説明

防曇性を有する酸素除去フィルム

多層フィルムは、それぞれがポリマーを含む第1および第2外層;および酸素除去剤を含む内層を含み;前記第1および第2外層の1つは、ポリマーと防曇剤とのブレンドを含み、前記防曇剤には、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノールの1種または複数種が含まれ、第1外層は、第1外層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。酸素除去剤および防曇剤を組み合わせることにより、フィルムの酸素除去および/または防曇性が思いがけなく改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防曇性を有する酸素除去フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
食肉およびチーズ、燻製および加工ランチョンミートなどの食品、並びに電子部品、調合薬、および医療製品などの非食品製品を含む多くの酸素に敏感な製品は、酸素の存在下で品質が低下することが知られている。食品の色および香りは悪影響を受ける。食品内部にある脂質が酸化すると、酸敗が発生する。これらの製品では、包装内で酸素除去剤を使用することから恩恵を受ける。
【0003】
通常遷移金属触媒を有する不飽和ポリマーである、酸素除去剤のあるものは、化学線により誘因または活性化されうる。そのような材料により、使用者が商業的な包装環境内の酸素除去剤を使用することを決定するまでは、早まって酸素を除去することはない、酸素除去剤の利点が提供される。従って、フィルム形状の酸素除去剤が、通常、紫外光の列である誘因装置を通され、材料の酸素除去活性を誘因するまでは、酸素除去剤は、「休眠中」である。誘因は、包装を閉じる前に酸素に敏感な製品が包装内に置かれて、構成要素として酸素除去剤を有する包装が作製される包装段階の直前に、通常行われ、酸素に敏感な製品が棚に置かれている期間を伸ばす。
【0004】
また、包装の内側の表面に過剰な湿気を蓄積していない、最終的な包装製品を提供するために、包装用フィルムには防曇性がしばしば必要とされる。包装用フィルムには、特にある特定の種類の食品を包装するために防曇性が必要とされる。最終用途には、トレー、半剛性容器およびケースレディー(case−ready)包装などの冷蔵MAP(Modified Atmosphere Packaging)包装の蓋をする用途(lidding applications)が含まれる。
【発明の開示】
【0005】
酸素除去層に隣接する酸素除去フィルムの片面上のシーラント層に防曇剤を入れることができ、これによって従来の非酸素除去防曇性フィルムよりしばしば優れた防曇性能をもたらし、同時に、酸素除去性能を、しばしば、実際に強化できることが分かった。加えて、酸素除去防曇性フィルムを熱融着および積層する際に、防曇剤の存在により大きな影響を受けることとはない。この結果は、防曇剤の約10倍以上も少ないレベルのアミドワックススリップ剤を同じように酸素除去フィルム内に入れると、酸素除去、積層および熱融着性能を大きく低下させるのが観察されることを考えれば、驚くべきことである。
【0006】
驚いたことには、酸素除去層に隣接した単一のシーラント層内の防曇剤は表面にしみ出ることができるので、2つのシーラント層を有し、それぞれが酸素除去防曇性フィルムのシーラント層に存在する同じ防曇剤を含有している従来の対称的な防曇性フィルムと較べて、優れた防曇性を実現することができる。また、本発明の酸素除去防曇性フィルムについては、移動性添加物によって誘起される、酸素除去性能の目立った低下が観測されないという事実も驚くべきことである。対照的に、10倍も低い濃度のエルカ酸アミドなどの他の移動性フィルム添加物は、酸素除去速度を大きく、望ましくなく、減少させることが分かった。防曇剤がより高水準になると、より良好な酸素除去性能をもたらすことが観測された。さらに、防曇剤が移動しても、本発明の防曇剤を含有する酸素除去フィルムの熱融着または積層には、大きな悪影響を及ぼさなかった。
【0007】
典型的な防曇性フィルムには、防曇剤がフィルムの両方の外面に存在している対称的なフィルム構造が用いられている。対称的なフィルム構造が使用されるのは、フィルムの押出成形が簡単であること、および防曇剤を含む2つの層が向かい合っているので、表面層からフィルムの中心部へ入る防曇剤の損失が最小限に抑えられることによる。そのような対称的な二重防曇層は利点も有するが、多くの欠陥も存在する。スリップ剤と同様に、防曇剤は、インキ付着性のみならず、熱融着および積層接着強度を低下させることが知られている。通常、フィルムの片面のみの防曇性能が要求されるフィルムについても、これらの制約が存在する。従って、本発明の1つの利点は、関心のある表面上でのみ防曇性を有し、その他のフィルム特性を低下させることのない、従来の二重防曇層を有するフィルムより優れた防曇性を有する、防曇性フィルムを作製できる能力にある。本発明の場合は、利点は、改善された酸素除去性能並びにフィルムを積層および熱融着できる能力である。一方、フィルムの片面に表面被覆を施す方法により防曇性をもたらすことができるが、この方法に伴う製造および環境面のおびただしいコストが存在している。従って、押し出し成形される単一表面層内で移動性防曇剤を使用することは、大量の製造および性能上の利益をもたらす。
【0008】
定義
本明細書における「防曇剤」および類似の用語は、包装フィルムの表面上における水滴の凝縮を防止または減少させる添加物を意味するかまたは指す。そのような添加物は、包装フィルムの表面にしみ出し、水の表面張力を低下させ、水を広げて連続した膜にする穏和な湿潤剤としての役割を果たす。防曇剤の例には、これだけに限らないが、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノールが含まれる。
【0009】
グリセロール脂肪酸エステルには、例として、モノラウリン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロールおよびジオレイン酸グリセロールが含まれる。
【0010】
ポリグリセロール脂肪酸エステルには、例として、モノラウリン酸ジグリセロールおよびモノオレイン酸ジグリセロールが含まれる。そのようなグリセロールおよびポリグリセロール脂肪酸エステルは、通常、グリセロールの数およびエステル置換を変化させた幾つかの異なる種の複雑な混合物である。さらに、これらの材料は、また、グリセロールおよびポリエチレングリコールを含有することができる。
【0011】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルには、例として、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールおよびモノオレイン酸ポリエチレングリコールが含まれる。
【0012】
ポリエチレングリコールアルキルエーテルには、例として、ポリエチレングリコールラウリルアルコールエーテルおよびポリエチレングリコールオレイルアルコールエーテルが含まれる。
【0013】
エトキシ化アルキルフェノールには、例として、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化ドデシルフェノールおよびエトキシ化テトラメチルブチルフェノールが含まれる。
【0014】
ソルビタンエステルには、例として、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンおよびトリオレイン酸ソルビタンが含まれる。
【0015】
エトキシ化ソルビタンエステルには、例として、エトキシ化モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンおよびトリオレイン酸ソルビタンが含まれる。アルカノールには、例として、ステアリルアルコールおよびオレイルアルコールが含まれる。
【0016】
本明細書における「酸素除去剤」、「酸素除去」および類似の用語は、与えられた環境からの酸素を消費する、枯渇させる、またはその酸素と反応することができる組成物、化合物、フィルム、フィルム層、被覆、プラスチゾル、ガスケット、または類似品を意味するかまたは指す。
【0017】
本明細書における「内層」および類似の用語は、外層ではない多層フィルムの1つの層を意味し、すなわち、内層の両面はフィルムの他の層と接合されている。
【0018】
本明細書における「エチレン/α−オレフィンコポリマー」(EAO)という用語は、エチレンと、プロペン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのC〜C10のα−オレフィンから選択された1種または複数種のコモノマーとのコポリマーを指し、コポリマーの分子は、エチレンと反応させられたα−オレフィンから生じている比較的少ない側鎖分岐を有する長いポリマー鎖を含む。この分子構造は、EAOに関して高度に分岐され、かつ高圧ポリエチレンが長鎖および短鎖の両方の分岐を含有している従来の高圧低密度または中密度ポリエチレンとは、対照的である。EAOには、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、並びにDowから供給されているDOWLEX(商標)またはATTANE(商標)樹脂、Exxonから供給されているESCORENE(商標)またはEXCEED(商標)樹脂などの非常に低いおよび極めて低い密度のポリエチレン(VLDPEおよびULDPE)などの不均質材料、および三井石油化学工業から供給されているTAFMER(商標)樹脂、Exxonから供給されているEXACT(商標)、またはDow Chemical Companyから供給されている長鎖分岐の(HEAO)AFFINITY(商標)樹脂、またはDupont Dow Elastomersから供給されているENGAGE(商標)などの直鎖状均質エチレン/α−オレフィンコポリマーが含まれる。
【0019】
本明細書における「エチレンホモポリマーまたはコポリマー」という用語は、低密度ポリエチレンなどのエチレンホモポリマー;本明細書において定義されたものなどのエチレン/α−オレフィンコポリマー;エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー;エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー;およびアイオノマー樹脂を指す。
【0020】
本明細書における「EVOH」という用語は、エチレン/ビニルエステルコポリマー、通常、エチレン/酢酸ビニルコポリマーの鹸化された製品であり、エチレン含有量は、通常、コポリマーの20〜60mol%であり、鹸化の程度は、通常85%を越え、好ましくは95%を超える。
【0021】
本明細書における「高密度ポリエチレン」(HDPE)という用語は、0.94〜0.965g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
【0022】
本明細書における「アイオノマー樹脂」という用語は、エチレンと、ナトリウムまたは亜鉛、好ましくは亜鉛、などの金属イオンによって部分的に中和されたカルボン酸基を有するエチレン性不飽和モノカルボン酸との、コポリマーを指す。有用なアイオノマーには以下の例がある;
アイオノマー中の酸基の約15%〜約60%を中和するのに十分な金属イオンが存在し、カルボン酸は好ましくは、「(メタ)アクリル酸」、−すなわち、アクリル酸および/またはメタクリル酸であり、
少なくとも50重量%、好ましくは80重量%のエチレン単位を有し、
1〜20重量%の酸単位を有し、
例えば、SURLYNの商標の下に、DuPont Corporation(Wilmington、デラウェア州)から市販されている。
【0023】
本明細書における「ポリアミド」という用語は、分子鎖に沿ってアミド結合を有するポリマーを指し、好ましくはナイロンなどの合成されたポリアミドを指す。さらに、そのような用語は、重合してポリアミドを形成する、カプロラクタムなどのモノマーから誘導された繰り返し単位を含むポリマー、およびジアミンおよび二価酸のポリマー、および当業界で時々「コポリアミド」と呼ばれている、ナイロンターポリマーを含む、二種類またはそれ以上のアミドモノマーのコポリマーを包含する。「ポリアミド」という用語には、例えば、ポリアミド6(ε−カプロラクタムをベースとするホモポリマー)、ポリアミド6,6(ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸をベースとするホモ重縮合物)、ポリアミド6,9(ヘキサメチレンジアミンおよびアゼライン酸をベースとするホモ重縮合物)、ポリアミド6,10(ヘキサメチレンジアミンおよびセバシン酸をベースとするホモ重縮合物)、ポリアミド6,12(ヘキサメチレンジアミンおよびドデカン酸をベースとするホモ重縮合物)、ポリアミド11(11−アミノウンデカン酸をベースとするホモポリマー)、ポリアミド12(ω−アミノドデカン酸またはラウロラクタムをベースとするホモポリマー)、ポリアミド6/12(ε−カプロラクタムおよびラウロラクタムをベースとするポリアミドコポリマー)、ポリアミド6/6,6(ε−カプロラクタムおよびヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸をベースとするポリアミドコポリマー)、ポリアミド6,6/6,10(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびセバシン酸をベースとするポリアミドコポリマー)と通常呼ばれている脂肪酸ポリアミドまたはコポリアミド、それらの変更物およびそれらのブレンドが、特に含まれる。また、前記用語には、結晶性または部分的結晶性、または非晶質、芳香族また部分的芳香族、ポリアミドが含まれる。部分的結晶性芳香族ポリアミドの例には、メタ−キシリレンアジパミド(MXD6)、MXD6/MXD1などのコポリマーが含まれる。非晶質、半芳香族ポリアミドの例には、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド−co−テレフタルアミド)(PA−6,1/6T)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(PA−6,1)、およびPA−MXD1、PA−6/MXDT/1、PA−6,6/61)などのように省略されるその他のポリアミドが、他のものを排除することなく、含まれる。
【0024】
本明細書における「フィルム」という用語は、酸素に敏感な製品を包装するために使用することができる、フィルム、積層品、シート、ウエブ、被覆などを意味する。フィルムは、これを剛性、半剛性および可撓性製品内の構成要素として使用することができ、紙または金属などの非ポリマーおよび非熱可塑性基板に接着させることができる。また、フィルムは、包装内部のクーポンまたは挿入物として使用できる。
【0025】
本明細書における「ポリマー」という用語は、ホモポリマーを意味するが、ビスポリマー、ターポリマーなどを含むそれらのコポリマーをも意味する。
【0026】
本明細書における「誘因」という用語は、米国特許第5211875号において定義されている方法を意味し、フィルムなどの物品に、イオン放射、ガンマ放射などの約750nm未満の波長を有する化学線を、少なくとも約1.6mW/cmの強度で当てること、または電子ビームを少なくとも0.2メガラド(MR)の線量で当てることにより、酸素除去が開始される(すなわち、活性化される)。開始後、前記物品の酸素除去速度は、酸素除去が開始された後の少なくとも2日間の間、酸化性有機化合物1グラム当たり、1日につき、少なくとも約0.05ccの酸素である。全体または一部分がこの物品から作製された、酸素に敏感な材料を収容した容器の充填および密閉を行う際に、酸素除去成分が、使用中または使用される直前に活性化されうるように、短い「誘導時間」(酸素除去剤成分を化学線源に曝した後、酸素除去剤活性の開始が始まる時までに経過する時間)を提供する方法が好ましい。
【0027】
従って、「誘因」という用語は、上述の如く、物品を化学線に曝すことを指し、「誘因される(た)」という用語は、そのような化学線に曝されてきた物品を指し、「開始」という用語は、酸素除去が実際に始まるまたは活性化される時間の点を指し、「誘導時間」という用語は、もしあれば、誘因した時点と開始との間の時間の長さを指す。
【0028】
本明細書において使用される組成のパーセントは、他の指定がない限り、すべて「重量」を基準として表されている。
【0029】
発明の要約
本発明の第1の態様においては、多層フィルムは、ポリマーと防曇剤とのブレンドを含む第1外層、酸素除去剤を含む内層、およびポリマーを含む第2の外層を含み、前記防曇剤は、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノールからなる群から選択された材料を含み、前記第1外層は、第1外層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。
【0030】
本発明の第2の態様においては、多層フィルムは、ポリマーと防曇剤とのブレンドを含む第1層、酸素除去剤を含む第2層、高分子接着剤を含む第3層、ポリアミドを含む第4層、酸素バリアを含む第5層、ポリアミドを含む第6層、高分子接着剤を含む第7層、およびポリマーを含む第8層を含み、前記防曇剤は、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノールからなる群から選択された材料を含み、前記第1層は、第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。
【0031】
本発明の第3の態様においては、積層品は、ポリマーと防曇剤とのブレンドを含む第1層、酸素除去剤を含む第2層、高分子接着剤を含む第3層、ポリアミドを含む第4層、酸素バリアを含む第5層、ポリアミドを含む第6層、高分子接着剤を含む第7層、およびポリマーを含む第8層を含む多層フィルム、およびポリエチレンテレフタレートを含む第2フィルムを含み、前記第2フィルムは多層フィルムの第8層に接着され、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノール、前記第1層は、第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。
【0032】
本発明の第4の態様においては、積層品は、ポリマーと防曇剤とのブレンドを含む第1層、酸素除去剤を含む第2層、ポリマーを含む第3層、およびポリエチレンテレフタレートを含む第2フィルムを含み、前記第2フィルムは多層フィルムの第3層に接着され、前記防曇剤は、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノールからなる群から選択された材料を含み、前記第1層は、第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。
【0033】
発明の詳細な説明
酸素除去フィルムは、フィルムの必要とされる性質に応じて、多層を含むことができる。例えば、適切なスリップ、弾性率、酸素または水蒸気バリア、酸素除去、食肉付着(meat adhesion)、熱融着、またはその他の化学的または物理的性質を達成するための層を、場合によって含むことができる。このフィルムは、押出し、共押出し、積層、被覆などを含むさまざまな方法によって作製されうる。
【0034】
このフィルムの外層、好ましくはこのフィルムのシーラント層の役割を果たすことになる層は、1種または複数種のポリマーと防曇剤とのブレンドを含む。表面層に使用することができるポリマーには、優れた熱融着特性を有する包装用フィルムを調合するために通常使用される、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂、エチレン/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマー、エチレン/アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルコポリマー、低密度ポリエチレン、またはこれらの材料のいずれかのブレンドなど、いずれの樹脂でも含まれる。
【0035】
さまざまな防曇剤を、酸素除去フィルムの最も外側の層に入れることができる。好ましい防曇剤には、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、エトキシ化アルキルフェノール、ソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、およびアルカノール、またはこれらの材料のいずれか同士の組み合わせまたはこれらの材料のいずれかと他の防曇剤との組み合わせが、含まれる。試験した防曇剤の中で、4モルの酸化エチレンを有する、エトキシ化ノニルフェノールなどのエトキシ化アルキルフェノール、および約88%のモノおよびジグリセリドと約12%のプロピレングリセロールとのブレンドなどのグリセロール脂肪酸エステルのブレンドが、好ましい。紫外透過性は、酸素除去フィルムにとってさらなる利益をもたらす特性であり、グリセロール脂肪酸エステルは、エトキシ化アルキルフェノールより紫外線透過性に優れている。フィルムの外層に入れることができる添加材料には、アンチブロッキング剤、スリップ剤などが含まれる。
【0036】
酸素バリアフィルム
高酸素バリアフィルムは、(ASTM D3985により、1ミルの厚さで、25℃において試験したとき)バリア材料の酸素透過率が500cm/m・日・気圧未満、好ましくは100未満、より好ましくは50未満、最も好ましくは、10cm/m・日・気圧未満、5未満、および1未満などの、25cm/m・日・気圧未満である材料から作製することができる。酸素透過速度が低いポリマー材料の例には、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニリデン/アクリル酸メチルコポリマー、ポリアミド、およびポリエステルがある。
【0037】
あるいは、容器の酸素透過を低くするために、金属箔またはSiO化合物を使用することができる。めっき箔には、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリアミド(PA)などのポリマー基板に金属層をスパッタコーティングするまたは張り付ける他の方法が含まれうる。
【0038】
あるいは、酸化物を被覆したウエブ(例えば、酸化アルミニウムまたは酸化けい素)は、容器の酸素透過を低くするために使用することができる。酸化物が被覆された箔には、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリアミド(PA)などのポリマー基板に、アルミナまたはシリカなどの酸化物を被覆するまたは張り付ける他の方法が含まれうる。
【0039】
LLDPEまたはPVC(ポリ塩化ビニル)などのポリオレフィンの十分に厚い層でさえも、ある場合には、意図された機能に適した十分に低い酸素透過速度を、全体のフィルムに提供することができる。与えられた用途に要求される最適のちょうどよい酸素透過率は、当業者によって、実験により容易に決定されうる。
【0040】
本発明の多層フィルムを、従来の押出し、共押出し、または積層法により作製することができる。同様に、従来の製造工程を用いて、このフィルムからポーチ、バッグ、またはその他の容器を作製することができる。
【0041】
本発明のフィルムから作製したポーチ、バッグ、またはその他の容器の空気遮断シールは、通常、好ましいものになる。
【0042】
このフィルムから作製された容器の具体的な要件は、さまざまな要因に依存し、これらの要因には、酸素除去剤の化学的性質、酸素除去剤の量、ホスト材料または希釈剤中の酸素除去剤の濃度、酸素除去剤の物理的な配置、空気遮断シールの存在、容器内部の真空化および/または変更された雰囲気、容器内部の初期酸素濃度、意図されている酸素除去剤の最終用途、意図されている使用前容器の保管時間、化学線の初期線量の水準などが含まれる。
【0043】
酸素除去剤
フィルムなどの、本発明の物品において商業的に使用するのに適した酸素除去剤は、米国特許第5350622号に開示されており、酸素除去を一般に開始する方法は、米国特許第5211875号に開示されている。酸素除去を開始するのに適した装置は、米国特許第6287481号(Luthraら)に開示されている。これらの特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第5350622号によれば、酸素除去剤は、エチレン性不飽和炭化水素および遷移金属触媒から作製されている。好ましいエチレン性不飽和炭化水素は、置換されていることも、置換されていないこともありうる。本明細書において定義された置換されていないエチレン不飽和炭化水素は、少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有し、100重量%の炭素および水素を含む、すべての化合物である。置換されたエチレン性不飽和炭化水素は、少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有し、約50重量%〜99重量%の炭素および水素を含むエチレン性不飽和炭化水素として、本明細書において定義される。好ましい、置換されたまたは置換されていないエチレン性不飽和炭化水素は、1分子当たり、2つまたはそれ以上のエチレン性不飽和基を有するものである。より好ましくは、それは、3つまたはそれ以上のエチレン性不飽和基および重量平均分子量が1000に等しいかまたはそれを超える分子量を有する高分子化合物である。
【0044】
置換されていないエチレン性不飽和炭化水素には、これだけに限らないが、ポリイソプレン、(例えば、トランス−ポリイソプレン)、などのジエン重合体およびそれらのコポリマー、シスおよびトランス1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、(50%を超えるかまたはそれに等しい1,2微細構造を有するポリブタジエンとして定義される)、およびスチレン/ブタジエンコポリマーおよびスチレン/イソプレンコポリマーなどのそれらのコポリマーが含まれる。そのような炭化水素は、また、ポリペンテナマー(polypentenamer)、ポリオクテナマー(polyoctenamer)、および環式オレフィンのメタセシスにより調製されたその他のポリマーなどの高分子化合物;スクアレンなどのジエンオリゴマー;およびジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、4−ビニルシクロヘキサン、1,7−オクタジエン、または2つ以上の炭素−炭素二重結合(共役または非共役)を含むその他のモノマーから導出された不飽和を有するポリマーまたはコポリマーが含まれる。
【0045】
置換されたエチレン性不飽和炭化水素の例には、これだけに限らないが、エステル、カルボン酸、アルデヒド、エーテル、ケトン、アルコール、過酸化物、および/またはヒドロペルオキシドなどの酸素含有部分を有するものが含まれる。そのような炭化水素の特別の例には、これだけに限らないが、炭素−炭素二重結合を有するモノマーから誘導されたポリエステルなどの縮合重合体、およびオレイン酸、リシノレイン酸、無水リシノレイン酸、およびリノール酸などの不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、例えばエステル類、が含まれる。そのような炭化水素には、また、(メタ)アクリル酸(メタ)アリルから誘導されたポリマーおよびコポリマーが含まれる。適切な酸素除去ポリマーはエステル交換によって作製されうる。そのようなポリマーは、そのすべてが説明されたものとして参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5859145号(Chingら)(Chevron Resaearch and Technology Company)に開示されている。使用する組成は、また、上述の置換されたまたは置換されていないエチレン性不飽和炭化水素の2種またはそれ以上の混合物を含むことができる。1000またはそれ以上の重量平均分子量が好ましいが、特に、それがフィルム形成ポリマーまたはポリマーのブレンドとブレンドされる場合は、より低い分子量を有するエチレン性不飽和炭化水素を使用することができる。
【0046】
本発明に関連して使用することができる酸素除去剤の追加例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、PCT特許国際公開WO99/48963号(Chevron Chemical他)に開示されている。これらの酸素除去剤には、少なくとも1種のシクロヘキサン基または官能基を有するポリマーまたはオリゴマーが含まれている。これらの酸素除去剤には、ポリマーの主鎖、環状オレフィンペンダント基、およびオレフィンペンダント基をポリマーの主鎖に結合している結合基が含まれる。
【0047】
本発明と共に使用するのに適した酸素除去組成物は、
(a)以下の図に従った置換されたシクロヘキサン官能基を含有するポリマーまたは低分子量の材料:
【0048】
【化1】

ただし、Aは水素またはメチルであることができ、B基の1つまたは2つは、シクロヘキサン環を前記材料に結合させる、ヘテロ原子を含有した結合であり、残りのB基は水素またはメチルである;
(b)遷移金属触媒;および場合により
(c)光開始剤
を含む。
【0049】
この組成物は、本質的にポリマーであることができ、またはより低い分子量の材料であることができる。いずれの場合も、それらを、さらなるポリマーまたは他の添加物と混合することができる。低分子量材料の場合は、使用する前に、担体樹脂と、多くの場合混合されよう。
【0050】
包装用物品を形成する際に使用する場合は、本発明の酸素除去組成物は、上述のポリマーおよび遷移金属触媒のみを含むことができる。しかし、酸素除去特性の開始をさらに促進し、制御するために、光開始剤を添加することができる。適切な光開始剤は、当業者に知られている。特別な例には、これだけに限らないが、ベンゾフェノンおよびその誘導体、例えば、メトキシベンゾフェノン、ジメトキシベンゾフェノン、ジメチルベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、アリルオキシベンゾフェノン、ジアリルオキシベンゾフェノン、ドデシルオキシベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、4,4’−ビス(4−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、トリベンゾイルトリフェニルベンゼン、トリトルオイルトリフェニルベンゼン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなど、アセトフェノンおよびその誘導体、例えば、o−メトキシアセトフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノンなど、ベンゾインおよびその誘導体、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインテトラヒドロピラニルエーテル、4−o−モルホリノデオキシベンゾインなど、置換されたおよび置換されていないアントラキノン、α−テトラロン、アセナフテンキノン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチル−フェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチル−フェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,5−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、イソプロピルチオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、7−H−ベンゾ[de]アントラセン−7−オン、1’−アセトナフトン、2’−アセトナフトン、アセトナフトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリベンゾイルフェニルホスフィナート、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α、α−ジエトキシアセトフェノン、α、α−ジブトキシアセトフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル(ジフェニルスルフィド)などが含まれる。ローズベンガル、メチレンブルーおよびテトラフェニルポルフィンなどの単一で酸素を発生する光増感剤、ならびにポリ(エチレン一酸化炭素)およびオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]などの高分子開始剤を使用することができる。光開始剤の量は、ポリマー中に存在する環式不飽和の量および種類、使用する放射の波長および強度、使用する酸化防止剤の性質および量、および使用する光開始剤の種類によって決まりうる。
【0051】
また、エチレンと歪んだ(strained)環式アルキレン、好ましくはシクロペンテン、とのコポリマー、および遷移金属触媒が開示されており、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6255248号(Banslebenら)の酸素除去剤は、本発明において使用するのに適している。
【0052】
本発明に関連して使用することができる別の酸素除去剤は、エチレン/ビニルアラルキルコポリマーおよび遷移金属触媒が開示されており、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6214254号(Gauthierら)の酸素除去剤である。
【0053】
上述のエチレン性不飽和炭化水素は、遷移金属触媒と組み合わされている。適切な金属触媒は、少なくとも2つの酸化状態の間を容易に相互変換することができるものである。
【0054】
好ましくは、この触媒は、遷移金属塩の形態をしており、この金属は周期表の第1、第2または第3遷移系列から選択される。適切な金属には、これだけに限らないが、マンガンIIまたはIII、鉄IまたはII、コバルトIIまたはIII、ニッケルIIまたはIII、銅IまたはII、ロジウムII、IIIまたはIV、およびルテニウムIIまたはIIIが含まれる。導入されるときの金属の酸化状態は、必ずしも活性な形である必要はない。この金属は、好ましくは鉄、ニッケルまたは銅、より好ましくはマンガン、最も好ましくはコバルトである。この金属の適切な対イオンには、これだけに限らないが、塩素イオン、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、カプリル酸塩、リノール酸塩、トール油酸塩(tallate)、2−エチルヘキサン酸塩、ネオデカン酸塩、オレイン酸塩またはナフテン酸塩が含まれる。特に好ましい塩には、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト、およびネオデカン酸コバルト(II)が含まれる。金属塩は、また、アイオノマーであることができ、その場合は、ポリマー対イオンが使用される。そのようなアイオノマーは、当技術分野においてよく知られている。
【0055】
上述の酸素除去剤および遷移金属触媒のいずれも、可塑性包装用物品内にフィルム層を形成するために、通常使用される熱可塑性ポリマーなどの1種または複数種のポリマー希釈剤とさらに組み合わせることができる。一定の包装用物品を製造する際に、よく知られた熱硬化性樹脂がポリマー希釈剤としても使用されうる。
【0056】
製造中の特定の物品に所望の性質を付与するために、さらなる添加物を組成物中に含めることもできる。そのような添加物には、必ずしもこれだけに限らないが、フィラー、顔料、染料、酸化防止剤、安定剤、加工助剤、可塑剤、難燃剤などが含まれる。
【0057】
上に列挙した成分の混合は、好ましくは、50℃〜300℃の範囲の温度において溶融ブレンドにより達成される。しかし、後から蒸発させる溶媒を使用することなどの代替手段も使用されうる。
【0058】
酸素除去剤構造物は、反応副生物を時々生じさせうるものであり、これらは包装された材料の味および香り(すなわち、官能特性)に影響しうる、または食品規制問題を提起しうるものである。ポリマー機能性バリアを使用することにより、この問題は最小限度にしうる。酸素除去用途に適したポリマー機能性バリアは、そのすべてが、すべて説明されたものとして、参照により全体が本明細書に組み込まれる、ChingらのWO 96/08371(Chevron ChemicalCompany)、BalloniらのWO 94/06626、および同時係属の米国特許出願08/813752(Blinkaら)および09/445645(Miranda)に開示されており、それらには、好ましくはさらに配向されているポリエチレンテレフタレート(PET)およびナイロン6などの高ガラス転移温度(T)を有するガラス状ポリマー;低Tポリマーおよびそのブレンド;プロピレンモノマーから誘導されたポリマー、アクリル酸メチルモノマーから誘導されたポリマー、アクリル酸ブチルモノマーから誘導されたポリマー、メタクリル酸モノマーから誘導されたポリマー;ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG);非晶性ナイロン;アイオノマー;ポリテルペンを含むポリマーブレンド;およびポリ(乳酸)が含まれている。機能性バリアは、酸素除去層を含む多層フィルムまたはその他の物品の1層または複数層中に組み込まれうる。
【0059】
【表1】


【0060】
AB1は、約80%の直鎖状低密度ポリエチレン、および約20%のアンチブロッキング剤(珪藻土)を含むマスタバッチである。
【0061】
AB2は、アンチブロッキング剤の役割を果たす無水アルミニウムケイ酸塩である。
【0062】
AB3は、アンチブロッキング剤の役割を果たす約5%のシリカおよび酸化防止剤を有する約95%の低密度ポリエチレンである。
【0063】
AD1は、8.5%の酢酸ビニルモノマーを含む酸無水物グラフト化エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)であって、2.5のメルトインデックスを有し、接着またはタイ層(tie layer)として使用される。
【0064】
AD2は、ポリウレタン接着剤である。
【0065】
AD3は、9%〜11%の酢酸ビニルモノマーを含むエチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)の酸無水物グラフト化ポリオレフィンであって、3.2のメルトインデックスを有し、接着剤またはタイ層として使用される。
【0066】
AF1は、ポリエチレングリコールアルキルエーテル防曇剤であって、4モルの酸化エチレンおよびC12炭素主鎖を有するものが70〜75%、C14炭素主鎖を有するものが30〜25%であるアルキル鎖を有する。
【0067】
AF2は、グリセロール脂肪酸エステル防曇剤であって、モノオレイン酸グリセロールおよびジオレイン酸グリセロールのブレンドである。
【0068】
AF3は、エトキシ化アルキルフェノール防曇剤であって、ノニルフェノールおよび4モルの酸化エチレンを有する。
【0069】
AF4は、グリセロール脂肪酸エステル防曇剤であって、約88%のモノおよびジグリセリド、および約12%のプロピレングリコールのブレンドを有する。
【0070】
AF5は、グリセロールとポリグリセロール脂肪酸エステル防曇剤とのブレンドであって、約50%のラウリン酸ポリグリセロール(polyglycerol laurate)、約45%のオレイン酸グリセロール、および約5%のポリエチレングリコールを含有している。
【0071】
AF6は、グリセロール脂肪酸エステル防曇剤であって、モノおよびジグリセリドのブレンドを有する。
【0072】
AF7は、グリセロール脂肪酸エステル防曇剤であって、96%を最小限とする蒸留モノグリセリドを有する。
【0073】
EV1は、9%の酢酸ビニルモノマーを含むエチレン/酢酸ビニルコポリマーであって、2.0のメルトインデックスを有する。
【0074】
EV2は、3.6%の酢酸ビニルモノマーを含むエチレン/酢酸ビニルコポリマーであって、2.0のメルトインデックスを有する。
【0075】
EV3は、3.3%の酢酸ビニルモノマーを含むエチレン/酢酸ビニルコポリマーであって、2.0のメルトインデックスを有する。
【0076】
NY1は、ナイロン6(ポリカプロラクタム)である。
【0077】
NY2は、非晶性共重合アミド(6I/6T)であって、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸、およびテレフタル酸から誘導される。
【0078】
OB1は、38モル%のエチレンを含むエチレン/ビニルアルコールコポリマーである。
【0079】
OS1は、酸素除去剤樹脂、ポリ(エチレン/アクリル酸メチル/シクロヘキサンアクリル酸メチル)である。
【0080】
OSM1は、Chevronから供給され、SP1205の記号で示されている担体樹脂(エチレン/アクリル酸メチル)から製造されたマスタバッチであって、Sheperd Chemicalから供給された小球(固体)のオレイン酸コバルト中に存在する、マスタバッチの重量を基準として、1%のコバルト、およびChemfirst Fine Chemicals, Inc.から供給された、マスタバッチの重量を基準として、1%のトリベンゾイルトリフェニルベンゼンを有する。
【0081】
OSM2は、Chevronから供給された担体樹脂(エチレン/アクリル酸メチル)から製造されたマスタバッチであって、Sheperd Chemicalから供給された液体オレイン酸コバルト中に存在する、マスタバッチの重量を基準として、1%のコバルト、およびChemfirst Fine Chemicals, Inc.から供給された、マスタバッチの重量を基準として、1%のトリベンゾイルトリフェニルベンゼンを有する。
【0082】
PE1は、直鎖状エチレン/1−オクテンコポリマーであって、0.920g/ccの密度、6.5%のオクテン−1コモノマー含有量、および1.0のメルトフローインデックスを有する。
【0083】
PE2は、直鎖状エチレン/1−オクテンコポリマーであって、0.935g/ccの密度、2.5%のオクテン−1コモノマー含有量、および2.5のメルトフローインデックスを有する。
【0084】
PE3は、直鎖状エチレン/1−オクテンコポリマーであって、0.911〜0.915g/ccの密度、3.01のメルトフローインデックスおよび9%のオクテン含有量を有する。
【0085】
PE4は、低密度ポリエチレン樹脂であって、0.915g/ccの密度を有する。
【0086】
PE5は、直鎖状エチレン/1−オクテンコポリマーであって、0.920g/ccの密度、6.5%のオクテン−1コモノマー含有量、および1.1のメルトフローインデックスを有する。
【0087】
PE6は、低密度ポリエチレン樹脂であって、0.922g/ccの密度を有する。
【0088】
PE7は、シングルサイト触媒されたエチレン/1−オクテンコポリマーであって、0.902g/ccの密度、3.0のメルトインデックス、および12%のオクテン−1コモノマー含有量を有する。
【0089】
PE8は、シングルサイト触媒されたエチレン/1−ヘキセンコポリマーであって、0.895g/ccの密度、および2.2のメルトインデックスを有する。
【0090】
PE9は、シングルサイト触媒されたエチレン/1−ヘキセンコポリマーであって、0.895g/ccの密度、および3.43のメルトインデックスを有する。
【0091】
PE10は、低密度ポリエチレン樹脂であって、0.918g/ccの密度を有する。
【0092】
PE11は、シングルサイト触媒されたエチレン/ヘキセン/ブテンターポリマーであって、0.902g/ccの密度、および2.0のメルトインデックスを有する。
【0093】
PET1は、化学的に下塗りされたポリエチレンテレフタレートフィルムである。
【0094】
PET2は、塩化ビニリデン/塩化ビニルコポリマーによって被覆されたポリエチレンテレフタレートフィルムである。
【0095】
SL1は、25%のシリカおよび5%のエルカミドを有する、約70%の低密度ポリエチレンを有するマスタバッチである。
【0096】
SX1は、0.94g/ccの密度を有するLLDPE担体樹脂におけるポリシロキサンマスタバッチである。
【0097】
本明細書において与えられたすべての組成百分率は、他の指示がない限り、重量による。
【実施例】
【0098】
防曇剤と共にシリカのアンチブロッキング剤、場合により超高分子量(UHMW)のシロキサンスリップ剤(SX1)を含むシーラント層を利用した実験を行い、酸素除去フィルムのシーラント層の防曇性を評価した。フィルムのそれぞれの防曇性能を、以下の方法により測定した。Cryovacモデル4104V SIS装置またはAnderson/Vreeland装置を使用して、それぞれのフィルム試料を照射し、700〜800mJ/cmの線量のUV C放射を与えた。水道水(300mL)を600mLのビーカーに入れ、室温、75°F(24℃)で平衡するようにした。シーラント側を水に向けたフィルムの小片を、ビーカー上でぴんと張って形成し、ゴムバンドで固定した。次いで、ビーカーを35〜40°F(2〜5℃)に冷却されたクーラー内に設置した。それぞれのフィルム試料について、ビーカー上で三組のフィルム試料を作製した。次いで、これらの試料を、48時間後に観察し、防曇性能を評価した。防曇性能を評価するに当たり、1〜5の尺度を使用した。1の評価は最悪であり、最小の光可視度および劣悪な光透過を有する、1/8”(3mm)未満の曇った小さな液滴の不透明層が観測される。2の評価では、劣悪な光可視性(light visibility)および光透過を有する、1/8”(3mm)を超える、不透明から半透明の曇った液滴が観測される。3の評価では、より良好な可視度および液滴によるレンズ効果を有する、1/4”(6mm)を超える大きな半透明から透明の液滴が観測される。4の評価のものは、乱反射される大きな透明の液滴と、従って、とぎれとぎれの水の薄膜を有する。5の評価は最上であり、見える水のない透明なフィルムが観測される。
【0099】
フィルムの酸素除去速度を測定するために、2つの方法を使用してフィルムを調製し、評価した。両方の場合において、Cryovacモデル4104V除去開始システム(SIS)装置またはAnderson/Vreeland装置を使用して、フィルム試料をUV照射し、700〜800mJ/cmの線量のUV C放射を与えた。1つの方法では、よく画定された領域(通常200cm)の照射されたフィルムは、次いで、バリアポーチ(P 640B、Sealed Air Corp.のCryovac(登録商標)部門、OTR=5cc/m/日)中で真空包装される。約1%の残留酸素を有する300ccの窒素雰囲気により、そのポーチを膨張させた。第2の方法においては、照射されたフィルム試料を、Multivac R230包装機械上の蓋材(lidstock)として、ボトムウエブ(bottom web)(T6070B、Sealed Air Corp.のCryovac(登録商標)部門)と共に使用した。同じ1%残留酸素によるガスフラッシングも利用した。次いで、試料を、試験期間の間4〜5℃(冷却されて)で保管した。上部空間の部分を周期的に取り出し、Mocon Pac Check(商標)モデル400または450酸素分析器により、酸素について分析した。平均酸素除去速度を、終点のみを考慮して、次の式:平均速度=除去されたccO/(m・日)により計算し、これらの実施例においては、UVで誘因してから4日後に計算した。ピーク(瞬間的な)速度は、いずれの試料採取期間中でもそこで観測された最高の除去速度であり、次式:除去された△ccO/(m・△日)により与えられる(ただし、△は2つの連続した測定値の間の増分である。)。測定は、誘因した日、誘因してから1、4、7、14、および21日後に、通常行われる。速度は、少なくとも3回の反復実験の平均値として、さらに報告される。
【0100】
防曇剤(AF4)含有シーラント層および酸素バリア特性を有する8層の酸素除去フィルムを調製し、次いで、溶媒をベースとした接着剤(AD2)により、化学的に下塗りされたPET(PET1)に積層した。フィルム構造、ならびにUV誘因後、48時間の防曇性能および冷却状態の酸素除去性能を、下に示した。比較のために、同じAF4防曇剤を含む、5層の非酸素除去の従来の防曇性フィルムの構造、およびその48時間の防曇性能を比較例5として示す。
【0101】
(比較例1)
【0102】
【表2】

【0103】
(実施例2)
【0104】
【表3】

【0105】
(実施例3)
【0106】
【表4】

【0107】
(実施例4)
【0108】
【表5】

【0109】
(比較例5)
(市販の防曇性フィルム)
【0110】
【表6】

【0111】
実施例2、3および4は、優れた防曇および酸素除去特性が、積層された8層酸素除去防曇性フィルムにより、達成されうることを示す。実施例2、4、および5の比較から、同じAF4防曇剤を同じ量でしかも両方の外側のシーラント層に充填している市販の防曇性フィルム(比較例5)と比較して、酸素除去防曇性フィルム(実施例2および4)は、優れた防曇性能を有することが示される。実施例1〜4によって示されるように、防曇剤AF4が酸素除去フィルム中に存在すると、防曇性能および酸素除去速度を促進することが観測される。HFFS包装装置上で蓋材として積層された酸素除去防曇性フィルムを評価すると、形成したウエブの熱融着特性の目に見える低下はなく、フィルム自体による重大な中間層の層間剥離問題も全く存在していない。
【0112】
また、溶媒ベースの接着剤(AD2)によりPVdCを被覆されたPET(PET2)に積層され、高酸素バリア防曇性フィルムを形成している3層の酸素除去防曇性フィルムを試験した。フィルム構造、ならびにそれぞれのフィルムがUV誘因されてから48時間後の防曇性能および冷却状態の酸素除去性能を下に示す。
【0113】
(比較例6)
【0114】
【表7】

【0115】
(実施例7)
【0116】
【表8】

【0117】
(実施例8)
【0118】
【表9】

【0119】
(実施例9)
【0120】
【表10】

【0121】
(実施例10)
【0122】
【表11】

【0123】
実施例7から10は、防曇剤を含有していない比較例6と較べて、AF4またはAF3のいずれかの防曇剤を含有している積層された3層フィルムによって、改善された防曇性および酸素除去特性が得られたことを示す。すべての場合において、防曇剤が存在すると、防曇性をもたらすことに加えて、フィルムの酸素除去速度を促進させた。HFFS包装装置上で蓋材として積層された酸素除去防曇性フィルムを評価すると、形成したウエブの熱融着特性の目に見える低下はなく、フィルム自体による重大な中間層の層間剥離問題も全くない。
【0124】
また、バリア層を有さず、積層されていない3層の酸素除去フィルムの試験も実施した。他との比較において、高スリップフィルムを製造するために、従来のスリップ剤であるエルカミドをシーラント層のみで利用しているまたはバルク層においても利用している、シーラント層を比較のために示す。フィルム構造、ならびにそれぞれのフィルムがUV誘因されてから48時間後の防曇性能、冷却状態の酸素除去剤性能、および熱融着接着強度、ならびに比較例については、動摩擦係数(COF)を下に示す。
【0125】
(比較例11)
【0126】
【表12】

【0127】
(実施例12)
【0128】
【表13】

【0129】
(実施例13)
【0130】
【表14】

【0131】
(比較例14)
【0132】
【表15】

【0133】
(比較例15)
【0134】
【表16】

【0135】
(実施例16)
【0136】
【表17】

【0137】
(実施例17)
【0138】
【表18】

【0139】
(比較例18)
【0140】
【表19】

【0141】
(比較例19)
【表20】

【0142】
(実施例20)
【0143】
【表21】

【0144】
(比較例21)
【0145】
【表22】

【0146】
(実施例22)
【0147】
【表23】

【0148】
(比較例23)
【0149】
【表24】

【0150】
(比較例24)
【0151】
【表25】

【0152】
(比較例24)
【0153】
【表26】

【0154】
実施例11〜22から分かるように、数種類の防曇剤(AF1−3およびAF5−7)を3〜8重量%の水準で使用することにより、熱融着(実施例15および16を比較されたい)および酸素除去の性能を目に見えるほど低下させることなしに、防曇性能を改善することが実現できる。実施例1〜3および6〜8のように、防曇性能の水準を向上させることにより、酸素除去性能が図らずも改善されたが、防曇性の水準には上限が存在する(実施例11〜14を参照されたい)。他との比較において、別の移動性フィルム添加物、エルカミドスリップ剤を、防曇剤の量のほぼ10倍以上も少ない水準で使用することで、酸素除去速度が大きく減少させられることが分かる(比較例24および25を参照されたい)。従って、防曇性を改善し、酸素除去速度を低下させない、または予想に反して促進することができる防曇剤の能力は、本発明の予期せぬ発見である。
【0155】
本発明の好ましい実施形態においては、フィルムの第1外層は、第1外層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む。より好ましくは、フィルムの第1外層は、第1外層の重量を基準として、4%〜6%の防曇剤を含む。第2外層は、第2外層の重量を基準として、好ましくは3%未満の防曇剤、より好ましくは、第2外層の重量を基準として、1%未満の防曇剤を含み、最も好ましくは、第2外層はいかなる押出し防曇剤をも有しない。
【0156】
いくつかの酸素除去防曇性フィルムの官能特性の評価が、防曇性を制御していない酸素除去フィルムと比較して実施された。試料は、以下の方法により調製された。トップウエブとして防曇性および非防曇性酸素除去フィルムを、ボトムウエブとしてCryovac T6070Bを使用し、Cryovacモデル4104V除去開始装置(SIS)を装備したMultivac R230により、水を200ml含有している包装を作製した。積層されていない、3層の酸素除去防曇性フィルムに関しては、防曇性フィルムの試料を、Cryovac R660B積層バリアフィルムに接着テープで貼り付けて、バリアトップウエブを形成した。包装は、窒素中の約2%の残留酸素によりフラッシュされ、約800ccの上部空間を有する。それぞれのフィルムの2つの包装を、繰り返しの目的のために作製した。包装を、酸素除去剤性能について評価し、次いで、室温、75°F(24℃)で7日間保管した。
【0157】
酸素除去フィルムのために訓練された審査委員会による第2の分析を実施し、防曇性フィルムが、酸素除去フィルムによって包装された水に、異なった味を移すか否かを判断した。トライアングル差異官能試験法(Triangle difference organoleptic test method)に関しては、水試料のうちの2個が同一である3個の水試料が審査員に提出され、審査員は、異常な水試料を同定し、味の差異についてコメントすることを求められた。0.05の確率またはα水準における統計的な差異を利用して、防曇性および非防曇性酸素除去フィルムの間に見分けられる官能性差異が存在するか否かの評価をした。この判断基準に基づくと、見分けられる差異は認められず、防曇剤のいくつかの異なる分類のもの(AF1〜3)は、酸素除去フィルムの官能特性を、目に見えるほど変化させることはないことが示唆される。
【0158】
本発明の実施形態において使用されうる高分子接着剤には、例えば、エチレン/酢酸ビニルコポリマー;酸無水物グラフト化エチレン/酢酸ビニルコポリマー;酸無水物グラフト化エチレン/α−オレフィンコポリマー;および酸無水物グラフト化低密度ポリエチレンなどが含まれる。
【0159】
本発明は、本明細書に記載の例に限定されるものではなく、それらの例は、単なる例示に過ぎず、形態、大きさ、部品の配列および操作の詳細を変更することが可能であると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i)ポリマー、および
ii)防曇剤
のブレンドを含む第1外層;
b)酸素除去剤を含む内層;および
c)ポリマーを含む第2外層
を含み、
前記防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含み、
前記第1外層が、前記第1外層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む
多層フィルム。
【請求項2】
第1および第2外層のポリマーが、
a)エチレン/α−オレフィンコポリマー、
b)エチレン/酢酸ビニルコポリマー、
c)アイオノマー樹脂、
d)エチレン/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマー、
e)エチレン/アクリレートまたはメタクリレートコポリマー、および
f)低密度ポリエチレン
からなる群から選択された材料を含む請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
酸素除去剤が、
i)酸化する有機化合物および遷移金属触媒、
ii)エチレン性不飽和炭化水素および遷移金属触媒、
iii)ポリマー主鎖、環式オレフィン酸ペンダント基、および前記オレフィン酸ペンダント基を前記ポリマー主鎖に結合させる結合基を有するポリマー、
iv)エチレンと歪んだ環式アルキレンのコポリマー、
v)エチレン/ビニルアラルキルコポリマー、
vi)アスコルベート、
vii)イソアスコルベート、
viii)サルファイト、
ix)アスコルベートおよび遷移金属触媒(前記触媒は、単純な金属または塩、または遷移金属の化合物、錯体もしくはキレートを含む。)、
x)ポリカルボン酸、サリチル酸またはポリアミンの遷移金属錯体もしくはキレート、
xi)タンニン、および
xii)還元された金属
からなる群から選択された材料を含む請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項4】
酸素除去剤を含む内層と第1および第2外層の1つの層との間に配置された酸素バリア層を含み、前記酸素バリア層は、25℃、0%の相対湿度、1気圧(ASTM D3985)において、100cc/m/24時間以下の酸素透過速度を有する請求項1に記載のフィルム。
【請求項5】
酸素バリアが、
i)ポリエステル、
ii)ポリビニルアルコール、
iii)エチレンビニルアルコールコポリマー、
iv)ポリエチレンナフタレート、
v)ポリアミド、
vi)ポリアミド、
vii)コポリアミド、
viii)ポリアクリロニトリル、
ix)アクリロニトリルコポリマー、
x)液晶ポリマー、 xi)SiO
xii)ポリ塩化ビニル、
xiii)ポリ塩化ビニリデン、
xiv)塩化ビニリデンコポリマー、
xv)炭素、
xvi)金属、および
xvii)金属酸化物
からなる群から選択された材料を含む請求項4に記載のフィルム。
【請求項6】
フィルムの平均酸素除去速度が、フィルムの酸素除去特性が活性化された後、少なくとも2日間、少なくとも25cc/m/日である請求項1に記載のフィルム。
【請求項7】
フィルムが架橋されている請求項1に記載のフィルム。
【請求項8】
フィルムが二軸配向されており、熱収縮性である請求項1に記載のフィルム。
【請求項9】
a)i)ポリマー、および
ii)防曇剤
のブレンドを含む第1層;
b)酸素除去剤を含む第2層;
c)高分子接着剤を含む第3層;
d)ポリアミドを含む第4層;
e)酸素バリアを含む第5層;
f)ポリアミドを含む第6層;
g)高分子接着剤を含む第7層;および
h)ポリマーを含む第8層
を含み、
前記防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含み、
前記第1層が、前記第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む
多層フィルム。
【請求項10】
第1および第8層のポリマーが、
a)エチレン/α−オレフィンコポリマー、
b)エチレン/酢酸ビニルコポリマー、
c)アイオノマー樹脂、
d)エチレン/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマー、
e)エチレン/アクリレートまたはメタクレートコポリマー、および
f)低密度ポリエチレン
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項11】
第2層の酸素除去剤が、
i)酸化する有機化合物および遷移金属触媒、
ii)エチレン性不飽和炭化水素および遷移金属触媒、
iii)ポリマー主鎖、環式オレフィン酸ペンダント基、および前記オレフィン酸ペンダント基を前記ポリマー主鎖に結合させる結合基を有するポリマー、
iv)エチレンと歪んだ環式アルキレンのコポリマー、
v)エチレン/ビニルアラルキルコポリマー、
vi)アスコルベート、
vii)イソアスコルベート、
viii)サルファイト、
ix)アスコルベートおよび遷移金属触媒(前記触媒は、単純な金属または塩、または遷移金属の化合物、錯体もしくはキレートを含む。)、
x)ポリカルボン酸、サリチル酸、またはポリアミンの遷移金属錯体またはキレート、
xi)タンニン、および
xii)還元された金属
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項12】
第3および第7層の高分子接着剤が、
i)エチレン/酢酸ビニルコポリマー;
ii)酸無水物グラフト化エチレン/酢酸ビニルコポリマー、
iii)酸無水物グラフト化エチレン/α−オレフィンコポリマー、および
iv)酸無水物グラフト化低密度ポリエチレン
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項13】
第4および第6層のポリアミドが、
i)ポリアミド6、
ii)ポリアミド9、
iii)ポリアミド10、
iv)ポリアミド11、
v)ポリアミド12、
vi)ポリアミド66、
vii)ポリアミド610、
viii)ポリアミド612、
ix)ポリアミド6I、
x)ポリアミド6T、
xi)ポリアミド69、
xii)ポリアミド6I/6T、
xiii)ポリアミド6/66、
xiv)ポリアミド66/6、
xv)ポリアミド6/610、
xvi)ポリアミド6/69、
xvii)ポリアミドMXD6、
xviii)ポリアミドMXD6/MXDI、および
xix)ポリアミドMXD6/6T
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項14】
第5層の酸素バリアが、
i)ポリエステル、
ii)ビニルアルコール、
iii)エチレンビニルアルコールコポリマー、
iv)ポリエチレンナフタレート、
v)ポリアミド、
vi)ポリアミド、
vii)コポリアミド
viii)ポリアクリロニトリル
ix)アクリロニトリルコポリマー、
x)液晶高分子、
xi)SiO
xii)ポリ塩化ビニル、
xiii)ポリ塩化ビニリデン、
xiv)塩化ビニリデンコポリマー、
xv)炭素、
xvi)金属、および
xvii)金属酸化物
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項15】
防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含む請求項9に記載の多層フィルム。
【請求項16】
a) i)(a)ポリマー、および
(b)防曇剤のブレンドを含む第1層;
ii)酸素除去剤を含む第2層;
iii)高分子接着剤を含む第3層;
iv)ポリアミドを含む第4層;
v)酸素バリアを含む第5層;
vi)ポリアミドを含む第6層;
vii)高分子接着剤を含む第7層;および
viii)ポリマーを含む第8層
を含む多層フィルム、および
b)ポリエチレンテレフタレートを含み、前記多層フィルムの第8層に接着された、第2フィルム
を含み、
前記防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含み、
前記第1層が、前記第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む
積層品。
【請求項17】
防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含む請求項16に記載の積層品。
【請求項18】
a) i)(a)ポリマー、および
(b)防曇剤のブレンドを含む第1層;
ii)酸素除去剤を含む第2層;および
iii)ポリマーを含む第3層
を含む多層フィルム、および
b)ポリエチレンテレフタレートを含み、前記多層フィルムの第3層に接着された第2フィルム
を含み、
前記防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含み、
前記第1層が、前記第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満の防曇剤を含む
積層品。
【請求項19】
防曇剤が、
i)グリセロール脂肪酸エステル、
ii)ポリグリセロール脂肪酸エステル、
iii)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
iv)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
v)エトキシ化アルキルフェノール、
vi)ソルビタンエステル、
vii)エトキシ化ソルビタンエステル、および
viii)アルカノール
からなる群から選択された材料を含む請求項18に記載の積層品。
【請求項20】
防曇剤が、第1層の重量を基準として、3%を超え、8%未満を構成する請求項18に記載の積層品。

【公表番号】特表2007−501146(P2007−501146A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532939(P2006−532939)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/014662
【国際公開番号】WO2004/106059
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(500256772)クライオバック・インコーポレイテツド (25)
【Fターム(参考)】