防災シェルター
【課題】寸法仕上がり精度の向上と、軽量化を図った安価な防災シェルターを提供する。
【解決手段】内部に就寝用品が設置され就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分17とその上部間をつなぐ上枠部分18および支柱部分17の底部間をつなぐ座枠部分27とにより上部が窄まった台形枠状に形成される。就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠16と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有する。主枠16は、出入口側の支柱部分17と上枠部分18とが曲げ部分を介する一体成形品とされ、奥側の支柱が上枠部分18の奥側の端部に斜めに一体連結される。前記防護枠体は、側面防護枠30と天面防護枠31との2つの枠体に分けて形成される。
【解決手段】内部に就寝用品が設置され就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分17とその上部間をつなぐ上枠部分18および支柱部分17の底部間をつなぐ座枠部分27とにより上部が窄まった台形枠状に形成される。就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠16と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有する。主枠16は、出入口側の支柱部分17と上枠部分18とが曲げ部分を介する一体成形品とされ、奥側の支柱が上枠部分18の奥側の端部に斜めに一体連結される。前記防護枠体は、側面防護枠30と天面防護枠31との2つの枠体に分けて形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地震に伴う家屋の倒壊などの危険から住民を防護することのできる防災シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
地震に伴う家屋の倒壊は圧死を招き、先の地震でも圧死した人の多いことが問題となった。その一方で、一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、警告を発するようになっても住民は確たる逃げ場所がないのが実状である。その対策として、ベッドなどの就寝用品の外部に設置されて就寝する者を倒壊から護ることのできる防災シェルター(防災ベッド枠や防災ベッドともいう)が各種提供されるようになってきた。
その具体的なものが本出願人が先に実施した図6ないし図9に示す防災シェルターである。
この防災シェルターは、内部にベッドである就寝用品1が設置され該就寝用品1上で就寝する人を地震時の家屋倒壊などから防護するための鉄骨枠組式のものである。
同防災シェルターは、2本のスチール丸パイプ製支柱部分3,3とその上部間をつなぐ同じくスチールパイプ製上枠部分4および支柱部分3,3の底部間をつなぐフラットバー製の底枠部分5とにより上部が窄まった台形(門形)枠状に形成されて就寝用品1の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠6,6を備える。
就寝用品1の一側に対応する開放状の出入口側(図6の矢印表示側)に対する奥側の面と前後一対の上枠部分4間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体8とを有する。尚、9は中段連結枠体である。
【0004】
ところで、前記主枠6は、図9に示すように、長い丸パイプをその2個所で折り曲げて一体枠形に成形して出来上がったものであったため、強度は高いが各主枠6…の仕上がり寸法が区々で、1組の防災シェルターを組み上げる時点で前後の主枠6,6の仕上がり寸法が異なるため、それに関連して溝形鋼製座片10…を介して組み付けられる前記防護枠体8がひねった状態で止め付けられるという問題もあった。この場合、防護枠体8の方も複数本の横桟11と縦材12とを格子状に組み合わせたものであるが、この防護枠体8が、側面逆L形に一体成形されたものであったため、それ自体の寸法仕上がりも区々で両主枠8,8にうまくマッチングしにくいままマウントされるという不都合さがあり、設置現場で修正などが要求されて設置に手間取る不都合があった。縦材12の一部には曲げ部材が複数本使用されていたため、これが高く付く要因ともなっていた。
また、同防護枠体8は側面と天面とが一体物であったため、非常に重量物となり、現場での主枠6に対するマウント作業が大変であった。
【0005】
また、この防護枠体8の内面には、防護面材10が添設されて外部からの倒壊物や飛散物などに対し就寝する人をそれらから護るようにされていたが、この面材10も逆L形に一体折り曲げ成形されたものが使用されていたため、それだけ高く付きしかも防護枠体8への組み付けも煩雑な作業が要求された。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、各部材の寸法仕上がり精度の向上が図れて現場での構築が適正で強度のあるものとしてなされるようにするとともに構成部材の過剰な重量化をなくし軽量化を図ることにより現場での設置作業が楽にしかも確実にこなせるようにした安価な防災シェルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とするので、各部材の寸法仕上がり精度の向上が図れて現場での構築が適正で強度のあるものとしてなされるようにするとともに構成部材の過剰な重量化をなくし軽量化を図ることにより現場での設置作業が楽にしかも確実にこなせるようにした安価な防災シェルターを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。また、各構成部材の材質は木材・金属・樹脂(発泡スチロールも含む)など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
図1ないし図5は、この発明に係る防災シェルターの1つの実施形態を示し、図1は平面図、図2は図1のF方向からみた正面図、図3は図1のR方向からみた背面図、図4は図2のS方向からみた右側面図(左側面図は対称に表れる)、図5は図4のA−A線拡大断面図である。
【0009】
これらの図において、15はベッドである就寝用品、16は前後一対の主枠を示す。
主枠16は、支柱部分17と上枠部分18とを1個所の曲げ部分19を介して一体成形した前上部材20と背面部材21とを備える。これらの部材20,21は図5に断面形状を示すように全てスチールの丸パイプ製で前上部材20と背面支柱21とは別体物で斜めに溶接接合してなる。前上部材20の上枠部材18上には溝形鋼でなる上座枠22が溶接で一体固着されるとともにこの上座枠22の適所には図5の右欄に取り出して示すようにボルト23…が植込式に複数本突設されている。背面支柱21の上端と中段にも背座枠24が溶接にて取り付けられるとともにそれぞれからボルト23が複数本突設されている。
【0010】
図4に示すように、上座枠22と上側の背座枠24とは溶接で一体化されている。また、前上部材20の支柱部分17と背面支柱21の中間よりやや下の高さには中段連結枠体26が楕円パイプで一体連結されている。この楕円パイプはその長径方向が上下を向いている。27は座枠部分で、主枠16の底を連結する部材としてフラットバーで作られている。
【0011】
こうした主枠16の一対は、図1ないし図3のように就寝用品15の前後に対応するように対向配置されてその間をつなぐ防護枠体により全体が構築されて図1および図4の矢印側が正面出入口側とされそれに対する側が奥側とされる。
防護枠体は、従来では逆L形の一体ものとされていたが、この実施形態では、側面防護枠30と天面防護枠31との2つの枠体に分けて形成されている。
側面防護枠30は、上下の横桟33と複数本(3本)の縦材34および左右両端部の端材35で一体枠組みされているとともに、その内面には背面防護面材36が脱着自在に張り付けられている。図1ないし3における37は背面防護面材36の面止着具である。横桟33および縦材34はスチール製四角パイプでなり端材35はアングル材でなる。左右一対の端材35には上下端部にて適数個の孔が開けられ、上下の前記背座枠24に端材35が当てがわれて枠止着具37により脱着自在に取り付けられている。
【0012】
天面防護枠31も一対の横桟40とその間をつなぐ複数本(3本)の縦材41および左右端部の端材42で枠組みされているとともに、その内面には天面防護面材43が脱着自在に張り付けられている。図1ないし3における44は天面防護面材43の面止着具である。横桟40および縦材41はスチール製四角パイプでなり端材42はアングル材でなる。左右一対の端材42には上下端部にて適数個の孔が開けられ、上座枠22に端材42が当てがわれて枠止着具45により脱着自在に取り付けられている。
【0013】
前記実施形態のように、主枠16は、強度が高く寸法仕上がり精度も良い1個所折曲式の前上部材20と寸法精度が常に高く得られる直線状の背面支柱21とを溶接して形成したしたので、常に寸法精度が一定の枠体を形成することができる。そのことから、防護枠体である2つの防護枠30,31を取り付けるにもひねったりすることなく精度良く取り付けることが可能になった。しかも、防護枠体が側面30と天面31の2つの平坦でシンプルな防護枠により構成されているので、前記主枠16に取り付けるにも常に適正な関係で取り付けることができるようになった。
【0014】
また、防護枠体が側面30と天面31の2つの防護枠により構成されているので、マウントするにも軽量で楽に取り付けることができるようになった。防護枠体が側面30と天面31の2つの平坦でシンプルな防護枠により構成されているので、製作するにも安価に済むものとなった。
さらに、2つの防護枠30,31の内面に設けられる防護面材36,43も個別の平坦でシンプルなものとなり、そのことが製作を簡略化しコストダウンに寄与するものとなった。
また、防護枠体が側面30と天面31に分けて構成されていると、例えば、倒壊などにより破損しても個別に補修や取替えができるようになった。
【0015】
尚、図5に示すように、上座枠22(あるいは背座枠24)にはアングル型の補強片47を設けて天面(あるいは側面)防護枠30,31を止め付けることでより強固に固定するようにしてもよい。
【0016】
図10および図11は他の実施形態を示す。一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになってきた。ところが警告があっても有効な避難場所がないのが実情である。また、近年では地球温暖化のため異常気象が発生し落雷や突風、竜巻などに因る恐怖や実被害が頻発している。
同実施形態は、そうした問題を解決するための防災シェルターを提供しようとするものである。
【0017】
同防災シェルターは、床面50の上に設けられた台座51と上部の天面材52との間に4本の強度のある支柱53…を組み付けたもので、これらの支柱53…間に避難空間が形成されている。
台座51は平面四角な板材でなり、その底面には緩衝材54が両面粘着式として付設され防災シェルターが床面50に安定に固定されるようになっている。
【0018】
天面材52も平面四角な金属あるいは木質、樹脂などの板材で枠状の形成されている。その上面内部に緩衝材(段ボール・新聞紙・ペットボトル・気泡シート・気泡ボード・既裁断紙片・座布団・布団など)55…を択一的あるいは組み合わせにより付設することもできる。この緩衝材の付設は他の実施形態においても適用できる。前記天面材52は衝撃負荷に応じてそのエネルギーを変形により吸収するクラッシャー部として機能するように構成することもできる。
【0019】
支柱53は、土木のEPS工法(盛土工法)で用いられる高密度で超軽量・耐圧縮性(1m2当たり約30トンに耐える)・耐水性等に優れる発泡スチロールブロックを本体56とするもので、外装材57で覆設したものでなっている。本体56は、45cm□で高さ180cmの四角柱状の単体ブロックが使用され、本体56の4本分を合計すると、約148トンの負荷に耐えるものである。天面材52の底板部分は、衝撃があってもそれを分散して面に均等に作用吸収する役目も持っている。尚、緩衝材55は、天面材52なしに直接支柱53上に設置することがある。例えば、面板状の緩衝材55については直接設置できる。また、外装材57は、例えば、合板のようにそれ自体で枠体を形成して負荷に耐える構成のものにしてもよい。
【0020】
4本の本体56は、芯パイプ59とそれに捻じ込まれる止着具60とにより天面材52と台座51との間に締め付け固定されている。この本体56は、図11の左側部分に示すように、高さHの単一本もの以外にその1/2H高さのもの複数本、あるいは1/4H高さのもの複数本など組み合わせは自由にできるものである。勿論、同じ高さのブロックを組み合わせる以外に、1/2Hのもの1個と1/4Hの複数個、あるいは3/4Hのものと1/4Hのものを組み合わせたり、高さの異なるもので構成することは自由である。
また、本体56は丸柱形や楕円柱形、三角柱など他の幾何学形状のものでもよい。
【0021】
さらに、図11の右欄に取り出して示すように、支柱53,53の下部間には、収納を兼ねた避難椅子61を設けることもできる。この避難椅子61は発泡スチロールブロック製とし、それを挟む支柱53,53と共締めして強度の向上を図ることもできる。
上部間にも収納部62を設けることができ、この収納部62は、収納機能をもたせるか否かは別として支柱53,53と共締めすることができる。同収納部62は上方からの倒壊時の防護機能を同時に果たす。
【0023】
また、近年の異常気象で発生する落雷に際しては防災シェルターはその中に避難しておけば実被害を受けることは完全に回避されるが、落雷音それ自体に恐怖感を抱く人も多々あり、そうした人のために、防災シェルター全体を例えば、合板やアルミなどの金属板さらに発泡スチロール板などの樹脂板で囲んで(出入可能)気密状に形成することができる。その一方で、ここでは、防災シェルターは図10のように開放型とし、あるいは前記気密型とし、避難椅子61や収納部62あるいは専用の吊り掛け具63などを利用して、ヘッドホーンや耳栓などの遮音手段64およびアイマスク65などを常備しておき、落雷を感じた時点でこの避難空間に入り遮音手段61などを利用して落雷の恐怖から逃れるようにすることができる。このことは他の実施形態でも適用することができる。
なお、この避難空間には万一の事態を考慮して消火器を装備しておくこともできる。また、前記実施形態では、地震と落雷の双方を考慮した防災シェルターとしたが、落雷対策のみを考慮した避難シェルターとしてもよい。この場合、図10に仮想線で示すように、板状発泡スチロール(一般品質のものでもよい)で部屋を形成しただけのものにしてもよい。
【0024】
また、図10の右上欄に示すように、締め付け手段67…を円柱形の支柱53…の外部を通した防災シェルターとして強度の高いものにしてもよい。さらに、右下欄に示すように、三角柱状の支柱53…としてその外部に締め付け手段67…を通すようにしてもよい。
さらに、図10の右上欄の68はセンター支柱で、このように中央に単一本からなる支柱68を天・底間に設けて回りを避難空間とすることもできる。この場合、細い支柱53…を外周に配備したりあるいは締め付け手段67…を組み合わせたりする。支柱68は円柱や角柱にすることができる。円柱あるいは角柱状のやや細い支柱68の複数本、例えば、4本を仮想線の丸円の中央に寄せ合わせて1本化したセンター支柱としてもよい。
【0025】
図12ないし図14は他の実施形態を示す。同実施形態は、台座70と天面材71との間にEPS支柱72…を配置して締め付け具73の捻じ込みによりこれらを一体化することにより矢印のように地震時に避難可能としたもので、特に、避難空間内には、支柱72間に対応して椅子74を複数設置するとともにそれらをスペーサとして図示の横締め付け手段75を通して縦横方向に共締めするようにしたものである。図14に示す上方の収納部76は前記遮音手段やアイマスクなどを入れておくためのものである。77は遮蔽板である。
また図13左欄は単一本の本体78と外装材79、右欄は複数本の本体78…と外装材79の構成例を示す。図14の80は底緩衝材である。
【0026】
図15は台座82・天面材83・EPS支柱84・避難椅子85・外部カバー86などを装備した防災シェルターであって、その支柱84上部間に右欄に示す凹欠部87付き天ブロック88を交差状に取り付けて上方ガードを構成したものである。防災シェルターの全体は前記実施形態で示す各種締め付け手段を採用することができる。同防災シェルターは、2方向を通じて避難することができる。3方向あるいは全方向からの避難も自由にできる。
【0027】
図16および図17は他の実施形態を示し、台座91・天面材92・支柱93で構成され、支柱93を三角形として避難通路を斜め方向に向けた防災シェルターであって、互いの支柱93を曲げパイプ94によりつないで同パイプ94が上方からのガードを兼ねるようにしたものである。隣合うパイプ94同士は、板状の引き止め具95によりつないで支柱93の破損や支柱93相互の開きなどを防止している。
尚、図10ないし図17に示す防災シェルターは、床下地盤への固定も可能とする。
【0028】
図18および図19は他の実施形態を示す。都市部では歩道は舗装されたりして豪雨を吸収できない状態になっており、その結果、急斜面などの条件下で記録的大雨が降ると河川98に鉄砲水が発生して人が流されたり被害が発生する。
【0029】
この実施形態では、上下の橋間に避難橋を兼ねた梁99を渡架し、河床100にアンカー101を設けて同アンカー101から下流側にある梁99に向けて斜め上がりに避難ネット102を張設して緊急時に同ネット102をよじ登れば梁99を介して安全かつ早急に避難できるようにしたものである。
尚、同ネット102は、図18のように河川の一側寄りに配備して水の流れを脇に流すようにし、したがって、ネット102を複数配備する場合は、図のように蛇行を許すように左右に交互に偏寄させて配置するものとする。アンカー101の個所には、水の流れを側脇斜め方向に回避させるガイド板を備えてもよい。103は警報器である。
【0030】
図20の実施形態は、鉄砲水から避難させ得るだけでなく避難ネット106の面に滞留付着する各種の塵芥類を水の流れを利用して除去し常時きれいで避難が安全に行えるようにしたもので、ネット106の上端は、梁107に設置の駆動ドラム108に巻き取られた左右一対の巻上ロープ109に結ばれており、ドラム108を回転させてロープ109を仮想線のように繰り出して河床に弛ませ流すようにすることにより付着した塵芥類を水とともに流し去りロープ109の個所にはそれらが引っ掛からずに下流側へ流れるようにしたものである。清掃を終えたネット106はドラム108の駆動によりロープ109を巻き上げていつでも避難体制にしておくことができる。ドラム108は手動ウインチ式にすれば非常時にも有効に作動する。手動と電動とを必要に応じて適宜に切り替え得る方式としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明の一実施形態を示す平面図。
【図2】 図1のF方向からの矢視図。
【図3】 図1のR方向からの矢視図。
【図4】 図2のS方向からの矢視図。
【図5】 図4のA−A線拡大断面図。
【図6】 従来の防災シェルターの一例を示す平面図。
【図7】 図6のF方向からの矢視図。
【図8】 図6のR方向からの矢視図。
【図9】 図7のS方向からの矢視図。
【図10】 他の実施形態を示す図11のC−C線断面図。
【図11】 図10の防災シェルターの縦半断面図。
【図12】 他の実施形態を示す斜視図。
【図13】 図12の横断面図。
【図14】 図13の縦断面図。
【図15】 他の実施形態を示す分解斜視図。
【図16】 他の実施形態を示す図17の平面図。
【図17】 図17の防災シェルターの正面図。
【図18】 他の提案例を示す平面図。
【図19】 図18の側断面図。
【図20】 図19の要部拡大説明図。
【図21】 他の提案例を示す側断面図。
【符号の説明】
【0032】
15…就寝用品 16…主枠 17…支柱部分 18…上枠部分 19…曲げ部分 20…前上部材 21…背面支柱 27…座枠部分 30…側面防護枠 31…天面防護枠。
【技術分野】
【0001】
この発明は、地震に伴う家屋の倒壊などの危険から住民を防護することのできる防災シェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
地震に伴う家屋の倒壊は圧死を招き、先の地震でも圧死した人の多いことが問題となった。その一方で、一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、警告を発するようになっても住民は確たる逃げ場所がないのが実状である。その対策として、ベッドなどの就寝用品の外部に設置されて就寝する者を倒壊から護ることのできる防災シェルター(防災ベッド枠や防災ベッドともいう)が各種提供されるようになってきた。
その具体的なものが本出願人が先に実施した図6ないし図9に示す防災シェルターである。
この防災シェルターは、内部にベッドである就寝用品1が設置され該就寝用品1上で就寝する人を地震時の家屋倒壊などから防護するための鉄骨枠組式のものである。
同防災シェルターは、2本のスチール丸パイプ製支柱部分3,3とその上部間をつなぐ同じくスチールパイプ製上枠部分4および支柱部分3,3の底部間をつなぐフラットバー製の底枠部分5とにより上部が窄まった台形(門形)枠状に形成されて就寝用品1の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠6,6を備える。
就寝用品1の一側に対応する開放状の出入口側(図6の矢印表示側)に対する奥側の面と前後一対の上枠部分4間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体8とを有する。尚、9は中段連結枠体である。
【0004】
ところで、前記主枠6は、図9に示すように、長い丸パイプをその2個所で折り曲げて一体枠形に成形して出来上がったものであったため、強度は高いが各主枠6…の仕上がり寸法が区々で、1組の防災シェルターを組み上げる時点で前後の主枠6,6の仕上がり寸法が異なるため、それに関連して溝形鋼製座片10…を介して組み付けられる前記防護枠体8がひねった状態で止め付けられるという問題もあった。この場合、防護枠体8の方も複数本の横桟11と縦材12とを格子状に組み合わせたものであるが、この防護枠体8が、側面逆L形に一体成形されたものであったため、それ自体の寸法仕上がりも区々で両主枠8,8にうまくマッチングしにくいままマウントされるという不都合さがあり、設置現場で修正などが要求されて設置に手間取る不都合があった。縦材12の一部には曲げ部材が複数本使用されていたため、これが高く付く要因ともなっていた。
また、同防護枠体8は側面と天面とが一体物であったため、非常に重量物となり、現場での主枠6に対するマウント作業が大変であった。
【0005】
また、この防護枠体8の内面には、防護面材10が添設されて外部からの倒壊物や飛散物などに対し就寝する人をそれらから護るようにされていたが、この面材10も逆L形に一体折り曲げ成形されたものが使用されていたため、それだけ高く付きしかも防護枠体8への組み付けも煩雑な作業が要求された。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、各部材の寸法仕上がり精度の向上が図れて現場での構築が適正で強度のあるものとしてなされるようにするとともに構成部材の過剰な重量化をなくし軽量化を図ることにより現場での設置作業が楽にしかも確実にこなせるようにした安価な防災シェルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とするので、各部材の寸法仕上がり精度の向上が図れて現場での構築が適正で強度のあるものとしてなされるようにするとともに構成部材の過剰な重量化をなくし軽量化を図ることにより現場での設置作業が楽にしかも確実にこなせるようにした安価な防災シェルターを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の一実施形態を図面にしたがって説明するが、ここで説明する各実施形態に含まれる個々の提案例は他の実施形態にも適用されるものとする。また、各構成部材の材質は木材・金属・樹脂(発泡スチロールも含む)など現存するすべてのものを利用し得るものとする。
図1ないし図5は、この発明に係る防災シェルターの1つの実施形態を示し、図1は平面図、図2は図1のF方向からみた正面図、図3は図1のR方向からみた背面図、図4は図2のS方向からみた右側面図(左側面図は対称に表れる)、図5は図4のA−A線拡大断面図である。
【0009】
これらの図において、15はベッドである就寝用品、16は前後一対の主枠を示す。
主枠16は、支柱部分17と上枠部分18とを1個所の曲げ部分19を介して一体成形した前上部材20と背面部材21とを備える。これらの部材20,21は図5に断面形状を示すように全てスチールの丸パイプ製で前上部材20と背面支柱21とは別体物で斜めに溶接接合してなる。前上部材20の上枠部材18上には溝形鋼でなる上座枠22が溶接で一体固着されるとともにこの上座枠22の適所には図5の右欄に取り出して示すようにボルト23…が植込式に複数本突設されている。背面支柱21の上端と中段にも背座枠24が溶接にて取り付けられるとともにそれぞれからボルト23が複数本突設されている。
【0010】
図4に示すように、上座枠22と上側の背座枠24とは溶接で一体化されている。また、前上部材20の支柱部分17と背面支柱21の中間よりやや下の高さには中段連結枠体26が楕円パイプで一体連結されている。この楕円パイプはその長径方向が上下を向いている。27は座枠部分で、主枠16の底を連結する部材としてフラットバーで作られている。
【0011】
こうした主枠16の一対は、図1ないし図3のように就寝用品15の前後に対応するように対向配置されてその間をつなぐ防護枠体により全体が構築されて図1および図4の矢印側が正面出入口側とされそれに対する側が奥側とされる。
防護枠体は、従来では逆L形の一体ものとされていたが、この実施形態では、側面防護枠30と天面防護枠31との2つの枠体に分けて形成されている。
側面防護枠30は、上下の横桟33と複数本(3本)の縦材34および左右両端部の端材35で一体枠組みされているとともに、その内面には背面防護面材36が脱着自在に張り付けられている。図1ないし3における37は背面防護面材36の面止着具である。横桟33および縦材34はスチール製四角パイプでなり端材35はアングル材でなる。左右一対の端材35には上下端部にて適数個の孔が開けられ、上下の前記背座枠24に端材35が当てがわれて枠止着具37により脱着自在に取り付けられている。
【0012】
天面防護枠31も一対の横桟40とその間をつなぐ複数本(3本)の縦材41および左右端部の端材42で枠組みされているとともに、その内面には天面防護面材43が脱着自在に張り付けられている。図1ないし3における44は天面防護面材43の面止着具である。横桟40および縦材41はスチール製四角パイプでなり端材42はアングル材でなる。左右一対の端材42には上下端部にて適数個の孔が開けられ、上座枠22に端材42が当てがわれて枠止着具45により脱着自在に取り付けられている。
【0013】
前記実施形態のように、主枠16は、強度が高く寸法仕上がり精度も良い1個所折曲式の前上部材20と寸法精度が常に高く得られる直線状の背面支柱21とを溶接して形成したしたので、常に寸法精度が一定の枠体を形成することができる。そのことから、防護枠体である2つの防護枠30,31を取り付けるにもひねったりすることなく精度良く取り付けることが可能になった。しかも、防護枠体が側面30と天面31の2つの平坦でシンプルな防護枠により構成されているので、前記主枠16に取り付けるにも常に適正な関係で取り付けることができるようになった。
【0014】
また、防護枠体が側面30と天面31の2つの防護枠により構成されているので、マウントするにも軽量で楽に取り付けることができるようになった。防護枠体が側面30と天面31の2つの平坦でシンプルな防護枠により構成されているので、製作するにも安価に済むものとなった。
さらに、2つの防護枠30,31の内面に設けられる防護面材36,43も個別の平坦でシンプルなものとなり、そのことが製作を簡略化しコストダウンに寄与するものとなった。
また、防護枠体が側面30と天面31に分けて構成されていると、例えば、倒壊などにより破損しても個別に補修や取替えができるようになった。
【0015】
尚、図5に示すように、上座枠22(あるいは背座枠24)にはアングル型の補強片47を設けて天面(あるいは側面)防護枠30,31を止め付けることでより強固に固定するようにしてもよい。
【0016】
図10および図11は他の実施形態を示す。一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになってきた。ところが警告があっても有効な避難場所がないのが実情である。また、近年では地球温暖化のため異常気象が発生し落雷や突風、竜巻などに因る恐怖や実被害が頻発している。
同実施形態は、そうした問題を解決するための防災シェルターを提供しようとするものである。
【0017】
同防災シェルターは、床面50の上に設けられた台座51と上部の天面材52との間に4本の強度のある支柱53…を組み付けたもので、これらの支柱53…間に避難空間が形成されている。
台座51は平面四角な板材でなり、その底面には緩衝材54が両面粘着式として付設され防災シェルターが床面50に安定に固定されるようになっている。
【0018】
天面材52も平面四角な金属あるいは木質、樹脂などの板材で枠状の形成されている。その上面内部に緩衝材(段ボール・新聞紙・ペットボトル・気泡シート・気泡ボード・既裁断紙片・座布団・布団など)55…を択一的あるいは組み合わせにより付設することもできる。この緩衝材の付設は他の実施形態においても適用できる。前記天面材52は衝撃負荷に応じてそのエネルギーを変形により吸収するクラッシャー部として機能するように構成することもできる。
【0019】
支柱53は、土木のEPS工法(盛土工法)で用いられる高密度で超軽量・耐圧縮性(1m2当たり約30トンに耐える)・耐水性等に優れる発泡スチロールブロックを本体56とするもので、外装材57で覆設したものでなっている。本体56は、45cm□で高さ180cmの四角柱状の単体ブロックが使用され、本体56の4本分を合計すると、約148トンの負荷に耐えるものである。天面材52の底板部分は、衝撃があってもそれを分散して面に均等に作用吸収する役目も持っている。尚、緩衝材55は、天面材52なしに直接支柱53上に設置することがある。例えば、面板状の緩衝材55については直接設置できる。また、外装材57は、例えば、合板のようにそれ自体で枠体を形成して負荷に耐える構成のものにしてもよい。
【0020】
4本の本体56は、芯パイプ59とそれに捻じ込まれる止着具60とにより天面材52と台座51との間に締め付け固定されている。この本体56は、図11の左側部分に示すように、高さHの単一本もの以外にその1/2H高さのもの複数本、あるいは1/4H高さのもの複数本など組み合わせは自由にできるものである。勿論、同じ高さのブロックを組み合わせる以外に、1/2Hのもの1個と1/4Hの複数個、あるいは3/4Hのものと1/4Hのものを組み合わせたり、高さの異なるもので構成することは自由である。
また、本体56は丸柱形や楕円柱形、三角柱など他の幾何学形状のものでもよい。
【0021】
さらに、図11の右欄に取り出して示すように、支柱53,53の下部間には、収納を兼ねた避難椅子61を設けることもできる。この避難椅子61は発泡スチロールブロック製とし、それを挟む支柱53,53と共締めして強度の向上を図ることもできる。
上部間にも収納部62を設けることができ、この収納部62は、収納機能をもたせるか否かは別として支柱53,53と共締めすることができる。同収納部62は上方からの倒壊時の防護機能を同時に果たす。
【0023】
また、近年の異常気象で発生する落雷に際しては防災シェルターはその中に避難しておけば実被害を受けることは完全に回避されるが、落雷音それ自体に恐怖感を抱く人も多々あり、そうした人のために、防災シェルター全体を例えば、合板やアルミなどの金属板さらに発泡スチロール板などの樹脂板で囲んで(出入可能)気密状に形成することができる。その一方で、ここでは、防災シェルターは図10のように開放型とし、あるいは前記気密型とし、避難椅子61や収納部62あるいは専用の吊り掛け具63などを利用して、ヘッドホーンや耳栓などの遮音手段64およびアイマスク65などを常備しておき、落雷を感じた時点でこの避難空間に入り遮音手段61などを利用して落雷の恐怖から逃れるようにすることができる。このことは他の実施形態でも適用することができる。
なお、この避難空間には万一の事態を考慮して消火器を装備しておくこともできる。また、前記実施形態では、地震と落雷の双方を考慮した防災シェルターとしたが、落雷対策のみを考慮した避難シェルターとしてもよい。この場合、図10に仮想線で示すように、板状発泡スチロール(一般品質のものでもよい)で部屋を形成しただけのものにしてもよい。
【0024】
また、図10の右上欄に示すように、締め付け手段67…を円柱形の支柱53…の外部を通した防災シェルターとして強度の高いものにしてもよい。さらに、右下欄に示すように、三角柱状の支柱53…としてその外部に締め付け手段67…を通すようにしてもよい。
さらに、図10の右上欄の68はセンター支柱で、このように中央に単一本からなる支柱68を天・底間に設けて回りを避難空間とすることもできる。この場合、細い支柱53…を外周に配備したりあるいは締め付け手段67…を組み合わせたりする。支柱68は円柱や角柱にすることができる。円柱あるいは角柱状のやや細い支柱68の複数本、例えば、4本を仮想線の丸円の中央に寄せ合わせて1本化したセンター支柱としてもよい。
【0025】
図12ないし図14は他の実施形態を示す。同実施形態は、台座70と天面材71との間にEPS支柱72…を配置して締め付け具73の捻じ込みによりこれらを一体化することにより矢印のように地震時に避難可能としたもので、特に、避難空間内には、支柱72間に対応して椅子74を複数設置するとともにそれらをスペーサとして図示の横締め付け手段75を通して縦横方向に共締めするようにしたものである。図14に示す上方の収納部76は前記遮音手段やアイマスクなどを入れておくためのものである。77は遮蔽板である。
また図13左欄は単一本の本体78と外装材79、右欄は複数本の本体78…と外装材79の構成例を示す。図14の80は底緩衝材である。
【0026】
図15は台座82・天面材83・EPS支柱84・避難椅子85・外部カバー86などを装備した防災シェルターであって、その支柱84上部間に右欄に示す凹欠部87付き天ブロック88を交差状に取り付けて上方ガードを構成したものである。防災シェルターの全体は前記実施形態で示す各種締め付け手段を採用することができる。同防災シェルターは、2方向を通じて避難することができる。3方向あるいは全方向からの避難も自由にできる。
【0027】
図16および図17は他の実施形態を示し、台座91・天面材92・支柱93で構成され、支柱93を三角形として避難通路を斜め方向に向けた防災シェルターであって、互いの支柱93を曲げパイプ94によりつないで同パイプ94が上方からのガードを兼ねるようにしたものである。隣合うパイプ94同士は、板状の引き止め具95によりつないで支柱93の破損や支柱93相互の開きなどを防止している。
尚、図10ないし図17に示す防災シェルターは、床下地盤への固定も可能とする。
【0028】
図18および図19は他の実施形態を示す。都市部では歩道は舗装されたりして豪雨を吸収できない状態になっており、その結果、急斜面などの条件下で記録的大雨が降ると河川98に鉄砲水が発生して人が流されたり被害が発生する。
【0029】
この実施形態では、上下の橋間に避難橋を兼ねた梁99を渡架し、河床100にアンカー101を設けて同アンカー101から下流側にある梁99に向けて斜め上がりに避難ネット102を張設して緊急時に同ネット102をよじ登れば梁99を介して安全かつ早急に避難できるようにしたものである。
尚、同ネット102は、図18のように河川の一側寄りに配備して水の流れを脇に流すようにし、したがって、ネット102を複数配備する場合は、図のように蛇行を許すように左右に交互に偏寄させて配置するものとする。アンカー101の個所には、水の流れを側脇斜め方向に回避させるガイド板を備えてもよい。103は警報器である。
【0030】
図20の実施形態は、鉄砲水から避難させ得るだけでなく避難ネット106の面に滞留付着する各種の塵芥類を水の流れを利用して除去し常時きれいで避難が安全に行えるようにしたもので、ネット106の上端は、梁107に設置の駆動ドラム108に巻き取られた左右一対の巻上ロープ109に結ばれており、ドラム108を回転させてロープ109を仮想線のように繰り出して河床に弛ませ流すようにすることにより付着した塵芥類を水とともに流し去りロープ109の個所にはそれらが引っ掛からずに下流側へ流れるようにしたものである。清掃を終えたネット106はドラム108の駆動によりロープ109を巻き上げていつでも避難体制にしておくことができる。ドラム108は手動ウインチ式にすれば非常時にも有効に作動する。手動と電動とを必要に応じて適宜に切り替え得る方式としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明の一実施形態を示す平面図。
【図2】 図1のF方向からの矢視図。
【図3】 図1のR方向からの矢視図。
【図4】 図2のS方向からの矢視図。
【図5】 図4のA−A線拡大断面図。
【図6】 従来の防災シェルターの一例を示す平面図。
【図7】 図6のF方向からの矢視図。
【図8】 図6のR方向からの矢視図。
【図9】 図7のS方向からの矢視図。
【図10】 他の実施形態を示す図11のC−C線断面図。
【図11】 図10の防災シェルターの縦半断面図。
【図12】 他の実施形態を示す斜視図。
【図13】 図12の横断面図。
【図14】 図13の縦断面図。
【図15】 他の実施形態を示す分解斜視図。
【図16】 他の実施形態を示す図17の平面図。
【図17】 図17の防災シェルターの正面図。
【図18】 他の提案例を示す平面図。
【図19】 図18の側断面図。
【図20】 図19の要部拡大説明図。
【図21】 他の提案例を示す側断面図。
【符号の説明】
【0032】
15…就寝用品 16…主枠 17…支柱部分 18…上枠部分 19…曲げ部分 20…前上部材 21…背面支柱 27…座枠部分 30…側面防護枠 31…天面防護枠。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とする防災シェルター。
【請求項1】
内部に就寝用品が設置され該就寝用品上で就寝する人を地震時の家屋倒壊から防護するための鉄骨枠組式の防災シェルターで、2本の支柱部分とその上部間をつなぐ上枠部分および支柱部分の底部間をつなぐ底枠部分とにより上部が窄まった台形枠状に形成されて就寝用品の長手方向前後に対向状に立設配置される一対の主枠と、就寝用品の一側に対応する開放状の出入口側に対する奥側の面と前後一対の上枠部分間をつなぐ天面とに渡架される防護枠体とを有するものであり、前記主枠は、出入口側の支柱部分と上枠部分とが曲げ部分を介する一体成形品とされるとともに残る奥側の支柱が直線パイプの別体もので前記上枠部分の奥側の端部に斜めに交差する状態で一体連結され、前記防護枠体は、側面防護枠と天面防護枠との2つの枠体に分けて形成されて、側面防護枠は、前記直線パイプでなる支柱の前後間をこれら支柱に平行に添うものとして取り付けられ、天面防護枠は、前後一対の上枠部分間をこれら上枠部分に平行に添うものとして取り付けられていることを特徴とする防災シェルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−43506(P2010−43506A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229058(P2008−229058)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名:株式会社 リフォーム産業新聞社 刊行物名:リフォーム産業新聞 発行年月日:平成20年5月27日
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名:株式会社 リフォーム産業新聞社 刊行物名:リフォーム産業新聞 発行年月日:平成20年5月27日
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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