説明

防曇性物品およびその製造方法

【課題】 親水性有機ポリマーを含む防曇性被膜による防曇性物品において、比較的薄い膜厚で必要とされる防曇性を有する防曇性物品を提供する。
【解決手段】 無機物品の表面を覆うように、カルボキシル基を分子中に含む親水性有機ポリマーと架橋剤とを主成分として含んでなる防曇性被膜が形成され、該防曇性被膜は、前記カルボキシル基の一部のみが、前記架橋剤により架橋されていることを特徴とする防曇性物品である。
前記防曇性被膜の厚みは、数百ナノメートルオーダーであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防曇性物品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、風呂場に設置される鏡や、自動車用窓ガラスには、実用面から防曇性が求められている。清浄な表面のガラスは親水性であり、防曇性を有している。しかし、時間の経過に従って、ガラス表面が汚染されてきて、親水性がなくなり防曇性も低下してしまう。
【0003】
優れた防曇性を付与するためには、カルボキシル基を含む有機材料の防曇剤を用いるとよい。例えば、特開平10−195423号公報に開示された防曇性コーティング組成物は、「少なくとも1種の官能性金属キレート化合物5重量部以下と、カルボキシル基及び/又は水酸基を含有する少なくとも1種の有機ポリマー2〜20重量部とを水含有有機溶媒に含有させてなることを特徴とする防曇性コーティング組成物」である。
【0004】
また、吸水性を持った有機材料の防曇剤を用いるとよい。例えば、特開2005−110918号公報では、鏡本体と該鏡本体と密着した被膜を具備した防曇鏡において、該被膜が吸水性と親水性を呈する被膜であり、被膜の膜厚が5μm以上30μm以下である防曇鏡を開示している。この防曇鏡では、被膜中に存在するオキシエチレン鎖によって、被膜に十分な吸水性を得るとしている。
【特許文献1】特開平10−195423号公報
【特許文献2】特開2005−110918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特開平10−195423号公報の実施例における防曇性コーティングの膜厚は、2〜5μmと比較的厚い膜厚を必要としている。
【0006】
さらに、上述の特開2005−110918号公報に記載された技術では、吸水性と親水性を呈する被膜の膜厚を5μm以上必要としている。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、親水性有機ポリマーを含む防曇性被膜による防曇性物品において、比較的薄い膜厚で必要とされる防曇性を有する防曇性物品の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、無機物品の表面に形成する親水性有機ポリマーを含んでなる防曇性被膜において、親水性有機ポリマーの親水性官能基に着目して、さらに検討を行った。
【0009】
その結果、無機物品の表面に、カルボキシル基を分子中に含む親水性有機ポリマーと架橋剤とを含んでなる防曇性被膜を形成し、前記カルボキシル基の一部のみを前記架橋剤により架橋すると、比較的薄い膜厚で高い防曇性と耐水性とを両立できることを見出した。
【0010】
このような防曇性被膜では、膜厚を厚くしなくても、良好な防曇性を発揮させることができる。また、この防曇性被膜は、カルボキシル基が架橋されているので、耐水性にも優れている。
【0011】
すなわち、本発明は請求項1に記載の発明として、
無機物品の表面を覆うように、カルボキシル基を分子中に含む親水性有機ポリマーと架橋剤とを主成分として含んでなる防曇性被膜が形成され、該防曇性被膜は、前記カルボキシル基の一部のみが、前記架橋剤により架橋されていることを特徴とする防曇性物品である。
【0012】
請求項2に記載の発明として、
請求項1に記載の防曇性物品において、
前記架橋剤は、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アミン系化合物、エチレンイミン系化合物、オキサゾリン系化合物、ポリビニルアルコール類、グリセリン、グリコール類および有機金属化合物の少なくともいずれか1種である防曇性物品である。
【0013】
請求項3に記載の発明として、
請求項1に記載の防曇性物品において、
前記親水性有機ポリマーが、アクリル酸もしくはマレイン酸の重合体、またはアクリル酸もしくはマレイン酸を含む共重合体からなる防曇性物品である。
【0014】
請求項4に記載の発明として、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜は、実質的に前記親水性有機ポリマーと前記架橋剤のみからなる防曇性物品である。
【0015】
請求項5に記載の発明として、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜の厚みが20nm〜800nmである防曇性物品である。
【0016】
請求項6に記載の発明として、
請求項5に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜の厚みが20nm〜150nmである防曇性物品である。
【0017】
請求項7に記載の発明として、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜中に、さらに界面活性剤を含む防曇性物品である。
【0018】
請求項8に記載の発明として、
前記界面活性剤は、少なくともアニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性界面活性剤のいずれか一種である防曇性物品である。
【0019】
請求項9に記載の発明として、
請求項7または8に記載の防曇性物品において、
前記カルボキシル基の一部に、前記界面活性剤が固定化されている防曇性物品である。
【0020】
請求項10に記載の発明として、
請求項9に記載の防曇性物品において、
前記固定化は、前記カルボキシル基と前記界面活性剤の有するOH基とのエステル結合による防曇性物品である。
【0021】
本発明において、防曇性被膜の厚みとは、物品表面と防曇性被膜の最表面との距離として定義する。この防曇性被膜の厚みは、20nm〜800nmの範囲が好ましい。20nm未満では防曇性能が十分でない。800nmを超えると、耐摩耗性などが劣ってくる。防曇性被膜の厚みは、150nm以下がより好ましく、さらに100nm以下でもよく、50nm以下でもよい。なお、防曇性被膜の厚みの測定は、走査型電子顕微鏡によって行うことができる。
【0022】
本発明において、無機物品としては、ガラス,セラミックス,金属などが挙げられる。特に、透明ガラス板やガラス製鏡などのガラス表面に、本発明は好ましく適用される。
【0023】
本発明に用いられる親水性有機ポリマーとしては、アクリル酸もしくはマレイン酸の重合体や、アクリル酸もしくはマレイン酸を含む共重合体を例示することができる。
【0024】
具体的に、親水性有機ポリマーとしての重合体としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸が挙げられる。親水性有機ポリマーとしてのアクリル酸を含む共重合体としては、アクリル酸−マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、イソブチレン−アクリル酸共重合体、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸共重合体、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸共重合体、アリルアミン−アクリル酸共重合体、およびこれらのナトリウム塩などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用することができ、または2種以上併用することもできる。
【0025】
マレイン酸を含む共重合体としては、アクリル酸−マレイン酸共重合体(再掲)、アクリルアミド−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブテン−無水マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スルホン化スチレン−イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド−無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン−無水マレイン酸共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド−マレイン酸共重合体およびこれらのナトリウム塩などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用することができ、または2種以上併用することもできる。
【0026】
本発明による防曇性被膜は、親水性ポリマーに含まれるカルボキシル基の一部のみが、架橋剤により架橋されている。全てのカルボキシル基を架橋させてしまうと、防曇性を発揮できなくなる。そのため、カルボキシル基の一部のみを架橋させ、残りのカルボキシル基は架橋させない。なお、親水性被膜において、カルボキシル基が架橋剤によって架橋されていることは、赤外分光法によって確認することができる。
【0027】
架橋剤としては、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アミン系化合物、エチレンイミン系化合物、オキサゾリン系化合物、ポリビニルアルコール類、グリセリン、グリコール類、有機金属化合物などを示すことができる。
【0028】
この親水性ポリマーに含まれるカルボキシル基は、架橋剤による架橋の足場となるので、親水性ポリマーの結合が強くなり、防曇性被膜を強固にする役割を果たす。さらに、カルボキシル基は親水性を有しているので、防曇性被膜の防曇性能を向上させるのに寄与する。
【0029】
本発明の防曇性被膜には、界面活性剤が含まれていてもよい。この界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性界面活性剤のいずれかのタイプの界面活性剤を挙げることができる。また、これらはそれぞれ単独で使用することができ、2種以上併用することもできる。なお、防曇性被膜において、界面活性剤が含まれていることは、赤外分光法によって確認することができる。
【0030】
防曇性被膜に界面活性剤を含ませることによって、防曇性をさらに高めることができる。特に、ポリアルキレンオキサイド基とアルキル基を有する界面活性剤が好適に使用できる。また、ポリアルキレンオキサイド基の末端にOH基を有する界面活性剤は、マレイン酸のカルボキシル基とエステル結合により固定化することができ、界面活性剤の効果を持続させることができ、さらに好ましい。
【0031】
また、マレイン酸を含むポリマーは、隣接したカルボキシル基により、高い吸水性を発揮する。この場合、カルボキシル基が近接していることにより、加熱乾燥の際に、カルボキシル基同士が水素結合により結びつく。そうすると、外からの水を吸水する能力が低下し、その結果として防曇性が低下することがある。
【0032】
そこで、マレイン酸のカルボキシル基の一部に界面活性剤を固定化させると、カルボキシル基同士の水素結合を立体障害により抑制することができる。そうすると、吸水性能を低下させることもなく、結果的に高い防曇性を有する膜とすることができる。
【0033】
さらに、カルボキシル基の水素結合は、3次元的な束縛の少ない表面近傍で起こりやすい傾向がある。単にカルボキシル基に結合可能な親水物質ではなく、界面活性剤であることで、膜表層のカルボキシル基に優先的に結合させることができる。
【0034】
また、ポリアルキレンオキサイド基が2個以上ある界面活性剤は、架橋剤としても機能する。したがって、別途使用する架橋剤を少なくすることができる。また、架橋剤なしでも水に対する溶解がないので、強固な膜が得られ、しかも、未反応のカルボキシル基を多く保てるので、良好な防曇性を兼ね備えた膜とすることができる。
【0035】
マレイン酸のカルボキシル基に固定化可能で、ポリアルキレンオキサイド鎖とアルキル基を有する界面活性剤としては、以下のものを例示できる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(日本油脂製、ノニオンKシリーズ、以下のノニオンシリーズはいずれも日本油脂製である。)、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(ノニオンTシリーズ)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(ノニオンPシリーズ)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(ノニオンSシリーズ)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ノニオンEシリーズ)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(ノニオンNSシリーズ)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ノニオンHSシリーズ)、ポリオキシエチレンモノラウレート(ノニオンLシリーズ)、ポリオキシエチレンモノステアレート(ノニオンSシリーズ)、ポリオキシエチレンモノオレエート(ノニオンOシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ノニオンLTシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(ノニオンPTシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ノニオンSTシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ノニオンOTシリーズ)
【0036】
マレイン酸のカルボキシル基に固定化可能で、2個以上のポリアルキレンオキサイド鎖と、アルキル基を有する界面活性剤としては、以下のものを例示できる。
アセチレングリコール・エチレンオキサイド付加物(米国 エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社製、サーフィノール)、ポリオキシエチレンドデシルアミン(日本油脂製、ナイミーンLシリーズ)、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン(日本油脂製、ナイミーンSシリーズ)
【発明の効果】
【0037】
以上のような構成により、必要とされる防曇性能を維持しつつ、耐水性に優れた防曇性被膜が実現可能となった。
【0038】
特に本発明では、従来ミクロンオーダーの膜厚を必要としていた防曇性被膜が、数百nmオーダーでよく、さらには100nm以下でも実現できる。このように防曇性被膜が薄くてよいので、透明基板や鏡に適用すると、透明性に優れた特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下の実施例では、防曇性物品としてガラス板に防曇性被膜を形成している。得られた防曇性被膜付きガラス板は、以下に示す各種特性によって評価した。
【0040】
(サンプルの評価)
1.外観評価
フローコートによって発生する防曇性被膜の塗布むら・すじ等の欠点を、目視にて判定した。
【0041】
2.防曇性評価
防曇性は、呼気法と呼ばれる以下の方法で評価した。すなわち、室温に保持した防曇性被膜付きガラスに、呼気を一定量吹きかけ、曇りの程度を目視にて判断した。なお、この呼気法は簡便な評価であるが、防曇性を非常に感度よく評価できる方法である。
【0042】
(実施例1)
溶媒として精製水と、親水性ポリマーとして、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体Gantrez AN−119と、架橋剤として、グリセリンとを、表1に示した割合になるように混合し、防曇性被膜形成用コーティング液とした。なお表中、括弧内の数字が、各成分のコーティング液中の質量パーセントである。
【0043】
洗浄した基板上に、上述した防曇性被膜形成用コーティング液をフローコートした。なお、フローコートは温度20℃、湿度30%に調整した室内で実施した。コーティング後は自然乾燥を経て、120℃に加熱したオーブン中で30分間加熱して、防曇性被膜付きガラス板を得た。なお、防曇性被膜の膜厚は、約100nmであった。
【0044】
このようにして得た本発明による防曇性物品は、良好な外観と防曇性を示した。さらに、水を含ませた布で表面を拭いたところ、防曇性被膜は維持されていた。
【0045】
(比較例1)
比較例1として、上述の実施例1と同様で、加熱を省略して、架橋を積極的に行わずに、防曇性被膜付きガラス板を得た。この比較例1の場合、防曇性は示す。しかし、水を含ませた布で表面を拭いたところ、防曇性被膜がとれてしまい、防曇性を示さなくなった。
【0046】
(実施例2〜6)
溶媒を精製水とし、表1に示した組成になるように各成分を混合し、防曇性被膜形成用コーティング液とした。洗浄した基板上に、実施例1と同様の方法で、防曇性被膜を形成し、防曇性被膜付きガラス板を得た。なお、実施例2と3における防曇性被膜の膜厚は約100nmであり、実施例4と5では約40nmであり、実施例6では約60nmであった。
【0047】
このようにして得た本発明による防曇性物品は、良好な外観と防曇性を示した。さらに、水を含ませた布で表面を拭いたところ、防曇性被膜は維持されていた。
【0048】
(表1)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例 ポリマー 架橋剤 界面活性剤
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 AN-119 (0.45) グリセリン (0.05) −−− ( − )
2 AN-119 (0.4) Pグリコール (0.1) −−− ( − )
3 AN-119 (0.4) TPグリコール (0.1) −−− ( − )
4 AN-119 (0.171) EX−830 (0.019) K−220 (0.01)
5 AN-119 (0.171) PVA−117 (0.009) S485 (0.02)
6 PAS-84 (0.3) −−− ( − ) S485 (0.01)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0049】
<ポリマー>
・AN−119:ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、Gantrez AN−119、
・PAS−84:マレイン酸−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体、PAS−84、
<架橋剤>
・グリセリン:グリセリン
・Pグリコール:プロピレングリコール
・TPグリコール:トリプロピレングリコール
・EX−830:エポキシ系架橋剤、デナコールEX−830、
・PVA−117:水溶性高分子、ポリビニルアルコール、PVA−117、
<界面活性剤>
・K−220:ノニオンK−220
・S485:サーフィノール485
なお、サーフィノール485は架橋剤としても機能する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機物品の表面を覆うように、カルボキシル基を分子中に含む親水性有機ポリマーと架橋剤とを主成分として含んでなる防曇性被膜が形成され、該防曇性被膜は、前記カルボキシル基の一部のみが、前記架橋剤により架橋されていることを特徴とする防曇性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の防曇性物品において、
前記架橋剤は、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アミン系化合物、エチレンイミン系化合物、オキサゾリン系化合物、ポリビニルアルコール類、グリセリン、グリコール類および有機金属化合物の少なくともいずれか1種である防曇性物品。
【請求項3】
請求項1に記載の防曇性物品において、
前記親水性有機ポリマーが、アクリル酸もしくはマレイン酸の重合体、またはアクリル酸もしくはマレイン酸を含む共重合体からなる防曇性物品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜は、実質的に前記親水性有機ポリマーと前記架橋剤のみからなる防曇性物品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜の厚みが20nm〜800nmである防曇性物品。
【請求項6】
請求項5に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜の厚みが20nm〜150nmである防曇性物品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の防曇性物品において、
前記防曇性被膜中に、さらに界面活性剤を含む防曇性物品。
【請求項8】
請求項7に記載の防曇性物品において、
前記界面活性剤は、少なくともアニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性界面活性剤のいずれか一種である防曇性物品。
【請求項9】
請求項7または8に記載の防曇性物品において、
前記カルボキシル基の一部に、前記界面活性剤が固定化されている防曇性物品。
【請求項10】
請求項9に記載の防曇性物品において、
前記固定化は、前記カルボキシル基と前記界面活性剤の有するOH基とのエステル結合による防曇性物品。

【公開番号】特開2008−273746(P2008−273746A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231605(P2005−231605)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】