説明

陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法

【課題】本発明の目的は、湿潤強度を向上させる優れた性能を有し、かつ、長期貯蔵安定性に優れるポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン系の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法を提供することである。
【解決手段】(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリアミドポリアミン水溶液に(C)エピハロヒドリンを反応させて陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法において、1)ポリアミドポリアミンの水溶液に(C)エピハロヒドリンを加え、反応物濃度35〜70重量%、10〜45℃の温度で反応させること(1次保温) 2)次いで水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、35〜70℃で保温すること(2次保温)3)さらに水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、前記2次保温温度より低い温度、かつ30〜50℃で保温する(3次保温)陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の湿潤紙力剤として有用な陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法に関するものである。さらに詳しくは、湿潤紙力性能に優れ、かつ長期貯蔵安定性に優れるポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン系の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙の強度、特に湿潤強度を向上させる湿潤紙力剤として、ポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン樹脂が有用であることは、例えば特開昭56−34729号公報に記載されており、公知である。
【0003】
ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリンの湿潤紙力剤としての性能を高める方法としては、(1)製品を高粘度化する(特許文献1)、(2)水酸化ナトリウム等の塩基で処理した後に使用する(特許文献2)等の方法が公知である。ただし、(1)で得られたものについては、製品粘度が高いため、長期貯蔵安定性が十分ではなくゲル化する傾向があった。また、水酸化ナトリウム等の塩基で処理された(2)についても、長期貯蔵時に粘度上昇やゲル化することがあり、長期貯蔵安定性が十分ではなかった。
【0004】
また、(1)は、ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリンの反応において、3段階反応を特徴とする。つまり、ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリンとの反応温度を5〜50℃に設定(1次保温)して、ポリアミドポリアミンにエピハロヒドリンを付加させた後、昇温して50〜80℃で保温(2次保温)する事により増粘させ、さらに2次保温より低い温度、30〜60℃での保温(3次保温)を設ける事により、増粘速度を調節し、高粘度の製品を容易に得られるものである。しかしながら、得られた製品の湿潤紙力剤としての性能は向上しているものの充分とはいえないため、さらに湿潤紙力増強効果に優れ、かつ卓越した安定性を有するポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン系の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の開発が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特許第3931931号
【特許文献2】米国特許第5019606号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、湿潤強度を向上させる優れた性能を有し、かつ、長期貯蔵安定性に優れるポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン系の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく反応条件について、鋭意検討を重ねた結果、
(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリアミドポリアミン水溶液に(C)エピハロヒドリンを反応させて陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法において、
1)ポリアミドポリアミンの水溶液に(C)エピハロヒドリンを反応物濃度35〜70重量%の水溶液中、10〜45℃の温度で反応させること(1次保温)
2)次いで水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、35〜70℃で保温すること(2次保温)
3)さらに水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、前記2次保温温度より低い温度、かつ30〜50℃で保温すること(3次保温)により得られる陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液が、卓越した安定性を有し、かつ、従来のものより優れた湿潤紙力向上効果を有することを見いだし、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法により、従来のものより湿潤紙力向上効果に優れ、また卓越した安定性を有するポリアミドポリアミン―エピハロヒドリン系の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を工業的に有利に製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明においては、まず(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとの縮合反応により、ポリアミドポリアミンを生成させる。本発明における(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物とは、分子内に2個のカルボキシル基を有する脂肪族化合物およびそのアミン反応性誘導体を総称する意味であり、遊離酸のほか、そのエステル類や酸無水物なども包含される。かかる脂肪族ジカルボン酸系化合物の代表的なものとしては、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、セバシン酸のような遊離のジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル類、これらの酸無水物などが挙げられる。 これらのうち、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、アジピン酸がさらに好ましい。
これらの脂肪族系化合物は、一種類のみ用いても、また二種類以上併用してもよい。さらには、これらの脂肪族ジカルボン酸系化合物とともに、本発明の効果を阻害しない範囲で、芳香族系など、他のジカルボン酸系化合物を併用してもよい。
【0010】
本発明における(B)ポリアルキレンポリアミンは、分子内に2個の第1級アミノ基および少なくとも1個の第2級アミノ基を有する脂肪族化合物であり、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられる。これらのうち、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが好ましく、ジエチレントリアミンがさらに好ましい。 これらは、一種類のみ用いても、また二種類以上併用してもよい。また、エチレンジアミンやプロピレンジアミンのような脂肪族ジアミンを、本発明の効果を阻害しない範囲で上記のポリアルキレンポリアミンと併用することもできる。
【0011】
本発明における(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとのポリアミド化反応において、通常、(A)1モルに対し、(B)は1.0以上、好ましくは1.0〜1.4モル、さらに好ましくは、1.0〜1.2モルの範囲で反応させる。
またこの際、本発明により得られる水溶性樹脂の性能を阻害しない範囲で、必要に応じて、アミノカルボン酸類を併用することもできる。アミノカルボン酸類の例としては、グリシン、アラニン、アミノカプロン酸のようなアミノカルボン酸およびそのエステル誘導体、カプロラクタムのようなラクタム類などが挙げられる。
【0012】
ポリアミド化反応を行う際の温度は、通常、100〜250℃であり、好ましくは130〜200℃である。
そして、ポリアミド化反応終了時の生成ポリアミドポリアミンを50重量%水溶液としたときの25℃における粘度が400〜1000mPa・sの範囲とすることが好ましい。ポリアミド化反応終了時の生成ポリアミドポリアミンを50重量%水溶液としたときの25℃における粘度が400mPa・sより低いと、最終製品である陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液が十分な湿潤紙力向上効果を発現しない傾向があり、また1000mPa・sを越えると、最終製品の安定性が悪くなる傾向がある。
【0013】
(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとのポリアミド化反応に際しては、触媒として、硫酸やスルホン酸類を用いることができる。スルホン酸類としては、ベンゼンスルホン酸やパラトルエンスルホン酸などが挙げられる。酸触媒は、通常、ポリアルキレンポリアミン1モルに対して0.001〜0.5の範囲で用いられ、
0.005〜0.1モルの範囲が好ましく、0.01〜0.05モルの範囲がより好ましい。
【0014】
こうして得られるポリアミドポリアミンは次に、水溶液中で(C)エピハロヒドリンとの反応に供される。ここで用いる(C)エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン(ECD)やエピブロモヒドリンなどが挙げられ、工業的にはエピクロロヒドリンが好ましい。また、ポリアミドポリアミン中の第2級アミノ基に対する(C)エピハロヒドリンのモル比(以下「エピハロ比」という)は、通常、1.0以上であり、1.0〜1.6の範囲となるように用いるのが好ましく、1.2〜1.4の範囲がさらに好ましい。昨今環境問題や人体に対する毒性等で注目されている低分子有機ハロゲン化合物(AOX)を低減するには、エピハロ比は1.4以下とするのがより好ましく、一方エピハロ比が1.0より小さいと、最終製品である陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の湿潤紙力向上効果が十分発現しない場合がある。
【0015】
前記ポリアミドポリアミンと(C)エピハロヒドリンとの反応は、3段階に分けて行われる。まず、得られたポリアミドポリアミンに水、(C)エピハロヒドリンを添加し、反応物濃度35〜70重量%とし、10〜45℃の温度で反応させる(1次保温)。1次保温後、水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%に調整し、35〜70℃で保温する(2次保温)。この際、最終製品の湿潤紙力性能を向上させるためには、反応物濃度は高いほど好ましい。また、反応物濃度が高い場合には、架橋による増粘速度を制御するために保温温度は低めに設定するのが好ましい。2次保温終了後は、水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、前記2次保温温度より低い温度、かつ30〜50℃で保温する(3次保温)。3次保温時には、系内の粘度を制御しやすくするため、2次反応の保温温度よりも5℃以上下げるのが好ましい。また、粘度制御を容易にするため、さらに保温工程を追加しても良い。2次、3次保温時の反応物濃度が45重量%より高い場合には、増粘速度が速く、ゲル化を起こす可能性がある。また、反応物濃度が35重量%よりも低い場合には、最終製品である陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の湿潤紙力向上効果が十分ではない。
【0016】
本発明の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液が従来から公知の方法で製造されたポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂よりも優れた湿潤紙力向上効果有する作用機構については必ずしも明らかではないが、30〜50℃で実施する3次保温時の反応濃度を従来よりも高い特定の濃度範囲、即ち、反応物濃度35〜45重量%でおこなうことにより、ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂中のアミド結合の劣化(アミド結合が劣化すると湿潤紙力向上効果は低下する)が抑制され、優れた湿潤紙力向上効果が発現しているものと考えられる。
【0017】
3次反応終了後は、必要により水で希釈した後、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸のような酸を加えて、pHを2〜5に調整し、反応を停止させ、目的物である陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を得る。
【0018】
本発明の陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液は、従来から公知の方法で製造されたポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン樹脂よりも湿潤紙力向上効果に優れ、また卓越した安定性を有するという、極めて優れた性質を有している。
【0019】
本発明の方法により得られる樹脂水溶液は、紙の湿潤紙力剤としての用途のみならず、製紙工程中に添加される填料の歩留向上剤、製紙速度を向上させるために使用される濾水性向上剤、あるいは工場排液などの汚水中に含まれる微粒子を除去するための沈殿凝集剤としても使用することができる。
【0020】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中にある%および量比は、特にことわらないかぎり重量基準である。また粘度は、ブルックフィールド粘度計により測定した値である。
【0021】
(製造例1)(ポリアミドポリアミンの製造例)
温度計、リービッヒ冷却器および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、ジエチレントリアミン520.0g(5.04モル)、水37.3g、アジピン酸699.5g(4.79モル)および71%硫酸15.3g(0.11モル)を仕込み、145℃まで昇温し、1時間還流した後、水を抜きながら、140〜160℃で18時間反応させた。その後、水1005.5gを徐々に加えて、ポリアミドポリアミンの水溶液を得た。このポリアミドポリアミン水溶液は、固形分50. 7%、25℃における粘度462mPa・sであった。
【実施例1】
【0022】
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液900.0g(2級アミノ基として2.1モル)に反応物濃度が45%になるように水417.1gを仕込み、30℃でエピクロロヒドリン277.3g(3.0モル(エピハロ比1.4))を3時間かけて滴下した後、同温で4時間保温(1次保温)した。その後、水455.6gを加え、反応物濃度35%とし、60℃で2時間保温(2次保温)した。次いで、40℃まで冷却し、同温で3時間保温(3次保温)した。次いで、71%硫酸20.2g、水2453.7gを加え、固形分濃度15%、粘度67mPa・s(25℃)、pH3.9のポリアミドアミン―エピクロロヒドリン樹脂水溶液を得た。
【実施例2】
【0023】
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液350.0g(2級アミノ基として0.83モル)に反応物濃度が45%になるように水143.4gを仕込み、30℃でエピクロロヒドリン107.9g(1.17モル(エピハロ比1.4))を3時間かけて滴下した後、同温で4時間保温(1次保温)した。その後、水は加えず、40℃で1.5時間保温(2次保温)した。次いで、35℃まで冷却し、同温で6時間保温(3次保温)した。次いで、71%硫酸15.3g、水885.2gを加え、固形分濃度15%、粘度71mPa・s(25℃)、pH3.4のポリアミドアミン―エピクロロヒドリン樹脂水溶液を得た。
【0024】
(比較例1)
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液330.0g(2級アミノ基として0.78モル)に反応物濃度が45%になるように水152.9gを仕込み、30℃でエピクロロヒドリン101.7g(1.10モル(エピハロ比1.4))を3時間かけて滴下した後、同温で4時間保温(1次保温)した。その後、水167.0gを加え、反応物濃度35%とし、60℃で2時間保温(2次保温)した。次いで、水125.3gを加え、反応物濃度30%とした後、45℃まで冷却し、同温で5時間保温(3次保温)した。次いで、71%硫酸6.5g、水849.0gを加え、固形分濃度15%、粘度69mPa・s(25℃)、pH4.0のポリアミドアミン―エピクロロヒドリン樹脂水溶液を得た。
【0025】
(比較例2)
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液470.0g(2級アミノ基として1.1モル)に反応物濃度が45%になるように水231.0gを仕込み、30℃でエピクロロヒドリン107.9g(1.17モル(エピハロ比1.4))を3時間かけて滴下した後、同温で4時間保温(1次保温)した。その後、水242.2gを加え、反応物濃度35%とし、60℃で3時間保温(2次保温)した。次いで、水377.2gを加え、反応物濃度26%とした後、50℃まで冷却し、同温で6時間保温(3次保温)した。次いで、71%硫酸7.6g、水899.3gを加え、固形分濃度15%、粘度73mPa・s(25℃)、pH4.1のポリアミドアミン―エピクロロヒドリン樹脂水溶液を得た。
【0026】
実施例1〜2、比較例1〜2で得られたポリアミドアミン―エピクロロヒドリン樹脂水溶液について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】
(保存安定性)
得られた水溶液を50℃、2週間放置後の性状により判断した。○:粘度の変化が少ない。×:ゲル化している、あるいは粘度の低下が激しい。
【0028】
(湿潤紙力強度)
実施例1〜2、比較例1〜2で得られた水溶液を用いて、以下の抄紙試験を行った。得られた紙の湿潤引っ張り強さをISO 1924/1−1992に準じて測定し、結果を湿潤裂断長として表1に示した。
【0029】
(抄紙条件)
使用パルプ:N−BKP/L−BKP=1/1
叩解度:400cc
樹脂添加量:0.4%(樹脂固形分の対パルプ乾燥重量)
熱処理条件:110℃、4分間
抄紙平均米坪量:60g/m
【0030】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリアミドポリアミン水溶液に(C)エピハロヒドリンを反応させて陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液を製造する方法において、
1)ポリアミドポリアミンの水溶液に(C)エピハロヒドリンを加え、反応物濃度35〜70重量%、10〜45℃の温度で反応させること(1次保温)
2)次いで水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、35〜70℃保温すること(2次保温)
3)さらに水を加えまたは加えることなく、反応物濃度35〜45重量%、前記2次保温温度より低い温度、かつ30〜50℃で保温すること(3次保温)を特徴とする陽イオン性熱硬化性樹脂水溶液の製造方法。
【請求項2】
ポリアミドポリアミンの50重量%水溶液の25℃における粘度が400〜1000mPa・sである請求項1記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−286914(P2009−286914A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141604(P2008−141604)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】