説明

陰圧治療装置およびその動作方法

【課題】本発明の目的は、装置を大型化させずに、被覆シートで覆われた内側の圧力を保ったまま灌注液や洗浄液を供給できる陰圧治療装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の陰圧治療装置10は、創傷部Wを覆う被覆シートSと、創傷部Wに供給する液体12の入れられた容器Bと、容器Bから創傷部Wへの液体12の供給流路となる供給用チューブ14と、被覆シートSで覆われた内側から液体12'を吸引する吸引手段16と、被覆シートSの内側の圧力を測定する圧力測定手段18と、供給用チューブ14に配置された複数のピンチバルブ20a,20bと、ピンチバルブ20a,20bの動作を制御する制御手段22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷部に対して吸引し、灌注または洗浄をおこなう陰圧治療装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陰圧治療装置として、皮膚潰瘍や組織欠損などの創傷部を被覆シートで覆い、この覆われた内側を陰圧状態に保ちながら、創傷部から滲出する体液を吸引し、排出する治療装置が知られている。陰圧治療装置は、壊死細胞や細菌等を創傷部から吸引除去するとともに、陰圧によって創傷部の血流を促進し、治療効果を高めることができる。
【0003】
創傷部から滲出する液体を吸引する以外に、創傷部に灌注または洗浄をおこなう装置も種々開発・開示されている。下記の特許文献1は、創傷部を覆う創傷面カバー、洗浄液の入ったソフトバック、ソフトバックから創傷面カバーで覆われた内側まで洗浄液を供給するためのチューブ、および創傷面カバーの近傍の活栓を備えた装置を開示している。
【0004】
しかし、特許文献1の装置は、洗浄液の供給が、創傷部とソフトバックとの相対的な高さや活栓の開度によって大きく変化する。このため、洗浄液を安定供給することが困難である。
【0005】
下記の特許文献2は、往復ポンプ、インペラポンプ、蠕動ポンプ、または回転ベーンポンプを使用して、創傷部に対して液体の供給と吸引をおこなう装置が開示されている。これらのポンプの中でも、異物が混入しにくく、掃除が容易な蠕動ポンプが好ましいことが記載されている。
【0006】
しかし、特許文献2に例示されているポンプは、ポンプ本体の他にモーターなどの駆動装置が必要である。陰圧治療装置が大型化し、病室などに配置する装置としては好ましくない。蠕動ポンプ以外は、異物の混入や掃除に手間がかかるなどの問題がある。
【0007】
下記の特許文献3は、灌注液をシリンジに入れて、モーターによるシリンジプランジャー駆動装置を用いる方法が開示されている。しかし、モーターなどの駆動装置および送り機構などが必要で大がかりな機構となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−314479号公報
【特許文献2】特開2008−517690号公報
【特許文献3】特表2003−520072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、装置を大型化させずに、被覆シートの内側の圧力を保ったまま灌注液や洗浄液を安定供給できる陰圧治療装置およびその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の陰圧治療装置は、創傷部を覆う被覆シート、液体の入れられた容器、液体を被覆シートで覆われた内側に供給するための経路となる供給用チューブ、液体を吸引するための吸引手段、被覆シートで覆われた内側の圧力を測定する圧力測定手段、供給用チューブを押しつぶしたりそれを解除することによって液体の流量を調節する2つのピンチバルブ、ピンチバルブを制御する制御手段を備える。
【0011】
容器から被覆シートで覆われた内側に液体が供給され、被覆シートで覆われた内側から吸引手段に液体が吸引される。被覆シートで覆われた内側の圧力が測定され、測定された圧力に応じて、制御手段がピンチバルブによる供給用チューブの押しつぶしおよびその解除を制御することによって、液体の流量が調節される。この流量を調節することによって、被覆シートで覆われた内側の圧力が一定となるようにする。
【0012】
2つのピンチバルブは、供給用チューブにおける容器側に配置された第1のピンチバルブおよび被覆シート側に配置された第2のピンチバルブである。
【0013】
上記陰圧治療装置による動作方法は、第1のピンチバルブと第2のピンチバルブの両方で供給用チューブを押しつぶした後、第2のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除するステップを含む。このステップの解除によって、液体を被覆シートで覆われた内側に供給する。
【0014】
また、上記のステップの次に、第2のピンチバルブで供給用チューブを押しつぶした後、第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除するステップと、第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除して第2のピンチバルブの位置まで液体が流れた後、第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶすステップとを含む。第1のピンチバルブと第2のピンチバルブの間に液体を溜めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ピンチバルブによって装置の大型化をせずに、創傷部に灌注液や洗浄液を供給できる。また、液体の供給において、被覆シートで覆われた内側の圧力値によってピンチバルブを制御して、被覆シートで覆われた内側の圧力を一定にできる。2つのピンチバルブを使用するため、圧力を一定にし易い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の陰圧治療装置の構成を示す図である。
【図2】被覆シートが創傷部を覆っている図である。
【図3】供給用チューブを巻いた図である。
【図4】ピンチバルブの動作を示す図であり、(a)はピンチバルブ間に液体が溜められた図であり、(b)は第2のピンチバルブが開けられたことによって液体が流れた図であり、(c)第2のピンチバルブを閉じた図であり、(d)は第1のピンチバルブを開けて液体を第2のピンチバルブまで流した図である。
【図5】供給用チューブに伸縮可能な容器を取り付けた図である。
【図6】供給用チューブに伸縮性の高いチューブを取り付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る陰圧治療装置について図面を使用して説明する。本明細書において「陰圧」とは、被覆シートで覆われた内側の圧力が外側の圧力(大気圧)よりも低い圧力のことを意味し、「陰圧状態」とは、被覆シートで覆われた内側の圧力がその外側の圧力よりも低い状態をいう。
【0018】
図1に示す本発明の陰圧治療装置10は、創傷部Wを覆う被覆シートSと、創傷部Wに供給する液体12の入れられた容器Bと、容器Bから創傷部Wへの液体12の供給流路となる供給用チューブ14と、被覆シートSで覆われた内側から液体12'を吸引する吸引手段16と、被覆シートSの内側の圧力を測定する圧力測定手段18と、供給用チューブ14に配置された複数のピンチバルブ20a,20bと、ピンチバルブ20a,20bの動作を制御する制御手段22とを備える。
【0019】
被覆シートSは、創傷部Wの気密性を保つものである。したがって被覆シートSは、外部から創傷部Wへの雑菌や異物などの進入を防ぎ、また創傷部Wの湿潤状態を保ち、創傷部Wを保護する。被覆シートSとしては、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレンなどでできた柔軟性のあるシートが挙げられる。
【0020】
創傷部Wの表面を直接被覆シートSで覆うのではなく、スポンジなどの多孔性パッドPを介して創傷部Wを覆う(図2)。多孔性パッドPは可撓性を有するものであり、創傷部Wを多孔性パッドPで保護しながら液体12,12'を通過させる。
【0021】
容器Bは、ソフトバックやボトルである。容器Bの中に創傷部Wを治療するための灌注液や洗浄液などの液体12が入れられている。容器Bは創傷部Wよりも高い位置に配置される。地球の重力および吸引手段16の吸引力によって液体12が創傷部Wに供給される。特に後述する吸引力で収縮しないような剛性の高い容器Bの場合、液体12の落下を促すために、容器Bの上部に針などで穴を開け、液体12を大気圧下にさらす。なお、容器Bがソフトバックであっても穴を開けても良い。
【0022】
供給用チューブ14は、容器Bから被覆シートSで覆われた内側の多孔性パッドPまで配置される。供給用チューブ14は、被覆シートSで覆われた創傷部Wに液体12を供給するための供給流路となる。供給用チューブ14は弾性を有する。供給用チューブ14に対して外力を加えると供給用チューブ14は変形し、外力を無くすと元の形状に戻る。
【0023】
吸引手段16は、被覆シートSで覆われた内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートSの内側から吸引流路を通じて液体12'を吸引する。吸引される液体12'は、容器Bから創傷部Wに供給した液体12に創傷部Wから滲出した体液が混じったものを含む。吸引手段16としては、ダイヤフラム式真空ポンプが挙げられるが、チューブポンプやベーンポンプなどの他のポンプであっても良い。
【0024】
被覆シートSで覆われた内側から吸引手段16までの吸引流路は、吸引用チューブ24を使用する。吸引用チューブ24の端部は開放されており、多孔性パッドPにつなげられている。多孔性パッドPを通して液体12'を吸引する。
【0025】
また、吸引用チューブ24の途中に吸引された液体12'を貯める廃液容器26を設ける。廃液容器26の上部に吸引用チューブ24を取り付け、吸引手段16に液体12'が到達しないようにする。圧力調節のために、吸引用チューブ24の途中にリリーフバルブ25を設けても良い。
【0026】
圧力測定手段18は、被覆シートSで覆われた内側に通じる圧力測定用チューブ28に接続された圧力センサから成る。圧力センサとして、ステンレスダイヤフラム式圧力センサやシリコンダイヤフラム式圧力センサなどが挙げられる。圧力測定手段18により測定された測定値は、制御手段22に送信される。圧力測定用チューブ28は、開口端部が被覆シートSの内側に直接引き入れられるか、吸引用チューブ24から分岐して形成される。
【0027】
ピンチバルブ20a,20bは、供給用チューブ14を押しつぶしたり押しつぶしを解除することによって、創傷部Wへの液体12の供給流量を調節するものである。ピンチバルブ20a,20bは、供給用チューブ14に沿って2つ備えられる。説明では、容器B側に第1のピンチバルブ20aが配置され、被覆シートS側に第2のピンチバルブ20bが配置されているとする。
【0028】
ピンチバルブ20a,20bは、対向する2つのピンチ部30を備えており、その間に供給用チューブ14が配置される。ピンチバルブ20a,20bは、いずれか一方または両方のピンチ部30が可動するようになっている。可動するピンチ部30が他方のピンチ部30に向かって可動する。ピンチ部30の可動機構は、例えばソレノイドコイルとバネを利用したものが挙げられる。制御手段22からの信号によってソレノイドコイルに電流を流し、磁界によってピンチ部30を移動させて、供給用チューブ14を押しつぶす。また、信号を停止した時に、バネによって元の位置に戻る。
【0029】
2つのピンチバルブ20a,20bによって供給用チューブ14の内部の開閉を2箇所でおこない、液体12の流量を調節することによって、被覆シートSで覆われた内側の圧力変動を小さくする。従来技術で説明したポンプとは異なりピンチバルブ20a,20bであるため、装置10が大がかりな構成とはならない。ピンチバルブ20a,20bの制御は、他のポンプに比べてピンチ部30を稼働させるためのオン・オフの制御だけであり、制御が容易である。
【0030】
ピンチバルブ20a,20bの位置が固定された場合に、ピンチバルブ20a,20bの間の供給用チューブ14の長さを調節するために、例えば図3のように、供給用チューブ14を巻いても良い。供給用チューブ14の長さを調節するために、ピンチバルブ20a,20bの距離は、ピンチバルブ20a,20b間の供給用チューブ14に最低限の液体12が溜められる距離にする。
【0031】
制御手段22は、圧力測定手段18から圧力値を受信する。この圧力値の急激な変化を生じさせず、所定の圧力を維持するために、吸引手段16やピンチバルブ20a,20bに対して圧力値に応じた駆動信号を送信する。制御手段22は、駆動信号を求めたり通信をおこなうために、ソフトウェア、ハードウェア、またはその両方で構成される。
【0032】
次に、吸引手段16が一定の吸引力によって液体12,12'を吸引していることを前提として、ピンチバルブ20a,20bの動作について説明する。容器Bの液体12は、重力、吸引手段16の吸引力、およびピンチバルブ20a,20bの開閉制御によって創傷部Wに供給される。
【0033】
(1)最初に、第1のピンチバルブ20aと第2のピンチバルブ20bの両方が供給用チューブ14を押しつぶしているとする(図4(a))。供給用チューブ14において、ピンチバルブ20a,20bで押しつぶされた間に液体12が溜まっている。このとき、液体12は創傷部Wに流れない。第2のピンチバルブ20bよりも創傷部W側は、吸引手段16の吸引によって陰圧状態である。供給用チューブ14において、大気圧状態の箇所の直径をφX、陰圧状態の箇所の直径をφYとすると、供給用チューブ14の弾性によってφX>φYとなる。
【0034】
(2)第2のピンチバルブ20bを駆動させて、供給用チューブ14の押しつぶしを解除する。解除することによって、供給用チューブ14におけるピンチバルブ20aと20bとの間が陰圧状態になり、この間の供給用チューブ14が収縮することにより、おおよそその収縮分に相当する液量の液体12が流れる(図4(b))。
【0035】
(3)所定時間経過後、第2のピンチバルブ20bを駆動させて、供給用チューブ14を押しつぶす。上記(2)で液体12が流れた後であるため、ピンチバルブ20aと20bとの間の供給用チューブ14内は陰圧状態であり、創傷部Wと圧力的に平衡状態となっている。よって、この間の供給用チューブ14は収縮した状態となっている(図4(c))。
【0036】
(4)第1のピンチバルブ20aを駆動させて、供給用チューブ14の押しつぶしを解除する。ピンチバルブ20aと20bとの間の供給用チューブ14内は大気圧状態となり、上記(3)よりも供給用チューブ14は拡張した状態となる(図4(d))。供給用チューブ14の拡張や重力によって第2のピンチバルブ20bまで液体12が流れる。
【0037】
(5)所定時間経過後、第1のピンチバルブ20aを駆動させて、供給用チューブ14を押しつぶして、上記(1)の状態と同じにする。上記の(1)〜(5)の状態が繰り返される。
【0038】
測定された圧力が所定の陰圧よりも高くなれば、上記(1)〜(5)の動作を遅くまたは停止して、液体12の流量を少なくまたは0にして、吸引手段16による吸引力によって圧力を下げて所定の陰圧になるようにする。反対に、測定された圧力が所定の陰圧よりも低くなれば、上記(1)〜(5)の動作を速くして、または、ピンチバルブ20aと20bを同時に開く動作をおこなうことで、液体12の流量を多くし、圧力を上げて所定の陰圧になるようにする。制御手段22によって各ピンチバルブ20a,20bの動作を制御することによって、所定の陰圧状態が維持される。
【0039】
なお、制御手段22の制御により、被覆シートSで覆われた内側を常に陰圧状態を保つことによって、供給用チューブ14に溜められた液体12が必ず被覆シートSで覆われた内側に供給されるようにする。
【0040】
以上のように、2つのピンチバルブ20a,20bを設けたことによって、容器Bから創傷部Wに直接液体12を供給することはない。この2つのピンチバルブ20a,20bの駆動を制御することによって、液体12の流量を調節することができる。創傷部Wと容器Bとの相対的な位置が変化しても、圧力測定手段18によって圧力を測定し、一定の圧力が維持できるように液体12の流量を調節できる。ピンチバルブ20a,20bであるため、装置の大型化もなく、液体12への異物の混入も防止でき、安定して液体12を創傷部Wに供給できる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の(1)〜(5)の動作は、吸引手段16が一定の吸引力によって液体12,12'を吸引していることを前提としたが、これに限定されることはない。測定された圧力が所定の陰圧状態よりも高くなれば、上記(1)〜(5)の動作を遅くまたは停止して、液体12の流量を少なくし、さらに吸引手段16の吸引力を高めて、圧力を下げるようにする。反対に、測定された圧力が所定の陰圧状態よりも低くなれば、上記(1)〜(5)の動作を速くし、または、ピンチバルブ20aと20bを同時に開く動作をおこなうことで、液体12の流量を多くし、さらに吸引手段16の吸引力を低くして、圧力を上げるようにする。
【0042】
ピンチバルブ20a,20bと吸引手段16の両方を制御することによって、一定の圧力状態に保ちやすい。また、ピンチバルブ20a,20bまたは吸引手段16のいずれか一方だけでは、圧力状態を保てない場合であっても、その両方によって圧力状態を保つことが容易になる。
【0043】
また、必要に応じて、吸引手段16による吸引、ピンチバルブ20a,20bの駆動、またはその両方を停止して、被覆シートSで覆われた内側の圧力が所定値になるようにしても良い。
【0044】
ピンチバルブ20a,20b間の供給用チューブ14の長さを調節するために、ピンチバルブ20a,20bの位置が変更できるものであっても良い。
【0045】
供給用チューブ14におけるピンチバルブ20a,20b間に蛇腹状など伸縮可能な容器35を取り付けても良い(図5)。取り付けは継手を利用すればよい。供給用チューブ14と容器35との間で液体12が行き来できるようになっている。供給用チューブ14が上記(1)〜(5)のような圧力変化によって拡張収縮しにくい場合に、容器35が拡張収縮して液体12を流すようにする。
【0046】
また、供給用チューブ14におけるピンチバルブ20a,20b間のみ伸縮性を高めて、上記(1)〜(5)で説明したような圧力変化で拡張収縮し易いようにしても良い。そのために、ピンチバルブ20a,20b間の供給用チューブ14を2つに分け、分けられた供給用チューブ14を伸縮性の高いチューブ14'を介して連結しても良い(図6)。連結手段として継手を用いればよい。
【0047】
ピンチバルブ20a,20bの数をさらに増加させ、液体12の流量を細かに調節しても良い。その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0048】
10:陰圧治療装置
12、12':液体
14:供給用チューブ
16:吸引手段
18:圧力測定手段
20a、20b:ピンチバルブ
22:制御手段
24:吸引用チューブ
25:リリーフバルブ
26:廃液容器
28:圧力測定用チューブ
30:ピンチ部
S:被覆シート
B:容器
W:創傷部
P:多孔性パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷部を覆う被覆シートと、
前記創傷部よりも高い位置に配置され、被覆シートで覆われた内側に供給される液体の入れられた容器と、
前記容器から被覆シートで覆われた内側まで液体の供給流路となり、弾性を有する供給用チューブと、
前記被覆シートで覆われた内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートで覆われた内側から吸引流路を通じて液体を吸引する吸引手段と、
前記被覆シートで覆われた内側の圧力を測定する圧力測定手段と、
前記供給用チューブを押しつぶすまたは該押しつぶしを解除することによって、創傷部に供給する液体の流量を調節する2つのピンチバルブと、
前記圧力測定手段が測定した測定値に基づいてピンチバルブの押しつぶしおよび押しつぶしの解除のタイミングを制御する制御手段と、
を備えた陰圧治療装置。
【請求項2】
前記2つのピンチバルブが、供給用チューブにおける容器側に配置された第1のピンチバルブおよび被覆シート側に配置された第2のピンチバルブであり、
前記第1のピンチバルブと第2のピンチバルブの両方で供給用チューブを押しつぶした後、第2のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除して液体を被覆シートで覆われた内側に供給する請求項1の陰圧治療装置。
【請求項3】
創傷部を覆う被覆シートと、
前記創傷部よりも高い位置に配置され、被覆シートで覆われた内側に供給される液体の入れられた容器と、
前記容器から被覆シートで覆われた内側まで液体の供給流路となり、弾性を有する供給用チューブと、
前記被覆シートで覆われた内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートで覆われた内側から吸引流路を通じて液体を吸引する吸引手段と、
前記被覆シートで覆われた内側の圧力を測定する圧力測定手段と、
前記供給用チューブを押しつぶすまたは該押しつぶしを解除することによって、創傷部に供給する液体の流量を調節する2つのピンチバルブと、
前記圧力測定手段が測定した測定値に基づいてピンチバルブの押しつぶしおよび押しつぶしの解除のタイミングを制御する制御手段と、
を備え、
前記2つのピンチバルブが、供給用チューブにおける容器側に配置された第1のピンチバルブおよび被覆シート側に配置された第2のピンチバルブである陰圧治療装置の動作方法であって、
前記第1のピンチバルブと第2のピンチバルブの両方で供給用チューブを押しつぶした後、第2のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除するステップと、
前記第2のピンチバルブで供給用チューブを押しつぶした後、第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除するステップと、
第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶしを解除して第2のピンチバルブの位置まで液体が流れた後、第1のピンチバルブが供給用チューブの押しつぶすステップと、
を含む陰圧治療装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−90879(P2012−90879A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242377(P2010−242377)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】