説明

間葉様腫瘍細胞またはその生成を阻害する薬剤を同定するための方法

本発明は、抗がん剤の同定で使用するEMTプロセスのモデルとして使用する腫瘍細胞調製物を提供するが、ここで前記腫瘍細胞調製物は、EMTを誘発する受容体リガンドにより誘導されるか、またはEMTを刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞を含む。本発明は、このような腫瘍細胞調製物を使用して、EMTを阻害するか、METを刺激するか、または間葉様細胞の増殖を阻害する薬剤を同定して、潜在的な抗がん剤を同定する方法も提供する。このような薬剤は、EMTを起こした腫瘍細胞の阻害にあまり効果的ではないと見られる、EGFRおよびIGF-1Rキナーゼ阻害剤などのその他の抗がん薬と併用するときに特に有用なはずである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害する薬剤を同定する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、スクリーニング対象の試験薬と接触させること;
H1650細胞において上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤に試料を接触させること;
前記試験薬が、試料中の腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害するかどうかについて、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していないH1650細胞の同一サンプルにおける同じ生物マーカーのレベルと比較することによって判断すること;および
かくして、前記試験薬が、腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害する薬剤であるかどうかを判断すること
を含む方法。
【請求項2】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGF受容体またはHGF受容体に結合し、かつ活性化させる任意のタンパク質リガンドから選択される、請求項1の方法。
【請求項3】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGF、TGF-α、HB-EGF、アンフィレギュリン、ベタセルリン、エピレグリン、エピゲン、およびHGFから選択される、請求項2の方法。
【請求項4】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGFおよびHGFから選択される、請求項3の方法。
【請求項5】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFであり、任意にTNF-αで補完される、請求項4の方法。
【請求項6】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがHGFであり、任意にEGF、TGF-β、TNF-α、またはOSMで補完される、請求項4の方法。
【請求項7】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドが、オンコスタチンMがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドか、または、TGF-βがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドのいずれか、および、TNFα受容体に結合して、TNFαのその受容体への結合により活性化される同一のシグナル伝達経路を活性化させる一つのリガンドの組み合わせである、請求項1の方法。
【請求項8】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドは、TNFαとオンコスタチン-Mの組み合わせ、またはTNFαとTGF-βの組み合わせである、請求項7の方法。
【請求項9】
TGF-βがTGF β -1、TGF β -2、TGF β -3、またはそのヘテロ二量体である、請求7の方法。
【請求項10】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが、上皮系細胞生物マーカーである、請求項1の方法。
【請求項11】
上皮系細胞生物マーカーが、E-カドヘリン、CDH1プロモーター作用、サイトケラチン8、サイトケラチン18、P-カドヘリンまたはerbB3である、請求項10の方法。
【請求項12】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが、間葉系細胞生物マーカーである、請求項1の方法。
【請求項13】
間葉系細胞生物マーカーが、ビメンチン、フィブロネクチン、Nカドヘリン、CDH1メチル化、zeb1、twist、FOXC2またはsnailである、請求項12の方法。
【請求項14】
上皮間葉転換を起こす腫瘍細胞を阻害する薬剤を同定する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤と接触させること;
前記細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
前記試験薬が間葉様H1650の細胞増殖を阻害するかどうかを判断すること;および
かくして、それが上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する薬剤であるかどうかを判断すること
を含む方法。
【請求項15】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGF受容体またはHGF受容体に結合し、かつ活性化させる任意のタンパク質リガンドから選択される、請求項14の方法。
【請求項16】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGF、TGF-α、HB-EGF、アンフィレギュリン、ベタセルリン、エピレグリン、エピゲン、およびHGFから選択される、請求項15の方法。
【請求項17】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFおよびHGFから選択される、請求項16の方法。
【請求項18】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFであり、任意にTNF-αで補完される、請求項17の方法。
【請求項19】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがHGFであり、任意にEGF、TGF-β、TNF-α、またはOSMで補完される、請求項17の方法。
【請求項20】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドが、オンコスタチンMがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドか、または、TGF-βがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドのいずれか、および、TNFα受容体に結合して、TNFαのその受容体への結合により活性化される同一のシグナル伝達経路を活性化させる一つのリガンドの組み合わせである、請求項14の方法。
【請求項21】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドは、TNFαとオンコスタチン-Mの組み合わせ、またはTNFαとTGF-βの組み合わせである、請求項20の方法。
【請求項22】
TGF-βがTGF β -1、TGF β -2、TGF β -3、またはそのヘテロ二量体である、請求19の方法。
【請求項23】
請求項14の方法であって、試験薬が上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害するかどうかを判断する工程の後で、以下の工程:
間葉様H1650腫瘍細胞増殖を阻害する薬剤が、上皮性のH1650腫瘍細胞増殖も阻害するかどうかを判断すること;および
かくして、それが上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を特異的に阻害する薬剤であるかどうかの判断をすること
を含む方法。
【請求項24】
試験薬が間葉様H1650腫瘍細胞増殖を阻害するかどうかを判断する工程において、試験薬が前記腫瘍細胞のアポトーシスを刺激することにより阻害することが判断される、請求項23の方法。
【請求項25】
試験薬が間葉様H1650腫瘍細胞増殖を阻害するかどうかを判断する工程において、試験薬が前記腫瘍細胞の増殖を阻害することにより阻害することが判断される、請求項23の方法。
【請求項26】
間葉様腫瘍細胞を刺激して間葉が上皮転換を起こす薬剤を同定する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤と接触させること;
細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
間葉が上皮転換を起こすように試験薬が試料中の間葉様H1650細胞を刺激するかどうかについて、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していない同一の間葉様H1650細胞試料における同じ生物マーカーのレベルと比較することにより判断すること;および
かくして、試験薬が間葉が上皮転換を起こすように間葉様腫瘍細胞を刺激する薬剤であるかどうかを判断すること
を含む方法。
【請求項27】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGF受容体またはHGF受容体に結合し、かつ活性化させる任意のタンパク質リガンドから選択される、請求項26の方法。
【請求項28】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGF、TGF-α、HB-EGF、アンフィレギュリン、ベタセルリン、エピレグリン、エピゲン、およびHGFから選択される、請求項27の方法。
【請求項29】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGFおよびHGFから選択される、請求項28の方法。
【請求項30】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFであり、任意にTNF-αで補完される、請求項29の方法。
【請求項31】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがHGFであり、任意にEGF、TGF-β、TNF-α、またはOSMで補完される、請求項29の方法。
【請求項32】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドが、オンコスタチンMがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドか、または、TGF-βがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドのいずれか、および、TNFα受容体に結合して、TNFαのその受容体への結合により活性化される同一のシグナル伝達経路を活性化させる一つのリガンドの組み合わせである、請求項26の方法。
【請求項33】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドは、TNFαとオンコスタチン-Mの組み合わせ、またはTNFαとTGF-βの組み合わせである、請求項32の方法。
【請求項34】
TGF-βがTGF β -1、TGF β -2、TGF β -3、またはそのヘテロ二量体である、請求項32の方法。
【請求項35】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが上皮系細胞生物マーカーである、請求項26の方法。
【請求項36】
上皮系細胞生物マーカーが、E-カドヘリン、CDH1プロモーター作用、サイトケラチン8、サイトケラチン18、P-カドヘリンまたはerbB3である、請求項35の方法。
【請求項37】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが間葉系細胞生物マーカーである、請求項26の方法。
【請求項38】
間葉系細胞生物マーカーが、ビメンチン、フィブロネクチン、Nカドヘリン、CDH1メチル化、zeb1、twist、FOXC2またはsnailである、請求項37の方法。
【請求項39】
上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する化学物質を含む組成物を調製する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
試料を、H1650細胞において上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤に接触させること;
前記試験薬が、試料中の腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害するかどうかについて、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していないH1650細胞の同一サンプルでの同じ生物マーカーのレベルと比較することによって判断すること;および
このようにして、試験薬が腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害する薬剤であるかどうかを判断すること;
ならびにそのように同定された試験薬を担体と混合させて、それにより前記組成物を調製すること
を含む方法。
【請求項40】
上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する化学物質を含む組成物を調製する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤と接触させること;
細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
試験薬が間葉様H1650の細胞増殖を阻害するかどうかを判断すること;および
かくして、それが上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する薬剤であるかどうかを判断すること;
ならびにそのように同定された試験薬を担体と混合させて、それにより前記組成物を調製すること
を含む方法。
【請求項41】
上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する化学物質を含む組成物を調整する方法であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤と接触させること;
細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
試験薬が試料中の間葉様H1650細胞を刺激して間葉が上皮転換を起こすかどうかを、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していない同一の間葉様H1650細胞試料における同一生物マーカーのレベルと比較することにより判断すること;および
かくして、試験薬が間葉が上皮転換を起こすように間葉様腫瘍細胞を刺激する薬剤であるかどうかを判断すること;
ならびにそのように同定された試験薬を担体と混合させて、それにより前記組成物を調製すること
を含む方法。
【請求項42】
抗癌剤の同定で使用するための間葉様腫瘍細胞調製物であって、以下:
上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料をH1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一または二重タンパク質リガンド製剤と接触させること;
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGF受容体またはHGF受容体に結合し、かつ活性化させる任意のタンパク質リガンドから選択されること;および
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドが、オンコスタチンMがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドか、または、TGF-βがその受容体に結合することによって活性化したシグナル伝達経路を活性化させる受容体に結合するタンパク質リガンドのいずれか、および、TNFα受容体に結合して、TNFαのその受容体への結合により活性化される同一のシグナル伝達経路を活性化させる一つのリガンドの組み合わせであること;
を含むプロセスによって調製される、調製物。
【請求項43】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドが、EGF、TGF-α、HB-EGF、アンフィレギュリン、ベタセルリン、エピレグリン、エピゲン、およびHGFから選択される、請求項42の細胞調製物。
【請求項44】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFおよびHGFから選択される、請求項42の細胞調製物。
【請求項45】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがEGFであり、任意にTNF-αで補完される、請求項44の細胞調製物。
【請求項46】
H1650細胞における上皮間葉転換を誘発する単一タンパク質リガンドがHGFであり、任意にEGF、TGF-β、TNF-α、またはOSMで補完される、請求項44の細胞調製物。
【請求項47】
H1650細胞での上皮間葉転換を誘発する二重タンパク質リガンドが、TNFαとオンコスタチン-Mの組み合わせ、またはTNFαとTGF-βの組み合わせである、請求項42の細胞調製物。
【請求項48】
TGF-βがTGF β -1、TGF β -2、TGF β -3、またはそのヘテロ二量体である、請求項42の細胞調製物。
【請求項49】
腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害する薬剤を同定する方法であって、以下:
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、スクリーニング対象の試験薬と接触させること;
改変H1650細胞での上皮間葉転換を刺激する前記タンパク質の発現を誘導する化合物と試料を接触させること;
前記試験薬が、試料中の腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害するかどうかについて、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していない改変H1650細胞の同一試料での同じ生物マーカーのレベルと比較することによって判断すること;および
かくして、試験薬が腫瘍細胞が上皮間葉転換を起こすのを阻害する薬剤であるかどうかを判断すること;
を含む方法。
【請求項50】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がZeb-1またはSnailである、請求項49の方法。
【請求項51】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がHGFである、請求項49の方法。
【請求項52】
Tet調節プロモーターが、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘発的に発現するために使用される、請求項49の方法。
【請求項53】
Tet調節プロモーターがTet-onシステムである、請求項52の方法。
【請求項54】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが上皮系細胞生物マーカーである、請求項49の方法。
【請求項55】
上皮系細胞生物マーカーが、E-カドヘリン、サイトケラチン8、サイトケラチン18、P-カドヘリンまたはerbB3である、請求項54の方法。
【請求項56】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す上皮系細胞生物マーカーが、上皮系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性である、請求項54の方法。
【請求項57】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物を改変H1650細胞に前記プロモーターレポーター作用がレポーター遺伝子のレベルまたは活性により監視できるように含めることにより、上皮系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性が評価される、請求項56の方法。
【請求項58】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物が、E-カドヘリンプロモーター-ホタル由来ルシフェラーゼである、請求項57の方法。
【請求項59】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが間葉系細胞生物マーカーである、請求項49の方法。
【請求項60】
間葉系細胞生物マーカーが、ビメンチン、フィブロネクチン、Nカドヘリン、CDH1メチル化、zeb1、twist、FOXC2またはsnailである、請求項59の方法。
【請求項61】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す間葉系細胞生物マーカーが、間葉系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性である、請求項59の方法。
【請求項62】
間葉系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター遺伝子構築物を、改変H1650細胞に前記プロモーターレポーター作用がレポーター遺伝子のレベルまたは活性により監視できるように含めることにより、間葉系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性が評価される、請求項61の方法。
【請求項63】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物が、E-カドヘリンプロモーター-ホタル由来ルシフェラーゼである、請求項62の方法。
【請求項64】
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料が、動物において成長する異種移植片である、請求項49の方法。
【請求項65】
上皮間葉転換を起こす腫瘍細胞を阻害する薬剤を同定する方法であって、以下:
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、前記タンパク質の発現を誘導してH1650細胞における上皮間葉転換を誘発する化合物と接触させること;
前記細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
前記試験薬が間葉様H1650の細胞増殖を阻害するかどうかを判断すること;および
かくして、それが上皮間葉転換を起こした腫瘍細胞の増殖を阻害する薬剤であるかどうかを判断すること
を含む方法。
【請求項66】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がZeb-1またはsnailである、請求項65の方法。
【請求項67】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がHGFである、請求項65の方法。
【請求項68】
Tet調節プロモーターが、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するために使用される、請求項65の方法。
【請求項69】
Tet調節プロモーターがTet-onシステムである、請求項68の方法。
【請求項70】
間葉様腫瘍細胞を刺激して間葉が上皮転換を起こす薬剤を同定する方法であって、以下:
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料を、前記タンパク質の発現を誘導して、H1650細胞において上皮間葉転換を誘発する化合物と接触させること;
前記細胞試料をスクリーニング対象の試験薬と接触させること;
前記試験薬が試料中の間葉様H1650細胞を刺激して間葉が上皮転換を起こすかどうかについて、そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーのレベルを、試験薬と接触していない同一の間葉様H1650細胞試料における同じ生物マーカーのレベルと比較することにより判断すること;および
かくして、試験薬が間葉様腫瘍細胞を刺激して間葉が上皮転換を起こす薬剤であるかどうかを判断すること
を含む方法。
【請求項71】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がZeb-1またはsnailである、請求項70の方法。
【請求項72】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がHGFである、請求項70の方法。
【請求項73】
Tet調節プロモーターが、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するために使用される、請求項70の方法。
【請求項74】
Tet調節プロモーターがTet-onシステムである、請求項73の方法。
【請求項75】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが上皮系細胞生物マーカーである、請求項70の方法。
【請求項76】
上皮系細胞生物マーカーが、E-カドヘリン、サイトケラチン8、サイトケラチン18、P-カドヘリンまたはerbB3である、請求項75の方法。
【請求項77】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す上皮系細胞生物マーカーが、上皮系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性である、請求項75の方法。
【請求項78】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物を改変H1650細胞に前記プロモーターレポーター作用がレポーター遺伝子のレベルまたは活性により監視できるように含めることにより、上皮系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性が評価される、請求項77の方法。
【請求項79】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物が、E-カドヘリンプロモーター-ホタル由来ルシフェラーゼである、請求項78の方法。
【請求項80】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す生物マーカーが間葉系細胞生物マーカーである、請求項70の方法。
【請求項81】
間葉系細胞生物マーカーが、ビメンチン、フィブロネクチン、Nカドヘリン、CDH1メチル化、zeb1、twist、FOXC2またはsnailである、請求項80の方法。
【請求項82】
そのレベルが試料腫瘍細胞のEMTステータスを示す間葉系細胞生物マーカーが、間葉系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性である、請求項80の方法。
【請求項83】
間葉系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター遺伝子構築物を改変H1650細胞に含めて、前記プロモーターレポーター作用がレポーター遺伝子のレベルまたは活性により、間葉系生物マーカー遺伝子プロモーターの活性が監視できるようにすることによって評価される、請求項82の方法。
【請求項84】
上皮系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター構築物が、E-カドヘリンプロモーター-ホタル由来ルシフェラーゼである、請求項83の方法。
【請求項85】
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料が、動物において成長する異種移植片である、請求項70の方法。
【請求項86】
抗癌剤の同定で使用するための間葉様腫瘍細胞調製物であって、以下:
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された、上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料
を含む腫瘍細胞調製物。
【請求項87】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がZeb-1またはSnailである、請求項86の腫瘍細胞調製物。
【請求項88】
誘導的に発現し、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質がHGFである、請求項86の腫瘍細胞調製物。
【請求項89】
Tet調節プロモーターが、H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するために使用される、請求項86の腫瘍細胞調製物。
【請求項90】
Tet調節プロモーターがTet-onシステムである、請求項89の腫瘍細胞調製物。
【請求項91】
前記プロモーターレポーター作用がレポーター遺伝子のレベルまたは活性により監視できるように、追加的に改変H1650細胞に安定的に組み込まれた上皮性のおよび/または間葉系生物マーカー遺伝子プロモーター-レポーター遺伝子構築物を含む、請求項86の腫瘍細胞調製物。
【請求項92】
レポーター遺伝子のレベルまたは活性がEMT誘導を監視するために使用できるように、さらにH1650細胞がレポーター遺伝子を誘導的に発現するよう設計された、請求項91の腫瘍細胞調製物。
【請求項93】
H1650細胞における上皮間葉転換を刺激するタンパク質を誘導的に発現するよう設計された上皮腫瘍細胞株H1650の細胞試料が、動物において成長する異種移植片である、請求項86の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−519282(P2012−519282A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552166(P2011−552166)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/025475
【国際公開番号】WO2010/099364
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511205552)オーエスアイ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】