説明

錠剤の超音波成形方法及びその装置

【課題】凸型及び/又は凹型に著しい摩耗が生じたり、凸型、凹型、超音波振動工具のうち少なくとも2つが互いに点状に溶着されてしまうといったようなことが生じず、手間がかからない上、安価な超音波成形装置及び超音波成形方法を提供すること。
【解決手段】超音波発振器と、超音波振動工具4と、粒子状、顆粒状又は多粒子状の薬剤を充填するための凹型2とを備え、前記薬剤を超音波により成形して錠剤19を製造するための超音波成形装置において、前記超音波振動工具4を、成形中において、前記薬剤に直接接触させる一方、前記凹型2には直接接触させないよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波発振器と、超音波振動工具と、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を充填するための凹型とを備え、前記薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するための超音波成形装置、並びに超音波発振器と、超音波振動工具と、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を充填するための凹型とを用いて、前記薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するための超音波成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤を溶着又は圧縮を行う上記のような超音波成形装置は、従来から知られており、例えば非特許文献1に記載されている。この非特許文献1は参考のためのものであり、これは発明開示の一部に当たるものである。
【非特許文献1】「Principles and application of Ultrasound in pharmaceuticalpowder compression」, Pharmaceutical research, 2000, Vol. 17, No. 3, p. 257〜p. 265
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、非特許文献1に記載された超音波による錠剤の製造には、凸型及び/又は凹型に著しい摩耗が生じる、及び/又は凸型、凹型、超音波振動工具のうち少なくとも2つが互いに点状に溶着されてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、従来、例えばフィルムで各部材を離隔させることが提案されている。しかし、これは、手間が煩雑なものとなる上、操作性が悪く、コストもかかってしまう。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、上記問題を解決することが可能な超音波成形装置及び超音波成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明によれば、超音波発振器と、超音波振動工具と、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を充填するための凹型とを備え、前記薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するための超音波成形装置において、前記超音波振動工具を、前記薬剤に直接接触させる一方、前記凹型には直接接触させないよう構成したことを特徴としている。
【0007】
このような構成は当業者にとって驚嘆に値するものであり、当業者は、このような構成を有する超音波成形装置を容易且つ安価に製造及び使用することができることについて容易に想到し得ないものである。又、超音波振動工具及び凹型の寿命も大幅に延長される。
【0008】
本発明による超音波成形装置により錠剤が製造されるが、その際、例えば向精神剤を含むこのような錠剤の濫用が確実に難しくなる。このようにして製造された錠剤は、これを例えばすり鉢により破砕しようとしてもその硬さにより破砕することができないため、高活性の薬剤を含んだ錠剤の誤用(誤飲)を防止する機能も果たしている。尚、錠剤の機械的な構造を破砕或いは破壊すると、薬剤の時間経過に伴って、特にいわゆる抑制製剤においてはその薬理効果が損なわれてしまう。
【0009】
又、本発明の超音波成形装置による錠剤の製造においては、超音波振動工具と薬剤との間を分離する分離手段が不要である。
【0010】
ところで、本発明による超音波成形装置は、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するのに適しており、ここでいう成形とは、特に粉粒状の薬剤としての基剤を所定の形状にするとともに少なくとも部分的にコンパクト化することである。このとき、超音波により基剤、即ち特に粉粒状の薬剤は加熱されて少なくとも部分的に溶着される。
【0011】
そして、このように溶着された基剤は結合体を形成し、これに所定の圧力を与えることにより最終的に成形された錠剤が圧縮されるとともに、適当な硬さを有することとなる。
【0012】
又、本発明における薬剤とは、所定の薬理効果を有し、本発明の装置による成形に適したものである。即ち、本発明における薬剤は、当然複数の物質を包含する(或いは複数の物質に包含される)ものであって、これら複数の物質により主要な、或いは唯一の薬理効果を有するとともに、本発明による超音波成形装置により薬理効果を有する物質の機械的な包含をするために結合或いは配列がなされるよう溶着又は焼結可能である。
【0013】
更に、本発明による超音波成形装置は超音波発振器を備えており、その超音波周波数の帯域幅は10〜70kHz(特に好ましくは10〜40kHz)に設定されている。このような超音波周波数は、場合によっては増幅され、いわゆる超音波振動工具(ソノトロード)に伝達される。この超音波振動工具は、超音波周波数の帯域幅内で振動し、その振動エネルギを成形すべき基剤に与えるものである。又、この超音波振動工具は、特殊鋼、チタン、硬化処理されたチタン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金から成っている。
【0014】
又、本発明による超音波成形装置は、薬剤(成形前)が充填される凹型を備えており、この凹型は部分的に成形後の錠剤の形状に形成されている。更に、この凹型は、超音波振動発生時に成形すべき混合物、即ち圧縮される薬剤と共に振動せず、且つ、溶着過程或いは成形過程において破断したり割れ(例えばガラスのように)が生じたりしないようになっている。特に、この凹型は、特殊鋼、チタン、硬化処理されたチタン、高融点を有する合成樹脂及びセラミックスのうちの何れかから成っている。
【0015】
又、本発明によれば、超音波成形装置は、成形中において、薬剤に直接接触する一方、凹型には直接接触しないよう構成されている。従って、上記点状の溶着がなされることなく錠剤を所定の形状及び硬さに成形することが可能である。
【0016】
更に、本発明によれば、超音波振動工具と凹型の間に隙間を設けており、この隙間の最大幅は、特に超音波振動開始時に、薬剤が漏出しないように設定されている。即ち、最大幅は2mmより小さく(好ましくは1mmより小さく、より好ましくは0.7mmより小さく)設定されている。
【0017】
又、本発明の一実施形態によれば、超音波振動工具と凹型の間にスリーブを設けたことを特徴としている。このような実施形態によれば、超音波振動工具が薬剤の成形のために動作する際、例えば形成中に薬剤が超音波振動工具と常に良好に接触させることが可能であり、及び/又は超音波による成形を所定の圧力下で行うことができる。
【0018】
一方、スリーブを設けない実施形態においては、超音波振動工具が凹型内へ挿入されてしまい、これらが互いに接触することにより、超音波振動工具と凹型が点状に溶着されたり、凹型に割れが生じてしまう危険性がある。
【0019】
そこで、超音波振動工具と凹型の間にスリーブを設ける上記実施形態によれば、スリーブにより超音波振動工具と凹型の間隔が一定に保たれ、これらが接触するのを防止することができる。
【0020】
又、本発明の一実施形態によれば、超音波振動工具を上下動可能に構成したことを特徴としている。このような実施形態によれば、超音波振動工具が所定の圧力下にあり、薬剤を成形中に圧縮する際に有利である。
【0021】
更に、凹型を摺動可能に形成するとともに、これに狭窄部を形成すると好ましい。
【0022】
又、前記隙間を調整した後、超音波振動工具及び凹型の動作を同調させると好ましい。こうすることにより、隙間が小さくなったり、或いは大きくなったりすることがないため、粉粒状の薬剤(即ち、最終的に成形される前の薬剤の一部)が隙間から漏出することがなく、超音波振動工具が損傷したり、凹型が凸型と点状に溶着してしまうことがない。
【0023】
又、本発明の一実施形態によれば、超音波振動工具と反対側の凹型下方に凸型を設けたことを特徴としている。この実施形態においては、凹型がリング状に形成されており、薬剤を充填する空間は、凹型下方の凸型によって画成されている。ここで、凸型は特に超音波振動発生時に振動が伝わらないよう支持されており、これは、凸型を反響性の部材内に結着する、及び/又は摩擦で保持することにより実現できる。
【0024】
又、凸型を可動に設けてもよく、こうすることで、超音波成形時に超音波振動工具を固定することができるとともに、薬剤に対して成形に必要な圧力を凸型によって与えることができる。
【0025】
更に、凸型は、凹型への挿入長が調整可能に支持されており、これにより、凹型内に充填されて成形される薬剤の量を調節することができる。
【0026】
又、上述のように、超音波成形を所定の負荷をかけて行うと有利であるが、この際、この負荷を10kN(好ましくは5kN、特に好ましくは2kN)に設定する。そして、この負荷は、超音波振動工具及び/又は凸型によって粉粒状の薬剤へ伝達される。
【0027】
尚、超音波成形時間或いは温度変化は希望する結果に応じて当業者が実験的に設定すればよい。
【0028】
更に、本発明は、超音波発振器と、超音波振動工具と、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を充填するための凹型とを用いて、前記薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するための超音波成形方法において、前記超音波振動工具及び前記凹型を、成形中において、これらの間に隙間を常に維持するよう動作させるとともに、該超音波振動工具が前記薬剤に常に接触するよう動作させることを特徴としている。
【0029】
又、本発明は、超音波発振器と、超音波振動工具と、粒子状、顆粒状又は多粒子状、特にペレット状及びマイクロカプセル状の薬剤を充填するための凹型とを用いて、前記薬剤を超音波により成形して錠剤を製造するための超音波成形方法において、前記超音波振動工具を、前記薬剤の溶着過程の間該薬剤に直接接触させ、前記超音波振動工具及び前記凹型の間に常に隙間を設け、凸型を前記溶着過程中に前記超音波振動工具方向へ動作させることを特徴としている。
【0030】
上記両超音波成形方法によれば、容易且つ安価に超音波成形を行うことができるとともに、例えば向精神薬を含有する硬度の大きな錠剤を製造するのに適している上、錠剤の誤用(誤飲)或いは濫用を避けることができる。
【0031】
更に、本発明は、本発明による超音波成形装置及び超音波成形方法を、処方箋なしで購入可能な向精神薬を含み、或いは大きな硬度を有する麻酔薬の製造に使用することを特徴としており、誤用を確実に防止することができる。
【0032】
上記事項は、本発明による超音波成形装置、超音波成形方法及びこれらの使用方法に同様に適用することがきる。又、下記の図面に基づく説明は実施の形態の一例であり、本発明をこれに限定させるものではなく、この図面に基づく説明も、超音波成形方法及びこれらの使用方法に同様に適用することがきる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、凸型及び/又は凹型に著しい摩耗が生じたり、凸型、凹型、超音波振動工具のうち少なくとも2つが互いに点状に溶着されてしまうといったようなことが生じず、手間がかからない上、安価な超音波成形装置及び超音波成形方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0035】
<実施の形態1>
図1は本実施の形態による超音波成形装置1を示しており、この超音波成形装置1は増幅器11に接続された超音波振動工具4を備えている。そして、信号が超音波発振器3で生成され、この信号は、例えばピエゾ素子で構成されたコンバータ10で振動に変換された後、増幅器11で増幅されて超音波振動工具4に伝達される。
【0036】
又、図示の超音波成形装置1はプレス手段8を備えており、所定の圧力を超音波振動工具4に対して垂直に加えることができる。更に、図示の超音波成形装置1は凹型2を備えており、該凹型2は凸型6と共に薬剤15を充填するための空間を形成している。ここで、凸型6は、超音波振動の発生時に薬剤15と共に振動しないよう、或いは振動しても凹型2と凸型6が溶着しないよう支持板13で支持されている。
【0037】
而して、薬剤15の溶着或いは焼結がなされる間に成形も同時になされ、このとき、本実施の形態による方法に適するように、凸型6は、該凸型6と凹型2が溶着しないよう、或いは薬剤15を成形した後の錠剤が所定の体積を有するよう所定位置に保持されている。尚、このとき薬剤15に加えられる圧縮力は、溶着中、或いは更に溶着後にも加えられる。
【0038】
図2は凸型6、凹型2及び超音波振動工具4の詳細を示している。図示するように、超音波振動工具4にはスリーブ9が設けられており、該スリーブ9は超音波振動工具4と共に上下動する。
【0039】
又、凹型2を当接部14に対して付勢するスプリング17が凹型2と反響性の支持板13の間に縮装されており、凹型2が凸型6に対して摺動可能に支持されている。
【0040】
この図2は、当該図2に示していない錠剤19(図4参照)の成形前の状態である。凹型2と凸型6で形成された空間には薬剤15が充填され、この空間の容積を変更する際には、凸型6の位置が凹型2に対して変更される。このような変更は、例えば凹型2内又は支持板13内に雌ネジを螺刻する一方、凸型6内に雄ネジを螺刻し、凸型6を回転させることにより行うことができる。
【0041】
尚、本実施の形態においては、超音波振動工具4は鍛造等の硬化処理を施したチタンから成っており、凹型2は特殊鋼、チタン、硬化処理されたチタン、高融点を有する合成樹脂及びセラミックスのうちの何れかから成っている。
【0042】
図3は薬剤15を錠剤19(図4参照)に成形している途中の状態を示しており、超音波振動工具4の振動に加えて、この超音波振動工具4に対して負荷される矢印16方向への圧力により、薬剤15の容積が圧縮される。即ち、超音波振動工具4は、錠剤19を成形するため薬剤15を圧縮及び溶着する間、下方へ移動する。このとき、超音波振動工具4に固設されたスリーブ9は、超音波振動工具4の下降と共に下方へ移動し、その下端で凹型2を押圧し、スプリング17が圧縮される。従って、超音波振動工具4の下端部と凹型2の間に形成され且つスリーブ9によって調整可能な環状の隙間5は成形過程全体に亘って変化しない。
【0043】
ここで、隙間5は、超音波振動工具4が凹型2に接触しない一方、錠剤19に成形する過程中に薬剤15の元々の形状(粉粒、顆粒、多粒子)又は中間状態(例えば液状)のものが超音波成形装置1から漏出しないように設定されている上、超音波振動工具4が薬剤15に常に接触するように設定されている。
【0044】
図4は成形された錠剤19の取り出し時を示しており、錠剤19の成形が完了すると、凹型2は、その上端部が少なくとも凸型6の上端部と同レベルになるまで更に下方へ移動し、その位置に一瞬保持される。このとき、超音波振動工具4はスリーブ9と共に上方へ移動し、錠剤19は凸型6上に単に載置された状態にあるため、該錠剤19を容易に取り出すことができる。
【0045】
そして、錠剤19が取り除かれると、すぐに凹型2は薬剤15を充填するに足りる空間を形成すべく上方へ移動し、この空間に薬剤15が再び充填され、この薬剤15は図2及び図3に示すように再び圧縮、溶着される。
【0046】
尚、上記において、錠剤19を取り出す際に凹型2を下降させたが、凸型6を上昇させるように構成することも可能である。
【0047】
<実施の形態2>
図5は、本発明の第2の実施の形態による超音波成形装置1を示している。本実施の形態においては、成形過程中、超音波振動工具4は、当該超音波振動工具4と凹型2の間に上述のような条件を満たす隙間5が形成されるように固定される。そして、薬剤15が充填された空間は成形過程中に凸型6が圧力発生手段17により押圧されて上昇することにより圧縮される。
【0048】
本実施の形態においても、凸型6は、凹型2と凸型6が溶着しないよう支持板13或いは圧力発生手段17で支持されている。又、錠剤19の取り出しについても実施の形態1と基本的に同様である。
【0049】
<実施の形態3>
図6は、本発明の第3の実施の形態による狭窄部2c及び凹型上部2aを備えた超音波成形装置1の一部を示す断面図である。凹型2はその下部2bが筒状に形成されており、狭窄部2cは超音波振動工具4に対して特に円錐状に上方へ向かって狭窄している。このような形状とすることで、図6に示していない薬剤15をその溶着前に圧縮することができるとともに、薬剤15、或いは成形後の錠剤19中に空気が混入するのを防ぐことができる。
【0050】
而して、本実施の形態による成形時には、超音波成形装置1は狭窄部2cに相当する凹型上部2aから凹型下部2bへの移行部の近傍まで下降する。そして、超音波振動工具4は、例えば縁部2dとして形成された凹型上部2aから凹型下部2bへの移行部に対して常に1mmより小さい間隔(特に好ましくは0.7mm)を維持している。尚、狭窄部2cは、超音波振動の発生時に、超音波振動工具4と凹型2が接触しない程度に設定されている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による超音波成形装置の概略を示す図である。
【図2】成形前の本発明による超音波成形装置の細部を示す図である。
【図3】成形中の本発明による超音波成形装置の細部を示す図である。
【図4】成形後の本発明による超音波成形装置の細部を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る超音波成形装置を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る超音波成形装置の凹型近傍を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 超音波成形装置
2 凹型
2a 凹型上部
2b 凹型下部
2c 狭窄部
2d 縁部
3 超音波発振器
4 超音波振動工具
5 隙間
6 凸型
8 プレス手段
9 スリーブ
10 コンバータ
11 増幅器
13 支持板
14 当接部
15 薬剤
16 圧力方向
17 スプリング(圧力発生手段)
18 凸型の摺動方向
19 錠剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波発振器(3)と、超音波振動工具(4)と、粒子状、顆粒状又は多粒子状の薬剤(15)を充填するための凹型(2)とを備え、前記薬剤(15)を超音波により成形して錠剤(19)を製造するための超音波成形装置において、
前記超音波振動工具(4)を、成形中において、前記薬剤(15)に直接接触させる一方、前記凹型(2)には直接接触させないよう構成したことを特徴とする超音波成形装置。
【請求項2】
前記超音波振動工具(4)と前記凹型(2)の間に隙間(5)を形成するとともに、該隙間(5)の最大幅を、前記薬剤(15)が漏出しないよう設定したことを特徴とする請求項1記載の超音波成形装置。
【請求項3】
前記超音波振動工具(4)と前記凹型(2)の間にスリーブ(9)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波成形装置。
【請求項4】
前記超音波振動工具(4)を上下動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項5】
前記凹型(2)を摺動可能に支持したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項6】
前記凹型(2)に狭窄部(2c)を形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項7】
前記隙間(5)を調整した後、前記超音波振動工具(4)及び前記凹型(2)の動作を同調させたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項8】
前記超音波振動工具(4)と反対側の前記凹型(2)下方に凸型(6)を設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項9】
前記凸型(6)を、超音波振動発生時に該凸型(6)に振動が伝わらないよう支持したことを特徴とする請求項8記載の超音波成形装置。
【請求項10】
前記凸型(6)を可動に設けたことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項11】
前記超音波振動工具(4)及び/又は前記凸型(6)に作用し、錠剤(19)の成形を補助するプレス手段(8)を設けたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の超音波成形装置。
【請求項12】
超音波発振器(3)と、超音波振動工具(4)と、粒子状、顆粒状又は多粒子状の薬剤(15)を充填するための凹型(2)とを用いて、前記薬剤(15)を超音波により成形して錠剤(19)を製造するための超音波成形方法において、
前記超音波振動工具(4)及び前記凹型(2)を、成形中において、これらの間に隙間(5)を常に維持するよう動作させるとともに、該超音波振動工具(4)が前記薬剤(15)に常に接触するよう動作させることを特徴とする超音波成形方法。
【請求項13】
超音波発振器(3)と、超音波振動工具(4)と、粒子状、顆粒状又は多粒子状の薬剤(15)を充填するための凹型(2)とを用いて、前記薬剤(15)を超音波により成形して錠剤(19)を製造するための超音波成形方法において、
前記超音波振動工具(4)を、前記薬剤(15)の溶着過程の間該薬剤(15)に直接接触させ、
前記超音波振動工具(4)及び前記凹型(2)の間に常に隙間(5)を設け、
凸型(6)を前記溶着過程中に前記超音波振動工具(4)方向へ動作させる
ことを特徴とする超音波成形方法。
【請求項14】
処方箋なしで購入可能な向精神薬を含む麻酔薬の製造に使用することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の超音波成形装置又は超音波成形方法の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−534283(P2008−534283A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502413(P2008−502413)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060965
【国際公開番号】WO2006/100274
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】