説明

防液堤

【課題】タンクを設置するとともに構築でき、かつタンク周辺に必要なヤードの広さを低減することが可能な防液堤を提供する。
【解決手段】防油堤1は、油タンク3を取り囲むように設けられた溝5と、この溝5に流入した油を排出する排液手段7とを備える。基礎コンクリート11の外方に、基礎コンクリート11を取り囲むように床部13を構築することにより、側面を基礎コンクリート11の外周面及び床部13のコンクリート壁面17とし、底面を基礎スラブ9表面とする空間が生じ、この空間が上記の溝5となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油や薬液等の液体を貯蔵するタンクが破損して、このタンク内の貯蔵液が漏洩したときにその拡散を防止するための防液堤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油や薬液等の液体を貯蔵するタンクが地震等で破損して、貯蔵されていた貯蔵液が漏洩した場合に、漏洩した貯蔵液の拡散を防止するために、タンクの周りに防液堤を設置する必要がある。例えば、特許文献1には、図8に示すように、基礎スラブ52上に設置したタンク51の周囲に断面が逆T字型のコンクリートブロックを設置して防液堤53とする構造が開示されている。
【0003】
一方、建屋内にタンクが設置される場合には、建屋の壁面に防液堤としての役割を持たせることが可能である。図9は、タンクを建屋内に設置した構造の一例を示す側断面図である。図9に例示すように、建屋54内にタンク55を設置する場合においては、基礎スラブ57上に基礎コンクリート58を構築し、この基礎コンクリート58上にタンク55を設置する。そして、基礎コンクリート58の外周にまさ土59を埋め戻して転圧し、このまさ土59上に、基礎コンクリート58上面のレベルより10〜15cm程度低くなるように床面コンクリートを打設して床面60とし、この床面60の上方にタンク55を覆うように建屋54を構築する。かかる構造においては、建屋54の壁面56がタンク55の周りに設置されているために、建屋54自体が防液堤としての役割を果たすものである。
【特許文献1】特開平3−37168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、タンクの周りにコンクリートブロックからなる防液堤を設ける方法では、多量の液体が漏洩しても外部への拡散を防止できるように広いヤードを確保しなければならず、防液堤だけのために広いヤードを確保することは土地活用の効率が悪いという問題点があった。一方、ヤードを狭くするために防液堤を高くすると、タンクを点検するために防液堤の上方を通過する際に梯子等を用いなければ通過できなくなり、不便であるという問題点があった。
【0005】
また、建屋自体を防液堤とした場合は、タンクから漏洩した貯蔵液が建屋外に流出することは避けられるものの建屋内の床面を広範囲に拡散するために、回収作業に手間と時間がかかる可能性があるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、タンク設置のために必要なヤードの広さを低減できるとともに、タンクが屋内に設けられた場合にタンク周辺の床面に漏洩した貯蔵液が拡散することを防止する防液堤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の防液堤は、液体を貯蔵するタンクから漏出した貯蔵液の流出を防止するための防液堤であって、前記タンクが設置された床面に、前記タンクを取り囲むように設けられた凹部を備えることを特徴とする(第1の発明)。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記タンクは基礎スラブ上に構築された基礎コンクリート上に設置され、前記基礎スラブ上の前記基礎コンクリートの外側の部分には、前記基礎コンクリートを空間を隔てて取り囲むように床部が構築され、前記空間が前記凹部として機能することを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記凹部に流入した液体を排出する排液手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、前記排液手段は、前記凹部に流入した液体を排液処理設備へ送出するための配管を含むことを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第3の発明において、前記排液手段は、前記凹部の下面に設けられる溜ますと、該溜ますに流入した液体を排水するための排水ポンプとを備えることを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、前記タンクは蒸気タービンの潤滑油を貯蔵するタンクであることを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、第1又は第2の発明において、前記タンクは薬液を貯蔵するタンクであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の防液堤によれば、液体を貯蔵するタンクを取り囲むように凹部を設け、この凹部の深さを有効に活用することにより凹部の幅を小さくすることができるために、防液堤を設置するためのヤードを狭くすることができる。また、タンクを建屋内に設けた場合には、タンク周辺の床面に漏洩した液体が拡散することを防止することができる。
【0015】
そして、凹部に流入した液体を排液処理設備へ排出するための排出手段を設けることにより、凹部内に流入した液体を速やかに排出することができる。したがって、凹部内に流入した液体は、凹部内に滞留することなく、速やかに排液処理設備へ流れるので、引火等による火災を防ぐことができる。
【0016】
さらに、側面を基礎コンクリートの外周面及び床部の壁面とし、下面を基礎スラブ表面とする空間を凹部として使用することにより、タンクを設置するための基礎工事を行うとともに凹部を構築することができる。したがって、工期が短縮され、建設費を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る防液堤の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第一実施形態に係る防油堤の構造を示す側断面図であり、図2は、本発明の第一実施形態に係る油タンクの周りに防油堤を設けた状態を示す平面図である。発明の理解の便宜上、第一実施形態においては、発電所の建屋内の発電設備における蒸気タービンのタービン軸受に供給される潤滑油を貯蔵した油タンク用の防油堤について説明する。図1及び図2に示すように、防油堤1は、油タンク3を取り囲むように設けられた凹部である溝5と、この溝5に流入した油を一箇所に集めるための溜ます48と、溜ます48内に集められた油を排出する排液手段7とを備える。以下に防油堤1の構築方法について構築手順にしたがって説明する。
【0019】
まず、地面から深く掘り下げた底盤上に基礎スラブ9を構築し、この上に油タンク3を設置するための基礎コンクリート11を構築する。本実施形態において、溝5に流入した油が溜ます48へ集められるように基礎スラブ9の床面に、例えば、1%の勾配(図1に対して左側から右側への下り勾配)をつける。また、本実施形態において、油タンク3の大きさは、例えば、縦5m、横2m、高さ1.5mで、基礎コンクリート11の高さは、例えば、1.7mとする。なお、油タンク3の容量は蒸気タービンの台数、出力量、回転数等に、基礎コンクリート11の高さは油タンク3の最大重量に応じて適宜変更される。
【0020】
そして、基礎コンクリート11の外側に所定の距離(例えば、1m程度)を隔てて、基礎コンクリート11を取り囲むように床部13を構築する。床部13の構築手順は次の通りである。まず、まさ土15を埋め戻す際に壁の役割を担うコンクリート壁面17を構築し、このコンクリート壁面17に対して基礎コンクリート11と反対側の空間にまさ土15を埋め戻して転圧する。次に、このまさ土15の上に床面18となるコンクリートを打設してコンクリート壁面17と一体化させ、床部13を構築する。この床部13は、例えば、床面18のレベルが、基礎コンクリート11の高さより10cm程度低くなるように打設する。
【0021】
以上のようにして、基礎コンクリート11の外方に、基礎コンクリート11を取り囲むように床部13を構築することにより、側面を基礎コンクリート11の外周面及び床部13のコンクリート壁面17とし、底面を基礎スラブ9表面とする空間が生じ、この空間が上記の溝5となる。この溝5は、例えば、高さ1.5m、幅1mとする。なお、溝5の高さ、幅等は油タンク3の容量に応じて設計される。
【0022】
油タンク3から溝5内に流入する油を排液処理設備21に排出するための排液手段7は、一部分が基礎スラブ9に埋設され、一端が溜ます48の底部に開口している中空管25と、排液処理機能を有し、外周面に中空管25の他端が接続されている排油パイプ27と、中空管25の途中に設置され、油の流量を調整するためのバルブ23とを備える。
【0023】
油タンク3から油が漏洩した場合は、バルブ23を開き、溜ます48内の油を中空管25を介して排油パイプ27に排出する。
【0024】
図3は、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン用潤滑油供給装置を構成する油タンク3及び防油堤1の斜視図である。図3に示すように、防油堤1は油タンク3を囲うように建屋29内に設置される。
【0025】
防油堤1の溝5の上部には、油が漏洩した際に、溝5への油の流入を阻止することなく、かつ、人が上面を通行可能なグレーチング31が設置されている。
【0026】
油タンク3は、蒸気タービンの軸受に潤滑油を供給し、潤滑するための蒸気タービン用潤滑油装置の一部を構成している。この蒸気タービン用潤滑油装置は、潤滑油を貯蔵した油タンク3内に連結された潤滑油ポンプ33を備え、この潤滑油ポンプ33の駆動により油タンク3内の潤滑油を軸受への供給配管35を介して蒸気タービンの軸受に供給し、軸受を潤滑している。軸受を潤滑した油は軸受油戻り配管37を介して、戻り油中に含まれるゴミ等の異物がフィルターによって除去された後、油タンク3に還流される。
【0027】
本実施形態における防油堤1によれば、油タンク3を取り囲むように溝5を設け、基礎コンクリート11の高さを溝5の深さとして活用することにより溝5の幅を小さくすることができるために、防油堤1を設置するためのヤードを狭くすることができる。また、油タンク3から油が漏洩しても、油が床面18に拡散することを防止することができる。
【0028】
そして、溝5の下部の溜ます48及び排液手段7を設けることにより、溝5内に流入した油を速やかに排出することができる。したがって、溝5内に流入した油は、溝5内に滞留することなく、速やかに排油パイプ27へ排出されるので、引火等による火災を防ぐことができる。
【0029】
さらに、側面を基礎コンクリート11の外周面及び床部13のコンクリート壁面17とし、下面を基礎スラブ9表面とする空間を溝5として使用することにより、油タンク3を設置するための基礎工事を行うとともに溝5を構築することができる。したがって、工期が短縮され、建設費を低減することができる。
【0030】
さらに、溝5の上部にグレーチング31を設置することにより、油タンク3へのアクセスが可能となり、油タンク3を容易に点検することができる。また、グレーチング31は多数の隙間を有するために、溝5内を目視により確認することが可能となり、溝5内を容易に点検することができる。
【0031】
なお、本実施形態においては、溝5の上部にグレーチング31を設置し、溝5の上面すべてを通行可能とする方法について説明したが、これに限定されるものではなく、溝5の上部に橋桁を設置し、溝5の上部の橋桁のみを通行可能とする方法でもよい。ただし、この場合は溝5の周りを囲うように床部13の上に防護柵を設けることが望ましい。
【0032】
なお、本実施形態においては、溝5の下部に溜ます48を設け、この溜ます48内の油を排出する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、溜ます48を設けずに、溝5の下面に中空管25の一端を接続し、溝5内の油を直接中空管25に流入させて油を排出する方法を用いてもよい。
【0033】
次に、本発明における第二実施形態について説明する。下記に示す説明において、第一実施形態と同様の技術を用いたものと対応する部分には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0034】
図4は、本発明の第二実施形態に係る防液堤の構造を示す平面図であり、図5は、本発明の第二実施形態に係る防液堤の構造を示す側断面図であり、図6は、本発明の第二実施形態に係る薬液タンク及び防液堤を示す斜視図である。発明の理解の便宜上、第二実施形態においては、屋外に設置された薬液を貯蔵した薬液タンク用の防液堤について説明する。図4、図5及び図6に示すように、防液堤41は、薬液タンク43を取り囲むように設けられた凹部である空隙45と、この空隙45に流入した薬液を排出する排液手段47とを備える。以下に防液堤41の構築方法について構築手順にしたがって説明する。
【0035】
まず、第一実施形態と同様に、地面から深く掘り下げた底盤上に、例えば、1%の勾配を有する基礎スラブ9を構築する。
【0036】
次に、この上に基礎コンクリート11を格子状に構築する。特に、格子状に交差する公差部11aのうち、薬液タンク43を設置する箇所にはコンクリートの幅を拡幅するとともに基礎コンクリート11の上に薬液タンクを設置するための土台12をコンクリートにて構築する。
【0037】
そして、基礎コンクリート11の外側に所定の距離を隔てて、基礎コンクリート11を取り囲むように床部13を構築する。床部13の構築手順は次の通りである。まず、まさ土15を埋め戻す際に壁の役割を担うコンクリート壁面17を基礎コンクリート11の端部11bと一体化するように構築する。次に、このコンクリート壁面17に対して基礎コンクリート11と反対側の空間にまさ土15を埋め戻して転圧する。そして、基礎コンクリート11の領域内全体の上面を鉄板(図示せず)で覆い、この鉄板の上及びまさ土15の上に床面18となるコンクリートを打設してコンクリート壁面17及び基礎コンクリート11と一体化させ、床部13を構築する。この床部13は、例えば、床面18のレベルが、土台12の高さより10cm程度低くなるように打設する。
【0038】
以上のようにして、基礎コンクリート11の側方及び上面を取り囲むように床部13を構築することにより、側面を基礎コンクリート11の外周面及びコンクリート壁面17とし、底面を基礎スラブ9表面とし、上面を床部13裏面とする空間が生じ、この空間が上記の空隙45となる。空隙45の高さ、幅等は薬液タンク43の容量に応じて設計される。
【0039】
薬液タンク43を取り囲む4つの空隙45は、隣接する空隙45同士を連通するための導水路49を有しており、すべての空隙45が連通している。また、薬液タンク43を取り囲む4つの空隙45のうち、1つの空隙45の上方の床部13は、薬液タンク43から漏洩する薬液を空隙45内に流入させるための開口部30を有する。この開口部30にはグレーチング31が設置されている。なお、本実施形態において、開口部30は床部13に一箇所のみ設けたが、これに限定されるものではなく、複数箇所設けてもよい。
【0040】
薬液タンク43から空隙45内に流入する薬液を排液処理設備21に排出するための排液手段47は、開口部30下方の空隙45の下面に設けられる溜ます48と、この溜ます48に流入した薬液を揚水して排液処理設備21へ排出するための排水ポンプ50とを備える。
【0041】
薬液タンク43から薬液が漏洩した場合は、溜ます48内の薬液を排水ポンプ50にて揚水して排液処理設備21に排出する。
【0042】
図7は、本発明の第二実施形態に係る排気設備44を備えた薬液タンク43の設置状況を示す斜視図である。図7に示すように、薬液タンク43の周囲には防液堤41が設けられ、さらに防液堤の周囲に壁堤2が設置されており、薬液タンク43内の薬液が漏洩しても広範囲に拡散することを防止する。また、薬液タンク43の上方には排気設備44が設けられており、薬液が漏洩した際に生じる薬液の臭気等の拡散を防止する。
【0043】
床面18には、薬液タンク43内の薬液量を検知する機器や薬液の送通管等が設置されており、人が点検のために床面18を通行することが可能である。
【0044】
本実施形態における防液堤41によれば、薬液タンク43を取り囲むように空隙45を設け、基礎コンクリート11の高さを空隙45の深さとして活用することにより空隙45の幅を小さくすることができるために、防液堤41を設置するためのヤードを狭くすることができる。
【0045】
そして、空隙45に流入した薬液を排液処理設備21へ排出するための排液手段47を設けることにより、空隙45内に流入した薬液を速やかに排出することができる。したがって、空隙45内に流入した薬液は、空隙45内に滞留することなく、速やかに排液処理設備21へ排出されるので、引火等による火災を防ぐことができる。
【0046】
また、薬液タンク43の上方に排気設備44を設けることにより、漏洩した薬液の臭気等を速やかに換気することができる。
【0047】
さらに、側面を基礎コンクリート11の外周面及びコンクリート壁面17とし、底面を基礎スラブ9表面とし、上面を床部13裏面とする空間を空隙45として使用することにより、薬液タンク43を設置するための基礎工事を行うとともに空隙45を構築することができる。したがって、工期が短縮され、建設費を低減することができる。
【0048】
そして、空隙45の上方に床部13を設けることにより、薬液タンク43へのアクセスが可能となり、薬液タンク43を容易に点検することができる。また、床面18に機器、配管等を設置することが可能となる。
【0049】
なお、上述したすべての実施形態において、油タンク、薬液タンクについて説明したが、これらに限定されるものではなく、液化ガス等のタンクについても適用可能である。
【0050】
なお、上述したすべての実施形態において、基礎スラブ9の床面に1%の勾配をつける方法について説明したが、これに限定されるものではなく、油タンクに貯留される流体の種類、粘性等により適宜勾配を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第一実施形態に係る防油堤の構造を示す側断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る油タンクの周りに防油堤を設けた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン用潤滑油供給装置を構成する油タンク及び防油堤の斜視図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る防液堤の構造を示す平面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る防液堤の構造を示す側断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る薬液タンク及び防液堤を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る排気設備を備えた薬液タンクの設置状況を示す斜視図である。
【図8】従来のタンクを屋外に設置した状態を示す側断面図である。
【図9】従来のタンクを建屋内に設置した構造の一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 防油堤、2 壁堤、3 油タンク、5 溝、7 排液手段、
9 基礎スラブ、11 基礎コンクリート、11a 基礎コンクリートの交差部、
11b 基礎コンクリートの端部、12 土台、13 床部、15 まさ土、
17 コンクリート壁面、18 床面、19 空間、21 排液処理設備、
23 バルブ、25 中空管、27 排油パイプ、29 建屋、
30 開口部、31 グレーチング、33 潤滑油ポンプ、35 供給配管、
37 軸受油戻り配管、41 防液堤、43 薬液タンク、44 排気設備、
45 空隙、47 排液手段、48 溜ます、49 導水路、50 排水ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵するタンクから漏出した貯蔵液の流出を防止するための防液堤であって、
前記タンクが設置された床面に、前記タンクを取り囲むように設けられた凹部を備えることを特徴とする防液堤。
【請求項2】
前記タンクは基礎スラブ上に構築された基礎コンクリート上に設置され、
前記基礎スラブ上の前記基礎コンクリートの外側の部分には、前記基礎コンクリートを空間を隔てて取り囲むように床部が構築され、
前記空間が前記凹部として機能することを特徴とする請求項1に記載の防液堤。
【請求項3】
前記凹部に流入した液体を排出する排液手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の防液堤。
【請求項4】
前記排液手段は、前記凹部に流入した液体を排液処理設備へ送出するための配管を含むことを特徴とする請求項3に記載の防液堤。
【請求項5】
前記排液手段は、前記凹部の下面に設けられる溜ますと、該溜ますに流入した液体を排水するための排水ポンプとを備えることを特徴とする請求項3に記載の防液堤。
【請求項6】
前記タンクは蒸気タービンの潤滑油を貯蔵するタンクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防液堤。
【請求項7】
前記タンクは薬液を貯蔵するタンクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防液堤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−182736(P2007−182736A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2915(P2006−2915)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】