説明

鑑識採取痕跡の表示装置、およびこれを用いた鑑識採取痕跡の表示方法ならびに鑑識採取痕跡の写真撮影方法

【課題】照明を調節したりしなくても、採取した足跡、指紋などが簡単に写真撮影することができる鑑識採取痕跡の表示装置を提供する。
【解決手段】鑑識シート14が貼付される導光板11と、導光板11の少なくとも一つの側端部に設置された光源12によって構成される、鑑識採取痕跡の表示装置1。好ましくは、前記導光板11の両表面の算術平均粗さ(JIS B0601:2001)を0.3μm以下とする。好ましくは、前記導光板11のヘーズ(JIS K7136:2000)を10%以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、犯罪捜査における足跡、指紋などを転写した鑑識シートなどを現場などで確認するのに適した表示装置、およびそれを用いた鑑識採取痕跡の表示方法ならびに鑑識採取痕跡の写真撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
犯罪捜査において、足跡や指紋の鑑識は犯人の特定に有力な手がかりとなる。足跡や指紋の採取には、いわゆる鑑識シートと呼ばれる、透明フィルムの一方の面に粘着剤を塗布し、足跡パターンなどを転写できる粘着シートが用いられている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
このような鑑識シートにて足跡などが採取できたかどうかを現場にて確認する場合は、黒色のフィルムに鑑識シートを貼り合せて視認する方法が一般的である。
【0004】
また足跡パターンをデータとして照合や保存する場合は、足跡採取済みの鑑識シートを写真撮影する。写真撮影する場合は足跡採取済みの鑑識シートを板ガラスに貼り付け、この板ガラスを写真撮影装置にセットし、これに背後から照明光を照射して透過させ、照明光源の反対側から鑑識シートを観察するいわゆる暗視野照明装置にて写真撮影している(特許文献3)。最近では、さらに撮影を容易にするため、偏光フィルムを用いた暗視野照明装置も提案されている(特許文献4)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−8784号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2003−89776号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】実用新案登録第3109227号公報(実用新案登録請求の範囲)
【特許文献4】特開2006−146037号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような鑑識シートの現場確認方法や写真撮影方法は、足跡や指紋が鮮明でない場合が多く、視認や撮影が困難な場合が多かった。また、写真撮影に用いる暗視野照明装置は広い奥行きが必要で大掛かりであり、また高価であった。
【0007】
そこで、本発明は、簡便で安価に足跡や指紋などの鑑識採取痕跡を確認できる表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記表示装置を用いた鑑識採取痕跡の表示方法ならびに鑑識採取痕跡の写真撮影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の鑑識採取痕跡の表示装置は、鑑識シートが貼付される導光板と、前記導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源によって構成されてなるものである。
【0009】
また、本発明の鑑識採取痕跡の表示装置は、前記導光板の両表面の算術平均粗さ(JIS B0601:2001)が、0.3μm以下であることを特徴とするものである。以下、算術平均粗さ(JIS B0601:2001)を単に「Ra」という場合もある。
【0010】
また、本発明の鑑識採取痕跡の表示装置は、前記導光板のヘーズ(JIS K7136:2000)が10%以下であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の鑑識採取痕跡の表示装置は、前記導光板の光源を設置する以外の側端部に反射フィルムを貼り付けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の鑑識採取痕跡の表示方法は、表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、採取した痕跡を強調表示させるものである。
【0013】
また、本発明の鑑識採取痕跡の写真撮影方法は、表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、採取した痕跡を強調表示させた後に写真撮影するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光源装置は、足跡や指紋などを採取した鑑識シートを導光板に貼り付けるだけで足跡や指紋部分が発光するので、現場で確認する作業が容易である。また、コントラストが高いため、写真撮影する場合には複雑な調整をしなくても簡単に撮影できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の鑑識採取痕跡の表示装置(以下、「鑑識採取痕跡の表示装置」を単に「表示装置」という場合もある)は、鑑識シートが貼付される導光板と、導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源によって構成されてなるものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の鑑識採取痕跡の表示装置の実施の形態を示す断面図である。図1では、導光板11の一つの側端部に円筒状光源12を設置し、その周囲を反射シート13で覆っている。鑑識シート14は、導光板11の一方の面に貼り付けられている。図中において鑑識シート14は、足跡や指紋等の痕跡15が導光板向きとなるように貼り付けられている。導光板11や光源12は、筐体16や図に示さない筐体内部の固定具などにより固定されている。また、図1においては、筐体16は、縦型に設置できるように、底面が水平になっている。なお、図1の表示装置は縦型に設置するタイプであるが、筐体の形を変更して横型に設置することはなんら差し支えない。
【0017】
このように、本発明の表示装置は、足跡や指紋などの痕跡を採取した鑑識シートを現場で確認または写真撮影するにあたり、導光板の少なくとも一つの側端部に冷陰極管や蛍光灯などの棒状光源を設置してなるエッジライト方式を採用したものである。なお、本発明でいう「導光板」とは、光透過性を有するガラスや樹脂などを平板状(略平板状を含む)に成形したもの全てを含む。
【0018】
エッジライト方式は、主として液晶ディスプレイなどの面光源として用いられている。液晶ディスプレイなどの面光源としてエッジライト方式を採用する場合、導光板としては、光入射面(光源を設置する側端部となる面)と略直交する一方の面を光出射面とするように成形されたものが用いられる。このように光入射面と略直交する一方の面を光出射面とした導光板は、導光板の光出射面及び/又は光出射面とは反対側の面に、印刷や成形にて凹凸が設けられている。導光板に設ける凹凸パターンは光源から離れるに従って面積が大きくなるように設置されるか、均一な凹凸の場合は断面が楔形などの、面光源として均一な発光が得られるような手段が設けられている。
【0019】
本発明の表示装置に用いる導光板は、上述した液晶ディスプレイなどの面光源に用いるような表面に凹凸が設けられた導光板も使用し得るが、表面が実質的に平滑な導光板を用いることが好ましい。具体的には、導光板の両表面のRaが0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。なお、導光板の両表面とは、導光板の側端部(光源を設置する面)と直交あるいは略直交する2つの面のことをいう。
【0020】
また、導光板は透明であることが好ましい。具体的には、導光板のヘーズ(JIS K7136:2000)が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。導光板のヘーズを10%以下とするには、導光板の表面のRaを小さくしたり、導光板中に粒子を含ませる場合には粒子の添加量を少なくすることにより調整できる。また、導光板は全光線透過率(JIS K7361−1:1997)が90%以上であることが好ましい。
【0021】
このように、導光板の両表面が実質的に平滑で、かつ導光板が透明であると、光源から導光板の一つの側端部に入射した光は導光板中を全反射して光源と反対側の側端部まで伝播されるため、導光板は発光しない。足跡や指紋などを採取した鑑識シートは、その粘着面に土や埃または指紋採取用の粉が、足跡や指紋の形状に付着している。この痕跡採取済み鑑識シートを導光板に貼り付けると、導光板を伝播する光が、足跡や指紋の形状に付着した土や埃または粉によって散乱され全反射の臨界角を超えるので、足跡や指紋の形状に合わせて発光する。このため、採取した痕跡を現場で視認するのに好適であり、写真撮影する場合はコントラストが向上し、微妙な調整をしなくても、簡単に明瞭な写真が得られる。一方、導光板の両表面が平滑でなかったり、導光板のヘーズが高かったりすると、足跡や指紋の箇所は発光するが、それ以外の箇所も発光するため、足跡や指紋の箇所のコントラストが低下してしまう。なお、鑑識シートと導光板とは、単に重ね合わせるのではなく、空気層を介さないように両者を密着させるようにする。そのため、水などの液体や粘着剤を用いて両者を貼りあわせることが好ましい。
【0022】
なお、全体的に表示装置の明るさを上げる必要がある場合は、導光板の材質と屈折率が異なる微粒子を導光板の内部または表面に設けることができる。導光板の材質と屈折率が異なる微粒子を導光板の内部または表面に設ける方法としては、練りこみ、塗布、転写など公知の方法が適用できる。ただし、微粒子の量が多いと足跡や指紋以外の箇所からの出光が増え、コントラストが低下する。したがって、微粒子の量としては、導光板のヘーズが30%以下となるように添加することが好ましく、10%以下となるように添加することがより好ましい。
【0023】
導光板の光入射面以外の側端部には、反射フィルムを貼り付けることが好ましい。反射フィルムを貼り付けることにより、導光板からの光漏れを少なくし、足跡や指紋の箇所をより強く発光させることができる。反射フィルムとしては、金属蒸着フィルム、白色発泡フィルム、多層干渉反射フィルムなど従来公知のものを用いることができる。
【0024】
導光板の材質としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂やガラスがあげられる。これらの中でも、重量や透明性の観点からはアクリル系樹脂が好ましい。また、強度や透明性の観点からは、白板ガラスのような特殊ガラスが好ましい。
【0025】
導光板中に微粒子を添加する場合、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク等の無機微粒子や、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等の有機微粒子を用いることができる。
【0026】
導光板の表面は、取り扱い性の観点から、電離放射線硬化型樹脂などからなるハードコート層を設けることが好ましい。
【0027】
導光板に貼り付ける鑑識シートは、従来公知のものを使用することができる。このような鑑識シートは、例えば、特許文献1、特許文献2、特開2001−40299号に記載されているような透明プラスチックフィルム上に足跡や指紋を採取可能な粘着剤層を有するものがあげられる。本発明においては、足跡や指紋の形状に合わせて発光することを可能とするために、鑑識シートは光透過性が良好であることが好ましい。具体的には、鑑識シートは全光線透過率(JIS K7361−1:1997)が90%以上であることが好ましい。また、鑑識シートのヘーズ(JIS K7136:2000)は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。このため、鑑識シートの透明プラスチックフィルムや粘着剤は、公知材料の中から透明性に優れる材料を選択することが好ましい。
【0028】
鑑識シートを導光板に貼り合わせる際は、鑑識シートの粘着剤層側を導光板に向けてもよいし、鑑識シートの透明プラスチックフィルム側を導光板に向けてもよい。この中でも後者の貼り合わせ方は、貼り合わせ位置を直す際に足跡などの形が崩れにくい点で好ましい。後者の場合、鑑識シートの透明プラスチックフィルムと導光板とは、水などの液体や粘着剤を用いて貼り合せることができる。
【0029】
また、鑑識シートの透明プラスチックフィルム側を導光板に向けて貼り合わせる際は、粘着剤層が表面にむき出しになることによって、ベタツキにより貼り合わせ時の作業性が低下したり、足跡などの形が崩れることがあるため、粘着剤層上に保護フィルムを貼り合わせることが好ましい。保護フィルムは、各種プラスチックフィルムなど従来公知のものを使用することができる。なお、保護フィルムは観察時や写真撮影時には剥離することが好ましい。したがって、保護フィルムの剥離時に足跡などの形を崩さないようにするため、保護フィルムとしては、プラスチックフィルムに離型処理を施したものが好ましい。
【0030】
光源は導光板の少なくとも一つの側端部に設置される。光源としては、蛍光灯、スリム管、冷陰極管、熱陰極管や、棒状に並べたLEDなどが使用できる。100Vの電源が使用可能な場合は、コンパクトなスリム管が好ましい。携帯用の場合などで電池駆動の場合は冷陰極管やLEDが好適である。
【0031】
また、光源からの光を効率よく導光板に導入するために、光源の周囲は反射フィルムで覆うことが好ましい(図1)。反射フィルムとしては、金属蒸着フィルム、白色発泡フィルム、多層干渉反射フィルムなど従来公知のものを用いることができる。
【0032】
導光板や光源は、筐体や筐体内部の固定具などにより固定されることが好ましい。筐体は、各種プラスチックや金属などから構成される。
【0033】
次に、本発明の鑑識採取痕跡の表示方法の実施の形態について説明する。本発明の鑑識採取痕跡の表示方法は、表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、採取した痕跡を強調表示させるものである。
【0034】
このように、足跡などを採取した鑑識シートを導光板に貼り付け、光源を点灯させると(あるいは光源を点灯させた後に鑑識シートを導光板に貼り付けると)、導光板を伝播する光が足跡や指紋の形状に付着した土や埃または粉によって散乱され全反射の臨界角を超えるため、足跡や指紋などの鑑識採取痕跡が強調表示される。このため、現場で視認するのに好適である。なお、強調表示された鑑識採取痕跡は、導光板の鑑識シートを貼り付けた面およびその反対側の面の何れの側からも視認することができる。また、鑑識採取痕跡を確認する際は、導光板の観察面とは反対面に、黒色のフィルム・紙・布を全面が密着しないように設置すると、さらにコントラストを向上させることができる。黒色フィルム等を全面が密着しないように設置するには、テープで四隅を貼るなど部分的に貼り合わせる方法があげられる。
【0035】
次に、本発明の鑑識採取痕跡の写真撮影方法の実施の形態について説明する。本発明の鑑識採取痕跡の写真撮影方法は、表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、鑑識採取痕跡を強調表示させた後に写真撮影するものである。即ち、本発明の鑑識採取痕跡の写真撮影方法は、上述した本発明の鑑識採取痕跡の表示方法により鑑識採取痕跡を強調表示した後、写真撮影を行うものである。
【0036】
このように、鑑識採取痕跡を強調表示した後に写真撮影を行うことから、写真撮影する際のコントラストは良好であり、微妙な調整をしなくても、簡単に明瞭な写真を得ることができる。なお、写真撮影は導光板の鑑識シートを貼り付けた面およびその反対側の面の何れの側からも行うことができる。また、写真撮影する際は、導光板の観察面とは反対面に、黒色のフィルム・紙・布を全面が密着しないように設置すると、さらにコントラストを向上させることができる。黒色フィルム等を全面が密着しないように設置するには、テープで四隅を貼るなど部分的に貼り合わせる方法があげられる。
【実施例】
【0037】
[実施例1]
光源として直径5.6mm長さ300mmの冷陰極管(エレバム社)を用い、導光板として透明メタクリル樹脂板(スミペックス000:住友化学社、厚さ6mm、短辺300mm×長辺400mm、ヘーズ:0.3%、全光線透過率:92.6%、両表面のRa:0.1μm以下)を準備した。次いで、導光板の300mm側の一つの側端部に光源を設置し、光源と導光板の接合部分をアルミ製筐体で覆った。筐体の内部には発泡白色ポリエステルフィルム(ルミラーE60:東レ社)を貼り付けた。次いで、導光板の光入射面以外の側端部に反射フィルム(ルミラーE60:東レ社)を粘着剤で貼り付けた。このようにして実施例1の表示装置を得た。
【0038】
次いで、透明プラスチックフィルム上に粘着剤層を有してなる鑑識シート(足跡シート:スミロン社)に足跡を採取し、鑑識シートの粘着剤層側を導光板の一方の面(光源を設置した面と直交する二つの面のうちの一方の面)に貼り付けた。次いで、光源を点灯したところ、足跡部分が発光し容易に視認できた。また発光部分を撮影したところ、良好な足跡画像が撮影できた。
【0039】
[実施例2]
実施例1の導光板を、樹脂粒子を含有する樹脂板(パネビーL:きもと社、ヘーズ:25.6%、両表面のRa:0.1μm以下)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の表示装置を得た。次いで、足跡を採取した鑑識シート(足跡シート:スミロン社)を導光板の一方の面(光源を設置した面と直交する面のうちの一つの面)に貼り付け、光源を点灯したところ、実施例1に比べてコントラストは劣るが、足跡部分が視認できた。また発光部分を写真撮影したところ、実施例1ほどのコントラストはないが足跡画像が撮影できた。
【0040】
[実施例3]
実施例1と同様の表示装置を作製した。次いで、足跡を採取した鑑識シート(足跡シート:スミロン社)の粘着剤層上に離型処理された保護フィルム(ダイヤホイルMRF75:三菱化学ポリエステルフィルム社)を貼り合わせ、鑑識シートの透明プラスチックフィルム側を導光板に向けて水貼りで貼り合わせた。このように貼り合わせた鑑識シートは、位置を直しても足跡の形がくずれることはなかった。次いで、保護フィルムを剥がして光源を点灯したところ、足跡部分が発光し容易に視認できた。また発光部分を撮影したところ、良好な足跡画像が撮影できた。
【0041】
[実施例4]
実施例1において、導光板を市販の白板ガラス(ヘーズ:1%以下、全光線透過率:90%以上、両表面のRa:0.1μm以下)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の表示装置を得た。得られた表示装置は作業時に導光板が傷つくことがなかった。次いで、足跡を採取した鑑識シート(足跡シート:スミロン社)の粘着剤層上に離型処理された保護フィルム(ダイヤホイルMRF75:三菱化学ポリエステルフィルム社)を貼り合わせ、鑑識シートの透明プラスチックフィルム側を導光板に向けて水貼りで貼り合わせた。このように貼り合わせた鑑識シートは、位置を直しても足跡の形がくずれることはなかった。次いで、保護フィルムを剥がして光源を点灯したところ、足跡部分が発光し容易に視認できた。また発光部分を撮影したところ、良好な足跡画像が撮影できた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の鑑識採取痕跡の表示装置の一実施例を示す断面図
【符号の説明】
【0043】
1・・・・鑑識採取痕跡の表示装置
11・・・導光板
12・・・光源
13・・・反射シート
14・・・鑑識シート
15・・・足跡
16・・・筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鑑識シートが貼付される導光板と、前記導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源によって構成される、鑑識採取痕跡の表示装置。
【請求項2】
前記導光板の両表面の算術平均粗さ(JIS B0601:2001)が、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1記載の鑑識採取痕跡の表示装置。
【請求項3】
前記導光板のヘーズ(JIS K7136:2000)が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の鑑識採取痕跡の表示装置。
【請求項4】
前記導光板の光源を設置する以外の側端部に反射フィルムを貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の鑑識採取痕跡の表示装置。
【請求項5】
表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、採取した痕跡を強調表示させる、鑑識採取痕跡の表示方法。
【請求項6】
表面に痕跡を採取した鑑識シートを貼付してなる導光板の少なくとも一つの側端部に設置された光源から光を入射し、採取した痕跡を強調表示させた後に写真撮影する鑑識採取痕跡の写真撮影方法。


【図1】
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【公開番号】特開2008−96982(P2008−96982A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228956(P2007−228956)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000125978)株式会社きもと (167)
【Fターム(参考)】