説明

陥凹部のフィルインによる皮膚平滑化方法

本発明は、皮膚陥凹部のフィルインによる皮膚の平滑化方法であって、1ヘルツの応力頻度について25℃で20000パスカル超の弾性率と、500パスカル超の降伏価と、降伏応力未満の負荷応力について100000Pa.s超の粘度とを有するフィルイン生成物を用いて前記陥凹部を埋めるステップを含み、前記フィルイン生成物が、前記皮膚陥凹部への適用後、蒸発反応又はレーザー重合反応以外の反応に続いて、機械的性質が変化する、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皺を隠すことに関し、より一般には皺(wrinkle)、毛穴又は皺襞(fold)などの陥凹部のフィルイン(fill in)によって皮膚表面を平滑化することに関する。
【背景技術】
【0002】
顔面の皺の存在は、美容上問題となることが多く、人によっては耐えがたい場合がある。
【0003】
この問題の主要因は、これらの皺が目に見えることにある。皺はいくつかに、区別される:
【0004】
「顕著な(marked)」と称される皺:これらは非常によく目に見え、300ミクロン以上の深さを示す場合がある。
【0005】
「中程度の」と称される皺:これらは目に見え、深さが150〜300ミクロンの範囲である。
【0006】
「軽度の」と称される皺:これらは前記の皺ほど目に見えず、深さが150ミクロン未満である。
【0007】
皺は、位置によっても分類される。一部の皺は、非常によく目に見える部位(例えば、眼の周辺部位)に位置する。他の皺はそれほど目に見えない部位、例えば、一般に毛髪によって隠すことができる額上部に位置する。
【0008】
皮膚の老化によって生じる皺は、老化の結果でない皺と区別される。第1の皺は若年者の顔面に存在しないので、老化の徴候と認識されている。これらは、眼の周辺、眉毛の間、額及び頬に出現する皺である。第2の皺は、若年者の顔面に存在するので、暗に自然の皺と認識されている。これらは、頬との境界を形成する皺襞である。これらの皺襞は多くの場合、老化の過程でより顕著になることが認められ、それらを考慮することが有利である。
【0009】
現在のところ、主に4つの型の解決法がある。
【0010】
第1の型の解決法は、皺を隠すことができる流体によって皺部位を被覆することを含む。皺部位にはっきりしない外観を与え、光学コントラストを低下させることによって皺の見えやすさを低減するいくつかのアプローチが展開されている。この解決法にはいくつかの制限があり、軽度の皺に対してのみ有効である。その効果は持続的でない。一般に、次の数時間以内に処置を再開することが必要である。
【0011】
このアプローチは、被覆層を薄くすることによって取り組まれている。しかし、スキーム3において視覚化されるように、皺に対する良好な結果は得られてない。
【0012】
確かに、皮膚は自然な外観を保ち、境界はそれほど目に見えない。しかし、皺は被覆されるだけで、フィルインされない。
【0013】
第2の型の解決法は、皺の皮膚を処置することを含む。いくつかの活性剤が、皮膚の老化に対して活性があることで知られている。このような活性剤としては、以下のものを挙げることができる:レチノール及びその誘導体(例えば、パルミチン酸レチニル);アスコルビン酸及びその誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム及びアスコルビルグルコシド;アデノシン及びその誘導体、特に非リン酸化誘導体;トコフェロール及びその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール);ニコチン酸及びその前駆体(例えば、ニコチンアミド);ユビキノン;グルタチオン及びその前駆体(例えば、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸); C-グリコシド化合物及びその誘導体(特に、出願WO02/051828に記載されているもの);植物抽出物、特に、シーフェンネル及びオリーブ葉の抽出物、並びに更に植物タンパク質及びその加水分解物(例えば、米又は大豆タンパク質加水分解物);藻類抽出物、特にコンブの抽出物;細菌抽出物;サポゲニン(例えば、ジオスゲニン)及びそれらを含むディオスコリア属(Dioscorea)の植物、特に自然薯の抽出物;α-ヒドロキシ酸;β-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸及び5-n-オクタノイルサリチル酸);オリゴペプチド及びプソイドジペプチド、並びにそれらのアシル誘導体、特に{2-[アセチル(3-トリフルオロメチルフェニル)アミノ]-3-メチルブチリルアミノ}酢酸、並びにSederma社によって商標名Matrixyl 500及びMatrixyl 3000として販売されているリポペプチド;リコペン;マンガン塩及びマグネシウム塩、特にグルコン酸塩;更にそれらの混合物。更に、ビタミンB3又はPP、B5、E及びK1などのビタミンも挙げることができる。
【0014】
これらの活性剤は、一般には優先的な落屑を引き起こすことよって、皺の深さを減少させることができる。しかし、前記の場合と同様に、これは軽度の皺に対してのみ有効である。確かに、より強力な処置も可能であるが、皮膚に対するそれらの影響を考慮すれば、それらを定期的に使用すること又はそれらを誰でも利用できるようにすることは難しい。加えて、不快感の問題も生じ得る。
【0015】
第3の解決法は、「張力を与える(tensioning)」材料を含む流体組成物で皺部位を被覆することを含む。この材料は、乾燥過程で収縮することによって、被覆部位の範囲において引張力を生じる性質を有する。その結果、この引張力によって皺のある皮膚を引張り、皺の見えやすさを低減することができる。
【0016】
このアプローチにはいくつかの制限があり、軽度の皺に対してのみ有効である。実際に有効であるためには、厚い、高張力を与える材料を使用することが重要である。これらの条件下では、処置は皺をかなり大幅に減少できるが、不快感を引き起こし、それが使用を制限する。効果は持続的でない。この方法は中程度の皺の見えやすさを低減することも可能であるが、この場合には、完璧に有効と言うにはほど遠い。
【0017】
第4の解決法は、皮膚筋肉と称される皮下筋肉を処置することを含む。
【0018】
第1のアプローチによれば、皮膚筋肉は、麻痺させることによって処置される。したがって、少なくとも部分的には皺を弛緩させ、それらを消失させることが可能である。これは、眼、額と口の周囲に形成される皺に対して有効である。
【0019】
持続的である点で有利であるが、このアプローチはその展開を大幅に遅らせるいくつかの欠点を有する:麻痺を引き起こす製品を皮膚筋肉に到達させるためには、注射が必要なので、このアプローチは痛みを伴う。したがって、これはモチベーションの高い者にのみ適する。したがって、皺がわずかしかない者には適さない。それは禁忌な場合がある。したがって、高齢者又は処置中の者は、このアプローチの利用を躊躇することがある。これには費用がかかる。これは、不所望な美容効果、例えば、特に、自然な外観の欠如、又は更には皮膚のたるみ若しくは局所的な麻痺作用を引き起こすリスクがあると考えられる。
【0020】
第2のアプローチによれば、皮膚を剥離し、筋組織を引っ張り、筋組織の一部を切り取り、次いで新たな位置で筋肉を再縫合し、最後に皮膚を元の位置に戻すことを含む外科的手技が実施される。このアプローチは、前記アプローチと同じ欠点を有する。加えて、前記アプローチとは異なり、かろうじて改善できるか、又は全く改善できない。したがって、このアプローチは、得られる結果が予想される結果と異なる場合には、非常に問題となる場合がある。これらの理由から、これはモチベーションの高い者にのみ使用できる。
【0021】
処置すべき全表面の全体的処置によって皺をカモフラージュする解決法が知られている。これらは、層の厚さに差はあるが、層全体で皮膚を被覆することを含む。用語「全体」は、皺によって形成された空洞のみに限定せずに皮膚を被覆することを意味するものである。
【0022】
皮膚は十分に被覆されるので、皺は部分的にフィルインされて、消失する。この技術は、映画においては時々使用されるが、普通のメークアップ法には適さない場合がある。特に発汗が生じた場合に不快感が生じ、厚い層は経時的に保持されないことが多い。加えて、皮膚の美的外観が損なわれる。最後に、この技術は境界の問題を引き起こす。これは、目に見える皮膚全体が被覆されない限り、外部観察者は、皮膚の一部の外観が他と同じでないことにすぐ気付くためである。したがって、美容上の成果が望まれる場合には、境界の影響を制限するために、厚い層及びまた、被覆されない皮膚を処理することが必要である。
【0023】
したがって、顕著な凹凸、特に「顕著な」皺及び「中程度の」皺を隠し、既知の方法に関して議論されている問題を完全に又は部分的に解決する新しい方法が、依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】WO02/051828
【特許文献2】CA1306954
【特許文献3】US5456905
【特許文献4】EP1247515
【特許文献5】EP1572139
【特許文献6】FR2910315
【特許文献7】WO01/25283
【特許文献8】EP759812
【特許文献9】WO01/96450
【特許文献10】GB2407496
【特許文献11】特開2003-128788号公報
【特許文献12】特開2000-191789号公報
【特許文献13】特開平2-295912号公報
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Bioconjugate Techniques; GT Hermanson、Academic Press、1996
【非特許文献2】Pearl Lustre Pigments-Physical principles, properties, applications R. Maisch、M. Weigand.Verlag Moderne Industrie
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は特に、軽度な皺から顕著な皺までのあらゆる種類の皺の処置を可能とする方法を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、かなり持続的であり且つ既知の方法で得られるよりも良好な美観を有する結果をもたらす方法を提供することである。
【0028】
本発明の目的はまた、禁忌症がなく、侵襲的ではなく、無痛であり、リスクを負う必要がなく、実施に費用がかからない方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
これらの目的は、他の目的と共に、皮膚陥凹部のフィルインによる皮膚の平滑化方法であって、前記陥凹部中への適用時に、1ヘルツの応力頻度(stress frequency)について25℃で20000パスカル超の弾性率と、500パスカル超の降伏価(flow point)と、降伏応力未満の負荷応力について剪断速度10-3s-1において100000Pa.s超の粘度とを有するフィルイン生成物(filling-in product)を用いて前記陥凹部を埋めるステップを含み、前記フィルイン生成物が、皮膚陥凹部への適用後、蒸発反応以外の少なくとも1つの反応に続いて、機械的性質が変化するようなものである方法によって達成される。
【0030】
有利には、これはレーザー重合反応以外の反応である。
【0031】
したがって、本発明による方法は、特定のレオロジー特性を有する充填材料による空洞化部位のフィルインに基づく。用語「フィルイン」は、皺の輪郭を型取り且つ皺の底部のみを埋める層を単に付着させることではなく、隠そうとする陥凹部、特に皺、毛穴又は皺襞の少なくとも大部分を、好ましくは縁(brim)まで埋めることを意味するものとする。
【0032】
好ましくは、フィルイン組成物の付着は、陥凹部位以外に広がらないように制限する。
【0033】
しかし、フィルインしようとする空洞の範囲を越えないことは難しい場合もある。この場合には、皺の外側の付着物が極めて薄くなるように、典型的には皺内の材料の厚さの25%未満となるように、処置を行う。また、この場合、皺の外側の被覆表面が制限されるように処置を行う。例えば、フィルイン材料が皺の端(side)から1cmを超えて広がらないように、より好ましくは皺の端から5mm未満となるように処置を行う。
【0034】
フィルイン組成物が凝集性の機械的性質(cohesive mechanical property)を有さない場合には、皺の範囲を越えるという事実は、フィルイン組成物の主な問題とならないと考えられる。したがって、皺の範囲を越えて存在する材料は、流れるか若しくは液体であるか若しくは非常に柔軟である場合又は構造破壊されている場合(粉末又は小片の形態である場合)には、皺中に含まれる材料に対して作用する維持力(maintaining force)を示さない。
【0035】
また、皺の範囲を越えるフィルムを、例えば、皺の縁端(edge)で材料を切断する用具を用いることによって、切断することも想定できる。
【0036】
本発明の本質的な特徴によれば、フィルイン材料の機械的性質、特に剛性及び/又は弾性は、皺内への付着後に変化する。
【0037】
フィルイン生成物の全てが皺内に位置するのではない場合、皺内に存在しない材料の変化は、皺内に存在する材料の変化と同じであっても異なっていてもよい。
【0038】
一例として、皺の外側の材料は変化しなくてもよい。
【0039】
別の例によれば、皺内の材料が、よりエラストマー性(elastomeric)となるように変化できる一方で、皺の外側の材料は、より砕けやすく若しくはより脆くなるように変化できる。
【0040】
さらに別の例によれば、皺内の材料はより不溶性となるように変化できる(その機械的性質の変動に加えて)一方で、皺の外側の材料は可溶性のままであることができる。
【0041】
フィルイン生成物の機械的性質の変化は(他の任意の変化と同様に)、自然に発生しても、誘発してもよい。
【0042】
本発明による方法の実施により、良好な経時的保持が得られ、皮膚は、自然に見え、被覆されたようには見えず、不快感がなく、固定されたようも見えない。
【0043】
本発明による方法は、特に、顕著な皺及び中程度の皺に対して、また、皮膚の他の凹凸、例えば、皮膚線条、瘢痕、皺襞及び毛孔拡大腫(dilated pore)に対して使用できる。
【0044】
皺を隠すことに加えて、本発明による方法の実施により、皮膚の支持が可能となり、多くの場合、皺に集中する力及び動きを低減することができる。これは、前述のように、皮膚が全体として固定されない場合にも可能である。この支持により、皮膚に加わる応力を低減できるので、皮膚のひび割れを制限できる。
【0045】
加えて、本発明による方法は、形成されている皺及び目にはほとんど見えないが時間とともに進行する可能性がある皺に対しても作用を及ぼすことができる。この点に関して、本発明は予防作用を及ぼすことができる。
【0046】
最後に、メークアップの除去が容易になる。
【0047】
処置部分への適用時のフィルイン生成物のレオロジー:
本発明による方法に使用するフィルイン生成物は、典型的にはペーストの形態である。
【0048】
本明細書中で、用語「ペースト」は、粘度を測定できないワンド又はスティックの一体構造物ではなく、粘度を測定できる生成物又は組成物を意味するものとする。
【0049】
本発明による方法の実施に使用する生成物又は組成物は、降伏価、弾性率、粘性率(viscous modulus)及び粘度を含む特有のレオロジーパラメーターを有する。
【0050】
フィルイン生成物の降伏価又は破壊降伏応力τ0は、フィルイン生成物の巨視的な流れを引き起こすのに必要な圧力と定義され、これは、応力掃引(stress sweep)を行うことよって、例えば、25℃の温度でHaake CS150応力制御レオメーターを用いて測定できる。
【0051】
好ましくは、本発明による方法の実施に使用するフィルイン生成物は、500パスカル超の降伏価を有する。
【0052】
更に、フィルイン生成物の弾性率は、測定中の負荷応力が組成物の破壊降伏応力より低いという事実によって定義される「線形粘弾性」ゾーンにおいて、1ヘルツの応力頻度に対して測定できる。
【0053】
有利には、フィルイン生成物は20000パスカル超の弾性率及び5000超の粘性率を有する。
【0054】
本発明による方法の実施に使用するフィルイン生成物の粘度は、10-3s-1に等しい剪断速度に対して、好ましくは20000Pa.s超、好ましくは100000Pa.s超であり、特に20000000Pa.s.未満である。粘度は、コーンプレート型のHaake Rheostress RS 150機器を用いて25℃において負荷応力下で測定する。
【0055】
粘度に関して、本発明による組成物は、有利な変形性、弾性及び扱い易さを示すので、皮膚、特に顔面皮膚の美観表現を可能にし、ひいては皮膚の微小な凹凸の低減に有効である。
【0056】
フィルイン材料の機械的性質の変化:
本発明による方法に使用するフィルイン材料は、その機械的性質が変化するように選択する。フィルイン材料は、処置陥凹部分への適用時点よりも、剛性となってもよいし、又は逆に弾性となってもよい。
【0057】
フィルイン生成物の機械的性質の変化は、弾性率、降伏価及び降伏応力未満の負荷応力に対する粘度から選択される少なくとも1つのパラメーターが、少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍変化(好ましくは増加)するようなものである。
【0058】
フィルイン材料の機械的性質の変化はまた、破断前の伸び及び伸びによる破断をもたらすように加えられる仕事量を測定する手段によって監視できる。このアプローチは、ほとんどのペースト状材料に特に適する。材料が緩徐な機械的引張力(例えば、1mm/s)を受ける場合には、材料が破断前に受ける可能性がある伸び及びまた、この伸びを生じるのに必要な力を測定する。
【0059】
フィルイン材料の変化は好ましくは、破断前の伸び及びまた、伸びが生じる際に破断を生じるように加えられる仕事量が変更される、好ましくは少なくとも2倍増加されるようなものである。
【0060】
本発明の目的では、目標とする変化は、存在し得る揮発相の蒸発反応以外の反応の結果である。しかし、本発明が目標とする変化に加えて、フィルイン材料は、揮発相の単純な蒸発による変化を受け得る。
【0061】
有利には、これは、レーザー重合反応以外の反応である。
【0062】
例として、この変化は、フリーラジカル重合、アニオン重合などの重合反応によって起こり得る。
【0063】
あるいは、この変化は、2つの成分の官能基間の反応による架橋、又は2つの成分の2つの官能基を、第3の成分によって結び付けるような架橋(重環化付加(polycycloaddition)、二量化による架橋)であることができる。
【0064】
この変化はまた、他の化学反応、縮合(ゾル-ゲル)、酸化(例えば、チオール)などを含むことができる。
【0065】
本発明が目標とする反応は好ましくは、共有結合の形成又は共有結合の転位をもたらす。
【0066】
機械的性質の変化は、材料の剛性及び弾性の増加という意味であることができる。このような増加は、フィルイン材料の最適な保持を可能にする。
【0067】
フィルイン生成物の機械的性質の変化は、自然に起こってもよいし、又は刺激、特にエネルギー入力に応答して誘発されてもよい。
【0068】
1.-化学架橋:
用語「化学架橋」は、化合物が、単独で又は第2の化合物との反応によって又は放射線若しくはエネルギー入力の作用によって、分子間に共有化学結合を形成できることを意味するものとする。結果として、この化合物を含む材料の凝集力が増加する。
【0069】
この化合物は単純な分子であってもよいし、又は既にいくつかの分子が化合した結果として得られたもの、例えば、オリゴマー若しくはポリマーであってもよい。この化合物は、1つ又は複数の反応性官能基を有することができる。
【0070】
架橋の後に、固体であり且つ/又は変形可能であるがエラストマー性の材料を生じる分子が好ましい。
【0071】
化学官能基は、同じ性質を有する別の官能基と反応してもよいし、別の化学官能基と反応してもよい。
【0072】
1.1.-同じ性質を有する別の官能基との反応:
官能基は、例えば、エチレン性官能基、特にアクリレート、アクリル、メタクリレート、メタクリル及びスチレン官能基である。
【0073】
これらの分子は一般に、反応のための外部活性化形態、例えば、光、熱、触媒の適用又は光重合開始剤及び任意選択で、光重合開始剤の作用範囲の拡大を目的とする光増感剤との組合せを必要とする。光重合性及び/又は光架橋性組成物は、例えば、特許CA1306954及びUS5456905に記載されている。
【0074】
特許EP1247515で記載されているエチレン性反応性官能基を有するポリマー化合物を使用できる。
【0075】
エチレン性官能基は、反応を促進し且つ外部活性化を必要としないような求引基によって活性化できる。これには、典型的には、水などの触媒が存在するだけで反応が可能になるシアノアクリル酸エチルモノマーが該当する。
【0076】
エチレン性官能基は、例えば求引基によって、中程度に活性化可能である。この利点は、反応が反応の開始及び収率の制御に有利な外部活性化を必要とするが、光重合開始剤を必要としないことである。例えば、これは、シアノアクリレートモノマー、特に、エステル官能基が有する基が、炭素数が少なくとも2、可能ならば4の炭素系鎖を含むシアノアクリレートモノマーを含む。
【0077】
光などの外部活性化を必要とするが、光重合開始剤を必要としない分子が好ましい。したがって、特に好ましい分子は、光二量化によって反応し得る分子、例えば、特許EP1572139に記載されているもの、特に、以下のような官能基を有する分子である:
1)スチルバゾリウム
【0078】
【化1】

【0079】
[式中、Rは、水素原子又はアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基を表し、R'は水素原子又はアルキル基を表す]。
【0080】
スチルバゾリウム基は好ましくは、ポリ(ビニル)アセテート型のマクロマーと共重合されている(PVA-SBQ)。PVAの重合度は100〜5000であり、SBQの%としての置換度は0.1〜15である。
【0081】
【化2】

【0082】
機械的性質を変更するために、これらのコポリマーに、PVA又はPEVA(ポリエチレンビニルアセテート)の粒子及び/又は可塑剤(グリセロール、ソルビトール、PPG、PBG、DiPGなど)を添加することが可能である。
【0083】
これらの材料は、光重合開始剤を必要とせず、低いUV(UV可視光)線量で反応するので、特に好ましい;
【0084】
2)スチリルアゾリウム:
【0085】
【化3】

【0086】
[式中、Aはイオウ原子、酸素原子又はNR'若しくはC(R')2基を表し、R及びR'は前記で定義した通りである];
3)カルコン;
4)(チオ)シンナメートと(チオ)シンナムアミド;
5)マレイミド;
6)(チオ)クマリン;
7)チミン;
8)ウラシル;
9)ブタジエン;
10)アントラセン;
11)ピリドン;
12)ピロリジノン;
13)アクリジジニウム塩;
14)フラノン;
15)フェニルベンゾオキサゾール;
16)スチリルピラジン。
【0087】
同じ性質を有する別の官能基によって実施される反応は、エチレン性官能基を含む反応に限定されない。
【0088】
以下のような、縮合によって反応できる化合物も好ましい:
・ シロキサン基、特にジアルコキシシラン若しくはジヒドロキシシラン官能基又はトリアルコキシシラン若しくはトリヒドロキシシラン官能基(アルキルトリアルコキシシラン若しくはジアルキルトリアルコキシシラン官能基、特にアルキル基がアミンなどの水溶性官能基を有するアルコキシシラン官能基を有する分子、例えば、アミノトリエトキシシラン若しくはアミノトリエトキシシランなどの分子又はこのような官能基を有する分子を使用できる。小さいシロキサン系の分子(モノマー又はオリゴマー)に加えて、より高質量を有する化合物、特に特許FR2910315に記載されているものを使用できる);
・ チタン系ゾル-ゲル。
【0089】
UV励起下で重環化付加反応によって架橋する桂皮酸の誘導体も好ましい。一例として、記載は、ポリジメチルシロキサンシンナメート、置換度が1%〜50%であるポリビニルシンナメートコポリマーが挙げられる。
【0090】
これらの分子によって、反応の開始及び収率を制御できる。
【0091】
酸化よって反応し得る化合物、例えば、少なくとも2つのヒドロキシル官能基、又は1つのヒドロキシル官能基及び1つのアミン官能基、又は1つのヒドロキシル官能基を有する芳香族化合物、例えば、カテコール又はジヒドロキシインドールも好ましい。例えば、酸化剤は、空気からの酸素又は別の酸化剤、例えば、過酸化水素水溶液であることができる。
【0092】
1.2.異なる性質を有する別の官能基との反応:
この場合に反応する分子は、相補的な2つの型の官能基を有する。これらは、FA官能基を有する分子と、FA官能基と反応し得るFB官能基とが接触する系である。
【0093】
これらは、同一構造上に1つ又は複数のFA官能基と1つ又は複数のFB官能基とを有する分子であることもできる。
【0094】
FA functionは、例えば、以下から選択可能である:
・ エポキシド、
・ アジリジン、
・ ビニル及び活性化ビニル、特にアクリロニトリル、並びにアクリル酸及びメタクリル酸エステル、
・ クロトン酸及びそのエステル、桂皮酸及びそのエステル、スチレン及びその誘導体、ブタジエン、
・ ビニルエーテル、ビニルケトン、マレイン酸エステル、ビニルスルホン、マレイミド、
・ 酸塩化物、無水物及びカルボン酸エステル、
・ アルデヒド、
・ アセタール、ヘミアセタール、
・ アミナール、ヘミアミナール、
・ ケトン、α-ヒドロキシケトン、α-ハロケトン、
・ ラクトン、チオラクトン、
・ イソシアネート、
・ チオシアネート、
・ イミン、
・ イミド、特にスクシンイミド、グルチミド(glutimide)、
・ N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、
・ イミデート、
・ チオスルフェート、
・ オキサジン及びオキサゾリン、
・ オキサジニウムとオキサゾリニウム、
・ 式RX[式中、X=I、Br又はCl]のハロゲン化C1〜C30アルキル又はハロゲン化C6〜C30アリール若しくはアラルキル、
・ 不飽和炭素系環又は複素環のハロゲン化物、特にクロロトリアジン、
・ クロロピリミジン、クロロキノキサリン、クロロベンゾトリアゾール、
・ ハロゲン化スルホニル:RSO2Cl又はRSO2F[式中、RはC1〜C30アルキルである]。
【0095】
一例として、FA基の官能基を有する分子を挙げることができる:
・ メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、特に、ISP社によってGantrezの名称で販売されているもの、
・ ポリグリシジルメタクリレート、特にPolysciencesによって販売されているもの、
・ グリシジルポリジメチルシロキサン、特に、信越化学工業株式会社(Shinetsu)によって販売されているもの(参照記号X-2Z-173 FX又はDX)、
・ エポキシポリアミドアミン、例えば、Hercules社によってDelsette 101又はKymene 450の名称で販売されているもの、
・ エポキシデキストラン、
・ NaIO4による多糖類の酸化よって得られるポリサッカライドポリアルデヒド(Bioconjugate Techniques; GT Hermanson、Academic Press、1996)。
【0096】
FB官能基は、XHn官能基[式中、X=O、N、S又はCOO、n=1又は2]、特にアルコール、アミン、チオール及びカルボン酸から選択できる。
【0097】
一例として、FB型の官能基を有する分子として、以下のものを挙げることができる:
・ PAMAMデンドリマー、特にDendritech社、DSM社、Sigma-Aldrich 社によって販売されているもの(Dendritech社製の(Starburst、PAMAM Dendrimer、G(2、O))、
・ ヒドロキシル官能基を含むデンドリマー、特にPerstorp社、DSM社によって販売されているもの(例えば:HBP TNPコア2 Generation Perstorp)、
・ PEI(ポリエチレンイミン)、特にBASFによってLupasolの名称で販売されているもの、
・ PEI-チオール、
・ ポリリジン、特にチッソ株式会社(Chisso)によって販売されているもの、
・ HPセルロース、例えば、Aqualon社製のKlucel EF、
・ アミノデキストラン、例えば、Carbomer社によって販売されているもの、
・ アミノセルロース、例えば、WO01/25283に記載されているBASF社製のもの、
・ PVA(ポリビニルアセタール)、例えば、Airproducts Chemical社製のAirvol 540、
・ アミノPVA、例えば、Carbomer社によって販売されているもの、
・ キトサン。
【0098】
第2の場合には、ヒドロシリル化反応によって反応すし得る分子も含まれる:
【0099】
【化4】

【0100】
[式中、Wは、例えば、炭素系鎖又はシリコーン鎖を表す]。
【0101】
2つの成分、市販分子、触媒条件及び使用条件に関する詳細は、例えば、特許出願FR2910315に記載されている。
【0102】
1つの特定の場合においては、既に皮膚上に存在するか又は皮膚によって排出される分子、典型的には、例えばシアノアクリレートの反応又はシロキサンを含むいくつかの反応を促進できる水が、触媒的な作用剤又は反応体として使用される。
【0103】
別の特定の場合においては、周囲空気中に存在する分子、典型的には、ある種の油、例えば、乾性油、特に乾性植物油(例えば、アマニ油、シナギリ油(又はキリ油)、オイチシカ油、ベルノニア油、ケシ油、ザクロ油、キンセンカ油)又はアルキド樹脂を架橋させる反応に関与する酸素が、触媒的な作用剤又は反応体として使用される。反応は、例えばオクチル酸塩、リノール酸塩又はオクタン酸塩の形態の、コバルト塩、マンガン塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩類、亜鉛塩、ストロンチウム塩、鉛塩、リチウム塩、鉄塩、セリウム塩、バリウム塩又はスズ塩などの触媒の使用によって促進できる。
【0104】
別の特定の場合においては、転位によって互いに結合する分子が使用される。したがって、内部ジスルフィドを有する分子を使用できる。分子内ジスルフィドの開裂(opening)及びこれらのジスルフィドの反応によって、分子間に新しい共有結合が形成され得る。
【0105】
反応を加速するために、触媒、例えば、金属(例えば、マンガン、銅、鉄又はプラチナ)の塩、チタン酸塩又は酵素(例えば、オキシダーゼ又はラッカーゼ)を使用できる。
【0106】
同一又は異なる性質の別の官能基と反応する化学官能基の場合には、いくつかの適用方法が可能である。
【0107】
例えば、反応する全成分をフィルイン組成物中に組み込むか、あるいは1種若しくは複数の化合物、例えば、2種の化合物のうち1つ又は触媒を除いた全成分をフィルイン組成物に組み込む。
【0108】
2.-他の起こり得る反応:
フィルイン生成物の性質の変化は、物理化学的現象、例えば、凝固、コアセルベーション、又は変性、錯体形成若しくは物理架橋などの他の物理化学的現象によって起こり得る。
【0109】
あるいは、この変化は、材料が平衡に戻ることによっても起こり得る。
【0110】
例えば、物理架橋は、分子間に堅固な物理的な結合を形成し且つ最終材料に耐水性を与えることができる成分によって、実施できる。これらの非共有結合は、イオン又は水素型である。
【0111】
一例として、二価又は多価型の塩、例えば、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム又はアルミニウムの塩との混合物を挙げることができる。
【0112】
例えば、アルギン酸誘導体などの化合物Aとカルシウム塩などの化合物Bを混合できる。例えば、アルギン酸誘導体がフィルイン組成物に含まれ、第2のステップで塩化カルシウムの水溶液を、例えば噴霧の形態で適用することによって、架橋が引き起こされる。
【0113】
更に、強力な水素結合を形成し得る分子、例えば、ポリシロキサン/ポリ尿素ブロックコポリマー、特に式:
【0114】
【化5】

【0115】
[式中、
Rは、1つ若しくは複数のフッ素若しくは塩素原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20の一価炭化水素系基を表し、
Xは、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、アルキレン基中の隣接していないメチレン単位は-O-基に置き換えることができ、
Aは、酸素原子又はアミノ-NR'-基を表し、
Zは、酸素原子又はアミノ-NR'-基を表し、
R'は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、
Yは、適切な場合はフッ素若しくは塩素で置換されている、炭素数1〜20の二価炭化水素系基を表し、
Dは、適切な場合はフッ素、塩素、C1〜C6アルキル若しくはC1〜C6アルキルエステルで置換されている、炭素数1〜700のアルキレン基を表し、アルキレン基中の隣接していないメチレン単位は-O-、-COO-、-OCO-又は-OCOO-基に置き換えることができ、
nは、1〜4000の範囲の数であり、
aは、少なくとも1の数であり、
bは、0〜40の範囲の数であり、
cは、0〜30の範囲の数であり、
dは、0より大きい数である]
を有するコポリマーを挙げることができる。
【0116】
官能基、市販分子及び使用条件に関する詳細は、特許EP759812に記載されている。
【0117】
フィルイン材料の機械的性質の変化は自然に起こり得る。即ち、フィルイン生成物を皺内に適用すると、他の方法を行わなくても変化が起こる。
【0118】
第1の可能性によれば、材料は、環境要素:熱、光など(周囲光、周囲湿度など)の作用によって変化し、本発明の1つの特定の場合には、発汗、皮脂滲出などのような自然現象によって変換が起こる。
【0119】
この経路の一例として、ポリビニルアセテート粒子上に吸着されている、スチルバゾリウム基を有する部分鹸化ポリビニルアセテートの水性分散液を使用する。この分散液は、40%の固形分を含む。
【0120】
材料は、皺内に適用し、縁端を均した後、自然に変化させるか又は紫外線Aによって500mW/cm2の割合で1秒間処理することが可能である。
【0121】
第2の可能性によれば、生成物の調製中又は適用中に変化が開始され、この変化は生成物が皺内に入った後:
・ 使用時又は皮膚上における少なくとも2種の生成物の混合後、
・ 生成物の撹拌又は剪断によって開始される変換又は反応(使用時又は皮膚上)後
も続くので、フィルイン材料は変化する。
【0122】
一例として、フィルイン材料は、2種の組成物、即ち、化合物Aを含む一方の組成物と化合物Bを含む他方の組成物の即時混合による調製によって得られる。化合物A及び化合物Bの少なくとも一方がシリコーン化合物であり、化合物A及び化合物Bは互いに接触させられた場合に、過酸化物の存在下でヒドロシリル化反応、縮合反応又は架橋反応によって互いに反応し得る。
【0123】
このような技術は、文献WO01/96450及びGB2407496により詳細に記載されている。
【0124】
得られた組成物は、微小な凹凸の不完全性を平らにすることによって適用する。
【0125】
a)化合物Aを含む組成物:
MICROWAX HW 0.77
イソノナン酸イソノニル 0.46
Suzuki複合材料 3.57
ジメチコン 1.99
Tospearl 145 2.87
KSG 6 1.65
DOW CORNING 9506 POWDER 7.18
PSPA(DP100) 0.13
DOW CORNING 7-FC4210 CURING AGENT 40
Timironシルクレッドミクロ真珠光沢剤(silk red micro pearlescent agent) 3.57
ナイロン繊維 9.85
Parleam 5.07
POLYETHYLENE AC 540 0.38
Expancel 0.28
エチルヘキシルグリセリン 0.066
カプリリルグリコール 0.066
微孔質シリカSB700 3.2
タルク 18.898。
【0126】
b)化合物Bを含む組成物:
MICROWAX HW 1.86
イソノナン酸イソノニル 1.12
Suzuki複合材料 3.05
ジメチコン 2.98
Tospearl 145 2.45
KSG 6 2.48
DOW CORNING 9506 POWDER 6.14
PSPA(DP100) 0.32
DOW CORNING 7-FC4210 ELASTOMERフィルム形成ベース 40
Timironシルクレッドミクロ真珠光沢剤 3.05
ナイロン繊維 8.42
Parleam 5.99
POLYETHYLENE AC 540 0.93
Expancel 0.24
エチルヘキシルグリセリン 0.16
カプリリルグリコール 0.16
微孔質シリカSB700 2.74
タルク 17.91。
【0127】
これらの組成物は、BC21ブレンダー/押出機を用いて調製する。
【0128】
前記組成物を、50/50の割合で即座に混合する。
【0129】
前記例の組成物について、皺内への適用時に測定されたレオロジーパラメーターを、以下の表1に報告する:
【0130】
【表1】

【0131】
次いで、この混合物を、老化肌を有する女性パネリストの眼の輪郭の皺及び小皺、並びに「カラスの足跡」とも称される目尻の皺及び小皺に適用する。結果として、これらの女性において、皺と小皺のめざましい減少が認められる。
【0132】
皺内への生成物の適用前に開始されるヒドロシリル化反応は、適用後も続く。
【0133】
t=5分における同一レオロジーパラメーターの測定により、以下の表2で報告する値が得られる。
【0134】
【表2】

【0135】
これらの値は、転移前に測定されたフィルイン生成物の各レオロジーパラメーターの約10倍の増加を反映している。
【0136】
第3の可能性によれば、配合物が平衡状態にない形態で適用され、適用時に平衡状態に戻るので、材料は変化する:
・ 化合物は、温度上昇によって液体化され、冷却時に再凝固する。
・ 配合物は、撹拌によって液体化され、静置時に凝固する。
【0137】
第4の可能性によれば、生成物を皺内に適用後、反応又は変換を開始し得る操作:
・ 変換を促進する第3の化合物、例えば、触媒、pH作用剤などの添加、
・ 材料の変化を誘発する、物理化学的変換を可能にする第3の化合物の添加、例えば、溶媒又は水などの添加
が行われるので、材料は変化する。
【0138】
一例として、グアーガム粉末を使用する。この粉末を、エタノール又はアセトンなどの非水溶媒中に投入する。
【0139】
ペーストを皺内に適用後、縁端を均す。
【0140】
それを乾燥させ、リン酸塩を含む水のスプレーによって皺を湿らせる。
【0141】
フィルイン生成物の他の成分:
a)活性剤:
本発明によるフィルイン生成物は、特に皺の処置を目的とする少なくとも1種の活性剤を含むことができる。この活性剤は、皮膚の陥凹部分への適用前にフィルイン生成物中に存在してもよいし、又は皮膚の陥凹部分への適用後にフィルイン生成物に添加してもよい。
【0142】
本発明による方法に使用するフィルイン生成物は、1種又は複数の化粧活性剤、特に抗皺活性剤を含むことができる。
【0143】
本発明従って使用できる抗皺活性剤の例は、以下の通りである:レチノール及びその誘導体(例えば、パルミチン酸レチニル);アスコルビン酸及びその誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム及びアスコルビルグルコシド);アデノシン及び誘導体は、特に非リン酸化誘導体;トコフェロール及びその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール);ニコチン酸及びその前駆体(例えば、ニコチンアミド);ユビキノン;グルタチオン及びその前駆体(例えば、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸);C-グリコシド化合物及びその誘導体、特に、出願WO02/051828に記載されているもの;植物抽出物、特にシーフェンネル及びオリーブ葉の抽出物、並びに更に植物タンパク質及びその加水分解物(例えば、米又は大豆タンパク質加水分解物);藻類抽出物、特にコンブの抽出物;細菌抽出物;サポゲニン(例えば、ジオスゲニン)及びそれらを含むディオスコリア属(Dioscorea)の植物、特に自然薯の抽出物;α-ヒドロキシ酸;β-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸及び5-n-オクタノイルサリチル酸);オリゴペプチド及びプソイドジペプチド、並びにそれらのアシル誘導体、特に{2-[アセチル(3-トリフルオロメチルフェニル)アミノ]-3-メチルブチリルアミノ}酢酸、並びにSederma社によって商標名Matrixyl 500及びMatrixyl 3000として販売されているリポペプチド;リコペン;マンガン塩及びマグネシウム塩、特にグルコン酸塩;更にそれらの混合物。更に、ビタミン、例えば、ビタミンB3又はPP、B5、E及びK1を挙げることもできる。
【0144】
本発明に最も適する活性剤としては、特に、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、酢酸トコフェロール、リコペン、並びにSederma社によって商標名Matrixyl 500及びMatrixyl 3000として販売されているリコペプチド、並びにC-グリコシド誘導体、特にC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンを挙げることができる。
【0145】
好ましくは、老化防止活性剤は、アデノシン及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにC-グリコシド及びその誘導体、例えば、C-α-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンから選択される。
【0146】
活性剤の量は、言うまでもなく、活性剤の性質及び目的とする作用によって異なるが、組成物の総重量を基準として、一般に0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%に相当する。
【0147】
加えて、本発明による方法は、電磁波(可視光、IR、UVなど)の使用、あるいは他の放射線又はエネルギー、例えば、電場若しくは磁場に由来するもの又はマイクロ波エネルギーの使用を伴う処置と併用できる。これらの場合、材料は適宜に適合させることができる。一例として、材料は、電気導体若しくは電気絶縁体又は熱導体又は熱絶縁体であることができる。材料は、電磁波を補助し、集中させ又は遮断することができる物理的性質を有することができる。
【0148】
繊維:
本発明のフィルイン生成物は、繊維を含むことができる。これらの繊維は、絡み合いによってフィルイン材料に良好な凝集力を与える。
【0149】
用語「繊維」は、長さLが直径Dより大きく、好ましくはDよりはるかに大きく、Dが繊維横断面の円の直径であるような、長さL及び直径Dを有する物体を意味すると理解すべきである。詳細には、L/D比(又は形状係数)は、3.5〜2500、好ましくは5〜500、好ましくは、更に好ましくは5〜150の範囲から選択される。
【0150】
本発明の組成物に使用できる繊維は、合成又は天然、無機繊維又は有機由来の繊維のいずれでもよく、軟質でも硬質でもよい。
【0151】
繊維は、短繊維又は長繊維のいずれでもよく、単体でも組織化、例えば、編組されていてもよい。
【0152】
繊維は、任意の形状を有することができ、詳細には、想定される個々の用途に応じて、円形又は多角形(正方形、六角形又は八角形)の横断面を有することができる。
【0153】
本発明による組成物に使用できる繊維は好ましくは、ポリアミド繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維及びそれらの混合物から選択される。それらの長さは、0.1〜5mm、好ましくは0.25〜1.6mmの範囲であることができ、それらの平均直径は、5〜50μmの範囲であることができる。
【0154】
繊維は、織物の製造に使用されるもの、特に絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、セルロース繊維(例えば、木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維)、ポリアミド繊維(Nylon(登録商標)、特にNylon 6 = Polyamide 6 ; Nylon 6,6又はNylon 66=Polyamide 6,6; Nylon 12 = Polyamide 12)、レーヨン繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、特にレーヨンアセテート繊維、セルロースアセテート繊維又はシルクアセテート繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)繊維、アクリルポリマー繊維、特にポリメチルメタクリレート繊維又はポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)繊維、ポリオレフィン繊維、特にポリエチレン又はポリプロピレン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、特にグラファイトの形態の炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))繊維)、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維又はポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、及び前述のようなポリマーのブレンドから形成された繊維、例えば、三葉(trilobed)ポリアミド/ポリエステル繊維、並びにこれらの繊維の混合物であることができる。
【0155】
外科手術で使用される繊維、例えば、グリコール酸及びカプロラクトンから製造された吸収性合成繊維(Johnson & Johnson社製のMonocryl);乳酸/グリコール酸コポリマー型の吸収性合成繊維(Johnson & Johnson社製のVicryl);テレフタル酸系ポリエステル繊維(Johnson & Johnson社製のEthibond);及びステンレス鋼縫合糸(Johnson & Johnson社製のAcier)も使用できる。
【0156】
更に、繊維は、表面が処理されていても又は非処理であってもよく、被覆されていても又はされていなくてもよい。本発明に使用できる被覆繊維としては、静電気防止効果を与えるために硫化銅で被覆されたポリアミド繊維(例えば、Rhodia社製のR-STAT繊維)又は繊維の特定の組織化(特殊表面処理)又は色/ホログラム効果をもたらす表面処理を可能にする別のポリマーで被覆されている繊維(例えば、Sildorex社製のLurex繊維)を挙げることができる。
【0157】
本発明による組成物に使用できる繊維は好ましくは、ポリアミド繊維、セルロース繊維及びポリエチレン繊維、並びにそれらの混合物から選択される。繊維の長さは、0.1〜5mm、好ましくは0.25〜1.6mmの範囲であることができ、そして、繊維の平均直径は、5〜50μmの範囲であることができる。
【0158】
Nylon 6(又はPolyamide 6)、Nylon 6,6又はNylon66(又はPolyamide 6,6)及びNylon 12(又はPolyamide 12)繊維、並びにそれらの混合物から選択される繊維が、最も適する。
【0159】
特に、Etablissements P. BonteによってPolyamide 0.9 Dtex 0.3mmの名称で販売されている、平均直径6μm、重さ約0.9dtex及び長さ0.3〜3mmのポリアミド繊維(INCI名:Nylon 6,6)、あるいはLCW社によってFiberlon 931-D1-Sの名称で販売されている、番手が約0.9dtex及び長さが約0.3mmのポリアミド繊維を使用できる。Utexbel社によってPolyamide brillante trilobeeの名称で販売されている、番手が約2dtex及び長さが約0.3mmのNylon-66繊維(INCI名:Nylon-66)も使用できる。
【0160】
平均直径が50μm及び長さが0.5〜6mmの範囲のセルロース(又はレーヨン)繊維、例えば、Claremont Flock社によってNatural rayon flock fibre RC1BE-N003-M04の名称で販売されているものも使用できる。ポリエチレン繊維、例えば、Mini FibersによってShurt Stuff 13 099 Fの名称で販売されているものも使用できる。
【0161】
有利には、フィルイン生成物は、その総重量を基準として、少なくとも5重量%の繊維を含む。
【0162】
他の充填剤:
他の充填剤は、結晶学的形態(例えば、層状系、立方晶系、六方晶系、斜方晶系など)に関係なく、板形、球形、半球形又は長円形の任意の形態であることができる。
【0163】
これらの充填剤の一例としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、中空ポリマー微小球、例えば、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリル(例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie))若しくはアクリル酸コポリマーの中空ポリマー微小球、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、東芝製のTospearls(登録商標))、エラストマー性ポリオルガノシロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合材料充填剤、中空シリカ微小球、並びにガラス又はセラミックマイクロカプセルを挙げることができる。特開2003-128788号公報及び特開2000-191789号公報に記載されているような、中空球の部分の形態を有する粒子も使用できる。
【0164】
着色剤/光学効果材料:
フィルイン生成物は、少なくとも1種の着色剤、又はその光学的性質(特に光沢)を変更できる少なくとも1種の材料を含むことができる。
【0165】
a)干渉粒子
本発明に従って使用するフィルイン材料は有利には、干渉粒子、例えば、少量の真珠光沢剤又は干渉顔料を有利に含むことができる。
【0166】
これは、このような干渉粒子が一緒になって、本発明の組成物のフィルムで被覆された皮膚に対して、皮膚を明るくし、均一にし又は更には皮膚の欠陥をカモフラージュする補足効果を与えることができるためである。したがって、それらは、存在することによって、有利には、本発明によって考慮される組成物が与える、皮膚の改善された外観の視覚認識を強調することができる。
【0167】
特に、本発明による干渉粒子によれば、前記で定義した充填剤と組み合わさって、皮膚表面に与えられる最終効果が皮膚の自然な肌トーンに実質的に影響を与えないか又は全く影響を与えないような、透明効果を得ることができる。
【0168】
本発明の解釈上、「干渉粒子」という表現は、一般に多層構造を有し、層の性質によって異なる回折及び散乱をする光線の干渉によって色彩効果をもたらし得るような粒子を意味する。したがって、これらの粒子は、視角及び光の入射角によって異なる色を有することができる。得られる色彩効果は、これらの粒子の多層構造に関連し、例えば、Pearl Lustre Pigments-Physical principles, properties, applications R. Maisch、M. Weigand. Verlag Moderne Industrieに記載されているような薄膜光学の物理法則によって得られる。
【0169】
本発明の解釈上、用語「多層構造」は、単層で被覆された基材から形成された構造又は少なくとも2層若しくは更には数層の連続層で被覆された基材から形成される構造を、区別せずに意味するものとする。
【0170】
したがって、多層構造は、1層又は更には少なくとも2層からなり、各層の素材は、任意選択で他の層と独立して、以下の材料:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、合金、ポリマー及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の材料であることができる。
【0171】
一般に、多層構造は無機性を有する。
【0172】
より詳しくは、本発明によって考慮される干渉粒子は、干渉顔料あるいは真珠光沢剤であることができる。
【0173】
本発明による干渉粒子は、一般に40μm未満、特に0.5〜40μmの範囲、より特定すれば30μm未満、特に20μm未満の体積平均径(volume-average size)を有することができる。
【0174】
これらの干渉粒子は、更に、本発明が必要とする充填に関する要求に更に適合するように選択されることがわかる。一般に、これらの干渉粒子は、着色に関して均一な効果を得ると同時に、皮膚及び/又は唇の自然な肌トーンを保つのに充分な量で存在する。
【0175】
真珠光沢剤は、本発明に最も適する。
【0176】
b)真珠光沢剤
用語「真珠光沢剤」は、任意の形状の虹色の粒子、特に特定の軟体動物よってそれらの殻内部で生成されたもの又は合成されたものを意味することを理解すべきである。
【0177】
天然又は合成の真珠光沢剤は、単層又は多層であって、特に、天然基材(特にマイカを主成分とする)から形成され、1層又は複数の金属酸化物層で被覆されているものであることができる。
【0178】
したがって、真珠光沢剤は、白色真珠光沢剤(例えば、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ)、有色真珠光沢剤(例えば、酸化鉄、フェリックブルー(ferric blue)、酸化クロム又は前記型の有機顔料で被覆されたチタンマイカ)及び更にオキシ塩化ビスマスを基材とする真珠光沢剤から選択できる。
【0179】
これらは有利には、マイカ/酸化スズ/酸化チタン真珠光沢剤、例えば、Merck社によって提供されるTimiron Silk Blue(登録商標)、Timiron Silk Red(登録商標)、Timiron Silk Green(登録商標)、Timiron Silk Gold(登録商標)及びTimiron Super Silk(登録商標)の名称で販売されているもの、並びにマイカ/酸化鉄/酸化チタン真珠光沢剤、例えば、Engelhard社によって提供されるFlamenco Satin Blue(登録商標)、Flamenco Satin Red(登録商標)及びFlamenco Satin Violet(登録商標)、更にそれらの混合物から選択できる。
【0180】
真珠光沢剤は、本発明による組成物に、組成物の総重量を基準として、0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、優先的には0.1〜30重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0181】
より詳しくは、これらの真珠光沢剤は、組成物の総重量を基準として、0.1〜15重量%、より特定すると0.1〜7重量%、より特定すると0.1〜5重量%に相当する。
【0182】
前記化合物に加えて、本発明による組成物は、顔料若しくは染料型の又は特殊な光学効果を有する他の有機材料を含むことができる。
【0183】
これらの補助材料は、本発明による組成物中に、組成物の総重量を基準として、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜12重量%、優先的には1〜10重量%の範囲の含量で存在できる。
【0184】
c)色彩及び/又は光学効果を有する材料
用語「染料」は、一般に有機化合物であって、油などの脂肪性物質又は水性アルコール相に可溶な化合物を意味すると理解すべきである。
【0185】
脂溶性染料は、Sudan Red、DC Red 17、DC Green 6、β-カロテン、Sudan Brown、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5及びキノリンイエローから選択できる。水溶性染料は、例えば、ビートルート液及びメチレンブルーである。
【0186】
用語「顔料」は、組成物に不溶で且つ組成物を着色することを目的とする、任意の形状の無機又は有機の白色又は着色粒子を意味すると理解すべきである。
【0187】
無機顔料としては、任意選択で表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、更に酸化亜鉛、(黒色、黄色又は赤色)酸化鉄又は酸化クロム、例えば、Sunpuro社によって参照記号PFX 5 Sunpuro Yellow及びSunpuro Redの酸化鉄で販売されているもの、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー、金属粉末、例えば、アルミニウム粉末及び銅粉末を挙げることができる。顔料はまた、金属酸化物、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム及びそれらの混合物のナノ顔料から選択できる。用語「ナノ顔料」は、平均粒度が1〜500nm、好ましくは10〜100nmの範囲の顔料を意味するものとする。
【0188】
有機顔料としては、カーボンブラック、D & C顔料及びレーキ、特にカーマイン(cochineal carmine)、バリウム、ストロンチウム、カルシウムとアルミニウムを基材とするレーキを挙げることができる。
【0189】
d)特殊な光学効果を有する材料:
光学効果は、単純な従来の色相効果、即ち、従来の着色剤、例えば、単色顔料によってもたらされる種類の単一化され且つ安定化された効果とは異なる。本発明の解釈上、用語「安定化された」は、視角による又は温度変化に応答する色彩の変動の影響がないことを意味する。
【0190】
例えば、この効果をもたらし得る材料は、金属光沢粒子、角度依存性着色剤、回折顔料、感温変色剤及び光学増白剤から選択できる。
【0191】
本発明で使用できる金属光沢粒子は、特に以下から選択される:
- 少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体の粒子、
- 少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体を含む少なくとも1層の金属光沢層で少なくとも部分的に被覆された、単一物質又は複数物質からなる有機又は無機基材を含む粒子、並びに
- 前記粒子の混合物。
【0192】
前記粒子に存在し得る金属としては、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te及びSe、並びにそれらの混合物又は合金を挙げることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo及びCr又はそれらの混合物若しくは合金(例えば、青銅と黄銅)が、好ましい金属である。
【0193】
用語「金属誘導体」は、金属から誘導される化合物、特に酸化物、フッ化物、塩化物及び硫化物を意味する。
【0194】
これらの粒子の一例として、アルミニウム粒子、例えば、Siberline社によってStarbrite 1200 EAC(登録商標)の名称で及びEckart社によってMetalure(登録商標)の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0195】
また、銅又は合金混合物の金属粉(例えば、Radium Bronze社によって販売されている参照記号2844)、金属顔料、例えば、アルミニウム又は銅(例えば、Eckart社からRotosafe 700の名称で販売されているもの)、Eckart社からVisionaire Bright Silverの名称で販売されているシリカ被覆アルミニウム粒子、及び金属合金粒子(例えば、Eckart社からVisionaire Bright Natural Goldの名称で販売されているシリカ被覆青銅(銅と亜鉛との合金))も挙げることができる。
【0196】
本発明による複合顔料は特に、
- 無機コア、
- 少なくとも1種の有機着色剤による少なくとも1つの少なくとも部分的なコーティング
からなることができる。
【0197】
有利には、少なくとも1種の結合剤が、無機のコアへの有機着色剤の付着に関与できる。この結合剤は有利には、共有結合を形成せずに作用できる。
【0198】
複合顔料の粒子は、種々の形状を有することができる。これらの粒子は特に、小板形又は球状、特に球形であることができ、中空でも中実でもよい。用語「小板形」は、厚さに対する最大寸法の比が5以上である粒子を意味する。
【0199】
本発明による複合顔料は、例えば、1〜1000m2/g、特におよそ10〜600m2/g、とりわけ、およそ20〜400m2/gの比表面積を有することができる。比表面積は、BET法によって測定される値である。
【0200】
本発明の特定の一実施形態によれば、無機コアは酸化チタンである。
【0201】
無機コアとしては、酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化セリウム、酸化亜鉛及び酸化アルミニウム、並びにケイ酸塩、特にアルミノケイ酸塩とホウケイ酸塩が最も適する。
【0202】
有機着色剤は、例えば、以下の化合物及びそれらの混合物から選択できる有機顔料を含むことができる:
- カーマイン、
- アゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン又はフルオラン染料の有機顔料、
- 不溶性有機ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム若しくはチタン又はアゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン又はフルオラン染料(これらの染料は、少なくとも1つのカルボン酸又はスルホン酸基を含むことが可能である)などの酸染料のレーキ。
【0203】
有機顔料としては、特に、以下の名称で知られているものを挙げることができる:D&C Blue No.4、D&C Brown No.1、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.33、D&C Red No.34、D&C Red No.36、D&C Violet No.2、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、FD&C Blue No.1、FD&C Green No.3、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5及びFD&C Yellow No.6。
【0204】
特定の一実施形態によれば、D&C Red No.7有機顔料を使用する。
【0205】
別の実施形態によれば、D&C Red No.28有機顔料を使用する。
【0206】
別の特定の実施形態によれば、FD&C Yellow No.5有機顔料を使用する。
【0207】
特定の一実施形態によれば、有機FD&C Blue No.1アルミニウムレーキを使用する。
【0208】
別の実施形態によれば、有機FD&C Yellow No.5アルミニウムレーキを使用する。
【0209】
特定の一実施形態によれば、有機結合剤はポリメチル水素シロキサンである。
【0210】
この型の複合顔料の一例として、特に、以下のように構成されるものを挙げることができる:
- 二酸化チタン(CI77891)、FD&C Blueアルミニウムレーキ(CI42090及びポリメチル水素シロキサン(58.1/40.7/1.2)、
- 二酸化チタン(CI77891)、D&C Red No.7(CI15850)及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)、
- 二酸化チタン(CI77891)、D&C Red No.28(CI45410)及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)、
- 二酸化チタン(CI77891)、FD&C Yellow 5アルミニウムレーキ(CI191140)及びポリメチル水素シロキサン(65.8/32.9/1.3)。
【0211】
1つの選択肢によれば、本発明に適する複合顔料はまた、Suzuki又はErcolano型の顔料などの少なくとも1種の有機又は無機の着色剤が分散された無機コアから構成されることができる。
【0212】
本発明に適する複合顔料の一例としては、三好化成株式会社によってPC-LS-14又はPC-LS-19の名称で流通されている顔料及び更にDolci Colori社製のRosso Er Colano顔料を挙げることができる。
【0213】
当該粒子はまた、ガラス基材を含む粒子、例えば、日本板硝子よってMicroglass Metashineの名称で販売されているものであることができる。
【0214】
角度依存性着色剤は、例えば、多層干渉構造及び液晶着色剤から選択できる。
【0215】
本発明に従って調製する組成物に使用できる対称性多層干渉構造の例は、例えば、以下の構造である:Al/SiO2/Al/SiO2/Al(この構造を有する顔料はDupont De Nemours社によって販売されている);Cr/MgF2/Al/MgF2/Cr(この構造を有する顔料はFlex社によってChromaflairの名称で販売されている);MoS2/SiO2/Al/SiO2/MoS2;Fe2O3/SiO2/Al/SiO2/Fe2O3及びFe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3(これらの構造を有する顔料はBASF社によってSicopearlの名称で販売されている);MoS2/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/MoS2;Fe2O3/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/Fe2O3;TiO2/SiO2/TiO2及びTiO2/Al2O3/TiO2;SnO/TiO2/SiO2/TiO2/SnO;Fe2O3/SiO2/Fe2O3;SnO/マイカ/TiO2/SiO2/TiO2/マイカ/SnO(これらの構造を有する顔料はMerck社(Darmstadt)によってXironaの名称で販売されている)。一例として、これらの顔料は、Merck社によってXirona Magicの名称で販売されているシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造の顔料、Merck社によってXirona Indian Summerの名称で販売されているシリカ/褐色酸化鉄構造の顔料、及びMerck社によってXirona Caribbean Blueの名称で販売されているシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造の顔料であることができる。更に、株式会社資生堂製のInfinite Colors顔料を挙げることもできる。種々の層の厚さ及び性質に応じて、種々の効果が得られる。例えば、Fe2O3/SiO2/Al/SiO2/Fe2O3構造を用いることによって、320〜350nmのSiO2層の色彩はグリーンゴールド色からレッドグレイ色まで変化し; 380〜400nmのSiO2層の色彩はレッド色からゴールド色まで変化し; 410〜420nmのSiO2層の色彩はバイオレット色からグリーン色まで変化し; 430〜440nmのSiO2層の色彩は銅色からレッド色まで変化する。
【0216】
ポリマー多層構造を有する顔料の一例としては、3M社によってColor Glitterの名称で販売されているものを挙げることができる。
【0217】
使用できる液晶角度依存性粒子の例としては、Chenix社によって販売されているもの及びWacker社によってHelicone(登録商標)HCの名称で販売されているものが挙げられる。
【0218】
これらの材料は、組成物の総重量を基準として、20〜75重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲の含量で存在できる。
【0219】
生理学的に許容され得る媒体:
発明による方法の実施に使用するフィルイン材料は、ヒトケラチン物質に適用でき且つ心地よい外観、香りと感触を有する生理学的に許容され得る媒体、即ち、無毒媒体を含む。
【0220】
フィルイン材料は、少なくとも1種の油から形成される少なくとも1つの液体脂肪相を含むことができる。
【0221】
実施形態の一変形形態によれば、本発明によるフィルイン生成物は、無水の形態であることができる。
【0222】
本発明の解釈上、「無水組成物」という表現は、組成物の総重量を基準として、2重量%未満又は更には0.5%未満の水を含む組成物、特に水を含まない組成物を意味する。
【0223】
本発明による組成物に使用できる油の例としては、以下のものを挙げることができる:
- 動物由来の炭化水素系油、例えば、ペルヒドロスクアレン;
- 植物由来の炭化水素系油、例えば、炭素数4〜10の脂肪酸の液体トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリドなど、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、ゼニアオイ油(marrow oil)、グレープシード油、ゴマ油、ヘイゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油(arara oil)、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社によって販売されているもの又はDynamit Nobel社によってMiglyol 810、812及び818の名称で販売されているもの、ホホバ油、シアバター油;
- 合成エステル及びとエーテル、特に脂肪酸の合成エステル及びとエーテル、例えば、式R1COOR2とR1OR2[式中、R1は炭素数8〜29の脂肪酸残基を表し、R2は炭素数3〜30の分岐鎖又は非分岐鎖炭化水素系鎖を表す]の油、例えば、パーセリン油、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、脂肪族アルコールヘプタノエート、オクタノエート及びデカノエート;ポリオールエステル、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート及びジエチレングリコールジイソノナノエート;並びにペンタエリスリトールエステル、例えば、ペンタエリスリチルテトライソステアレート;
- 無機又は合成由来の直鎖又は分岐鎖炭化水素、例えば、揮発性又は不揮発性流動パラフィン及びそれらの誘導体、イソヘキサデカン、イソドデカン、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えば、Parleam油;
- 天然又は合成精油、例えば、ユーカリ油、ラバンジン油、ラベンダー油、ベチバー油、リツェアクベバ(Litsea cubeba)油、レモン油、ビャクダン油、ローズマリー油、カモミール油、セイバリー油、ニクズク油、桂皮油、ヒソップ油、カラウェー油、オレンジ油、ゲラニオール油、カデ油及びベルガモット油;
- 炭素数8〜26の脂肪族アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルドデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコール;
- 部分的に炭化水素系の及び/又はシリコーン系のフッ素油、例えば、特開平2-295912号公報に記載されているもの;
- シリコーン油、例えば、周囲温度で液体又はペースト状である、直鎖又は環状シリコーン鎖を含む揮発性又は不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、特に、シクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、例えば、シクロヘキサシロキサン及びシクロペンタシロキサン;炭素数2〜24のアルキル、アルコキシ若しくはフェニル側基を含む又はシリコーン鎖の末端に炭素数2〜24のアルキル、アルコキシ若しくはフェニル基を含むポリジメチルシロキサン;フェニル化シリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、(2-フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート及びポリメチルフェニルシロキサン;
- 並びにそれらの混合物。
【0224】
油に関する前記列挙中の用語「炭化水素系油」は、主に炭素原子及び水素原子を含み、任意選択でエステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸及び/又はアルコール基を含む任意の油を意味するものとする。
【0225】
本発明による組成物は、揮発性油を含むことができる。
【0226】
本発明の解釈上、用語「揮発性油」は、周囲温度及び大気圧においてケラチン物質との接触時に1時間未満に蒸発し得る油を意味するものとする。本発明の揮発性油は、周囲温度の液体であり且つ周囲温度及び大気圧において、特に0.13〜40000Pa(10-3〜300mmHg)、特に1.3〜13000Pa(0.01〜100mmHg)、より特定すれば1.3〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲のゼロ以外の蒸気圧を有する、揮発性化粧用油である。
【0227】
揮発性油としては、とりわけ、2〜6個のケイ素原子を含む環状又は直鎖シリコーン、例えば、シクロヘキサシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ブチルトリシロキサン及びエチルトリシロキサンを挙げることができる。分岐鎖炭化水素、例えば、イソドデカン、更に、揮発性ペルフルオロアルカン、例えば、3M社によってPF5050(登録商標)及びPF5060(登録商標)の名称で販売されているドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサン、並びにペルフルオロモルホリン誘導体、例えば、3M社によってPF5052(登録商標)の名称で販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンも使用できる。
【0228】
フィルイン材料の適用:
本発明による方法に使用するフィルイン生成物は、用具、特にスパーテル又はマイクロエアブラシを用いて正確に適用できる。あるいは、生成物はそれほど正確でない適用も可能であり、処置陥凹部分の縁端をわずかに越えることができる。この場合には、端にある化合物を、例えば、スクレーパーとして機能する用具を用いて均すことができる。また、生成物は、吸収、ドローオフ(drawing off)、蒸発又はすすぎによって、例えば、特殊な組成物を用いて除去できる。
【0229】
好ましくは、フィルイン生成物は40%以上、好ましくは60%以上の乾燥材料含量を有する。
【0230】
用語「乾燥材料」は、周囲温度で蒸発しない化合物の蓄積を意味するものとする。
【0231】
他の変形形態:
特定の一実施形態によれば、処置陥凹部分へのフィルイン生成物の導入前に、フィルイン生成物の保持を改善し得る組成物、特に接着剤組成物を、処置陥凹部分の全て又は一部に適用する。例えば、反応性若しくは非反応性接着剤、PSA接着剤、接着促進剤又はフィルイン材料と反応し得る化合物を使用する。
【0232】
さらに別の実施形態によれば、陥凹部分へのフィルイン生成物の適用後に、フィルイン生成物の全て又は一部を、フィルム(予め形成されるか又はその場で形成される)、及び/又は少なくとも1種の紫外線遮断剤を含む組成物を用いて被覆する。結果として、皺内におけるフィルイン生成物の保持が改善される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚陥凹部のフィルインによる皮膚の平滑化方法であって、1ヘルツの応力頻度について25℃で20000パスカル超の弾性率と、500パスカル超の降伏価と、降伏応力未満の負荷応力について剪断速度10-3s-1において100000Pa.s超の粘度とを有するフィルイン生成物を用いて前記陥凹部を埋めるステップを含み、前記フィルイン生成物が、皮膚陥凹部への適用後、蒸発反応又はレーザー重合反応以外の反応に続いて、機械的性質が変化する,
方法。
【請求項2】
前記フィルイン生成物の機械的性質の変化が、弾性率、降伏価及び降伏応力未満の負荷応力についての粘度から選択される少なくとも1つのパラメーターが、少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍変化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルイン生成物が500000Pa.s超の粘度を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルイン生成物の剛性が、皮膚陥凹部分への適用後、増加することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルイン生成物の弾性が、皮膚陥凹部分への適用後、増加することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記フィルイン生成物の機械的性質が、刺激に応答して変化することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルイン生成物が、皺の処置を目的とする少なくとも1種の活性剤を含み、前記活性剤が、陥凹部分への適用前にフィルイン生成物中に存在するか、皮膚の陥凹部分への適用後にフィルイン生成物に添加されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルイン生成物が、用具、特にスパーテル又はマイクロエアブラシを用いて適用されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルイン生成物が、40%以上、好ましくは60%以上の乾燥材料含量を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フィルイン生成物が繊維を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルイン生成物が、フィルイン生成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%の繊維を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記繊維が、ポリアミド繊維、セルロース繊維及びポリエチレン繊維、並びにそれらの混合物から選択される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応が、触媒の存在下又は不存在下において共有結合の形成及び/又は変更をもたらし、重合、架橋、縮合、凝固、変性、錯体形成、コアセルベーション又は酸化反応から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルイン生成物が、少なくとも1種の着色剤、又はその光学的性質、特に光沢を変更し得る少なくとも1種の材料を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
処置陥凹部分への前記フィルイン生成物の導入前に、フィルイン生成物の保持を改善し得る組成物、特に接着剤組成物を、処置陥凹部分の全て又は一部に適用することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
陥凹部分への前記フィルイン生成物の適用後に、フィルイン生成物の全て又は一部を、フィルム、及び/又は少なくとも1種の紫外線遮断剤を含む組成物を用いて被覆することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−532836(P2012−532836A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518888(P2012−518888)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059173
【国際公開番号】WO2011/003770
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】