説明

防災機能付き電気機器及び電気設備防災システム

【課題】 地震発生時に、少なくとも、火災継続を抑制する。
【解決手段】 地震発生時に、絶縁油が封入された油入変圧器本体26が損傷して絶縁油が漏洩したとしても、油抜取り部27が、油入変圧器本体26の下部から、可燃物である絶縁油を抜き取り、漏洩による絶縁油の燃焼又はその継続を抑制する。これにより、少なくとも、引火による火災の継続を抑制することができる。また、所定の震度(例えば、震度7)以上で、油固化剤投入部28が、油固化剤を投入して、抜き取られた絶縁油を固化させる。これにより、例えば、防油堤21に亀裂が生じたとしても、排水側溝23を介した構外への絶縁油の流出や地下への浸透を防止し、汚染の広がりを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地震発生時に、少なくとも火災の発生又はその継続を抑制するための防災機能を有する防災機能付き電気機器及び電気設備防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、発電所や変電所等の電気設備に、油入変圧器が配置されている場合には、地震が発生すると、油入変圧器(の油入容器)が損傷し絶縁油が漏洩する可能性がある。このとき、火花が発生して絶縁油に引火すると、火災に至ってしまう虞がある。火災となった場合は、速やかに油入変圧器の電源系統からの切り離しを行い、消火栓を用いて冷却散水処理を実施することとなる。
【0003】
しかしながら、地震によって、例えば、消火栓の配管が損傷してしまうと、消火活動に支障が出る。消火活動において、地震に伴う消火設備の損傷による消火活動の支障は想定されておらず、このため、一旦、地震で消火設備が損傷すると、火災が長時間継続してしまうことがある。さらに、地震発生時には、消防署でも、多発的な火災への対応に追われるため、火災現場への到着が遅れて、鎮火が遅れてしまうという可能性が高まる。
【0004】
このため、例えば、油入容器内に急激な圧力変動があった場合に、油入容器の上部に配置された放圧管から絶縁油を外部へ排出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−150856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、上部から絶縁油が排出されるが、油入容器内が減圧されれば油入容器内部には、絶縁油は残存したままであるので、油入容器に損傷があれば、漏洩してしまい、絶縁油に引火して、火災に至ってしまう可能性が高まる。
【0007】
この発明は、前記の課題を解決し、地震発生時に、少なくとも、火災継続を抑制することができる防災機能付き電気機器、及び電気設備防災システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、地震発生時に、少なくとも絶縁油の漏れによる火災の発生又はその継続を抑制するための防災機能を有する防災機能付き電気機器であって、絶縁油が封入された油入電気機器本体と、地震の発生に基づいて前記油入電気機器本体から前記絶縁油を抜き取り、漏洩による前記絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するための油抜取り手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明では、油抜取り手段が、絶縁油が封入された油入電気機器本体から絶縁油を抜き取り、漏洩による絶縁油の燃焼又はその継続を抑制する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の防災機能付き電気機器であって、抜き取られた前記絶縁油を固化させる油固化剤を投入するための油固化剤投入手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、地震発生時に、少なくとも絶縁油の漏れによる火災の発生又はその継続を抑制するための防災機能を有する防災機能付き電気機器、及び少なくとも前記絶縁油の燃焼の検知情報を含む災害検知情報を生成する検知情報生成手段と、前記防災機能付き電気機器を監視制御するための監視制御装置とがネットワークを介して接続可能とされた電気設備防災システムであって、前記防災機能付き電気機器は、絶縁油が封入された油入電気機器本体と、前記油入電気機器本体から前記絶縁油を抜き取り、漏洩した前記絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するための油抜取り手段とを備え、前記監視制御装置は、前記防災機能付き電気機器を操作するための操作制御手段と、前記ネットワークを介して取得された前記災害検知情報を表示手段に表示させるための表示制御手段とを備え、前記操作制御手段は、操作制御信号を前記ネットワークを介して前記防災機能付き電気機器へ送って、前記油抜取り手段の起動又は停止を行わせることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、地震発生時に、絶縁油が封入された油入電気機器本体が損傷して絶縁油が漏洩したとしても、油抜取り手段が、油入電気機器本体から絶縁油を抜き取り、漏洩による絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するので、少なくとも、引火による火災の継続を抑制することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、油固化剤投入手段が、油固化剤を投入して、抜き取られた絶縁油を固化させるので、外部への絶縁油の流出を防止し、汚染を防止することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、操作制御手段は、操作制御信号をネットワークを介して防災機能付き電気機器へ送って、防災機能付き電気機器を操作するので、必ずしも現場で操作する必要がないため、地震発生時でも、確実にかつ安全に防災機能付き電気機器を操作制御し、油抜取り手段の起動又は停止を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施の形態に係る電気設備監視制御システムの構成を説明するための説明図である。
【図2】同電気設備監視制御システムの中央監視制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同電気設備監視制御システムの監視制御端末装置及び防災機能付き変圧器を含む変電所の構成を示す図である。
【図4】同防災機能付き変圧器の構成を説明するための説明図である。
【図5】同電気設備監視制御システムを用いた災害時の対応方法を説明するための処理手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施の形態に係る電気設備監視制御システムの構成を説明するための説明図、図2は、同電気設備監視制御システムの中央監視制御装置の構成を示すブロック図、図3は、同電気設備監視制御システムの監視制御端末装置及び防災機能付き変圧器を含む変電所の構成を示す図、図4は、同防災機能付き変圧器の構成を説明するための説明図、図5は、同電気設備監視制御システムを用いた災害時の対応方法を説明するための処理手順図である。
【0018】
図1に示すように、電気設備監視制御システム1は、制御所Aに設けられた中央監視制御装置2と、それぞれ、例えば、変電所B1,B2,…に配置された監視端末装置3a,3b,…とが、ネットワーク4を介して接続可能とされ、さらに、図3に示すように、各変電所B1(B2,B3,…)において、監視端末装置3a(3b,3c,…)に防災機能付き変圧器15、地震計16、火災検知器17,及びカメラ18が接続されて概略構成されている。
【0019】
中央監視制御装置2は、図2に示すように、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する中央処理部6と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部7と、所定のプロトコルに従ってデータ通信を行うための通信部8と、表示部9と、操作部11とを有している。
【0020】
中央処理部6は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、記憶部7に記憶された所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する。中央処理部6は、記憶部7に記憶された制御プログラムに従って、例えば、災害時監視制御処理等を実行する。
【0021】
また、災害時監視制御処理は、地震情報取得処理と、火災情報取得処理と、画像情報取得処理と、表示制御処理と、変圧器操作制御処理とを含んでいる。中央処理部6は、地震情報取得処理、火災情報取得処理、及び画像情報取得処理で、監視端末装置3a(3b,3c,…)を介して、例えば、震度情報を含む地震情報、火災検知情報を含む火災情報、及びカメラ18により撮像された画像情報を取得し、表示制御処理で、地震情報、火災情報、及び画像情報に基づいて表示情報を生成して表示部9に表示させる。表示情報は、例えば、画像情報と、画像情報に重ねられた震度情報や火災発生の警報情等報等の文字情報とを含んでいる。
【0022】
また、中央処理部6は、変圧器操作制御処理で、操作部11からの操作により、監視端末装置3a(3b,3c,…)を介して、防災機能付き変圧器15の油抜き取り部27及び/又は油固化剤投入部28を操作制御する。この実施の形態では、現場の作業員からの状況報告や、震度情報により、運転員が、油抜取りの要否判定や、油固化剤投入の要否判定等を行い、操作部11を操作する。なお、油抜取りの要否判定や、油固化剤投入の要否判定は、現場に赴いた作業員が行っても良い。
【0023】
記憶部7は、ROM、RAMや、FD(フレキシブル・ディスク)、HD(ハード・ディスク)、CD−ROMが装着されるFDD、HDD、CD−ROMドライバ等からなっている。記憶部7は、各種プログラムを記憶するプログラム記憶部と、設定情報等の各種情報を記憶する情報記憶部とを有している。
【0024】
変電所B1(B2,B3,…)には、監視端末装置3a(3b,3c,…)と、監視端末装置3a(3b,3c,…)に接続された防災機能付き変圧器15、地震計16、火災検知器17,及び防災機能付き変圧器15を撮像するカメラ18とが配置されている。
【0025】
監視端末装置3a(3b,3c,…)は、図3に示すように、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する中央処理部13と、所定のプロトコルに従ってデータ通信を行うための通信部14とを有している。中央処理部13は、CPU等からなる制御部と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部とを有している。監視端末装置3a(3b,3c,…)には、防災機能付き変圧器15、地震計16、火災検知器17,及びカメラ18が接続されている。
【0026】
監視端末装置3a(3b,3c,…)は、防災機能付き変圧器15へ中央監視制御装置2からの操作制御信号を送るとともに、地震計16、火災検知器17,及びカメラ18から得られた地震情報、火災情報、及び画像情報を、中央監視制御装置2へ送信する。また、この実施の形態では、監視端末装置3a(3b,3c,…)は、継電器や、断路器等の操作装置にも接続されている。
【0027】
防災機能付き変圧器15は、図4に示すように、基礎19の上に配置され、変圧器ヤードには、油入変圧器本体26を囲むように、防油堤21が設けられ、防油堤21内には、バラスト(砂利)22が充填されている。また、防油堤21の下部の所定の箇所には、排水溝23へ排水するための弁装置を有する排水装置24が配置されている。なお、排水装置24の弁装置は、常時閉止状態とされている。
【0028】
防災機能付き変圧器15は、油入変圧器本体26と、油入変圧器本体26の下部から、絶縁油を抜き取るための油抜取り部27と、抜き取られた絶縁油を固化させる油固化剤を投入するための油固化剤投入部28と、油入変圧器本体26の油入容器内の圧力が所定の圧力以上となった場合に、絶縁油を上方から外部へ排出するための異常昇圧時放圧部29とを有している。
【0029】
この実施の形態では、油入変圧器本体26は、鉱物油等の絶縁油が満たされた油入容器内に変圧器本体が浸漬されて構成されている。油抜き取り部27は、絶縁油を防油堤21内のバラスト22へ向けて排出するための排出配管27aと、排出経路を開閉するための弁装置とを有している。弁装置は、例えば、モータバルブを含んでいる。
【0030】
また、油固化剤投入部28は、油固化剤が収容された容器と、容器に設けられた投入口を開閉するための開閉部とを有し、容器の投入口から供給された油固化剤は、排出配管27aから排出される絶縁油へ向けて、投入路28aを介して投入される。油固化剤としては、例えば、パラフィン類や、天然ワックス等を用いても良い。ここで、「固化」は、流動性を消失させるゲル化を含む。また、異常昇圧時放圧部29は、絶縁油を防油堤21内のバラスト22へ向けて排出するための排出配管29aを有している。
【0031】
また、地震計16は、例えば、加速度センサから構成される地震センサを含み、震度演算機能を有している。また、火災検知器17は、例えば、炎受光素子としての赤外線受光素子を有している。なお、火災検知器17は、熱感知器や煙検知器等を含んでいても良い。
【0032】
ネットワーク4は、専用の通信路を用いたネットワークのほか、FTTH(Fiber To The Home)回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等を用いたネットワークでも良い。
【0033】
次に、図5を参照して、電気設備監視制御システム1を用いた災害時の対応方法について説明する。地震が発生すると(ステップSA11(図5))、ステップSA12で、防災機能付き変圧器15が損傷して絶縁油が漏洩し、火災が発生していないかどうか判断する。火災が発生している場合には、ステップSA13で、消火設備が、損傷して使用不可となっていないか否か判断する。
【0034】
例えば、消火栓の配管が損傷して、散水不可となっていないか否か判断する。消火設備が使用不可の場合は、ステップSA14で、油抜取りの要否を判断する。この判断は、現場の作業員からの状況報告により、制御所の運転員が行っても良いし、作業員が行っても良い。次に、ステップSA15で、地震の震度が7未満か否か判断する。
【0035】
震度が7未満の場合は、ステップSA16へ進み、震度が7以上の場合は、ステップSA17へ進む。この判断も、運転員が行っても良いし、作業員が行っても良い。なお、発明者は、過去の事例から、概ね震度7以上で、防油堤21に亀裂が発生する危険が高まることを確認している。
【0036】
ステップSA16では、運転員の操作部11からの操作により、中央処理部6が、監視端末装置3a(3b,3c,…)を介して、防災機能付き変圧器15の油抜き取り部27を操作制御し、油抜取り処理が実施される。次に、ステップSA18で、鎮火したか否か判断する。鎮火したと判断した場合は、ステップSA19へ進んで、油抜取りを停止し、鎮火していないと判断した場合は、ステップSA16へ戻り、油抜取り処理を継続する。次に、ステップSA20で、油回収処理を実施する。すなわち、防油堤21内の底部に滞留した絶縁油を回収する。この絶縁油は、バラストとともに、廃棄物として処理される。
【0037】
一方、ステップSA17では、運転員の操作部11からの操作により、中央処理部6が、防災機能付き変圧器15の油抜き取り部27を操作制御し、油抜取り処理が実施され、ステップSA21で、中央処理部6が、防災機能付き変圧器15の油固化剤投入部28を操作制御し、油固化剤が投入される。
【0038】
次に、ステップSA22で、鎮火したか否か判断する。鎮火したと判断した場合は、ステップSA23へ進み、鎮火していないと判断した場合は、ステップSA17へ戻り、油抜取り処理を継続する。ステップSA23では、油抜取りを停止し、次に、ステップSA24で、油固化剤投入を停止する。次に、ステップSA25で、油分処理を実施する。ここで、固化された油と、バラストとは、廃棄物として処理される。なお、排水装置24の弁装置は、常時閉止状態とされており、油固化剤が投入されなくても、排出され変圧器ヤードに滞留した絶縁油は、構外へ流出することはない。
【0039】
こうして、この実施の形態の構成によれば、地震発生時に、絶縁油が封入された油入変圧器本体26が損傷して絶縁油が漏洩したとしても、油抜取り部27が、油入変圧器本体26の下部から、可燃物である絶縁油を抜き取り、漏洩による絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するので、少なくとも、引火による火災の継続を抑制することができる。特に、絶縁油が、バラスト22へ排出されることによって冷却され、可燃性ガスの発生を抑制することができ、防油堤21内での発火を抑制することができる。
【0040】
また、所定の震度(例えば、震度7)以上で、油固化剤投入部28が、油固化剤を投入して、抜き取られた絶縁油を固化させるので、例えば、防油堤21に亀裂が生じたとしても、排水側溝23を介した構外への絶縁油の流出や地下への浸透を防止し、汚染の広がりを防止することができる。
【0041】
また、中央処理部6は、操作制御信号をネットワーク4を介して防災機能付き変圧器15へ送って、防災機能付き変圧器15を操作するので、必ずしも現場で操作する必要がないため、火災発生時でも、確実にかつ安全に防災機能付き変圧器15を操作制御し、油抜取り部27や、油固化剤投入部28の起動又は停止を行わせることができる。また、異常昇圧時放圧部29が、油入変圧器本体26の油入容器内の圧力が所定の圧力以上となった場合に、絶縁油を上方から外部へ逃がすので、例えば、爆発等の事故を防止することができる。
【0042】
以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した実施の形態では、災害時監視制御処理機能を、制御所に配置した中央監視制御装置に担わせる場合について述べたが、変電所等の電気所に配置した監視制御端末装置に担わせても良い。また、伝送路等は、従来のものを流用しても良いし、専用に設けても良い。
【0043】
また、油固化剤投入の判定基準の震度は、震度7に限らない。さらに、地震計によらず、加速度計や、振動計等の計測値に基づいても良い。また、例えば、油固化剤投入の可否判定は、中央監視制御装置2において、中央処理部6が自動的に行っても良い。また、防災機能付き変圧器15の油抜き取り部27及び油固化剤投入部28の操作制御(起動又は/及び停止)は、中央監視制御装置2において、運転員の操作によらず、中央処理部6が自動的に行っても良いし、制御所で、運転員が遠隔操作を行っても良いし、現場での手動操作としても良い。また、鎮火の判断は、取得した画像情報等に基づいて、中央処理部6が行っても良い。
【0044】
また、震度の計測等は、制御所に設置された地震計の計測結果に基づいても良い。また、カメラとしては、3Dカメラを用いても良い。また、バラストは廃しても良い。また、所定の震度(例えば、震度7)未満の場合でも油固化剤を投入するようにしても良い。また、火災情報として、温度情報や音声情報等を付加しても良い。また、油固化剤を上方から投入する場合について述べたが、充填されたバラストの所定の深さの箇所に注入するようにしても良い。また、電気機器として、変圧器のほか、遮断器等にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
電気設備として、変電所のほか、発電所等他の施設内の火災等の災害について適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 電気設備監視制御システム(電気設備防災システム)
2 中央監視制御装置(監視制御装置)
3a,3b,… 監視制御端末装置
4 ネットワーク
6 中央処理部(操作制御手段、表示制御手段)
7 記憶部
9 表示部(表示手段)
15 防災機能付き変圧器(防災機能付き電気機器)
16 地震計(検知情報生成手段)
17 火災検知器(検知情報生成手段)
18 カメラ(検知情報生成手段)
26 油入変圧器本体(油入電気機器本体)
27 油抜取り部(油抜取り手段)
28 油固化剤投入部(油固化剤投入手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震発生時に、少なくとも絶縁油の漏れによる火災の発生又はその継続を抑制するための防災機能を有する防災機能付き電気機器であって、
絶縁油が封入された油入電気機器本体と、地震の発生に基づいて前記油入電気機器本体から前記絶縁油を抜き取り、漏洩による前記絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するための油抜取り手段とを備えたことを特徴とする防災機能付き電気機器。
【請求項2】
抜き取られた前記絶縁油を固化させる油固化剤を投入するための油固化剤投入手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の防災機能付き電気機器。
【請求項3】
地震発生時に、少なくとも絶縁油の漏れによる火災の発生又はその継続を抑制するための防災機能を有する防災機能付き電気機器、及び少なくとも前記絶縁油の燃焼の検知情報を含む災害検知情報を生成する検知情報生成手段と、前記防災機能付き電気機器を監視制御するための監視制御装置とがネットワークを介して接続可能とされた電気設備防災システムであって、
前記防災機能付き電気機器は、絶縁油が封入された油入電気機器本体と、前記油入電気機器本体から前記絶縁油を抜き取り、漏洩した前記絶縁油の燃焼又はその継続を抑制するための油抜取り手段とを備え、
前記監視制御装置は、前記防災機能付き電気機器を操作するための操作制御手段と、前記ネットワークを介して取得された前記災害検知情報を表示手段に表示させるための表示制御手段とを備え、前記操作制御手段は、操作制御信号を前記ネットワークを介して前記防災機能付き電気機器へ送って、前記油抜取り手段の起動又は停止を行わせることを特徴する電気設備防災システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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