説明

防滴用タップ

【課題】防滴用タップは、屋外に設けられ雨が入らないように考慮されており、屋内の厨房や台所で用いる屋内用としての防滴は考慮されていなかった。
【解決手段】天板部2と、胴周部3と、胴周脚部3aと、不安定リブ部4を夫々立設すると共に、刃受口を斜め方向に向けて取り付けた複数のタップ5と、夫々の電源側コード5aと、タップ5の刃受口に着脱自在に挿通する夫々のプラグ6と、プラグ6を先端に付設した使用機器側コード6aと、を備え、電源側コード5aは胴周脚部3aを貫通させると共に、使用機器側コード6aを挿通させるために長円形状のコード挿通孔を形成し、コード挿通孔と下方縁辺との間の適宜巾の細長片3cに材料特性の可撓性により使用機器側コード6aを挿脱可能とするスリットを形成したことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房や台所、洗面所等に設置する防滴用タップに関するものであり、更に詳細には、厨房や台所等の水を用いる場所に設置して水が電気回路に入らないようにして電源を得るための防滴用タップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の防滴用タップは特に屋外用として開発されたものが殆どで、家屋の外装壁の下方辺や、庭園の片隅等に設けられているものであるが、一般的には天板部を有したカップ状のカバーの開口を下方に向けて、天板部の内側に商業電源に接続されたタップを固定しているものであるが、主として、屋外に設けられ雨が入らないように考慮されており、屋内の厨房や台所で用いる屋内用としての防滴は考慮されていなかった。
【0003】
例えば、先に開示された防滴用タップは、 壁面に固定される下面開口の防雨カバー1と、規格化された配線器具2のモジュールの複数個分の大きさに形成された中枠3とを具備して防雨型配線器具を形成する。コンセントのような上記規格化された配線器具2が取着された中枠3を防雨カバー1内に取り付ける。市販の汎用される規格化された複数個の配線器具2を中枠3を介して防雨カバー1に組み込んで使用するもの(特許文献1参照)や、防雨ボックスボディ1の内側の開口部の若干幅の奥方に水平に固定させた基板と、基板に栓刃金具の栓刃3aを下方に突出させて固定したプラグ部3と、基板に栓刃挿通孔4aを露出させて固定し刃受金具を内装したコンセント部4と、基板に操作ボタン5aを露出させて固定したブレーカー付スイッチ部5と、を備え、プラグ部3と前記コンセント部4と前記ブレーカー付スイッチ部5とを基板の裏側でコードにより電気的に接続させたもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開平8−83643号公報
【特許文献2】特開2009−295364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、前述の開示されている特許文献1に記載のものは、防雨カバー1の後方面を壁等に固定し、開口部の近傍に組み込んだ中枠3や化粧枠4と市販されている複数個の配線器具2を備えたもので、その構成は複雑でパーツも多く高価に成るものであり、更に、特許文献2に記載のものは、防雨ボックスボディ1の内側の開口部の奥方に水平に固定させた基板に固定したプラグ部3と、基板に内装したコンセント部4と、基板に固定したブレーカー付スイッチ部5とを備えているものであるが、複雑な構造と成り、更に、何れも、屋外で使用するもので、室内用として考慮されていないものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、これらの課題を解決するもので、天板部と、天板部の外周縁から拡がるように角度を有して形成した胴周部と、長手方向の相対する胴周部辺の適宜巾を延設した胴周脚部と、天板部の外側の長手方向の両端に略半円形状の外形の不安定リブ部を立設すると共に、天板部の内側に刃受口を斜め方向に向けて取り付けた複数のタップと、タップから延設した電源側コードと、タップの刃受口に着脱自在に挿通するプラグと、プラグを先端に付設して使用機器から延設された使用機器側コードと、を備え、電源側コードは胴周脚部の天板部近傍を貫通させると共に、使用機器側コードを挿通させるためのタップの刃受口方向の胴周脚部の下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔を形成し、コード挿通孔と下方縁辺との間の適宜巾の細長片に材料特性の可撓性により使用機器側コードを挿脱可能とするスリットを形成したものであり、更に、天板部の長手方向の両端の天板部の巾方向に膨出する排水突出部を形成したものであり、更には、天板部の上面に前記夫々のタップに付設した夫々のスイッチを突設させたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の防滴用タップは、天板部の外周縁から胴周部を外側に拡がるように角度を有して形成したことと、天板部の内側に複数のタップの刃受口を斜め方向に向けて取り付けたため、プラグの着脱が容易となり、更に、使用機器側コードを挿通させるための複数のタップの刃受口方向の胴周脚部の下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔を形成し、コード挿通孔と下方縁辺との間の適宜巾の細長片に材料特性の可撓性により使用機器側コードを挿脱可能とするスリットを形成したことにより、複数の使用機器側コードが床と当該防滴用タップを持ち上げることを防止し安定して載置でき、更に、天板部の長手方向の両端の天板部の巾方向に膨出する排水突出部を形成したことにより、当該防滴用タップを横倒しにした時に自然に内側に入った水が開口部から流れ出るもので、画期的で実用性の高い有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の防滴用タップの実施の形態を図面によって具体的に説明すると、図1は本発明の防滴用タップの実施例の正面説明図であり、図2は本発明の防滴用タップの実施例の側面説明図であり、図3は本発明の防滴用タップの次実施例の横倒しにした状態の側面説明図であり、図4は本発明の防滴用タップの他の実施例の正面図である。
【0008】
本発明は、厨房や台所等、洗面所に設置する防滴用タップ1に関するものであり、更に詳細には、厨房や台所等の水を用いる場所に設置して水が電気回路に入らないようにして電源を得るための防滴用タップ1に関するものであり、請求項1に記載の防滴用タップは、略矩形状の天板部2と、該天板部2の外周縁から外側に拡がるように角度を有して形成した胴周部3と、長手方向の相対する前記胴周部3辺の適宜巾を延設した夫々の胴周脚部3aと、前記天板部2の外側の長手方向の両端に略半円形状の外形の不安定リブ部4を夫々立設すると共に、前記天板部2の内側に刃受口を斜め方向に向けて取り付けた複数のタップ5と、該夫々のタップ5から延設した商業電源と電気的に接続するための夫々の電源側コード5aと、前記夫々のタップ5の刃受口に着脱自在に挿通する夫々のプラグ6と、該夫々のプラグ6を先端に付設して使用機器から延設され電気的に接続をするための夫々の使用機器側コード6aと、を備え、前記電源側コード5aは前記胴周脚部3aの前記天板部2近傍を貫通させると共に、前記夫々の使用機器側コード6aを挿通させるための前記複数のタップ5の刃受口方向の胴周脚部3aの下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔3bを形成し、該コード挿通孔3bと前記下方縁辺との間の適宜巾の細長片3cに材料特性の可撓性により前記使用機器側コード6aを挿脱可能とするスリット3dを形成したことを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項2に記載の防滴用タップは、請求項1に記載の防滴用タップにおいて、前記天板部2の長手方向の両端の天板部2の巾方向に膨出する排水突出部7を形成したこと特徴とするものである。
【0010】
更には、請求項3に記載の防滴用タップは、請求項1又は請求項2に記載の防滴用タップにおいて、前記天板部2の上面に前記夫々のタップ5に付設した夫々のスイッチ5bを突設させたこと特徴とするものである。
【実施例】
【0011】
即ち、本発明の防滴用タップ1の天板部2は、略矩形状のもので、後述する胴周部3と共に板状の金属、又は、プラスチックをプレス加工、又は、射出成形等の手段により一体に形成するものである。
【0012】
そして、胴周部3は、天板部2と一体に形成されるもので、天板部2の外周縁から外側に拡がるように角度を有して形成したもので、つまり、開口側に拡がる傾斜面として各辺から成る胴周部3が形成されているものである。
【0013】
次に、夫々の胴周脚部3aは、胴周部3の長手方向の相対する位置の胴周部3辺の適宜巾を延設したもので、実施例では開口部に夫々をコ字状に形成して、天板部2を上方に開口部を下方に向けて安定して載置するものである。
【0014】
次いで、夫々の不安定リブ部4は、天板部2の外側の長手方向の両端に略半円形状の外形を有して夫々立設しているもので、不安定リブ部4は載置した際に開口部が上方に向かないようにしたもので、更には、把持して移動させる摘みにも利用できるものである。
【0015】
更に、複数のタップ5は、刃受口を備えている汎用のタップと同様なもので、天板部2の内側に刃受口を斜め方向に向けて取り付けたもので、つまり、刃受口が斜め下向きに取り付けられており、プラグの挿脱を容易とするものであり、その数は限定するものでは無いが、2〜6組程度が好適である。
【0016】
更には、夫々の電源側コード5aは、汎用されている周知のコードでありタップ5から延設されて商業電源と電気的に接続し電源を得るものであり、先端には壁等に配設された商業電源のコンセントに着脱するプラグ6を付設しているものである。
【0017】
加えて、夫々のプラグ6は、汎用されている周知のプラグ6であり、夫々のタップ5の刃受口に着脱自在に挿通するもので後述する使用機器側コード6aの先端に付設されたものである。
【0018】
更に、使用機器側コード6aは、前述の電源側コード5aと同様なもので、タップ5の刃受口に着脱自在に挿通させるプラグ6を先端に付設したコードであり、使用機器から延設されタップ5と電気的接続をするものである。
【0019】
そして、タップ5から延設された電源側コード5aは、タップ5の組込時に後方の胴周部3の天板部2の近傍を予め貫通させているもので、貫通部には防水手段を介して貫設させているものである。
【0020】
更には、コード挿通孔3bは、タップ5の刃受口が向いている方向の胴周脚部3aの下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔3bを形成しているもので、使用機器側コード6aを挿通させるもので、複数の使用機器側コード6aを接続させてもコード挿通孔3bを通すことで当該防滴タップがコードの反発で持ちあがることを無くしているものである。
【0021】
そして、スリット3dは、下方縁辺と長円形状のコード挿通孔3bとの間の適宜巾の細長片3cを切断したもので、細長片3cの材料特性の可撓性により使用機器側コード6aを自在に挿脱可能とするものである。
【0022】
次いで、排水突出部7は、天板部2の長手方向の両端の天板部2の巾方向に膨出させて形成したものであり、つまり、図3に図示するように、当該防滴用タップ1を横倒しにしたような場合、胴周部3の平面が床面から浮き開口方向に水滴が流れるようにしたものである。
【0023】
次に、図4に図示するように、夫々のタップ5に付設した夫々のスイッチ5bを天板部2の上面に突設させたものであり、必要により当該防滴用タップ1でスイッチ5bをオンオフできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、天板部の外周縁から胴周部を外側に拡がるように角度を有して形成したことと、天板部の内側に複数のタップの刃受口を斜め方向に向けて取り付けたため、プラグの着脱が容易となり、更に、使用機器側コードを挿通させるための複数のタップの刃受口方向の胴周脚部の下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔を形成し、コード挿通孔と下方縁辺との間の適宜巾の細長片に材料特性の可撓性により使用機器側コードを挿脱可能とするスリットを形成したことにより、複数の使用機器側コードが床と当該防滴用タップを持ち上げることを防止し安定して載置でき、更に、天板部の長手方向の両端の天板部の巾方向に膨出する排水突出部7を形成したことにより、当該防滴用タップを横倒しにした時に自然に内側に入った水が開口部から流れ出る防滴用タップを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明の防滴用タップの実施例の正面説明図である。
【図2】図2は本発明の防滴用タップの実施例の側面説明図である。
【図3】図3は本発明の防滴用タップの次実施例の横倒しにした状態の側面説明図である。
【図4】図4は本発明の防滴用タップの他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 防滴用タップ
2 天板部
3 胴周部
3a 胴周脚部
3b コード挿通孔
3c 細長片
3d スリット
4 不安定リブ部
5 タップ
5a 電源側コード
5b スイッチ
6 プラグ
6a 使用機器側コード
7 排水突出部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の天板部と、該天板部の外周縁から外側に拡がるように角度を有して形成した胴周部と、長手方向の相対する前記胴周部辺の適宜巾を延設した夫々の胴周脚部と、前記天板部の外側の長手方向の両端に略半円形状の外形の不安定リブ部を夫々立設すると共に、前記天板部の内側に刃受口を斜め方向に向けて取り付けた複数のタップと、該夫々のタップから延設した商業電源と電気的に接続するための夫々の電源側コードと、前記夫々のタップの刃受口に着脱自在に挿通する夫々のプラグと、該夫々のプラグを先端に付設して使用機器から延設され電気的に接続をするための夫々の使用機器側コードと、を備え、前記電源側コードは前記胴周脚部の前記天板部近傍を貫通させると共に、前記夫々の使用機器側コードを挿通させるための前記複数のタップの刃受口方向の胴周脚部の下方縁辺に沿って長円形状のコード挿通孔を形成し、該コード挿通孔と前記下方縁辺との間の適宜巾の細長片に材料特性の可撓性により前記使用機器側コードを挿脱可能とするスリットを形成したことを特徴とする防滴用タップ。
【請求項2】
前記天板部の長手方向の両端の天板部の巾方向に膨出する排水突出部を形成したこと特徴とする請求項1に記載の防滴用タップ。
【請求項3】
前記天板部の上面に前記夫々のタップに付設した夫々のスイッチを突設させたこと特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防滴用タップ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−238446(P2012−238446A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105982(P2011−105982)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000208477)大和電器株式会社 (8)
【Fターム(参考)】