説明

除湿装置

【課題】本発明は除湿装置に関するもので、ヒートポンプの影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上を目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケース3内にヒートポンプ4を備え、第1の吸気口1aから吸気した空気を放熱器6、吸熱器8を順次介して排気口2へと送風する第1の送風路と、第2の吸気口1bから吸気した空気を吸熱器8を介して排気口2へと送風する第2の送風路と、第1の送風路の放熱器6と吸熱器8の間に除湿ローター10の放湿部11を、除湿ローター10の吸湿部13は第1の送風路と第2の送風路の吸熱器8と排気口2の間に設け、第2の吸気口1bと送風手段9との間に温湿度検知手段16を設け、温湿度検知手段16は第2の吸気口1bと対向し放熱器6と隣り合わせの位置に配置し、温湿度検知手段16と放熱器6との間に断熱手段を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを活用した除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の除湿装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、このヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する送風手段を設けた構成となっていた(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている)。
【0004】
近年、さらに除湿能力の高い除湿装置が求められ、ヒートポンプに除湿ローターを組み合わせて除湿能力を高めた除湿装置が開発された。
【0005】
すなわち、上記送風手段の風路であって、放熱器と吸熱器の間には除湿ローターを、また、この除湿ローターと放熱器の間には加熱器を設け、まず、吸熱器部分で結露、除湿回収できなかった湿気をこの除湿ローターで吸湿する。次に、この除湿ローターへ放熱器および加熱器によって加熱された空気を送風し、その空気に湿気を放湿させ、再度吸熱器へ送風することにより結露させ除湿することによって除湿能力を高めようとする構成とするものである(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献2に記載されている)。
【特許文献1】特開平6−331167号公報
【特許文献2】特開2006−102578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、温湿度検知値の精度の更なる向上ということであった。
【0007】
すなわち、従来の物においては、温湿度検知手段により検知した室内の温度値および湿度値を元に、除湿運転の制御を行なっていた。そこで、正確に室内の温度値および湿度値を検知する為に、吸気口の近傍に温湿度検知手段を設けることによって、温湿度検知値の精度を高くしていたが、吸気口の近傍に放熱器を設けている場合には、この放熱器から離れた風路内に温湿度検知手段を設けていた。
【0008】
その場合、風路内ではあるが、本体内であるため、弱運転時等の風量の少ない場合には、本体内のヒートポンプの影響を受け易くなり、温湿度検知値の精度の更なる向上が求められていた。
【0009】
そこで本発明は、ヒートポンプの影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そしてこの目的を達成するために本発明は、第1、第2の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第1の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第1の送風路と、前記第2の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第2の送風路と、これら第1、第2の送風路に送風するための送風手段を前記放熱器と前記吸熱器との間に設けると共に、前記第1の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第1と第2の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とは隣接させた構成とし、前記第2の吸気口と前記送風手段との間に温湿度検知手段を設け、この温湿度検知手段の検知温度値および検知湿度値に応じて運転制御を行なう制御手段を備え、前記温湿度検知手段は前記第2の吸気口と対向すると共に前記放熱器と隣り合わせの位置に配置し、前記温湿度検知手段と前記放熱器との間に断熱手段を備え、これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、第1、第2の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第1の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第1の送風路と、前記第2の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第2の送風路と、これら第1、第2の送風路に送風するための送風手段を前記放熱器と前記吸熱器との間に設けると共に、前記第1の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第1と第2の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とは隣接させた構成とし、前記第2の吸気口と前記送風手段との間に温湿度検知手段を設け、この温湿度検知手段の検知温度値および検知湿度値に応じて運転制御を行なう制御手段を備え、前記温湿度検知手段は前記第2の吸気口と対向すると共に前記放熱器と隣り合わせの位置に配置し、前記温湿度検知手段と前記放熱器との間に断熱手段を備えたものであり、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0012】
すなわち、温湿度検知手段は第2の吸気口と対向すると共に放熱器と隣り合わせの位置に配置し、温湿度検知手段と放熱器との間に断熱手段を備えたので、この断熱手段によって温湿度検知手は放熱器の影響を受け難くなると共に、温湿度検知手段は第2の吸気口と対向しており、第2の吸気口を介して室内の空気が温湿度検知手段に流入し易いので、結論として、本体運転時のノッチにかかわらず温湿度値を精度良く検知できるものである。
【0013】
これらの結果により、ヒートポンプの影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1〜7に示すように、以下本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0016】
図1に示すごとく、本実施形態の除湿装置は、本体ケース3の背面には第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとを有し、本体ケース3の天面には排気口2を有している。本体ケース3内にはヒートポンプ4を備え、このヒートポンプ4は、圧縮機5と、圧縮機5の下流に順次設けた放熱器6、膨張手段7、吸熱器8とにより形成している。送風手段9によって、第1の吸気口1aから本体ケース3内に吸気した空気を放熱器6、吸熱器8を順次介して排気口2へと送風される第1の送風路と、第2の吸気口1bから本体ケース内に吸気した空気を吸熱器8を介して排気口2へと送風する第2の送風路とを備えている。これら第1の送風路および第2の送風路に送風するための送風手段9を放熱器6と吸熱器8との間に設けている。除湿ローター10の放湿部11は、第1の送風路の放熱器6と吸熱器8の間に設け、この放熱器6と除湿ローター10の放湿部11との間に加熱手段を備えており、除湿ローター10の吸湿部13は、第1の送風路および第2の送風路の吸熱器8と排気口2の間に設けている。ここで、圧縮機5で加圧された冷媒は、放熱器6に送られ、ここで第1の吸気口1aから本体ケース3内に吸気された空気を加熱する。次に、放熱器6を通過した冷媒は、膨張手段7に到達し、その後、吸熱器8を介して、圧縮機5へと戻るサイクルになっている。
【0017】
以上の構成において除湿動作について説明する。まず、第1の吸気口1aから本体ケース3内に吸気した空気は、放熱器6で加熱され、更に加熱手段であるヒーター12で加熱され、除湿ローター10の放湿部11を通過し、ここで放湿部11からの湿気を奪った状態で吸熱器8へと流れることになる。次に、第2の吸気口1bから本体ケース3内に吸気した空気も、吸熱器8へと流れる。つまり、第1の吸気口1aから本体ケース3内に吸気した空気と、第2の吸気口1bから本体ケース3内に吸気した空気は、吸熱器8で混ざり合うものである。ここでまず、吸熱器8で結露が行われ、この結露水は貯水タンク14へと貯められることになる。
【0018】
さて、吸熱器8を通過した空気は、この吸熱器8によって低温となるが、低温ながらも湿度は極めて高い状態となっている。この高い湿度を含んだ低温の空気は、次に除湿ローター10の吸湿部13を通過することになるのであるが、この吸湿部13は、駆動手段15により回転駆動されることにより図1の上方の放湿部11部分ですでに放湿し、湿度が低い状態となっているものであるので、上記低温ながらも湿度は極めて高い状態の空気から湿気を吸湿することができる。
【0019】
以上の除湿動作において、温湿度検知手段16の検知温度値および検知湿度値に応じて、制御手段21によって、送風手段9、および加熱手段のヒーター12の運転制御を行なうものである。
【0020】
本実施形態における特徴は、温湿度検知手段16と、放熱器6と、断熱手段との構成にある。
【0021】
図1〜4に示すごとく、第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとは隣接させた構成とし、第2の吸気口1bと送風手段9との間に温湿度検知手段16を設け、この温湿度検知手段16は第2の吸気口1bと対向すると共に放熱器6と隣り合わせの位置に配置し、温湿度検知手段16と放熱器6との間に断熱手段として第1の仕切壁部17を設けたものである。具体的には、本体ケース3の背面には、略四角形状の第1の吸気口1aと、この第1の吸気口1aと縦方向の長さが同じである、略縦長四角形状の第2の吸気口1bとを有し、これら第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとを隣り合った位置に設けている。つまり、第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとによって、1つの略横長四角形状の吸込口を形成している。この第1の吸気口1aの風路風下側には、第1の吸気口1aとほぼ同じ大きさの略四角形状で、送風手段9によって第1の吸気口1aから吸い込まれた空気を暖める放熱器6を設け、第2の吸気口1bの風路風下側には、この第2の吸気口1bに対向した位置に、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の温度値および湿度値を検知する温湿度検知手段16を備え、この温湿度検知手段16は、第2の吸気口1bと送風手段9の外周部であるケーシング部18との間に設けられている。そして、放熱器6と温湿度検知手段16との間で、第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとの境目に、第1の送風路と第2の送風路とを仕切るように、断熱手段として第1の仕切壁部17を設けている。
【0022】
すなわち、温湿度検知手段16は第2の吸気口1bと対向すると共に放熱器6と隣り合わせの位置に配置し、温湿度検知手段16と放熱器6との間に断熱手段として第1の仕切壁部17を備えたので、この断熱手段によって温湿度検知手段16は放熱器6の影響を受け難くなると共に、温湿度検知手段16は第2の吸気口1bと対向しており、第2の吸気口1bを介して室内の空気が温湿度検知手段16に流入し易いので、結論として、本体運転時のノッチにかかわらず温湿度値を精度良く検知できるものである。
【0023】
これらの結果により、ヒートポンプ4の影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0024】
また、図3〜6に示すごとく、断熱手段として、放熱器6と温湿度検知手段16との間に設けた第1の仕切壁部17と、温湿度検知手段16の周囲に設けた第2の仕切壁部19の一部により形成された風路部20があり、この風路部20は、第2の吸気口1bから上下2方向に吸熱器8とを連通した構成である。具体的には、断熱手段である第1の仕切壁部17は、放熱器6と温湿度検知手段16との間に、第1の吸気口1aと第2の吸気口1bとからなる吸込口と送風手段9の外周部であるケーシング部18とに挟まれ、第1の送風路と第2の送風路とを仕切るように、送風手段9の外周部であるケーシング部18から吸込口の方向に縦長四角平板形状に延びている。第2の仕切壁部19は、温湿度検知手段16の上面を覆う上面壁部19aと、放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bと、放熱器6の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部19cとから形成され、このうち、第2の仕切壁部19の一部である放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bは、送風手段9の外周部であるケーシング部18から吸込口の方向に縦長四角平板形状に延びている。これら第1の仕切壁部17と、第2の仕切壁部19の一部である放熱器側壁部19bとは、所定の間隔を有し、平行に設けられており、この第1の仕切壁部17と、第2の仕切壁部19の一部である放熱器側壁部19bと、送風手段9の外周部であるケーシング部18とによって囲まれた空間が風路部20である。この風路部20は第2の送風路内にあり、上面には開口した上面開口部20aと、下面には開口した下面開口部20bとを備えており、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部は、風路部20内に流れ込み、この風路部の上面開口部20aおよび下面開口部20bから吸熱器8へと流れるものである。
【0025】
すなわち、断熱手段である、放熱器6と温湿度検知手段16との間に設けた第1の仕切壁部17と、第2の仕切壁部19の一部である放熱器側壁部19bと、送風手段9の外周部であるケーシング部18とによって囲まれた空間である風路部20には、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部が流れ込み、この風路部20の上面開口部20aおよび下面開口部20bから吸熱器8へと流れるため、この流れによって、放熱器6と温湿度検知手段16とを断熱できるので、ヒートポンプ4の放熱器6の影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0026】
また、図4に示すごとく、第1の仕切壁部17は、送風手段9の外周であるケーシング部18と一体に形成されたものである。具体的には、送風手段9の外周であるケーシング部18の材質は、樹脂材料であり、第1の仕切壁部17の材質も、同様の樹脂材料で造られている。すなわち、同一の材料で一体に形成されることにより、第1の仕切壁部17と送風手段9の外周であるケーシング部18との隙間を無くすことができるので、第1の吸気口1aから吸い込まれた空気の一部が、第1の仕切壁部17と送風手段9の外周であるケーシング部18との隙間から第2の送風路内に入ることを抑制でき、結果として、放熱器6と温湿度検知手段16とを断熱できるので、ヒートポンプ4の放熱器6の影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0027】
また、図4〜6に示すごとく、第2の仕切壁部19は、温湿度検知手段16の上面を覆う上面壁部19aと、放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bと、放熱器6の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部19cとから形成されたものである。具体的には、第2の仕切壁部19は、送風手段9の外周であるケーシング部18から、第2の吸気口1bの方向に延びた、下面が開口した略コの字形状の壁部である。この略コの字形状の壁部は、温湿度検知手段16の上面を覆う上面壁部19aと、放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bと、放熱器6の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部19cとの3つの壁部から形成されている。すなわち、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部は、略コの字形状の第2の仕切壁部19内の温湿度検知手段16に流れ込み、第2の仕切壁部19の下面より吸熱器8へと流れる方向と、断熱手段である、放熱器6と温湿度検知手段16との間に設けた第1の仕切壁部17と、第2の仕切壁部19の一部である放熱器側壁部19bと、送風手段9の外周部であるケーシング部18とによって囲まれた空間である風路部20に、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部が流れ込み、この風路部20の下面開口部20bから吸熱器8へと流れる方向とがほぼ同じになるので、断熱手段である風路部20の空気が、第2の仕切壁部19内の温湿度検知手段16に流れ込むことを抑制できる。
【0028】
また、図4に示すごとく、第2の仕切壁部19である放熱器側壁部19bの下端部は、温湿度検知手段16の下端より下に位置し、第2の仕切壁部19である反放熱器側壁部19cの下端部は、温湿度検知手段16の下端より上に位置した構成としたものである。具体的には、第2の仕切壁部19は、送風手段の外周であるケーシング部18から、第2の吸気口1bの方向に延びた、下面が開口した略コの字形状の壁部である。この略コの字形状の壁部のうち、放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bの下端部は、温湿度検知手段16の下端より下に位置し、放熱器6の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部19cの下端部は、温湿度検知手段16の下端より上に位置するものである。つまり、放熱器6の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部19cの下端部は、放熱器6側の側面を覆う放熱器側壁部19bの下端部より、上に位置するものである。
【0029】
これにより、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部は、略コの字形状の第2の仕切壁部19内の温湿度検知手段16に流れ込み、第2の仕切壁部19の下面と、反放熱器側壁部19cの下端部、つまり、吸熱器8側の側面を覆う反放熱器側壁部19cの一部の両方より吸熱器8へと流れるので、更に、第2の吸気口1bから温湿度検知手段16に流れ込み易くすることができる。
【0030】
また、図3、5に示すごとく、温湿度検知手段16は、送風手段9であるケーシング部18の膨張部18aの下部に設けたものである。具体的には、送風手段9であるスクロール形状のケーシング部18は、上面には、略四角形状の吐出口を備え、この吐出口は本体ケース3の排気口2に連通している。そして、ケーシング部18の中央部は、本体ケース3の左右側面方向に、円弧形状に膨張した膨張部18aを備えている。この膨張部18aの下部に、第2の仕切壁部19に囲まれた温湿度検知手段16を設けている。
【0031】
すなわち、円弧形状に膨張した膨張部18a下部に、第2の仕切壁部19に囲まれた温湿度検知手段16を設けているので、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部は、略コの字形状の第2の仕切壁部19内の温湿度検知手段16に流れ込み、第2の仕切壁部19の下面と、吸熱器8側の側面を覆う反放熱器側壁部19cの一部の両方より、ケーシング部18の膨張部18aの下部の略三角形状の空間部に流れるので、温湿度検知手段16から吸熱器8へ流れ易くすることができる。
【0032】
また、図3、5に示すごとく、温湿度検知手段16は、送風手段9であるケーシング部18より温湿度検知手段16の一部が突出した構成である。具体的には、送風手段9であるスクロール形状のケーシング部18の中央部は、本体ケース3の左右側面方向に、円弧形状に膨張した膨張部18aを備えている。この膨張部18aの下部から下方向に、第2の仕切壁部19に囲まれた温湿度検知手段16の一部が突出して設けられている。これにより、送風手段9によって第2の吸気口1bから吸い込まれた空気の一部は、略コの字形状の第2の仕切壁部19内の温湿度検知手段16に流れ込み、第2の仕切壁部19の下面と、吸熱器8側の側面を覆う反放熱器側壁部19cの一部の両方より、ケーシング部18の膨張部18aの下部の略三角形状の空間部に、直接流れるので、温湿度検知手段16から吸熱器8へ、更に流れ易くすることができる。
【0033】
また、図7に示すごとく、放熱器6は、複数の略薄板形状のフィン部6aと、このフィン部6aを連接固定する銅管部とから形成し、この銅管部のうち、フィン部6aから露出した円弧形状の円弧銅管部6bが第1の仕切壁部17と隣合う位置に構成したものである。具体的には、略縦長四角形で略薄板形状のフィン部6aは、本体ケース3の左右方向に所定の距離を有し、略縦長四角形の面同士が重ね合わせられるように並べられ、このフィン部6a内を、本体ケース3の左右水平方向にフィン部6aを直線状の直線銅管部6cが貫通し、この直線銅管部6cは、フィン部6aの上部から下部にかけて複数設けられ、直線銅管部6cのどちらか一方の端部で上下に位置する直線銅管部6c同士が円弧形状の円弧銅管部6bにより連通され、結果として、略波形状の一本の銅管部により、フィン部6aを連接固定しているものである。この銅管部の一方側の円弧銅管部6bが、第1の仕切壁部17と隣合う位置に構成したものである。これにより、第1の仕切壁部17と隣合う位置に、フィン部6aではなく、円弧銅管部6bが設けられるので、フィン部6aに比べ円弧銅管部6bでは空気との接触面積が小さいので、空気の温度上昇が小さくなり、結果として、第1の仕切壁部17の温度上昇を抑制することが出来る。
【0034】
また、図3に示すごとく、圧縮機5は、放熱器6の略下部に設けたものである。具体的には、圧縮機5は、温湿度検知手段16から離れた位置である放熱器6の略下部に設けたものである。これにより、圧縮機5の温度影響を抑制することが出来る。
【0035】
なお、温湿度検知手段16の1例としては、温度センサーと湿度センサーである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように本発明は、第1、第2の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第1の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第1の送風路と、前記第2の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第2の送風路と、これら第1、第2の送風路に送風するための送風手段を前記放熱器と前記吸熱器との間に設けると共に、前記第1の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第1と第2の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とは隣接させた構成とし、前記第2の吸気口と前記送風手段との間に温湿度検知手段を設け、この温湿度検知手段の検知温度値および検知湿度値に応じて運転制御を行なう制御手段を備え、前記温湿度検知手段は前記第2の吸気口と対向すると共に前記放熱器と隣り合わせの位置に配置し、前記温湿度検知手段と前記放熱器との間に断熱手段を備えたものであり、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0037】
すなわち、温湿度検知手段は第2の吸気口と対向すると共に放熱器と隣り合わせの位置に配置し、温湿度検知手段と放熱器との間に断熱手段を備えたので、この断熱手段によって温湿度検知手は放熱器の影響を受け難くなると共に、温湿度検知手段は第2の吸気口と対向しており、第2の吸気口を介して室内の空気が温湿度検知手段に流入し易いので、結論として、本体運転時のノッチにかかわらず温湿度値を精度良く検知できるものである。
【0038】
これらの結果により、ヒートポンプの影響を抑制し、温湿度検知値の精度の更なる向上ができるものである。
【0039】
従って、家庭用や事務所用などの、除湿装置として活用が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1の除湿装置の概略断面図
【図2】本発明の実施の形態1の除湿装置の外観背面図
【図3】本発明の実施の形態1の除湿装置の内部背面図
【図4】本発明の実施の形態1の除湿装置の温湿度検知手段部分の内部斜視図
【図5】本発明の実施の形態1の除湿装置の温湿度検知手段部分の内部背面図
【図6】本発明の実施の形態1の除湿装置の内部斜視図
【図7】本発明の実施の形態1の除湿装置の放熱器部分の概略内部背面図
【符号の説明】
【0041】
1a 第1の吸気口
1b 第2の吸気口
2 排気口
3 本体ケース
4 ヒートポンプ
5 圧縮機
6 放熱器
6a フィン部
6b 円弧銅管部
6c 直線銅管部
7 膨張手段
8 吸熱器
9 送風手段
10 除湿ローター
11 放湿部
12 ヒーター
13 吸湿部
14 貯水タンク
15 駆動手段
16 温湿度検知手段
17 第1の仕切壁部
18 ケーシング部
18a 膨張部
19 第2の仕切壁部
19a 上面壁部
19b 放熱器側壁部
19c 反放熱器側壁部
20 風路部
20a 上面開口部
20b 下面開口部
21 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2の吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機と、圧縮機の下流に順次設けた放熱器、膨張手段、吸熱器とにより形成し、前記第1の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を放熱器、吸熱器を順次介して排気口へと送風する第1の送風路と、前記第2の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吸熱器を介して排気口へと送風する第2の送風路と、これら第1、第2の送風路に送風するための送風手段を前記放熱器と前記吸熱器との間に設けると共に、前記第1の送風路の放熱器と吸熱器の間に除湿ローターの放湿部を設け、この除湿ローターの吸湿部は前記第1と第2の送風路の吸熱器と排気口の間に設け、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とは隣接させた構成とし、前記第2の吸気口と前記送風手段との間に温湿度検知手段を設け、この温湿度検知手段の検知温度値および検知湿度値に応じて運転制御を行なう制御手段を備え、前記温湿度検知手段は前記第2の吸気口と対向すると共に前記放熱器と隣り合わせの位置に配置し、前記温湿度検知手段と前記放熱器との間に断熱手段を備えた除湿装置。
【請求項2】
断熱手段は、前記放熱器と前記温湿度検知手段との間に設けた第1の仕切壁部と、前記温湿度検知手段の周囲に設けた第2の仕切壁部の1部により形成された風路部であり、この風路部は、前記第2の吸気口から上下2方向に前記吸熱器とを連通した構成である請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
前記第1の仕切壁部は、前記送風手段の外周であるケーシング部と一体に形成された請求項2記載の除湿装置。
【請求項4】
前記第2の仕切壁部は、前記温湿度検知手段の上面を覆う上面壁部と、前記放熱器側の側面を覆う放熱器側壁部と、前記放熱器の反対側の側面を覆う反放熱器側壁部とから形成された請求項2〜3のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項5】
前記第2の仕切壁部である放熱器側壁部の下端部は、前記温湿度検知手段の下端より下に位置し、前記第2の仕切壁部である反放熱器側壁部の下端部は、前記温湿度検知手段の下端より上に位置した構成とした請求項4記載の除湿装置。
【請求項6】
前記温湿度検知手段は、前記送風手段であるケーシング部の膨張部の下部に設けた請求項3〜5のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項7】
前記温湿度検知手段は、前記送風手段であるケーシング部より前記温湿度検知手段の一部が突出した構成である請求項3〜6のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項8】
前記放熱器は、複数の略薄板形状のフィン部と、このフィン部を連接固定する銅管部とから形成し、この銅管部のうちフィン部から露出した円弧形状の銅管部が、前記第1の仕切壁部と隣合う位置に構成した請求項2〜7のいずれか一つに記載の除湿装置。
【請求項9】
前記圧縮機は、前記放熱器の略下部に設けた請求項1〜8のいずれか一つに記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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