説明

長期周期避妊養生法を利用するホルモン治療の方法

本発明は、女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの併用剤形を投与するサイクル延長型避妊処方を提供する。開示のサイクル延長型避妊処方は、避妊外効果を実現する方法として女性に投与することも可能である。本発明は、破綻出血の軽減の必要な女性の破綻出血を軽減する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間に投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、工程を包含する、方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、エストロゲンおよびプロゲスチンの長期投与を含むホルモン治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
卵巣/月経サイクルは、エストロゲン豊富な卵胞期と、排卵後の、プロゲステロン豊富な黄体期によって特徴付けられる複雑な事象である。各期間は、約14日間なので、月経相互の間隔は約28日となる。子宮内膜組織は、このホルモン環境の変化に反応する。
【0003】
月経の開始は一般に、新規の月経サイクルの始まりとされ、一般に1日目とカウントされる。約5から7日の期間、先行する卵巣/月経サイクル時に成長・発達した子宮内膜の表層が削ぎ落とされる。なぜなら、非受精月経サイクルにおける黄体の衰退が、プロゲステロン分泌の消失と関連するからである。卵胞の成熟が次第に進行し、エストロゲンの循環濃度を上昇させ、これが今度は子宮内膜の増殖をもたらす。
【0004】
主席卵胞は、サイクルの中点、一般的には月経サイクルの12から16日目で排卵となり、主にエストロゲンの供給源から、主にプロゲステロンの供給源(黄体)へと変換される。血中のプロゲステロン濃度の増加は、増殖する子宮内膜を分泌期に移行させる。この期間では、組織増殖は急速に衰退し、内膜内に腺または器官が形成される。排卵された卵細胞の受精が成立し、その連続的な胚分割が進むと、分泌性子宮内膜と受胎産物とは相互作用を持つことが可能となり、着床(nidation)を実現する。
【0005】
着床によって妊娠の継続が確立されると、胚は、分泌性内膜に付着し、陥入して、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の生産を開始する。次に、このHCGは、黄体を刺激してその機能を維持する。すなわち、プロゲステロン生産の上昇を持続する。月経出血はこの受精月経サイクルでは起こらない。この時点で妊娠が確立する。
【0006】
非受精月経サイクルでは、血中のプロゲステロン濃度が減衰し、これが子宮内膜組織の剥落を引き起こす。これによって次の月経サイクルが始まる。
【0007】
子宮内膜増殖がこれから起こる妊娠のために子宮を準備するように働くので、ホルモンおよび子宮内環境の操作によって妊娠の実現が可能となる。例えば、エストロゲンは、フィードバック抑制によって卵胞刺激ホルモン分泌を下げることが知られており、エストロゲンも黄体ホルモン分泌を、この場合も負のフィードバックを通じて抑制することが可能である。通常の状況では、排卵直前に見られるエストロゲン循環濃度の急激な上昇は、ゴナドトロピンホルモンの増大を誘発する。このホルモンは排卵の直前に出現して排卵をもたらす。性交直後の高用量のエストロゲンも妊娠を防止することが可能であるが、これは恐らく着床を妨げるためと考えられる。
【0008】
プロゲスチンも避妊を実現することが可能である。エストロゲンに続く内因性プロゲステロンは、子宮内膜の妊娠前変化と、子宮頸部と膣における細胞および組織の周期的変化の原因となる。プロゲスチンは、子宮粘膜を肥厚させ、強靭にし、細胞密度を高めるが、これは、精子輸送を妨げると考えられている。プロゲスチンの投与も、ヒトにおいて、黄体ホルモン分泌を抑制し、排卵を阻止する。
【0009】
経口避妊法の内もっとも普及している形態は、エストロゲンとプロゲスチンを組み合わせた丸薬、所謂経口避妊併用剤である。これとは別に、プロゲスチンのみを含む避妊製剤もある。しかしながら、このプロゲスチン単独製剤は、併用製剤よりも、多種多様な副作用があり、特に、破綻出血がより多い。そのため、今日では、併用製剤が好んで使用される経口避妊薬となっている(Sheth et al.,Contraception 25:243(1982))。
【0010】
7日間の「ピル無し」または、プラセボ期間を持つ、通例の21日ピルのパックは、経口避妊薬が比較的高用量の場合には上手く効くのであるが、そのエストロゲンとプロゲスチン両成分の用量が下がるにつれて、出血問題が頻度において増大する。これは、特に、経口避妊薬服用の最初の数ヶ月において、患者によってはずっと持続して見られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
出血の問題を軽減させ、および/または、女性にとってさらなる利点をもたらす避妊薬が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の概要)
本発明は、延長型エストロゲン/プロゲスチン処方であって、女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの併用剤形を、連続50日を超える期間投与する処方を提供する。この投与処方では、エストロゲンおよびプロゲスチンの1日当たりの量は、それぞれ、エチニルエストラジオールの約5μg(マイクログラム)から約50μg、およびレボノルゲストレルの約0.01mg(ミリグラム)から約1.5mgに相当する。このサイクル延長型処方は、女性に投与されると、いくつかの避妊外効果を、避妊効果と共に提供することが可能である。
【0013】
上記から、本発明は、治療を要する女性に対して破綻出血を軽減する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0014】
本発明は、治療を要する女性における月経時の出血障害を治療するための方法であって、女性に、サイクル延長型処方を投与することを含む方法に向けられる。
【0015】
本発明は、治療を要する女性に対し、卵巣嚢胞、子宮筋腫(線維腫)、または多嚢胞性卵巣症候群に関連する症状を治療するための方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0016】
本発明は、治療を要する女性の多毛症を治療するための方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0017】
本発明は、治療を要する女性における月経時の出血障害を治療するための方法であって、女性に、サイクル延長型処方を投与することを含む方法に向けられる。ある局面では、本発明は、月経障害の排卵時下腹部症の治療法に向けられる。
【0018】
本発明は、治療を要する女性のアクネの治療法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0019】
本発明は、治療を要する女性の卵巣ガンの危険度を低減する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0020】
本発明は、治療を要する女性の良性な乳房疾患を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0021】
本発明は、治療を要する女性の結腸直腸癌の危険度を低減する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0022】
本発明は、治療を要する女性の感染症を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0023】
本発明は、治療を要する女性の顎関節障害を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0024】
本発明は、治療を要する女性の月経異常症状を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0025】
本発明は、治療を要する女性の無月経関連頭痛を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0026】
本発明は、治療を要する女性の無月経関連悪心を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0027】
本発明は、治療を要する女性の無月経関連抑うつ症を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0028】
本発明は、避妊を必要とする高体重女性において避妊効果を高める方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0029】
本発明は、治療を要する女性の閉経周辺期症状を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0030】
本発明は、治療を要する女性のエストロゲン低下症を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0031】
本発明は、治療を要する女性の閉経障害を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0032】
本発明は、閉経女性の閉経期エストロゲン低下に由来する病状を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0033】
本発明は、治療を要する女性において骨密度を維持する、または骨密度の消失を阻止する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。これらの局面では、ビタミンDおよび/またはカルシウムが、要すれば随意に、サイクル延長型処方と併用して投与される。
【0034】
本発明は、ホルモン置換療法を必要とする女性を治療する方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施することを含む方法に向けられる。
【0035】
本発明は、受胎を要求する女性の受胎能を高める方法であって、女性に、サイクル延長型処方を実施し、次いで、その女性に排卵誘発剤を投与することを含む方法に向けられる。
【0036】
本発明はさらに、前述の各方法であって、女性に対しエストロゲンおよびプロゲスチンの併用を連続50日以上の期間行った後に、約2日から約10日のホルモン無しの期間を置き、このホルモン無しの期間には女性に対しエストロゲンもプロゲスチンも投与しないことを特徴とする方法に向けられる。
【0037】
本発明はさらに、前述の各方法であって、エストロゲンおよびプロゲスチンの併用が、連続60日から110日の期間、連続81から89日の期間、約1年の期間、1年を超えるが2年未満の期間、2年の期間、2年を超える期間、または、連続的に行われることを特徴とする方法に向けられる。
【0038】
本発明はさらに、前述の各方法であって、エストロゲンおよびプロゲスチンの併用剤を連続60日から110日の期間投与した後に、約2日から約10日のホルモン無しの期間を置き、このホルモン無しの期間には女性に対しエストロゲンもプロゲスチンも投与しないことを特徴とする方法に向けられる。
【0039】
本発明はさらに、前述の各方法であって、ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与することによって実現される方法に向けられる。
【0040】
本発明はさらに、前述の各方法であって、エストロゲンおよびプロゲスチンの併用剤が少なくとも連続84日間投与される方法に向けられる。
【0041】
本発明はさらに、前述の各方法であって、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当することを特徴とする方法に向けられる。
【0042】
本発明はさらに、前掲の各方法であって、女性は、閉経周辺期の女性または閉経女性であることを特徴とする方法に向けられる。
【0043】
(発明の詳細な説明)
本発明は、延長型エストロゲン/プロゲスチンの処方であって、受胎年齢の女性、閉経周辺期の女性、および/または、閉経女性に起こる各種病態および障害に対しても、避妊同様に有効な処方を提供する。2003年5月2日出願の米国特許出願第60/467,172号は、避妊効果および避妊外効果を実現する方法として延長型エストロゲン/プロゲスチン処方を投与することに関する。米国特許出願第60/467,172号の全体を引用することにより本明細書に含める。
【0044】
(サイクル延長型処方)
本発明では、女性に対して「サイクル延長型処方」、すなわち、エストロゲンとプロゲスチン(またはプロゲストゲン)から成る結合剤形が、連続50日以上、連続50日を超える、少なくとも連続50日の期間投与され、その際、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する処方が投与される。
【0045】
本発明のある局面では、エストロゲンとプロゲスチンから成る結合剤形は連続約60日から連続約110日、または、結合剤形は連続80日から90日投与される。本発明の別の局面では、投与期間は、約1年、1年超越2年未満、2年以上であってもよい。本発明のある局面では、投与期間は連続的である。
【0046】
このサイクル延長型処方では、エストロゲンおよびプロゲスチンから成る結合剤形は、単相的に、二相的に、三相的に、または多相的に投与することが可能である。本明細書で用いる「単相的」とは、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間において、エストロゲンとプロゲスチンのある特定用量が連続的に使用されることを指す。「二相的」とは、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間の第1部分におけるエストロゲンとプロゲスチンの第1連続用量の使用が、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間の第2部分では、エストロゲンとプロゲスチンの第2連続用量の使用に受け継がれる投与を指す。「三相的」とは、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間の第1、第2、および第3部分において、それぞれ、エストロゲンとプロゲスチンの第1、第2、および第3連続用量が使用される投与を指す。「多相的」とは、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間の第1、第2、第3、および第4以上の部分において、それぞれ、エストロゲンとプロゲスチンの4種以上の連続用量が使用される投与を指す。
【0047】
本発明のサイクル延長型処方では、エストロゲンとプロゲスチンの併用剤形投与期間の後に、要すれば随意に、その間はエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、約2日から約10日の期間(「ホルモン無しの期間」)が置かれてもよい。本発明の別の局面では、ホルモン無しの期間は、約5日から約8日である。本発明のさらに別の局面では、ホルモン無しの期間は約7日である。
【0048】
本発明のある局面では、ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与することによって実現される。
【0049】
例えば、84日間投与の後に、7日間のホルモン無しの期間が置かれるスケジュールでは、1年当たり僅かに4回の治療および月経サイクルしかない。別の例として、175日投与の後に7日のホルモン無しの期間が置かれるスケジュールでは、1年当たり僅かに2回の治療および月経サイクルしかない。
【0050】
(治療法)
本明細書に開示されるサイクル延長型処方は、女性の避妊法として用いることが可能である。従って、本発明は、避妊を必要とする女性に対し、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することによって避妊を実現するための方法に向けられる。この女性は、例えば、受胎年齢のもの、または閉経周辺期のものである。
【0051】
一方、このサイクル延長型処方はまた、閉経周辺期の、および閉経した女性を含む、女性における各種病態および障害を治療する方法として有用である。従って、このサイクル延長型処方は、病態または障害の治療のために女性に対して避妊を実現する方法として、または、女性において避妊を実現し、かつ病態または障害を治療する方法として使用することが可能である。このような病態および障害は後述されるが、そのようなものとして、例えば、破綻出血、不規則な消退出血、月経出血障害、卵巣嚢胞、子宮筋腫(線維腫)、および/または多嚢胞性卵巣症候群に関連する症状、多毛症、鉄欠乏性貧血、月経障害、アクネ、子宮内膜症、子宮内膜ガン、卵巣ガン、良性乳房腫瘍、感染、子宮外妊娠、顎関節障害、月経異常症状、無月経関連頭痛、悪心、および/またはうつ病、閉経周辺期症状、エストロゲン低下症、閉経障害、および骨密度減少症が挙げられるが、ただしそれらに限定されない。
【0052】
従って、本発明は、病態または障害の治療を要する女性に対して、その病態または障害の治療のために避妊を実現する方法であって、本明細書に開示されるサイクル延長型処方をその女性に投与することによって実現する方法に向けられる。
【0053】
本発明はまた、避妊と、病態または障害の治療の両方を必要とする女性に対し、本明細書に開示されるサイクル延長型処方をその女性に投与することによって、避妊と、病態または障害の治療を実現する方法にも向けられる。女性は、例えば、受胎年齢のもの、または閉経周辺期のものであってもよい。
【0054】
本明細書に開示されるサイクル延長型処方は、経血流出の初日に始まると定義される、月経サイクルの1日目に開始される女性への投与を含むことが可能である。あるいは別に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方は、経血流出の終了後の日に始まると定義される、月経サイクルの1日目に開始される投与を含むことも可能である。あるいは別に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方は、月経サイクル内の任意の日に始まると定義される、月経サイクルの1日目に開始される投与を含むことも可能である。
【0055】
本明細書に用いられる「女性」は、ヒトおよび、非ヒトを含む哺乳動物に分類される任意の動物、例えば、飼育および家畜動物、動物園動物、競技動物、およびペットを含む動物が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0056】
「閉経周辺期の女性」とは、まだはっきりとは閉経期には達していないが、閉経に関連する症状を経験しつつある女性を指す。「閉経周辺期」とは、「閉経期の頃、またはその近辺」を意味する。これは、最終月経周期に先立つ数年であって、その間に、卵巣機能が衰退し最終的に停止する期間、および、症状の存在や不規則サイクルを含むことがあり得る期間を含む。「閉経女性」とは、はっきりと閉経に達した女性で、かつ、閉経と関連する症状を経験している可能性のある女性を指す。閉経、または後閉経とは、卵巣活性の消失後における月経の恒久的停止であり、一般に、約1年間の月経不在と臨床的には定義される。女性において、閉経は自然に起こることもあるし、あるいは、人工的に、例えば、外科的、または化学的手段によって誘発される場合もある。卵巣除去は、例えば、子宮摘出術を通じて起こる可能性があるが、これは多くの場合閉経と関連する症状を引き起こす(「外科的閉経」)。
【0057】
「治療する」および「治療」という用語は、その目的が、不快な生理的状態、障害、または疾患を阻止する、または遅滞(減退)させること、あるいは、有益な、または好ましい臨床結果を得ることである、治療的処置と予防的または防止的手段との両方を指す。本発明の目的のために、有益な、または好ましい臨床結果としては、例えば、症状の緩和;病態、障害、または病気の程度の低下;病態、障害、または病気の安定した(すなわち、悪化しない)状態;病態、障害、または病気の進行の開始の遅れまたは遅滞;病態、障害、または疾病状態の緩和;検出可能であれ、検出不能であれ寛解(部分的であると、全体的であるとを問わず);または、病態、障害、または病気の好転または改善が挙げられるが、ただし、これらに限定されない。治療は、過度の副作用をもたらすことなく臨床的に際立った反応を引き起こすことを含む。治療はまた、治療を受けなかった場合に予想される生存と比べた場合の生存の延長を含む。
【0058】
「投与」と関連する「連続的」または「連日の」という用語は、投与頻度が1日当たり少なくとも1回であることを意味する。しかしながら、投与頻度は1日1回を超えても、例えば、1日2回、または3回であっても、本明細書に指定される用量レベルを超えない限り、依然として「連続的」であってもよいことに注意されたい。
【0059】
「用量レベル」という用語は、1日当たりに投与されるエストロゲンまたはプロゲスチンの合計量を意味する。従って、例えば、女性にたいする30μgの「用量レベル」におけるプロゲスチンの「連続投与」とは、その女性が、1日当たり合計30μgのプロゲスチンを服用することを意味し、そのプロゲスチンが30μgの単回用量として投与されるか、または、例えば、10μg用量が別々に3回投与されるかどうかにはよらない。エストロゲンまたはプロゲスチンを連続投与するための従来手段は、1日当たり1回の経口投与として処方の用量レベルで行われる。
【0060】
エストロゲンとプロゲスチンの連続投与の期間は、本発明のある局面では連続60から110日であるが、その後に2から10日間のホルモン無しの期間を置いた場合、このサイクル延長型処方では、第4サイクルまでには、特徴的に破綻出血または予定外の出血の頻度が低下する。このサイクル延長型処方が、例えば、エストロゲンとプロゲスチンの84日間投与の後に、例えば、7日間のホルモン無しの期間を置いて実施された場合、破綻出血の頻度は、このサイクル延長処方の持続的使用と共に低下し、そのために、第4サイクルまでには(約274日後)、破綻出血頻度は、従来の28日処方で観察されるものとほぼ等しくなる。開示の延長型処方をさらに継続して使用するならば、それは、破綻出血の発生頻度をさらに低下させる可能性がある。上記から、本発明は、治療を要する女性に対して破綻出血を軽減する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0061】
本発明は、治療を要する女性に対して避妊を実現し、破綻出血を軽減する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0062】
本発明は、治療を要する女性に対し、規則的で予測可能な消退出血を誘起する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。このサイクル延長型処方の投与は、規則的で予測可能な消退出血を誘起することによって女性の月経サイクルをコントロールするのに有用である。排卵を抑制し、エストロゲンとプロゲステロンを計画的なやり方で配送することによって、このサイクル延長型処方は、子宮内膜に対する同期性を確立または回復する。これは、過剰出血、または月経間出血の治療に特に有用である。こうして得られる、出血の予測可能なタイミングおよび持続時間の短縮は、月経サイクルが不規則になりがちの閉経周辺期の女性には特に有利である。
【0063】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、規則的で予測可能な消退出血を誘起する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0064】
本発明は、月経遅延または低減を必要とする女性に対し、月経サイクルの頻度を下げ、開始を遅らせる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。特定グループの女性、または集団の中の一部の女性、例えば、軍隊に登録されている女性や、女性競技選手は、月経低減によって有利になる可能性がある。本サイクル延長型処方を用いて月経サイクルを調節すること、さらには、無月経症を誘起することは、活動的な責務に従事する女性にとって有利である場合がある。本サイクル延長型処方の使用によってもたらされる避妊外効果、例えば、月経困難症、月経前症候群、月経過多、鉄欠乏貧血症の低減、および消退出血のタイミング調節の可能性等の利点は、女性競技選手にとっても望ましく、有利である可能性がある。
【0065】
本発明は、避妊および月経遅延または低減を必要とする女性に対し、避妊を実現し、月経サイクルの頻度を下げ、開始を遅らせる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0066】
本発明は、子宮出血の極小を必要とする女性に対し、子宮出血を極小にする方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。このサイクル延長型処方におけるエストロゲンとプロゲスチンの投与は、子宮内膜の増殖を減らすことによって月経血流の容量と持続時間を下げることが可能である。本開示の延長型処方で治療される女性は、従来の28日型処方で治療される女性に比べて、その経験する出血予定日数がより少なく、経験する血液流失もより少ない。なぜなら、サイクル延長型処方では、1年当たりの停止/開始移行の数がより少ないからである。治療の対象となる女性は、月経過多症、すなわち異常な子宮出血を呈する場合がある。月経過多症すなわち異常な子宮出血は、病態、例えば、腺筋症および子宮平滑筋腫(子宮線維腫)を含む病態(ただし、それらに限定されない)と多くの場合関連する。本明細書で用いる「異常な子宮出血」とは、異常な出血持続時間(すなわち、約7日間を超える出血、すなわち、過長月経症)、異常な出血量(すなわち、月経時の約80mLを超える血液流失、すなわち、月経過多症)、出血頻度の増大(すなわち、月経サイクル間が約22日未満、すなわち、頻発月経症)、または、上記の任意の組み合わせを指す。
【0067】
本発明はまた、避妊と子宮出血の極小を必要とする女性に対し、避妊を実現し、子宮出血を極小にする方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0068】
本発明はさらに、治療を要する女性に対し、月経障害を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。
【0069】
本発明はまた、避妊と月経出血障害の治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、月経出血障害を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0070】
本発明は、治療を要する女性に対し、卵巣嚢胞、子宮筋腫(線維腫)、および/または多嚢胞性卵巣症候群を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、かつ、卵巣嚢胞、子宮筋腫(線維腫)、または多嚢胞性卵巣症候群を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0071】
卵巣嚢胞、子宮筋腫(線維腫)、または多嚢胞性卵巣症候群は、例えば、骨盤痛、月経困難症、異常な子宮出血、アクネ、および多毛症を含む(ただし、それらに限定されないが)症状の原因と成ることがある。本発明では、これらの症状は、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって治療することが可能である。
【0072】
卵巣嚢胞は、通常サイクルの中点付近で、卵となるべき卵胞が成熟できなかった場合に出現する機能的嚢胞から生じる。排卵と呼ばれる過程において卵巣を退出する代わりに、この嚢胞は、流体から成る微小な袋として浮遊しながら内部に留まる。最終的に嚢胞を形成するのはこの袋である。悪性であることは滅多に無いが、卵巣嚢胞は、合衆国では、毎年、20万件の入院例を招いている。ある女性の場合、いくつかの研究では、嚢胞がサイクル毎に発達することが示されている。卵巣嚢胞は場合によって無症状であるが、痛み(持続的骨盤痛、性交時疼痛、骨盤移動時の痛み、および/または、月経前または月経後疼痛)、異常出血(延長、短縮、不規則、および/または、無月経)、および/または、腹部鼓張または拡張を引き起こすこともある。
【0073】
子宮線維腫は、子宮筋の良性腫瘍で、単独で存在することもあるが、大抵の場合多発性で、サイズは、顕微鏡的大きさから、下腹部腔の大部分を占める大きさまでの範囲を持つ。線維腫を抱える女性の多くが症状を全く持たない。症状を呈する女性の場合、もっとも多く聞かれる主訴は、圧迫症状と、過多、過長月経である。子宮拡大によって骨盤域に圧が生じることがあり、それによる症状は、線維腫が圧を加えている場所と関連する場合がしばしばある(例えば、排尿頻度の増大、便秘、または大腸運動困難)。この圧はまた、腰痛、下腹部不快、および、性交中および性交後疼痛の原因となることがある。線維腫は、極めて過多、過長な月経の原因となり、鉄欠乏性貧血を始め、月経疼痛(二次的月経困難症)を招く。線維腫の存在はまた、生殖問題、例えば、不妊症、複数回流産、早産、または出産合併症のような問題の原因となることがある。
【0074】
上記で用いた「卵巣嚢胞」という用語は、成熟できなかった卵によってもたらされる比較的例外的な事象を表す。それとは対照的に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、下垂体腺によるLH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の異常な生産による。これらのホルモンの不均衡は、卵の生産を停止させ、アンドロゲンの生産を増し、同時に卵巣はより高濃度のテストステロンとエストロゲンを生産する。このために、卵巣は、将来炎症性嚢胞となる空虚な卵胞で「活気づく」ようになり、月経は不規則となるか停止し(これは次に不妊の原因となる)、過剰な体毛の成長、および、顔面と全身にアクネの発生がもたらされる。PCOSはしばしば、肥満症、糖尿病、および高血圧をもたらす。
【0075】
多嚢胞性卵巣症候群は、アンドロゲン依存性多毛症の大抵の症例の原因である。Rittmaster,R.S.,Lancet349:191−195(1997)を参照されたい。多毛症とは、女性において過剰な体毛が一般的には存在しない体の部分、例えば、背中および胸部における過度の体毛の成長と記述することができる。多毛症の大抵の例がアンドロゲン依存性である、すなわち、生体によって生産されるアンドロゲンの増加と、アンドロゲンに対する皮膚の感度の上昇の組み合わせから生ずる。通常は、少量のアンドロゲンが卵巣と副腎によって生産される。しかしながら、多嚢胞性卵巣症候群を抱えている女性の場合、アンドロゲン濃度が上昇し、これが、例えば、突出形アクネ(例えば、嚢胞性丘疹)、アンドロゲン性脱毛症、および中等度の多毛症のようなアンドロゲン依存性病態の発達を招く可能性がある。経口避妊薬は、卵巣のアンドロゲン生産を抑制することが可能であり、従って、これらアンドロゲン依存性病態の治療に有用である。
【0076】
上記から、本発明はまた、治療を要する女性に対し、多毛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0077】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、多毛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0078】
本発明はさらに、治療を要する女性に対し、脱毛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、脱毛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0079】
本発明は、治療を要する女性に対し、鉄欠乏性貧血の危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。このサイクル延長型処方の実施によってもたらされる、月経血流出の容量および持続時間の低下は、血液の合計損失量の低下をもたらし、従って、体の鉄備蓄を改善し、月経過多症に関連する病的状態を緩和する。この作用は、血液凝固または出血障害、例えば、ヴォンウィレブランド病、血友病、第XI因子欠損症、慢性的抗凝固状態、および血小板減少症を含む障害(ただし、これらに限定されない)を抱える女性にとっては特に望ましい。
【0080】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、鉄欠乏性貧血の危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0081】
本発明は、治療を要する女性に対し、月経障害を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。月経障害としては、不規則サイクル、月経困難症(疼痛性月経)、排卵時下腹部症、および機能性子宮出血を始めとして、月経前症状、例えば、月経前症候群(PMS)または月経前不機嫌性障害(PMDD)に関連する症状が挙げられるが、ただしそれらに限定されない。
【0082】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、月経障害を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0083】
月経サイクルの黄体相においては、規則的月経サイクルを持つ75%もの女性が、月経前症候群(PMS)、すなわち、行動的、情動的、社会的、および物理的症状を含む周期的な反復障害である症候群の内のいくつかの症状を経験する(Steiner et al.,Annu.Rev.Med.48:447−455(1997))。行動的、情動的、および社会的症状としては、苛立ち、気分の不安定、抑うつ、敵意、および引きこもりが挙げられるが、ただしこれらに限定されない。物理的症状としては、鼓張、乳房圧痛、筋肉痛、片頭痛または頭痛、腹痛、および疲労が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。真正のPMSは、月経サイクルの黄体相にのみ起こり、卵胞相では無症状期となる。PMSの原因は未だに未知である。
【0084】
PMS女性患者の一部グループ、すなわち、約2%から約9%は、重度の情緒障害と一次的に関連する症状を呈する。これらの女性にたいしては、Diagnostic and Statistical Manual ofMental Disordersの第4版(DSM−IV)において定義される月経前不機嫌性障害(PMDD)の診断の適用が可能である。(DSM−IV:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、4版、American Psychiatric Association,Washington,D.C.,pp.715−718(1994)の中の「Premenstrual Dysphoric Disorder」を参照されたい)。DSM−IVによれば、PMDDの女性患者は、黄体相において少なくとも五つの月経前症状を持ち、その症状の内の少なくとも一つが情動的症状、または「コア」症状でなければならない。コア症状とは、苛立ち、怒り、気分の不安定、緊張、または抑うつ(および、日常活動への干渉)でなければならず、少なくとも2サイクルの間予測的等級評点によって確認されなければならない。PMS女性患者の3から5%がPMDDであると報告している。重度のPMSを経験する女性達の一部グループが、PMS人口の約20%を占める。これらの女性達は、DSM−IVに定義される通りのPMDDの厳密な基準には当てはまらないけれども、医学的関心を要求する重度の情動的症状を経験する。
【0085】
サイクル延長型処方の投与によって引き起こされる排卵抑制はまた、卵胞の破裂と関連するサイクル中期痛(「排卵時下腹部症」)を取り除く可能性がある。さらに、サイクル延長型処方の使用によってもたらされる、規則的な、予測可能なスケジュールにおいて、排卵、およびエストロゲンとプロテステロンの排出を抑制することは、その他の月経障害、例えば、過度の、またはサイクル間の出血の治療に有効である可能性がある。本発明のある局面では、女性は閉経周辺期の女性であるが、ただしそれに限定されない。
【0086】
本発明は、治療を要する女性に対し、アクネを治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。このサイクル延長型処方はゴナドトロピンを抑制し、卵巣および副腎のアンドロゲン生産を下げ、アクネの改善をもたらすことが可能である。
【0087】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、アクネを治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0088】
本発明は、治療を要する女性に対し、子宮内膜症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、子宮内膜症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0089】
子宮内膜症のホルモン療法では、子宮内膜組織は有害な内分泌環境(低濃度のエストロゲンおよび/または高濃度のプロゲスチン)に反応する。プロゲスチンは、子宮内膜の著明な萎縮および子宮内膜組織の転移を起こし、子宮内膜症に関連する腹腔内炎症を低下させる。アメリカ産婦人科大学は、プロゲスチンは、経口避妊薬として、単独であれエストロゲンとの併用であれ、避妊を望む女性の子宮内膜症管理にとって最適の選択であると言明している(アメリカ産婦人科大学、ACOG Practice Bulletin、11号(1999年11月))。子宮内膜症に関連する痛みは発作的であることが多く、子宮出血と関連するので、本発明のサイクル延長型処方の使用は子宮内膜症治療にとって有益である。
【0090】
本発明はさらに、治療を要する女性に対し、子宮内膜ガンの危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、子宮内膜ガンの危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0091】
本発明は、治療を要する女性に対し、卵巣ガンの危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。排卵の頻度、それによって排卵刺激の頻度も、このサイクル延長型処方を用いることによって、低下、抑制、または除去することが可能である。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、卵巣ガンの危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0092】
本発明はさらに、治療を要する女性に対し、良性の乳房疾患、例えば、乳房の線維嚢胞症を含む疾患(ただし、それに限定されない)を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。30代と50代の間の全女性の内ざっと3分の1が、乳房の線維嚢胞症、またはその他の良性な乳房の病態を有すると診断されている。乳房線維嚢胞症を表す他の用語としては、良性乳房疾患および乳腺異形成症が挙げられる。
【0093】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、良性の乳房疾患を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0094】
本発明は、治療を要する女性に対し、結腸直腸癌の危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明のサイクル延長型処方は、処方の中の女性ホルモンによって、胆汁合成および分泌に変化をもたらし、これが結腸における胆汁酸濃度を低下させることになり、その結果として結腸直腸癌を防ぐことが可能となる。さらに、エストロゲンは、インビトロにおいて、結腸ガン細胞の増殖を抑制することが観察されており、かつ、エストロゲン受容体は、正常な結腸上皮細胞にも、結腸の新形成上皮細胞にも特定されている。Fernandez,E.,et al.,British J.Cancer84:722−727(2001)を参照されたい。上記から、サイクル延長型処方は、結腸直腸癌発生の予防または低下に効果的である。
【0095】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、結腸直腸癌の危険度を下げる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0096】
本発明は、治療を要する女性に対し、感染症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。例えば、性感染症(STD)は、性的な接触を介してヒトからヒトへ蔓延する病原体、例えば、ウィルス、細菌、寄生虫、または真菌によって引き起こされる感染症である。サイクル延長型処方は、いくつかのSTDの発生にたいして予防的役割を果たすことが可能である。なぜなら、この処方は生体を刺激して子宮頸部粘膜を肥厚させるが、これは、性感染症の原因となる細菌を運ぶ精液に対して障壁として作用するからである。
【0097】
本発明はまた、避妊と治療を必要とする女性に対し、避妊を実現し、感染症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。
【0098】
骨盤腹膜炎(PID)は、STD感染から生じる可能性のある合併症である。PIDは、感染症(もっとも頻繁に起こる性感染症、例えば、Chlamydia trachomatis(トラコーマクラミジア)およびNisseris gonorrheoea(淋菌))が、膣および子宮頸部末端から子宮、卵管および卵巣へ広がることによって生ずる、女性生殖道に関する重大な症候群である。PIDは、一般的には、子宮内膜炎(子宮内膜の感染症)、または卵管炎(卵管の感染症)として現れるが、頻度はそれより少ないが、骨盤腹膜炎および/または隣接構造の炎症としても現れる。(MacDonald,N.E.,and Bowie,W.R.,Canadian Communicable Disease Report 21S4:25−33(1995);Westrom,L.and Mardh,P−A.,Sexually Transmitted Disease、2版、593−613ページ、New York:McGraw−Hill, 1990)。
【0099】
PIDは、不妊および子宮外妊娠の主要原因である。子宮外妊娠は、受精卵が卵管または腹腔に着床することから生じるが、以前に卵管がN.gonorrhoeaおよび/またはC.trachomatisに感染すると、それは、しばしば、卵管から繊毛上皮細胞を喪失させ、そのためにもたらされる卵管内の繊毛の機能不全のせいであると考えられている。STD病原体による卵管の既往感染症は、子宮外妊娠症例の約50%の原因となっていると推定されている。(MacDonald,N.E.,and Brunham,R.,Canadian Journal of Human Sexuality 6(2):161−170(1997))。
【0100】
サイクル延長型処方は、PIDの発生に対して予防的役割を果たすことが可能である。なぜなら、この処方は生体を刺激して子宮頸部粘膜を肥厚させるが、これは、STD病原菌を運ぶ精液が、子宮に接触するのを阻止し、従って最終的に、PIDおよび、PID関連性合併症、例えば、子宮外妊娠の原因を遮断するのに役立つからである。従って、本発明のサイクル延長型処方は、性感染症、骨盤炎症疾患、および子宮外妊娠の発生の予防または低減に有効である。このために、本発明は、治療を要する女性に対し、性感染症または骨盤炎症疾患を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はまた、予防を要する女性に対し、子宮外妊娠を予防する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。
【0101】
本発明はまた、治療を要する女性に対し、性感染症または骨盤炎症疾患を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。さらに、本発明は、避妊と予防を要する女性に対し、避妊を実現し、子宮外妊娠を予防する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。
【0102】
さらに、サイクル延長型処方を用いると、従来の28日避妊処方に比べて、感染症、例えば、尿路感染、咽頭炎、上気道感染、および副鼻腔炎のような感染症の報告発生例の低下をもたらす可能性がある。従って、本発明はさらに、治療を要する女性に対し、尿路感染、咽頭炎、上気道感染、および副鼻腔炎のようなある種の感染症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。本発明はまた、避妊と治療を要する女性に対し、避妊を実現し、尿路感染、咽頭炎、上気道感染、および副鼻腔炎のようなある種の感染症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0103】
本発明は、治療を要する女性に対し、顎関節痛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。顎関節痛症(TMD)とは、顎筋、顎関節、および/または、慢性顔面痛と関連する神経の障害である。本発明のサイクル延長型処方はTMDの治療に有用である。本発明はまた、避妊と治療を要する女性に対し、避妊を実現し、顎関節痛症を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0104】
本発明は、治療を要する女性に対し、月経異常症状を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。月経異常症状とは、月経時の周辺で悪化することがある病態、障害、または疾患と関連する症状である。そのような病態、障害、または疾患としては、喘息、慢性関節リウマチ、片頭痛、痙攣障害または癲癇、多発性硬化症、および糖尿病が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。本発明はまた、避妊と治療を要する女性に対し、避妊を実現し、月経異常症状を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0105】
関節炎は、女性の間に広く見られる慢性病態である。関節炎の頻度および重度にはホルモン要因が影響を及ぼす可能性がある。ある女性の場合、関節炎症状、例えば、関節の凝り、腫脹、および疼痛ピークが月経サイクルの排卵後期に起こるが、その予想されるメカニズムとして、抗体の局所放出および白血球細胞サブ集団の周期的変化、および痛覚変化が提出されている(Case,A.M.and Reid,R.L.,Arch.Intern.Med.158:1405−1412(1998))。単独薬剤として、また併合経口避妊薬の一部として投与された場合、エストロゲンは、ある女性達に対して効験を示したことが報告されている(Kay,C.R.and Wingrave,S.J.,Lancet 1:1437(1983);Linos,A.,et al.,Lancet 1:1871(1978))。従って、サイクル延長型処方の使用は、治療を要する女性に対し月経異常症状、例えば、慢性関節リウマチに関連する症状を治療する方法として効験がある。
【0106】
女性の片頭痛患者の約60%が月経との関連を報告している(Case,A.M.and Reid,R.L.,Arch.Intern.Med.158:1405−1412(1998))。経口避妊薬を服用する女性では、月経サイクルの黄体相後期にエストロゲンレベルが低下すること、または、ホルモン無添加期間のようにエストロゲンが突然中断することが、片頭痛発作を誘発すると考えられている(Sulak P.J.,et al.,Obstet.Gynecol.95:261−266(2000);Kudrow,L.,Headache 15:36−49(1975);Whitty,C.W.M.,et al.,Lancet 1:856−859(1966))。従って、サイクル延長型処方の使用は、治療を要する女性に対し月経異常症状、例えば、片頭痛を治療する方法として効験がある。
【0107】
月経癲癇とは、月経周辺で起こる、または悪化する痙攣障害を指す。これは、卵巣のホルモン濃度および薬剤代謝の両方の周期的変化によるものと考えられている(Case,A.M.and Reid,R.L.,Arch.Intern.Med.158:1405−1412(1998))。従って、サイクル延長型処方の使用は、治療を要する女性に対し月経異常症状、例えば、癲癇に関連する症状を治療する方法として効験がある。
【0108】
本発明は、治療を要する女性に対し、月経サイクルとは無関係の頭痛または悪心を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、閉経周辺期、または閉経女性であってもよい。サイクル延長型処方を用いると、従来の28日避妊処方に比べて、月経とは無関係の頭痛および悪心の報告発生例の低下をもたらす可能性がある。従って、本発明は、治療を要する女性に対し、月経と無関係な頭痛および悪心を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0109】
本発明は、治療を要する女性に対し、月経サイクルとは無関係なうつ病を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。「うつ病」とは、様々な形態の抑うつ障害を指すために頻繁に用いられる用語であり、大うつ病、双極性障害(場合によって躁うつ病とも呼ばれる)、および、より低度のうつ病である気分変調を含む。大うつ病は、作業、勉強、睡眠、食事、および、以前は愉しんだ諸活動等に対する従事能力を妨げる諸症状の組み合わせとして現れる。双極性障害は、他の形態の抑うつ障害ほどには広がっていないが、気分の周期的変化がその特徴である。より低度のうつ病である気分変調は、ヒトを不能にすることはないが、うまく働けない、気分良く感じられないようにする、長期の、慢性的症状を含む。うつ病はまた、多くの場合ほんの一時感じられる、一過性の悲哀および孤独を含む。サイクル延長型処方を用いると、従来の28日避妊処方に比べて、月経とは無関係のうつ病の報告発生例の低下をもたらす可能性がある。従って、この開示の方法は、月経とは無関係のうつ病の予防法または治療法として用いることが可能である。
【0110】
本発明はまた、避妊と治療を要する女性に対し、避妊を実現し、月経サイクルとは無関係のうつ病を治療する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよい。
【0111】
本発明は、効力の増大を求める女性に対し、避妊薬の効力を増大する方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。女性は、例えば、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。避妊薬の効力を求める女性は、高重量の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。「高重量の女性」とは、体重が約70kg以上、または、約25を超えるボディマス指数(BMI)を持つヒトの女性を指す。体重と経口避妊薬の失敗に関する最近の研究では、体重が約70.5kgの女性は、経口避妊薬失敗の危険度が60%高いことが報告された(Holt,V.L.,et al.,Obste.Gynecol.99:820−827(2002))。サイクル延長型処方を用いた研究では、体重約70kg以上の女性でも、同じサイクル延長型処方を服用した、体重70kg未満の女性と同程度の避妊薬効力を経験した。
【0112】
上記から、本発明は、効力の増大を求める高体重女性に対し、避妊薬の効力を増大させる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明は、体重約70kg以上、80kg以上、または90kg以上のヒト女性に対し、避妊薬の効力を増大させる方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。
【0113】
開示のサイクル延長型処方はまた、ボディマス指数が約25、約30、または約35を超えるヒト女性に対し、避妊薬の効力を増大させる方法として用いることが可能である。上記から、本発明はまた、ボディマス指数が約25、約30、または約35を超えるヒト女性に対し、避妊薬の効力を増大させる方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。
【0114】
本発明は、受胎能を求める女性に対し、受胎能を増大させる方法であって、その女性に、本明細書に開示されるサイクル延長型処方を実施し、その後、女性に排卵を誘発する薬剤を投与することよって実現する方法に向けられる。女性は、受胎年齢の女性、または閉経周辺期の女性であってもよいが、ただしそれらに限定されない。
【0115】
従来臨床的に次のことが観察されている。すなわち、排卵途絶のために経口避妊薬を服用する女性は、ピルを飲み忘れた際、あるいは経口避妊薬の服用を止めて間もなく妊娠することがよくある。これは、恐らく、少なくとも短期間卵巣に出現する「リバウンド効果」のためである。経口避妊のピルを2−6ヶ月用いることによって卵巣の活性を抑制すると、それは、早期卵胞期における卵巣のアンドロゲン生産を減少させ、LHおよびエストラジオール濃度を下げる可能性がある。アンドロゲン濃度の上昇は、卵胞発生にたいして有害作用を及ぼすことが明らかにされている。無排卵性不妊に対するクロミフェンまたはその他の投薬治療に対する卵巣応答の改善をもたらすものは、早期卵胞相におけるこれらの内分泌変化であるかもしれない。Brannigan,E.F.,and Estes,M.A.,Am.J.Obstet.Gynecol.188:1424−1430(2003)を参照されたい。
【0116】
排卵を誘発し、開示のサイクル延長型処方の後に投与されてもよい薬剤の例としては、メノトロピン(卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体ホルモン(LH)、例えば、ペルゴナール(登録商標))、およびクロミフェン・クエン酸塩(クロミド(登録商標))が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0117】
本発明のある局面では、開示のサイクル延長型処方は、閉経周辺期の女性および/または閉経の女性に対して特に有用である。閉経周辺期の女性および閉経の女性は、従来から卵巣機能不全によるエストロゲン枯渇、すなわち低エストロゲン症によるものとされている多様な病態および障害を経験する。これらの障害は、その持続期間はきわめてまちまちであり、かつ、顔面潮紅を含むが、その顔面潮紅は、ある女性には耐え難いが、別の女性では極めて穏やかである。エストロゲン分泌の低下と直接関連するもう一つの症状は、軽度の感染症に対する過敏と関連し、また、しばしば性交時の不快と関連する膣の乾燥である。
【0118】
長期的観点で見て、閉経においてもっとも健康を脅かす局面の一つは、骨からのミネラルの喪失であり、これは、骨質量の低下(骨粗しょう症)を招き、重大な骨折危険を生み出す可能性がある。例えば、閉経後の女性では、同年齢の男性に比べて、骨折が6倍増加することを示す証拠がある(Garraway et al.,Mayo Clinic Proceedings 54:701−707(1979))。こうした骨折は、当然のことながら、高齢者の間では高い合併症比率、不能や全身病状の著明な悪化、および確かに死亡率の増加を伴う。
【0119】
閉経において健康を脅かす重大なもう一つの局面は、60歳までの比較的若い女性には認められる心臓発作に対する防衛体制が、同年齢の男性に比べて著明に失われることである。閉経周辺期(40代および50代)に出現する、血清コレステロール平均濃度の急激な増加は、比較的高齢の女性における虚血性心疾患による死亡の漸増にたいして大きく関わっている可能性がある。80代および90代では、虚血性心疾患による死亡率は男性のものに近づく(Havlik,R.J. and Manning−Feinleid,P.H.,NIH Publication No.79−1610,U.S. Department of HEW(1979))。
【0120】
上記から、本発明は、治療を要する閉経女性に対して、閉経時のエストロゲン低下によって起こる前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はまた、治療を要する閉経女性に対して、例えば、低エストロゲン症による前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はさらに、治療を要する女性に対して、例えば、低エストロゲン症による前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はさらに、治療を要する女性に対して、例えば、卵巣機能不全による前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。
【0121】
本発明はまた、避妊と治療を要する閉経周辺期の女性に対して、避妊を実現し、かつ、例えば、低エストロゲン症による前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はさらに、避妊と治療を要する閉経周辺期の女性に対して、例えば、卵巣機能不全による前述の身体状態のような病態を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。
【0122】
前述の大きな身体的問題の他に、閉経期および閉経周辺期の女性達のある人々は、うつ病、不眠、および神経過敏から関節炎等に至る多種多様な症状を経験する。
【0123】
閉経期の顔面潮紅および膣萎縮をコントロール乃至予防のためにはエストロゲンがもっとも効果的な薬剤であることは一般に認められている。エストロゲンは、骨粗しょう症の臨床的証拠の出現を遅らせる、または阻止するのに有効である。適当な用量でプロゲスチンと併用した場合、血液脂質に対して有利な作用を認めることが可能である。しかしながら、エストロゲン両方にも問題点が確かに存在しており、それについては広く探求されており、医学文献にも記されている。ざっと言うと、エストロゲンが投与される手段は、エストロゲン単独の使用か、またはエストロゲンとプロゲスチンの併用である。
【0124】
連続的に小用量ずつ投与するのであれば、多くの患者においてエストロゲン単独でも、前述の症状と、それに関連する問題をコントロールするのに有効である。しかしながら、連続的低用量エストロゲンを服用する女性の圧倒的多数は、数ヶ月の長きに渡って、場合によっては数年間も出血を見ることがないけれども、この定期的服用の場合、「子宮内膜肥大」を生ずるはっきりした危険性がある。この用語はもちろん、子宮内膜の過度の刺激を指すのであるが、この状態は、このような低用量処方でも最終的に子宮内膜のガンをもたらす可能性と考え合わせるならば前悪性状態となる可能性がある(Gusberg et al.,Obsterics and Gynaecology 17:397−412(1961))。
【0125】
エストロゲン単独はまた、サイクルと合わせて、通常は、21−25日服用、5−7日服用無しとして投与することも可能である。この場合も、症状をコントロールするには小用量のエストロゲンが必要とされ、このようにして用いられても、実際の治療サイクルの間に消退出血を経験する女性は僅かに約10%である。一方、この場合も、子宮内膜肥大を起こす危険度、子宮ガンを起こす相対的危険度の増大のことを心配しなければならない(閉経研究:W.H.O.科学グループ報告書、53−68(1981))。
【0126】
しかしながら、本明細書に開示されるサイクル延長型処方の場合のように、プロゲスチンをエストロゲンと一緒に添加することによって、子宮内膜肥大を生じる不安はほとんど払拭され、子宮内膜ガンを発生させる危険度は、未処置の一般人口を下回るようになる。
【0127】
本発明は、治療を要する女性に対して、閉経障害、または閉経周辺期症状を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。本発明はまた、避妊と治療を要する閉経周辺期の女性に対して、避妊を実現し、かつ、閉経周辺期症状を治療する方法であって、その女性に、サイクル延長型処方を実施することよって実現する方法に向けられる。
【0128】
サイクル延長型処方は、女性において骨密度を維持する、または骨密度の消失を阻止する方法として用いることが可能である。サイクル延長型処方はまた、エストロゲンおよびプロゲスチン投与と組み合わせて、例えば、ビタミンDおよび/またはカルシウムを投与することによって、上記の目的のために使用することが可能である。
【0129】
骨密度を維持する、または骨密度の消失を阻止する方法として、サイクル延長型処方は、閉経周辺期の女性または閉経女性への投与に限定されるものではない。サイクル延長型処方はまた、閉経周辺期でも閉経期でもない受胎年齢の女性に投与することによって、骨密度を維持する、または骨密度の消失を阻止する方法としても使用が可能である。例えば、サイクル延長型処方は、まだピークの骨密度に達していないが、例えば、食不振等の様々な病態のために、骨密度消失の危険性のある、あるいは、年齢および発達度から正常な生理的骨密度を実現できない危険性のある、12−16歳の女性に用いることも可能である。
【0130】
上記から、サイクル延長型処方はまた、治療を要する女性に対して、骨粗しょう症を含む、閉経期または閉経周辺期のエストロゲン低下によってもたらされる病態の治療法として用いることも可能である。サイクル延長型処方はまた、避妊と治療を要する閉経周辺期の女性に対して、避妊を実現し、かつ、骨粗しょう症を含む、閉経周辺期エストロゲン低下によってもたらされる病態を治療する方法として用いることも可能である。
【0131】
サイクル延長型処方はまた、ホルモン置換療法を必要とする女性を治療する方法として使用することも可能である。
【0132】
(投薬量および処方)
本発明のサイクル延長型処方は、1日当たり、約5μgから約50μgのエチニルエストラジオールに相当するエストロゲン投薬量を含むことが可能である。本発明のある局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約5μgから約25μgのエチニルエストラジオールに相当するエストロゲン投薬量を含むことが可能である。本発明の別の局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約25μgから約40μgのエチニルエストラジオールに相当するエストロゲン投薬量を含むことが可能である。本発明のさらに別の局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約10μgから約30μgのエチニルエストラジオールに相当するエストロゲン投薬量を含むことが可能である。本発明のある局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約20μgのエチニルエストラジオールに相当するエストロゲン投薬量を含むことが可能である。
【0133】
本発明のサイクル延長型処方は、1日当たり、約0.01mgから約1.5mgのレボノルゲストレルに相当するプロゲスチン投薬量を含むことが可能である。本発明のある局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約0.01mgから約0.25mgのレボノルゲストレルに相当するプロゲスチン投薬量を含むことが可能である。本発明の別の局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約0.05mgから約0.20mgのレボノルゲストレルに相当するプロゲスチン投薬量を含むことが可能である。別の局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約0.15mgのレボノルゲストレルに相当するプロゲスチン投薬量を含むことが可能である。本発明のさらに別の局面では、サイクル延長型処方は、1日当たり、約0.1mgのレボノルゲストレルに相当するプロゲスチン投薬量を含むことが可能である。
【0134】
本発明のある局面では、サイクル延長型処方のエストロゲンとプロゲスチンとは、それぞれ、エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルであってもよい。ただし、他の有用なエストロゲン類およびプロゲスチン類も使用が可能である。エストロゲンとプロゲスチンの重量比は、約1:0.2から約1:300であってもよい。本発明のある局面では、エストロゲンとプロゲスチンの重量比は約1:1から約1:50である。本発明の別の局面では、エストロゲンとプロゲスチンの重量比は約1:1から約1:10である。例えば、エチニルエストラジオールの1日当たりの量は約10μgから約30μgであり、レボノルゲストレルの1日当たりの量は約0.05mgから約0.2mgである。
【0135】
上に示した値はエチニルエストラジオールとレボノルゲストレル用のものであり、別のエストロゲンまたはプロゲスチンを用いる場合は、相対的効能または活性に基づいて量の調節を実行してもよい。各種エストロゲン類および各種プロゲスチン類の間での効能の補正は既知である。例えば、欧州特許第0253607号を参照されたい。なお、この特許文献の全体を参照することにより本明細書に含める。例えば、避妊処方では、30μgのエチニルエストラジオールは、約60μgのメストラノール、または約2,000μgの17β−エストラジオールとほぼ等価である。同様に、0.050mgのレボノルゲストレルは、約0.175mgの酢酸ノルエチンドロン、約0.050mgのデソゲストレル、約0.050mgの3−ケトデソゲストレル、約0.035mgのゲストデン、または約0.100mgのノルゲストレルとほぼ等価である。レボノルゲストレルの代わりにノルゲストレルを用いる場合、その濃度は、レボノルゲストレルの濃度の2倍となることを理解しなければならない。ノルゲストレル(dl−ノルゲストレル)は、光学的に活性な異性体から成るラセミ混合物であるが、一方、レボノルゲストレルは、ノルゲストレル中に存在する光学的に活性な異性体の内の片方である。
【0136】
エストロゲンおよびプロゲスチンの当量濃度は、インビトロ、またはインビボアッセイ法のいずれかを用いて決定することが可能である。例えば、Kuhl,H.,Drugs 51(2):188−215(1996);Philibert,D.,et al.,Gynecol.Endocrinol.13:316−326(1999)、および、Lundeen,S.,et al.,J.Steroid Biochem.Molec.Biol.78:137−143(2001)を参照されたい。これらの文献では、各種プロゲスチン類の相対的効能が、インビトロおよびインビボ両試験アッセイを用いて比較されている。さらに例えば、Dickey,R.P.,「Contraceptive Therapy」OBG Management Supplement(October 2000),pp.2−6を参照されたい。上記の各文献を参照することによりその全体を本明細書に含める。
【0137】
例えば、これまでに経口避妊薬に用いられたプロゲスチンとエストロゲンの組み合わせを表1に示す。
【0138】
【表1】

当量等式
50mgメストラノール=約35mgエチニルエストラジオール(EE)
0.1mg dl−ノルゲストレル=約0.15mgノルエチンドロン
表1の各ブロックは、プロゲスチンとエストロゲンの、例えば、ノルエチノドレルとメストラノールの比結合を表し、各ブロックでは、より古い組み合わせが最初に掲載され、順々にそれより新しい組み合わせが続いている。
【0139】
本発明において使用するのに好適なプロゲスチンとしては、プロゲステロン活性を有する天然および合成化合物、例えば、プロゲステロン、酢酸クロルマジノン、ノルエチンドロン、酢酸シプロテロン、酢酸ノルエチンドロン、デソゲストレル、レボノルゲストレル、ドロスピレノン、トリメゲストン、ノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルエルゲストロミン、エトノゲストレル、ゲストデン、および、その他の天然および/または合成ゲスタゲン類が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。本発明のサイクル延長型処方においては、好適なプロゲスチン類のプロドラッグも使用が可能である。
【0140】
「プロドラッグ」という表現は、既知の直接作用性薬剤の誘導体であって、その薬剤と比べて輸送特性および治療数値を改善し、酵素または化学的過程によって活性剤に変形される誘導体を示す。体内においてノルエチンドロンに変換される二酢酸エチノジオールは、本発明に使用が可能なプロゲスチン前駆体の例である。プロゲスチン前駆体のさらに別の例としては、ノルゲスタミン(体内で17−デアセチルノルゲスタミンに変換され、ノルエルゲステロミンとも呼ばれる)、デソゲストレル(体内で3−ケトデソゲストレルに変換され、エトノゲストレルとも呼ばれる)、および、酢酸ノルエチンドロン(体内でノルエチンドロンに変換される)が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0141】
本発明において好適なエストロゲンとしては、エステロゲン活性を有する天然および合成化合物、例えば、エストラジオール(17β−エストラジオール)、17α−エストラジオール、エストリオール、エストロン、およびそれらのエステル類、例えば、これらの化合物の酢酸、硫酸、吉草酸、または安息香酸エステル類、例えば、エストラジオール17β−シピオネート、エストラジオール17−プロピオネート、エストラジオール3−ベンゾエート、および、ピペラジンエストロンスルフェート;エチニルエストラジオール;エストロゲン接合体(天然および合成);メストラノール;作動性抗エストロゲン;および、エストロゲン受容体修飾剤が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。本発明のサイクル延長型処方においては、好適なエストロゲン類のプロドラッグも使用が可能である。本発明において使用が可能なエストロゲン前駆体の例としては、酢酸エストラジオール(体内で17β−エストラジオールに変換される)、およびメストラノール(体内でエチニルエストラジオールに変換される)が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0142】
エストロゲンおよびプロゲスチンは、それらが活性を有する限り任意に選ばれるルートを通じて通例のやり方で投与される。例えば、投与は、非経口的、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮的、頬内、または眼球内ルート、あるいは、膣内、吸引、デポ注入、またはホルモン埋設物によって行われてもよいが、ただしこれらに限定されない。従って、エストロゲンおよびプロゲスチン(単独、または他の薬物との併用)の投与形式は、舌下、注入(皮下または筋肉内に注入される短持続性、デポ、埋設物、およびペレット形を含む)、または、膣クリーム、坐剤、ペッサリー、膣リング、直腸坐剤、子宮内装置、および、パッチおよびクリームのような経皮形の使用によるものであってもよいが、ただしこれらに限定されない。
【0143】
大抵のエストロゲンおよびプロゲスチンは経口的に活性を持つので、本発明ではこの投与ルートが用いられる。従って、投与剤形としては、エストロゲンとプロゲスチン、および、1種以上の製薬学的に受容可能な適当な担体を含む錠剤、糖剤、カプセル、および丸剤が挙げられるが、ただしそれらに限定されない。
【0144】
経口投与の場合、エストロゲンとプロゲスチンは、これらの化合物を、従来技術で既知の製薬学的に受容可能な担体と併用することによって簡単に処方することが可能である。この担体は、治療対象である患者による経口服用のために、本発明の化合物を錠剤、丸剤、糖剤、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤等に処方することを可能にする。経口用製剤は、固体賦形剤を加え、得られた混合物を要すれば随意に磨砕し、適当な補助剤を加えた後、要すれば顆粒混合物を加工して錠剤または糖剤コアを生産することによって獲得することが可能である。好適な賦形剤としては、充填剤、例えば、糖分、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトール(ただしこれらに限定されない);セルロース調剤、例えば、トウモロコシでん粉、小麦でん粉、米でん粉、ジャガイモでん粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびポリビニールピロリドン(PVP)が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。要すれば、崩壊剤、例えば、架橋性ポリビニールピロリドン、寒天、またはアルギン酸、またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウム(ただしこれらに限定されない)を加えてもよい。
【0145】
糖剤コアには、適当なコーティングを供給してもよい。このために、糖濃縮液を用いてもよい。この液は、要すれば随意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニールピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー液、および、適当な有機溶媒、または溶媒混合液を含んでもよい。識別のために、または、活性成分用量の様々な組み合わせの特徴を際立たせるために、錠剤または糖剤のコーティングに染料または色素を加えてもよい。
【0146】
経口的に服用が可能な製剤としては、ゼラチン製の押し込み封印カプセルを始め、ゼラチン、および可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールから成る、柔軟な、密封カプセルが挙げられるが、ただしこれらに限定されない。押し込み封印カプセルは、例えばラクトースのような充填剤、例えばでん粉のような結合剤、および/または、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、および、要すれば随意に、安定化剤と混合させて活性成分を含んでもよい。軟カプセルでは、活性成分は、適当な液体、例えば、油脂オイル、液状パラフィン、または液状ポリエチレングリコールに溶解または懸濁してもよい。さらに、安定化剤を加えてもよい。経口投与用の処方は全て、そのような投与に相応しい剤形として存在していなければならない。
【0147】
頬内投与用には、エストロゲンおよびプロゲスチン組成物は、通例のやり方で処方された、例えば、錠剤またはロゼンジの形態を取ってもよい。
【0148】
吸引投与用には、本発明に従って用いられるエストロゲンおよびプロゲスチンは、適当な推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の適当な気体を用い、加圧パックまたは噴霧器によってエロゾル飛沫の形で配送されると好都合である。加圧エロゾルの場合、投与単位は、指定の一定量を配送するバルブを設けることによって定めることが可能である。吸引器、または吸入器に使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは、化合物、および適当な粉末基材、例えば、ラクトースまたはでん粉から成る粉末混合物を含むように処方することも可能である。
【0149】
エストロゲンおよびプロゲスチンは、注入による非経口投与用に、例えば、ボーラス注入、または連続輸液用に処方してもよい。化合物は、約15分から約24分に渡って皮下に連続注入することによって投与してもよい。注入用処方は、防腐剤を加えた単位剤形として、例えば、アンプル、または複数回用量容器の形で実現してもよい。組成物は、例えば、油性または水性ベヒクルに溶解させた懸濁液、溶液、または乳液のような形を取ってもよいし、また、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤のような剤形を整える薬剤を含んでもよい。
【0150】
化合物はまた、通例の坐剤基材、例えば、カカオバター、またはその他のグリセリドを含む坐剤または滞留浣腸のような直腸組成物として処方することも可能である。
【0151】
前述の処方に加えて、化合物はまた、デポ製剤として処方することも可能である。このような持続作用処方は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注入によって投与することが可能である。デポ注入は、約1ヶ月から約6ヶ月、またはそれ以上長い間隔を置いて投与することが可能である。従って、化合物は、例えば、適当なポリマー材料または疎水性材料(例えば、受容可能な油性成分に溶解させた乳剤として)、または、イオン交換樹脂、または、難溶性誘導体、例えば、難溶塩と共に処方することも可能である。
【0152】
エストロゲンおよびプロゲスチンから成るこの製薬組成物はまた、適当な、固相の、またはゲル相の担体または賦形剤を含むことも可能である。このような担体または賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種糖分、でん粉、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー、例えば、ポリエチレングリコールが挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0153】
経皮投与の場合、エストロゲンおよびプロゲスチン成分は、例えば、硬膏剤に塗布してもよいし、または、経皮治療用システムに塗布し、次にこれを生体に供給してもよい。
【0154】
エストロゲンとプロゲスチンの結合物はまた、他の活性成分と組み合わせて投与することも可能である。エストロゲンとプロゲスチンは、サイクル延長型処方において、骨密度を維持するための方法として、または骨密度の消失を阻止するための方法として、例えば、ビタミンDおよび/またはカルシウムと共に投与されてもよい。本発明に使用されるビタミンDおよびカルシウムの形態は、その量と同様に、当業者にはよく知られていることと思われる。例えば、カルシウムは、炭酸カルシウムの形で1日当たり500mgの用量レベルで投与することが可能である。
【0155】
従って、エストロゲンとプロゲスチン、および適当な担体を含む製薬処方は、固相剤形、例えば、錠剤、カプセル、カシェ剤、ペレット、丸剤、散剤、および顆粒剤を含む固相剤形であってもよく(ただしこれらに限定されない);局所塗布剤、例えば、液剤、散剤、乳液剤、懸濁剤、半固形剤、軟膏、ペースト、クリーム、ゲルとゼリー、および泡剤を含む局所塗布剤であってもよく(ただしこれらに限定されない);非経口剤形、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、および乾燥粉末のような非経口剤形であってもよい(ただしこれらに限定されない)、本発明に教示されるようにエストロゲンとプロゲスチンの有効量を含む剤形である。このような処方において、活性成分は、製薬学的に受容可能な希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性ベヒクル、水溶性ベヒクル、乳化剤、バッファー、湿潤剤、保湿剤、可溶化剤、防腐剤等と共に含まれてよいことも従来技術で既知である。投与のための手段および方法は従来技術において既知であり、当業者であれば、指針のために様々な薬理学的参考書を参照することが可能である。例えば、「Modern Pharmaceutics」Banker & Rhodes,Marcel Dekker,Inc.1979;および「Goodman & Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics」6版、MacMillan Publishing Co.,New York 1980を参照することも可能である。
【0156】
本避妊製剤は、1日当たりの用量が適切な順序投与のために配置された、キットまたはパッケージの形で生産することが可能である。本発明のある局面では、例えば、経口投与処方では、本発明は、同期性の、固定順序において配された複数用量単位の併用型避妊薬を含む製剤パッケージを提供する。その際、用量単位の順序または配列は、日々の投与段階に対応する。
【0157】
従って、本発明において有用な製薬組成物は、連日の服用を意図した少なくとも約50錠、それに続く日々の服用を意図した約2から約10錠を含むキットの形で提供されてもよい。投与は、エストロゲンとプロゲスチンの両方を含む錠剤による少なくとも連続50日間連日行われ、その後、ホルモン無しプラセボ錠剤による約2から約10日間の連日投与が行われる。例えば、投与は、エストロゲンとプロゲスチンの両方を含む錠剤による少なくとも60−110日間連日、その後、ホルモン無しプラセボ錠剤による約2−10日間の連日投与が行われてもよい。
【0158】
別の例では、製薬処方は、キット形式であって、例えば、錠剤を含む91日間処方で、各錠が、連日服用を意図したエストロゲンとプロゲスチンを含む84錠と、その後の連日服用を意図したホルモン無しプラセボ錠7錠とを含むキット形式で供給されてもよい。
【0159】
本明細書に記載される各種局面、実施態様、および任意の選択肢は全て様々に変動することが可能であり、また、それら全ての変動を任意に組み合わせることが可能である。本明細書に開示されるサイクル延長型処方は、前述の病態および障害の内から任意に選ばれる異常状態の治療要求に応じて、受胎年齢の女性、閉経周辺期の女性、閉経女性に対して投与される。
【0160】
下記の実施例は、本発明の方法および組成物を具体的に説明するためのものであって、限定するものではない。様々の状態およびパラメータについて、通常遭遇し、また当業者には明白な、他にも適当な改変や適応が存在するが、それらは本発明の精神と範囲の中に含まれる。従って、本発明の広さおよび範囲は、前述の実施態様のどれによっても限定されてはならず、ただ、下記の特許請求項およびその等価物によってのみ定義されるべきである。
【実施例】
【0161】
(実施例1)
この実施例は、30μgのエチニルエストラジオール(EE)と150μgのレボノルゲストレル(LNG)84日分、その後のプラセボ7日分を含む、91日間のサイクル延長型経口避妊薬(OC)投与を評価するランダム化臨床試験の詳細な結果を提示する。
【0162】
(材料および方法)
(試験設計および対象集団)
これは、91日間のサイクル延長型OC(30μg EE/150μg LNG)、およびNordette(登録商標)(30μg EE/150μg LNG)に関する、多施設非盲検ランダム化並行試験である。参加資格のある女性は、91日間サイクル延長OC、またはNordette(登録商標)に対して2:1方式によりランダム化した。試験処方は1年間投与した(91日間サイクル延長型処方では4連続サイクル、または、28日(通例)サイクル処方では13連続サイクル)。同じ試験設計において、患者はまた、より低濃度のエチニルエストラジオール(20μg EE/100μg LNG)を含む、第2の91日間サイクル延長型OC、またはLevlite(登録商標)に対してランダムに割り当てられた。この試験の意図は、91日間サイクル延長型処方と通例の28日サイクルにおいて、類似の用量レベルの作用を、別々に分かれたペア同士比較という観点で比較することであった。本報告では、延長型サイクル処方と従来のサイクル処方の高用量レベルの方の結果を提供する。
【0163】
試験は、ヘルシンキ宣言(南アフリカ共和国、1996)と医薬品の臨床試験の実施基準、および各実施臨床センターにおける倫理委員会の承認に基づいて実施された。
【0164】
受胎の可能性があり、性的活動性のある成人女性(18歳から40歳まで)で、異性関係があり、妊娠のリスクがあり、英語ができて、インフォームドコンセントを提出した人を、試験に参加資格ありとした。>35歳で盛んな喫煙者は除外した。同様に、OC服用に対して何らかの不適応を持つ女性、試験登録の前10ヶ月以内にホルモン注入療法(例えば、Depo−Provea(登録商標))を受けた人、登録前3ヶ月以内に、プロゲスチン放出子宮内装置(IUD)を設置していた人、または、登録前1ヶ月以内に避妊用インプラントを取り外した人も試験から排除した。OC以外の他の避妊形態(コンドームを除く)の常用者も試験参加に対する排除例とした。最近の、外科的または内科的中絶、流産、または、経膣出産または帝王切開出産を経験した人々については、登録前に少なくとも2回の正常な月経サイクルを持つものとした。他の排除例としては、通例のOC服用時における異常出血の既往(連続10日以上続く非生理的または消退出血、連続10日以上続く血液染み)、登録前30日以内の臨床研究への参加、登録前30日以内における500mL以上の献血また血液損失がある。禁止された投薬は、OCの効能を妨げる可能性のある全ての薬剤(例えば、リファンピン、バルビツレート、抗生物質)の使用である。試験の参加時点で、患者は、連続服用者(試験参加前のサイクル中にOC服用をしていた人々)、新規服用者(OC使用の既往を持たない人々)、または、既往服用者(登録前6ヶ月以内には服用していないが、過去にOC服用をした既往のある人々)の表示を受けた。
【0165】
患者は、OCの服用に不適応を示す何らかの病態、患者の決断、妊娠、試験の続行を不可能とする、または不適とする何らかの副作用、追跡不能、登録後試験基準を満たしていないことが判明した場合、必要な試験手順に協力することを拒絶した場合、試験薬剤摂取量からの有意な不足量(すなわち、<80%合計ピル摂取量)の内どれか一つでもあれば試験からの排除を可能とした。
【0166】
(投与スケジュールおよび手順)
サイクル延長型処方にランダムに割り当てられた患者には、各クリニック訪問時に、試験薬剤の91日間支給分(84個の活性丸剤(ピル)と7個のプラセボ)を含む封入パックが与えられた。1年間の試験期間を通じて、4個のピルパックが投薬された。通例の28日処方にランダムに割り当てられた患者には、各クリニック訪問時に、試験月の次にクリニック訪問が予定されているかどうかに応じて、3個または4個の市販のピルパックが支給された。全ての患者に対し、試験薬剤の支給の度毎に、患者の服用注意事項のコピーを渡した。患者はまた、各クリニック訪問時に、使用済みピルパックを返還するよう指示され、かつ、ピル計数を行った。
【0167】
試験治療開始前で、インフォームドコンセント受領後に行ったスクリーニングとしては、医学的および避妊の既往歴、身体検査(骨盤検査およびパパニコラウ染色塗抹標本(パップスミア))、生命徴候の測定(体重を含む)、臨床検査(CBC、血清化学、脂質プロフィール、および尿分析)、および、尿妊娠試験が含まれた。尿妊娠試験は、基礎値獲得後も、全てのクリニック訪問時、試験完了時または患者の試験中断時に実施した。
【0168】
試験に登録した患者は全て日々の電子日記の記入を行った。ピル服用、出血/染みの発生時および重度に関する質問が毎日記録され、一方、同時に行われた避妊薬服用および月経異常症状に関する応答が毎週記録された。その日の全ての日記記事は時間と日付がスタンプされ、過去のことを記入することができないようにした。日記は、日記を記入する間隔が24時間を超えた場合には、記入を催促するアラームが出るようプログラムされていた。電子日記の故障または消失の場合に備えて、患者には同じ質問を列挙した紙の日記も支給した。同時服用薬剤および副作用は別々に記録された。各クリニック訪問時、電子日記のデータは全て、研究地区の試験データベースと、日記べンダーによって管理される中央データベースとにダウンロードされた。
【0169】
患者は全て、月経周期の開始後、または、以前の経口避妊薬サイクルによる消退出血後最初の日曜日にOC服用を始めることとし(「日曜スターター」)、試験中はずっと日曜スターターを持続した。患者には、ピルを毎日ほぼ同じ時間に服用し、かつ、毎日電子日記にピル摂取を記入するようにあらかじめ指示した。ピルを無くした場合を除いては、用量調節例は無かった。
【0170】
患者には、試験進行中はほぼ3ヶ月に1回、および試験終了時に会った。試験を抜けた人、または試験から脱落させられた人も、試験の全期間を完了した人と同様の方式で試験終了時評価を完了させた。全ての患者について、試験の完了後、または、早期の脱落後2ヶ月間妊娠の有無について追跡した。妊娠した患者については、出産後、または妊娠中絶後8週間追跡した。赤子については出産後8週間追跡した。試験薬剤服用の順守態度は、電子日記または紙の日記に行った患者自身の手による日々の報告によって評価した。「順守的服用」は、患者が連続ピル2個以上の服用を抜かしたサイクル、実質的非服従(<80%合計ピル服用)のパターンが見られたサイクル、別形態の避妊法(緊急避妊剤を含む)を用いたサイクル、または、OC治療と相互作用を持つ、禁止された併用薬剤を用いたサイクルを全て取り除くことによって定義した。さらに、「順守服用」患者は、米国食品医薬品局の、排卵における「最適」年齢範囲の定義に従って、18歳と35歳の間の患者に限定した(「産業界に対するFDA指針。保健担当者と患者双方のための経口避妊薬ラベル表示」、米国保健・人的サービス部、食品医薬品局、薬剤評価・研究センター(CDER)、2000年6月(http://www.fda.gov/cder/guidance/2448dft.pdfを参照されたい)。
【0171】
(効力評価)
効力は、方法失敗率として評価した。すなわち、製剤を指示通りに服用した(「順守的服用」)18−35歳の女性について、寿命表分析とパール指数(服用年当たり100人の女性中の妊娠数)によって計算した。
【0172】
妊娠は、尿妊娠テスト陽性によって定義し、血清のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)によって確認した。受胎日は、利用できる全てのデータ、例えば、超音波データ、HCG定量アッセイ、HCG定性アッセイ、骨盤診察、および出産日を考慮して計算した。受胎日を知ることができなかった場合は、患者の妊娠テストが陰性であった最後の日付と、妊娠テスト陽性となった日付の中間点とした。妊娠が、試験薬投薬の最初の日と最後の日の間に起こった場合、または、妊娠日付が完全に未知な場合は、受胎時、患者は「試験の最中」にあると仮定した。受胎が、試験薬剤服用第1日目の前に起こったことが明らかである場合には、それは「試験時」妊娠とカウントしなかった。
【0173】
(サイクル調節評価)
サイクル調節は、電子日記の報告に基づいて、消退出血/血液染みの程度、および、破綻出血/血液染みの程度を観察することによって評価した。患者には、出血とは、衛生保護(パッドまたはタンポン)の使用を必要とする程の、膣からの血液喪失と定義されることを教えた。血液染みとは、衛生保護を必要としない程度の、膣からの血液喪失と定義された。全ての患者が、連日発せられる、一連のあらかじめプログラムされた質問を通じて行われる、出血および/または血液染みの有無および程度に関する質問に電子日記を通じて解答した。
【0174】
各サイクル(サイクル延長型処方の場合は91日、従来型処方では28日)、および、薬剤服用の通年(364日)における出血および血液染みを、出血および/または染みのあった合計日数、出血および/または染みの「予定」日数(すなわち、7日間のプラセボピル間隔に起こったもの)、および、「予定外の」出血および/または染み日数(すなわち、サイクル延長型処方の場合は84日間の活性ピル期間に起こったもの、または、従来型処方では21日間の活性ピル期間)に基づいて評価した。無月経は、プラセボピル期間に消退出血の見られないことと定義した。
【0175】
出血予定日数(すなわち、1年間の投薬進行時のプラセボピル期間に見られた出血)の評価は、サイクル延長型処方の予想される合計28日、対、従来型処方の予想される91日に基づいて行った。予定外出血日数(活性ピル期間に見られた出血)の評価は、サイクル延長型処方の予想される合計336日、対、従来型処方の予想される273日に基づいて行った。
【0176】
(安全性評価)
安全性は、自己申告による副作用、およびクリニック訪問時に引き起こされた副作用、臨床検査、生命徴候(体重を含む)、および身体検査を考察して評価した。試験薬剤を服用した全ての患者についてこの安全性評価を行った。サイクル延長型処方グループ内のある患者部分集団については、試験投薬開始前および試験完了時に子宮内膜のバイオプシーを行った。これは、サイクル延長型経口避妊薬の子宮内膜に対する作用を評価するためである。症例報告書(CRF)を用いて、報告された副作用に関する全ての情報を公式的に記録した。副作用は、患者によって自発的に、主に、規則的に予定される試験訪問の際に報告されたが、それのみならず患者の日々の日記を通じても報告された。各副作用については、クリニックの現場担当職員(内科医または看護士)が受付け、その副作用の深刻性、重度(軽度、中等度、重度、危機的)、その開始日付および寛解日付、現在もまだ持続しているかどうか、その副作用に対して取られた行動(例えば、行動を取らない、内科的/外科的処置、試験薬剤の服用中断、試験中断)、および、その副作用が、試験への患者参加に及ぼした影響の結果(例えば、参加には影響無し、試験中断、後遺症ありの寛解または無しの寛解、死亡)に関してさらに新たな情報を記録した。口伝に報告された副作用は、生体の系統、および、MedDRA4.0コード式命名法による好ましい用語に基づいて分類した。このMedDRA4.0は、全ての治療領域に渡って行われる臨床治験において副作用の出現率および優位順を報知するための、良く知られた標準システムである。
【0177】
(統計法)
この複数センター試験では、データは各センター間をつないでプールされた。正規の統計試験は行わず、記述的統計計算を行った。52週における妊娠累積率の生命表推定は、従来型のサイクル処方の場合は4週間(28日)期間、サイクル延長型処方の場合は91日期間を用いた。妊娠累積率に関する各サイクルポイント推定値について両側性95%信頼区間を計算した。生命表分析法は連続時間間隔に基づくものであるから、完了したサイクルだけではなく、患者が試験に参加した全期間を含む。パール指数は、服用中の妊娠数を、全体が薬剤暴露されたサイクル(サイクル延長型処方では91日、従来型処方では28日)の合計数で割り、その結果を、被験者100人当たりの年間推定値として表した。薬剤暴露サイクルはまた、妊娠が発生したサイクルは全てこれを含んだ。
【0178】
(結果)
(試験集団および割り当て)
米国全体に点在する47試験センターにおいて、合計682名の患者を、91日間サイクル延長型OC、または、Nordette(登録商標)による従来型処方のどちらかにランダムに割り当てた。これらの投薬グループにおける患者の人口統計学的特性を表2に示す。この二つの試験グループは、人種分布、平均年齢、体重、ボディマス指数、喫煙状態、およびOC服用の既往においてほぼ同等であった。試験対象となる患者の60%を超えるものが、OCの連続的服用者であったが、登録時点ではOCを服用していなかった(「既往服用者」)。患者の内の10%未満がOC服用の既往を持たなかった(「新規服用者」)。
【0179】
全体をまとめると、サイクル延長型処方患者の59.4%(271/456)、従来型処方患者の71.2%(161/226)が、1年間の投薬試験を完了した。途中中絶に関してもっとも頻繁に見られた理由は、副作用、患者個人の決断、および「追跡不能」であった。試験中断の理由として挙げられた副作用の内もっとも頻繁に見られたものは、出血、体重増加、気分変動、およびアクネであった。副作用として挙げられるか、患者個人の決断理由として挙げられるかとは無関係に、「受け容れがたい出血」による中断は、サイクル延長型処方患者の7.7%、従来型処方患者の1.8%を占めていた。サイクル延長型処方患者では、受け容れがたい出血による中断の割合は、26週目以後(すなわち、2回の延長サイクル後)は相当減少した。
【0180】
【表2】

(順守性)
順守性については二様の測定値が得られた。これらの測定値は、患者が、自分のOCピルを毎日服用したか否かに関する、患者の日記データを鑑定することによって評価した。延長型サイクルまたは従来型サイクルにおけるピル服用順守性は、患者がピル服用を連続2日忘失したかどうかを観察することによって判断し、もしそのような忘失があったならば、その患者は、そのサイクルに対しては不服従と判断された。全体的な試験順守性は、1年間の試験期間において、患者が、ある任意の1日において指定のピルを服用した日数の合計のパーセントを計数することによって確定した。合計順守性が80%未満の場合、その患者は、パール指数計算から全く排除した。その他の場合、ある特定のサイクルにおいて不服従が認められた場合、パール指数計算からはそのサイクルのみを排除した。生命表計算では、妊娠累積率計算から「不服従」患者を排除するに当たって、全体順守性規準のみを用いた。なぜなら、患者の全体サイクルから個別のサイクルを排除すると、不連続で、断続的に丸められた時間枠が得られるからである。
【0181】
各試験グループにおける服用に対する全体的順守率は、順守と判断されたサイクル延長型処方患者は95.4%と非常に高く、従来型処方では93.4%であった。サイクル延長型処方患者では合計22名(4.8%)が、従来型処方患者では9名(4.0%)が、不服従のために試験から排除された。臨床的に有意なプロコールからの逸脱の数は極小であり、プロトコールからの逸脱が、効力または安全性分析から患者を排除するための理由として使われたことは皆無であった。プロトコールからの逸脱例の多くは、試験登録時の参加/排除基準に関連しており、実際の試験期間においては観察されなかった。
【0182】
(効力)
これら18歳から35歳の患者の内、合計397名(平均年齢26.4歳)がサイクル延長型処方を服用し、合計195名(平均年齢26.2歳)が従来型処方を服用した。試験進行時、7名の患者が妊娠した。すなわち、サイクル延長型処方を服用した456名の内の4名(0.9%)と、従来型処方を服用した226名の内の3名(1.3%)である。日記データから、4名のサイクル延長型処方服用患者の内3名に、また3名の従来型処方服用患者の内1名に、受胎推定日近辺において他のバースコントロール法の使用および/または試験投薬に対する不服従が示された。このようにして、サイクル延長型処方に関連して報告された妊娠の内1例が、従来型処方に関連する2例が、方法不備と判断された。方法不備に基づくパール指数計算値は、91日のサイクル延長型OCでは0.60、Nordette(登録商標)では1.78であった。服用順守患者における生命表ポイント推定値は、91日サイクル延長型OCでは100名の女性当たり0.55であったが、Nordette(登録商標)では100名の女性当たり1.45であった。この計算では、体重>90kgは関与因子とはならなかった。なぜなら、体重90kgを超える患者で妊娠したものはいなかったからである。
【0183】
(サイクル調節)
(出血日の合計数)
試験に登録した全患者(ITT集団)における、申告された出血および/または血液染みの見られた全観察日数(可能な364日の内)の中央値は、サイクル延長型処方35、対、従来型処方53であった。サイクル延長型処方を服用した患者では、全日数の半分以上は血液染みによるものであった。出血のみの日数の報告は、従来型処方の方に多く、従来型処方(中央値12.2%)対サイクル延長型処方(中央値5.7%)であった。
【0184】
(予定通りの消退出血)
91日サイクル延長型投薬と、28日の従来型処方の間には処置サイクル数(4対13)と年間のホルモン無し日数(28対91)に違いがあるために、サイクル延長型処方を服用する患者は、従来型処方を服用する患者よりも、予定される(消退)出血/染みの合計日数が少ない。サイクル当たりの数で見てみると、消退出血日数の中央値は、二つの投薬グループでほぼ同じであった。消退出血の可能な合計日数(サイクル延長型処方では28日、従来型処方では91日)のパーセントで表すと、予定された消退出血および/または染み、および出血のみの日数のパーセントの中央値は、二つの投薬グループでほぼ同じであった。
【0185】
(予定外(非生理的)出血)
全てのOC製剤の場合と同様、サイクル延長型処方を服用した患者は、種々の程度の破綻出血(BTB)を申告した。各延長サイクルの実際の処置期間は、各従来サイクルの実際の処置期間の長さの4倍である(84日対21日)。サイクル延長型処方服用グループ内部では、サイクルが順次進む毎に、BTB日数は、1サイクル目の中央値12日から4サイクル目の中央値4日へと次第に数が少なくなる(図1)。BTBの開始も、延長サイクルが順次進む毎に遅くなり、かつ、各延長サイクルが順次進む毎に持続期間も短くなった。各サイクルにおける予定外の出血のみの日数の中央値同様、各サイクルにおける予定外出血を申告する患者のパーセンテージも、図2に示すように試験期間を通じて低下した。
【0186】
サイクル延長型処方服用患者は、最初は、従来型処方の投薬を受けた患者よりも、破綻出血および/または染み、および出血のみの事例をやや多く申告した。最後の延長サイクル(4サイクル目)までには、破綻出血は、二つの投薬グループにおいてほぼ等しくなった。予定外出血または染みが申告される可能性のある日数の合計数(実際の治療日数:サイクル延長型処方では336日、従来型処方では273日)の内、サイクル延長型処方では3.6%日の中央値、従来型処方では2.9%日の中央値が、予定外出血の日記記事で確かめられた。
【0187】
両処置グループの患者の大多数は、サイクル当たりの予定外出血日数は5日以下と申告した。試験の終了までには(4サイクル目)、サイクル延長型処方患者の内の41.5%は予定外出血を申告せず、80%は5日以下であった。さらに高い予定外出血日数(≧6)を申告した患者のパーセンテージも、処置サイクルが順次進む毎に減少した。
【0188】
(安全性)
副作用(AE)の発生率は、これらの処置グループの間でほぼ同じであった。もっとも高い発生率を持つと報告されたAEは、副鼻腔および気道感染に関連するもの(患者によって通常、風邪またはインフルエンザ症状と報告される)、頭痛、および「予期せぬ」または「予定外」出血であった。頭痛の発生率は、サイクル延長型処方患者の方が、従来型処方患者よりも低かった(21%対28%)。一方、出血報告事象では、従来型処方患者よりも、サイクル延長型処方患者の方により高い発生率が観察された(12%対3%)。なお、副作用と報告された「出血」と、電子日記で申告された「出血」と、試験中絶のために患者が名指した理由として示された「出血」との間には何の相関も無かった。試験の末期における、臨床検査平均値の基礎値からの偏倚は、他のOC治療で報告されているものとほぼ同じであった(「産業界に対するFDA指針。保健担当者と患者双方のための経口避妊薬ラベル表示」、米国保健・人的サービス部、食品医薬品局、薬剤評価・研究センター(CDER)、2000年6月(http://www.fda.gov/cder/guidance/2448dft.pdf))。さらに、サイクル延長型グループでは、従来型処方に比べて、咽頭炎の発生率(22%対30%)および上部気道感染の発生率(URI:6%対10%)の申告がより低かった。尿路感染(UTI)の申告においても、サイクル延長型処方服用患者の方が、従来型サイクルに比べて、患者の比率がより少なかった(4%対6%)。さらに、サイクル延長型処方患者では、1回以上のうつ病発作を申告したのは2%であったのに対し、従来型処方服用患者では6%であった。
【0189】
トリグリセリドおよびLDLコレステロールの変化は、両投薬グループの間でほぼ同じであった。その他の臨床検査数値、体重、生命徴候(収縮期および拡張期血圧、心拍数、または体温)、または身体検査結果においても、試験終了時まで基礎値から外れる臨床的に有意味な変化はなかった。子宮内膜肥大またはガンの報告は無かった。
【0190】
(考察/結論)
これは、最高40歳までの女性を対象としたサイクル延長型OC処方に関する、最初の大規模な対照設定試験である。サイクル延長型処方は、既に証明された効力と安全性の経歴を持つ用量レベルで投与されるエチニルエストラジオールとレボノルゲストレルから成る既知の併用投与である。連日服用された場合、この延長型処方OCは妊娠の予防に効果的である。サイクル延長型処方と従来型処方の副作用プロフィールは同等であり、他の経口避妊薬とものとほぼ同じであった(「産業界に対するFDA指針。保健担当者と患者双方のための経口避妊薬ラベル表示」、米国保健・人的サービス部、食品医薬品局、薬剤評価・研究センター(CDER)、2000年6月(http://www.fda.gov/cder/guidance/2448dft.pdf))。この試験で利用された電子日記により、ピル服用順守性に関する日々の「スナップショット」が得られ、従来公表されたどの報告書よりも詳細なサイクル調節が実現された。
【0191】
ピル服用における不服従は、一つのパッケージから次のパッケージへの移行期において特に厄介であり、これは、従来型の投薬の場合1年に13回起こる(Adams,H.P.J.,「Oral contraception noncompliance:The extent of the problem」Adv.Contracept.8(suppl.1):13−20(1992))。サイクル延長型処方を用いた場合、パックからパックへの移行数は、年当たり4回に減少する。これは順守の改善につながる可能性がある。本試験では、二つの投薬処方における順守度は極めて高かったが、これは、一部は、電子日記の使用を通じて配送された、ピル服用に関する連日の記憶喚起のせいであろう。
【0192】
OCは全て、実際のピル相において、予定外の破綻出血を伴う(「産業界に対するFDA指針。保健担当者と患者双方のための経口避妊薬ラベル表示」、米国保健・人的サービス部、食品医薬品局、薬剤評価・研究センター(CDER)、2000年6月(http://www.fda.gov/cder/guidance/2448dft.pdf)を参照)。また、破綻出血は、OCを続けて使用していると減少することはよく知られている。OCの連続サイクルと共に予定外出血の発生率が減少するというこのパターンは、本試験でも繰り返された。予定外出血および/または血液染み出現日数の中央値を始め、予定外出血および/または染みを申告する患者のパーセントも、両投与グループにおいて試験の進行を通じて減少した。予定外出血の発生頻度は、試験の早期ではサイクル延長型処方を服用した患者の方がより高かったが、各処置サイクルが順次進む毎に減少した。試験の終了時には、サイクル延長型処方グループにおいて申告された予定外出血の発生頻度の中央値は、1ヶ月当たりの患者数で見てみると、従来型処方グループで申告されたものと同等であった。
【0193】
臨床治験および調査では、OC中絶のもっとも高頻度の理由の一つは出血の不規則性であると言われている(Rosenberg,M.J.,and Waugh,M.S.,「Oral contraceptive discontinuation: a prospecive evaluation of frequency and reasons」Am.J.Obstet.Gynecol.179:577−82(1998); WHO Task Force on Oral Contraceptives,「A randomized double−blind study of six combined oral contraceptives」Contraception 25:231−41(1982))。注目すべきことに、サイクル延長型処方を服用し、本試験を完了した患者における予定外出血は、ITT集団で観察されたものと同じであった。本試験において、サイクル延長型処方患者の7.7%が、受け容れがたい出血を試験中絶の理由として挙げた。同様に、前記理由で試験を中絶した患者によって申告された予定外出血の発生頻度は、最終的に試験を完了した女性によって申告されたものとほぼ同じであったことも注目に値する。出血の重度に関する認識、および予定外出血に対する許容度は、個人的な性向であるように思われた。事実、患者の大多数は、サイクル延長型OC処方に対する彼等の総合的満足度を、「良い」から「極めて良い」と評価し、試験終了後は、以後は月経周期の少ない方を選ぶと明言した。
【0194】
本試験は、サイクル延長型OCは、効果的で、安全で、十分に許容されることを証明した。このサイクル延長型処方は、女性に対し、消退出血期間の数を年当たり13回から4回へ減少させる選択肢を取ることを可能とする、OC服用における範型の変化を表すものである。
【0195】
以上本発明を十分に説明したのであるから、従来技術において通常の錬度を有する当業者であれば、同様のことが、本発明またはその実施態様の範囲を侵すことなく、広範で、かつ等価的範囲の条件、組成、およびその他のパラメータの中において実行が可能であることが理解されよう。
【0196】
本明細書に引用した全ての文書、例えば、科学的出版物、特許、特許出願、および特許公報は、あたかも各個別の文書の全体が、引用することにより特異的・個別的に本明細書に含まれるものとするのと同程度に、引用することによりその全体を本明細書に含める。引用された文書が、その文書の第1ページ目しか示されていない場合でも、その文書の残余のページを含めた全文書の包含が意図される。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は、実施例1に記述される臨床試験において、91日サイクル延長型処方を服用した患者の、サイクル毎の破綻出血/血液染み日数の中央値を示す。
【図2】図2は、実施例1に記述される臨床試験において、91日サイクル延長型処方を服用した患者について、出血を申告した患者数の、試験日毎のパーセントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破綻出血の軽減の必要な女性の破綻出血を軽減する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間に投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
治療の必要な女性の月経時の出血障害を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項7】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
治療の必要な女性の卵巣嚢胞、子宮平滑筋腫(線維腫)、または多嚢胞性卵巣症候群に関連する症状を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項13】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性に対しエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
治療の必要な女性の多毛症を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項19】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
治療の必要な女性の排卵時下腹部症を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項26】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
治療の必要な女性のアクネを治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項32】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
卵巣癌の危険度の低減の必要な女性の卵巣ガンの危険度を低減する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間単相的に投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項39】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
治療の必要な女性の良性の乳房疾患を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項46】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが少なくとも連続84日間投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項45の方法。
【請求項52】
結腸直腸癌の危険度の低減の必要な女性の結腸直腸癌の危険度を低減する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項53】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性に対しエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
治療の必要な女性の感染症を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項60】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記感染症が骨盤腹膜炎である、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記感染症が性感染症である、請求項59に記載の方法。
【請求項68】
治療の必要な女性の顎関節障害を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項69】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
治療の必要な女性の月経異常症状を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
該月経異常症状は、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、または糖尿病と関連する、方法。
【請求項76】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが少なくとも連続84日間投与される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
治療の必要な女性の無月経関連頭痛を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項82】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
治療の必要な女性の無月経関連悪心を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項89】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項88に記載の方法。
【請求項94】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
治療の必要な女性の無月経関連抑うつ症を治療する方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項96】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項95に記載の方法。
【請求項101】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項95に記載の方法。
【請求項102】
避妊を必要とする高体重の女性において避妊効果を高める方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項103】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項102に記載の方法。
【請求項108】
治療の必要な女性の閉経周辺期症状を治療する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項109】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記閉経周辺期症状が、顔面潮紅、膣の乾燥、および骨粗しょう症からなる群より選択される、請求項108に記載の方法。
【請求項113】
治療の必要な女性のエストロゲン低下症を治療する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項114】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが少なくとも連続84日間投与される、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項113に記載の方法。
【請求項118】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項113に記載の方法。
【請求項119】
治療の必要な女性の閉経期障害を治療する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項120】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
閉経期の女性の閉経期エストロゲン低下に由来する状態を治療するための方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項124】
前記状態は、骨粗しょう症骨折、または骨塩量の減少の危険度の増大である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
骨密度の維持または骨密度の減少の阻止を必要とする女性の骨密度を維持するか、または骨密度の減少を阻止する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項129】
ビタミンDまたはカルシウムが、エストロゲンとプロゲスチンとの組み合わせと組み合わせて投与される、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項128に記載の方法。
【請求項131】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項128に記載の方法。
【請求項134】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項128に記載の方法。
【請求項135】
前記女性は、約12歳から約16歳である、請求項128に記載の方法。
【請求項136】
ホルモン置換療法を必要とする女性を治療する方法であって、該方法は、該女性に、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続60日間から110日間の期間投与し、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する方法であって、
ここで、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、方法。
【請求項137】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項136に記載の方法。
【請求項141】
前記女性は、閉経期の女性である、請求項136に記載の方法。
【請求項142】
受胎能を高める必要のある女性の受胎能を高める方法であって、該方法は、該女性にエストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを連続50日間を超える期間投与し、投与後、該女性に排卵誘発剤を投与する工程を包含し、ここで、エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約5μgから約50μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.01mgから約1.5mgに相当する、方法。
【請求項143】
前記エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、連続60日間から110日間の期間投与され、投与後、連続2日間から10日間のホルモン無しの期間を置き、該ホルモン無しの期間の間、該女性にエストロゲンもプロゲスチンも投与されない、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記ホルモン無しの期間は、ホルモン無添加プラセボを投与する工程によって達成される、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせが、少なくとも連続84日間投与される、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
エストロゲンの1日当たりの量は、エチニルエストラジオールの約10μgから約30μgに相当し、プロゲスチンの1日当たりの量は、レボノルゲストレルの約0.05mgから約0.20mgに相当する、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記排卵誘発剤は、メノトロピンおよびクロミフェンクエン酸からなる群より選択される、請求項142に記載の方法。
【請求項148】
前記女性は、閉経周辺期の女性である、請求項142に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−525358(P2006−525358A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514213(P2006−514213)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/013589
【国際公開番号】WO2004/098517
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505409340)ドゥラメド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】