説明

防振架台

【課題】縦方向及び横方向部材とこれら両部材を連結するコーナー部材を備えた防振架台において、簡単に且つ少ない工数でこれらの部材の組み付けを行う技術を提供する。
【解決手段】エアコン室外機用防振架台1の上架台3は、縦方向に延びる一対の第1縦フレーム部材9,9と、当該一対の第1縦フレーム部材9,9を横方向に連結するように架け渡される一対の第1横フレーム部材11,11と、第1縦フレーム部材9の端部に配設されて、その端面9hに重ね合わされる竪壁部43を有する上側耐震ブラケット13と、を備えている。第1横フレーム部材11の端部は、第1縦フレーム部材9の端部に形成された第1貫通孔9e,9fに貫通されるとともに、固定金具15を介して上側耐震ブラケット13の竪壁部43に連結されている。固定金具15は、第1横フレーム部材11の端部を角根丸頭ボルト27,27によって竪壁部43に縦方向に進退可能に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエアコン室外機等、振動の大きな設備機器を設置するための防振架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の防振架台では、組み付け工数低減のために、また運搬時の利便性を考慮して分解が可能なように、防振架台を構成する各部材を溶接ではなくボルトやナット等の締結手段で接続する構造とし、設置場所で組み立てるようにしたものが多い。
【0003】
このような防振架台では、架台を構成する縦方向及び横方向部材の接続構造が複雑になるのを避けるために、コーナー部材を介して、縦方向部材と横方向部材とを接続するものがある。
【0004】
例えば、特許文献1には、縦方向及び横方向部材にそれぞれ設けられたボルト固定部材を、コーナー部材の直交する2つの当接板にそれぞれボルトで締結するようにした防振架台が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、L状の第1及び第2接続部を有するコーナー部材を備え、これら第1及び第2接続部をそれぞれ中空の縦方向及び横方向部材に挿入して、これに固着するようにした防振架台が開示されている。
【特許文献1】特開2008−19890号公報
【特許文献2】特開2005−127359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2のものでは、1つのコーナー部材に対して必ず2つの締結箇所が生じることから、縦方向及び横方向部材を平面矩形状に組んだ上架台及び下架台からなるシンプルな防振架台を組み立てるに際しても、少なくとも16の締結箇所が生じることになり、組み付け作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、縦方向及び横方向の各部材とこれらを連結するコーナー部材とを備えた防振架台において、簡単に且つ少ない工数でこれらの部材の組み付けを行う技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明では、横方向のフレーム部材を縦方向のフレーム部材の端部に形成した係合部に係合させるとともに、この縦フレーム部材の端面にコーナー部材の竪壁部を重ね合わせて、当該竪壁部と上記横フレーム部材の端部とを固定金具を介してボルトで連結することにより、両者を1回のボルト締め付け作業で縦フレーム部材の端部にしっかりと固定できるようにしている。
【0009】
すなわち、第1の発明は、機器の載置される上架台と、当該上架台の下方に所定の間隔を空けて配置された下架台とを備え、これら両架台の間に複数の防振体を介在させて、上記機器からの振動の伝達を低減するようにした防振架台であって、上記上架台は、縦方向に延びる複数の第1縦フレーム部材と、横方向に延び、上記複数の第1縦フレーム部材を横方向に連結するように架け渡される第1横フレーム部材と、上記第1縦フレーム部材の端部に配設されて、その端面に重ね合わされる竪壁部を有する第1コーナー部材と、を有している。
【0010】
そして、上記第1横フレーム部材の端部は、上記第1縦フレーム部材の端部に形成された係合部に係合されるとともに、固定金具を介して上記第1コーナー部材の竪壁部に連結され、上記固定金具は、上記第1横フレーム部材の端部を第1ボルトによって上記竪壁部に縦方向に進退可能に連結している。
【0011】
上記第1の発明では、先ず、固定金具を第1ボルトによって第1コーナー部材の竪壁部に縦方向に進退可能に連結する。次いで、第1コーナー部材の竪壁部を第1縦フレーム部材の端面に重ね合わせるように、第1コーナー部材を第1縦フレーム部材の端部に配設する。
【0012】
次いで、第1ボルトを仮締めすることによって、第1縦フレーム部材の係合部と固定金具との縦方向における位置合わせを行う。そして、第1横フレーム部材の端部を第1縦フレーム部材の係合部に係合させるとともに、固定金具にも係合させる。
【0013】
この状態で、第1ボルトをさらに締めると、固定金具が縦方向における竪壁部側に移動し、それに伴って当該固定金具が係合している第1横フレーム部材も竪壁部側に移動する。これにより第1横フレーム部材が第1縦フレーム部材の係合部に縦方向に強く押し付けられるとともに、第1縦フレーム部材の端面には竪壁部が強く押し付けられるようになり、第1縦フレーム部材の端部に第1コーナー部材と第1横フレーム部材の端部とがしっかりと固定される。
【0014】
以上により、簡単な1回のボルト締め付け作業で、第1コーナー部材を介して第1縦フレーム部材と第1横フレーム部材との接続を確実に行うことができる。したがって、縦フレーム部材及び横フレーム部材とこれら両部材を連結するコーナー部材とを備えた防振架台において、簡単に且つ少ない工数でこれらの部材の組み付けを行うことが可能となる。
【0015】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1縦フレーム部材は、横断面矩形状の中空部材からなり、上記第1コーナー部材は、上記第1縦フレーム部材の側壁部に重ね合わされる側壁部をさらに有しており、上記第1縦フレーム部材の係合部は、その側壁部を貫通する第1貫通孔であり、上記第1コーナー部材の側壁部には、上記第1貫通孔に対応するように第2貫通孔が形成されており、上記第1横フレーム部材の端部は、上記第1及び第2貫通孔に挿通されて、上記第1縦フレーム部材の中空部内に収納された上記固定金具と係合していることを特徴とする。
【0016】
上記第2の発明では、先ず、固定金具を第1ボルトによって第1コーナー部材の竪壁部に縦方向に進退可能に連結し、当該第1ボルトを仮締めすることで、固定金具の第1横フレーム部材に係合する部分の縦方向における位置合わせを行う。このとき、第1コーナー部材の側壁部に第1縦フレーム部材の第1貫通孔に対応するように形成された第2貫通孔が目印となるので、固定金具の位置合わせがしやすい。
【0017】
次いで、第1コーナー部材の竪壁部を第1縦フレーム部材の端面に重ね合わせるように第1コーナー部材を第1縦フレーム部材の端部に配設する。このとき、第2貫通孔と第1貫通孔とが重なるとともに、固定金具が第1縦フレーム部材の中空部内に収容され、その第1横フレーム部材に係合する部分もこれら両貫通孔とほぼ重なる。これにより、第1横フレーム部材の端部を第1コーナー部材の第2貫通孔に挿通すると、第1横フレーム部材の端部がスムーズに第1縦フレーム部材の第1貫通孔を通り抜けるとともに、当該端部に固定金具がスムーズに係合する。
【0018】
そして、第1ボルトをさらに締め付けると、固定金具が縦方向における竪壁部側に移動し、それに伴って当該固定金具が係合している第1横フレーム部材も竪壁部側に移動する。この第1横フレーム部材の移動によって当該第1横フレーム部材の周面が第1貫通孔の孔壁面を竪壁部側に押し、これにより、第1縦フレーム部材の端面に竪壁部が強く押し付けられる。このとき、第1横フレーム部材の周面と第1及び第2貫通孔の孔壁面との間の摩擦力が増大し、第1横フレーム部材が第1縦フレーム部材に固定される。
【0019】
これに加えて、第1コーナー部材の側壁部と第1縦フレーム部材の側壁部とは、これらに形成された貫通孔を貫通する第1横フレーム部材を介して連なっているので、第1コーナー部材が第1縦フレーム部材に一層強固に固定される。
【0020】
以上により、簡単な1回のボルト締め付け作業で、第1コーナー部材を介して第1縦フレーム部材と第1横フレーム部材との接続をより一層確実に行うことができる。
【0021】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記第1ボルトは、上記竪壁部に形成されたボルト挿通孔に挿通されていて、当該第1ボルト及びこれに螺合するナットのいずれか一方が上記固定金具に回動不能に固定されていることを特徴とする。
【0022】
上記第3の発明によれば、第1ボルト及びナットのいずれか一方が固定金具に回動不能に固定されているので、他方を回転させるとその回転力が縦方向に進退する力に変換され、一方が無回転で縦方向に移動する。これにより、第1ボルト又はナットを回転させるという極めて簡単な操作と、固定金具の竪壁部側への移動を連動させることができる。したがって、より一層簡単に第1コーナー部材を介して第1縦フレーム部材と第1横フレーム部材との接続を行うことができる。
【0023】
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記下架台は、縦方向に延び、横断面矩形状の中空部材からなる複数の第2縦フレーム部材と、横方向に延び、上記複数の第2縦フレーム部材を横方向に連結するように架け渡される第2横フレーム部材と、上記第2縦フレーム部材の端部に配設されて、その上壁部及び側壁部にそれぞれ重ね合わされる頂壁部及び側壁部を有する第2コーナー部材と、を有している。
【0024】
そして、上記第2縦フレーム部材の端部には、その側壁部を貫通する第3貫通孔が形成される一方、上記第2コーナー部材の側壁部には、当該第3貫通孔に対応する第4貫通孔が形成され、当該第3及び第4貫通孔に上記第2横フレーム部材の端部が挿通されていて、上記第2コーナー部材は、第2ボルトによってその頂壁部が上記第2縦フレーム部材の上壁部に対して上下に移動可能に連結されており、当該第2ボルトの回転によって上記第3貫通孔と当該第4貫通孔とが上下に心ずれすることを特徴とするものである。
【0025】
上記第4の発明に係る防振架台は、下架台の構造に特徴があり、これを組み立てるときには先ず、第2コーナー部材を、第2縦フレーム部材の端部に上方から被せるように配設する。そして、第2コーナー部材の頂壁部が当該第2縦フレーム部材の上壁部に対して上下に移動可能となるように、具体的には、第2縦フレーム部材の上面と第2コーナー部材の下面との間には隙間が空くように、当該頂壁部と当該上壁部とを第2ボルトによって連結する。
【0026】
次いで、第2横フレーム部材の端部を、第2コーナー部材の第4貫通孔及び第2縦フレーム部材の第3貫通孔に挿通する。
【0027】
この状態から、第2ボルトを締め付けると、第2コーナー部材が第2縦フレーム部材に対し相対的に下方に移動し、それに伴って第4貫通孔と第3貫通孔とに心ずれが生じる。この心ずれによって第2横フレーム部材の周面が第3貫通孔の孔壁面から上方に押され、また第4貫通孔の孔壁面から下方に押される。このように、第2横フレーム部材は、第2コーナー部材と第2縦フレーム部材とによって上下に挟まれることで、第2縦フレーム部材に固定される。
【0028】
以上により、上架台のみならず下架台についても各々簡単な1回のボルト締め付け作業で、縦フレーム部材と横フレーム部材とのコーナー部の接続を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る防振架台によれば、上架台及び下架台の両方について、縦フレーム部材と横フレーム部材とのコーナー部の接続を各々簡単な1回のボルト締め付け作業でもって行うことができ、架台の組立て作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
図1は、本発明の防振架台を適用したエアコン室外機用防振架台の実施形態を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は右側面図である。また、図2は、エアコン室外機用防振架台を示す斜視図である。図示の如く、エアコン室外機用防振架台1は、エアコン室外機(図示せず)が上載される上架台3と、その下方に所定の間隔を空けて配置された下架台5と、それらの上架台3及び下架台5の間に介設された複数のアイソレータ(防振体)7,7,…と、を備えていて、エアコン室外機からの振動の伝達を低減する。
【0032】
−上架台−
上記上架台3は、平面視で矩形状をなすエアコン室外機用防振架台1の任意の一辺(図の例では長辺であるが、短辺でも構わない)の方向である縦方向に延びる一対の第1縦フレーム部材9,9と、それらを横方向に連結するように架け渡された、横方向に延びる一対の第1横フレーム部材11,11と、当該上架台3の四隅(各第1縦フレーム部材9,9の縦方向両端部)に配設される上側耐震ブラケット(第1コーナー部材)13,13,…と、各隅部でこれらの部材9,11,13を接続する固定金具15,15,…と、によって構成されている。
【0033】
上記各第1縦フレーム部材9,9は、断面矩形状の角パイプ(例えば構造用角形鋼管等)からなっている。第1縦フレーム部材9には、端部においてそれぞれ、その上壁部9a及び下壁部9bを貫通し、エアコン室外機取付用のボルトが螺入される取付孔9g,9gが形成されるとともに、当該取付孔9g,9gよりも縦方向外側(端縁部寄り)の位置で、その内側側壁部9cを貫通する第1内側貫通孔(第1貫通孔)9eと、その外側側壁部9dを貫通する第1外側貫通孔(第1貫通孔)9fとが同心同径に形成されている。
【0034】
一方、上記各第1横フレーム部材11,11は、丸パイプ(例えばガス管)からなっている。第1横フレーム部材11は、第1縦フレーム部材9がエアコン室外機を直接支持するのに対し、一対の第1縦フレーム部材9,9の横方向における幅止めとして機能するに止まることから、その断面積が第1縦フレーム部材9の断面積に比して小さく(1/12程度に)設定されている。この第1横フレーム部材11の外径は、第1縦フレーム部材9の第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fの内径よりも僅かに(約1.2mm)小さくなっており、その端部が上記第1縦フレーム部材9の第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fに挿通されている。
【0035】
上記各上側耐震ブラケット13,13,…は、図4〜図6に示すように、各第1縦フレーム部材9,9の端部に配設されており、第1縦フレーム部材の下壁部9bの下方に離間して配置される略矩形状の底壁部23と、当該底壁部23の横方向内側の縁部から上方に延びて第1縦フレーム部材の内側側壁部9cに重ね合わされる略矩形状の側壁部33と、底壁部23の縦方向外側の縁部から上方に延びていて、第1縦フレーム部材9の端面9hにその開口を覆うように重ね合わされる略矩形状の竪壁部43とを有している。これら底壁部23、側壁部33及び竪壁部43は、各々隣り合う二辺で連続し、上下方向、縦方向、横方向のいずれから見ても断面L字状をなしている。
【0036】
上記上側耐震ブラケット13の底壁部23には、図3に示すように、その中央部にボルト挿通孔23aが形成されていて、後述の如く耐震ストッパ37のストッパボルト39が挿通されるようになっている。なお、底壁部23の4つの角部のうち、上記側壁部33と上記竪壁部43とが交差する角部の対角部は、図2に示すようにエアコン室外機の外側に露出することから、隅切りされている。
【0037】
上記上側耐震ブラケット13の側壁部33には、第1縦フレーム部材9の第1内側貫通孔9eに合致する位置に、第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fと同径の第2貫通孔33aが形成されており、この第2貫通孔33aに上記第1横フレーム部材11の端部が挿通されている。この第2貫通孔33aの中心と上記竪壁部43の内側面(第1縦フレーム部材の端面9hに重ね合わされる面)との縦方向における間隔Eは、第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fの中心と第1縦フレーム部材の端面9hとの縦方向における間隔A(図7参照)と略同じ間隔に設定されている。
【0038】
上記上側耐震ブラケット13の竪壁部43には、その内側面に四角錐台状に突起する支承部43aが形成される一方、その外側面に当該支承部43aに対応するように切頭四角錐状に窪むナット収容部43bが形成されている。そして、このナット収容部43bの底部、即ち支承部43aの頂部を縦方向に貫通してボルト挿通孔43c,43cが横方向に並んで2つ形成されている。
【0039】
上記固定金具15は、上記支承部43aの頂部に重ね合わされる略矩形状の妻壁部35と、当該妻壁部35の横方向両端部からそれぞれ縦方向内側に延びる略矩形状の側壁部25,25とを有していて、断面コ字状に形成されている。この固定金具15は、図3に示すように、縦方向に延びて上側耐震ブラケット13のボルト挿通孔43c,43cにそれぞれ挿通される角根丸頭ボルト(第1ボルト)27,27とこれに螺合するナット29,29とによって、その妻壁部35で上側耐震ブラケット13の支承部43aに連結されており、上記第1縦フレーム部材9の中空部内に収納されている。
【0040】
この固定金具15の妻壁部35には、上記角根丸頭ボルト27,27が嵌合する断面矩形の嵌合孔35a,35aが横方向に並んで2つ形成されている。上記角根丸頭ボルト27はこの嵌合孔35aに嵌合しており、固定金具15に回動不能に固定されているので、ナット29を回転させると、固定金具15が竪壁部43に対し縦方向に進退する。より具体的には、ナット29(角根丸頭ボルト27)を緩めると、固定金具15が内側へ移動し、ナット29(角根丸頭ボルト27)を締めると、固定金具15が外側(竪壁部43側)へ移動する。なお、固定金具15とボルトとを一体に形成して、ナット29の回転により、固定金具15が竪壁部43に対し縦方向に進退するようにもよい。
【0041】
上記固定金具15の側壁部25,25には、第1縦フレーム部材9の中空部内で上記第1横フレーム部材11の端部と係合する係合部25a,25aがそれぞれ形成されている。各係合部25a,25aは、上記第1内側貫通孔9e、第1外側貫通孔9f及び第2貫通孔33aと略同径に形成された貫通孔の上端が欠けたような形状、換言すると、側壁部25の上端に形成された略U字状の切欠き部の上端を窄めたような形状になっており、当該係合部25aに係合した第1横フレーム部材11が上方に容易に抜けないようになっている。なお、固定金具15は、上下を反転させた状態で用いてもよい。
【0042】
また、図7に示すように、角根丸頭ボルト27とナット29とを締め付けた状態におけるこの係合部25aの中心と上記竪壁部43の内側面との縦方向における間隔Bは、第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fの中心と第1縦フレーム部材の端面9hとの縦方向における間隔Aよりも(約1.5mm)短く設定されている。
【0043】
以上のように構成された第1縦フレーム部材9、第1横フレーム部材11及び上側耐震ブラケット13は、固定金具15によって以下の要領で接続される。
【0044】
先ず、上記固定金具15の妻壁部35を、図3に示すように、その嵌合孔35a,35aと上側耐震ブラケット13のボルト挿通孔43c,43cとを合わせるように、支承部43aに当接させる。この状態で、角根丸頭ボルト27,27を妻壁部35の縦方向内側から嵌合孔35a,35a、ボルト挿通孔43c,43cという順に挿通し、その先端部に竪壁部43の外側からナット29,29を螺合させる。このとき、角根丸頭ボルト27,27は嵌合孔35a,35aに嵌合する一方、ナット29,29は竪壁部43のナット収容部43bに収容される。
【0045】
次に、各ナット29,29の締付量を調整し、縦方向における係合部25aの位置合わせを行う。すなわち、上側耐震ブラケット13の側壁部33に第1縦フレーム部材9の第1内側貫通孔9eに対応するように形成された第2貫通孔33aに、固定金具15の係合部25aの位置合わせをする。
【0046】
そして、上側耐震ブラケット13の竪壁部43及び側壁部33を第1縦フレーム部材の端面9h及び側壁部9cにそれぞれに重ね合わせる。これにより、固定金具15が第1縦フレーム部材9の中空部内に収納され、その係合部25aと、上側耐震ブラケット13の第2貫通孔33aと、第1縦フレーム部材の第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fとがほぼ同心状に重なる。これにより、第1横フレーム部材11の端部を上側耐震ブラケット13の第2貫通孔33aに挿通すると、第1横フレーム部材11の端部がスムーズに第1縦フレーム部材9の第1内側貫通孔9eを通り抜けるとともに、当該端部に固定金具15がスムーズに係合する。
【0047】
このように、上記第1横フレーム部材11の端部を、横方向内側から第2貫通孔33a、第1内側貫通孔9e、係合部25a、第1外側貫通孔9fの順に挿通した後、その横方向外側の端部に樹脂製の保護キャップ31(図2参照)を取り付ける。なお、これらの孔はその内径が第1横フレームの外径よりも大きく形成されているので、係合部25aの調整誤差や、各貫通孔の寸法誤差が吸収される。
【0048】
この状態でナット29をさらに締め付けると、固定金具15が縦方向における外側(竪壁部43側)に移動し、それに伴って当該固定金具15が係合している第1横フレーム部材11も縦方向外側に移動する。この第1横フレーム部材11の移動によって当該第1横フレーム部材11の周面が第1内側貫通孔9e及び第1外側貫通孔9fの孔壁面を縦方向外側に押し、これにより、第1縦フレーム部材9の端面9hに竪壁部43が強く押し付けられる。
【0049】
このとき、第1横フレーム部材11の周面と第1内側貫通孔9e、第1外側貫通孔9f及び第2貫通孔33aの孔壁面との間の摩擦力が増大し、第1横フレーム部材11がこれらの孔9e,9f,33aから抜け難くなって第1縦フレーム部材9に固定される。
【0050】
これに加えて、上側耐震ブラケット13の側壁部33と第1縦フレーム部材9の側壁部9cとは、これらに形成された第2貫通孔33a及び第1内側貫通孔9eを貫通する第1横フレーム部材11を介して連なっているので、上側耐震ブラケット13が第1縦フレーム部材9に一層強固に固定される。
【0051】
このように、本実施形態の上架台3では、簡単な1回のボルト締め付け作業で、第1縦フレーム部材9と第1横フレーム部材11との接続を確実に行うことができる。
【0052】
−下架台−
上記下架台5は、縦方向に延びる一対の第2縦フレーム部材17,17と、それらを横方向に連結するように架け渡された、横方向に延びる一対の第2横フレーム部材19,19と、当該下架台5の四隅(各第2縦フレーム部材17,17の縦方向両端部)に配設される下側耐震ブラケット(第2コーナー部材)21,21,…と、によって構成されている。
【0053】
上記各第2縦フレーム部材17,17は、上記第1縦フレーム部材9と同じ寸法の、断面矩形状の角パイプからなっている。第2縦フレーム部材17の上壁部17aには、端部においてそれぞれ、当該上壁部17a及び下壁部17iを貫通し、基礎ボルト(図示せず)が螺入される取付孔17d,17dと、当該取付孔17d,17dよりも外側にストッパボルト(第2ボルト)39が挿通されるボルト挿通孔17eとが形成されている。また、ボルト挿通孔17eよりも縦方向内側の位置には、その内側側壁部(側壁部)17bを貫通する第3内側貫通孔(第3貫通孔)17fとその外側側壁部(側壁部)17cを貫通する第3外側貫通孔(第3貫通孔)17gとが同心同径に形成されている。
【0054】
なお、第2縦フレーム部材17の端部は、ストッパボルト39を当該第2縦フレーム部材17の内部からボルト挿通孔17eに差し込みやすくするために、その端面を上側ほど縦方向外側に位置するよう斜めにカットしている。
【0055】
一方、上記各第2横フレーム部材19,19は、上記第1横フレーム部材11と同寸法の丸パイプからなっている。第2横フレーム部材19の外径は、第2縦フレーム部材17の第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gの内径よりも僅かに(約1.2mm)小さくなっており、その横方向の端部がこれら第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gに挿通されている。
【0056】
上記各下側耐震ブラケット21,21,…は、図4〜図6に示すように、各第2縦フレーム部材17,17の縦方向両端部を覆うように配置され、第2縦フレーム部材17の上壁部17aに重ね合わされる略矩形状の頂壁部21aと、当該頂壁部21aの横方向内側及び外側の縁部からそれぞれ下方に延びて第2縦フレーム部材17の内側及び外側側壁部17b,17cにそれぞれ重ね合わされる略矩形状の内側及び外側側壁部21b,21cと、頂壁部21aの縦方向外側の縁部から下方に延びて第2縦フレーム部材17の縦方向の端面17hを覆う略矩形状の妻壁部21dとを有している。
【0057】
上記下側耐震ブラケットの頂壁部21aには、第2縦フレーム部材17の上壁部17aにおける取付孔17dに合致する位置に当該取付孔17dと同径の取付孔21eが形成されている一方、第2縦フレーム部材17のボルト挿通孔17eに合致する位置に当該ボルト挿通孔17eと同径のボルト挿通孔21fが形成されている。
【0058】
上記下側耐震ブラケットの内側側壁部21bには、第2縦フレーム部材17の第3内側貫通孔17fと同径の第4貫通孔21gが形成されている一方、上記外側側壁部21cには、当該第4貫通孔21gに対向する位置に、横方向外側に膨出する矩形状の当接部21hが形成されている。当該第4貫通孔21gには上記第2横フレーム部材19の端部が挿通される一方、当該当接部21hの内側面には第2横フレーム部材19の先端が当接している。また、図8に示すように、この第4貫通孔21gの中心と頂壁部21aの内側面(下面)との上下方向における間隔Dは、第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gの中心と第2縦フレーム部材17の上面(上壁部17aの上面)との上下方向における間隔Cよりも(約1.0mm)長く設定されている。
【0059】
上記下側耐震ブラケット21は、上記頂壁部21aに形成されたボルト挿通孔21fと第2縦フレーム部材17のボルト挿通孔17eとに挿通されるストッパボルト(第2ボルト)39と、これに螺合するナット41とによって、その頂壁部21aで第2縦フレーム部材17の上壁部17a(上面)に連結されている。
【0060】
上述の如く、第4貫通孔21fの中心と頂壁部21aの下面との間隔は、第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gの中心と第2縦フレーム部材17の縦方向の上面との間隔よりも長く設定されているので、これら貫通孔21f,17f,17gに第2横フレーム部材19を挿通した状態では、第2縦フレーム部材17の上面と下側耐震ブラケット21の下面との間には隙間(1mm程度)が空いている。そして、この状態からストッパボルト39(ナット41)を回転させることで、下側耐震ブラケット21の頂壁部21aが第2縦フレーム部材17の上壁部17aに対して上下に移動する。より具体的には、ストッパボルト39(ナット41)を緩めると、頂壁部21aと上壁部17aとが上下に離れ、ストッパボルト39(ナット41)を締めると、頂壁部21aと上壁部17aとが接近する。
【0061】
以上のように構成された第2縦フレーム部材17、第2横フレーム部材19及び下側耐震ブラケット21は、以下の要領で接続される。
【0062】
先ず、第2縦フレーム部材17の端部を覆うように下側耐震ブラケット21を被せる。そして、ストッパボルト39をその頭部が第2縦フレーム部材17の内部に位置するように、第2縦フレーム部材17のボルト挿通孔17e、下側耐震ブラケット21のボルト挿通孔21fの順に下方から挿通し、これに平座金51を通した後、ナット41を螺合させる。
【0063】
次いで、第2横フレーム部材19の端部を、横方向内側から第4貫通孔21f、第3内側貫通孔17f、第3外側貫通孔17gの順に挿通し、その先端を上記当接部21hの内面に当接させる。なお、エアコン室外機の奥行きに合わせて第2横フレーム部材19の長さが設定されている場合には、このように第2横フレーム部材19の横方向外側の端部を当接部21hに当接させるだけで、第2縦フレーム部材17,17の横方向における位置決めを行うことができる。
【0064】
この状態からナット41を締め付けると、第2縦フレーム部材17の上壁部17aと下側耐震ブラケット21の頂壁部21aとが接近し、それに伴って第4貫通孔21fが第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gに対して相対的に下方に心ずれする。これに伴って、第2横フレーム部材19の周面が、第4貫通孔21fの孔壁面によって下方に押されるとともに、第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gの孔壁面によって上方に押される。つまり、第2横フレーム部材19は第2縦フレーム部材17と下側耐震ブラケット21とによって上下に挟まれて、第4貫通孔21f、第3内側貫通孔17f及び第3外側貫通孔17gから抜け難くなり第2縦フレーム部材17に固定される。
【0065】
このように、本実施形態の下架台5では、上架台3と同様に、簡単な1回の締結作業で、第2縦フレーム部材17と第2横フレーム部材19との接続を確実に行うことができる。
【0066】
−耐震ストッパ−
上記上架台3の第1縦フレーム部材9の各端部と上記下架台5の第2縦フレーム部材17の各端部との間には、即ちエアコン室外機用防振架台1の4隅には、それぞれに耐震ストッパ37が配設されている。
【0067】
この耐震ストッパ37は、図5及び図6に示すように、下架台5のフレーム部材20の各端部において軸部が上方に延びるように配置された上記ストッパボルト39を有している。このストッパボルト39は、上述の如く、その頭部が第2縦フレーム部材17の内部に位置しており、その軸部の下部に螺合する上記ナット41によって第2縦フレーム部材の上壁部17a及び下側耐震ブラケットの頂壁部21aに締結されている。
【0068】
このストッパボルト39の軸部の上側は、上側耐震ブラケット13の底壁部23に形成されたボルト挿通孔23aに、遊嵌状態で挿通されている。また、ストッパボルト39の軸部の中間部には、上側耐震ブラケット13の底壁部23下面から離間するように鍔状の揺れ止め部材45が取り付けられている。一方、上側耐震ブラケット13の底壁部23上面には環状のゴムブッシュ47が配置され、その上方にてストッパボルト39の軸部の上端にナット49が螺合されている。
【0069】
上記ナット49とゴムブッシュ47との間には平座金53が介設されており、図では両者が接触しているが、使用するときにはナット49の位置を調整して、平座金53との間に適当な大きさ(約2〜3mm程度)の隙間を形成する。こうすれば、地震等により基礎が揺れても、上側耐震ブラケット13のストッパボルト39に対する変位が揺れ止め部材45とナット49との間に制限されて、上架台3の上下方向の揺れが規制される。
【0070】
−効果−
以上に説明したように、本実施形態のエアコン室外機用防振架台1では、上架台3及び下架台5ともに各々簡単な1回のボルト締め付け作業で、縦フレーム部材9,17と横フレーム部材11,19との接続を確実に行うことができる。したがって、縦フレーム部材9,17及び横フレーム部材11,19と、これら両部材を連結するコーナー部材13,21とを備えたエアコン室外機用防振架台1において、簡単に且つ少ない工数でこれらの部材の組み付けを行うことが可能となる。
【0071】
また、本実施形態では、部品点数が少なく、且つ縦フレーム部材9,17及び横フレーム部材11,19がそれぞれパイプ部材で構成されていることから、エアコン室外機用防振架台1の軽量化を図ることができる。
【0072】
さらに、本実施形態のエアコン室外機用防振架台1では、当該エアコン室外機用防振架台1を構成する各部材がシンプルな構造となっていることから、その製造が容易となる。
【0073】
(実施形態2)
本実施形態は、上側耐震ブラケット63及び第1縦フレーム部材59が実施形態1と異なるものである。以下、実施形態1と異なる点について説明する。
【0074】
図9〜図11に示すように、第1縦フレーム部材59,59は、断面矩形状の角パイプからなっていて、上記実施形態1の第1縦フレーム部材9よりも短く形成されている。より詳しくは、第1縦フレーム部材59は、その両端に配設された後述する上側耐震ブラケット63,63の底壁部73,73の縦方向における長さ分だけ第1縦フレーム部材9よりも短く形成されている。
【0075】
このため、第1縦フレーム部材59を横方向に連結する上記第1横フレーム部材11は、上記第2横フレーム部材19よりも縦方向内側に配置される。また、耐震ストッパ37の上方には、第1縦フレーム部材59の端部が位置しないので、耐震ストッパ37のナット49の回転作業が容易になる。
【0076】
第1縦フレーム部材59には、端部においてそれぞれ、その上壁部59a及び下壁部59bを貫通し、エアコン室外機取付用のボルトが螺入される取付孔59g,59gが形成されるとともに、当該取付孔59g,59gよりも縦方向内側の位置で、その内側側壁部59cを貫通する第1内側貫通孔(第1貫通孔)59eと、その外側側壁部59dを貫通する第1外側貫通孔(第1貫通孔)59fとが同心同径に形成されている。
【0077】
各上側耐震ブラケット63,63,…は、図9〜図11に示すように、各第1縦フレーム部材59,59の端部に配設されており、底壁部73と、当該底壁部73の縦方向内側の縁部から上方に延びていて、第1縦フレーム部材59の端面59hにその開口を覆うように重ね合わされる略矩形状の竪壁部93と、底壁部73の横方向内側の縁部から上方に延びている側壁本体部83aと当該側壁本体部83aから上記竪壁部93を超えて縦方向内側に延びている側壁延長部83bとからなる側壁部83とを有している。
【0078】
上記上側耐震ブラケット63の底壁部73には、その中央部に、耐震ストッパ37のストッパボルト39が挿通されるボルト挿通孔73aが形成されている。
【0079】
上記上側耐震ブラケット63の側壁延長部83bは、第1縦フレーム部材59の内側側壁部59cに重ね合わされている。この側壁延長部83bには、第1縦フレーム部材59の第1内側貫通孔59eに合致する位置に、第1内側貫通孔59e及び第1外側貫通孔59fと同径の第2貫通孔83cが形成されており、この第2貫通孔83cに上記第1横フレーム部材11の端部が挿通されている。この第2貫通孔83cの中心と上記竪壁部93の内側面(第1縦フレーム部材の端面59hに重ね合わされる面)との縦方向における間隔は、第1内側貫通孔59e及び第1外側貫通孔59fの中心と第1縦フレーム部材の端面59hとの縦方向における間隔と略同じ間隔に設定されている。
【0080】
上記上側耐震ブラケット63の竪壁部93には、その内側面に四角錐台状に突起する支承部93aが形成される一方、その外側面に当該支承部93aに対応するように切頭四角錐状に窪むナット収容部93bが形成されている。そして、このナット収容部93bの底部を縦方向に貫通してボルト挿通孔93c,93cが横方向に並んで2つ形成されている。
【0081】
上記固定金具15は、角根丸頭ボルト27,27とナット29,29とによって、上記実施形態1とは上下を反転させた状態で上側耐震ブラケット63の支承部93aに連結されており、上記第1縦フレーム部材59の中空部内に収納されている。この固定金具15は、ナット29を緩めると内側へ移動し、ナット29を締めると外側(竪壁部93側)へ移動する。なお、このように固定金具15の上下を反転させることにより、第1横フレーム部材11の上方に固定金具15の側壁部25,25が位置することになるので、上記実施形態1の如く第1横フレーム部材11の上方が一部開放するような係合状態に比して、例えば地震時の第1横フレーム部材11の上昇によって発生する上向きの力に対する固定金具15の強度が向上する。
【0082】
また、角根丸頭ボルト27とナット29とを締め付けた状態における固定金具15の係合部25aの中心と上記竪壁部93の内側面との縦方向における間隔は、第1内側貫通孔59e及び第1外側貫通孔59fの中心と第1縦フレーム部材の端面59hとの縦方向における間隔よりも短く設定されている。
【0083】
以上のように構成された上側耐震ブラケット63は、竪壁部93が底壁部73の縦方向外側ではなく内側の縁部に形成されていること、及び側壁部83が底壁部73よりも縦方向内側で第1縦フレーム部材59に重ね合わされていることを除けば上記実施形態1の上側耐震ブラケット13とほぼ同様の構成となっているので、固定金具15によって上記実施形態1と全く同じ要領で第1縦フレーム部材59及び第1横フレーム部材11に接続される。
【0084】
−効果−
以上に説明したように、本実施形態のエアコン室外機用防振架台1では、第1縦フレーム部材の端面59hに重ね合わされる竪壁部93が、底壁部73の縦方向内側の縁部に位置しているので、耐震ストッパ37の上方の空間を開放することができる。したがって、耐震ストッパ37の配設が容易となり、エアコン室外機用防振架台1の組立をより簡単に行うことが可能となる。
【0085】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0086】
上記各実施形態では、上架台3と下架台5とで、耐震ブラケット13,63,21の構造を異なる構造としたが、例えば、上側耐震ブラケット13,63とこれを上下に反転させたものとを組み合わせて上架台3と下架台5とを同じ構造としてもよい。
【0087】
また、上記各実施形態では、下側耐震ブラケット21の外側側壁部21cに当接部21hを設けたが、これに限らず、外側側壁部21cにも貫通孔を形成し、第2横フレーム部材19が突き抜けるようにすれば、エアコン室外機用防振架台1を横方向に伸縮自在とすることができる。
【0088】
さらに、上記各実施形態では、特殊な加工を施していない丸パイプを横フレーム部材11,19として用いたが、例えば、第1横フレーム部材11として用いる丸パイプの端部に環状凹部を形成し、これに固定金具15の係合部25aが引っ掛かるような構造としてもよい。このようにすれば、第1横フレーム部材11が第1縦フレーム部材9からより一層抜け難くなる。
【0089】
また、固定金具15の具体的な構造は上記実施形態とは異なっていてもよく、例えば係合部25aを円環状やフック状にしてもよい。さらに固定金具15にナットを固定し、外側からボルトを回転させて、固定金具15を進退させるようにしてもよい。また、固定金具15は必ずしも上側耐震ブラケット13の竪壁部43に対し着脱可能でなくてもよい。
【0090】
さらに、上記実施形態では、図1に示すように上架台3の第1縦フレーム部材9,9の下壁部9b,9bと下架台5の第2縦フレーム部材17,17の頂壁部との間に2個ずつ、合計4個のアイソレータ7,7,…を配設しているが、これは6個以上であってもよい。また、アイソレータ7としては、例えばコイルばねとゴムを一体成形したものや耐候性樹脂ケース内にコイルばねを内蔵したものを用いることができる。
【0091】
また、上記各実施形態では上架台3に、第1及び第2縦フレーム部材9,17をそれぞれ2つずつ備えるものとしているが、これに限らず、比較的大きなエアコン室外機を設置する場合には、第1及び第2縦フレーム部材9,17をそれぞれ3つ以上用いることもできる。こうした場合でも部品点数が増えるだけで、部品を製造するために例えば別のプレス金型が必要になるわけではないので、エアコン室外機用防振架台1の製造コストが大幅に増大することはない。
【0092】
さらに、本発明に係る防振架台は、上記実施形態のようなエアコン室外機用防振架台1に限らず、空調設備を始めとした種々の設備機器の防振架台として適用可能である。
【0093】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上説明したように、本発明は、振動の大きな設備機器を設置するための防振架台等について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係るエアコン室外機用防振架台の平面図(a)、正面図(b)及び右側面図(c)である。
【図2】エアコン室外機用防振架台を斜め前方から見た斜視図である。
【図3】上側耐震ブラケット及び固定金具の分解斜視図である。
【図4】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す平面図である。
【図5】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す正面図である。
【図6】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す右側面図である。
【図7】係合部の中心と上側耐震ブラケットの竪壁部の内側面との間隔、及び、第1貫通孔の中心と第1縦フレーム部材の端面との間隔を模式的に示す部分拡大図である。
【図8】第4貫通孔の中心と下側耐震ブラケットの頂壁部の下面との間隔、及び、第3貫通孔の中心と第2縦フレーム部材の上面との間隔を模式的に示す部分拡大図である。
【図9】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す平面図である。
【図10】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す正面図である。
【図11】エアコン室外機用防振架台の隅部を示す右側面図である。
【符号の説明】
【0096】
1 エアコン室外機用防振架台(防振架台)
3 上架台
5 下架台
7 アイソレータ(防振体)
9 第1縦フレーム部材
9c 内側側壁部(側壁部)
9d 外側側壁部(側壁部)
9e 第1内側貫通孔(第1貫通孔)
9f 第1外側貫通孔(第1貫通孔)
9h 端面
11 第1横フレーム部材
13 上側耐震ブラケット(第1コーナー部材)
15 固定金具
17 第2縦フレーム部材
17a 上壁部
17b 内側側壁部(側壁部)
17c 外側側壁部(側壁部)
17f 第3内側貫通孔(第3貫通孔)
17g 第3外側貫通孔(第3貫通孔)
19 第2横フレーム部材
21 下側耐震ブラケット(第2コーナー部材)
21a 頂壁部
21b 内側側壁部(側壁部)
21c 外側側壁部(側壁部)
21f 第4貫通孔
27 角根丸頭ボルト(第1ボルト)
29 ナット
33 側壁部
33a 第2貫通孔
39 ストッパボルト(第2ボルト)
43 竪壁部
43c ボルト挿通孔
59 第1縦フレーム部材
59c 内側側壁部(側壁部)
59d 外側側壁部(側壁部)
59e 第1内側貫通孔(第1貫通孔)
59f 第1外側貫通孔(第1貫通孔)
59h 端面
63 上側耐震ブラケット(第1コーナー部材)
83 側壁部
83c 第2貫通孔
93 竪壁部
93c ボルト挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の載置される上架台と、当該上架台の下方に所定の間隔を空けて配置された下架台とを備え、これら両架台の間に複数の防振体を介在させて、上記機器からの振動の伝達を低減するようにした防振架台であって、
上記上架台は、
縦方向に延びる複数の第1縦フレーム部材と、
横方向に延び、上記複数の第1縦フレーム部材を横方向に連結するように架け渡される第1横フレーム部材と、
上記第1縦フレーム部材の端部に配設されて、その端面に重ね合わされる竪壁部を有する第1コーナー部材と、
を有しており、
上記第1横フレーム部材の端部は、上記第1縦フレーム部材の端部に形成された係合部に係合されるとともに、固定金具を介して上記第1コーナー部材の竪壁部に連結され、
上記固定金具は、上記第1横フレーム部材の端部を第1ボルトによって上記竪壁部に縦方向に進退可能に連結していることを特徴とする防振架台。
【請求項2】
請求項1記載の防振架台において、
上記第1縦フレーム部材は、横断面矩形状の中空部材からなり、
上記第1コーナー部材は、上記第1縦フレーム部材の側壁部に重ね合わされる側壁部をさらに有しており、
上記第1縦フレーム部材の係合部は、その側壁部を貫通する第1貫通孔であり、
上記第1コーナー部材の側壁部には、上記第1貫通孔に対応するように第2貫通孔が形成されており、
上記第1横フレーム部材の端部は、上記第1及び第2貫通孔に挿通されて、上記第1縦フレーム部材の中空部内に収納された上記固定金具と係合していることを特徴とする防振架台。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防振架台において、
上記第1ボルトは、上記竪壁部に形成されたボルト挿通孔に挿通されていて、当該第1ボルト及びこれに螺合するナットのいずれか一方が上記固定金具に回動不能に固定されていることを特徴とする防振架台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の防振架台において、
上記下架台は、
縦方向に延び、横断面矩形状の中空部材からなる複数の第2縦フレーム部材と、
横方向に延び、上記複数の第2縦フレーム部材を横方向に連結するように架け渡される第2横フレーム部材と、
上記第2縦フレーム部材の端部に配設されて、その上壁部及び側壁部にそれぞれ重ね合わされる頂壁部及び側壁部を有する第2コーナー部材と、
を有しており、
上記第2縦フレーム部材の端部には、その側壁部を貫通する第3貫通孔が形成される一方、上記第2コーナー部材の側壁部には、当該第3貫通孔に対応する第4貫通孔が形成され、当該第3及び第4貫通孔に上記第2横フレーム部材の端部が挿通されていて、
上記第2コーナー部材は、第2ボルトによってその頂壁部が上記第2縦フレーム部材の上壁部に対して上下に移動可能に連結されており、当該第2ボルトの回転によって上記第3貫通孔と当該第4貫通孔とが上下に心ずれすることを特徴とする防振架台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−133525(P2010−133525A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311402(P2008−311402)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】