説明

防汚性膜材接合体

【課題】光触媒酸化チタン層を有する防汚性膜材同士を簡便にかつ迅速に溶着接合することができ、しかも十分な結合強度を有する防汚性膜材接合体を提供する。
【解決手段】塩化ビニール系樹脂で被覆された繊維基材層b1,b2の一方の面にのみ光触媒層d1,d2が形成されている防汚性膜材が2以上、少なくとも一部で接合されている接合体であって、光触媒層d1,d2が形成されている面と光触媒層d1,d2が形成されていない面とが高周波ウェルダーにより溶着接合されていることを特徴とする防汚性膜材接合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒酸化チタン層を有する防汚性膜材が2以上接合されている防汚性膜材接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
塩化ビニール系樹脂からなるシート(以下膜材と言う)は、成型性が良く、柔軟で使い易いため、建築分野、土木分野、産業資材分野、運送・倉庫分野、農業、漁業分野、スポーツ分野、家庭用品分野等において、膜材、各種テント、倉庫用テント、屋根材、娯楽施設用簡易ドーム、農業用・花壇用ハウス、運送車用幌シート等の広い用途で使用されているが、防汚性や耐候性等の実用性に劣る欠点があった。
【0003】
この点を解決するため、フッ素系樹脂やフィルムを膜材表面にラミネートする方法が種々提案されている。これらの方法により防汚性や耐候性は改善されるが、膜材同士の接合性が悪くなるという新たな問題が出てきた。また、近年、膜材の防汚性を向上させる方法として、酸化チタンに代表される光触媒を用いた膜材が提案されてきている。しかし、かかる膜剤は膜材表面の酸化チタン層が障害となり膜材同士の接合が困難であるという問題が生じている。
【0004】
これに対して、上記膜剤の接合方法として、接合部分の酸化チタン層を研磨等により除去し、塩化ビニール系樹脂層を最表面に露出させて溶着させる方法が提案されている(特許文献1など)。また、前記以外の方法として、膜材端面同士を重ねずに合わせ、光触媒酸化チタン層を有さない面に塩化ビニール系樹脂からなるテープを膜材接合境界部に宛がい、熱溶着する方法も提案されている。しかし、これらの接合方法は、接合するまでに手間と時間を要するという欠点がある。
【特許文献1】特開平11−210268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光触媒酸化チタン層を有する防汚性膜材同士を簡便にかつ迅速に溶着接合することができ、しかも十分な結合強度を有する防汚性膜材接合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を達成するため、さまざまな接合について検討し、本発明に到達した。かくして、本発明によれば、繊維基材の両面が塩化ビニール系樹脂で被覆され一方の面にのみ光触媒酸化チタン層が形成されている防汚性膜材が2以上、少なくとも一部で接合されている接合体であって、酸化チタン層が形成されている面と酸化チタン層が形成されていない面とが高周波ウェルダーにより溶着接合されていることを特徴とする防汚性膜材接合体が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来のように光触媒酸化チタン層を削り、塩化ビニール系樹脂層を露出させる処理を行ってから接合することなく、防汚性膜材同士を、簡便かつ迅速に溶着接合可能な接合体を提供することができる。しかも、該接合体は十分な接合強度を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の接合体は、繊維基材の両面が塩化ビニール系樹脂で被覆され一方の面にのみ光触媒酸化チタン層が形成されている防汚性膜材が2以上、少なくとも一部で接合されている接合体である。
【0009】
上記の膜材は、図1右図に示すように、酸化チタンからなる光触媒層d、塩化ビニール系樹脂層とポリエステル繊維基布とを含む塩ビ基材bの部分から構成される。また、上記の膜材は図1左図に示すように、可塑剤移行防止層a、cを有するものであっても良く、該可塑剤移行防止層を構成する樹脂としては、可塑剤移行防止効果からアクリル系樹脂が好ましく例示される。
【0010】
上記の塩ビ基材は、基本的にはテント倉庫や中小体育施設等の膜構造物に用いられる膜材および店舗等の軒だし用テント、装飾テント及び広告用のバックリット等の塩ビ基材全てが含まれる。
【0011】
また、本発明の接合体は、上記膜材同士を接合する際、酸化チタン層が形成されている面と酸化チタン層が形成されていない面とが接合されている接合体であり、例えば、図3に示すような接合体である。
【0012】
本発明においては、膜材同士が高周波ウェルダーにより溶着接合されていることが肝要であり、これにより強固に接合され、高い接合強力を実現できることを見出した。また、接合は、2枚の膜材において、酸化チタン層が形成されている面と、他方の酸化チタン層が形成されていない面とを重ね合わせ、重ねた部分を図2に示したような原理の高周波ウェルダー装置により接合部を内部加熱し、金型で加圧する方法で膜材を何枚も幅方向および長さ方向に接合することができる。これにより、作業の短縮化、簡便化が可能であるとうメリットもある。
【0013】
本発明においては、膜材の少なくとも一方の面にシボ加工の凹凸を有していることがより膜材同士の接着性を向上させる上で好ましい。特に、塩ビ基材の光触媒層の表面をシボ加工の凹凸が形成されていることが好ましい。
【0014】
例えば、図3に示すように該防汚性膜材同士を酸化チタン層d2とアクリル樹脂層c1が隣り合うように重ねて溶着接合させる際に、該防汚性膜材表面にシボ加工による凹凸形状を持たせることにより、高周波ウェルダー装置で溶融した塩化ビニール系樹脂の接合部におけるはみ出しを防ぎ、見栄えを良化させるのと同時に、これまで塩化ビニール系樹脂同士の溶着を阻害していた光触媒層dを流動させ、塩化ビニール系樹脂同士が直接溶着する部分の面積を増大させることにより、光触媒層dを持たない膜材同士の接合部と同様の接合部強度を達成でき、かつ光触媒層を有する膜材同士の接合の際に必要であった塩化ビニール系樹脂層を最表面に露出させて溶着させる作業や光触媒層を有さない面に塩化ビニール系樹脂からなるテープを膜材接合境界部に宛がい熱溶着する作業が不要となり、短時間での接合が可能となる。
【0015】
なお、シボ加工とは、膜材のような繊維複合樹脂製品の表面に凹凸形状を形成させることにより、高級感を持たせ、意匠性を付与し、さらには表面の耐摩耗性を向上させることを目的とした加工方法である。通常、所望のシボ形状を金属表面に施し、そのシボ模様を樹脂に転写させて付与する。シボ加工の方法としては、特に限定されるものではないが、エンボス、エッチング、ブラスト、放電加工、電鋳、鋳造などが使用でき、形状対応性、微細加工性、加工速度、仕上がり安定度、再現性、光沢度の調整のし易さ、加工コスト等を考慮して選定できる。中でもエンボスやエッチング、ブラストは加工速度や安定性、コスト面で優れており、良く用いられている。また、シボパターンとしては、梨地、皮調、木目、岩目、幾何学模様などが挙げられ、意匠性、寿命、コスト等のバランスを考慮して選定できるが、特に好ましくは、膜材を切断して断面方向から観察した時に、光触媒層を有する側の断面形状が波型形状になるようなシボパターンが好ましい。
【0016】
さらに、膜材表面のシボ加工には、次の効果もある。すなわち、通常、光触媒を用いた防汚性を持つ膜材は、平滑な表面形状を有し、酸化チタンに代表される光触媒層が膜材最表面に被覆されている。そこで、仮に接合時に、強固に溶着させるために高周波ウェルダー装置等の溶着装置における陽極電流等の諸条件を高めに設定したとしても、溶融された塩化ビニール系樹脂が過剰に流動し、接合部端部からはみ出るといった見栄えを損なう状態となる。この点を解決するためには、図4のように、膜材表面にシボ加工により凹凸形状を付与し、接合時の塩化ビニール系樹脂の流動スペースを確保することが有効となる。該防汚性膜材最表面に形成される光触媒層は、酸化チタンからなる無機物層であり、硬くて脆く、圧縮や曲げ等の負荷に対して弱い。まして、軟質系の塩化ビニール系樹脂層上に形成されているため、層が壊れ易くなっている。この点を逆手に取り、図5のように初めから凹凸表面を形成させ、光触媒層を該凹凸表面上に形成させることで、接合時の圧縮による負荷により光触媒層が破壊され、塩化ビニール系樹脂と共にシボ凹部に流れ込むことにより塩化ビニール系樹脂表面を露出させることができ、接合がし易くなる。
【0017】
また、本発明において、膜材表面に形成させるシボは、KES風合い測定装置((株)カトーテック製)を用いて表面特性(KES−F4)にて表面粗さを測定した時の平均偏差σが1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。表面粗さの平均偏差σが1μm以下では、十分なシボによる凹凸効果が得られないため、光触媒層の流動が起こりにくくなり、接合部強度が低下する傾向にある。また、σが30μm以上でも光触媒層を加工する際にシボ凹部が光触媒によって満たされ、光触媒層の破壊が起こりにくくなり、接合部強度が低下する傾向にある。
【0018】
さらに、図6のように、膜材表面に形成させるシボのピッチの間隔(A)およびシボの凹部と凸部の高さの差(B)とする時、シボのピッチの間隔(A)は、100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。シボの凹部と凸部の高さの差(B)は、30〜100μmであることが好ましく、より好ましくは、40〜80μmである。すなわち、シボのピッチの間隔(A)とシボの凹部と凸部の高さの差(B)の比(A/B)をとった値がA/B=1〜33であることが望ましい。A/Bの値が1以下では、光触媒層を加工する際にシボ凹部が光触媒によって満たされ、光触媒層の破壊が起こりにくくなり、接合不良となりやすい。また、33以上では、光触媒層の流動が起こりにくくなるため、接合強度が低下する傾向にある。なお、シボのピッチの間隔(A)およびシボの凹部と凸部の高さは、共焦点式レーザー顕微鏡((株)キーエンス、VK−8500)の表面粗さ解析ソフトならびに電界放射走査電子顕微鏡(日本電子(株)、JSM6330F)により測定を行った。
【0019】
さらに、本発明において、膜材表面に形成される光触媒酸化チタン層の厚みは1〜10μmであることが望ましく、より好ましくは、1〜5μmである。1μm以下では、光触媒層が非常に薄くなるために膜としての強度が不足するため十分な防汚性能を望めない。一方、10μm以上になると、光触媒層の強度が向上するが、接合時の圧縮の負荷に対して強くなり、光触媒層が破壊されないために、シボ凹部への流動が起こらないため、塩化ビニール系樹脂が膜材表面に露出しない結果、接合強度が低下する傾向にある。
【0020】
本発明において、膜材中に含有される塩化ビニール系樹脂の重量が膜材全体重量に対し、30〜60wt%重量比率を占めていることが好ましく、より好ましくは40〜55wt%である。
【0021】
重量比率が30wt%以下では、膜材としての十分な強度を得ることができない上に、高周波ウェルダーによる接合時、塩化ビニール系樹脂が流動する際、樹脂量が少ないために膜材の繊維基材が表面に露出するため、溶着時の熱による劣化が起き、力学的負荷が接合部に掛かった場合に十分な接合強度が得られない可能性がある。一方、重量比率が60wt%以上では、高周波ウェルダー装置による接合を実施する際、塩化ビニール系樹脂を溶融させるためにかなりの熱エネルギーを要し、膜材料としての柔軟性も損なわれる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例を用いてさらに本発明の詳細を説明する。なお、接合部の強度に関する評価方法は以下のとおりとした。なお、膜材料に関する各種試験基準は、JIS等の標準規格にて定められていないため、(社)日本膜構造協会の定める「(社)日本膜構造協会試験法標準 膜材料の品質及び性能試験方法」に準じた試験方法を参考にした。また、試験には、実際に使用する状況を考慮し、防汚性膜材を構成する繊維基材のタテ糸同士(膜材の耳同士)が平行になるように重ね合わせて接合したシートを用いた。
【0023】
(1)接合部の引張強度
図のように、防汚性膜材(タテ300mm×ヨコ300mm)同士を重なり部分の幅が30mmになるよう重ね合わせ、高周波ウェルダー装置にて30mmの金型を用い、加熱して接合する。その接合シートを長さ200mm、幅30mmの大きさにサンプリングし、引張試験機にてゲージ長200mm、引張速度200mm/分で引張試験を行い、30mm幅あたりの引張強度を測定した。
【0024】
また、接合シートのどの部分で破断しているかを目視で確認し、破断状態に応じて以下のとおり評価した。
接合部破断状態評価(破断状態Bの場合、十分な接合強度と言える)
破断状態A:溶着状態が不十分で、接合面が剥がれた状態
破断状態B:溶着状態が十分で、接合部以外の部分で破断した状態
破断状態C:溶着状態は十分であるが、接合部の端部で破断した状態(繊維の熱劣化による)接合部引張強度については、同条件で接合した光触媒層を設ける前の繊維基材と塩化ビニール系樹脂のみからなる膜材の強度を基準とし、接合部引張強度保持率を算出した。評価は、(社)日本膜構造協会が定める基準(膜材料A〜C種に対応)である接合部引張強度保持率が80%以上を満たすか否かを判定した。
○:接合部引張強度保持率80%以上
×:接合部引張強度保持率80%以下
【0025】
(2)接合部の剥離強度
図のように、防汚性膜材(タテ300mm×ヨコ300mm)の同士をちょうど重なるように合わせ、高周波ウェルダー装置にて30mmの金型を用い、端部から30mmの部分を加熱して接合する。その接合シートを長さ100mm、幅30mmの大きさにサンプリングし、引張試験機にてゲージ長100mm、引張速度100mm/分で引張試験を行い、30mm幅あたりの剥離強度を測定した。また、接合シートの剥離状態を目視で確認し、剥離状態に応じて以下のとおり評価した。接合部剥離状態評価(破断状態○の場合、十分な接合強度と言える)
剥離状態○:溶着状態が十分で、剥離面に基材繊維の表面が現れている状態(繊維-樹脂間剥離)
剥離状態×:溶着状態が不十分で、剥離面における樹脂剥離が少ない状態
【0026】
接合部剥離強度について、評価は、(社)日本膜構造協会が定める基準(膜材料A〜C種に対応)である接合部剥離強度が光触媒層を設ける前の繊維基材と塩化ビニール系樹脂のみからなる膜材の引張強度の1%以上かつ10N/10mm以上を満たすか否かを判定した。
○:基準に適合
×:基準以下
以下に本発明の詳細を述べるために、実施例を記述し表1に結果を示す。
【0027】
[実施例1]
繊維径250デニールのポリエステル繊維からなる織物に塩化ビニール樹脂フィルム(厚み0.2mm、0.15mm)を同時にコートした膜材を作製し、さらに両面にアクリル系樹脂をグラビアロールコート(厚さ0.003mm)した膜材(厚み0.45mm、目付480g/m)を用意した。この膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が300μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が30μm、つまり、比(A/B)がA/B=10であり、表面粗さの平均偏差σが5.7μmの木目調シボ加工を行い、厚み2μmの光触媒酸化チタン層を一方表面にのみ形成させた防汚性膜材を2枚用意した。これら2枚の防汚性膜材を、酸化チタン層が形成されている面と酸化チタン層が形成されていない面とが接合するように重ね合わせ、重なり部分の幅を30mmにし、高周波ウェルダー装置(山本ビニター(株)製 YTO−5)にて幅30mm、長さ300mmの金型(ローレッド型)を取り付け、陽極電流0.67Aにて2秒間圧縮接合し、防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0028】
[実施例2]
防汚性膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が300μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が60μm、つまり、比(A/B)がA/B=5であり、表面粗さの平均偏差σが10.7μmの木目調シボ加工を行った以外は、実施例1と同様の膜材を用意し、同様の接合方法にて防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0029】
[実施例3]
防汚性膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が300μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が100μm、つまり、比(A/B)がA/B=3であり、表面粗さの平均偏差σが18.3μmの木目調シボ加工を行った以外は、実施例1と同様の膜材を用意し、同様の接合方法にて防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0030】
[実施例4]
防汚性膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が1000μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が30μm、つまり、比(A/B)がA/B=33であり、表面粗さの平均偏差σが1.6μmの木目調シボ加工を行った以外は、実施例1と同様の膜材を用意し、同様の接合方法にて防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0031】
[実施例5]
防汚性膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が1000μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が60μm、つまり、比(A/B)がA/B=17であり、表面粗さの平均偏差σが3.4μmの木目調シボ加工を行った以外は、実施例1と同様の膜材を用意し、同様の接合方法にて防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0032】
[実施例6]
防汚性膜材表面にシボのピッチの間隔(A)が1000μm、シボの凹部と凸部の高さの差(B)が100μm、つまり、比(A/B)がA/B=10であり、表面粗さの平均偏差σが6.2μmの木目調シボ加工を行った以外は、実施例1と同様の膜材を用意し、同様の接合方法にて防汚性膜材接合体を作製した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、従来のように光触媒酸化チタン層を削り、塩化ビニール系樹脂層を露出させる処理を行ってから接合することなく、防汚性膜材同士を、簡便かつ迅速に溶着接合可能な接合体を提供することができる。しかも、上記接合体は十分な接合強度を有しているため、あらゆる用途に利用可能であり、その産業上の価値が極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の膜材防汚性膜材接合体を構成する膜材の例を示す概略図。
【図2】本発明の用いる高周波ウェルダー装置の概略図(原理図)。
【図3】本発明の膜材防汚性膜材接合体の一例を示す概略図。
【図4】本発明のシボを有する膜材防汚性膜材の接合体の一例を示す概略図。
【図5】防汚性膜材表面層の光触媒層が破壊される様子を説明する概念図。
【図6】防汚性膜材表面層におけるシボのピッチの間隔(A)およびシボの凹部から凸部の高さの差(B)を説明する概略図。
【符号の説明】
【0036】
a、c:可塑剤移行防止層
b:塩化ビニール系樹脂で被覆された繊維基材層
d:光触媒層
a1及びc1、b1、d1:膜材1の可塑剤移行防止層、塩化ビニール系樹脂で被覆された繊維基材層、光触媒層
a2及びc2、b2、d2:膜材2の可塑剤移行防止層、塩化ビニール系樹脂で被覆された繊維基材層、光触媒層
e:高周波ウェルダー装置用金型
f:接合膜材
g:アース
h:高周波発生装置
i:シボ形状膜材表面層
j:膜材接合部
k:高周波ウェルダー接合時の圧縮による負荷
l:ひび割れを生じた光触媒層
m:膜材表面に露出した塩化ビニール系樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材の両面が塩化ビニール系樹脂で被覆され一方の面にのみ光触媒酸化チタン層が形成されている防汚性膜材が2以上、少なくとも一部で接合されている接合体であって、酸化チタン層が形成されている面と酸化チタン層が形成されていない面とが高周波ウェルダーにより溶着接合されていることを特徴とする防汚性膜材接合体。
【請求項2】
防汚性膜材の少なくとも一方の面がシボ加工による凹凸形状を有している請求項1記載の防汚性膜材接合体。
【請求項3】
シボのピッチの間隔(A)とシボ凹部から凸部の高さの差(B)の比(A/B)がA/B=1〜33であり、表面粗さの平均偏差が1〜30μmである請求項2記載の防汚性膜材接合体。
【請求項4】
該防汚性膜材表面に形成されるシボの凹凸高さの差が30〜100μmであることを特徴とする請求項2または3記載の防汚性膜材接合体。
【請求項5】
該防汚性膜材表面に形成されるシボのピッチの間隔が100〜1000μmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の防汚性膜材接合体。
【請求項6】
該防汚性膜材表面に形成される光触媒酸化チタン層の厚みが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防汚性膜材接合体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−218836(P2006−218836A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36685(P2005−36685)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(303013268)帝人テクノプロダクツ株式会社 (504)
【Fターム(参考)】