底部セグメントではない単一のセグメントに置かれており、前記の頂部セグメントおよび前記の底部セグメントは、同じか異なる薬物を含有する、請求項3に記載の医薬錠剤。
【請求項15】
前記の分離マークの所で、またはそのそばで前記の錠剤を破断することを含む、請求項1に記載の医薬錠剤の破断法。
【請求項16】
隣接するセグメントとは異なる色を有する前記の錠剤のセグメントで破断することによる、請求項1に記載の医薬錠剤を破断する方法。
【請求項17】
印刷された線、印刷された矢印または表面を含んでもよい2個またはそれ以上の分離マークの間で前記の錠剤を破断することによる、請求項1に記載の医薬錠剤の破断方法。
【請求項18】
前記の分離マークの所で、またはそれにガイドされるように前記の医薬錠剤を破断して、2個またはそれ以上のタブレッテを生じさせ、前記のタブレッテのうちの少なくとも1個をヒト患者または他の生きているヒトまたは動物に投与することを含む、請求項1に記載の医薬錠剤に含まれている薬物のうちの部分用量を投与する方法。
【請求項19】
前記の1種または複数の薬物は、心臓血管状態、精神医学的状態、糖尿病、甲状腺障害、疼痛または血栓障害を治療する際に薬理学的に有効である、請求項1に記載の医薬錠剤。

【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−500403(P2008−500403A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527577(P2007−527577)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/018638
【国際公開番号】WO2005/112870
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(507086239)アキュ−ブレイク テクノロジーズ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】