説明

防護管用収容袋

【課題】防護管が電線に容易に接触しない防護管用収容袋を提供する。
【解決手段】収容袋10は、複数の防護管9を軸方向に相対的に移動して収容できる。収容袋10は、円筒状の収容袋本体1、吊り下げロープ2、及び円環体3を備える。収容袋本体1は、防護管9が挿入される開口された口部11を一端部に有し、閉塞された底部12を他端部に有する。吊り下げロープ2は、両端部2a・2aが口部11に繋留し、中間部2bを掛止できる。円環体3は、収容袋本体1の底部12側に取り付けられ、吊り下げできる。収容袋本体1は、その側面部材の一部が線ファスナー4で開閉自在に係合した封止扉14を有する。封止扉14を開くことにより、防護管9を取り出し容易な取り出し口40を口部11と円環体3との間の円環体3に寄せて配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護管用収容袋に関する。特に、電柱などに懸架された電線に防護管を装着する高所作業に用いられ、複数の防護管を収容すると共に、防護管の取り出しが容易な、防護管用収容袋の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設工事現場の近傍に電線が架設されている場合には、この電線を絶縁性の防護管(いわゆる「ポリ管」)で覆っている。これにより、建設作業用の機器類が電線に直接、接触することを防止できる。又、樹木の枝などが電線に接触する可能性がある場合にも、この電線に防護管が装着され、電線の絶縁被膜が磨耗することで発生する地絡事故などを未然に防止できる。
【0003】
一般に、このような防護管の装着作業は、高所作業車のブーム(BOOM)の先端部に連結された作業台(バスケット)に搭乗した作業員によって実施される。このような防護管の装着作業では、複数の防護管を収容した長尺で有底の収容袋をブームの先端部又は作業台に予め吊り下げておき、作業員は、この収容袋の上部開口から個別に防護管を引き出して、電線に装着していた。
【0004】
ところで、この収容袋から防護管を上方に引き出すと、従来の収容袋は、相当の深さを有するため、収容袋から防護管を完全に抜き出すに至るまでには、防護管の先端部が電線に接触する心配があった。こうしたことから、防護管の先端部が電線に接触することを防止する防護管用収容袋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−84031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9は、特許文献1による防護管用収容袋の構成を示す斜視図である。図10は、特許文献1による防護管用収容袋の使用状態を示す斜視図であり、図10(A)は、防護管を上方に引き上げた状態図、図10(B)は、図10(A)の状態から防護管を下方に引き出し、防護管用収容袋から取り出した状態図、図10(C)は、図10(B)の状態から防護管を上方に引き上げて、電線に接触することなく、防護管を電線に装着可能となった状態図である。なお、本願の図9は、特許文献の図1に相当し、本願の図10は、特許文献の図4に相当している。
【0007】
図9を参照すると、特許文献1による防護管用収容袋(以下、収容袋と略称する)8は、円筒状の上部袋81と有底円筒状の下部袋82を備えている。上部袋81は、上端部及び下端部を開口している。下部袋82は、上端部を開口し、下端部を閉塞している。
【0008】
又、図9を参照すると、収容袋8は、複数の懸垂ロープ83を備えている。懸垂ロープ83の上端部83aは、上部袋81に懸架されるように上部袋81に繋留している。懸垂ロープ83の下端部83bは、下部袋82を懸架するように下部袋82に繋留している。
【0009】
図9を参照すると、実体として、懸垂ロープ83の上端部83aは、上部袋81の下端部に設けた円環体(リング)81bに繋留している。懸垂ロープ83の下端部83bは、下部袋82の上端部に設けた剛性リング82aに繋留している。
【0010】
図9を参照すると、収容袋8は、吊り下げロープ84を備えている。吊り下げロープ84の両端部84a・84aは、上部袋81を懸架するように上部袋81に繋留している。実体として、吊り下げロープ84の両端部84a・84aは、上部袋81の上端部に設けた剛性リング81aに繋留している。
【0011】
図9を参照すると、吊り下げロープ84の中間部にフック7aを掛止することにより、複数の防護管9を縦置きに収容袋8に収容できる(図10(A)参照)。
【0012】
次に、図10を参照して、収容袋8の使用方法を説明する。図10(A)を参照すると、収容袋8は、複数の防護管9を縦置きに収容している。上部袋81は、防護管9の上部を昇降自在に保持している。下部袋82は、引き出し容易に防護管9の下部を保持している。上部袋81と下部袋82の間は、防護管9が取り出し易いように空間を設けている。
【0013】
図10(A)を参照して、最初に、防護管9の下端部が下部袋82の上端を越える位置まで、対応する防護管9を持ち上げる。次に、図10(B)に示すように、防護管9の下端部を下部袋82の外に移動し、防護管9の上端部が上部袋81の下端を越える位置まで、対応する防護管9を下げる。次に、図10(C)に示すように、防護管9の上端部を上部袋81の外に移動し、対応する防護管9を持ち上げて、防護管9を収容袋8から取り出すことができる。
【0014】
特許文献1による防護管用収容袋は、上部袋と下部袋の間から防護管を取り出すことができるので、従来のように、防護管を上方に大きく移動する必要が無くなり、防護管の先端部が電線に接触することを防止できる、としている。
【0015】
しかしながら、特許文献1による防護管用収容袋は、縦置きされた防護管9を一旦、持ち上げるので、電線への接触の心配を払拭できないという問題がある。
【0016】
防護管が電線に容易に接触しない防護管用収容袋が実現できれば、安全であり、防護管を電線に効率よく装着できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、防護管が電線に容易に接触しない防護管用収容袋及び防護管の落下の可能性の低い防護管用収容袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、防護管用収容袋を長尺の有底筒形に形成すると共に、この収容袋の口部側を上位に、この収容袋の底部側を下位にできるように、収容袋を略横向きに配置可能に構成し、更に、この収容袋の底部側に封止扉を設け、封止扉を開くことにより防護管を取り出し容易な取り出し口を配置することにより、これらの課題が解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たな防護管用収容袋を発明するに至った。
【0019】
(1)本発明による防護管用収容袋は、複数の長尺の防護管を収容可能な防護管用収容袋であって、前記防護管が挿入される開口された口部を一端部に有し、閉塞された底部を他端部に有する長尺の円筒状の収容袋本体と、両端部が前記口部に繋留し、中間部を掛止可能な吊り下げロープと、前記収容袋本体の底部側の周面に取り付けられた円環体と、を備え、前記収容袋本体は、その側面部材の一部が線ファスナーで開閉自在に係合した封止扉を有し、この封止扉を開くことにより前記防護管を取り出し容易な取り出し口を前記口部と前記円環体との間の当該円環体に寄せた位置に配置している。
【0020】
(2)前記線ファスナーは、前記収容袋本体の側面部材同士を噛み合わせる複数の務歯を有し、前記封止扉は、前記収容袋本体の外周方向に略平行に延びる一対の第1務歯列と、前記収容袋本体の軸方向に延びて、前記一対の第1務歯列の端部同士を接続する第2務歯列と、を有し、前記取り出し口を略矩形に開口してもよい。
【0021】
(3)前記線ファスナーは、前記収容袋本体の側面部材同士を噛み合わせる複数の務歯を有し、前記封止扉は、前記収容袋本体の軸方向に略平行に延びる一対の第3務歯列と、前記収容袋本体の外周方向に延びて、前記一対の第3務歯列の端部同士を接続する第4務歯列と、を有し、前記円環体に隣接する前記側面部材を外側に折り曲げて、前記取り出し口を略矩形に開口してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明による防護管用収容袋は、複数の防護管を収容する収容袋本体と、収容袋本体の口部に繋留して吊り下げ可能な吊り下げロープと、収容袋本体の底部側の周面に取り付けられた円環体と、を備え、収容袋本体の口部側を上位に、収容袋本体の底部側を下位にできるように、収容袋本体を吊り下げて、収容袋本体(複数の防護管)を略横向きに配置できる。
【0023】
本発明による防護管用収容袋は、封止扉を開くと、取り出し口から防護管を略横向きの状態で取り出すことができ、状来のように防護管が電線に容易に接触することを防止でき、安全である。又、本発明による防護管用収容袋は、封止扉を開くと、取り出し口から防護管を略横向きの状態で取り出すことができ、その状態で直ちに電線に装着が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態による防護管用収容袋の構成を示す斜視図であり、図1(A)は、封止扉が封止された状態図、図1(B)は、封止扉が封止された状態を図1(A)と異なる方向から観た図、図1(C)は、封止扉が開封された状態図である。
【図2】第1実施形態による防護管用収容袋の使用状態を示す正面図であり、図2(A)は、防護管用収容袋が略水平に吊り下げられた状態図、図2(B)は、図2(A)の状態から封止扉を開封して、防護管を取り出している状態図、図2(C)は、図2(B)の状態から防護管を取り出した状態図である。
【図3】第1実施形態による防護管用収容袋を作業台に吊り上げた状態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態による防護管用収容袋の底部側をロープで引き上げている状態を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態による防護管用収容袋の底部側を作業台に固定している状態を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態による防護管用収容袋から防護管を取り出して、作業台上で防護管を電線に装着する状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態による防護管用収容袋の構成を示す斜視図であり、図7(A)は、封止扉が封止された状態図、図7(B)は、封止扉が封止された状態を図7(A)と異なる方向から観た図、図7(C)は、封止扉が開封された状態図である。
【図8】第2実施形態による防護管用収容袋の使用状態を示す正面図であり、図8(A)は、防護管用収容袋が略水平に吊り下げられた状態図、図8(B)は、図8(A)の状態から封止扉を開封して、防護管を取り出している状態図、図8(C)は、図8(B)の状態から防護管を取り出した状態図である。
【図9】従来技術による防護管用収容袋の構成を示す斜視図である。
【図10】従来技術による防護管用収容袋の使用状態を示す斜視図であり、図10(A)は、防護管を上方に引き上げた状態図、図10(B)は、図10(A)の状態から防護管を下方に引き出し、防護管用収容袋から取り出した状態図、図10(C)は、図10(B)の状態から防護管を上方に引き上げて、電線に接触することなく、防護管を電線に装着可能となった状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(防護管用収容袋の構成)
最初に、本発明の第1実施形態による防護管用収容袋の構成を説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態による防護管用収容袋の構成を示す斜視図であり、図1(A)は、封止扉が封止された状態図、図1(B)は、封止扉が封止された状態を図1(A)と異なる方向から観た図、図1(C)は、封止扉が開封された状態図である。
【0027】
図2は、第1実施形態による防護管用収容袋の使用状態を示す正面図であり、図2(A)は、防護管用収容袋が略水平に吊り下げられた状態図、図2(B)は、図2(A)の状態から封止扉を開封して、防護管を取り出している状態図、図2(C)は、図2(B)の状態から防護管を取り出した状態図である。
【0028】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による防護管用収容袋(以下、収容袋と略称する)10は、長尺の円筒状の収容袋本体1を備えている。収容袋本体1は、開口された口部11を一端部に有し、閉塞された底部12を他端部に有している。図2を参照すると、収容袋10は、複数の長尺の防護管9を軸方向に相対的に移動して、口部11から挿入することにより、これらの防護管9を収容できる。
【0029】
図1又は図2を参照すると、収容袋10は、吊り下げロープ2と円環体3を備えている。吊り下げロープ2の両端部2a・2aは、遊動自在に口部11に繋留している。実体として、吊り下げロープ2の両端部2a・2aは、収容袋本体1の上端部に設けた剛性リング11aに繋留している。そして、吊り下げロープ2の中間部2bをフック7aなどで掛止することにより、収容袋10を懸架できる。
【0030】
図1又は図2を参照すると、円環体3は、収容袋本体1の底部12側に取り付けられている。実体として、円環体3は、収容袋本体1の外周に固定されたバンド3aに係止している。例えば、フック7bなどを円環体3に掛止することにより、収容袋10を横向き(水平状態)に懸架できる(図2(A)参照)。
【0031】
図1又は図2を参照すると、収容袋本体1は、その側面部材の一部が線ファスナー4で開閉自在に係合した封止扉14を有している。封止扉14を開くことにより、防護管9を取り出し容易な取り出し口40を開口できる。収容袋本体1は、口部11と円環体3との間の円環体3に寄せた位置に取り出し口40を配置している。
【0032】
図1又は図2を参照すると、線ファスナー4は、複数の務歯4aとスライダ4bを有している。複数の務歯4aは、収容袋本体1の側面部材同士を噛み合わせることができる。スライダ4bを操作すると、これらの務歯4aを噛み合わせ、又は離反できる。つまり、スライダ4bを操作すると、封止扉14を開閉できる。
【0033】
図1又は図2を参照すると、封止扉14は、一対の第1務歯列41・41と第2務歯列42を有している。これらの第1務歯列41・41は、収容袋本体1の外周方向に略平行に延びている。第2務歯列42は、収容袋本体1の軸方向に延びて、一対の第1務歯列41・41の端部同士を接続している。そして、取り出し口40を略矩形に開口している。
【0034】
図1を参照すると、収容袋本体1は、フック面部5aとループ面部5bで構成される面ファスナーを有している。フック面部5aには、本体となる布の片面に複数のフック状の起毛を植設している。一方、ループ面部5bは、本体となる布の片面に複数のループ状の起毛を密集して植設している。フック面部5aは、封止扉14の外面に貼着されている。ループ面部5bは、開いた封止扉14が容易に復帰しないように、収容袋本体1の側面に貼着している。
【0035】
次に、第1実施形態による収容袋10の使用方法を説明する。図2(A)を参照すると、収容袋10は、複数の防護管9を収容する収容袋本体1と、収容袋本体1の口部11に繋留して吊り下げ可能な吊り下げロープ2と、収容袋本体1の底部12側の周面に取り付けられた吊り下げ可能な円環体3と、を備え、収容袋本体1の口部11側を上位に、収容袋本体1の底部12側を下位にできるように、収容袋本体1を吊り下げて、複数の防護管9を略横向きに配置できる。
【0036】
図2(A)を参照して、最初に、略水平状態に配置された収容袋10の封止扉14から防護管9を取り出すために、防護管9の下端部が封止扉14に位置するように、防護管9を口部11側に移動する。
【0037】
次に、図2(B)に示すように、封止扉14を開いて取り出し口40から防護管9を傾斜した状態で取り出す(引き出す)。次に、図2(C)に示すように、収容袋10から取り出した防護管9を水平状態に保持して、電線への装着が可能になる。
【0038】
(防護管用収容袋の作用)
次に、第1実施形態による収容袋10を用いた高所作業を説明しながら、第1実施形態による収容袋10の作用及び効果を説明する。
【0039】
図3は、第1実施形態による防護管用収容袋を作業台に吊り上げた状態を示す斜視図である。図4は、第1実施形態による防護管用収容袋の底部側をロープで引き上げている状態を示す斜視図である。
【0040】
図5は、第1実施形態による防護管用収容袋の底部側を作業台に固定している状態を示す斜視図である。図6は、第1実施形態による防護管用収容袋から防護管を取り出して、作業台上で防護管を電線に装着する状態を示す斜視図である。
【0041】
図3を参照すると、高所作業車(図示せず)に設けたブーム71の先端部にポール71pを配置している。そして、ポール71pの先端部からロープを介して、複数の防護管9を収容した収容袋10を鉛直に吊り下げている。なお、ブーム71の先端部に連結された作業台72には、作業員Mが搭乗している。
【0042】
図3を参照すると、円環体3には、予め、ロープ71rの一端部を繋留している。又、ロープ71rの他端部側は、予長をもって口部11側に繋留している。そして、図4に示すように、ロープ71rの他端部を手繰り寄せて、収容袋本体1の口部11側を上位に、収容袋本体1の底部12側を下位にできるように、収容袋本体1を吊り下げて、収容袋本体1を略横向きに配置する。
【0043】
次に、図5に示すように、収容袋本体1の略水平状態を保つように、ロープ71rの他端部を作業台72に繋留する。次に、図2で説明したように、収容袋10から防護管9を取り出す。そして、図6に示すように、防護管9を略水平状態に保持して、防護管9を電線9wにスムーズに装着できる。
【0044】
第1実施形態による収容袋10は、収容袋本体1の口部11側を上位に、収容袋本体1の底部12側を下位にできるように、収容袋本体1を吊り下げて、収容袋本体1を略横向きに配置できるので、防護管9の姿勢を大きく変えることを抑制できる。そして、電線9wとの接触を防止できる。
【0045】
第1実施形態による収容袋10は、封止扉14を開くと、取り出し口40から防護管9を略横向きの状態で取り出すことができ、その状態で直ちに(スムーズに)電線9wに装着が可能であり、防護管9を不用意に地上に落下させることを防止できる。
【0046】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による防護管用収容袋の構成及び作用・効果を説明する。図7は、本発明の第2実施形態による防護管用収容袋の構成を示す斜視図であり、図7(A)は、封止扉が封止された状態図、図7(B)は、封止扉が封止された状態を図7(A)と異なる方向から観た図、図7(C)は、封止扉が開封された状態図である。
【0047】
図8は、第2実施形態による防護管用収容袋の使用状態を示す正面図であり、図8(A)は、防護管用収容袋が略水平に吊り下げられた状態図、図8(B)は、図8(A)の状態から封止扉を開封して、防護管を取り出している状態図、図8(C)は、図8(B)の状態から防護管を取り出した状態図である。
【0048】
なお、第1実施形態を説明した図1から図6で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同一とするので、以下の説明では、割愛する場合がある。
【0049】
図7又は図8を参照すると、本発明の第2実施形態による収容袋20は、長尺の円筒状の収容袋本体1を備えている。又、収容袋20は、吊り下げロープ2と円環体3を備えている。収容袋20は、例えば、フック7bなどを円環体3に掛止することにより、収容袋20を横向き(水平状態)に懸架できる(図8(A)参照)。
【0050】
図7又は図8を参照すると、収容袋本体1は、その側面部材の一部が線ファスナー6で開閉自在に係合した封止扉16を有している。封止扉16を開くことにより、防護管9を取り出し容易な取り出し口60を口部11と円環体3との間の円環体3に寄せて配置している。
【0051】
図7又は図8を参照すると、線ファスナー6は、複数の務歯6aとスライダ6bを有している。複数の務歯6aは、収容袋本体1の側面部材同士を噛み合わせることができる。スライダ6bを操作すると、これらの務歯6aを噛み合わせ、又は離反できる。つまり、スライダ6bを操作すると、封止扉16を開閉できる。
【0052】
図7又は図8を参照すると、封止扉16は、一対の第3務歯列61・61と第4務歯列62を有している。これらの第3務歯列61・61は、収容袋本体1の軸方向に略平行に延びている。第4務歯列62は、収容袋本体1の外周方向に延びて、一対の第3務歯列61・61の端部同士を接続している。そして、円環体3に隣接する収容袋本体1の側面部材を外側に折り曲げて、取り出し口60を略矩形に開口している。
【0053】
図7を参照すると、封止扉16には、第4務歯列62側の中央部にフック6hを取り付けている。そして、図8(B)に示すように、フック7bに繋留するロープにフック6hを係合して、開いた封止扉16を容易に復帰しないようにできる。
【0054】
次に、第2実施形態による収容袋20の使用方法を説明する。図8(A)を参照して、最初に、略水平状態に配置された収容袋20の封止扉16から防護管9を取り出すために、防護管9の下端部が封止扉16に位置するように、防護管9を口部11側に移動する。
【0055】
次に、図6(B)に示すように、封止扉16を開いて取り出し口60から防護管9を傾斜した状態で取り出す(引き出す)。次に、図6(C)に示すように、収容袋20から取り出した防護管9を水平状態に保持して、電線への装着が可能になる。
【0056】
第2実施形態による収容袋20は、第1実施形態による収容袋10と同様な効果を有する他に、図6(B)に示すように、傾斜した封止扉16が防護管9を案内するので、取り出し口60から防護管9を取り出しことが容易になるという、特有の効果がある。
【0057】
本発明は、電線を防護する防護管を好適に収容する防護管用収容袋を開示したが、本発明による収容袋に収容された防護管は、電線に適用を限定されない。本発明による収容袋に収容された防護管は、例えば、通信線を防護するために用いることもできる。
【符号の説明】
【0058】
1 収容袋本体
2 吊り下げロープ
2a・2a 両端部(吊り下げロープの両端部)
2b 中間部(吊り下げロープの中間部)
3 円環体
4 線ファスナー
9 防護管
10 収容袋(防護管用収容袋)
11 口部
12 底部
14 封止扉
40 取り出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の長尺の防護管を収容可能な防護管用収容袋であって、
前記防護管が挿入される開口された口部を一端部に有し、閉塞された底部を他端部に有する長尺の円筒状の収容袋本体と、
両端部が前記口部に繋留し、中間部を掛止可能な吊り下げロープと、
前記収容袋本体の底部側の周面に取り付けられた円環体と、を備え、
前記収容袋本体は、その側面部材の一部が線ファスナーで開閉自在に係合した封止扉を有し、
この封止扉を開くことにより前記防護管を取り出し容易な取り出し口を前記口部と前記円環体との間の当該円環体に寄せた位置に配置している防護管用収容袋。
【請求項2】
前記線ファスナーは、前記収容袋本体の側面部材同士を噛み合わせる複数の務歯を有し、
前記封止扉は、
前記収容袋本体の外周方向に略平行に延びる一対の第1務歯列と、
前記収容袋本体の軸方向に延びて、前記一対の第1務歯列の端部同士を接続する第2務歯列と、を有し、
前記取り出し口を略矩形に開口する請求項1記載の防護管用収容袋。
【請求項3】
前記線ファスナーは、前記収容袋本体の側面部材同士を噛み合わせる複数の務歯を有し、
前記封止扉は、
前記収容袋本体の軸方向に略平行に延びる一対の第3務歯列と、
前記収容袋本体の外周方向に延びて、前記一対の第3務歯列の端部同士を接続する第4務歯列と、を有し、
前記円環体に隣接する前記側面部材を外側に折り曲げて、前記取り出し口を略矩形に開口する請求項1記載の防護管用収容袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−201469(P2012−201469A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68817(P2011−68817)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】