防火引き戸
【課題】火災時に火炎や煙を効果的に遮断することができるとともに、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、開閉が容易に行える安全性に優れた防火引き戸を提供する。
【解決手段】不燃性の幕材5と、幕材5を巻き取るための幕材巻取部6と、幕材巻取部6から幕材5を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠7とを備える。幕材巻取部6は、開口部2周縁の側壁部に設けられる。一方、幕材支持枠7は、その基端部が上記側壁部に固定されて、開口部2の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、幕材巻取部6から幕材5を水平方向に繰り出して、該幕材5で開口部2を閉塞するようになっている。
【解決手段】不燃性の幕材5と、幕材5を巻き取るための幕材巻取部6と、幕材巻取部6から幕材5を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠7とを備える。幕材巻取部6は、開口部2周縁の側壁部に設けられる。一方、幕材支持枠7は、その基端部が上記側壁部に固定されて、開口部2の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、幕材巻取部6から幕材5を水平方向に繰り出して、該幕材5で開口部2を閉塞するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の防火区画に用いて好適な防火引き戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物内を防火区画するための従来のシステムとして、例えば、鋼製シャッターや耐火スクリーンを用いたシステムが知られている。これらシステムにおいては、シャッターやスクリーンを天井部に巻き取り収納し、それらシャッターやスクリーンを火災発生時に繰り出して降下させることにより、建物内を間仕切りして防火区画するものとなっている。これらシステムによれば、シャッターやスクリーンを巻き取り収納することができるため、収納スペースを低減できるという利点が得られる。
【0003】
しかしながら、上記鋼製シャッターを用いたシステムにおいては、自重を利用してシャッターを降下させるようにしているため、シャッターと床面との間に避難者が挟まれ、負傷する事例が多々ある。また、鋼製シャッターを用いたシステムでは、シャッターの面内に避難者等が通過するための開閉機構を設けることができないため、シャッターの隣接位置に防火扉を別途設ける必要がある。
【0004】
一方、耐火スクリーンを用いたシステムの場合には、スクリーンに使用する不燃布自体は極めて軽量であるが、スクリーンを降下させるためにその下端に錘となる金属板を設置する必要があるため、スクリーンの降下時に、上記鋼製シャッターを用いたシステムと同様に、避難者が挟まれる懸念がある。
【0005】
また、耐火スクリーンを用いたシステムの中には、耐火スクリーンに切り込みを入れて避難者等が通過するための開閉機構を設けたものも知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、このシステムの場合、避難者の通過後に自動的に閉塞するようにしたり、或いは火災時に生じる火災区画と隣接区画との差圧によって切り込み部分が開閉されないようにするために、錘となる金属板が必要であり、それが避難の際に足などにあたった場合には、避難者が負傷する可能性がある。また、車椅子利用者が切り込みを通過する際には、身を乗り出して開放動作を行う必要があるため、使い勝手にも難点がある。
【0006】
また、耐火スクリーンに開閉機構を設けた他のシステムとして、スクリーンに通過用開口部を形成し、該通過用開口部にこれを開閉するスライド式の扉を設けたものも知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、かかるシステムにおいても、スクリーンを降下させるための錘が必要となるため、同様に、錘と床面との間に避難者が挟まれるおそれがある。また、スクリーンの面内に設けたスライド式の扉を開けるのは、車椅子利用者に限らずとも、必ずしも容易なことではなく、また上記通過用開口部を車椅子で通過する際には、床面の錘が通行の妨げとなる懸念もある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−70929号公報
【特許文献2】特開平10−286322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、火災時に火炎や煙を遮断することができ、これにより延焼を防いで或いは遅らせて火災被害の拡大を抑制することができるとともに、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、開閉が容易に行える安全性に優れた防火引き戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る防火引き戸は、建物内の区画間に設置されて、該区画間の開口部を開閉する防火引き戸であって、不燃性の幕材と、上記幕材を巻き取るための幕材巻取部と、上記幕材巻取部から上記幕材を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠とを備え、上記幕材巻取部は、上記開口部周縁の側壁部に設けられる一方、上記幕材支持枠は、その基端部が上記側壁部に固定されて、上記開口部の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、上記幕材巻取部から上記幕材を水平方向に繰り出して、上記幕材で上記開口部を閉塞するようになっていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠は、上記開口部の上縁に沿って伸縮する上側アームと、上記開口部の下縁に沿って伸縮する下側アームと、上記上側アームの先端部と上記下側アームの先端部との間に架設された接合部とからなり、該接合部に上記幕材が固定または巻き掛けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の防火引き戸において、上記開口部の上縁に溝部を形成し、その溝部内に、上記幕材支持枠を水平方向に案内するためのガイド部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の防火引き戸において、上記上側アームが水平に伸びたときに、この上側アームと上記溝部との間に上記幕材の上端部が挟み込まれる構成としたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記開口部の上縁と下縁にそれぞれスリットを形成し、それらスリットに、上記幕材の上端部と下端部がそれぞれ挿入される構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠の両面に上記幕材を配置したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠を伸長方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の防火引き戸において、当該防火引き戸を両引き戸として使用する場合に、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの接合部の凹凸が互いに噛み合って密着するようになっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、幕材を水平方向に繰り出して開口部を閉塞する構成としたため、従来のような幕材を降下させるための錘等が不要となり、防火引き戸自体の軽量化を図ることができる。また、引き戸タイプの防火戸としたため、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、容易に開閉操作を行うことができる。また、床面付近に障害物が存在しないため、車椅子利用者等の災害弱者であっても、防火引き戸が設けられた避難通路を円滑且つ安全に通行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る防火引き戸の第1の実施形態(ダブルスクリーンタイプ)を示すもので、図中符号1は防火引き戸、符号2は防火引き戸によって開閉される開口部、符号3は開口部を開放したときに防火引き戸が収納される収納スペースである。
【0019】
本実施形態の防火引き戸1は、不燃性の幕材5と、幕材5を巻き取るための幕材巻取部6と、幕材巻取部6から幕材5を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠7とにより概略構成されている。
幕材5には、例えば、シリカクロスやガラスクロス、炭素繊維織布等の軽量な不燃布が用いられている。この幕材5の幅寸法は、開口部2の高さ寸法よりも若干大きく設定されている。
【0020】
幕材巻取部6は、開口部2周縁の側壁部に設けられた凹状の収納スペース3内に配置されている。この幕材巻取部6は、幕材5をロール状に巻き取るための巻取りドラム8と、これを回転自在に支承する支持金具(図示省略)と、巻取りドラム8を回転駆動するための駆動装置(図示省略)等により構成されている。巻取りドラム8は、鉛直軸を中心に回転自在に保持され、その回転により、幕材5を水平方向に繰り出し可能となっている。本実施形態では、幕材支持枠7の一側に巻取りドラム8が配置され、この巻取りドラム8から繰り出された幕材5が幕材支持枠7先端のローラ17(後述)に巻き掛けられて、当該幕材5の先端部が幕材支持枠7の他側の側壁部に固定されている。すなわち、幕材5が、幕材支持枠7の先端部で折り返されて幕材支持枠7の両側に配置された状態となっている。かかる構成によれば、幕材間に空気層が形成されるため、当該防火引き戸1の断熱性能を向上させることができる。また、幕材支持枠7が幕材5により覆われることとなるため、幕材支持枠7を高温の空気や煙等から保護することもできる。
【0021】
幕材支持枠7は、開口部2の上縁に沿って伸縮する上側アーム11と、開口部2の下縁に沿って伸縮する下側アーム12と、上側アーム11の先端部と下側アーム12の先端部との間に架設された接合部13とにより構成されている。上側アーム11は、基端部が開口部上縁の角隅部(収納スペース3の天井部)に揺動自在に取り付けられた第1リンク14と、この第1リンク14の先端部に揺動自在に連結された第2リンク15とを有する中央で折り曲げ可能なアームで、第2リンク15の先端部が、接合部13の上端部に揺動自在に連結されている。同様に、下側アーム12は、基端部が開口部下縁の角隅部(収納スペース3の床部)に揺動自在に取り付けられた第1リンク14と、この第1リンク14の先端部に揺動自在に連結された第2リンク15とを有する中央で折り曲げ可能なアームで、第2リンク15の先端部が、接合部13の下端部に揺動自在に連結されている。これにより、上側アーム11および下側アーム12は、2つに折り畳まれて収納スペース3内に収納された状態(図1(a)の状態)から、開口部2の上縁および下縁に沿って水平に伸びた状態(図1(c)の状態)にまで、伸縮自在となっている。
【0022】
また、図示は省略するが、上側アーム11および下側アーム12の内部には、その基端部から先端部に亘って、各々を伸長方向に付勢するコイルバネ(付勢手段)が配設されている。一方、開口部2周縁の側壁部には、各アーム11,12を折り畳んだ状態で保持するためのストッパが配設され、火災報知器が火災を検知したときや手動による開放操作があったときに、当該ストッパによる拘束が解除されて、上記コイルバネの作用により各アーム11,12が水平方向に伸長するようになっている。
【0023】
接合部13は、本実施形態では、図2に示すように、1または複数のローラ17により構成されている。当該防火引き戸1を両引き戸として使用する場合には、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの先端部の凹凸が互いに噛み合うように(隙間が生じないように)ローラ17が配置される。例えば、図2(a)に示すように、一方の引き戸が1軸タイプのローラの場合には、他方の引き戸のローラとして、2軸タイプのローラが用いられ、図2(b)に示すように、一方の引き戸が2軸タイプのローラの場合には、他方の引き戸のローラとして、3軸タイプのローラが用いられる。なお、例えば、図2(c)および図2(d)に示すように、一方の引き戸のローラを3軸タイプとして、その中央のローラを他方の引き戸側にずらして配置するとともに、他方の引き戸のローラを2軸タイプとして、それらローラの間隔を3軸ローラの外側のローラの間隔に合わせるようにすれば、双方の引き戸のスクリーン幅を同一にすることが可能である。
【0024】
接合部13の上端部には、図3に示すように、断面略コ字状の取付金具19を介して一対の車輪20が取り付けられている。一方、開口部2の上縁には、溝部4が形成され、この溝部4内には、上記車輪20を開口部2の上縁に沿って水平方向に案内・支持するためのガイドレール(ガイド部)21が敷設されている。
また、溝部4は、幕材支持枠7が伸長したときに上側アーム11の上端部を嵌入し得るように、その形状や各部の寸法が設定されている。例えば、図4(a)に示すように、上側アーム11の断面形状が、上底よりも下底が長い台形状の場合には、溝部4の断面形状は矩形状とされ、図4(b)に示すように、上側アーム11の断面形状が矩形状の場合には、上底よりも下底が長い台形状とされる。何れの場合においても、幕材支持枠7が伸長したときに、上側アーム11が溝部4内に嵌入し、その両側の幕材5の上端部が、上側アーム11と溝部4の内壁面との間にそれぞれ挟み込まれた状態となる。これにより、当該防火引き戸1の天井部(開口部2の上縁)における気密性が高められると同時に、幕材5の脱落も防止される。
【0025】
また、収納スペース3近傍の側壁部には、図5および図6に示すように、幕材支持枠7を開口部2の下縁に沿って水平方向に案内するためのガイドレール(以下、下部ガイドレールと称する。)22が取り付けられている。この下部ガイドレール22は、スライド式に伸縮自在に構成されるとともに、上記側壁部に沿って起立した状態から、床面に沿って倒れた状態にまで可逆的に回動可能となっている。通常時には、図5(a)および図6(a)に示すように、起立した状態で且つ縮小状態で、収納スペース3の開口を塞ぐように配置されている。この状態から、例えば火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、図5(b),図5(c),図6(b)および図6(c)に示すように、倒れて床面に設置される。その後、図5(d)および図6(d)〜図6(f)に示すように、幕材支持枠7が伸長すると、それに合わせて水平方向にスライドしながら伸びて行く。
【0026】
この下部ガイドレール22は、図7に示すように、幕材支持枠7が伸長したときに下側アーム12の下端部を嵌入する凹部を有している。この凹部内に下側アーム12が嵌入すると、上側アーム11と同様、その両側の幕材5の下端部が、下側アーム12と下部ガイドレール22との間にそれぞれ挟み込まれた状態となる。
【0027】
上記構成からなる防火引き戸1においては、通常時は、図1(a)に示すように、幕材支持枠7が折り畳まれた状態で、また幕材5が巻取りドラム8に巻き取られた状態で、それぞれ収納スペース3内に格納されている。
【0028】
この状態から、建物内で火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、ストッパが外れて幕材支持枠7に対する拘束が解除される。これにより、図1(b)に示すように、幕材支持枠7の各アーム11,12が、コイルバネの作用により、ガイドレール21,22に沿って水平方向に伸長し、その伸長動作によって、幕材支持枠7の接合部13に巻き掛けられた幕材5が巻取りドラム8から繰り出される。
【0029】
そして、幕材支持枠7の両アーム11,12が水平に伸びた状態になると、図1(c)に示すように、張り出された幕材5が開口部2全体を覆い、その上端部が上側アーム11と溝部4の内壁面との間に挟み込まれ、下端部が下側アーム12と下部ガイドレール22との間に挟み込まれる。また、幕材支持枠7の接合部13がこれと対をなす他方の引き戸の接合部(片引き戸の場合には、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される。これにより、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性、並びに引き戸どうしの気密性がそれぞれ保たれた状態で、幕材5により開口部2が閉塞されることとなる。
【0030】
この状態から、例えば避難者が接合部13を掴んで開方向に力を加えると、幕材支持枠7の各アーム11,12がV字状または逆V字状に折れて、それらアーム11,12が溝部4および下部ガイドレール22から離脱するとともに、接合部13が収納スペース3側に後退することにより、当該防火引き戸1が開放された状態となる。
その後、避難者が開口部2を通過して接合部13から手を離すと、上述したコイルスプリングの作用により両アーム11,12が再び水平に伸びて、自動的に閉じた状態に戻る。
【0031】
また、上記のように閉じた状態から、幕材巻取部6の駆動装置を操作して、幕材5を巻き取る方向に巻取りドラム8を回転させると、幕材5が巻取りドラム8に巻き取られると同時に、この幕材5に牽引されて、幕材支持枠7の各アーム11,12が折り畳まれ、幕材支持枠7全体が収納スペース3内に収納されることとなる。これにより、開口部2が開放された状態となる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、幕材5を水平方向に繰り出して開口部2を閉塞する構成としたため、従来のような幕材5を降下させるための錘等が不要となり、防火引き戸自体の軽量化を図ることができる。また、引き戸タイプの防火戸としたため、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、容易に開閉操作を行うことができる。また、床面付近に障害物が存在しないため、車椅子利用者等の災害弱者であっても、当該防火引き戸1が設けられた避難通路を円滑且つ安全に通行することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、幕材支持枠7が伸長したときに、(1)上側アーム11と溝部4の内壁面との間に幕材5の上端部が挟み込まれ、(2)下側アーム12と下部ガイドレール22との間に幕材5の下端部が挟み込まれ、さらに(3)接合部13がこれと対をなす他方の引き戸の接合部(若しくは、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される構成としたので、当該防火引き戸1の気密性を高めることができ、火災時に火炎や煙を効果的に遮断することができる。
【0034】
さらに、本実施形態においては、開口部周縁の側壁部に幕材5を巻き取り収納する構成としたので、その収納スペースを低減することができる。また、天井部に収納する場合と比較して、防火引き戸1の点検を容易に行うことができ、当該システムの信頼性および安全性を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、幕材支持枠7の片側に巻取りドラム8を配置する構成としたが、例えば、図8に示すように、幕材支持枠7の両側に巻取りドラム8を配置する構成とすることも可能である。この場合、各巻取りドラム8から繰り出された幕材5の先端部が幕材支持枠7の接合板(接合部)25に固着される。接合板25は、これと対をなす他方の引き戸の接合板と密着し得る形状とされ、例えば、図9(a)に示すように、一方の引き戸の接合板25が平板状である場合には、他方の引き戸の接合板25も平板状とされる。また、図9(b)および図9(c)に示すように、一方の引き戸の接合板25が凹凸を有するもの(波型タイプ、かまちタイプなど)である場合には、その凹凸と噛み合うように、他方の引き戸の接合板25も凹凸を有するものとされる。
【0036】
[第2の実施形態]
図10は、本発明に係る防火引き戸の第2の実施形態(シングルスクリーンタイプ)を示す図である。本実施形態において、第1の実施形態で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0037】
この第2の実施形態においては、巻取りドラム8から繰り出された幕材5の先端部が幕材支持枠7の接合部13に固着されている。また、幕材5の両側には上下の両アーム11,12がそれぞれ配置され、それらアーム11,12の先端部が接合部13に連結されている。すなわち、本実施形態では、幕材支持枠7が1枚の幕材5をその両側から支持する構成となっている。
【0038】
接合部13は、本実施形態では、ローラ17ではなく、接合板31により構成されている。この接合板31は、前述した接合板25と同様、これと対をなす他方の引き戸の接合板と密着し得る形状とされ、例えば、図11(a)に示すように、一方の引き戸の接合板31が平板状である場合には、他方の引き戸の接合板31も平板状とされる。また、図11(b)および図11(c)に示すように、一方の引き戸の接合板31が凹凸を有するもの(波型タイプ、かまちタイプなど)である場合には、その凹凸と噛み合うように、他方の引き戸の接合板31も凹凸を有するものとされる。
【0039】
この接合板31の上端部には、図3(d)に示すように、取付金具19を介して一対の車輪20が取り付けられている。一方、開口部上縁の溝部4内には、上記車輪20を開口部2の上縁に沿って水平方向に案内するためのガイドレール21が敷設されている。
【0040】
また、溝部4は、図12に示すように、幕材支持枠7が伸長したときに上側アーム11の上端部を嵌入し得るように、その形状や各部の寸法が設定され、その奥部には、幕材5の上端部を挿入するためのスリット32が形成されている。同様に、開口部2の下縁(床面)にも、図13に示すように、幕材5の下端部を挿入するためのスリット33が形成されている。また、幕材5の上端部と下端部には、図14および図15に示すように、スリット32,33内の幕材5を自立させるための蛇腹バネ34,35が取り付けられている。すなわち、幕材支持枠7が伸長したときに、幕材5の上端部が溝部4のスリット32内に挿入されるとともに、幕材5の下端部が床面のスリット33内に挿入され、これにより、床面や天井部における気密性が高められるようになっている。また、幕材支持枠7が伸長した際には、図12に示すように、一対の上側アーム11が幕材5を間に挟んだ状態で溝部4内に嵌入することとなるため、幕材5が一対の上側アーム11にクランプされた状態(吊り支持された状態)となる。なお、床面側に関しては、底面に上記スリット33を形成する代わりに、図16に示すように、第1の実施形態で示したスライド式の下部ガイドレール22を床面に設置するようにしてもよい。
【0041】
上記構成からなる防火引き戸においては、通常時は、第1の実施形態と同様、図10(a)に示すように、幕材支持枠7が折り畳まれた状態で、また幕材5が巻取りドラム8に巻き取られた状態で、それぞれ収納スペース3内に格納されている。また、幕材支持枠7の接合板31が側壁面に沿って配置されて、当該接合板31により収納スペース3の開口が閉塞された状態となっている。
【0042】
この状態から、建物内で火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、ストッパが外れて幕材支持枠7に対する拘束が解除される。これにより、図10(b)に示すように、幕材支持枠7の各アーム11,12が、コイルバネの作用により、ガイドレール21に沿って水平方向に伸長し、その伸長動作によって、接合板31に固着された幕材5が巻取りドラム8から繰り出される。
【0043】
そして、幕材支持枠7の各アーム11,12が水平に伸びた状態になると、図10(c)に示すように、張り出された幕材5が開口部2全体を覆い、その上端部および下端部が天井部および床面のスリット32,33内に挿入されるとともに、幕材支持枠7の接合板31がこれと対をなす他方の引き戸の接合板(片引き戸の場合には、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される。これにより、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性、並びに引き戸どうしの気密性がそれぞれ保たれた状態で、幕材5により開口部2が閉塞されることとなる。
【0044】
この状態から、例えば避難者が接合板31を掴んで開方向に力を加えると、幕材支持枠7の各アーム11,12がV字状または逆V字状に折れて、上側アーム11が溝部4から離脱するとともに、接合板31が収納スペース3側に後退することにより、当該防火引き戸が開放された状態となる。
その後、避難者が開口部2を通過して接合部から手を離すと、上述したコイルスプリングの作用により各アーム11,12が再び水平に伸びて、自動的に閉じた状態に戻る。
【0045】
以上のように、本実施形態においては、幕材支持枠7が伸長したときに、開口部2の上縁と下縁にそれぞれ形成したスリット32,33に、幕材5の上端部と下端部が挿入される構成としたので、第1の実施形態と同様、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性を高めることができ、遮煙性能を向上させることができる。
また、本実施形態においては、幕材5の両側に上下のアーム11,12をそれぞれ配置する構成としたので、当該防火引き戸の剛性を大きくすることができ、例えば、幕材5の両側のアームのうち、一方のアームが加熱により強度が低下しても、他方のアームで幕材5を支持することができる。
【0046】
なお、以上の各実施形態においては、互いに回動可能に連結された第1リンク14と第2リンク15からなる1関節型のアームを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、開口部2の幅寸法が高さ寸法よりも大きい場合には、図17に示すように、多関節型のアームを用いることも可能である。
【0047】
また、以上の各実施形態においては、幕材を上側アーム11等で挟んで吊り支持する構成としたが、例えば開口部2の幅寸法が大きい場合には、幕材5の脱落をより確実に防止するために、幕材5の上端部に車輪やフック等の係止部材を装着して、それらを介して幕材5をスライド可能な状態で天井部から吊り支持する構成とすることも可能である。
【0048】
また、以上の各実施形態においては、各アーム11,12の断面形状を台形状あるいは矩形状としたが、本発明はこれに限られるものではなく、溝部4や下部ガイドレール22の形状等に応じて適宜に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る防火引き戸の第1の実施形態を示すもので、上段が平断面図、下段が上段の平断面図中の一点鎖線に沿った矢視断面図である。
【図2】図1の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図3】上部ガイド機構を示すもので、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)および(d)が平面図である。
【図4】図1の防火引き戸の上側アームが溝部に嵌入している状態を示す断面図である。
【図5】床面側のガイドレールを示す平面図である。
【図6】床面側のガイドレールを示す側面図である。
【図7】図1の防火引き戸の下側アームが床面側のガイドレールに嵌入している状態を示す断面図である。
【図8】図1の防火引き戸の変形例を示す平断面図である。
【図9】図8の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図10】本発明に係る防火引き戸の第2の実施形態を示すもので、上段が平断面図、下段が側面図である。
【図11】図10の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図12】図10の防火引き戸の幕材上端がスリットに挿入されている状態を示す断面図である。
【図13】図10の防火引き戸の幕材下端がスリットに挿入されている状態を示す断面図である。
【図14】図10の防火引き戸の幕材上端がスリットに挿入されている状態を示す図で、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【図15】図10の防火引き戸の幕材下端がスリットに挿入されている状態を示す図で、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【図16】図10の防火引き戸の下側アームが床面側のガイドレールに嵌入している状態を示す断面図である。
【図17】多関節型のアームの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 防火引き戸
2 開口部
4 溝部
5 幕材
6 幕材巻取部
7 幕材支持枠
11 上側アーム
12 下側アーム
13 接合部
21 ガイドレール
32,33 スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の防火区画に用いて好適な防火引き戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物内を防火区画するための従来のシステムとして、例えば、鋼製シャッターや耐火スクリーンを用いたシステムが知られている。これらシステムにおいては、シャッターやスクリーンを天井部に巻き取り収納し、それらシャッターやスクリーンを火災発生時に繰り出して降下させることにより、建物内を間仕切りして防火区画するものとなっている。これらシステムによれば、シャッターやスクリーンを巻き取り収納することができるため、収納スペースを低減できるという利点が得られる。
【0003】
しかしながら、上記鋼製シャッターを用いたシステムにおいては、自重を利用してシャッターを降下させるようにしているため、シャッターと床面との間に避難者が挟まれ、負傷する事例が多々ある。また、鋼製シャッターを用いたシステムでは、シャッターの面内に避難者等が通過するための開閉機構を設けることができないため、シャッターの隣接位置に防火扉を別途設ける必要がある。
【0004】
一方、耐火スクリーンを用いたシステムの場合には、スクリーンに使用する不燃布自体は極めて軽量であるが、スクリーンを降下させるためにその下端に錘となる金属板を設置する必要があるため、スクリーンの降下時に、上記鋼製シャッターを用いたシステムと同様に、避難者が挟まれる懸念がある。
【0005】
また、耐火スクリーンを用いたシステムの中には、耐火スクリーンに切り込みを入れて避難者等が通過するための開閉機構を設けたものも知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、このシステムの場合、避難者の通過後に自動的に閉塞するようにしたり、或いは火災時に生じる火災区画と隣接区画との差圧によって切り込み部分が開閉されないようにするために、錘となる金属板が必要であり、それが避難の際に足などにあたった場合には、避難者が負傷する可能性がある。また、車椅子利用者が切り込みを通過する際には、身を乗り出して開放動作を行う必要があるため、使い勝手にも難点がある。
【0006】
また、耐火スクリーンに開閉機構を設けた他のシステムとして、スクリーンに通過用開口部を形成し、該通過用開口部にこれを開閉するスライド式の扉を設けたものも知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、かかるシステムにおいても、スクリーンを降下させるための錘が必要となるため、同様に、錘と床面との間に避難者が挟まれるおそれがある。また、スクリーンの面内に設けたスライド式の扉を開けるのは、車椅子利用者に限らずとも、必ずしも容易なことではなく、また上記通過用開口部を車椅子で通過する際には、床面の錘が通行の妨げとなる懸念もある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−70929号公報
【特許文献2】特開平10−286322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、火災時に火炎や煙を遮断することができ、これにより延焼を防いで或いは遅らせて火災被害の拡大を抑制することができるとともに、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、開閉が容易に行える安全性に優れた防火引き戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る防火引き戸は、建物内の区画間に設置されて、該区画間の開口部を開閉する防火引き戸であって、不燃性の幕材と、上記幕材を巻き取るための幕材巻取部と、上記幕材巻取部から上記幕材を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠とを備え、上記幕材巻取部は、上記開口部周縁の側壁部に設けられる一方、上記幕材支持枠は、その基端部が上記側壁部に固定されて、上記開口部の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、上記幕材巻取部から上記幕材を水平方向に繰り出して、上記幕材で上記開口部を閉塞するようになっていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠は、上記開口部の上縁に沿って伸縮する上側アームと、上記開口部の下縁に沿って伸縮する下側アームと、上記上側アームの先端部と上記下側アームの先端部との間に架設された接合部とからなり、該接合部に上記幕材が固定または巻き掛けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の防火引き戸において、上記開口部の上縁に溝部を形成し、その溝部内に、上記幕材支持枠を水平方向に案内するためのガイド部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の防火引き戸において、上記上側アームが水平に伸びたときに、この上側アームと上記溝部との間に上記幕材の上端部が挟み込まれる構成としたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記開口部の上縁と下縁にそれぞれスリットを形成し、それらスリットに、上記幕材の上端部と下端部がそれぞれ挿入される構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠の両面に上記幕材を配置したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の防火引き戸において、上記幕材支持枠を伸長方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の防火引き戸において、当該防火引き戸を両引き戸として使用する場合に、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの接合部の凹凸が互いに噛み合って密着するようになっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、幕材を水平方向に繰り出して開口部を閉塞する構成としたため、従来のような幕材を降下させるための錘等が不要となり、防火引き戸自体の軽量化を図ることができる。また、引き戸タイプの防火戸としたため、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、容易に開閉操作を行うことができる。また、床面付近に障害物が存在しないため、車椅子利用者等の災害弱者であっても、防火引き戸が設けられた避難通路を円滑且つ安全に通行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る防火引き戸の第1の実施形態(ダブルスクリーンタイプ)を示すもので、図中符号1は防火引き戸、符号2は防火引き戸によって開閉される開口部、符号3は開口部を開放したときに防火引き戸が収納される収納スペースである。
【0019】
本実施形態の防火引き戸1は、不燃性の幕材5と、幕材5を巻き取るための幕材巻取部6と、幕材巻取部6から幕材5を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠7とにより概略構成されている。
幕材5には、例えば、シリカクロスやガラスクロス、炭素繊維織布等の軽量な不燃布が用いられている。この幕材5の幅寸法は、開口部2の高さ寸法よりも若干大きく設定されている。
【0020】
幕材巻取部6は、開口部2周縁の側壁部に設けられた凹状の収納スペース3内に配置されている。この幕材巻取部6は、幕材5をロール状に巻き取るための巻取りドラム8と、これを回転自在に支承する支持金具(図示省略)と、巻取りドラム8を回転駆動するための駆動装置(図示省略)等により構成されている。巻取りドラム8は、鉛直軸を中心に回転自在に保持され、その回転により、幕材5を水平方向に繰り出し可能となっている。本実施形態では、幕材支持枠7の一側に巻取りドラム8が配置され、この巻取りドラム8から繰り出された幕材5が幕材支持枠7先端のローラ17(後述)に巻き掛けられて、当該幕材5の先端部が幕材支持枠7の他側の側壁部に固定されている。すなわち、幕材5が、幕材支持枠7の先端部で折り返されて幕材支持枠7の両側に配置された状態となっている。かかる構成によれば、幕材間に空気層が形成されるため、当該防火引き戸1の断熱性能を向上させることができる。また、幕材支持枠7が幕材5により覆われることとなるため、幕材支持枠7を高温の空気や煙等から保護することもできる。
【0021】
幕材支持枠7は、開口部2の上縁に沿って伸縮する上側アーム11と、開口部2の下縁に沿って伸縮する下側アーム12と、上側アーム11の先端部と下側アーム12の先端部との間に架設された接合部13とにより構成されている。上側アーム11は、基端部が開口部上縁の角隅部(収納スペース3の天井部)に揺動自在に取り付けられた第1リンク14と、この第1リンク14の先端部に揺動自在に連結された第2リンク15とを有する中央で折り曲げ可能なアームで、第2リンク15の先端部が、接合部13の上端部に揺動自在に連結されている。同様に、下側アーム12は、基端部が開口部下縁の角隅部(収納スペース3の床部)に揺動自在に取り付けられた第1リンク14と、この第1リンク14の先端部に揺動自在に連結された第2リンク15とを有する中央で折り曲げ可能なアームで、第2リンク15の先端部が、接合部13の下端部に揺動自在に連結されている。これにより、上側アーム11および下側アーム12は、2つに折り畳まれて収納スペース3内に収納された状態(図1(a)の状態)から、開口部2の上縁および下縁に沿って水平に伸びた状態(図1(c)の状態)にまで、伸縮自在となっている。
【0022】
また、図示は省略するが、上側アーム11および下側アーム12の内部には、その基端部から先端部に亘って、各々を伸長方向に付勢するコイルバネ(付勢手段)が配設されている。一方、開口部2周縁の側壁部には、各アーム11,12を折り畳んだ状態で保持するためのストッパが配設され、火災報知器が火災を検知したときや手動による開放操作があったときに、当該ストッパによる拘束が解除されて、上記コイルバネの作用により各アーム11,12が水平方向に伸長するようになっている。
【0023】
接合部13は、本実施形態では、図2に示すように、1または複数のローラ17により構成されている。当該防火引き戸1を両引き戸として使用する場合には、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの先端部の凹凸が互いに噛み合うように(隙間が生じないように)ローラ17が配置される。例えば、図2(a)に示すように、一方の引き戸が1軸タイプのローラの場合には、他方の引き戸のローラとして、2軸タイプのローラが用いられ、図2(b)に示すように、一方の引き戸が2軸タイプのローラの場合には、他方の引き戸のローラとして、3軸タイプのローラが用いられる。なお、例えば、図2(c)および図2(d)に示すように、一方の引き戸のローラを3軸タイプとして、その中央のローラを他方の引き戸側にずらして配置するとともに、他方の引き戸のローラを2軸タイプとして、それらローラの間隔を3軸ローラの外側のローラの間隔に合わせるようにすれば、双方の引き戸のスクリーン幅を同一にすることが可能である。
【0024】
接合部13の上端部には、図3に示すように、断面略コ字状の取付金具19を介して一対の車輪20が取り付けられている。一方、開口部2の上縁には、溝部4が形成され、この溝部4内には、上記車輪20を開口部2の上縁に沿って水平方向に案内・支持するためのガイドレール(ガイド部)21が敷設されている。
また、溝部4は、幕材支持枠7が伸長したときに上側アーム11の上端部を嵌入し得るように、その形状や各部の寸法が設定されている。例えば、図4(a)に示すように、上側アーム11の断面形状が、上底よりも下底が長い台形状の場合には、溝部4の断面形状は矩形状とされ、図4(b)に示すように、上側アーム11の断面形状が矩形状の場合には、上底よりも下底が長い台形状とされる。何れの場合においても、幕材支持枠7が伸長したときに、上側アーム11が溝部4内に嵌入し、その両側の幕材5の上端部が、上側アーム11と溝部4の内壁面との間にそれぞれ挟み込まれた状態となる。これにより、当該防火引き戸1の天井部(開口部2の上縁)における気密性が高められると同時に、幕材5の脱落も防止される。
【0025】
また、収納スペース3近傍の側壁部には、図5および図6に示すように、幕材支持枠7を開口部2の下縁に沿って水平方向に案内するためのガイドレール(以下、下部ガイドレールと称する。)22が取り付けられている。この下部ガイドレール22は、スライド式に伸縮自在に構成されるとともに、上記側壁部に沿って起立した状態から、床面に沿って倒れた状態にまで可逆的に回動可能となっている。通常時には、図5(a)および図6(a)に示すように、起立した状態で且つ縮小状態で、収納スペース3の開口を塞ぐように配置されている。この状態から、例えば火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、図5(b),図5(c),図6(b)および図6(c)に示すように、倒れて床面に設置される。その後、図5(d)および図6(d)〜図6(f)に示すように、幕材支持枠7が伸長すると、それに合わせて水平方向にスライドしながら伸びて行く。
【0026】
この下部ガイドレール22は、図7に示すように、幕材支持枠7が伸長したときに下側アーム12の下端部を嵌入する凹部を有している。この凹部内に下側アーム12が嵌入すると、上側アーム11と同様、その両側の幕材5の下端部が、下側アーム12と下部ガイドレール22との間にそれぞれ挟み込まれた状態となる。
【0027】
上記構成からなる防火引き戸1においては、通常時は、図1(a)に示すように、幕材支持枠7が折り畳まれた状態で、また幕材5が巻取りドラム8に巻き取られた状態で、それぞれ収納スペース3内に格納されている。
【0028】
この状態から、建物内で火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、ストッパが外れて幕材支持枠7に対する拘束が解除される。これにより、図1(b)に示すように、幕材支持枠7の各アーム11,12が、コイルバネの作用により、ガイドレール21,22に沿って水平方向に伸長し、その伸長動作によって、幕材支持枠7の接合部13に巻き掛けられた幕材5が巻取りドラム8から繰り出される。
【0029】
そして、幕材支持枠7の両アーム11,12が水平に伸びた状態になると、図1(c)に示すように、張り出された幕材5が開口部2全体を覆い、その上端部が上側アーム11と溝部4の内壁面との間に挟み込まれ、下端部が下側アーム12と下部ガイドレール22との間に挟み込まれる。また、幕材支持枠7の接合部13がこれと対をなす他方の引き戸の接合部(片引き戸の場合には、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される。これにより、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性、並びに引き戸どうしの気密性がそれぞれ保たれた状態で、幕材5により開口部2が閉塞されることとなる。
【0030】
この状態から、例えば避難者が接合部13を掴んで開方向に力を加えると、幕材支持枠7の各アーム11,12がV字状または逆V字状に折れて、それらアーム11,12が溝部4および下部ガイドレール22から離脱するとともに、接合部13が収納スペース3側に後退することにより、当該防火引き戸1が開放された状態となる。
その後、避難者が開口部2を通過して接合部13から手を離すと、上述したコイルスプリングの作用により両アーム11,12が再び水平に伸びて、自動的に閉じた状態に戻る。
【0031】
また、上記のように閉じた状態から、幕材巻取部6の駆動装置を操作して、幕材5を巻き取る方向に巻取りドラム8を回転させると、幕材5が巻取りドラム8に巻き取られると同時に、この幕材5に牽引されて、幕材支持枠7の各アーム11,12が折り畳まれ、幕材支持枠7全体が収納スペース3内に収納されることとなる。これにより、開口部2が開放された状態となる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、幕材5を水平方向に繰り出して開口部2を閉塞する構成としたため、従来のような幕材5を降下させるための錘等が不要となり、防火引き戸自体の軽量化を図ることができる。また、引き戸タイプの防火戸としたため、子供や高齢者、車椅子利用者等の災害弱者であっても、容易に開閉操作を行うことができる。また、床面付近に障害物が存在しないため、車椅子利用者等の災害弱者であっても、当該防火引き戸1が設けられた避難通路を円滑且つ安全に通行することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、幕材支持枠7が伸長したときに、(1)上側アーム11と溝部4の内壁面との間に幕材5の上端部が挟み込まれ、(2)下側アーム12と下部ガイドレール22との間に幕材5の下端部が挟み込まれ、さらに(3)接合部13がこれと対をなす他方の引き戸の接合部(若しくは、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される構成としたので、当該防火引き戸1の気密性を高めることができ、火災時に火炎や煙を効果的に遮断することができる。
【0034】
さらに、本実施形態においては、開口部周縁の側壁部に幕材5を巻き取り収納する構成としたので、その収納スペースを低減することができる。また、天井部に収納する場合と比較して、防火引き戸1の点検を容易に行うことができ、当該システムの信頼性および安全性を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、幕材支持枠7の片側に巻取りドラム8を配置する構成としたが、例えば、図8に示すように、幕材支持枠7の両側に巻取りドラム8を配置する構成とすることも可能である。この場合、各巻取りドラム8から繰り出された幕材5の先端部が幕材支持枠7の接合板(接合部)25に固着される。接合板25は、これと対をなす他方の引き戸の接合板と密着し得る形状とされ、例えば、図9(a)に示すように、一方の引き戸の接合板25が平板状である場合には、他方の引き戸の接合板25も平板状とされる。また、図9(b)および図9(c)に示すように、一方の引き戸の接合板25が凹凸を有するもの(波型タイプ、かまちタイプなど)である場合には、その凹凸と噛み合うように、他方の引き戸の接合板25も凹凸を有するものとされる。
【0036】
[第2の実施形態]
図10は、本発明に係る防火引き戸の第2の実施形態(シングルスクリーンタイプ)を示す図である。本実施形態において、第1の実施形態で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0037】
この第2の実施形態においては、巻取りドラム8から繰り出された幕材5の先端部が幕材支持枠7の接合部13に固着されている。また、幕材5の両側には上下の両アーム11,12がそれぞれ配置され、それらアーム11,12の先端部が接合部13に連結されている。すなわち、本実施形態では、幕材支持枠7が1枚の幕材5をその両側から支持する構成となっている。
【0038】
接合部13は、本実施形態では、ローラ17ではなく、接合板31により構成されている。この接合板31は、前述した接合板25と同様、これと対をなす他方の引き戸の接合板と密着し得る形状とされ、例えば、図11(a)に示すように、一方の引き戸の接合板31が平板状である場合には、他方の引き戸の接合板31も平板状とされる。また、図11(b)および図11(c)に示すように、一方の引き戸の接合板31が凹凸を有するもの(波型タイプ、かまちタイプなど)である場合には、その凹凸と噛み合うように、他方の引き戸の接合板31も凹凸を有するものとされる。
【0039】
この接合板31の上端部には、図3(d)に示すように、取付金具19を介して一対の車輪20が取り付けられている。一方、開口部上縁の溝部4内には、上記車輪20を開口部2の上縁に沿って水平方向に案内するためのガイドレール21が敷設されている。
【0040】
また、溝部4は、図12に示すように、幕材支持枠7が伸長したときに上側アーム11の上端部を嵌入し得るように、その形状や各部の寸法が設定され、その奥部には、幕材5の上端部を挿入するためのスリット32が形成されている。同様に、開口部2の下縁(床面)にも、図13に示すように、幕材5の下端部を挿入するためのスリット33が形成されている。また、幕材5の上端部と下端部には、図14および図15に示すように、スリット32,33内の幕材5を自立させるための蛇腹バネ34,35が取り付けられている。すなわち、幕材支持枠7が伸長したときに、幕材5の上端部が溝部4のスリット32内に挿入されるとともに、幕材5の下端部が床面のスリット33内に挿入され、これにより、床面や天井部における気密性が高められるようになっている。また、幕材支持枠7が伸長した際には、図12に示すように、一対の上側アーム11が幕材5を間に挟んだ状態で溝部4内に嵌入することとなるため、幕材5が一対の上側アーム11にクランプされた状態(吊り支持された状態)となる。なお、床面側に関しては、底面に上記スリット33を形成する代わりに、図16に示すように、第1の実施形態で示したスライド式の下部ガイドレール22を床面に設置するようにしてもよい。
【0041】
上記構成からなる防火引き戸においては、通常時は、第1の実施形態と同様、図10(a)に示すように、幕材支持枠7が折り畳まれた状態で、また幕材5が巻取りドラム8に巻き取られた状態で、それぞれ収納スペース3内に格納されている。また、幕材支持枠7の接合板31が側壁面に沿って配置されて、当該接合板31により収納スペース3の開口が閉塞された状態となっている。
【0042】
この状態から、建物内で火災が発生すると、その検知信号等に基づいて、ストッパが外れて幕材支持枠7に対する拘束が解除される。これにより、図10(b)に示すように、幕材支持枠7の各アーム11,12が、コイルバネの作用により、ガイドレール21に沿って水平方向に伸長し、その伸長動作によって、接合板31に固着された幕材5が巻取りドラム8から繰り出される。
【0043】
そして、幕材支持枠7の各アーム11,12が水平に伸びた状態になると、図10(c)に示すように、張り出された幕材5が開口部2全体を覆い、その上端部および下端部が天井部および床面のスリット32,33内に挿入されるとともに、幕材支持枠7の接合板31がこれと対をなす他方の引き戸の接合板(片引き戸の場合には、収納スペース3と反対側の側壁面)と凹凸が噛み合って密着した状態で配置される。これにより、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性、並びに引き戸どうしの気密性がそれぞれ保たれた状態で、幕材5により開口部2が閉塞されることとなる。
【0044】
この状態から、例えば避難者が接合板31を掴んで開方向に力を加えると、幕材支持枠7の各アーム11,12がV字状または逆V字状に折れて、上側アーム11が溝部4から離脱するとともに、接合板31が収納スペース3側に後退することにより、当該防火引き戸が開放された状態となる。
その後、避難者が開口部2を通過して接合部から手を離すと、上述したコイルスプリングの作用により各アーム11,12が再び水平に伸びて、自動的に閉じた状態に戻る。
【0045】
以上のように、本実施形態においては、幕材支持枠7が伸長したときに、開口部2の上縁と下縁にそれぞれ形成したスリット32,33に、幕材5の上端部と下端部が挿入される構成としたので、第1の実施形態と同様、当該防火引き戸1の天井部および床部における気密性を高めることができ、遮煙性能を向上させることができる。
また、本実施形態においては、幕材5の両側に上下のアーム11,12をそれぞれ配置する構成としたので、当該防火引き戸の剛性を大きくすることができ、例えば、幕材5の両側のアームのうち、一方のアームが加熱により強度が低下しても、他方のアームで幕材5を支持することができる。
【0046】
なお、以上の各実施形態においては、互いに回動可能に連結された第1リンク14と第2リンク15からなる1関節型のアームを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、開口部2の幅寸法が高さ寸法よりも大きい場合には、図17に示すように、多関節型のアームを用いることも可能である。
【0047】
また、以上の各実施形態においては、幕材を上側アーム11等で挟んで吊り支持する構成としたが、例えば開口部2の幅寸法が大きい場合には、幕材5の脱落をより確実に防止するために、幕材5の上端部に車輪やフック等の係止部材を装着して、それらを介して幕材5をスライド可能な状態で天井部から吊り支持する構成とすることも可能である。
【0048】
また、以上の各実施形態においては、各アーム11,12の断面形状を台形状あるいは矩形状としたが、本発明はこれに限られるものではなく、溝部4や下部ガイドレール22の形状等に応じて適宜に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る防火引き戸の第1の実施形態を示すもので、上段が平断面図、下段が上段の平断面図中の一点鎖線に沿った矢視断面図である。
【図2】図1の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図3】上部ガイド機構を示すもので、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)および(d)が平面図である。
【図4】図1の防火引き戸の上側アームが溝部に嵌入している状態を示す断面図である。
【図5】床面側のガイドレールを示す平面図である。
【図6】床面側のガイドレールを示す側面図である。
【図7】図1の防火引き戸の下側アームが床面側のガイドレールに嵌入している状態を示す断面図である。
【図8】図1の防火引き戸の変形例を示す平断面図である。
【図9】図8の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図10】本発明に係る防火引き戸の第2の実施形態を示すもので、上段が平断面図、下段が側面図である。
【図11】図10の防火引き戸の接合部を示す平面図である。
【図12】図10の防火引き戸の幕材上端がスリットに挿入されている状態を示す断面図である。
【図13】図10の防火引き戸の幕材下端がスリットに挿入されている状態を示す断面図である。
【図14】図10の防火引き戸の幕材上端がスリットに挿入されている状態を示す図で、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【図15】図10の防火引き戸の幕材下端がスリットに挿入されている状態を示す図で、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【図16】図10の防火引き戸の下側アームが床面側のガイドレールに嵌入している状態を示す断面図である。
【図17】多関節型のアームの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 防火引き戸
2 開口部
4 溝部
5 幕材
6 幕材巻取部
7 幕材支持枠
11 上側アーム
12 下側アーム
13 接合部
21 ガイドレール
32,33 スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の区画間に設置されて、該区画間の開口部を開閉する防火引き戸であって、
不燃性の幕材と、
上記幕材を巻き取るための幕材巻取部と、
上記幕材巻取部から上記幕材を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠とを備え、
上記幕材巻取部は、上記開口部周縁の側壁部に設けられる一方、
上記幕材支持枠は、その基端部が上記側壁部に固定されて、上記開口部の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、上記幕材巻取部から上記幕材を水平方向に繰り出して、上記幕材で上記開口部を閉塞するようになっていることを特徴とする防火引き戸。
【請求項2】
上記幕材支持枠は、上記開口部の上縁に沿って伸縮する上側アームと、上記開口部の下縁に沿って伸縮する下側アームと、上記上側アームの先端部と上記下側アームの先端部との間に架設された接合部とからなり、該接合部に上記幕材が固定または巻き掛けられていることを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項3】
上記開口部の上縁に溝部を形成し、その溝部内に、上記幕材支持枠を水平方向に案内するためのガイド部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の防火引き戸。
【請求項4】
上記上側アームが水平に伸びたときに、この上側アームと上記溝部との間に上記幕材の上端部が挟み込まれる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の防火引き戸。
【請求項5】
上記開口部の上縁と下縁にそれぞれスリットを形成し、それらスリットに、上記幕材の上端部と下端部がそれぞれ挿入される構成としたことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項6】
上記幕材支持枠の両面に上記幕材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項7】
上記幕材支持枠を伸長方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項8】
当該防火引き戸を両引き戸として使用する場合に、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの接合部の凹凸が互いに噛み合って密着するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の防火引き戸。
【請求項1】
建物内の区画間に設置されて、該区画間の開口部を開閉する防火引き戸であって、
不燃性の幕材と、
上記幕材を巻き取るための幕材巻取部と、
上記幕材巻取部から上記幕材を繰り出して支持するための折り畳み式の幕材支持枠とを備え、
上記幕材巻取部は、上記開口部周縁の側壁部に設けられる一方、
上記幕材支持枠は、その基端部が上記側壁部に固定されて、上記開口部の上縁および下縁に沿って水平方向に伸縮自在に構成され、その伸長動作により、上記幕材巻取部から上記幕材を水平方向に繰り出して、上記幕材で上記開口部を閉塞するようになっていることを特徴とする防火引き戸。
【請求項2】
上記幕材支持枠は、上記開口部の上縁に沿って伸縮する上側アームと、上記開口部の下縁に沿って伸縮する下側アームと、上記上側アームの先端部と上記下側アームの先端部との間に架設された接合部とからなり、該接合部に上記幕材が固定または巻き掛けられていることを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項3】
上記開口部の上縁に溝部を形成し、その溝部内に、上記幕材支持枠を水平方向に案内するためのガイド部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の防火引き戸。
【請求項4】
上記上側アームが水平に伸びたときに、この上側アームと上記溝部との間に上記幕材の上端部が挟み込まれる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の防火引き戸。
【請求項5】
上記開口部の上縁と下縁にそれぞれスリットを形成し、それらスリットに、上記幕材の上端部と下端部がそれぞれ挿入される構成としたことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項6】
上記幕材支持枠の両面に上記幕材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項7】
上記幕材支持枠を伸長方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の防火引き戸。
【請求項8】
当該防火引き戸を両引き戸として使用する場合に、双方の引き戸を閉じたときに、それぞれの接合部の凹凸が互いに噛み合って密着するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の防火引き戸。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−325655(P2007−325655A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157405(P2006−157405)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】
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