説明

関心調査装置

【課題】人の意識、志向、望み、ニーズなどについて作為のない自然のままの情報を収集し、調査の信頼性を高め、また、調査の効率性を高め、また、特定の場所的範囲に限定した信頼性の高い調査を容易に実現する。
【解決手段】第1のディスプレイ21には商店街案内画像を表示し、商店街および買い物客の便益を図ると共に、買い物客を誘引する。情報読取書込部23により買い物客が所持する携帯端末5の識別情報を読み取り、タッチパネルを備えた接触位置検出部24により買い物客が選択したボタンを示すボタン情報を取得する。第2のディスプレイ22には商品画像を表示し、視線検出部25により、商品画像を見る買い物客の視線を示す視線情報を取得する。携帯端末5の識別情報、ボタン情報および視線情報は、情報処理装置3に送られ、買い物客の行動および関心の調査に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば市場調査などに好適に用いることができる関心調査装置であって、具体的には、ディスプレイによる情報表示、視線検出装置による視線検出などの電気、電子または情報通信装置を有機的に結合することにより、人の関心を調査する関心調査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製造業、小売業などを営む企業は、新製品の開発や既存製品の販売促進を行うために市場調査を行う。市場調査を行うに当たり、消費者の意識、志向、ニーズなどに関する、消費者の生の情報、つまり作為のない自然のままの情報を収集することにより、調査の信頼性を高めることができる。消費者の生の情報を収集する方法としては、街頭アンケート、電話アンケート、手紙を郵送して行うアンケート、商品モニタによるアンケートなどが一般的である。さらに、最近では、消費者の生の情報を収集する方法として、パーソナルコンピュータおよびインターネットを利用したウェブアンケートが普及している。また、ごく最近では、携帯電話機を利用したウェブアンケートが普及し始めている。
【0003】
また、このようなアンケートは、政治団体が自身の活動方針などを定めるために、選挙権者の意識、望みなどに関する、選挙権者の情報を収集する目的で行われる場合もある。さらに、上述したようなアンケートは、地方公共団体が地方行政に関する施策や、地域の商業振興策を立案、あるいはまちづくりの推進を行うために、市区町村などの住民の意識、望みなどに関する、地元住民の情報を収集する目的で行われる場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、街頭アンケート、電話アンケート、手紙を郵送して行うアンケートまたは商品モニタによるアンケートを行うには、街頭に出向いてアンケートを実施する、多数の人に電話をする、アンケート用の手紙を大量に印刷する、商品モニタを募集して応募者に商品を送るなど、人手、手間または費用がかかる。そして、多くの人手、手間または費用をかけたにもかかわらず、アンケートの回答率が低い場合には、情報収集の効率が悪い。
【0005】
また、このようなアンケートを行っても、作為のない自然のままの消費者情報などを収集することは容易ではない。例えば、商店街で買い物を急いでいる人々にアンケートを行えば、いい加減な回答しか得られない場合がある。また、手紙を郵送して行うアンケートによれば、回答者に熟慮する機会を与えることができるが、却って、考えすぎにより回答に作為が介在してしまうおそれがある。
【0006】
また、ウェブアンケートによれば、人手、手間または費用を削減することができるが、手紙を郵送して行うアンケートと同様に、作為のない自然のままの消費者情報などを収集することは容易ではない。また、ウェブアンケートは、地元住民の情報のみを収集するなど、情報収集の場所的範囲を狭く限定することが困難である。
【0007】
本発明は、例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、人手、手間または費用を削減しながら、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて効率的に情報収集を行うことができ、調査の効率性を高めることができる関心調査装置を提供することにある。
【0008】
本発明の第2の課題は、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報を収集することができ、調査の信頼性を高めることができる関心調査装置を提供することにある。
【0009】
本発明の第3の課題は、特定の場所的範囲内において、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報の収集を容易に行うことができ、特定の場所的範囲に限定した信頼性の高い調査を容易に実現することができる関心調査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の関心調査装置は、人の関心を調査する関心調査装置であって、互いに近接する位置に配置された第1の画面配置領域および第2の画面配置領域が形成されたフロントパネル部を有する筐体と、前記第1の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第1のディスプレイと、前記第1のディスプレイの画面に表示するための第1の画像を前記第1のディスプレイに供給する第1の画像供給部手段と、前記第2の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第2のディスプレイと、前記第1の画像と異なり、前記第2のディスプレイの画面に表示するための第2の画像を前記第2のディスプレイに供給する第2の画像供給手段と、前記第1の画面配置領域の近傍に配置され、携帯端末と通信を行い、前記携帯端末の識別情報を読み取ると共に、前記第1の画像と関連する情報を前記携帯端末に送る情報読取書込手段と、前記第2のディスプレイの画面を見る人の視線を検出する視線検出手段と、前記情報読取書込手段により読み取られた携帯端末の識別情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、当該関心調査装置と通信可能に接続された情報処理装置に送信する情報送信手段とを備えている。
【0011】
第1の関心調査装置において、第1のディスプレイの画面には、例えば、商店街案内、イベント会場地図、町の名所案内、人気商品の紹介など人に役に立つ情報や人の興味を引く情報を含む第1の画像を表示する。これにより、買い物客、来訪者、旅行客などを関心調査装置に誘引する。そして、情報読取書込手段により、例えば、商店街における各店舗の案内、イベントの詳細な情報、町内の各名所の詳しい解説、人気商品のお買い得情報など、第1の画像に含まれる情報に関連する情報を、第1のディスプレイの画面を見ている人が所持する携帯端末に送ると共に、この携帯端末の識別情報を読み取る。一方、第2のディスプレイの画面には、例えば、開発途上の商品、販売促進を図るべき既存の商品、開発途上の地域ブランド品、政治団体における政策案など、市場調査の対象となるものを含む第2の画像を表示する。そして、関心調査装置に誘引された人がこの第2の画像を見たとき、この人の視線を視線検出手段により検出する。そして、情報送信手段により、読み取った携帯端末の識別情報および検出した視線情報を情報処理装置に送信する。
【0012】
携帯端末の識別情報は、関心調査装置に誘引された人々を一人一人識別するための情報として利用することができる。一方、視線情報は、これらの人々が第2の画像を見たか否かを判断するための情報として利用することができる。これら2つの情報を利用することにより、関心調査装置に誘引された各個人が、市場調査の対象となるものに関心を示したか否かを推測することが可能になる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第2の関心調査装置は、人の関心を調査する関心調査装置であって、互いに近接する位置に配置された第1の画面配置領域および第2の画面配置領域が形成されたフロントパネル部を有する筐体と、前記第1の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第1のディスプレイと、前記第1のディスプレイの画面に表示するための複数のボタンが配置された第1の画像を前記第1のディスプレイに供給する第1の画像供給手段と、前記第2の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第2のディスプレイと、前記第1の画像と異なり、前記第2のディスプレイの画面に表示するための第2の画像を前記第2のディスプレイに供給する第2の画像供給手段と、人が前記複数のボタンのうちのいずれか選択するために前記フロントパネル部の前記第1の画面配置領域内の一部に手、指または道具を介して接触したとき、この接触位置を検出する接触位置検出手段と、前記第2のディスプレイの画面を見る人の視線を検出する視線検出部と、前記接触位置検出手段により検出された手、指または道具の接触位置を示す接触位置情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、あるいは、前記複数のボタンのうち前記手、指または道具の接触位置に対応する位置に配置されたボタンを示すボタン情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、当該関心調査装置と通信可能に接続された情報処理装置に送信する情報送信手段とを備えている。
【0014】
第2の関心調査装置において、第1のディスプレイの画面には、例えば、商店街案内、イベント会場地図、町の名所案内、人気商品の紹介など人に役に立つ情報や人の興味を引く情報を含む第1の画像を表示する。これにより、買い物客、来訪者、旅行客などを関心調査装置に誘引する。また、第1の画像中には、例えば、商店街における商品のカテゴリー、各店舗、イベント会場で催される各イベント、町の各名所などを選択するためのボタンが配置されている。そして、関心調査装置に誘引された人が第1の画像中の複数のボタンのうちのいずれかを選択するためにフロントパネル部の第1の画面配置領域内の一部に手、指または道具を介して接触したとき、この接触位置を接触位置検出手段により検出する。一方、第2のディスプレイの画面には、例えば、開発途上の商品、販売促進を図るべき既存の商品、開発途上の地域ブランド品、政治団体における政策案など、市場調査の対象となるものを含む第2の画像を表示する。そして、関心調査装置に誘引された人がこの第2の画像を見たとき、この人の視線を視線検出手段により検出する。そして、検出された手、指または道具の接触位置を示す接触位置情報、あるいは、第1画像中の複数のボタンのうち、手、指または道具の接触位置に対応する位置に配置されたボタンを示すボタン情報を情報送信手段により情報処理装置に送信する。さらに、視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を情報送信手段により情報処理装置に送信する。
【0015】
接触位置情報またはボタン情報は、関心調査装置に誘引された人が、第1の画像中の複数のボタンのうちどのボタンを選択したかを判断するための情報として利用することができる。これにより、関心調査装置に誘引された人の行動、例えば、この人は、商店街に何を買いに来たのか、イベント会場のどのイベントを見に来たのか、町のどの名所を見学しに来たのかなどを推測することが可能になる。一方、視線情報は、関心調査装置に誘引された人が第2の画像を見たか否かを判断するための情報として利用することができる。これにより、関心調査装置に誘引された人が市場調査の対象となるものに関心を示したか否かを推測することが可能になる。そして、接触位置情報またはボタン情報と、視線情報との双方を利用することにより、関心調査装置に誘引された人の行動と、市場調査の対象となるものに対する関心の有無との相関関係を推測することが可能になる。
【0016】
また、上述した本発明の第1または第2の関心調査装置において、前記フロントパネル部には、前記第1の画面配置領域の周囲または前記第2の画面配置領域の周囲にイルミネーション領域を形成し、イルミネーションを形成するための発光手段をイルミネーション領域に配置してもよい。イルミネーションにより、より多くの人を関心調査装置に誘引することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1または第2の関心調査装置によれば、関心調査装置に誘引された人が、市場調査の対象となるものに関心を示したか否かを推測するために利用可能な情報を取得することができる。したがって、人手、手間または費用を削減しながら、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて効率的に情報収集を行うことができ、調査の効率性を高めることができる。
【0018】
また、本発明の第1または第2の関心調査装置によれば人の関心を推測するための情報として、第2の画像に注がれる人の視線に係る情報を得ることができる。したがって、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報を収集することができ、調査の信頼性を高めることができる。
【0019】
また、本発明の第1または第2の関心調査装置によれば、特定の場所に設置された関心調査装置に誘引された人々の関心を把握することが可能になる。したがって、特定の場所的範囲内において、人の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報の収集を容易に行うことができ、特定の場所的範囲に限定した信頼性の高い調査を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(関心調査システム)
図1は関心調査システムを示している。図1中の関心調査システム1は、人の関心を調査するシステムである。関心調査システム1は、製造業、小売業などを営む企業が行う市場調査、政治団体が行う選挙権者の意識調査、地方公共団体が行う地域住民の意識調査など、様々な調査に用いることができる。しかし、ここでは、説明の便宜上、関心調査システム1を、商店街の買い物客に対する開発途上商品の市場調査に用いる場合を例にあげる。
【0022】
関心調査システム1は、関心調査装置2および情報処理装置3を備えている。関心調査装置2は、人の関心を調査するための装置であり、主に、人の関心を推測するのに利用可能な情報の収集を行う。情報処理装置3は、例えばサーバコンピュータであり、関心調査装置2により収集された情報を分析する。関心調査装置2は、例えば、商店街の買い物客が頻繁に行き来する商店街の入り口付近に設置されている。一方、情報処理装置3は、商店街から離れた場所に設置されている。関心調査装置2と情報処理装置3とは、例えばインターネットなどのコンピュータネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
(関心調査装置の構成)
図2は関心調査装置2の外観を示している。図3は関心調査装置2が有する視線検出部25の詳細を示している。図4は関心調査装置2の内部構造を示している。図2に示すように、関心調査装置2は筐体11を備えている。筐体11は、上下寸法が例えば1ないし2メートル程度、左右寸法が例えば2ないし5メートル程度、前後寸法が例えば0.3ないし1メートル程度の四角形の板状に形成されている。
【0024】
筐体11はその前側にフロントパネル部12を有している。フロントパネル部12には、第1の画面配置領域13および第2の画面配置領域14が形成され、第1の画面配置領域13と第2の画面配置領域14とは左右方向に互いに近接する位置に配置されている。さらに、フロントパネル部12において、第1の画面配置領域13および第2の画面配置領域14を合わせた領域の周囲にはイルミネーション領域15が形成されている。イルミネーション領域15は、フロントパネル部12の周縁の全周に亘って形成されている。
【0025】
さらに、関心調査装置2は、第1のディスプレイ21、第2のディスプレイ22、情報読取書込部23、接触位置検出部24、視線検出部25、イルミネーションユニット28、およびスピーカ29、29を備えている。
【0026】
第1のディスプレイ21は、フロントパネル部12の第1の画面配置領域13に画面21Aが配置されるように筐体11内に設けられている。第1のディスプレイ21は例えばプラズマディスプレイである。第1のディスプレイ21の画面21Aには、後述するように、商店街案内画像(図5、図6参照)が表示される。
【0027】
第2のディスプレイ22は、フロントパネル部12の第2の画面配置領域14に画面22Aが配置されるように筐体11内に設けられている。第2のディスプレイ22は、例えば4台のプラズマディスプレイをマトリクス状に配列することにより構成されている。第2のディスプレイ22を構成する各プラズマディスプレイの画面は、例えば4ミリメートル程度の細い目地幅をもって互いに隣接して配置されており、これにより、4台のプラズマディスプレイの画面は、1つの大きな画面として機能する。第2のディスプレイ22の画面22Aには、市場調査の対象である開発途上商品に関する商品画像61、62(図7、図8参照)が表示される。
【0028】
情報読取書込部23は、第1の画面配置領域13の近傍に配置され、携帯端末5(図9参照)と通信を行い、携帯端末5の識別情報を読み取ると共に、後述する商店街案内画像と関連する情報を携帯端末5に送る。携帯端末5は、例えば、近距離通信回路を搭載した携帯電話機であり、この近距離通信回路は、具体的にはICカード用ICチップである。このICカード用ICチップとして、例えばFelicaチップ(Felicaはソニー株式会社の登録商標である。)を用いることができる。情報読取書込部23は、このような携帯端末5と通信を行うための近距離通信回路であり、具体的にはICカード用リーダ/ライタである。このICカード用リーダ/ライタとして、例えばFelica用のリーダ/ライタを用いることができる。
【0029】
携帯端末5の識別情報は、携帯端末5固有の情報であり、例えば、携帯電話機の製造番号、携帯電話機に割り当てられた固有ID、携帯電話機に搭載されたICカード用ICチップの製造番号、または、携帯電話機の所有者または利用者の固有IDである。
【0030】
情報読取書込部23が携帯端末5に送る、商店街案内画像と関連する情報は、携帯端末5に内蔵(インストール)されたウェブブラウザを起動させるための指令(以下、これを「ウェブブラウザ起動指令」という。)と、関心調査装置2が設置された商店街に関する詳細な情報(例えばお買い得商品情報、バーゲンセール情報、各店舗の詳細情報を掲載したウェブページへのリンクなど)が掲載されたウェブページのURL(Uniform Resource Locator)(以下、これを「商店街詳細情報URL」という。)とを含んでいる。
【0031】
接触位置検出部24は、買い物客が、第1のディスプレイ21の画面21Aに表示された商店街案内画像(商店街案内テーブル画像51)中に配置された複数のボタン53、53、…のうちのいずれかを選択するために、フロントパネル部12の第1の画面配置領域13内の一部に指で接触したとき、この接触位置を検出する。接触位置検出部24は、例えばタッチパネルである。関心調査装置2を屋外に設置し、商店街を行き来するたくさんの買い物客がフロントパネル部12に触れることを考慮すると、接触位置検出部24は、光学方式またはアナログ容量結合方式などの耐久性、耐環境性に優れたタッチパネルであることが望ましい。接触位置検出部24の接触位置検出領域は、第1の画面配置領域13の全域と重なり合うように設定されている。
【0032】
視線検出部25は、第2のディスプレイ22の画面22Aを見る買い物客の視線を検出する。視線検出部25は、画面22Aの上側に配置されている。視線検出部25は、図3に示すように、視線捕捉ユニット26および赤外線照射ユニット27を備えている。視線捕捉ユニット26は、ビデオカメラ26Aおよび複数の赤外線発光ダイオード26B、26B、…を備えている。一方、赤外線照射ユニット27は、複数の赤外線発光ダイオード27A、27A、…を備えている。視線検出部25は、赤外線発光ダイオード26B、26B、…、27A、27A、…から照射され、買い物客の眼球に反射した赤外線をビデオカメラ26Aにより受け取ることにより、第2のディスプレイ22の画面22A(すなわち、ここに表示された商品画像61、62)に注がれている買い物客の視線を検出する。視線検出部25によれば、画面22Aに同時に注がれている買い物客の視線の数、画面22Aを同時に見ている買い物客の顔の数などを認識することができる。また、視線検出部25によれば、買い物客の視線が画面22A中のどの部分に注がれているかを認識することができる。例えば、図3に示すように、画面22A中の点P1に注がれている視線G1、画面22A中の点P2に注がれている視線G2、画面22A中の点P3に注がれている視線G3をそれぞれ識別することができる。視線検出部25には、例えばxuuk社のeyebox2を用いることができる。
【0033】
イルミネーションユニット28は、フロントパネル部12のイルミネーション領域15中に配置され、イルミネーションを形成する。イルミネーションユニット28は、イルミネーション領域15中に多数の発光ダイオードを配列することにより形成されている。
【0034】
スピーカ29、29は、筐体11に取り付けられている。スピーカ29、29を介し、携帯端末5と情報読取書込部23との間の通信状況を示す効果音、買い物客がフロントパネル部12の第1の画面配置領域13に指を触れてボタン53を選択したことを示す効果音、商品街の音声案内、市場調査の対象である開発途上商品の解説音声、バックグランドミュージックなどを鳴らす。
【0035】
さらに、関心調査装置2は、筐体11内において、図4に示すように、制御ユニット32、表示制御インタフェース(I/F)33、34、イルミネーション制御部35、通信インタフェース(I/F)36および記憶部37を備えている。
【0036】
制御ユニット32は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えている。ROMには、制御ユニット32を、後述する第1の画像供給部41、第2の画像供給部42、通信制御部43および総合制御部44として機能させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。CPUがこのコンピュータプログラムをROMから読み出して実行することにより、制御ユニット32は、第1の画像供給部41、第2の画像供給部42、通信制御部43および総合制御部44として機能する。RAMは、CPUがコンピュータプログラムを実行する際の作業メモリとして用いられる。
【0037】
第1の画像供給部41は、第1のディスプレイ21の画面21Aに表示するための商店街案内画像を第1のディスプレイ21に供給する。商店街案内画像は、記憶部37に記憶されており、第1の画像供給部41は、商店街案内画像を記憶部37から読み出し、これを第1のディスプレイ21に供給する。
【0038】
第2の画像供給部42は、第2のディスプレイ22の画面22Aに表示するための商品画像61、62を第2のディスプレイ22に供給する。商品画像61、62は、記憶部37に記憶されており、第2の画像供給部42は、商品画像61、62を記憶部37から読み出し、これを第2のディスプレイ22に供給する。
【0039】
通信制御部43は、(1)情報読取書込部23により読み取られた携帯端末5の識別情報、(2)商店街案内画像(商店街案内テーブル画像51)中に配置された複数のボタン53、53、…のうち、買い物客が選択したボタン53を示すボタン情報、および(3)視線検出部25により検出された買い物客の視線を示す視線情報を情報処理装置3に送信する。また、通信制御部43は、情報処理装置3から送信された商店街案内画像および商品画像61、62を受信する。
【0040】
総合制御部44は、情報処理装置3から送信された商店街案内画像および商品画像61、62を記憶部37に記憶させるための制御、商店街案内画像の切替制御、商品画像61、62の切替制御、ボタン情報の生成、情報読取書込部23により検出された携帯端末5の識別情報を記憶部37に記憶させるための制御、商店街案内画像と関連する情報(ウェブブラウザ起動指令、および商店街詳細情報URLなど)を記憶部37から読み出し、情報読取書込部23に出力する制御、視線情報の生成、イルミネーションユニット28により形成すべきイルミネーションパターンの制御、イルミネーションの形成(発光)タイミング制御、その他、関心調査装置2における種々の動作を制御する。
【0041】
表示制御インタフェース33、34は、第1のディスプレイ21および第2のディスプレイ22の表示制御を行うためのインタフェース回路である。
【0042】
イルミネーション制御部35は、イルミネーションユニット28の各発光ダイオードの発光制御を行うための制御回路である。
【0043】
通信インタフェース36は、関心調査装置2と情報処理装置3との間の通信制御を行うためのインタフェース回路である。
【0044】
記憶部37は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリであり、商店街案内画像、商品画像61、62、商店街案内画像と関連する情報(ウェブブラウザ起動指令、および商店街詳細情報URLなど)などを保存する。また、記憶部37は、携帯端末5の識別情報、ボタン情報および視線情報を、これらが読み取られまたは生成されてから、情報処理装置3に送信されるまでの間、保存する。
【0045】
図5および図6は商店街案内画像の一例をそれぞれ示している。商店街案内画像は、商店街案内テーブル画像51および店舗マップ画像52を含んでいる。図5に示すように、商店街案内テーブル画像51は、○○○商店街における各店舗が取り扱っている商品またはサービスの名称(スーパーマーケット、米、酒、本…)をカテゴリー(食品、衣類、雑貨、…)別に整理した表の画像である。商品またはサービスの名称が配置された部分にはボタン53、53、…がそれぞれ配置(描画)されている。一方、図6に示すように、店舗マップ画像52は、商店街の地図上に店舗の位置(斜線部分)を明示した画像である。図6に示す店舗マップ画像52は、酒店の位置を明示した画像であるが、店舗マップ画像52は、これ以外にも、商店街における各店舗が取り扱う商品およびサービスに対応して複数用意されている。
【0046】
第1の画像供給部41は、デフォルト画像として、商店街案内テーブル画像51を第1のディスプレイ21に供給する。これにより、デフォルト状態(買い物客がボタン53を選択する前の状態)において、画面21Aには図5に示す商店街案内テーブル画像51が表示される。そして、買い物客がフロントパネル部12の第1の画面配置領域13に指を接触させ、例えば商店街案内テーブル画像51中の「酒」のボタン53を選択した場合には、第1の画像供給部41は、図6に示すような酒店の位置を明示した店舗マップ画像52を第1のディスプレイ21に供給する。これにより、画面21Aには、酒店の位置を明示した店舗マップ画像52が表示される。
【0047】
図7および図8は商品画像をそれぞれ示している。図7に示す商品画像61は、市場調査の対象である開発途上の商品(缶ビール)の第1のデザイン案および第2のデザイン案を示す画像である。図8に示す商品画像62は、市場調査の対象である開発途上の商品(缶ビール)の第3のデザイン案および第4のデザイン案を示す画像である。
【0048】
第2の画像供給部42は、これら2つの商品画像61、62を交互に第2のディスプレイ22に供給する。これにより、第2のディスプレイ22の画面22Aには、商品画像61、62が交互に表示される。商品画像61、62を切り換える間隔は、例えば30秒程度である。
【0049】
(関心調査装置の動作)
図9は関心調査装置2の動作を模式的に示している。図9において、関心調査装置2を起動させた直後、情報処理装置3から関心調査装置2に商店街案内画像および商品画像61、62が送信される。関心調査装置2の通信制御部43は、情報処理装置3から送信された商店街案内画像および商品画像61、62を、通信インタフェース36を介して受信する。続いて、総合制御部44は、受信された商店街案内画像および商品画像61、62を記憶部37に記憶させる。続いて、第1の画像供給部41は、記憶部37に記憶された商店街案内画像のうちの商店街案内テーブル画像51を第1のディスプレイ21に供給する。これにより、第1のディスプレイ21の画面21Aには、商店街案内テーブル画像51が表示される。これと同時に、第2の画像供給部42は、記憶部37に記憶された、商品画像61を第2のディスプレイ22に供給する。これにより、第2のディスプレイ22の画面22Aには商品画像61が表示される。これと同時に、視線検出部25が買い物客の視線の検出を開始する。さらに、これと同時に、イルミネーションユニット28(図2参照)がイルミネーションの形成(発光)を開始する。
【0050】
例えば酒を買いに商店街を訪れた買い物客が、酒店を探すために、関心調査装置2に近寄り、第1のディスプレイ21の画面21Aに表示された商店街案内テーブル画像51を見る。この買い物客が、商店街に関する詳細な情報を得るために、当該買い物客が所持する携帯端末5を情報読取書込部23にかざしたとき、情報読取書込部23は、携帯端末5の識別情報を携帯端末5から読み取ると共に、商店街案内画像と関連する情報(ウェブブラウザ起動指令、および商店街詳細情報URLなど)を携帯端末5に送る。これにより、携帯端末5はウェブブラウザを起動させ、商店街詳細情報URLが示すウェブページに基地局6等を介してアクセスする。情報処理装置3は、商店街に関するウェブページを配信するウェブサーバとしても機能する。情報処理装置3は、携帯端末5からのアクセスに応じ、商店街詳細情報URLが示すウェブページのHTML(Hyper Text Markup Language)データを、基地局6等を介して携帯端末5に送信する。携帯端末5は、このHTMLデータを受信し、商店街に関する詳細な情報が掲載されたウェブページを携帯端末5のディスプレイに表示する。当該買い物客は、携帯端末5のディスプレイを見ることにより、商店街に関する詳細な情報を得ることができる。一方、情報読取書込部23により読み取られた携帯端末5の識別情報は、総合制御部44により、当該携帯端末5の識別情報が読み取られた日時(厳密には、情報読取書込部23から出力された携帯端末5の識別情報を総合制御部44が受け取った日時)を示す情報が付加された後、記憶部37に記憶される。
【0051】
また、当該買い物客が、関心調査装置2のフロントパネル部12における第1の画面配置領域13(図2参照)に指を接触させ、商店街案内テーブル画像51中に配置された「酒」のボタン53を選択したとき、接触位置検出部24は、この指の接触位置を検出し、この接触位置座標を示す接触位置情報を総合制御部44に出力する。続いて、総合制御部44は、商店街案内テーブル画像51において、接触位置検出部24から出力された接触位置情報が示す接触位置座標を含む領域に配置されたボタン53を示すボタン情報(例えば当該ボタン53固有の番号)を生成する。このボタン情報は、総合制御部44により、買い物客が当該ボタン53を選択した日時(厳密には、当該ボタン情報の生成日時)を示す情報が付加され、記憶部37に記憶される。さらに、総合制御部44は、現在、第1のディスプレイ21の画面21Aに表示されている商店街案内テーブル画像51を、買い物客により選択されたボタン53にリンクされた店舗マップ画像52(この場合、酒店の位置を明示した店舗マップ画像52)に切り換える旨の指令を第1の画像供給部41に出力する。これに応じ、第1の画像供給部41は、記憶部37に記憶された店舗マップ画像52を第1のディスプレイ21に供給する。これにより、第1のディスプレイ21の画面21Aには、店舗マップ画像52が表示される。当該買い物客は、店舗マップ画像52を見ることにより、商店街のどこに酒店があるかを知ることができる。
【0052】
一方、総合制御部44は、第2のディスプレイ22の画面22Aに表示すべき商品画像を切り換える旨の指令を第2の画像供給部42に一定の時間間隔(例えば30秒)で出力する。第2の画像供給部42は、総合制御部44からこの指令が出力されるたびに、この指令に応じ、第2のディスプレイ22の画面22Aに表示されている商品画像(例えば商品画像61)を別の商品画像(例えば商品画像62)に置き換えるべく、当該別の商品画像を第2のディスプレイ22に供給する。これにより、第2のディスプレイ22の画面22Aに表示される商品画像が例えば30秒ごとに切り替わる。
【0053】
買い物客が第2のディスプレイ22の画面22Aに表示された商品画像61または商品画像62を見たとき、視線検出部25は、当該買い物客の視線を検出する。このとき、視線検出部25は、当該買い物客の視線が、画面22A中の左側に注がれているか、右側に注がれているかを検出することができる。そして、視線検出部25は、当該買い物客の視線が画面22A中の左側に注がれていることを示す視線情報、または当該買い物客の視線が画面22A中の右側に注がれていることを示す視線情報を総合制御部44に出力する。
【0054】
総合制御部44は、商品画像の切替を認識することにより、商品画像61が画面22Aに表示されている期間および商品画像62が画面22Aに表示されている期間をそれぞれ認識している。総合制御部44は、商品画像61が画面22Aに表示されている期間中に視線検出部25から出力された視線情報を受け取ったときには、この視線情報が商品画像61表示中に検出されたことを示す情報(例えば番号「0」)を当該視線情報に付加する。また、総合制御部44は、商品画像62が画面22Aに表示されている期間中に視線検出部25から出力された視線情報を受け取ったときには、この視線情報が商品画像62表示中に検出されたことを示す情報(例えば番号「1」)を当該視線情報に付加する。この結果、視線情報により、(1)買い物客が商品画像61の左側に配置された第1のデザインを施した缶ビールを見たこと、(2)買い物客が商品画像61の右側に配置された第2のデザインを施した缶ビールを見たこと、(3)買い物客が商品画像62の左側に配置された第3のデザインを施した缶ビールを見たこと、または(4)買い物客が商品画像62の右側に配置された第4のデザインを施した缶ビールを見たことを識別することが可能になる。このような視線情報は、総合制御部44により、視線情報が検出された日時(厳密には視線情報が総合制御部44に受け取られた日時)を示す情報が付加された後、記憶部37に記憶される。
【0055】
他方、総合制御部44は、記憶部37に記憶された携帯端末5の識別情報、ボタン情報および視線情報を情報処理装置3に送信すべき旨の指令を、例えば一定の時間間隔で通信制御部43に出力する。この時間間隔は1秒ないし数時間の短い間隔でもよいし、1日ないし数ヶ月の長い間隔でもよい。通信制御部43は、総合制御部44からこの指令が出力されるたびに、この指令に応じ、記憶部37に記憶された携帯端末5の識別情報、ボタン情報および視線情報を、通信インタフェース36を介して情報処理装置3に送信する。
【0056】
情報処理装置3は、携帯端末5の識別情報、ボタン情報および視線情報を受信し、これらの情報を用いて、関心調査装置2が設置された商店街に買い物に来る買い物客の行動および関心に関する分析を行う。
【0057】
すなわち、携帯端末5の識別情報は、当該携帯端末5固有の情報であり、携帯端末5は、ほとんどの場合、買い物客自身が単独で所持し、利用する。したがって、携帯端末5の識別情報により、個々の買い物客を識別することができる。また、情報読取書込部23から携帯端末5に送られた商店街詳細情報URLに、例えば当該商店街における各店舗の詳細情報を掲載したウェブページへのリンクが設定されている場合には、買い物客は、携帯端末5を操作して、当該商店街における各店舗の詳細情報が掲載されたウェブページにアクセスし、その詳細情報を見ることができる。情報処理装置3は、各店舗の詳細情報が掲載されたウェブページのアクセス数などを調べることにより、各買い物客が、どの店舗の詳細情報が掲載されたウェブページにアクセスしたかを認識することができる。この認識結果に基づき、各買い物客の行動(例えばどのようなカテゴリーの商品を買いに来たかなど)を推測することができる。
【0058】
また、ボタン情報は、商店街案内画像51中の複数のボタン53のうち、買い物客が選択したボタン53を示している。そして、ボタン53は、商店街における各店舗が取り扱っている商品またはサービスの名称にそれぞれ対応している。したがって、ボタン情報に基づいて、買い物客が選択した商品またはサービスを認識することができる。この認識結果に基づき、買い物客の行動を推測することができる。
【0059】
また、視線情報によれば、商品画像61、62中の缶ビールの各デザインに対する買い物客の関心の度合いを認識することができる。例えば、商品画像61および62中の缶ビールの第1ないし第4のデザインのうち、買い物客の視線を最も集めたデザインはどれかを認識することができる。
【0060】
さらに、携帯端末5の識別情報、商店街詳細情報URLが示すウェブページにリンクされた各店舗の詳細情報が掲載されたウェブページのアクセス数、および視線情報を併せて用いることにより、買い物客の行動と関心の相関関係を推測することができる。また、ボタン情報および視線情報を併せて用いることにより、買い物客の行動と関心の相関関係を推測することができる。
【0061】
さらに、携帯端末5の識別情報には、当該携帯端末5の識別情報が読み取られた日時を示す情報が付加されており、ボタン情報には、買い物客がボタン53を選択した日時を示す情報が付加されており、視線情報には、視線情報が検出された日時が付加されている。そして、各店舗の詳細情報が掲載されたウェブページのアクセス数は、ウェブページ管理に関する周知の技術を用いて、所定の時間間隔ごとに調べることができる。したがって、買い物客の行動、買い物客の関心、および買い物客の行動と関心との相関関係を所定の時間帯(例えば午前、午後、夕方など)ごとに推測することができる。
【0062】
以上説明した通り、関心調査装置2では、第1のディスプレイ21の画面21Aに表示した商店街案内画像により、関心調査装置2が設置された商店街の買い物客を関心調査装置2に誘引することができる。そして、情報読取書込部23または接触位置検出部24により、買い物客の行動を推測するのに利用することができる情報を取得することができる。さらに、第2のディスプレイ22の画面22Aに商品画像61、62を表示し、視線検出部25により、これらの画像を見る買い物客の視線を検出することにより、買い物客の関心を推測するのに利用することができる情報を取得することができる。したがって、人手、手間または費用を削減しながら、買い物客の意識、志向、望み、ニーズなどについて効率的に情報収集を行うことができ、調査の効率性を高めることができる。
【0063】
また、関心調査装置2では、買い物客の関心を推測するための情報として、商品画像61、62に注がれる買い物客の視線を示す視線情報を得る。したがって、買い物客の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報を収集することができ、調査の信頼性を高めることができる。
【0064】
また、関心調査装置2では、これを商店街の入り口などに設置することにより、商店街に買い物に来た買い物客の関心を把握することが可能になる。したがって、特定の商店街といった狭い場所的範囲内において、買い物客といった特定の目的または性質を持った人の意識、志向、望み、ニーズなどについて、作為のない自然のままの情報の収集を容易に行うことができ、特定の場所的範囲または人の性質などに限定した信頼性の高い調査を容易に実現することができる。
【0065】
また、関心調査装置2によれば、第1のディスプレイ21の画面21Aに商店街案内画像を表示し、商店街の情報を買い物客に提供することができると共に、第2のディスプレイ22の画面22Aに商品画像61、62を表示し、開発途上商品に対する買い物客の関心を推測するのに利用することができる情報を取得することができる。したがって、関心調査装置2によれば、商店街の振興を推進する団体、商店街における各店舗の経営者、商店街の買い物客、および開発途上商品についての市場調査を行う企業などのすべての者にとっての便益を同時に図ることができる。なお、これにより、関心調査装置2の設置場所の選定や、関心調査装置2のランニングコストの回収が容易になり、関心調査装置2を広く普及させ、上述した便益を様々な場所において様々な人々にもたらすことができる。
【0066】
また、関心調査装置2によれば、イルミネーションユニット28により形成されたイルミネーションにより、買い物客を関心調査装置2へ効果的に誘引することができる。
【0067】
なお、関心調査装置2では、第1の画面配置領域13と第2の画面配置領域14とは左右方向に互いに近接する位置に配置し、これにより第1のディスプレイ21の画面21Aと第2のディスプレイ22の画面22とを左右方向に並べて配置しているが、本発明はこれに限らない。第1の画面配置領域13(画面21A)と第2の画面配置領域14(画面22A)を上下方向に互いに近接するように配置してもよい。また、フロントパネル部12を分割し、一方のフロントパネル部に第1の画面配置領域13(画面21A)を配置し、他方のフロントパネル部に第2の画面配置領域14(画面22A)を配置してもよい。
【0068】
また、関心調査装置2では、第1のディスプレイ21を1台のプラズマディスプレイにより構成し、第2のディスプレイ22を4台のプラズマディスプレイにより構成したが、第1のディスプレイ21および第2のディスプレイ22をそれぞれ構成するディスプレイの種類や個数は、表示すべき画像や、関心調査装置2を設置する場所などを考慮して任意に選定することができる。
【0069】
また、関心調査装置2では、商店街案内画像と関連する情報として、ウェブブラウザ起動指令および商店街詳細情報URLを情報読取書込部23から携帯端末5に送るが、情報読取書込部23から携帯端末5に送る、商店街案内画像と関連する情報はこれに限定されない。例えば、携帯端末5に、商店街案内などを行うためのソフトウェアがインストールされている場合には、これを起動させるための指令を情報読取書込部23から携帯端末5に送ってもよい。また、商店街の各店舗でクーポン券と同様に使うことができるクーポン情報やポイント情報を情報読取書込部23から携帯端末5に送ってもよい。
【0070】
また、関心調査装置2では、情報読取書込部23により読み取られた携帯端末5の識別情報を通信制御部43により情報処理装置3に送信する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。情報読取書込部23と情報処理装置3との間で直接無線通信を行い、情報読取書込部23により読み取られた携帯端末5の識別情報を情報処理装置3に直接送信する構成としてもよい。この場合には、情報読取書込部23と情報処理装置3との間で直接無線通信を行う回路を、情報読取書込部23が有するICカード用ICチップに設ける。
【0071】
また、関心調査装置2では、総合制御部44が、接触位置検出部24から出力された接触位置情報に基づいてボタン情報を生成し、このボタン情報を情報処理装置3に送信するが、本発明はこれに限らず、接触位置検出部24から出力された接触位置情報を情報処理装置3に直接送信してもよい。この場合には、情報処理装置3がボタン情報を生成する。
【0072】
また、関心調査装置2では、視線検出部25が視線捕捉ユニット26および赤外線照射ユニット27を備えているが、視線検出部の構成は、これに限定されない。他の構成を有する視線検出部を用いることができる。
【0073】
また、図5ないし図8に示す商店街案内画像、商品画像61、62は一例にすぎない。第1のディスプレイ21の画面21Aや第2のディスプレイ22の画面22Aに表示する画像は静止画に限らず、動画(映像)でもよい。また、図2に示すイルミネーションユニット28の形状および配置も一例にすぎない。これらは、買い物客の便宜、買い物客の誘引効果、有意義な情報取得などを考慮して、適宜選択することができる。
【0074】
また、上述した実施形態では、関心調査システム1を、商店街の買い物客に対する開発途上商品の市場調査に用いる場合を例にあげたが、上述したように、関心調査システム1は、製造業、小売業などを営む企業が行う市場調査、政治団体が行う選挙権者の意識調査、地方公共団体が行う地域住民の意識調査など、様々な調査に用いることができる。関心調査システム1を政治団体が行う選挙権者の意識調査に用いる場合には、例えば、関心調査装置2の第1のディスプレイ21の画面21Aに、政治団体に所属する政治家のポスターや活動方針項目のリストなどを表示し、第2のディスプレイ22の画面22Aには、政治団体に所属する政治家の演説映像を表示する。また、選挙権者の所持する携帯端末5には、情報読取書込部23から、政治に関するアンケートを実施するウェブページのURLを送る。また、視線検出部25により、政治家がどのような内容の演説を行っているときに、もっとも多くの選挙権者の視線が注がれたかなどを検出する。
【0075】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う関心調査装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】関心調査システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の関心調査装置の実施形態を示す外観斜視図である。
【図3】図2中の視線検出部の構成および動作を示す説明図である。
【図4】図2中の関心調査装置の内部構造を示すブロック図である。
【図5】商店街案内画像を示す説明図である。
【図6】商店街案内画像を示す説明図である。
【図7】商品画像を示す説明図である。
【図8】商品画像を示す説明図である。
【図9】図2中の関心調査装置の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0077】
2 関心調査装置
3 情報処理装置
5 携帯端末
11 筐体
12 フロントパネル部
13 第1の画面配置領域
14 第2の画面配置領域
15 イルミネーション領域
21 第1のディスプレイ
21A 画面
22 第2のディスプレイ
22A 画面
23 情報読取書込部(情報読取書込手段)
24 接触位置検出部(接触位置検出手段)
25 視線検出部(視線検出手段)
28 イルミネーションユニット(発光手段)
41 第1の画像供給部(第1の画像供給手段)
42 第2の画像供給部(第1の画像供給手段)
43 通信制御部(情報送信手段)
44 総合制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の関心を調査する関心調査装置であって、
互いに近接する位置に配置された第1の画面配置領域および第2の画面配置領域が形成されたフロントパネル部を有する筐体と、
前記第1の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第1のディスプレイと、
前記第1のディスプレイの画面に表示するための第1の画像を前記第1のディスプレイに供給する第1の画像供給部手段と、
前記第2の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第2のディスプレイと、
前記第1の画像と異なり、前記第2のディスプレイの画面に表示するための第2の画像を前記第2のディスプレイに供給する第2の画像供給手段と、
前記第1の画面配置領域の近傍に配置され、携帯端末と通信を行い、前記携帯端末の識別情報を読み取ると共に、前記第1の画像と関連する情報を前記携帯端末に送る情報読取書込手段と、
前記第2のディスプレイの画面を見る人の視線を検出する視線検出手段と、
前記情報読取書込手段により読み取られた携帯端末の識別情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、当該関心調査装置と通信可能に接続された情報処理装置に送信する情報送信手段とを備えていること特徴とする関心調査装置。
【請求項2】
人の関心を調査する関心調査装置であって、
互いに近接する位置に配置された第1の画面配置領域および第2の画面配置領域が形成されたフロントパネル部を有する筐体と、
前記第1の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第1のディスプレイと、
前記第1のディスプレイの画面に表示するための複数のボタンが配置された第1の画像を前記第1のディスプレイに供給する第1の画像供給手段と、
前記第2の画面配置領域に画面が配置されるように前記筐体内に設けられた第2のディスプレイと、
前記第1の画像と異なり、前記第2のディスプレイの画面に表示するための第2の画像を前記第2のディスプレイに供給する第2の画像供給手段と、
人が前記複数のボタンのうちのいずれか選択するために前記フロントパネル部の前記第1の画面配置領域内の一部に手、指または道具を介して接触したとき、この接触位置を検出する接触位置検出手段と、
前記第2のディスプレイの画面を見る人の視線を検出する視線検出部と、
前記接触位置検出手段により検出された手、指または道具の接触位置を示す接触位置情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、あるいは、前記複数のボタンのうち前記手、指または道具の接触位置に対応する位置に配置されたボタンを示すボタン情報および前記視線検出手段により検出された人の視線を示す視線情報を、当該関心調査装置と通信可能に接続された情報処理装置に送信する情報送信手段とを備えていること特徴とする関心調査装置。
【請求項3】
前記フロントパネル部において、前記第1の画面配置領域の周囲または前記第2の画面配置領域の周囲にイルミネーション領域が形成され、
前記イルミネーション領域に配置され、イルミネーションを形成するための発光手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の関心調査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−294735(P2009−294735A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145350(P2008−145350)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(508269640)
【Fターム(参考)】