説明

開放金属部位を具えた微孔質の金属有機構造体における高いガス吸着

ガス貯蔵材料は、複数個の金属クラスタと、隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子と、を含む金属有機構造体を含む。各金属クラスタは、1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個の開放金属部位とを含む。上記金属有機構造体は、分子状水素を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含む。上記水素貯蔵材料を用いる水素貯蔵システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2005年4月7日に出願された米国仮出願第60/669,141号の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は一般的に気体分子を貯蔵するために使用される材料に関し、具体的には、吸着若しくは吸収により分子状水素を貯蔵する材料に関する。
【0003】
2.背景技術
金属有機構造体(「MOF」)は、設計に対する従順さ、及び格別な多孔性のために急速に成長している部類の孔質材料である。MOFが相当量の水素を吸収するという最近の発見により、この分野における研究は更に活発になった。特に、高い水素貯蔵容量が可能であろうMOF構造の設計手法の特定に対して主眼が置かれている。水素の結合に対しては、金属酸化物単位及び有機連結体が重要な特徴であることは認識されている。より最近では、相互貫入MOFは、その非相互貫入類似体よりも多くの水素を吸収することが示されている。
【0004】
金属有機構造体(「MOF」)において、Cu(CO「外輪」単位を生成する合成条件、及び、0−周期の離散構造及び3−周期の拡張構造の設計におけるこれらの材料の使用法は知られている。MOF−505は類似条件を用いて合成される:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)/エタノール/HO(3:3:2ml)中において3,3’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸(「HBPTC」)(25mg、0.076ミリモル)及びCu(NO・(HO)・5(52mg、0.22ミリモル)を65℃で24時間に渡りソルボサーマル反応させると、緑色でブロック形状の結晶が与えられた(HBPTCに基づき86%の収率である47mg)。得られた化合物は、元素微量分析及び単結晶X線回折の考察により、Cu(BPTC)(HO)・(DMF)(HO)の式に一致することが見出された。
【0005】
現在、種々の用途に対して水素を貯蔵する方法論及びシステムの開発に対しては大きな関心が寄せられている。例えば水素は、水素の電気化学的な酸化により電気を発生する燃料電池に対する重要な燃料である。更に燃焼燃料としての水素は環境に対して非常に優しく、燃焼副生成物として水のみを生成する。係る用途に対する水素貯蔵は、分子状水素ガスは可燃であり、一定の状況においては爆発性であるという事実により困難である。水素を貯蔵する代替的な方法論は存在するが、現在の代替策は、各々が1つ又はそれ以上の理由により不都合である。
【0006】
二酸化炭素除去は、現在関心が高い別の分野である。現在、二酸化炭素の主な人為的発生源である動力設備の煙突排気からの二酸化炭素の除去は一般的に、排気を冷却して加圧することにより、又は、噴煙をアミン水溶液の流動床に通過させることにより達成されるが、両者共に不経済であり、非効率的である。酸化物表面上への二酸化炭素の化学吸着又は多孔質のケイ酸塩、炭素及びメンブレン内への吸着に基づく他の方法は、二酸化炭素の捕捉に対する手段として追求されている。しかし、二酸化炭素除去における長期の実施可能性を有する効率的な吸着媒体であるために、該媒体は2つの特徴を併せ持たねばならない:(i)二酸化炭素の捕捉及び放出が完全に可逆的であるという周期的構造;及び、(ii)最適化された捕捉容量に対して化学官能化と分子レベルでの微調整とが達成され得る融通性。
【0007】
従って、分子状水素に対する大きな貯蔵容量を具えた材料に対する要望が在る。
【0008】
発明の概要
一実施例において、本発明は、金属有機構造体を具える水素貯蔵材料を提供することにより、先行技術の1つ又はそれ以上の問題を解決する。本実施例の上記金属有機構造体は、複数個の金属クラスタと、隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子とを含む。各金属クラスタは、1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個の開放金属部位とを含む。好適には上記金属有機構造体は、分子状水素を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含む。
【0009】
本発明の別の実施例においては、金属有機構造体を具えるガス貯蔵材料が提供される。本実施例の上記金属有機構造体は、複数個の金属クラスタと、隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子とを含む。各金属クラスタは、1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個のアクセス可能な金属部位とを含む。好適には上記金属有機構造体は、気体分子を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含む。
【0010】
本発明の更なる別の実施例においては、上記で示されたガス貯蔵材料を形成する方法が提供される。上記金属有機構造体は、溶媒と、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含む1族から16族の金属から成る群より選択された金属イオンとを具える溶液を、多座配位連結配位子と組み合わせて金属有機構造体前駆体を形成することにより形成される。上記金属有機構造体前駆体は、1個又はそれ以上の配位子を除去して1個又はそれ以上の開放金属部位を曝露させることにより活性化される。
【0011】
本発明の更なる別の実施例においては、ガス貯蔵システムが提供される。この実施例のガス貯蔵システムは、上記で示されたガス貯蔵材料を利用する。変更例において上記ガス貯蔵システムは、ガス混合物から目標ガスを分離すべく構成される。
【0012】
好ましい実施例の詳細な説明
現在において、発明者が認識している本発明の最良の実施例を構成する好ましい組成若しくは実施例を詳細に言及する。
【0013】
本明細書中で用いられるとき、「連結配位子」とは、(中性分子及びイオンを包含する)化学種であって、2種類又はそれ以上の金属を配位結合させることで、それらの間隔の増大と、生成された構造体における空隙領域若しくはチャネルの画成とに帰着する化学種を意味する。その例としては、4,4’−ビピリジン(中性の複数N供与分子)、及び、ベンゼン−1,4−ジカルボキシラート(ポリカルボキシラート陰イオン)が挙げられる。
【0014】
本明細書中で用いられるとき、「非連結配位子」とは、金属に対して配位結合されるが、リンカとしては作用しない化学種を意味する。
【0015】
本明細書中で用いられるとき、「ゲスト」とは、開放構造体固形物の空隙領域内に位置するが、上記構造体と一体的であるとは見做されない任意の化学種を意味する。その例としては、合成プロセスの間に空隙領域を充填する溶媒の分子、及び、収着実験におけるガスのような他の分子であって、(拡散を介した)浸漬の間に、又は溶媒分子の真空排気の後で溶媒に対して交換された他の分子が挙げられる。
【0016】
本明細書中で用いられるとき、「電荷平衡種」とは、構造体の電荷を平衡化する帯電ゲスト種を意味する。相当に多くの場合、この種は強力に、即ち水素結合を介して構造体に結合される。それは、真空排気時に分解して更に小寸の帯電種(下記参照)を残置するか、又は、同等に帯電した種に対して交換され得るが、この種は典型的には、座屈なしでは金属有機構造体の細孔から除去され得ない。
【0017】
本明細書中で用いられるとき、「空間充填物質」とは、合成の間において開放構造体の空隙領域を充填するゲスト種を意味する。永続的な多孔性を呈する材料は、加熱及び/又は真空排気による空間充填物質の除去の後で、原型を保ち続ける。その例としては、溶媒分子、又は、分子状の電荷平衡種が挙げられる。後者は、それらのガス状生成物が容易に真空排気され、更に小寸の電荷平衡種(即ち陽子)が細孔内に残存するように、加熱時に分解することもある。一定の場合、空間充填物質はテンプレート化作用物質と称される。
【0018】
本明細書中で用いられるとき、「アクセス可能な金属部位」とは、金属クラスタにおける部位を意味し、特に、金属クラスタ内の金属の近傍の位置であって、配位子のような化学的部分が付着するために利用可能な位置を意味する。
【0019】
本明細書中で用いられるとき、「開放金属部位」とは、金属クラスタ内の部位、具体的には、金属クラスタ内の金属の近傍の位置であって、該位置から配位子若しくは他の化学的部分が除去される金属クラスタ内の金属の近傍の位置が、金属クラスタ、具体的には、該金属クラスタ内の金属に対する付着のために利用可能な電子密度を有する化学種の吸着に対して反応的にする位置を意味する。
【0020】
本明細書中で用いられるとき、「金属クラスタ」とは、金属有機構造体内に存在する部分を含む任意の金属を意味する。この定義は、配位子若しくは共有結合基を選択的に含む単一の金属原子若しくは金属イオンから、一群の金属若しくは金属イオンまでを包含する。
【0021】
本発明の一実施例においては、金属有機構造体を具えるガス貯蔵材料が提供される。本実施例の上記金属有機構造体は、複数個の金属クラスタと、隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子とを含む。各金属クラスタは、1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個の開放金属部位とを含む。好ましくは、上記金属有機構造体は、気体分子を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含む。この実施例において、上記1個又はそれ以上の部位は、上記少なくとも1個の開放金属部位を含む。本発明のガス貯蔵材料に貯蔵され得るガスとしては、ガスを貯蔵するための上記1個又はそれ以上の部位に付着するために利用可能な電子密度を具える気体分子が挙げられる。斯かる電子密度としては、当該分子内に含まれた2個の原子間における複数の結合を有する分子、又は、孤立電子対を有する分子が挙げられる。斯かるガスの好適な例としては、限定はされないが、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素及びこれらの組み合わせから成る群より選択された成分を具えるガスが挙げられる。本実施例の特に有用な変更例において上記ガス貯蔵材料は、水素(H)を貯蔵するために使用される水素貯蔵材料である。別の特に有用な変更例において上記ガス貯蔵材料は、混合ガスから二酸化炭素を分離するために使用され得る二酸化炭素貯蔵材料である。
【0022】
この実施例の変更例において、上記開放金属部位は、金属有機構造体前駆体を活性化することにより形成される。改善例において、この活性化は、金属クラスタから1個又はそれ以上の化学的部分を除去するステップを包含する。典型的に斯かる部分は、上記金属クラスタ内における金属若しくは金属イオンに対して錯体化若しくは結合された配位子である。更に、斯かる部分としては、水;金属クラスタ内に含まれる溶媒分子;及び、金属クラスに対する、及び/又は、金属クラスタ内に含まれる金属原子若しくはイオンに対する付着のために利用可能な電子密度を有する他の化学的部分;のような種が挙げられる。斯かる電子密度としては、当該分子内に含まれた2個の原子間における複数の結合を有する分子、又は、孤立電子対を有する分子が挙げられる。
【0023】
本発明の別の実施例においては、金属有機構造体を具えるガス貯蔵材料が提供される。本実施例の金属有機構造体は、複数個の金属クラスタと、近傍の金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子とを含む。各金属クラスタは、1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個のアクセス可能な金属部位とを含む。好適には、上記金属有機構造体は、気体分子を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含む。この実施例において上記1個又はそれ以上の部位は上記少なくとも1個のアクセス可能な金属部位を含む。本発明の上記ガス貯蔵材料に貯蔵され得るガスとしては、ガスを貯蔵するための上記1個又はそれ以上の部位に対して付着するために利用可能な電子密度を具える気体分子が挙げられる。斯かるガスの適切な例としては、限定はされないが、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素及びこれらの組み合わせから成る群より選択された成分を具えるガスが挙げられる。この実施例の1つの変更例において、上記アクセス可能な金属部位は、開放金属部位である。
【0024】
本発明の各実施例において使用される金属有機構造体は、ガス吸着のための複数個の細孔を含む。1つの変更例において上記複数個の細孔は、単一モード型のサイズ分布を有する。別の変更例において上記複数個の細孔は、(例えば二重モード型などの)複数モード型のサイズ分布を有する。
【0025】
上記で示されたガス貯蔵材料の実施例の別の変更例において、上記金属有機構造体は1個又はそれ以上の金属イオンを具える金属クラスタを含む。別の変更例において上記金属有機構造体は、2個又はそれ以上の金属イオンを具える金属クラスタを含む、更に別の変更例において上記金属有機構造体は、3個又はそれ以上の金属イオンを具える金属クラスタを含む。上記金属イオンは、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含む、IUPACの元素周期表の1族から16族の金属から成る群より選択され得る。適切な金属イオンの例としては、Li、Na、K、Rb、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh、Ir2+、Ir、Ni2+、Ni、Pd2+、Pd、Pt2+、Pt、Cu2+、Cu、Ag、Au、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As、Sb5+、Sb3+、Sb、Bi5+、Bi3+、Bi及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
上記で示されたガス貯蔵材料の更に別の変更例において上記金属クラスタは式Mを有し、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1〜10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡すべく選択された数である。更なる改善例において、XはO、N及びSから成る群より選択される。別の改善例においてMは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、V2+、V3+、V4+、V5+、Mn2+、Re2+、Fe2+、Fe3+、Ru3+、Ru2+、Os2+、Co2+、Rh2+、Ir2+、Ni2+、Pd2+、Pt2+、Cu2+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Si2+、Ge2+、Sn2+及びPb2+から成る群より選択される。
【0027】
上記で示されたガス貯蔵材料の更に別の変更例において、上記多座配位子は芳香環内に組み込まれた6個又はそれ以上の原子を有する。他の変更例において上記多座配位子は、芳香環に組み込まれた12個又はそれ以上の原子を有する。更に別の変更例において上記多座配位子は、芳香環に組み込まれた16個又はそれ以上の原子を有する。有用な多座配位子の例としては、式1から20を有する配位子が挙げられる:
【0028】














【0029】
式中、Xは、水素、−NHR、−N(R)、ハロゲン化物、C1−10アルキル、C6−18アリール、又は、C6−18アラルキル、−NH、アルケニル、アルキニル、−Oアルキル、−NH(アリール)、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、−(CO)R、−(SO)R、−(CO)R、−SH、−S(アルキル)、−SOH、−SO3−、−COOH、−COO、−PO、−PO、−PO2−2+、又は、−PO2−2+、−NO、−COH、シリル誘導体;ボラン誘導体;及び、フェロセン及び他のメタロセンであり;Mは金属原子であり、RはC1−10アルキルである。
【0030】
本発明において使用される上記金属有機構造体は、選択的に非連結配位子を更に具える。変更例において、上記非連結配位子は、O2−、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素、二水素リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、亜リン酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫化物、硫化水素、セレン化物、セレン酸塩、セレン酸水素、テルル化物、テルル酸塩、テルル酸水素、窒化物、リン化物、砒化物、砒酸塩、砒酸水素、砒酸二水素、アンチモン化物、アンチモン酸塩、アンチモン酸水素、アンチモン酸二水素、フッ化物、硼化物、硼酸塩、硼酸水素、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸塩、及び、これらの組み合わせから成る群より選択される。
【0031】
本発明の金属有機構造体は選択的に、空間充填物質、吸着した化学種、ゲスト種、及び、これらの組み合わせを更に具える。本発明の幾つかの変更例において、空間充填物質、吸着した化学種及びゲスト種は、金属有機構造体の表面積を増大する。好適な空間充填物質としては、例えば、以下の各項から成る群より選択された成分を含む:
a.1から20個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族基を含むアルキルアミン及びその対応アルキルアンモニウム塩;
b.1から5個のフェニル環を有するアリールアミン及びその対応アリールアンモニウム塩;
c.1から20個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族基を含むアルキルホスホニウム塩;
d.1から5個のフェニル環を有するアリールホスホニウム塩;
e.1から20個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族基を含むアルキル有機酸及びその対応塩;
f.1から5個のフェニル環を有するアリール有機酸及びその対応塩;
g.1から20個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族基を含む脂肪族アルコール;
h.1から5個のフェニル環を有するアリールアルコール;
i.硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素、二水素リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、亜リン酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、O2−、二リン酸塩、硫化物、硫化水素、セレン化物、セレン酸塩、セレン酸水素、テルル化物、テルル酸塩、テルル酸水素、窒化物、リン化物、砒化物、砒酸塩、砒酸水素、砒酸二水素、アンチモン化物、アンチモン酸塩、アンチモン酸水素、アンチモン酸二水素、フッ化物、硼化物、硼酸塩、硼酸水素、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸塩から成る群からの無機陰イオン、及び、該無機陰イオンの対応酸及び塩;
j.アンモニア、二酸化炭素、メタン、酸素、アルゴン、窒素、エチレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピリジン、アセトン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチル、テトラヒドロフラン、エタノールアミン、トリエチルアミン、トリフルオロメチルスルホン酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ブロモホルム、ジブロモメタン、ヨードホルム、ジヨードメタン、ハロゲン化有機溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、アミド溶媒、メチルピリジン、ジメチルピリジン、ジエチルエーテル、及び、これらの混合物。吸着した化学種の例としては、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アミン、メタン、酸素、アルゴン、窒素、アルゴン、有機染料、多環式有機分子、及び、これらの組み合わせが挙げられる。最後にゲスト種の例は、100g/モル未満の分子量を有する有機分子、300g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モルより大きな分子量を有する有機分子、少なくとも1個の芳香環を含む有機分子、多環式芳香族炭化水素、及び、式Mを有する金属錯体、並びに、これらの組み合わせであり、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1〜10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡するために選択された数である。幾つかの変更例において、吸着した化学種、ゲスト種及び空間充填物質は、事前選択された化学種、ゲスト種又は空間充填物質に対して金属有機構造体を接触させることにより、金属有機構造体内に導入される。本発明の別の変更例において、上記金属有機構造体は、該金属有機構造体の表面積を増大する相互貫入金属有機構造体を具える。
【0032】
本発明の更なる別の実施例においては、上記で示されたガス貯蔵材料を形成する方法が提供される。上記金属有機構造体は、溶媒と、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含む1族から16族の金属から成る群より選択された金属イオンとを具える溶液を、多座配位連結配位子と組み合わせてMOF前駆体を形成することにより形成される。好適な金属イオン及び多座配位子は、上述されている。有用な金属有機構造体前駆体の例としては、限定はされないが、米国特許第5,648,508号、第6,617,467号、第6,624,318号、第6,893,564号、第6,929,679号、第6,930,193号及び第7,008,607号において、及び、米国特許出願第20030078311号、第20040225134号、第20040249189号、第20040265670号、第20050004404号、第20050154222号、第20050192175号及び第20060057057号において開示された金属有機構造体が挙げられる。これらの特許及び特許出願の各々の開示内容は全て、参照することにより本明細書中に援用される。本発明の金属有機構造体前駆体として有用であるこれらの特許及び特許出願の金属有機構造体は、金属クラスタから除去され得る配位子及び他の化学的部分を有し、これによって、金属クラスタが化学種の吸着に対して反応性があるようにするこれらの構造体である。更に、斯かる配位子としては、水、金属クラスタ内に含有された溶媒分子、及び、金属クラス、及び/又は、金属クラスタ内に含まれる金属原子若しくはイオンに対する付着に利用可能な電子密度を有する他の化学的部分等の種が挙げられる。選択的に、上記溶液は、一種類又はそれ以上の対イオンも含む。好適な対イオンとしては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン、リン酸塩、アンモニウム、及び、それらの混合物が挙げられる。上記MOF前駆体から1個又はそれ以上の配位子が除去されることで、1個又はそれ以上の開放金属部位が曝露される。
【0033】
本実施例の1つの変更例において、上記1個又はそれ以上の配位子は、MOF前駆体を加熱することにより除去される。典型的に、この変更例において、MOF前駆体は、約30℃から約300℃の温度に加熱される。別の変更例において、上記1個又はそれ以上の配位子は、MOF前駆体を真空に曝露することで除去される。典型的に、上記真空は、10−3torr未満の圧力を有することにより特徴付けられる。他の変更例においては、約10−5torrから約700torrである。本発明の更なる別の変更例において、上記1個又はそれ以上の配位子は、MOF前駆体を加熱すると同時に、MOF前駆体を真空に曝露することにより除去される。更なる別の変更例において、本発明の方法において使用される溶液は、空間充填物質も含み得る。好適な空間充填物質の例は上記で示された。これらの変更例の各々の改善例において、MOF前駆体の1個又はそれ以上の配位子は、後続的な加熱、及び/又は真空曝露により更に容易に除去される別の単一若しくは複数の配位子と交換され得る。
【0034】
本発明の別の実施例においては、ガス貯蔵システムが提供される。この実施例のガス貯蔵システムは、上記で示されたガス貯蔵材料を利用する。上記で示されたように、本実施例により貯蔵可能なガスとしては、上記金属有機構造体にガスを貯蔵するための1個又はそれ以上の部位に対して付着するために利用可能な電子密度を有する任意のガス種が挙げられる。斯かるガスとしては、限定はされないが、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、及び、これらの組み合わせが挙げられる。この実施例の変更例において、上記ガス貯蔵システムは、混合ガスから一種類又はそれ以上の目標ガスを除去し、貯蔵することによりガス分離システムとして用いられる。1つの重要な変更例において、上記ガス貯蔵システムは、水素を貯蔵するために使用されることから水素貯蔵システムである。図1Aを参照すると、本実施例のガス貯蔵システムの概略図が提供される。水素貯蔵システム10は、貯蔵キャビティ14を含む容器12を含む。
【0035】
容器12内にはガス貯蔵材料16が位置され、ガス貯蔵キャビティ14の少なくとも一部分を埋める。ガス貯蔵材料16は、上記で示されたように金属有機構造体を具える。具体的には、上記金属有機構造体は、複数個の金属クラスタと、隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子とを含む。上記連結配位子及び金属クラスタの詳細は、上記で示されたのと同一である。
【0036】
依然として図1Aを参照すると、ガス貯蔵システム10は管路18を更に含み、該管路を通してガスが導入され、除去される。本発明の別の変更例において、ガス貯蔵システム10は、(例えば水素などの)ガスを導入し、ガスを除去する別体的な複数の管路を含む。ガス貯蔵システム10は、必要に応じて容器12を遮断するバルブ20も含み得る。1つの変更例においては、ガスが容器12内に導入されてガス貯蔵材料16内に貯蔵された後、バルブ20が遮断される。引き続き、ガスが必要とされたときに、貯蔵されたガスはヒータ22、24を介してガス貯蔵材料16を加熱することにより放出される。別の変更例において、貯蔵されたガスは、管路28を通して作用するポンプ26により提供される減圧下で除去されると共に、続く使用に対して吐出管路30を介して利用可能とされる。
【0037】
図1Bを参照すると、混合ガスを分離するために有用な変更例の概略図が提供される。ガス分離システム40は管路42を含み、該管路を通して混合ガス44は取入口46を介して導入される。混合ガス44はガス貯蔵材料48を通して導向され、吐出口50を通して出射する。ガス貯蔵材料48は選択的に、ガス流に対して透過性である仕切52、54により領域50に局限される。上記で示されたように、分離され得る複数の目標ガスは、上記金属有機構造体内にガスを貯蔵するための1個又はそれ以上の部位に対して付着するために利用可能な電子密度を有する任意のガス種を含む混合ガスを形成する。斯かる目標ガスとしては、限定はされないが、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、及び、これらの組み合わせが挙げられる。上記変更例の改善例において、上記ガス貯蔵材料は、混合ガスから、特に工場から発せられる混合ガスから二酸化炭素を除去する。
【0038】
以下の例は、本発明の種々の実施例を例証する。当業者であれば、本発明の精神及び各請求項の有効範囲内である多くの変更例を理解し得よう。
【0039】
1.水素吸着
Cu(CO単位はカルボキシラート炭素原子により画成される正方形の二次的構築単位(「SBU」)(図2A)であり、BPTC4−単位はBPTCの3、3’、5及び5’の炭素原子により画成される矩形SBU(図2B)である。BPTC4−配位子のカルボキシラート官能性はビフェニル環に対してほぼ平面であり(カルボキシラートとフェニル環との間の二面角は約7.4°であり)、従って、上記正方形SBUがビフェニル環に連結されたときにそれらは相互に直交せねばならず(図2C)、これはNbOトポロジの顕著な特徴としての側面である。MOF−505の結晶構造不(図2D及び図2E)は明らかに、連結が、ほぼ90°の角度(94.4°)における無機の正方形SBUを有機の矩形SBUに対して適合させていることを示している。この配置構成は、細孔の二重モード型分布を有する全体的に3周期的なネットワークを生成する。これらの細孔の内の第1の細孔は(立方晶NbOサブユニットの各面を表す)6個の無機SBUにより画成されて290Åの球体積及び8.30Åの細孔直径を有し(図2D及び図2G)、一方、第2の更に大寸の細孔は、(再び立方晶NbOサブユニットの各面を表す)6個の有機SBUにより画成されると共に、溶媒がアクセス可能な540Åの空隙及び10.10Åの細孔直径を有する(図2E及び図2G)。これらの概略的に球状の細孔は、菱面体的に歪曲されたCsCl型様式で配置され、小寸の各細孔は8個の大寸の細孔により囲繞され、該大寸細孔の各々もまた8個の小寸細孔により囲繞される。単位格子当たり合計で6個の細孔(3個の大寸細孔及び3個の小寸細孔)が在り、これらは、相互結合された6.70Å直径の開孔の孔性ネットワークを通して結合される。これにより、合計で2,713Å(37.1%)のアクセス可能な自由体積が提供される。溶媒交換条件下における構造体の安定性を評価するために、熱重量分析(TGA)及び粉末X線回折(PXRD)パターンが使用される。PXRDによれば、シミュレートして合成されたままアセトン交換された材料の各々における強い回折線の同一パターンが明らかとされる。但し、交換された材料の脱溶媒和時にPXRDには、減少した回折強度及び広幅化された反射が観察される。このことは長距離規則度の一定の喪失を表すが、以下に詳述されるように、必ずしも多孔性の喪失は表さない。TGA考察が行われることで、MOF−505の熱的安定性が検証され、脱溶媒和の温度が見積もられる。250℃未満で観察された30.83%の重量喪失は、CuBPTC式単位毎に2.5個のアセトン分子及び3個の水分子の解放(計算値:30.53%)に対応する。
【0040】
細孔の真空排気時に構造体の構造が維持されるか否かを評価するために、選択されたガス雰囲気下でガラス囲繞体内に吊下されたサンプルの質量変化を測定するカーン社(Cahn)のC−1000微少重量測定天秤を用いてガス収着の等温線が求められる。合成されたままのMOF−505結晶質サンプルはアセトン内に72時間(3×50ml/24時間)浸漬することにより活性化されてDMFゲストが交換される。結果的に湿潤した青緑の固形物(617mg)は、上記装置に装填されて3ステップで真空排気(<10−3torr)される一方、重量喪失及び色変化が記録される:(I)室温で15時間(358mgとなり、42.0%の重量喪失、淡青色)、(II)70℃で15時間(325mgとなり、5.3%の重量喪失、暗青色)、及び、(III)120℃で12時間に渡る最終脱水(296mgとなり、4.7%の重量喪失、紫色)で、真空排気されたサンプルに帰着した。以下に記述されるように、これらの活性化ステップ(IからIII)の各々で、該サンプルに対する水素及び窒素の等温線が求められる。上記システムから全ての揮発性混入物が完全に除去されるのを確実とするために、ガスの導入に先立ち、ガス・マニフォルドが一晩に渡り真空排気され、100℃まで加熱される。液体窒素(「LN2」)により77°Kまで冷却される前に、室温で上記システムは、考察されるべきガス(超高純度等級、99.999%)により3回パージされる。サンプルの温度は、該サンプルの直近に吊下された熱電対により監視される。圧力は、2台のMKS Baratron 622A圧力変換器(10及び1000torr、レンジの±0.25%精度)により測定される。ガスは段増的に導入され、質量の更なる変化が観察されないとき(<0.02mg/10分)にデータ点が記録される。77°Kにおける上記ガスの圧力範囲内における標準的なアルミニウム箔の重量により実験された浮力に基づき、全てのデータ点に対して実験的浮力補正が適用される。
【0041】
この材料による窒素収着は明らかに、図3に示された活性化ステップの各々において可逆的なタイプIの等温線を示し、永続的な微孔性及び細孔の剛性を表している。ステップI(25℃)では、967m/gの換算ラングミュア表面積(A)と、16.2Åの分子断面積に対するKN2=0.193を以て278mg/gの捕捉量が達成された。細孔内における液体窒素密度(0.808g/cm)を仮定すると、低圧データ点に対するDubinin−Radushkevich式による外挿によれば、0.33cm/gの利用可能な微細孔容積(V)が得られる。細孔を更に真空排気(ステップII)すると付加的に5.3%のゲストが除去され、上記第1ステップにおいて観察されたよりも36%だけ多い捕捉量(386mg/g、A=1,343m/g、KN2=0.327、及び、V=0.45cm/g)が提供される。ステップIIIの後で得られた完全に活性化された材料は収着量における相当の増加を示し、最終的に526mg/gのN捕捉量を与える(A=1,830m/g、KN2=0.362、及び、V=0.63cm/g)。これらのデータは表1に要約される。
【0042】


【0043】
:データのラングミュア適合を用いて計算されたデータ
:Nデータから計算されたK値
:Hデータから計算されたK値
:Dubinin−Radushkevich(DR)式の外挿により計算された細孔容積(V
【0044】
図4には、同一の各ステップで77°Kで測定されたMOF−505の水素等温線が示される。この温度は水素の臨界温度(33°K)より遙かに高温であり、細孔内における凝縮は起こりそうになく、相当な高圧でなければ完全な飽和は達成されないことを示唆している。測定された等温線(0から750torr)は飽和を示さなかったが、3本の水素等温線の各々に対する750torrにおける最大捕捉量は窒素等温線において観察されたのと同様の容量増大を例証し、完全に活性化されたMOF−505は750torr及び77°Kで異例な2.47重量%の水素を吸着した。この格別の水素収着容量は、これまでに報告されたMOF材料においては先例がない。
【0045】
配位結合されていないゲストを活性化の間において除去することは吸着容量に対して少なくとも2つのプラス効果が在る:サンプル質量の減少、及び、利用可能な微細孔容積の増大。但し、(銅中心に対して軸心方向に結合した)水配位子の除去は、同一の利点を有し、即ち、水素−構造体の相互作用を増進すると確信される金属部位の正味導入に繋がる。MOFにおける斯かる開放金属部位の存在は、MOF−11の単結晶X線回折により十分に特徴付けられる。もし更に多くの捕捉量に対して開放金属部位が好適であれば、活性化(ステップII及びIII)の間における最後の数重量%は、活性化の初期ステップ(ステップI)における容量と比較されたときに不釣り合いに大きな吸着容量を生成する。一晩に渡り室温で真空排気した(ステップI)ところ、14.10mg/g(1.41重量%H)の初期水素捕捉量が得られた。第2の活性化ステップ(ステップII)は付加的な5.3重量%を除去し(部分的脱水)、水素捕捉量を5.62mg/gだけ増加する(19.72mg/g、1.97重量%H)。更なる4.7重量%の除去(ステップIII、完全な脱水)によれば水素捕捉容量は付加的な4.98mg/gだけ増大して、24.70mg/g、即ち2.47重量%Hとなる。比較時に、初期活性化ステップ(ステップI、嵩高いゲストの真空排気)は、1%の質量損失当たりで0.34mg/gの水素収着量の増大を示したが、最後の2つの活性化ステップ(ステップII及びIII、6個の水分子の喪失による脱水)は、活性化の間において1%の質量損失当たりで1.06mg/gの対応増大を示した。実際、ステップIにおいてH捕捉量(77K)は14.1mg/gである一方、開放金属部位を含んで完全に活性化された材料(ステップIII)は、10%のみの質量損失に関わらず,ほぼ2倍の大きさ(24.7mg/g)の捕捉量を示す。上記等温線における一切のヒステリシスの欠如は、この物理吸着プロセスが完全に可逆的であること、及び、これらの開放金属部位の存在は脱離プロセスを阻害せず、6.70Å細孔の開孔は吸着質の拡散をそれほど阻害しないことを例証している。上記ラングミュア・プロットにおいては僅かな曲率が在ることで一定度合いの不確実性に繋がるが、この特有のシステムに関連する一定の知見は依然として獲得され得る。増大するKH2値は、部分的に真空排気された材料に対し、完全に脱水された構造体の水素親和力が増加する傾向を明らかとしている。これらのデータに基づくと、これらの開放金属部位の存在は、MOF−505の水素吸着容量を増進することが示される。
【0046】
上記活性化の各ステップには、サンプル外観の明白な変化も伴う。合成されたままのMOF−505は青緑色であると共に第1ステップの活性化はこれを淡青色に変化させ、更なる活性化は青色を深める一方、最後の活性化ステップは深紫色の材料を生成する。周囲空気に対して36時間曝露された活性化サンプルは紫色から青緑色への劇的な色変化を示し、引き続くTGAは250℃未満の温度にて、CuBPTC式単位毎に6個の水分子の喪失(計算値:19.3%)に対応する18.7重量%の喪失を示した。疑いなく、これらの水分子の内の2個は外輪に対して軸心方向に配位結合する一方、残りの4個は、全ての外輪の隣接カルボキシラート基により画成される赤道四分円内に配置され得る。
【0047】
本発明の実施例が図示かつ記述されたが、これらの実施例が本発明の全ての可能的形態を例証かつ記述することは意図されない。寧ろ、本明細書において使用された語句は限定ではなく記述のための語句であり、本発明の精神及び有効範囲から逸脱せずに種々の変更が為され得ることは理解される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】図1Aは、本発明の少なくとも1つの実施例のガス貯蔵材料を用いたガス貯蔵システムの概略図である。
【図1B】図1Bは、混合ガスの分離に有用な本発明の変更例の概略図である。
【図2】図2A−Gは、直交結合(C)した(A)Cu(CO単位(正方形SBU)及び(B)BPTC−単位(矩形SBU)を示す(MOF−505と命名された)Cu(BPTC)(HO)・(DMF)(HO)の単結晶X線構造を提供する図である。全体的な3周期結晶構造(D及びE)は、2つの異なる形式の細孔と下側に位置するNbO型ネット(F及びG)を有する(Cuは大寸の灰色球;Cは黒色球;Oは小寸の灰色球)。明瞭化のために、水素原子、ゲスト分子及び末端溶媒分子は省略されている。
【図3】図3は、3つの異なる活性化ステップ後におけるMOF−505に対するN等温線(77°K)を提供する図である:ステップI(25℃、正方形)、ステップII(70℃、三角形)及びステップIII(120℃、円形)。
【図4】図4は、3つの異なる活性化ステップ後におけるMOF−505に対するH等温線(77K)を提供する図である:ステップI(25℃、正方形)、ステップII(70℃、三角形)及びステップIII(120℃、円形)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属有機構造体を具えるガス貯蔵材料において、前記金属有機構造体が:
複数個の金属クラスタであって、各々が1個又はそれ以上の金属イオンと少なくとも1個の開放金属部位とを具える複数個の金属クラスタと;
隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子と;
を具えており、該金属有機構造体は、ガスを貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を具え、前記ガスは、前記1個又はそれ以上の部位の付着用に利用できる電子密度を具える
ことを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項2】
請求項1記載のガス貯蔵材料が、前記金属有機構造体がガス吸着のための複数個の細孔を更に具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項3】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記複数個の細孔が、複数モード型のサイズ分布を有することを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項4】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記ガスが、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素及びこれらの組み合わせから成る群より選択される成分を具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項5】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、各金属クラスタが、2個又はそれ以上の金属イオンを具え、前記複数個の多座配位子の各配位子が、2個又はそれ以上のカルボキシラートを含むことを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項6】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記金属イオンが、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含むIUPACの元素周期表の1族から16族の金属から成る群より選択されることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項7】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記金属イオンが、Li、Na、K、Rb、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh、Ir2+、Ir、Ni2+、Ni、Pd2+、Pd、Pt2+、Pt、Cu2+、Cu、Ag、Au、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As、Sb5+、Sb3+、Sb、Bi5+、Bi3+、Bi及びこれらの組み合わせから成る群より選択されることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項8】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記金属クラスタが式Mを有し、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1から10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡するために選択された数であることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項9】
請求項8記載のガス貯蔵材料において、Xが、O、N及びSから成る群より選択されることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項10】
請求項8記載のガス貯蔵材料において、Mが、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、V2+、V3+、V4+、V5+、Mn2+、Re2+、Fe2+、Fe3+、Ru3+、Ru2+、Os2+、Co2+、Rh2+、Ir2+、Ni2+、Pd2+、Pt2+、Cu2+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Si2+、Ge2+、Sn2+及びPb2+から成る群より選択されることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項11】
請求項7記載のガス貯蔵材料が、前記金属有機構造体が、非連結配位子を更に具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項12】
請求項7記載のガス貯蔵材料において、前記非連結配位子が、O2−、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素、二水素リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、亜リン酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫化物、硫化水素、セレン化物、セレン酸塩、セレン酸水素、テルル化物、テルル酸塩、テルル酸水素、窒化物、リン化物、砒化物、砒酸塩、砒酸水素、砒酸二水素、アンチモン化物、アンチモン酸塩、アンチモン酸水素、アンチモン酸二水素、フッ化物、硼化物、硼酸塩、硼酸水素、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸塩、及び、これらの組み合わせから成る群より選択されることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項13】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記金属有機構造体が、ゲスト種を更に具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項14】
請求項13記載のガス貯蔵材料において、前記ゲスト種が、前記金属有機構造体の表面積を増大することを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項15】
請求項13記載のガス貯蔵材料において、前記ゲスト種が、100g/モル未満の分子量を有する有機分子、300g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モルより大きな分子量を有する有機分子、少なくとも1個の芳香環を含む有機分子、多環式芳香族炭化水素、及び、式Mを有する金属錯体、並びに、これらの組み合わせから成る群より選択され、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1から10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡するために選択された数であることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項16】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記金属有機構造体が、該金属有機構造体の表面積を増大する相互貫入金属有機構造体を更に具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項17】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記多座配位連結配位子が、芳香環又は非芳香環内に組み込まれた6個又はそれ以上の原子を有することを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項18】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記多座配位連結配位子が、芳香環又は非芳香環内に組み込まれた12個又はそれ以上の原子を有することを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項19】
請求項1記載のガス貯蔵材料において、前記1個又はそれ以上の多座配位連結配位子が、以下の式1から21:









式中、Xは、水素、−NHR、−N(R)、ハロゲン化物、C1−10アルキル、C6−18アリール、又は、C6−18アラルキル、−NH、アルケニル、アルキニル、−Oアルキル、−NH(アリール)、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、−(CO)R、−(SO)R、−(CO)R、−SH、−S(アルキル)、−SOH、−SO3−、−COOH、−COO、−PO、−PO、−PO2−2+、又は、−PO2−2+、−NO、−COH、シリル誘導体;ボラン誘導体;及び、フェロセン及び他のメタロセンであり;Mは金属原子であり、RはC1−10アルキルである、
を有する配位子から成る群より選択された配位子を具えることを特徴とするガス貯蔵材料。
【請求項20】
金属有機構造体を具える水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体が:
複数個の金属クラスタであって、各々が1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個の開放金属部位とを具える複数個の金属クラスタと;
隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子と;
を具え、該金属有機構造体が、分子状水素を貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含むことを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項21】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体が、水素吸着のための複数個の細孔を更に具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項22】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記複数個の細孔が、複数モード型のサイズ分布を有することを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項23】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体が、銅イオン、及び、


を具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項24】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、各金属クラスタが、2個又はそれ以上の金属イオンを具え、前記複数個の多座配位子の各配位子が、2個又はそれ以上のカルボキシラートを含むことを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項25】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属イオンが、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含むIUPACの元素周期表の1族から16族の金属から成る群より選択されることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項26】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属イオンが、Li、Na、K、Rb、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh、Ir2+、Ir、Ni2+、Ni、Pd2+、Pd、Pt2+、Pt、Cu2+、Cu、Ag、Au、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As、Sb5+、Sb3+、Sb、Bi5+、Bi3+、Bi及びこれらの組み合わせから成る群より選択されることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項27】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属クラスタが式Mを有し、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1から10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡すべく選択された数であることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項28】
請求項27記載の水素貯蔵材料において、Xが、O、N及びSから成る群より選択されることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項29】
請求項27記載の水素貯蔵材料において、Mが、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、V2+、V3+、V4+、V5+、Mn2+、Re2+、Fe2+、Fe3+、Ru3+、Ru2+、Os2+、Co2+、Rh2+、Ir2+、Ni2+、Pd2+、Pt2+、Cu2+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Si2+、Ge2+、Sn2+及びPb2+から成る群より選択されることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項30】
請求項1記載の水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体が非連結配位子を更に具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項31】
請求項30記載の水素貯蔵材料において、前記非連結配位子が、O2−、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素、二水素リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、亜リン酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫化物、硫化水素、セレン化物、セレン酸塩、セレン酸水素、テルル化物、テルル酸塩、テルル酸水素、窒化物、リン化物、砒化物、砒酸塩、砒酸水素、砒酸二水素、アンチモン化物、アンチモン酸塩、アンチモン酸水素、アンチモン酸二水素、フッ化物、硼化物、硼酸塩、硼酸水素、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、亜ヨウ素酸塩、次亜ヨウ素酸塩、及び、これらの組み合わせから成る群より選択されることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項32】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体がゲスト種を更に具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項33】
請求項32記載の水素貯蔵材料において、前記ゲスト種が前記金属有機構造体の表面積を増大することを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項34】
請求項32記載の水素貯蔵材料において、前記ゲスト種が、100g/モル未満の分子量を有する有機分子、300g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モル未満の分子量を有する有機分子、600g/モルより大きな分子量を有する有機分子、少なくとも1個の芳香環を含む有機分子、多環式芳香族炭化水素、及び、式Mを有する金属錯体、並びに、これらの組み合わせから成る群より選択され、式中、Mは金属イオンであり、Xは14族〜17族の陰イオンから成る群より選択され、mは1から10の整数であり、nは金属クラスタが所定の電荷を有する様に金属クラスタを荷電平衡するために選択された数であることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項35】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記金属有機構造体が、該金属有機構造体の表面積を増大する相互貫入金属有機構造体を更に具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項36】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記多座配位連結配位子が、芳香環又は非芳香環内に組み込まれた6個又はそれ以上の原子を有する水素貯蔵材料。
【請求項37】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記多座配位連結配位子が、芳香環又は非芳香環内に組み込まれた12個又はそれ以上の原子を有することを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項38】
請求項20記載の水素貯蔵材料において、前記1個又はそれ以上の多座配位連結配位子が、以下の式1から20:









を有する配位子から成る群より選択された配位子を具えることを特徴とする水素貯蔵材料。
【請求項39】
水素貯蔵システムにおいて:
貯蔵キャビティを有する容器と;
前記水素貯蔵容器の少なくとも一部分内に配置されて、前記水素貯蔵容器の少なくとも一部分を充填する水素貯蔵材料であって、前記水素貯蔵材料が金属有機構造体を具える水素貯蔵材料と:
を具え、前記金属有機構造体が:
複数個の金属クラスタであって、各々が1個又はそれ以上の金属イオンを具える複数個の金属クラスタと;
隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子と;
を含み、前記金属有機構造体が、少なくとも1個の開放金属部位を含み、分子状水素の原子的又は分子的吸着のために十分な個数のアクセス可能部位を有することを特徴とする水素貯蔵システム。
【請求項40】
請求項39記載の水素貯蔵システムにおいて、前記金属有機構造体が、水素吸着のための複数個の細孔を更に具えることを特徴とする水素貯蔵システム。
【請求項41】
請求項39記載の水素貯蔵システムにおいて、前記複数個の細孔が、複数モード型のサイズ分布を有することを特徴とする水素貯蔵システム。
【請求項42】
金属有機構造体(MOF)を形成する方法において:
a)溶媒と、アクチニド元素、ランタニド元素及びこれらの組み合わせを含む1族から16族の金属から成る群より選択された金属イオンとを具える溶液を、多座配位連結配位子と組み合わせてMOF前駆体を形成するステップと;
b)前記MOF前駆体から1個又はそれ以上の配位子を除去して、1個又はそれ以上の開放金属部位を曝露するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42記載の方法において、ステップb)において除去される前記1個又はそれ以上の配位子が、前記MOF前駆体を加熱することにより除去されることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項42記載の方法において、前記MOF前駆体が、約30℃から約300℃の温度まで加熱されることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項42記載の方法において、ステップb)において除去される前記1個又はそれ以上の配位子が、前記MOF前駆体を真空に曝露することにより除去されることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項42記載の方法において、前記真空が、約10−5torrから約700torrの圧力を有することにより特徴付けられる方法。
【請求項47】
請求項42記載の方法において、ステップb)において除去される前記1個又はそれ以上の配位子が、前記MOF前駆体を加熱すると同時に、該MOF前駆体を真空に曝露することにより除去されることを特徴とする方法。
【請求項48】
金属有機構造体を具えるガス貯蔵材料において、前記金属有機構造体が:
複数個の金属クラスタであって、各々が1個又はそれ以上の金属イオンと、少なくとも1個のアクセス可能な開放金属部位とを具える複数個の金属クラスタと;
隣接する金属クラスタ同士を結合する複数個の帯電多座配位連結配位子と;
を具え、前記金属有機構造体が、ガスを貯蔵するための1個又はそれ以上の部位を含み、前記ガスが、ガスを貯蔵するために前記1個又はそれ以上の部位に付着するために利用可能な電子密度を具えることを特徴とするガス貯蔵材料。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−535657(P2008−535657A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505642(P2008−505642)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/013468
【国際公開番号】WO2006/110740
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(501279741)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (22)
【Fターム(参考)】