説明

鏡面冷却式露点計

【課題】温度調整したミラーの表面が結露する際の状況に基づいて、被測定気体の露点を測定する鏡面冷却式露点計であり、被測定気体における露点の計測精度を向上させ、併せて短時間で被測定気体の露点を計測する。
【解決手段】被測定気体Gを供給/排出させて内部に被測定気体を流通させる計測チャンバ2と、計測チャンバの内部に収容設置されて流通する被測定気体に晒されるミラー3と、該ミラーの温度を調整する温度調整手段4と、ミラーの温度を計測する温度計測手段5と、ミラーの表面を照明する光源9と、ミラーの表面を撮像する撮像カメラ10と、該撮像カメラからの画像情報に基づいてミラーの表面における結露/結霜の発生状況を判定する画像解析手段101と、画像解析部による判定の結果に基づいてミラーの温度を一定に保持すべく温度調整手段4の動作を制御する温度制御手段102とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定気体が流通する計測チャンバの内部にミラーを設置し、温度調整したミラーの表面に結露が生じる状況に基づいて、被測定気体の露点を測定するよう構成した表面冷却式露点計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体あるいは電池の製造や、バイオテクノロジー関連等、厳密な湿度管理が求められる産業分野における、クリーンルームやドライルーム等の湿度管理に際しては、気体の露点を正確に測定することのできる露点計が必要とされている。
【0003】
ここで、少ない測定誤差で気体の露点を計測し得る露点計としては、従来から一次検出方式(物体の温度を直接に測定して露点を求める方法)を採用した、表面冷却式露点計(例えば、特許文献1参照)が提供されている。
【0004】
図10は、従来の表面冷却式露点計における構成を示しており、この表面冷却式露点計Aは、被測定気体Gが供給/排出されて流通する計測チャンバCを備え、この計測チャンバCの内部には、熱電モジュールEによって温度調整されるミラーMが収容設置されている。
【0005】
また、上記計測チャンバCには、ミラーMを照明する光源Laと、ミラーMからの反射光を受光する受光素子Raとが設けられ、さらに基準光を照射する光源Lbと、該光源Lbからの基準光を直接に受光する受光素子Rbとが設けられている。
【0006】
上述した表面冷却式露点計Aにおいては、計測チャンバCに被測定気体Gを連続して供給(連続サンプリング)し、流通する被測定気体GにミラーMの表面Maを晒すとともに、上記ミラーMの表面Maに被測定気体G中の水分を強制的に結露させるべく、熱電モジュールEによって上記ミラーMを温度制御(冷却)する。
【0007】
上記ミラーMの表面Maに結露が生じると、光源Laから出た光が結露によって乱反射し、受光素子Raに受光される光量が減少することで、光源Lbから出て受光素子Rbに直接に受光される基準光との均衡が崩れることとなる。
【0008】
ここで、受光素子Raおよび受光素子Rbが受光する光量の不均衡を、コントローラHの比較部Iにおいて比較した結果に基づき、上記コントローラHの温調部Jによって熱電モジュールEを動作制御し、ミラーMの表面Maにおける結露の量が一定となるよう上記ミラーMを温度制御する。
【0009】
このようにして、同量の結露が生じている状態の上記ミラーM(表面Ma)の温度が被測定気体Gの露点温度となり、この温度はミラーMの近傍に設置された温度センサSによって検知され、該温度センサSからの出力は温度メータTにより数値表示されることとなる。
【特許文献1】特開2003−194756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した如く、従来の表面冷却式露点計Aにあっては、ミラーMにおける表面Maの全体に亘って結露が形成されている状況において、受光素子Raおよび受光素子Rbが受光する光量の不均衡に基づき、ミラーMの表面Maに対する結露の発生を判断し、さらに上述した光量の不均衡に基づいてミラーMの温度を調整することより、被測定気体Gの露点温度を検出するよう構成されている。
【0011】
ここで、上述した従来の表面冷却式露点計においては、結露が形成されているミラーMの表面Ma全体を観察の対象として、受光素子Raと受光素子Rbとが受光する光量の不均衡に基づき、被測定気体Gの露点温度を検出しているために、ミラーMの表面Maにおける結露の極く部分的で小さい変化量を、受光素子Raおよび受光素子Rbが受光する光量から捉えることは難しく、もって露点温度の計測精度が必ずしも十分であるとは言い難い問題があった。
【0012】
また、従来の表面冷却式露点計においては、結露が形成されているミラーMの表面Ma全体を観察の対象とするため、計測作業を開始(計測チャンバCへ被測定気体Gを供給開始)してからミラーMの表面Ma全体に結露が生成されるまでに、例えばミラーMの直径が約10mmの場合、被測定気体Gの水分量にも依るものの2時間程度の長時間を要し、このため計測作業の開始から被測定気体Gの露点温度を検出するまでに、極めて冗長な待ち時間を強いられる不都合があった。
【0013】
本発明は上述した実状に鑑みて、被測定気体における露点の計測精度を向上させることができ、併せて短時間で被測定気体における露点の計測を実施することの可能な、表面冷却式露点計の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するべく、請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計は、被測定気体を供給/排出させて内部に前記被測定気体を流通させる計測チャンバと、該計測チャンバの内部に収容設置されて流通する被測定気体に晒されるミラーと、該ミラーの温度を調整する温度調整手段と、ミラーの温度を計測する温度計測手段と、ミラーの温度を表示する温度表示手段と、ミラーの表面を照明する光源と、ミラーの表面を撮影する撮像カメラと、該撮像カメラからの画像情報に基づいてミラーの表面における結露/結霜の発生状況を判定する画像解析手段と、該画像解析手段による判定の結果に基づいてミラーの温度を一定に保持すべく温度調整手段の動作を制御する温度制御手段とを具備して成ることを特徴としている。
【0015】
また、請求項2の発明に関わる表面冷却式露点計は、請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計において、画像解析手段は、撮像カメラにより時系列に撮影された1枚目の撮影画像における全ピクセル(画素)の輝度と、2枚目以降の各撮影画像における全ピクセル(画素)の輝度とを順次比較し、同一のピクセルにおける輝度の差分の絶対値を比較する絶対値差分法により各撮影画像の輝度階調を求め、各撮影画像における輝度階調の経時的な変化に基づいて、結露の発生を検出することを特徴としている。
【0016】
また、請求項3の発明に関わる表面冷却式露点計は、請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計において、画像解析手段は、撮像カメラからの画像情報を色解析することにより、ミラーの表面に発生した結露と結霜との識別を行うことを特徴としている。
【0017】
また、請求項4の発明に関わる表面冷却式露点計は、請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計において、撮像カメラが長焦点距離タイプの光学系を備えていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項5の発明に関わる表面冷却式露点計は、請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計において、撮像カメラが顕微鏡タイプの光学系を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明に関わる表面冷却式露点計によれば、ミラーに反射する光量に基づいて露点を計測している従来の表面冷却式露点計に対して、ミラーの表面を撮影した画像を解析することにより、被測定気体における露点の計測精度を向上させることができ、併せて短時間で被測定気体における露点の計測を実施することが可能となる。
【0020】
請求項2の発明に関わる表面冷却式露点計によれば、画像解析手段において、時系列に撮影された1枚目と2枚目以降の各撮影画像における全ピクセル(画素)の輝度とを順次比較し、絶対値差分法により求めた各撮影画像の輝度階調の経時的な変化に基づいて結露を検出することにより、被測定気体における露点の計測精度を向上させることができ、併せて短時間で被測定気体における露点の計測を実施することが可能となる。
【0021】
請求項3の発明に関わる表面冷却式露点計によれば、撮像カメラからの画像情報を画像解析手段において色解析することで、ミラーの表面に発生した結露と結霜との識別を容易に識別でき、もって湿度の演算時において温度から他のパラメータに演算する際、露点あるいは霜点に基づいた適切な飽和蒸気圧を選択することができる。
【0022】
請求項4の発明に関わる表面冷却式露点計によれば、撮像カメラが望遠鏡式光学系を備えているため、例えば、耐圧の目的で計測チャンバの周壁が極めて厚く、ミラーの表面から撮像カメラまでの距離が大きい場合でも、上記ミラーの表面を有効に撮影することが可能となり、もって露点の測定を確実に実施することができる。
【0023】
請求項5の発明に関わる表面冷却式露点計によれば、撮像カメラが顕微鏡式光学系を備えていることで、ミラーの表面が極めて小さくとも有効に撮影できるため、上記ミラーを小型化することで露点計全体のコンパクト化が可能となり、また、全体形状のコンパクト化により熱容量が低下することで、温度調整時における温度変化に対する良好な応答性を得ることができ、さらに計測チャンバの小型化に伴う容積の減少により、露点計測時における被測定気体のサンプリング量を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に関わる表面冷却式露点計の第1の実施例を示しており、この表面冷却式露点計1は、後に詳述する計測チャンバ2、ミラー3、熱電モジュール(温度調整手段)4、LED(光源)9、撮像カメラ10、およびコントローラ100等を具備し、これら各要素を図示していないケーシングに収容することによって、自在に持ち運びすることの可能なポータブル機器として構築されている。
【0025】
図1に示す如く、本実施例における表面冷却式露点計1は、被測定気体Gが供給/排出されて流通する計測チャンバ2を備具しており、この計測チャンバ2は導入口2iと排出口2oとを有し、これら導入口2iおよび排出口2oを介して、矢印iおよび矢印oで示す如く被測定気体Gの供給/排出が為される。
【0026】
また、上記計測チャンバ2の内部には、被測定気体G中の水分を結露/結霜させるためのミラー3が収容されており、このミラー3は、温度調整手段としての熱電モジュール4の上方に突出したサポート4sに設置され、上記熱電モジュール4の動作に基づいて温度調整、特に上記ミラー3の表面3aが所望の温度となるよう調整される。
【0027】
また、上記サポート4sにおけるミラー3の近傍には、上記ミラー3の温度(詳しくは表面3aの温度)を計測するための、温度計測手段としての温度センサ5が設置されており、この温度センサ5に接続された温度表示手段としての温度メータ6によって、上記温度センサ5からの出力が露点温度として数値表示される。
【0028】
さらに、上述したサポート4sにミラー3等の設けられた熱電モジュール4は、ベースプレート7上に固定設置されているとともに、上記サポート4sの上部からミラー3を露呈させた態様で、全体を硬質発泡ウレタン等の断熱材から成る断熱ブロック8によって囲繞されている。
【0029】
一方、上記計測チャンバ2には、ミラー3の表面3aを照明するための、LED(発光ダイオード)等から成る光源9が設置されているとともに、上記光源9によって照明されたミラー3の表面3aを撮影する、詳しくは上記ミラー3の表面3aに発生する結露/結霜の状況を、画像として撮影するための撮像カメラ10が設置されている。
【0030】
因みに、上記撮像カメラ10としては、後述する理由からカラー撮影が可能であることと併せ、後述する如く時系列で画像を撮影する必要から、デジタルビデオカメラあるいはタイムラプス撮影の可能なデジタルスチルカメラ等が採用されており、さらに上記撮像カメラ10は、撮影した画像情報を後述するパーソナルコンピュータ等の処理装置へ直接に入力し得る仕様を有している。
【0031】
上記撮像カメラ10は、制御用PC(パーソナルコンピュータ)等から成るコントローラ100に接続されており、該撮像カメラ10からの画像情報は、コントローラ100の画像解析部(画像解析手段)101に送られ、この画像解析部101における解析結果に基づいて、コントローラ100の温度制御部(温度制御手段)102から熱電モジュール(温度調整手段)4に制御信号が送られ、上述したミラー3(表面3a)に対する温度の調節が実行されることとなる。
【0032】
ここで、上述した構成の表面冷却式露点計1は、『被測定気体が流通する計測チャンバの内部にミラーを設置し、冷却したミラーの表面が結露する際の状況に基づいて、被測定気体の露点を測定するよう構成した』点において、従来の表面冷却式露点計(図10参照)と共通するものの、ミラー3の表面3aにおける結露/結霜の状況を、計測チャンバ2に設けた撮像カメラ10で直接に撮影し、撮影した画像を観察(画像解析)することにより判断している点において、上記従来の表面冷却式露点計とは大きく相違するものである。
【0033】
上述した表面冷却式露点計1において、被測定気体Gの露点温度を測定するには、先ず、計測の開始(図2に示したフローチャートにおける“step1”)に際して、被測定気体Gをミラー3における表面3a上に流通させるべく、矢印iおよび矢印oで示すように導入口2iおよび排出口2oを介して、計測チャンバ2の内部に被測定気体Gを連続して供給(連続サンプリング)する。
【0034】
次いで、上記ミラー3における表面3aに、被測定気体G中の水分を強制的に結露させるよう、熱電モジュール4によって上記ミラー3(表面3a)の温度を制御する(図2のフローチャートにおける“step2”)。具体的には、計測チャンバ2の内部に被測定気体Gを連続サンプリングしている状態において、上記ミラー3の温度を徐々に低下させる制御を実行する。
【0035】
上述した如き、ミラー3の温度制御を実行している状況において、上記ミラー3の表面3aを撮像カメラ10によって直接に撮影する(図2のフローチャートにおける“step3”)。詳しくは、1/30sec 毎の時系列においてインターバル撮影を実行する。
【0036】
上記撮像カメラ10によって撮影された画像(画像情報)は、コントローラ100の画像解析部101に送られ、この画像解析部101において、後に詳述する態様で画像解析が実施され(図2のフローチャートにおける“step4”)、結露が発生したか否かの判断が為される(図2のフローチャートにおける“step5”)。
【0037】
上記ミラー3の表面3aに結露が発生した後は、コントローラ100の温度制御部102によって熱電モジュール4の動作を制御し(図2のフローチャートにおける“step6”)、ミラー3の表面3aにおける結露の量が一定となるように、上記ミラー3(表面3a)の温度を調整する。
【0038】
このようにして、同量の結露が生じている状態の上記ミラー3(表面3a)の温度が被測定気体Gの露点温度となり、この温度はミラー3の近傍に設置された温度センサ5によって検知され、該温度センサ5からの出力は温度メータ6により露点温度として数値表示され、この数値を読み取ることで被測定気体Gの露点温度測定は終了となる(図2のフローチャートにおける“step7”)。
【0039】
以下では、コントローラ100の画像解析部101における、結露を判別するための具体的な画像解析の手法(絶対値差分法)を詳述に説明する。
【0040】
上述した如く、ミラー3の温度制御(冷却)を実行している状況において、ミラー3の表面3aは撮像カメラ10によって撮影されており、図3に示す如く、ミラー3の表面3aを撮影した画像Xは、縦方向に番号A〜R、横方向に番号a〜rを附され、縦横に配列された多数のピクセル(画素)“Aa”〜“Rr”によって構築されている。
【0041】
なお、撮像カメラ10によって撮影された画像の全ピクセル数は、撮影画像に要求される分解能や、画像解析部101における処理能力に基づいて、任意に設定し得るものであることは言うまでもない。
【0042】
一方、ミラー3の温度制御(冷却)を実行している状況において、上述した如くミラー3の表面3aは、撮像カメラ10によって1/30sec 毎の時系列でインターバル撮影されており、撮影画面の画像解析にあたっては、先ず1枚目の撮影画像と2枚目の撮影画像とを比較し、次いで1枚目の撮影画像と3枚目の撮影画像とを比較し、以下、常に1枚目の撮影画像に対してn枚目の撮影画像を比較する処理(差分化処理)を行う。
因みに、上述の如くインターバル撮影された1枚目の撮影画像をX1、2枚目の撮影画像をX2、以下、…n枚目の撮影画像をXnと称する。
【0043】
画像解析にあたっては、先ず、図4(a)に示す1枚目の撮影画像X1の各ピクセル“Aa”〜“Rr”と、これらピクセル“Aa”〜“Rr”に対応する、図4(b)に示す2枚目の撮影画像X2の各ピクセル“Aa”〜“Rr”との輝度を比較し、全てのピクセル“Aa”〜“Rr”における輝度の差分を検出する。
【0044】
ここで、1枚目の撮影画像X1と2枚目の撮影画像X2との、同一ピクセルにおける輝度の差分を絶対値Δtとすると、
例えば、ピクセル“Aa”における絶対値Δtは、
|X1“Aa”−X2“Aa”|=Δt“Aa”
また、ピクセル“Rr”における絶対値Δtは、
|X1“Rr”−X2“Rr”|=Δt“Rr”
という関係式が成り立つ。
【0045】
全てのピクセル“Aa”〜“Rr”におけるΔt(輝度の差分の絶対値)を検出し、各ピクセル“Aa”〜“Rr”における差分の絶対値Δtを256階調に分解することで、1枚目の撮影画像X1に対する2枚目の撮影画像X2の「ヒストグラム(輝度分布図)」を作成する。
因みに、輝度の差分が“0”の(輝度の変化のない)ピクセルについてはキャンセル(無視)されることとなる。
【0046】
以下、同様にして、1枚目の撮影画像X1に対する3枚目以降の撮影画像X3、Xn(n枚目の撮影画像)…を順次比較して差分化処理を行い、各ピクセル“Aa”〜“Rr”における輝度の差分の絶対値Δtに基づいて、比較した撮影画像毎(1枚目に対する3枚目の撮影画像X3、1枚目に対するn枚目の撮影画像Xn、…)の「ヒストグラム」を作成する。
【0047】
ここで、計測の進行に伴ってミラー3の表面3aに結露が発生し、図4(a)に示す1枚目の撮影画像X1に対して、図4(b)に示すn枚目の撮影画像Xnに水滴(露)Vが撮影されると、この水滴Vが付着した中央部のピクセル“Lc”、および周辺の各ピクセル“Kb”、“Kc”、“Kd”、“Lb”、“Ld”、“Mb”、“Mc”、“Md”の輝度が著しく増大することとなり、n枚目の撮影画像Xnにおける「ヒストグラム」は、1つ前の撮影画像X(n−1)の「ヒストグラム」に対して大きく変化することとなる。
【0048】
図6は、上述した如く作成した各「ヒストグラム」の“平均”、“標準偏差”および“変化量”を時系列にプロットしたグラフであり、このグラフ中のn枚目(破線位置)の「ヒストグラム」における“平均”、“標準偏差”および“変化量”が大きく変化している状況を見て取ることができる。
【0049】
上述した図6のグラフから明らかな如く、時系列に撮影された撮影画像の「ヒストグラム」における輝度階調の経時的な変化に基づいて、詳しくは、上記輝度階調が大きく変化したことから結露の発生を検出でき、併せて結露の発生した時点を特定することができる。
【0050】
なお、結露の発生を検出するに際しては、例えば、或る時点の撮影画像における「ヒストグラム」の“平均”の値が、1つ前の撮影画像における「ヒストグラム」の“平均”の倍以上であれば『結露が発生しているものと見倣す』等、検出の感度を任意に設定し得ることは言うまでもない。
【0051】
さらに、結露の発生を検出する方法としては、各ピクセルの輝度(彩度)を256階調に分解したヒストグラムにおいて、平均値あるいはピーク値の経時的な移動に基づいて結露を検知する、従来の表面冷却式露点計と同様の検知方法を採用することも可能である。
【0052】
以上、詳述した構成の表面冷却式露点計1によれば、撮像カメラ10でミラー3における表面3aの全体を観察しつつ、表面3aの極く一部に発生した結露を検出することによって、結露の発生に関わる微細な変化を捉えることができるため、「ミラーにおける表面の全体に結露が形成された状態において露点の計測を行っている」従来の表面冷却式露点計に比べ、被測定気体Gの露点計測に関わる精度を大幅に向上させることが可能となる。
【0053】
また、上述した構成の表面冷却式露点計1によれば、撮像カメラ10で常にミラー3の表面3aを全体に亘って観察し、極く一部に結露が生じたことを検出した時点でミラー3の温度調整を行って、被測定気体Gの露点温度を計測することが可能であるため、「ミラーにおける表面の全体に結露が形成された状態において露点の計測を行っている」従来の表面冷却式露点計に比べ、計測作業を開始してから結露が発生し始める早い時期において温度制御することで、短時間において被測定気体Gの露点を計測することが可能となる。
【0054】
また、上述した構成の表面冷却式露点計1によれば、ミラー3の表面3aを撮影した画像を解析することにより、詳しくは、画像解析部101において、時系列に撮影された1枚目の撮影画像X1と、2枚目以降の各撮影画像X2、X3…における全ピクセル(画素)の輝度とを順次比較し、絶対値差分法により求めた各撮影画像の輝度階調の経時的な変化に基づいて結露を検出することにより、被測定気体Gにおける露点の計測精度を向上させることができ、併せて短時間で被測定気体Gにおける露点の計測を実施することが可能となる。
【0055】
さらに、上述した構成の表面冷却式露点計1によれば、撮像カメラ10で時系列に撮影された画像の解析をリアルタイムに実施しているので、露量の変化、言い換えれば結露の発生を1/30sec のレスポンスで捕らえることが可能となり、もって従来の鏡面冷却式露点計における致命的な欠陥と指摘されていた、計測時における応答性の遅さを解消することができる。
【0056】
ところで、従来の表面冷却式露点計(例えば、図10参照)においては、ミラー表面の汚れに対処することは困難であったが、上述した実施例の表面冷却式露点計1では、上記ミラー3の表面3aを撮像カメラ10によって撮影した、結露の生じていない基準となる1枚目の撮影画像X1と、2枚目以降の各撮影画像X2、Xn…とを、コントローラ100の画像解析部101において差分化処理することで、上記ミラー3の表面3aにおける汚れや化学物質の付着等を、画像情報(データ)から除去することができる。
【0057】
例えば、図4(a)および図5(a)に示す如く、1枚目の撮影画像X1におけるピクセル“Fp”に汚れWが写っている場合、この汚れWは、図4(a)に示す2枚目の撮影画像X2、および図5(b)に示すn枚目の撮影画像Xnのピクセル“Fp”にも存在するが、上述した如く1枚目の撮影画像X1に対する2枚目以降の撮影画像X2、Xn…について、輝度の差分が“0”のピクセルに関してはキャンセル(無視)されることとなる。
【0058】
このように、上述した如き画像処理(差分化処理)により、汚れや傷等に起因する画像情報のノイズ成分が除去され、誤検出が未然に防止されることによって、結露/結霜の検出感度が向上することとなり、もって計測精度の大幅な向上を達成することが可能となる。
【0059】
なお、上述した如く1枚目の撮影画像X1と2枚目以降の撮影画像X2、Xn…とを差分化処理することで、上記ミラー表面の汚れや化学物質の付着等のみならず、撮像カメラ10における光学系(レンズ)の傷や汚れ等についても、同様にして画像情報(データ)からキャンセルすることができ、もって計測精度の大幅な向上を達成し得ることは言うまでもない。
【0060】
さらに、上述した如き1枚目の撮影画像X1に対する2枚目以降の撮影画像X2、Xn…を差分化処理することと併せて、撮像カメラ10により時系列に撮影される撮影画像を、常に直前に撮影された撮影画像に対して差分化処理することで、計測中に供給される被測定気体Gの汚染に起因する、ミラー表面のコンタミネーション(実験汚染)をキャンセルすることができ、もって計測精度の大幅な向上を達成することが可能となる。
【0061】
一方、上述した表面冷却式露点計1において、被測定気体中の水分がミラー3の表面3aに付着した状況では、上記ミラー3(表面3a)の温度が0℃以上であれば結露が形成され、上記ミラー3(表面3a)の温度が0℃以下であれば結霜が形成されることとなる。
【0062】
ここで、上述した表面冷却式露点計1では、コントローラ100の画像解析部101において、撮像カメラ10から送られた画像情報(カラーの撮影画像)を色解析することにより、ミラー3の表面3aに結露が生じているのか、あるいは結霜が形成されているのかを識別することができる。
【0063】
すなわち、上述した構成の表面冷却式露点計1においては、露点と霜点とを判別する機能が得られ、これにより湿度の演算時において温度から他のパラメータに演算する際、露点あるいは霜点に基づいた適切な飽和蒸気圧を選択することが可能となる。
【0064】
図7および図8は、本発明に関わる表面冷却式露点計の第2の実施例を示しており、この表面冷却式露点計1′は、例えば耐圧タンク内における水素ガスの露点等、高圧容器の内部における被測定気体の露点温度を計測するために提供された装置である。
【0065】
本実施例の表面冷却式露点計1′は、耐圧容器を構成する計測チャンバ2′を備具しており、該計測チャンバ2′には導入口2i′および排出口2o′が設けられ、これら導入口2i′と排出口2o′とを介して、矢印iおよび矢印oで示す如く被測定気体Gが供給/排出される。
【0066】
計測チャンバ2′の内部に収容されたミラー3′は、ロッド状を呈するサポート4s′の先端に設置され、計測チャンバ2′を貫通する上記サポート4s′の基端に設置された温度調整手段4′により、上記ミラー3′(表面3a′)が所望の温度となるよう調整される。
【0067】
上記サポートロッド3r′におけるミラー3′の近傍には、温度センサ(温度計測手段)5′が設置され、この温度センサ5′に接続された温度メータ6′により、上記温度センサ5′からの出力(ミラー3′の温度)が数値表示される。
【0068】
一方、上記計測チャンバ2′の外部には、LED(発光ダイオード)等から成る光源9′と、該光源9′によって照明されたミラー3′の表面3a′を撮影する撮像カメラ10′とが設置され、これら光源9′および撮像カメラ10′は、それぞれ計測チャンバ2′の周壁2w′に設置された投光用ガラス窓2l′および観察用ガラス窓2c′に外部から臨む態様で配設されている。
【0069】
上記撮像カメラ10′はコントローラ100′に接続され、撮像カメラ10′からの画像情報は、コントローラ100′の画像解析部(画像解析手段)101′に送られ、この画像解析部101′における解析結果に基づいて、コントローラ100′の温度制御部(温度制御手段)102′から熱電モジュール4′に制御信号が送られ、上述したミラー3′の温度調節が為される。
【0070】
ここで、上述した表面冷却式露点計1′においては、例えば40MPa以上の高圧力下における露点の計測を実施するため、計測チャンバ2′における周壁2w′は、その厚さ寸法tが耐圧を考慮して約10〜20mmに設定されており、上記周壁2w′に設置された観察用ガラス窓2c′等も、同じく耐圧を考慮して約10〜20mmの厚さ寸法に設定されている。
【0071】
また、例えば水素ガスを被測定気体として取り扱う場合、強い腐食性や水素脆化を招く等の不都合から、従来の表面冷却式露点計における受光素子(フォトセンサ)や、本実施例における撮像カメラ10′等の精密機器を、計測チャンバ2′の内部に設置することは困難なので、本実施例の表面冷却式露点計1′では、上記撮像カメラ10′を計測チャンバ2′の外部に配設することで対応している。
【0072】
反面、上述した如く撮像カメラ10′を計測チャンバ2′の外部に配置することにより、肉厚(約10〜20mm)の周壁2w′および観察用ガラス窓2c′を挟むため、ミラー3′から撮像カメラ10′までの撮影距離が著しく増大する不都合がある。因みに、従来の表面冷却式露点計(図10参照)では、光源(LED)とミラーおよび受光素子との距離を長く設定できず、通常、5cm以内の近距離に設置されている。
【0073】
そこで、本実施例における表面冷却式露点計1′では、肉厚(約10〜20mm)の観察用ガラス窓2c′を介しても、ミラー3′の表面3a′を確実に撮影し得るよう、上記撮像カメラ10′に長焦点距離タイプの光学系を採用している。
【0074】
上述した構成の表面冷却式露点計1′によれば、撮像カメラ10′の光学系に長焦点距離タイプを採用したことで、例えば、高圧力下での露点計測を実施するべく肉厚の計測チャンバを備えた表面冷却式露点計のように、ミラーから撮像カメラまでの距離を大きく設定している状況でも、被測定気体の露点を測定することが可能となる。
【0075】
ここで、上述した表面冷却式露点計1′の構成は、撮像カメラ10′の光学系が長焦点距離タイプである以外、図1に示した第1の実施例における表面冷却式露点計1と基本的に変わるところはなく、また、被測定気体の露点を計測するための動作態様(画像解析および温度制御等)に関しても、第1の実施例における表面冷却式露点計1と基本的に変わるところはない。
【0076】
すなわち、第2の実施例における表面冷却式露点計1′では、撮像カメラ10′の光学系を長焦点距離タイプとすることで、肉厚の計測チャンバを具備した構造であっても、支障なく高圧力下(例えば40MPa)における被測定気体の露点計測を実施することが可能となる。
【0077】
さらに、第2の実施例における表面冷却式露点計1′では、上述した第1の実施例における表面冷却式露点計1と同様にして、被測定気体Gにおける露点の計測精度を向上させることができ、かつ短時間で被測定気体Gにおける露点の計測を実施することが可能となる。
【0078】
図9は、本発明に関わる表面冷却式露点計の第3の実施例を示しており、この表面冷却式露点計1″は、外観形状の可及的なコンパクト化を目的として提供された装置である。
【0079】
本実施例の表面冷却式露点計1″は、被測定気体Gが供給/排出されて流通する計測チャンバ2″を備具しており、該計測チャンバ2″は導入口2i″と排出口2o″とを有し、これら導入口2i″と排出口2o″とを介して、矢印iおよび矢印oで示す如く被測定気体Gが供給/排出される。
【0080】
計測チャンバ2″の内部に収容されたミラー3″は、直径2mm〜3mmのロッド状を呈するサポート4s″の先端に設置されており、上記サポート4s″に設けられたコイルヒータ等の温度調整手段4″により、上記ミラー3″(表面3a″)が所望の温度となるよう調整される。
【0081】
上述したロッド状を呈するサポート4s″の基端は、計測チャンバ2″を閉止するベース4b″に固定設置されており、上記ベース4b″の外方には放熱用の空冷フィン4f″が設けられている。
【0082】
また、上記サポート4s″におけるミラー3″の近傍には、温度センサ(温度計測手段)5″が設置され、この温度センサ5″に接続された温度メータ6″により、上記温度センサ5″からの出力(ミラー3″の温度)が数値表示される。
【0083】
一方、上記計測チャンバ2″には、LED(発光ダイオード)等から成る光源9″と、該光源9″によって照明されたミラー3″の表面3a″を撮影する撮像カメラ10″とが設置されている。
【0084】
上記撮像カメラ10″はコントローラ100″に接続され、撮像カメラ10″からの画像情報は、コントローラ100″の画像解析部(画像解析手段)101″に送られ、該画像解析部101″における解析結果に基づいて、コントローラ100″の温度制御部(温度制御手段)102″から温度調整手段4″に制御信号が送られ、上述したミラー3″(表面3a″)の温度調節が為される。
【0085】
ここで、本実施例の表面冷却式露点計1″においては、サポート4s″の先端に設置されているミラー3″の直径が、約2mm〜3mmの極めて小さな寸法に設定されており、上記ミラー3″に合わせてサポート4s″も細いロッド状を呈している。
【0086】
さらに、本実施例の表面冷却式露点計1″では、上述のように直径が約2mm〜3mmであるために、面積の極めて小さい上記ミラー3″の表面3a″を確実に撮影し得るよう、撮像カメラ10″に顕微鏡タイプの光学系が採用されている。
【0087】
ところで、一般的な表面冷却式露点計におけるミラーの直径は、通常、本実施例における表面冷却式露点計1″のミラー3″に比べて大きく、例えば、6mm〜10mm程度の直径に設定されている。因みに、従来の表面冷却式露点計(図10参照)では、光源(LED)の構造上、ミラーを照明する光軸を直径5mm以内に絞り込むことは不可能である。
【0088】
このため、従来の一般的な表面冷却式露点計においては、直径の大きさ故にミラーの表面面積が広く、被測定気体の供給を開始してから、ミラーの表面に結露が形成されたのち、被測定気体の露点温度を検出するまでに、例えば1〜2時間程度の長い計測時間を要する不都合がある。
【0089】
これに対して、本実施例における表面冷却式露点計1″では、上述した如くミラー3″の直径が小さく、該ミラー3″の表面3a″の面積が狭小となるため、被測定気体Gの供給を開始してから、ミラー3″の表面3a″に結露が形成されたのち、被測定気体Gの露点温度を検出するまでの計測時間を、例えば30分程度にまで大幅に短縮することが可能となる。
【0090】
また、一般的な表面冷却式露点計では、上述の如くミラーの直径が大きいことから、装置の全体に亘って形状の大型化を招来することとなり、特にミラー周辺を構成する部品の大型化に伴って熱容量が増大することで、加熱/冷却時における応答性が悪く温度調整が困難となる不都合があった。
【0091】
これに対して、本実施例における表面冷却式露点計1″では、上述した如くミラー3″の直径が約2mm〜3mmと小さく、またミラー3″を支持するサポート4s″も細いロッド状を呈しているため、ミラー周辺を構成する部品の熱容量が大幅に低減し、加熱/冷却時の応答性(温度追従性)が極めて良好なものとなる。
【0092】
因みに、本実施例の表面冷却式露点計1″においては、細いロッド状のサポート4s″に、温度調整手段4″としてのコイルヒータを巻き付けるとともに、温度センサ5″としてのシース型温度センサを内挿することで、ミラー3″の周辺を構成する部品の可及的なコンパクト化を達成して熱容量を小さく抑え、もって加熱/冷却時の温度変化量に対する良好な応答性を達成している。
【0093】
また、本実施例における表面冷却式露点計1″では、上述の如くミラー3″の直径が小さいため、装置全体のコンパクト化を達成でき、特に被測定気体Gの供給/排出される計測チャンバ2″が小型化し、該計測チャンバ2″の内容積が減少することにより、計測時においてサンプリングする被測定気体Gが微量で済むこととなる。
【0094】
さらに、一般的な表面冷却式露点計においては、低水分量の被測定気体の露点を計測する場合、結露に3〜4時間もの待機時間を必要とするのに対して、上述した如く、コンパクト化を達成した本実施例の表面冷却式露点計1″では、計測チャンバ2″の小型化により、結露までの待機時間を30分程度にまで短縮することが可能となる。
【0095】
ここで、上述した表面冷却式露点計1″の構成は、撮像カメラ10″の光学系が顕微鏡タイプである以外、図1に示した第1の実施例における表面冷却式露点計1、あるいは図7、図8に示した第2の実施例における表面冷却式露点計1′と基本的に変わるところはなく、また、被測定気体の露点を計測するための動作態様(画像解析および温度制御等)に関しても、上述した表面冷却式露点計1および表面冷却式露点計1′と基本的に変わるところはない。
【0096】
すなわち、第3の実施例における表面冷却式露点計1″では、撮像カメラ10″の光学系を顕微鏡タイプとすることで、ミラー3″の直径(表面3a″の面積)を極小化して、被測定気体Gの露点計測に要する時間を大幅に短縮することができ、併せて、ミラー3″および該ミラー3″周辺の構成部品を可及的に小型化して熱容量を小さく抑え、加熱/冷却時の温度変化量に対する応答性を良好なものと成し得る。
【0097】
さらに、第3の実施例における表面冷却式露点計1″では、上述した第1の実施例における表面冷却式露点計1、および第2の実施例における表面冷却式露点計1′と同様にして、被測定気体Gにおける露点の計測精度を向上させることができ、かつ短時間で被測定気体Gにおける露点の計測を実施し得ることは勿論である。
【0098】
なお、上述した各実施例においては、撮像カメラにより撮影された画像情報を、“絶対値差分法”を用いた画像解析手法によって処理し、結露が発生したか否かの判断を行なう例を示したが、上述した「“絶対値差分法”を用いた画像解析手法」以外の様々な画像解析の手法をも有効に採用し得ることは言うまでもない。
【0099】
また、上述した各実施例においては、各々に専用の光学系を装備した撮像カメラを設置しているが、カメラ本体に対して光学系(交換レンズ)を交換可能とし、標準タイプ、長焦点距離タイプ、あるいは顕微鏡タイプ等の光学系(交換レンズ)を、適宜に選択してカメラ本体に装着することで、様々な仕様の露点計に対応させることができる。
【0100】
さらに、本願発明に関わる「表面冷却式露点計」の利用範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えばドライルームでの低露点ガスの測定、ドライエアーラインの性能確認、各種ガスボンベ内の水分率測定、浸炭炉内や恒温恒湿槽の露点管理、研究開発分野での湿度データ管理、および湿度の校正基準器(湿度標準器)等、様々な技術分野において有効に適用し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に関わる表面冷却式露点計の第1の実施例を概念的に示す断面側面図。
【図2】本発明の表面冷却式露点計における露点の計測工程を示すフローチャート。
【図3】本発明に関わる表面冷却式露点計の撮像カメラによる撮影画像を示す概念図。
【図4】(a)および(b)は、撮像カメラによる1枚目の撮影画像および2枚目の撮影画像を示す概念図。
【図5】(a)および(b)は、撮像カメラによる1枚目の撮影画像およびn枚目の撮影画像を示す概念図。
【図6】本発明に関わる表面冷却式露点計の計測時における各撮影画像の輝度階調を時系列に示したグラフ。
【図7】本発明に関わる表面冷却式露点計の第2の実施例を概念的に示す断面側面図。
【図8】図7中の VIII−VIII 線断面図。
【図9】本発明に関わる表面冷却式露点計の第3の実施例を概念的に示す断面側面図。
【図10】従来の表面冷却式露点計を示す概念的な断面側面図。
【符号の説明】
【0102】
1、1′、1″…表面冷却式露点計、
2、2′、2″…計測チャンバ、
2i、2i′、2i″…導入口、
2o、2o′、2o″…排出口、
3、3′、3″…ミラー、
3a、3a′、3a″…表面、
4…熱電モジュール(温度調整手段)、
4′、4″…温度調整手段、
4s、4s′、4s″…サポート、
5、5′、5″…温度センサ(温度計測手段)、
6、6′、6″…温度メータ(温度表示手段)、
7…ベースプレート、
8…断熱ブロック、
9、9′、9″…光源、
10、10′、10″…撮像カメラ、
100、100′、100″…コントローラ、
101、101′、101″…画像解析部(画像解析手段)、
102、102′、102″…温度制御部(温度制御手段)、
X1、X2、〜Xn…撮影画像、
Aa〜Rr…ピクセル(画素)、
G…被測定気体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定気体を供給/排出させて、内部に前記被測定気体を流通させる計測チャンバと、
前記計測チャンバの内部に収容設置されて、流通する前記被測定気体に晒されるミラーと、
前記ミラーの温度を調整する温度調整手段と、
前記ミラーの温度を計測する温度計測手段と、
前記ミラーの温度を表示する温度表示手段と、
前記ミラーの表面を照明する光源と、
前記ミラーの表面を撮影する撮像カメラと、
前記撮像カメラからの画像情報に基づいて、前記ミラーの表面における結露/結霜の発生状況を判定する画像解析手段と、
前記画像解析手段による判定の結果に基づいて、前記ミラーの温度を一定に保持するべく、前記温度調整手段の動作を制御する温度制御手段と、
を具備して成ることを特徴とする表面冷却式露点計。
【請求項2】
前記画像解析手段は、前記撮像カメラにより時系列に撮影された1枚目の撮影画像における全ピクセルの輝度と、2枚目以降の各撮影画像における全ピクセルの輝度とを順次比較し、同一のピクセルにおける輝度の差分の絶対値を比較する絶対値差分法により各撮影画像の輝度階調を求め、前記各撮影画像における輝度階調の経時的な変化に基づいて、結露の発生を検出することを特徴とする請求項1記載の表面冷却式露点計。
【請求項3】
前記画像解析手段は、前記撮像カメラからの画像情報を色解析することにより、前記ミラーの表面に発生した結露と結霜との識別を行うことを特徴とする請求項1記載の表面冷却式露点計。
【請求項4】
前記撮像カメラが、長焦点距離タイプの光学系を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の表面冷却式露点計。
【請求項5】
前記撮像カメラが、顕微鏡タイプの光学系を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の表面冷却式露点計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−107338(P2010−107338A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279343(P2008−279343)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(595145496)株式会社第一科学 (3)
【Fターム(参考)】