開口型スロットPIFAアンテナ及び調整方法
開口型スロットPIFAアンテナにおいて1/4及び/又は3/4波長共振周波数を独立して変更する方法であって、開口型スロットPIFAアンテナは、アンテナ給電装置(109、110)及びアンテナ接地を備え、前記アンテナ接地は、アンテナ短絡端に関連し、また、アンテナ開路端(108)に関連する開放端を有する開口スロットを備え、前記アンテナ接地及びスロット(104)は、前記アンテナ開路端及び短絡端の間と前記スロットの周辺部の電流密度の使用可能なバリエーションと、前記アンテナ開路端及び短絡端の間と前記開口スロットの周辺部の使用可能な平均電流路長とを提供するように互いに構成され、前記平均電流路長は、前記開口型スロットPIFAアンテナに対する1/4及び3/4波長共振周波数を決定し、前記方法は、変更前の開口型スロットPIFAアンテナの周辺部の電流密度の使用可能なバリエーションを決定するステップと、比較的電流密度の高い領域における前記変更前の開口スロットの周辺部の前記平均電流路長を変更するステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の周波数での3/4波長共振モード及び第2の周波数での3/4波長共振モードを有する開口型スロットPIFAアンテナ、及び1/4波長及び3/4波長共振周波数の独立した制御を保持しながら、1/4波長と3/4波長共振周波数との間の周波数比を調整する方法に関する。前記方法は、通常1:3の比率から変化する共振周波数を有することができる1/4及び3/4波長共振モードを備えた開口型スロットPIFAアンテナの設計/製造に用いることができる。本発明はまた、マルチバンドアンテナにも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界を通して携帯電話システムを共通化させようとする動向がある。例えば、ユーザーがある国で使用している携帯電話を別の国でも使用できるGSM900システムを取り入れている国が多い。しかし、この共通化はまだ完成されていない。例えば、周波数域の利用可能性から、GSM900と類似であるがGSMの場合の900MHzではなく約1800MHzの帯域で作動するDCS1800が導入されている。加えて、国内の周波数域管理当局が、必ずしも公衆陸上モバイルネットワークサービスに同じ帯域を割り当てるというわけではない。例えばアメリカ合衆国では、DCS1800に類似したシステム(PCS1900)を1900MHzの帯域で使用している。さらに、新システムの導入に伴い旧システムが段階的に廃止される移行期間中には、非互換性という問題が生じる。
【0003】
従って、複数の周波数で動作できる携帯電話用アンテナを提供する必要がある。
【発明の開示】
【0004】
及び本発明は、特許請求の範囲に従う方法及びアンテナを提供する。また本発明は、具体的な実施態様を参照しながら説明される方法及びアンテナを提供する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0005】
以下、本発明の実施態様を添付図面を参照して例示説明する。
【0006】
図1に示される公知技術である従来技術の1/4波長共振スロットPIFAアンテナ1は、無線通信装置の主プリント基板(PCB)3に実装された(実装は図示せず)基材2上に配置される。アンテナ1及び基材2は、概して長方形であり、より大きな長方形の主プリント基板3の主表面3aの上に平行に載置される。このようなアンテナは、その形状(全体的な大きさ/形状、スロットの大きさ/形状/位置)によって1/4波長共振周波数(例えば、980MHz)及び3/4波長共振周波数(例えば、2.8GHz)で共振するように構成される。本文を通じて具体的なアンテナの構成に対して引用した周波数は、説明目的のために示したものであり、必ずしも具体的な構成に対する実際の周波数を反映したものではないと理解されたい。
【0007】
基材2の(下側にあるPCB3に対して)離れた表面5上のアンテナ1は、銅(導電材料)で形成される。さらに、アンテナ1は、導電層5のL字状の領域(4a及び4b)から銅を取り除くことによって画定される逆L字状のスロット4を備える。スロット4は、基材2の右側の約1/3から真直ぐに延在し、第1の遠位末端6まで表面5を横切ってほぼ中間まで延在する第1の区域4aを備える。また、スロット4は、第1の末端部6から表面5の最下縁部の方向へ第2の遠位末端13まで垂直に延在する第2の区域4bを備える(図1及び2)。
【0008】
銅の導電体は、表面5の右側に位置する枝路8を除いて、表面5の上縁に沿って縁辺7から取り除かれており、基材2の上縁まで延在する(図1及び2)。枝路8は、固定短絡回路(最小電界位置)を画定するために電気的に接地される。
【0009】
アンテナの給電路9及び10は、基材2の裏面(表面5に対して)に配置され、この裏面はPCB3の主表面3aに面する。この給電路は、同軸ケーブル9と、基材2の右側の周縁部に沿って配置される導電性ストリップ10(図2に破線で示す)とを備える。給電路9及び10は、導電性パスを表面5に形成せず、当業者には間接給電装置として認識されるであろう。図2に示すように、導電性ストリップ10は、上述の縁辺7の周縁部に始まり、スロットPIFAアンテナ1の電気的に開かれた回路と重なるまで延在し、基材2の右側の周縁部のほぼ中間まで延びる。この位置はまた、最大電界位置11として公知である。
【0010】
アンテナ1の表面5は、第1の周波数(図3及び4)で1/4波長共振要素として作用する。このアンテナ1はまた、第1の周波数(図5及び6)の約3倍となる、3/4波長共振要素で作用する、第2の周波数で共振する。公知技術である1/4波長共振PIFAアンテナは、例えば1/4、3/4等、1/4波長の奇数の整数倍である周波数で共振するという点に留意されたい。アンテナ1は、導電層5の遠位末端12が枝路8に近接する場合に生じうるアンテナのカップリング効果により、1/4波長の正確な整数倍ではない共振周波数を有する場合もある。しかし、このようなカップリング効果は、全ての共振周波数に同時に(様々な程度で)適用される。
【0011】
以下、従来技術アンテナ1の周辺の電流密度を、1/4及び3/4波長共振周波数での例を用いて説明する。明確かつ簡潔にするために電流密度を別々に扱うが、図3乃至5に示されるアンテナ1の電流密度は、アンテナ1が1/4及び3/4波長共振周波数によって励起される場合に同時に生じうると、当業者に理解されるであろう。
【0012】
図2のアンテナ1の1/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図3に示す。電流フローは、実質的にスロット4の周辺部にあり、アンテナ1の最大電界位置11から岐路8(最小電界位置)と重なるアンテナの短絡端へ時計回りに流れる。電流密度は、電気的に接地された岐路8(最小電界箇所)のアンテナ1の短絡端で最大になる。また、電流密度は、基材2の右側のほぼ中間の最大電界箇所11と重なるアンテナ1の開路端で最小になる。各最大及び最小電流密度は1つだけ生じる。スロット4周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定する。この場合、結果として生じる1/4波長共振周波数は、図4に示すように980MHzである。
【0013】
図2のアンテナ1の構造体周辺の3波長共振周波数での電流フローを図5に示す。電流フローは、実質的にスロット4の周辺部に位置し、アンテナ1の最大電界位置11から岐路8(最小電界位置)と重なるアンテナの短絡端へ時計回りに流れる。しかしこの場合、各最大及び最小電流密度が2つ生じる。電流密度の第1の最大箇所15は、電気的に接地された枝路8と重なるアンテナ1の短絡端で生ずる。電流密度の第2の最大箇所16は、第1の最大箇所15からスロット4の周囲で反時計回り方向に電気的に1/2波長離れ、区域4bの最下縁部へ向かう箇所と重なる箇所で生じる。電流密度の第1の最小箇所は、第1の最大箇所15からスロット4の周囲で反時計回り方向に電気的に1/4波長離れ、区域4bの左側のほぼ中間の箇所と重なる箇所で生じる。電流密度の第2の最小箇所18は、基材2の右側のほぼ中間の箇所と重なり、最大電界箇所11と重なるアンテナの開路端で生じる。スロット4周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定する。
【0014】
結果として生じる3/4波長共振周波数は、図6に示すように2,800MHzである。上述のように、この場合、従来技術のスロットPIFAアンテナ1(980MHz及び2,800MHz)の1/4及び3/4波長共振周波数は、正確に1:3の比率ではない。すでに示したように、これは、枝路8に近接する表面5の遠位末端12間のカップリング効果によるものである。
【0015】
以下、本発明の3つの実施態様を実現するために、本発明のアンテナを、スロット4周辺の電流路長を変えることにより図2のアンテナ1を変更して説明する(図7、12及び17)。いずれの場合においても、図2の従来技術に関して、平均電流路長は、スロット4の周辺部及び形状を変化させることによって変更されている。図1及び2の参照番号1乃至13は、図7、12及び17において、それぞれ101、201、301乃至113、213、313に対応する。
【0016】
図7に示されるアンテナ101は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、第3の区域104cによって実質的にr字状のスロットを形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。第3の区域104cは、第1の区域104aの遠位末端106から基材102の最上周縁部の方へ垂直に延在し、第2の区域104bと同じ垂直の軸に沿う。
【0017】
図7のアンテナ101の構造体周辺の波長共振周波数での電気フローを図8に示す。図3と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット104周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この配置によって950MHzでの1/4波長共振周波数が提供される(図9)。図3と8を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた第3の区域104cによって変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が大きい領域における平均電流路長の変化によるものである(参照:図3及び8の最大電流密度の箇所は、スロット4周辺部の小さな変化によってもほとんど変化していない)。電流密度が大きいスロット4周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が変化することで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化する。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから950MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0018】
図7のアンテナ101の構造体周辺の3/4波長共振周波数での電流フローを図10に示す。図5と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット104周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定する。結果として生じる3/4波長共振周波数は、図11に示すように2,780MHzである。図5と10を比較すると、スロット4に加えられた第3の区域104cによってアンテナ1が変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が小さい領域における平均電流路長の変化によるものである(参照:図6及び11の最大電流密度の箇所はほとんど変化していない)。図6と11を比較すると、電流密度が小さいスロット4周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が変化することで、アンテナ101の3/4波長共振周波数が緩やかに変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,780MHzに変化させている。同様に、電流密度が小さいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0019】
要約すると、スロット104cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ101の1/4波長共振周波数が変化し、3/4波長共振周波数に対する影響は最小になる。
【0020】
第2の実施態様を図12に示す。アンテナ201は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、追加的な区域204dによって実質的にC字状のスロットを形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。追加的な区域204dは、区域204bの遠位末端213に直角に加えられ、基材102の右側の周縁部の方へ延在する。図13は、1/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを示す。図3と同様に、対応する機能については適切に参照番号が付してある。スロット204周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この場合、970MHzである(図14)。
【0021】
図3と13を比較すると、スロット4に加えられた区域204cによってアンテナ1が変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が小さい領域における平均電流路長の変化によるものである。図4と14を比較すると、電流密度が小さいスロット204周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が変化することで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから970MHzに変化させている。同様に、電流密度が小さいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が短くなることで、1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0022】
図12のアンテナ201の3/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図15に示す。図5と同様に、対応する機能については適切に参照番号が付してある。スロット204周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定し、この場合、2,700MHzである(図16)。
【0023】
図5と15を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域204dによって変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が大きい領域における平均電流路長の変化によるものである。図6と16を参照すると、電流密度が大きいスロット204の周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が変化することで、アンテナ201の3/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,700MHzに変化させている。また、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0024】
図3乃至16を参照して要約すると、スロット204dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ201の3/4波長共振周波数が変化し、1/4波長共振周波数に対する影響は最小になるということを理解されたい。
【0025】
第3の実施態様を図17に示す。アンテナ301は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、追加的な第3の区域304c及び第4の区域304dによって実質的にt字状のスロット304を形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。第3の区域304cは、第1の区域304aの遠位末端306から基材302の最上周縁部の方へ直角に延在し、第2の区域304bと同じ垂直の軸に沿う。第4の区域304dは、区域304bの遠位末端313に直角に加えられ、基材302の右側の周縁部の方へ延在する。
【0026】
図17のアンテナ301の3/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図18に示す。図3と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット304周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この場合、940MHzである(図19)。
【0027】
図3と18を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域304c及び304dによって変更されていることがわかる。また、図4と19を比較すると、スロット304周辺部を変化させることによって、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから940MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0028】
図17のアンテナ301の構造体周辺の3/4波長共振周波数での電流フローを図20に示す。図5と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット304周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定し、この場合、2,680MHzである(図21)。
【0029】
図5と20を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域304c及び304dによって変更されていることがわかる。図6と21を比較すると、スロット304周辺部を変化させること、及びそれによって平均電流路長が変化することで、アンテナ301の3/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,680MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0030】
要約すると、スロット304cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の1/4波長共振周波数の変化に実質的な影響がある一方で、スロット304cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化には最小の影響しかないということを理解されたい。さらに、スロット304dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化に影響がある一方で、スロット304dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化には最小の影響しかないということも理解されたい。区域304c又は304dを加えることによって、1/4波長又は3/4波長共振周波数を独立して制御する効果があるが、他の3/4波長又は1/4波長共振周波数は実質的に固定されると理解されたい。また、1/4及び3/4波長共振周波数の変化の割合は、スロット4の形状(全体的な大きさ/形状、スロットの大きさ/形状/位置)が変化する程度によって、及びその形状がスロット4周辺の1/4及び3/4波長の最大電流密度に関して変化する箇所によって決定されるということも理解されたい。
【0031】
図7、12及び17に記載されている実施態様は、それぞれ間接給電構造体、109、110、209、210及び309、310の使用をそれぞれ示す。直接給電装置(図17a)は、間接給電装置に優先して用いることができる。いずれの給電構造の使用によっても、記載された本発明の機能は変化しない。
【0032】
アンテナ351(図17a)は、間接給電構造体309及び310を直接給電構造体359及び360で置き換えたことを除いて、アンテナ301(図17)と同じである。図17の301乃至308及び311乃至314の機能は、図17aの351乃至358及び361乃至364に対応している。直接給電装置は、接地枝路358の右側に隣接する導電性枝路359を備える。この導電性枝路は、枝路358と同様の寸法を有し、表面355に電気的に接続される。代替的装置(図示せず)において、接地枝路358及び導電性枝路359は互いに入れ替えるか、又は互いに関連する位置を調整してもよい。同軸ケーブル360は、一端が帯電性ストリップ359に接続され、他端は無線回路(図示せず)に接続される。
【0033】
本発明では、スロットの形状は図7、12及び17にそれぞれ示される104、204及び304に限定されない。図22乃至26は、代替のスロットの形状404乃至804を示す。図22乃至26に示される各アンテナ401乃至801は、それぞれ表面405、505、605、705及び805の頂縁部に沿って短絡した枝路(図示せず)及びその表面の右側の周縁部に図2の9及び10で示されたものと同様な間接給電(図示せず)を有する。
【0034】
スロット404は、スロット区域404a及び404bを備えるT字状のスロットである。また、基材402の表面405を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部404aを有する(図22)。第2のスロット404bは、スロット404aの中間から垂直に下方向へ延在する。
【0035】
スロット504は、スロット区域504a、504b及び504cを備えるI字状のスロットである。また、基材502の表面505を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部504aを有する(図23)。第2のスロット504bは、スロット504aの中間から垂直に下方向へ延在する。第3のスロット504cは、スロット504aに並列であり、その長さ方向の中間でスロット504bに接続される。スロット504cは、スロット504aよりも短い。
【0036】
スロット604は、スロット区域604a及び604bを備える、実質的にL字状のスロットである。また、スロット604は、基材602の表面605を水平方向に横切って遠位末端606まで延在する開口スロット604aを有する(図24)。第2のスロット604bは、スロット604aの遠位末端606から垂直に下方向へ遠位末端613まで延在する。スロット604bは、遠位末端613の周辺部が半円形であることを除いて実質的に長方形である。
【0037】
スロット704は、スロット区域704a及び704bを備える、実質的にy字状のスロットである。また、開口スロット704aは、基材705の右上周縁部から基材705の左下周縁部に向かって斜めに延在する(図25)。第2のスロット704bは、スロット704aのほぼ中間から垂直に上方向に延在する。
【0038】
スロット804は、スロット区域804a及び804bを備える、実質的にT字状のスロットである。また、基材802の表面805を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部804aを有する(図24)。第2のスロット804bは、スロット804aの中間から垂直に下方向へ延在する。また、第2のスロット804bは、スロット804bの遠位末端を波型にすることによって生じる不均一な幅を有する遠位末端813で成端される。
【0039】
スロット404(図22)は、図2のアンテナ1と比較した場合の区域404aa(クロスハッチで示された区域)を加えることによるアンテナ401の1/4波長共振周波数の調整方法を示す。スロット704(図25)は、従来技術のスロットPIFAアンテナ(図示せず)と比較した場合の区域704b(クロスハッチで示された区域)を加えることによるアンテナ701の1/4波長共振周波数の調整方法を示す。
【0040】
図23のスロット504aa及び504c、及び図26のスロット804aa及び804bb(クロスハッチで示された区域)は、図2のアンテナ1と比較した場合のそれぞれ1/4波長及び3/4波長共振周波数の他の調整方法を示す。
【0041】
図24のスロット604bb(クロスハッチで示された区域)は、図2のアンテナ1と比較した場合の3/4波長共振周波数の調整方法を示す。
【0042】
代替的な配置において、短絡枝路8を表面405、505、605、705、及び805上の他の位置に移動させることにより、図2のアンテナ1と比較した場合、アンテナ401、501、601、701及び801に示されるスロットの形状が3/4波長共振周波数に異なる影響を与える。例えば、図2に示される短絡枝路8を、図25の表面705の右側周縁部の中間へ移動させて(図示せず)、スロット704bを加えると、1/4波長共振周波数には最小の影響しかないが、3/4波長共振周波数を変化させることになる。
【0043】
本発明は、1/4波長及び3/4波長共振周波数の独立した制御を保持しながら、1/4波長と3/4波長共振周波数との間の周波数比を調整する方法を提供する。例えばマルチバンド携帯電話機のような2つ以上の共振周波数が所要であるアプリケーションにおいて、本発明による2つの共振スロットPIFA平面要素を使用することによって、1/4及び3/4波長での最大4つの共振周波数を提供することになる。以下、最大4つの共振周波数を備えたマルチバンドアンテナを示す、本発明の更なる一実施態様を説明する。
【0044】
図27のアンテナ1001は、無線通信装置のPCB1003に実装された(実装は図示せず)基材1002上に配置された2つのスロットPIFAアンテナ1001a及び1001bを備える。アンテナ1001及び基材1002は、概して長方形であり、より大きな長方形の主プリント基板1003の主表面1003aの上に平行に載置される。
【0045】
第1のスロットPIFAアンテナ1001aは、図7のアンテナ101と同じであり、アンテナの参照番号103乃至113は、参照番号1003乃至1013に対応する。第2のスロットPIFAアンテナ1001bは、図12におけるアンテナ201の垂直の軸線に対する鏡像と同じである。アンテナの参照番号203乃至213は、参照番号1103乃至1113に対応する。アンテナ1001aの基材1002a及びアンテナ1001bの基材1002bは、それぞれ非導電性ストリップ1019(図27及び28)を介して接続され、単一の基材1002を形成する。スロット1004及び1104の開放端は、非導電性ストリップ1019に開口され、互いに向かい合う。破線で示されるアンテナ給電路回路1009、1010及び1109、1110(図28)は、無線回路とアンテナ1001a及び1001bとの間のインピーダンスの整合を提供するために整合回路(図示せず)を用いて結合することが可能である。代わりに、給電路を独立させたまま、例えばスイッチ(図示せず)等の好適な無線回路に直接給電することも有効である。
【0046】
更なる実施態様において、基材1002a及び1002bは、アンテナ1001a及び1001bが独立した構造体(図示せず)として存在するように非導電性ストリップ1019によって接続する必要がないということを理解されたい。他の実施例において、スロットの開放端は、互いに向かい合う必要はないが、互いにオフセットされうる(図示せず)というこを理解されたい。
【0047】
図29に示すように、アンテナ1001は、950MHz(1001a)及び970MHz(1001b)で1/4波長共振周波数を有し、2,700MHz(1001b)及び2,780MHz(1001a)で3/4波長共振周波数を有する。アンテナ1001a及び1001bの1/4波長共振周波数は、それらが部分的に重なり合って、960MHzに中心がある単一のより広域の帯域幅の共振周波数を形成するように十分に接近している(図29)。アンテナ1001は、従って、3つの相異なる共振周波数を有する。スロット1004及び1104の構成を変化させることによって、アンテナ1001は、部分的に重なり合う1/4波長及び3/4波長共振周波数のどちらも有し、2つのより広域の帯域幅の共振周波数(図示せず)を形成しうる(この場合、1001a及び1001bの構成は実質的に同じである)ということを理解されたい。また、スロット1004及び1104の構成を変化させることによって、アンテナ1001は、共振周波数の部分的な重なり合いを有さず、従って、4つの異なる共振周波数(図示せず)を有しうる(この場合、1001a及び1001bの構成は実質的に異なる)ということを理解されたい。
【0048】
更なる実施態様において、アンテナ1201は、給電路構造体1009、1010及び1109、1110を取り除き、単一の給電路構造体1209及び1210と置き換えたことを除いて、図27のアンテナ1001と同じである。
参照番号1001乃至1019及び1102乃至1119は、参照番号1201乃至1219及び1302乃至1319に対応する。アンテナ1201は、アンテナ1201aと1201bとの中間に配置され、非導電性ストリップ1219の真下に位置する単一の給電路1209及び1210を有する。
【0049】
示された各場合において、開口スロットは、開放端を除外した内角の合計が540度にならないように決定された多角形を形成する。
【0050】
上述の好適な実施態様に対して多数の変更を行うことが可能であるということを理解されたい。例えば、帯域幅は減じてより良好な整合特性を与えるためにアンテナを対称にすることができる。さらに、複数の実施態様を組み合わせることが可能であるということも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】間接給電(図示せず)によるスロットPIFAアンテナとして公知技術である従来技術の斜視図である。
【図2】間接給電を示す、図1の平面図である。
【図3】1/4波長共振周波数での図2の従来技術のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図4】図2の従来技術のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図5】3/4波長共振周波数での図2の従来技術アンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図6】図2の従来技術アンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図7】本発明によるアンテナの第1の実施態様の図である。
【図8】1/4波長共振周波数での図7のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図9】図7のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図10】3/4波長共振周波数での図7のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図11】図7のアンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図12】本発明によるアンテナの第2の実施態様の図である。
【図13】1/4波長共振周波数での図12のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図14】図12のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図15】3/4波長共振周波数での図12のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図16】図12のアンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図17】本発明によるアンテナの第3の実施態様の図である。
【図17a】直接給電によるアンテナの第3の実施態様の図である。
【図18】1/4波長共振周波数での図17のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図19】図17のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図20】3/4波長共振周波数での図17のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図21】図17のアンテナの3/4波長共振周波数を示す線図である。
【図22】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図23】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図24】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図25】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図26】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図27】本発明による2つのスロットPIFAアンテナを備えたマルチバンドアンテナの斜視図である。
【図28】図27のアンテナの平面図である。
【図29】図27のアンテナの1/4波長及び3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図30】単一の給電構造を備えた図27のアンテナの平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の周波数での3/4波長共振モード及び第2の周波数での3/4波長共振モードを有する開口型スロットPIFAアンテナ、及び1/4波長及び3/4波長共振周波数の独立した制御を保持しながら、1/4波長と3/4波長共振周波数との間の周波数比を調整する方法に関する。前記方法は、通常1:3の比率から変化する共振周波数を有することができる1/4及び3/4波長共振モードを備えた開口型スロットPIFAアンテナの設計/製造に用いることができる。本発明はまた、マルチバンドアンテナにも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界を通して携帯電話システムを共通化させようとする動向がある。例えば、ユーザーがある国で使用している携帯電話を別の国でも使用できるGSM900システムを取り入れている国が多い。しかし、この共通化はまだ完成されていない。例えば、周波数域の利用可能性から、GSM900と類似であるがGSMの場合の900MHzではなく約1800MHzの帯域で作動するDCS1800が導入されている。加えて、国内の周波数域管理当局が、必ずしも公衆陸上モバイルネットワークサービスに同じ帯域を割り当てるというわけではない。例えばアメリカ合衆国では、DCS1800に類似したシステム(PCS1900)を1900MHzの帯域で使用している。さらに、新システムの導入に伴い旧システムが段階的に廃止される移行期間中には、非互換性という問題が生じる。
【0003】
従って、複数の周波数で動作できる携帯電話用アンテナを提供する必要がある。
【発明の開示】
【0004】
及び本発明は、特許請求の範囲に従う方法及びアンテナを提供する。また本発明は、具体的な実施態様を参照しながら説明される方法及びアンテナを提供する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0005】
以下、本発明の実施態様を添付図面を参照して例示説明する。
【0006】
図1に示される公知技術である従来技術の1/4波長共振スロットPIFAアンテナ1は、無線通信装置の主プリント基板(PCB)3に実装された(実装は図示せず)基材2上に配置される。アンテナ1及び基材2は、概して長方形であり、より大きな長方形の主プリント基板3の主表面3aの上に平行に載置される。このようなアンテナは、その形状(全体的な大きさ/形状、スロットの大きさ/形状/位置)によって1/4波長共振周波数(例えば、980MHz)及び3/4波長共振周波数(例えば、2.8GHz)で共振するように構成される。本文を通じて具体的なアンテナの構成に対して引用した周波数は、説明目的のために示したものであり、必ずしも具体的な構成に対する実際の周波数を反映したものではないと理解されたい。
【0007】
基材2の(下側にあるPCB3に対して)離れた表面5上のアンテナ1は、銅(導電材料)で形成される。さらに、アンテナ1は、導電層5のL字状の領域(4a及び4b)から銅を取り除くことによって画定される逆L字状のスロット4を備える。スロット4は、基材2の右側の約1/3から真直ぐに延在し、第1の遠位末端6まで表面5を横切ってほぼ中間まで延在する第1の区域4aを備える。また、スロット4は、第1の末端部6から表面5の最下縁部の方向へ第2の遠位末端13まで垂直に延在する第2の区域4bを備える(図1及び2)。
【0008】
銅の導電体は、表面5の右側に位置する枝路8を除いて、表面5の上縁に沿って縁辺7から取り除かれており、基材2の上縁まで延在する(図1及び2)。枝路8は、固定短絡回路(最小電界位置)を画定するために電気的に接地される。
【0009】
アンテナの給電路9及び10は、基材2の裏面(表面5に対して)に配置され、この裏面はPCB3の主表面3aに面する。この給電路は、同軸ケーブル9と、基材2の右側の周縁部に沿って配置される導電性ストリップ10(図2に破線で示す)とを備える。給電路9及び10は、導電性パスを表面5に形成せず、当業者には間接給電装置として認識されるであろう。図2に示すように、導電性ストリップ10は、上述の縁辺7の周縁部に始まり、スロットPIFAアンテナ1の電気的に開かれた回路と重なるまで延在し、基材2の右側の周縁部のほぼ中間まで延びる。この位置はまた、最大電界位置11として公知である。
【0010】
アンテナ1の表面5は、第1の周波数(図3及び4)で1/4波長共振要素として作用する。このアンテナ1はまた、第1の周波数(図5及び6)の約3倍となる、3/4波長共振要素で作用する、第2の周波数で共振する。公知技術である1/4波長共振PIFAアンテナは、例えば1/4、3/4等、1/4波長の奇数の整数倍である周波数で共振するという点に留意されたい。アンテナ1は、導電層5の遠位末端12が枝路8に近接する場合に生じうるアンテナのカップリング効果により、1/4波長の正確な整数倍ではない共振周波数を有する場合もある。しかし、このようなカップリング効果は、全ての共振周波数に同時に(様々な程度で)適用される。
【0011】
以下、従来技術アンテナ1の周辺の電流密度を、1/4及び3/4波長共振周波数での例を用いて説明する。明確かつ簡潔にするために電流密度を別々に扱うが、図3乃至5に示されるアンテナ1の電流密度は、アンテナ1が1/4及び3/4波長共振周波数によって励起される場合に同時に生じうると、当業者に理解されるであろう。
【0012】
図2のアンテナ1の1/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図3に示す。電流フローは、実質的にスロット4の周辺部にあり、アンテナ1の最大電界位置11から岐路8(最小電界位置)と重なるアンテナの短絡端へ時計回りに流れる。電流密度は、電気的に接地された岐路8(最小電界箇所)のアンテナ1の短絡端で最大になる。また、電流密度は、基材2の右側のほぼ中間の最大電界箇所11と重なるアンテナ1の開路端で最小になる。各最大及び最小電流密度は1つだけ生じる。スロット4周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定する。この場合、結果として生じる1/4波長共振周波数は、図4に示すように980MHzである。
【0013】
図2のアンテナ1の構造体周辺の3波長共振周波数での電流フローを図5に示す。電流フローは、実質的にスロット4の周辺部に位置し、アンテナ1の最大電界位置11から岐路8(最小電界位置)と重なるアンテナの短絡端へ時計回りに流れる。しかしこの場合、各最大及び最小電流密度が2つ生じる。電流密度の第1の最大箇所15は、電気的に接地された枝路8と重なるアンテナ1の短絡端で生ずる。電流密度の第2の最大箇所16は、第1の最大箇所15からスロット4の周囲で反時計回り方向に電気的に1/2波長離れ、区域4bの最下縁部へ向かう箇所と重なる箇所で生じる。電流密度の第1の最小箇所は、第1の最大箇所15からスロット4の周囲で反時計回り方向に電気的に1/4波長離れ、区域4bの左側のほぼ中間の箇所と重なる箇所で生じる。電流密度の第2の最小箇所18は、基材2の右側のほぼ中間の箇所と重なり、最大電界箇所11と重なるアンテナの開路端で生じる。スロット4周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定する。
【0014】
結果として生じる3/4波長共振周波数は、図6に示すように2,800MHzである。上述のように、この場合、従来技術のスロットPIFAアンテナ1(980MHz及び2,800MHz)の1/4及び3/4波長共振周波数は、正確に1:3の比率ではない。すでに示したように、これは、枝路8に近接する表面5の遠位末端12間のカップリング効果によるものである。
【0015】
以下、本発明の3つの実施態様を実現するために、本発明のアンテナを、スロット4周辺の電流路長を変えることにより図2のアンテナ1を変更して説明する(図7、12及び17)。いずれの場合においても、図2の従来技術に関して、平均電流路長は、スロット4の周辺部及び形状を変化させることによって変更されている。図1及び2の参照番号1乃至13は、図7、12及び17において、それぞれ101、201、301乃至113、213、313に対応する。
【0016】
図7に示されるアンテナ101は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、第3の区域104cによって実質的にr字状のスロットを形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。第3の区域104cは、第1の区域104aの遠位末端106から基材102の最上周縁部の方へ垂直に延在し、第2の区域104bと同じ垂直の軸に沿う。
【0017】
図7のアンテナ101の構造体周辺の波長共振周波数での電気フローを図8に示す。図3と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット104周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この配置によって950MHzでの1/4波長共振周波数が提供される(図9)。図3と8を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた第3の区域104cによって変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が大きい領域における平均電流路長の変化によるものである(参照:図3及び8の最大電流密度の箇所は、スロット4周辺部の小さな変化によってもほとんど変化していない)。電流密度が大きいスロット4周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が変化することで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化する。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから950MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0018】
図7のアンテナ101の構造体周辺の3/4波長共振周波数での電流フローを図10に示す。図5と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット104周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定する。結果として生じる3/4波長共振周波数は、図11に示すように2,780MHzである。図5と10を比較すると、スロット4に加えられた第3の区域104cによってアンテナ1が変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が小さい領域における平均電流路長の変化によるものである(参照:図6及び11の最大電流密度の箇所はほとんど変化していない)。図6と11を比較すると、電流密度が小さいスロット4周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が変化することで、アンテナ101の3/4波長共振周波数が緩やかに変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,780MHzに変化させている。同様に、電流密度が小さいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0019】
要約すると、スロット104cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ101の1/4波長共振周波数が変化し、3/4波長共振周波数に対する影響は最小になる。
【0020】
第2の実施態様を図12に示す。アンテナ201は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、追加的な区域204dによって実質的にC字状のスロットを形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。追加的な区域204dは、区域204bの遠位末端213に直角に加えられ、基材102の右側の周縁部の方へ延在する。図13は、1/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを示す。図3と同様に、対応する機能については適切に参照番号が付してある。スロット204周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この場合、970MHzである(図14)。
【0021】
図3と13を比較すると、スロット4に加えられた区域204cによってアンテナ1が変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が小さい領域における平均電流路長の変化によるものである。図4と14を比較すると、電流密度が小さいスロット204周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が変化することで、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから970MHzに変化させている。同様に、電流密度が小さいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が小さい平均電流路長が短くなることで、1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0022】
図12のアンテナ201の3/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図15に示す。図5と同様に、対応する機能については適切に参照番号が付してある。スロット204周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定し、この場合、2,700MHzである(図16)。
【0023】
図5と15を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域204dによって変更されていることがわかる。この変更例は、電流密度が大きい領域における平均電流路長の変化によるものである。図6と16を参照すると、電流密度が大きいスロット204の周辺部を変化させること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が変化することで、アンテナ201の3/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,700MHzに変化させている。また、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0024】
図3乃至16を参照して要約すると、スロット204dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ201の3/4波長共振周波数が変化し、1/4波長共振周波数に対する影響は最小になるということを理解されたい。
【0025】
第3の実施態様を図17に示す。アンテナ301は、アンテナ1の逆L字状のスロット4が、追加的な第3の区域304c及び第4の区域304dによって実質的にt字状のスロット304を形成していることを除いて、図1及び2のアンテナ1と同じである。第3の区域304cは、第1の区域304aの遠位末端306から基材302の最上周縁部の方へ直角に延在し、第2の区域304bと同じ垂直の軸に沿う。第4の区域304dは、区域304bの遠位末端313に直角に加えられ、基材302の右側の周縁部の方へ延在する。
【0026】
図17のアンテナ301の3/4波長共振周波数での構造体周辺の電流フローを図18に示す。図3と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット304周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの1/4波長を決定し、この場合、940MHzである(図19)。
【0027】
図3と18を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域304c及び304dによって変更されていることがわかる。また、図4と19を比較すると、スロット304周辺部を変化させることによって、アンテナ1の1/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を980MHzから940MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、1/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0028】
図17のアンテナ301の構造体周辺の3/4波長共振周波数での電流フローを図20に示す。図5と同様に、対応する機能については適宜参照番号が付してある。スロット304周辺の電流が流れる平均流路長は、アンテナの3/4波長を決定し、この場合、2,680MHzである(図21)。
【0029】
図5と20を比較すると、アンテナ1はスロット4に加えられた区域304c及び304dによって変更されていることがわかる。図6と21を比較すると、スロット304周辺部を変化させること、及びそれによって平均電流路長が変化することで、アンテナ301の3/4波長共振周波数が変化することがわかる。発明者らは、電流路を長くすることによって、共振周波数を2,800MHzから2,680MHzに変化させている。同様に、電流密度が大きいスロット周辺部を減じること、及びそれによって電流密度が大きい平均電流路長が短くなることで、3/4波長共振周波数が高くなるということも理解されたい。
【0030】
要約すると、スロット304cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の1/4波長共振周波数の変化に実質的な影響がある一方で、スロット304cをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化には最小の影響しかないということを理解されたい。さらに、スロット304dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化に影響がある一方で、スロット304dをアンテナ1へ加えることによって、アンテナ1の3/4波長共振周波数の変化には最小の影響しかないということも理解されたい。区域304c又は304dを加えることによって、1/4波長又は3/4波長共振周波数を独立して制御する効果があるが、他の3/4波長又は1/4波長共振周波数は実質的に固定されると理解されたい。また、1/4及び3/4波長共振周波数の変化の割合は、スロット4の形状(全体的な大きさ/形状、スロットの大きさ/形状/位置)が変化する程度によって、及びその形状がスロット4周辺の1/4及び3/4波長の最大電流密度に関して変化する箇所によって決定されるということも理解されたい。
【0031】
図7、12及び17に記載されている実施態様は、それぞれ間接給電構造体、109、110、209、210及び309、310の使用をそれぞれ示す。直接給電装置(図17a)は、間接給電装置に優先して用いることができる。いずれの給電構造の使用によっても、記載された本発明の機能は変化しない。
【0032】
アンテナ351(図17a)は、間接給電構造体309及び310を直接給電構造体359及び360で置き換えたことを除いて、アンテナ301(図17)と同じである。図17の301乃至308及び311乃至314の機能は、図17aの351乃至358及び361乃至364に対応している。直接給電装置は、接地枝路358の右側に隣接する導電性枝路359を備える。この導電性枝路は、枝路358と同様の寸法を有し、表面355に電気的に接続される。代替的装置(図示せず)において、接地枝路358及び導電性枝路359は互いに入れ替えるか、又は互いに関連する位置を調整してもよい。同軸ケーブル360は、一端が帯電性ストリップ359に接続され、他端は無線回路(図示せず)に接続される。
【0033】
本発明では、スロットの形状は図7、12及び17にそれぞれ示される104、204及び304に限定されない。図22乃至26は、代替のスロットの形状404乃至804を示す。図22乃至26に示される各アンテナ401乃至801は、それぞれ表面405、505、605、705及び805の頂縁部に沿って短絡した枝路(図示せず)及びその表面の右側の周縁部に図2の9及び10で示されたものと同様な間接給電(図示せず)を有する。
【0034】
スロット404は、スロット区域404a及び404bを備えるT字状のスロットである。また、基材402の表面405を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部404aを有する(図22)。第2のスロット404bは、スロット404aの中間から垂直に下方向へ延在する。
【0035】
スロット504は、スロット区域504a、504b及び504cを備えるI字状のスロットである。また、基材502の表面505を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部504aを有する(図23)。第2のスロット504bは、スロット504aの中間から垂直に下方向へ延在する。第3のスロット504cは、スロット504aに並列であり、その長さ方向の中間でスロット504bに接続される。スロット504cは、スロット504aよりも短い。
【0036】
スロット604は、スロット区域604a及び604bを備える、実質的にL字状のスロットである。また、スロット604は、基材602の表面605を水平方向に横切って遠位末端606まで延在する開口スロット604aを有する(図24)。第2のスロット604bは、スロット604aの遠位末端606から垂直に下方向へ遠位末端613まで延在する。スロット604bは、遠位末端613の周辺部が半円形であることを除いて実質的に長方形である。
【0037】
スロット704は、スロット区域704a及び704bを備える、実質的にy字状のスロットである。また、開口スロット704aは、基材705の右上周縁部から基材705の左下周縁部に向かって斜めに延在する(図25)。第2のスロット704bは、スロット704aのほぼ中間から垂直に上方向に延在する。
【0038】
スロット804は、スロット区域804a及び804bを備える、実質的にT字状のスロットである。また、基材802の表面805を水平方向に横切って延在するオープンエンドの横断部804aを有する(図24)。第2のスロット804bは、スロット804aの中間から垂直に下方向へ延在する。また、第2のスロット804bは、スロット804bの遠位末端を波型にすることによって生じる不均一な幅を有する遠位末端813で成端される。
【0039】
スロット404(図22)は、図2のアンテナ1と比較した場合の区域404aa(クロスハッチで示された区域)を加えることによるアンテナ401の1/4波長共振周波数の調整方法を示す。スロット704(図25)は、従来技術のスロットPIFAアンテナ(図示せず)と比較した場合の区域704b(クロスハッチで示された区域)を加えることによるアンテナ701の1/4波長共振周波数の調整方法を示す。
【0040】
図23のスロット504aa及び504c、及び図26のスロット804aa及び804bb(クロスハッチで示された区域)は、図2のアンテナ1と比較した場合のそれぞれ1/4波長及び3/4波長共振周波数の他の調整方法を示す。
【0041】
図24のスロット604bb(クロスハッチで示された区域)は、図2のアンテナ1と比較した場合の3/4波長共振周波数の調整方法を示す。
【0042】
代替的な配置において、短絡枝路8を表面405、505、605、705、及び805上の他の位置に移動させることにより、図2のアンテナ1と比較した場合、アンテナ401、501、601、701及び801に示されるスロットの形状が3/4波長共振周波数に異なる影響を与える。例えば、図2に示される短絡枝路8を、図25の表面705の右側周縁部の中間へ移動させて(図示せず)、スロット704bを加えると、1/4波長共振周波数には最小の影響しかないが、3/4波長共振周波数を変化させることになる。
【0043】
本発明は、1/4波長及び3/4波長共振周波数の独立した制御を保持しながら、1/4波長と3/4波長共振周波数との間の周波数比を調整する方法を提供する。例えばマルチバンド携帯電話機のような2つ以上の共振周波数が所要であるアプリケーションにおいて、本発明による2つの共振スロットPIFA平面要素を使用することによって、1/4及び3/4波長での最大4つの共振周波数を提供することになる。以下、最大4つの共振周波数を備えたマルチバンドアンテナを示す、本発明の更なる一実施態様を説明する。
【0044】
図27のアンテナ1001は、無線通信装置のPCB1003に実装された(実装は図示せず)基材1002上に配置された2つのスロットPIFAアンテナ1001a及び1001bを備える。アンテナ1001及び基材1002は、概して長方形であり、より大きな長方形の主プリント基板1003の主表面1003aの上に平行に載置される。
【0045】
第1のスロットPIFAアンテナ1001aは、図7のアンテナ101と同じであり、アンテナの参照番号103乃至113は、参照番号1003乃至1013に対応する。第2のスロットPIFAアンテナ1001bは、図12におけるアンテナ201の垂直の軸線に対する鏡像と同じである。アンテナの参照番号203乃至213は、参照番号1103乃至1113に対応する。アンテナ1001aの基材1002a及びアンテナ1001bの基材1002bは、それぞれ非導電性ストリップ1019(図27及び28)を介して接続され、単一の基材1002を形成する。スロット1004及び1104の開放端は、非導電性ストリップ1019に開口され、互いに向かい合う。破線で示されるアンテナ給電路回路1009、1010及び1109、1110(図28)は、無線回路とアンテナ1001a及び1001bとの間のインピーダンスの整合を提供するために整合回路(図示せず)を用いて結合することが可能である。代わりに、給電路を独立させたまま、例えばスイッチ(図示せず)等の好適な無線回路に直接給電することも有効である。
【0046】
更なる実施態様において、基材1002a及び1002bは、アンテナ1001a及び1001bが独立した構造体(図示せず)として存在するように非導電性ストリップ1019によって接続する必要がないということを理解されたい。他の実施例において、スロットの開放端は、互いに向かい合う必要はないが、互いにオフセットされうる(図示せず)というこを理解されたい。
【0047】
図29に示すように、アンテナ1001は、950MHz(1001a)及び970MHz(1001b)で1/4波長共振周波数を有し、2,700MHz(1001b)及び2,780MHz(1001a)で3/4波長共振周波数を有する。アンテナ1001a及び1001bの1/4波長共振周波数は、それらが部分的に重なり合って、960MHzに中心がある単一のより広域の帯域幅の共振周波数を形成するように十分に接近している(図29)。アンテナ1001は、従って、3つの相異なる共振周波数を有する。スロット1004及び1104の構成を変化させることによって、アンテナ1001は、部分的に重なり合う1/4波長及び3/4波長共振周波数のどちらも有し、2つのより広域の帯域幅の共振周波数(図示せず)を形成しうる(この場合、1001a及び1001bの構成は実質的に同じである)ということを理解されたい。また、スロット1004及び1104の構成を変化させることによって、アンテナ1001は、共振周波数の部分的な重なり合いを有さず、従って、4つの異なる共振周波数(図示せず)を有しうる(この場合、1001a及び1001bの構成は実質的に異なる)ということを理解されたい。
【0048】
更なる実施態様において、アンテナ1201は、給電路構造体1009、1010及び1109、1110を取り除き、単一の給電路構造体1209及び1210と置き換えたことを除いて、図27のアンテナ1001と同じである。
参照番号1001乃至1019及び1102乃至1119は、参照番号1201乃至1219及び1302乃至1319に対応する。アンテナ1201は、アンテナ1201aと1201bとの中間に配置され、非導電性ストリップ1219の真下に位置する単一の給電路1209及び1210を有する。
【0049】
示された各場合において、開口スロットは、開放端を除外した内角の合計が540度にならないように決定された多角形を形成する。
【0050】
上述の好適な実施態様に対して多数の変更を行うことが可能であるということを理解されたい。例えば、帯域幅は減じてより良好な整合特性を与えるためにアンテナを対称にすることができる。さらに、複数の実施態様を組み合わせることが可能であるということも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】間接給電(図示せず)によるスロットPIFAアンテナとして公知技術である従来技術の斜視図である。
【図2】間接給電を示す、図1の平面図である。
【図3】1/4波長共振周波数での図2の従来技術のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図4】図2の従来技術のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図5】3/4波長共振周波数での図2の従来技術アンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図6】図2の従来技術アンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図7】本発明によるアンテナの第1の実施態様の図である。
【図8】1/4波長共振周波数での図7のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図9】図7のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図10】3/4波長共振周波数での図7のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図11】図7のアンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図12】本発明によるアンテナの第2の実施態様の図である。
【図13】1/4波長共振周波数での図12のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図14】図12のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図15】3/4波長共振周波数での図12のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図16】図12のアンテナの3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図17】本発明によるアンテナの第3の実施態様の図である。
【図17a】直接給電によるアンテナの第3の実施態様の図である。
【図18】1/4波長共振周波数での図17のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図19】図17のアンテナの1/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図20】3/4波長共振周波数での図17のアンテナ周辺の電流フローの概略図である。
【図21】図17のアンテナの3/4波長共振周波数を示す線図である。
【図22】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図23】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図24】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図25】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図26】本発明によるスロットPIFAアンテナの他のスロットの形態である。
【図27】本発明による2つのスロットPIFAアンテナを備えたマルチバンドアンテナの斜視図である。
【図28】図27のアンテナの平面図である。
【図29】図27のアンテナの1/4波長及び3/4波長共振周波数を示す、反射減衰量対周波数の線図である。
【図30】単一の給電構造を備えた図27のアンテナの平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口型スロットPIFAアンテナにおいて1/4及び/又は3/4波長共振周波数を独立して変更する方法であって、
開口型スロットPIFAアンテナは、アンテナ短絡端に関連するアンテナ接地と、アンテナ開路端に関連する開放端を有する開口スロットとを備え、
前記アンテナ接地及び前記スロットは、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記スロットの周辺部との間の電流密度の使用可能なバリエーションと、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記開口スロットの周辺部との間の使用可能な平均電流路長とを提供するように互いに構成され、前記平均電流路長は、前記開口型スロットPIFAアンテナに対する1/4及び3/4波長共振周波数を決定し、
前記方法は、変更前の開口型スロットPIFAアンテナの周辺部の電流密度の使用可能なバリエーションを決定するステップと、比較的電流密度の高い領域における前記変更前の開口スロットの周辺部の前記平均電流路長を変更するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して増大させた1/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して減少させた1/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成された、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して増大させた3/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して減少させた3/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を増加させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を減少させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を変更することにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を増加させることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を減少させることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電流密度の高い領域に1つ以上の追加的なスロット岐路を提供することにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電流密度の高い領域に1つ以上の追加的なノッチを前記スロット中に与えることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1の方法に基づいて開口型スロットPIFAアンテナを設計する方法。
【請求項15】
請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項16】
前記変更後のスロットPIFAアンテナが、1:3でない比率である1/4及び3/4波長共振周波数を有する、請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項17】
1:3でない比率である1/4及び3/4波長共振周波数の提供において、カップリング効果が幾何学的効果に比べ低い、請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項18】
1/4及び3/4波長共振周波数を有する開口型スロットPIFAアンテナであって、
アンテナ短絡端に関連するアンテナ接地と、アンテナ開路端に関連する開放端を有する開口スロットとを備え、
前記アンテナ接地及び前記スロットは、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記スロットの周辺部との間の電流密度の使用可能なバリエーションと、前記アンテナの開路端及び短絡端と前記開口スロットの周辺部との間の使用可能な平均電流路長とを提供するように互いに構成され、前記平均電流路長は、前記開口型スロットPIFAアンテナに対する1/4及び3/4波長共振周波数を決定し、
前記アンテナのジオメトリーは、前記アンテナの前記1/4及び3/4波長共振周波数が1:3でない比であるようにされ、前記比はカップリング効果に実質的に起因しない、開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項19】
前記アンテナの形状が、スロットの形状を備える、請求項18に記載のアンテナ。
【請求項20】
前記アンテナの形状が、前記スロットの幾何学的な形状、及び前記スロットの前記幾何学的な形状に対する前記アンテナの短絡端及び開路端の相対的な位置である、請求項18に記載のアンテナ。
【請求項21】
請求項18に記載のマルチバンドアンテナ。
【請求項22】
添付の図を参照して前述されたアンテナ。
【請求項23】
添付の図を参照して前述された、開口型スロットPIFAアンテナを独立して変更する方法。
【請求項24】
添付の図を参照して前述された、開口型スロットPIFAアンテナの設計方法。
【請求項1】
開口型スロットPIFAアンテナにおいて1/4及び/又は3/4波長共振周波数を独立して変更する方法であって、
開口型スロットPIFAアンテナは、アンテナ短絡端に関連するアンテナ接地と、アンテナ開路端に関連する開放端を有する開口スロットとを備え、
前記アンテナ接地及び前記スロットは、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記スロットの周辺部との間の電流密度の使用可能なバリエーションと、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記開口スロットの周辺部との間の使用可能な平均電流路長とを提供するように互いに構成され、前記平均電流路長は、前記開口型スロットPIFAアンテナに対する1/4及び3/4波長共振周波数を決定し、
前記方法は、変更前の開口型スロットPIFAアンテナの周辺部の電流密度の使用可能なバリエーションを決定するステップと、比較的電流密度の高い領域における前記変更前の開口スロットの周辺部の前記平均電流路長を変更するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して増大させた1/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して減少させた1/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成された、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して増大させた3/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変更前のスロットPIFAアンテナと比較して減少させた3/4波長共振周波数を、変更後のスロットPIFAアンテナに与えるために、前記平均電流路長を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を増加させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
最大の電流密度の領域において前記平均電流路長を減少させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を変更することにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を増加させることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電流密度の比較的高い領域において前記スロットの周辺部を減少させることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電流密度の高い領域に1つ以上の追加的なスロット岐路を提供することにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電流密度の高い領域に1つ以上の追加的なノッチを前記スロット中に与えることにより前記平均電流路長を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1の方法に基づいて開口型スロットPIFAアンテナを設計する方法。
【請求項15】
請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項16】
前記変更後のスロットPIFAアンテナが、1:3でない比率である1/4及び3/4波長共振周波数を有する、請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項17】
1:3でない比率である1/4及び3/4波長共振周波数の提供において、カップリング効果が幾何学的効果に比べ低い、請求項1の方法により製造される開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項18】
1/4及び3/4波長共振周波数を有する開口型スロットPIFAアンテナであって、
アンテナ短絡端に関連するアンテナ接地と、アンテナ開路端に関連する開放端を有する開口スロットとを備え、
前記アンテナ接地及び前記スロットは、前記アンテナ開路端及び短絡端と前記スロットの周辺部との間の電流密度の使用可能なバリエーションと、前記アンテナの開路端及び短絡端と前記開口スロットの周辺部との間の使用可能な平均電流路長とを提供するように互いに構成され、前記平均電流路長は、前記開口型スロットPIFAアンテナに対する1/4及び3/4波長共振周波数を決定し、
前記アンテナのジオメトリーは、前記アンテナの前記1/4及び3/4波長共振周波数が1:3でない比であるようにされ、前記比はカップリング効果に実質的に起因しない、開口型スロットPIFAアンテナ。
【請求項19】
前記アンテナの形状が、スロットの形状を備える、請求項18に記載のアンテナ。
【請求項20】
前記アンテナの形状が、前記スロットの幾何学的な形状、及び前記スロットの前記幾何学的な形状に対する前記アンテナの短絡端及び開路端の相対的な位置である、請求項18に記載のアンテナ。
【請求項21】
請求項18に記載のマルチバンドアンテナ。
【請求項22】
添付の図を参照して前述されたアンテナ。
【請求項23】
添付の図を参照して前述された、開口型スロットPIFAアンテナを独立して変更する方法。
【請求項24】
添付の図を参照して前述された、開口型スロットPIFAアンテナの設計方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図17a】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図17a】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2006−525691(P2006−525691A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500123(P2006−500123)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050599
【国際公開番号】WO2004/100313
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050599
【国際公開番号】WO2004/100313
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
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