説明

鏡餅用カートン

【課題】従来の鏡餅用カートンでは、輸送過程での揺れにより、箱の中で三方から鏡餅がずれてしまう等、組み立てられた形が崩壊するという問題があり、また、段ボールの支えは結局ゴミにしかならないため、メーカーはこの段ボールの支えを排除し、それに代わる支える工夫が求められている。
【解決手段】本発明は、底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状で、少なくとも、脚部と盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、対向する一方の側面が閉鎖面で、前記底面、前記上面、前記前面、前記後面の同一側に連設された底フラップの一部が互いに重なり合って形成され、前記鏡餅用カートン内に収納された前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖する前記底フラップに設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に重ね鏡餅と三方とからなる鏡餅セットを包装する鏡餅用カートンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、正月など祝い事では重ね鏡餅が供えられることが多い。最近では、重ね鏡餅として、プラスチック製の重ね鏡餅容器に餅を柔らかい状態で封入した重ね鏡餅や、その重ね鏡餅容器の上に載せるプラスチック製の擬似橙等を鏡餅セットとして収納した鏡餅用カートンが販売されるようになっている。鏡餅を充填した合成樹脂製鏡餅パックと板紙製の三方(供え台)などからなる鏡餅セットが、一つの包装箱の中に一体に収納されている。すなわち、鏡餅セットは、少なくとも、鏡餅を充填した合成樹脂製鏡餅形パックと、板紙製の三方と、必要な飾りとを含み、三方は、鏡餅をのせる盆部(四方に折りまわした縁をつけた角盆)と、この盆部の下面に取付けられこれを支持する脚部(または胴もしくは台)とから構成される。
【0003】
この鏡餅セットは、内部が見えるように一部に透明なプラスチックフィルム(シート)が貼り付けられた窓を有する鏡餅用カートンの中に収納された状態で商品として販売されることが多く、購買者が自宅で鏡餅を箱から取り出してすぐに飾れるように、組み立てられた形のままの鏡餅セットを、箱にそのまま入れて商品化されている。
【0004】
しかしこの商品は、輸送過程での揺れにより、箱の中で三方から鏡餅がずれてしまう等、組み立てられた形が崩壊する可能性があり、そのため現状では、三方の下(窓からは見えないように三方の後側)に段ボールの支えを入れて、輸送過程での揺れでは、三方がぐらつかないようになり、鏡餅が安定することで、結果組み立てられた形を保つという構造が知られている。(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−278256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、段ボールの支えは結局ゴミにしかならないため、メーカーはこの段ボールの支えを排除し、それに代わる支える工夫が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本願請求項1の発明は、底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、対向する一方の側面が閉鎖面で、前記底面、前記上面、前記前面、前記後面の同一側に連設された底フラップの一部が互いに重なり合って形成され、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖する前記底フラップに設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートンである。
【0008】
また、本願請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記閉鎖面が、前記底面(11)、前記前面(12)、前記上面(13)、前記後面(14)のそれぞれの同側の辺に連設された側小フラップ(16)、側大フラップ(17)、側小フラップ(18)、側大フラップ(19)の一部が互いに重なり合って形成され、前記左側大フラップ(19)に前記下舌片(A)が設けられ、前記左側小フラップ(18)に前記上舌片(B)が設けられ、前記下舌片(A)と前記上舌片(B)が、カートンを組み立てた時に、前記鏡餅用カートン1内に収納した前記三方(40)の前記盆部(41)の縁部を上下から挟むことができるような位置関係に設けられていることを特徴とする鏡餅用カートンである。
【0009】
また、本願請求項3の発明は、底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、対向する一方の側面が開閉面であり、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記カートンの前記開閉面を閉鎖する蓋フラップおよび該蓋フラップに連設した押え片に設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートンである。
【0010】
また、本願請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記開閉面が、前記底面(11)、前記前面(12)、前記上面(13)、前記後面(14)のそれぞれの同側の辺に連設された側大フラップ(20)、側小フラップ(21)、側小フラップ(22)により閉鎖されて形成され、側小フラップ(21)に切り込みにより上舌片(C)が設けられ、前記押え片24に下舌片(D)が設けられ、側小フラップ(22)に切り込みにより下舌片(E)が設けられ、前記押え片(25)に上舌片(F)が設けられ、上舌片(C)と下舌片(D)、下舌片(E)と上舌片(F)下舌片Fとが、それぞれカートンを組み立てた時に、前記鏡餅用カートン(1)内に収納した前記三方(40)の前記盆部(41)の縁部を上下から挟むことができるような位置関係に設けられていることを特徴とする鏡餅用カートンである。
【0011】
さらにまた、本願請求項5の発明は、底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、対向する一方の側面が閉鎖面で、前記底面、前記上面、前記前面、前記後面の同一側に連設された底フラップの一部が互いに重なり合って形成され、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖する前記底フラップに設けられ、対向する他方の側面が開閉面であり、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖するフラップおよび前記カートンの前記開閉面を閉鎖するフラップおよび該フラップに連設した押え片に設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートンである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の鏡餅用カートンによれば、鏡餅が中に収納されている鏡餅形パックと三方が輸送工程等でぐらつくことを防ぎ、安定性を保つことができるという効果があり、また、別の部材による支え等を必要としないという効果がある。
かつ、外から確認できることができ、収納した鏡餅セットの見栄えをよくすることができ販促効果を高めることができ、かつ、簡単に、鏡餅セットを収納した鏡餅用カートンから簡単に取り出して組み立てることができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の鏡餅用カートンに鏡餅セットを収納している状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の鏡餅用カートンを組み立てて、開閉面を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の鏡餅用カートンの閉鎖面を内側から見た図である。
【図4】本発明の鏡餅用カートンを組み立てる前のブランクを示す展開図である。
【図5】本発明の鏡餅用カートンのブランクと従来のカートンのブランクの閉鎖面を形成するブランクの比較を示す部分展開図である
【図6】従来の三方と三方に載せられる鏡餅形パックを示す斜視図である。
【図7】本発明の鏡餅用カートンのブランクの別の例を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明を具体化した実施形態の鏡餅用カートンを図に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、鏡餅セット30が収納された状態の鏡餅用カートン1を示す斜視図であり、また、図2は、鏡餅セット30を収納する前の開閉面Rが開かれている状態の鏡餅用カートン1を示す部である。
【0016】
本発明の鏡餅用カートン1に収納する鏡餅セット30は、少なくとも、三方40とこの三方40上に載置された鏡餅形パック50とからなり、板紙製の鏡餅用カートン1内に収納される。三方40は鏡餅形パック50を載置する盆部41とこの盆部41を支持し盆部41よりも横方向寸法が小さな脚部42とを備え、盆部41は、この脚部42に支持され、縁部が上記脚部42よりも外方に突出している。必要に応じて飾り(前紙、四方紅、水引、末広、橙模型など)が鏡餅セット30に含まれる。
【0017】
鏡餅用カートン1(図2等を参照)は1枚の板紙(型紙)から作られ、底面11、前面12、上面13、後面14、左側面(閉鎖面L)、右側面(開閉面R)からなり、底面11、上面13が正方形、前面12、後面14、閉鎖面L、開閉面Rが縦長の長方形である四角柱形状である。
【0018】
鏡餅用カートン1を前からみたときに右側面は、開閉する面となるので、開閉面Rとし、右側大フラップ20、右側小フラップ21、右側小フラップ22で形成されている。
また、鏡餅用カートン1を前からみたときに左側面は、閉鎖する面となるので閉鎖面Lとし、左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19で形成され、鏡餅用カートン1を形成したときに、これらの4つのフラップの一部が互いに重なり合って形成される。
また、前面12と上面13の幅方向の中央に亘っては窓Wが設けられている。
【0019】
本発明による鏡餅用カートン1においては、閉鎖面Lのフラップには組み立てた状態で、収納した三方40の外方に突出している盆部41の縁部を上下から挟むように保持するように、左側大フラップ17には下舌片A、左側小フラップ18には上舌片Bが、鏡餅用カートン1の内方に向けて折り曲げられて設けられている。
【0020】
図3は、鏡餅用カートン1の閉鎖面Lの内側から見た図であり、左側小フラップ18には上舌片Bが設けられ、左側大フラップ19には下舌片Aが設けられている。また、中心点Zから下方にずれた点を噛み合わせ点Pで、左側大フラップ17と左側大フラップ19とが交叉して閉鎖面Lを形成している。そして、内側に直角に折り曲げた下舌片Aと上舌片Bが三方40の脚部42よりも外方に突出している盆部41の縁部を上下から挟むように保持する。閉鎖面Lにおいて、前面12と後面14の下辺の中点を結ぶ線を横軸Xとし、底面11と上面13の下辺の中点を結ぶ線を縦軸Yとしその交点を中心点Zとして、本発明のオートボトムカートン1では、この交叉点Pを縦軸Y上で中心点Zからずらすことにより、オートボトムカートンの閉鎖面Lを強化している。
【0021】
また、開閉面Rには、組み立てた状態で、図2に示すように、鏡餅用カートン1の内方に向けて収納した三方40の外方に突出している盆部41の縁部を上下から挟むように保持する上舌片C、下舌片D、上舌片E、下舌片Fが設けられている。上舌片Cは右側小フラップ21に設けられ、上舌片Eは右側小フラップ22に設けられ、下舌片Dは右側小フラップ21に連設されている押え片24に設けられ、下舌片Fは右側小フラップ22に連設されている押え片25に設けられている。
【0022】
図4は、鏡餅用カートン1が組み立てられる前のブランクの展開図である。ブランク10は、底面11、前面12、上面13、後面14、糊代片15が折れ線a、b、c、dを介して順次連設されている。底面11、上面13は正方形であり、前面12、後面14は縦長の長方形である。
【0023】
底面11の左辺には、折れ線eを介して左側小フラップ16が連設され、前面12の左辺には、折れ線fを介して左側大フラップ17が連設され、上面13の左辺には、折れ線gを介して左側小フラップ18が連設され、後面14の左辺には、折れ線hを介して左側大フラップ19が連設されている。左側大フラップ17には、左側小フラップ16側に斜め折れ線iを設けて貼着部17aとし、左側大フラップ19には、左側小フラップ18側に斜め折れ線jを設けて貼着部19aとしている。左側小フラップ16、左側小フラップ18は台形状であり、左側大フラップ17、左側大フラップ19は左辺の略中央部に凹部のある略四辺形状である。この4面の左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19を組み立てて、いわゆる、カートンにおいて、オートボトム型の底面を形成するのと同様にして、左側面である閉鎖面Lを形成する。
【0024】
すなわち、この閉鎖面Lは、左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19を内側に折り畳んだ後、使用時に起こすことによって、左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19が噛み合って形成される。
【0025】
図5−aは、従来のオートボトム形式における左側フラップの形状を示し、図5−bは、本発明における左側フラップの形状を示している。本発明におけるブランク10では、閉鎖面Lを形成する左側フラップの形状が、従来のオートボトム形式の左側フラップの形状とは異なっている。
【0026】
本発明では、図5−bに示すように、左側大フラップ19に下舌片、左側小フラップ18に上舌片を設けている。この下舌片と上舌片は、カートンを組み立てた時に、鏡餅用カートン1内に収納した三方40の盆部41の縁部の上下から支えることができるような位置関係に設けている。
【0027】
また、後面14の左辺に連設した左側大フラップ19には、従来の側大フラップ19´の左辺の中心点Zから上方に切り込みを入れて水平方向の折れ線kで折り曲げることができる下舌片を設け、切り込みの最奥部を噛み合わせ点Xとしている。また、上面13に連設した左側小フラップ18の左辺となる台形の短辺には折れ線lを介して上舌片を設けている。このように、噛み合わせ点Pを中心点Zからずらすことにより、カートンが潰れにくくなるという効果を持たせることができる。
【0028】
底面11の右辺には、折れ線mを介して右側大フラップ20が連設され、前面12の右辺には、折れ線nを介して右側小フラップ21が連設され、後面14の右辺には、折れ線oを介して右側小フラップ22が連設されている。また、この右側大フラップ20の右辺には折れ線pを介して差し込み片23が設けられている。
【0029】
また、右側小フラップ21には、切り込みにより水平方向の折れ線rで折り曲げることができる上舌片Cが設けられ、右辺には、折れ線qを介して押え片24が連設されている。その押え片24の上辺には折れ線sを介して下舌片Dが設けられている。この上舌片Cと下舌片Dは、カートンを組み立てた時に、鏡餅用カートン1内に収納した三方40の盆部41の縁部を上下から支えることができるような位置関係に設けている。
【0030】
同様に、右側小フラップ22には、切り込みにより水平方向の折れ線uで折り曲げることができる上舌片Eが設けられ、右辺には、折れ線tを介して押え片25が連設されている。その押え片25の上辺には折れ線vを介して下舌片Fが設けられている。この上舌片Eと下舌片Fは、カートンを組み立てた時に、鏡餅用カートン1内に収納した三方40の盆部41の縁部を上下から支えることができるような位置関係に設けている。
【0031】
さらに、前面12と上面13の幅方向の中央に亘って窓Wが設けられている。この窓Wは、その幅が全体の半分以上とすること好ましく、長さは前面12の組立てたときに下部となる部分を除いて前面12のほぼ全体にわたる程に長く、上面13のほぼ半分くらいまで延びていることが好ましい。この窓Wは透明な合成樹脂シート(又はフィルム)で塞がれて窓を形成している。透明シートは、たとえばその周縁で窓Wの内面周縁に糊付けされる。透明シートの窓Wを通して鏡餅用カートン1内の鏡餅形パック50および三方40を見ることができる。
鏡餅用カートン1の表面には適切な模様、図柄、文字等が描かれるのはいうまでもない。
【0032】
つぎに、図6を参照して三方(供え台)40と鏡餅形パック50について説明する。
【0033】
三方40は盆部41と脚部42とから構成される。盆部41は上からみると正方形で、底面とその4つの辺から立ち上がりやや斜め外方に広がって形成された側面部とから構成されている。
【0034】
三方40の脚部42は真上からみて正方形の角筒状で4つの側面部を有している。これらの側面部のうち前および左右の側面部にはそれぞれ穴(刳形)43が形成されている。脚部42は盆部41の下面の中央に取付けられている。脚部42の前後左右の長さ(幅)(横幅、横寸法)は盆部41の前後左右の長さ(幅)(横寸法)よりもかなり小さい。したがって、盆部41は脚部42よりも前後左右に(外方に)かなり突出している。
【0035】
一般には盆部41、脚部42とも板紙を折り曲げて形成される。盆部41の底面にスリットがあけられ、脚部42の上方向に突出状に形成された差込片部が上記スリットに入り、盆部41と脚部42とが結合される。このような三方40の盆部41内に四方紅70が敷かれ、その上に鏡餅形パック50がその下部突縁52が四方紅70の上に載るように置かれる。
【0036】
鏡餅形パック50は白色、白濁色または乳白色の合成樹脂により一体的に形成され、鏡餅の形状をもつ中空の鏡餅形部51と、この鏡餅形部51の下縁から外方に突出する下部突縁(フランジ)52とを有する。下部突縁52の外形は正方形であり、後述する三方40の盆部41内に入る大きさである。鏡餅形部51内にはその下面開口から軟化状態にある餅が充填され硬化されるとともに下面開口がシート状シール材(図示略)によりシールされる。シール材は下部突縁52の下面に溶着または接着される。鏡餅形部51内に、硬化した円盤状、さいころ状、方形板状、その他の形状の複数個の餅、菓子、その他のものを入れてもよい。鏡餅形パックの大小2個の鏡餅間のくびれには水引60が飾り輪ゴムにより掛けられている。
【0037】
実際に、ブランク10から鏡餅用カートン1を組み立てる方法を説明する。この閉鎖面Lは、左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19を内側に折り畳み、つぎに、左側大フラップ17の貼着部17aと左側大フラップ19の貼着部19aをそれぞれ外側に折り返し、左側小フラップル16と左側大フラップ17の貼着部17a、左側小フラップ18と左側大フラップ19の貼着部19a、底面11の裏面と糊代片15をそれぞれ貼り合せて折り畳んだ状態とする。使用時に起こすことによって、左側小フラップ16、左側大フラップ17、左側小フラップ18、左側大フラップ19が噛み合って閉鎖面Lが形成される。
【0038】
つぎに、図2に示すように、右側面の開閉面Rが開かれた状態で組立てられた鏡餅用カートン1内に、図3に示すように、鏡餅形パック50を載置した三方40が、開いた側面から収納される。この状態が図1に示されている。
【0039】
まず、右側小フラップ21に切り込みで設けられた上舌片Cが内側に直角に折り曲げられ、ついで、下舌片Dが押え片24に対して直角に折り曲げられる。つぎに、右側小フラップ21が前面12に対して直角に折り曲げられ、そして、押え片24が右側小フラップ21に直角に鏡餅用カートン1の内方に折り曲げられる。このように、右側小フラップ21と押え片24が折り曲げられることによって、上舌片Cと下舌片Dが、鏡餅用カートン1内に収められた三方40の盆部41の外方に突出した部分の下面にほぼ接するように、三方40の盆部41の縁部の上下から支えることができる。
【0040】
同様に、右側小フラップ22に切り込みで設けられた上舌片Eが内側に直角に折り曲げられ、ついで、下舌片Fが押え片25に対して直角に折り曲げられる。つぎに、右側小フラップ22が前面12に対して直角に折り曲げられ、そして、押え片25が右側小フラップ22に直角に鏡餅用カートン1の内方に折り曲げられる。このように、右側小フラップ22と押え片25が折り曲げられることによって、上舌片Eと下舌片Fが、鏡餅用カートン1内に収められた三方40の盆部41の外方に突出した部分の下面にほぼ接するように、三方40の盆部41の縁部の上下から支えることができる。
【0041】
最後に、差し込み片23が右側大フラップ20に対して直角に折り曲げられ、右側大フラップ20が底面11に対して直角に折り曲げられて開放した右側面の開閉面Rが閉じられる。
【0042】
このように、下舌片A、上舌片B、上舌片C、下舌片D、上舌片E、下舌片Fは、鏡餅用カートン1内において、三方40の側方に突出する盆部41の縁部の上面と下面に面している。したがって、鏡餅用カートン1の梱包、輸送、陳列、配達等において、鏡餅用カートン1が多少傾いても、鏡餅用カートン1内で三方40(盆部41)が傾くこと、ぐらつくことが防止される。
ここで、下舌片、上舌片が三方40の脚部42よりも外方に突出している部分(縁部)を支えるとは、上下面に接する(当接する)ことのみならず、わずかのすき間をあけて臨む態様も含まれる。必ずしも上記下面に接しなくてもぐらつき防止の作用を達成できるからである。
【0043】
なお、必要であれば末広等の飾りを鏡餅用カートン1内の後部の下部の空間に収納してもよい。
【0044】
また、右側小フラップに設ける押え片はさまざまな形態で形成することが可能である。図7はその変形の一例のブランクを示す図である。開閉部Rにおいて、右側小フラップ21に舌片を設けるのではなく、右側小フラップ21の右辺に押え片24a、24bを連設し、その対向する一部分をそれぞれ上舌片C´、下舌片D´としている。この上舌片C´と下舌片D´は、カートンを組み立てた時に、鏡餅用カートン1内に収納した三方40の盆部41の縁部の上下から支えることができるような位置関係に設けている。また、右側小フラップ22に舌片を設けるのではなく、右側小フラップ22の右辺に押え片25a、25bを連設し、その対向する一部分をそれぞれ上舌片E´、下舌片F´としている。この上舌片E´と下舌片F´は、カートンを組み立てた時に、鏡餅用カートン1内に収納した三方40の盆部41の縁部の上下から支えることができるような位置関係に設けている。
【符号の説明】
【0045】
1 鏡餅用カートン
10 ブランク
10´ ブランク(従来)
10A ブランク(別の実施例)
11 底面
12 前面
13 上面
14 後面
15 糊代片
16 左側小フラップ
17 左側大フラップ
17a 貼着部
18 左側小フラップ
19 左側大フラップ
19a 貼着部
19´ 左側大フラップ(従来)
20 右側大フラップ
21 右側小フラップ
22 右側小フラップ
23 差し込み片
24 押え片
25 押え片
30 鏡餅セット
40 三方(供え台)
41 盆部
42 脚部
43 穴(刳形)
50 鏡餅形パック
51 鏡餅形部
52 下部突縁(フランジ)
60 水引
70 四方紅
L 閉鎖面
R 開閉面
A 下舌片
B 上舌片
C、C´ 上舌片
D、D´ 下舌片
E、E´ 上舌片
F、F´ 下舌片
W 窓
P 噛み合わせ点
Z 中心点
a〜h 折れ線
i、j 斜め折れ線
k〜v 折れ線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、
対向する一方の側面が閉鎖面で、前記底面、前記上面、前記前面、前記後面の同一側に連設された底フラップの一部が互いに重なり合って形成され、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖する前記底フラップに設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートン。
【請求項2】
前記閉鎖面が、前記底面(11)、前記前面(12)、前記上面(13)、前記後面(14)のそれぞれの同側の辺に連設された側小フラップ(16)、側大フラップ(17)、側小フラップ(18)、側大フラップ(19)の一部が互いに重なり合って形成され、前記左側大フラップ(19)に前記下舌片(A)が設けられ、前記左側小フラップ(18)に前記上舌片(B)が設けられ、前記下舌片(A)と前記上舌片(B)が、カートンを組み立てた時に、前記鏡餅用カートン1内に収納した前記三方(40)の前記盆部(41)の縁部を上下から挟むことができるような位置関係に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鏡餅用カートン。
【請求項3】
底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、
対向する一方の側面が閉鎖面で他方の側面が開閉面であり、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記カートンの前記開閉面を閉鎖する蓋フラップおよび該蓋フラップに連設した押え片に設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートン。
【請求項4】
前記開閉面が、前記底面(11)、前記前面(12)、前記上面(13)、前記後面(14)のそれぞれの同側の辺に連設された側大フラップ(20)、側小フラップ(21)、側小フラップ(22)により閉鎖されて形成され、側小フラップ(21)に切り込みにより上舌片(C)が設けられ、前記押え片24に下舌片(D)が設けられ、側小フラップ(22)に切り込みにより上舌片(E)が設けられ、前記押え片(25)に下舌片(F)が設けられ、上舌片(C)と下舌片(D)、上舌片(E)と下舌片(F)とが、それぞれカートンを組み立てた時に、前記鏡餅用カートン(1)内に収納した前記三方(40)の前記盆部(41)の縁部を上下から挟むことができるような位置関係に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鏡餅用カートン。
【請求項5】
底面、上面が正方形、前面、後面、側面、側面が縦長の長方形である四角柱形状であり、少なくとも、脚部と、該脚部に支持され、縁部が前記脚部よりも外方に突出している盆部とを備える三方、および該三方の前記盆部上に載置される鏡餅形パックからなる鏡餅セットを収納するための鏡餅用カートンであり、
対向する一方の側面が閉鎖面で、前記底面、前記上面、前記前面、前記後面の同一側に連設された底フラップの一部が互いに重なり合って形成され、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖する前記底フラップに設けられ、対向する他方の側面が開閉面であり、前記鏡餅用カートン内に収納された前記三方の前記脚部よりも外方に突出している前記盆部の縁部を挟むように保持する上舌片と下舌片が、前記閉鎖面を閉鎖するフラップおよび前記カートンの前記開閉面を閉鎖するフラップおよび該フラップに連設した押え片に設けられていることを特徴とする鏡餅セットを収納する鏡餅用カートン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−111517(P2012−111517A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262118(P2010−262118)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】