説明

隙間閉塞構造体

【課題】簡単な機構で、既存の扉部材に簡単に装着することができる隙間閉塞構造体を提供する。
【解決手段】扉部材10の端部に装着されて、扉部材10の下端面と床面、又は扉部材の側面と壁面との間に形成される隙間13を塞ぐ隙間閉塞構造体である。扉部材10の表面側15に配設される表側棒状体1と、扉部材10の裏面側16に配設される裏側棒状体2と、表側棒状体1と裏側棒状体2とを連結して、扉部材10の下端面又は側面を被覆状とするシート状の連結部5とを備える。夫々の表側棒状体1と裏側棒状体2とは、エア供給による膨張状態にて扉部材10と密着するとともに、エア排出による収縮状態にて平板状となって折畳乃至巻回可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉部材の端部に装着される隙間閉塞構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、扉部材を開閉することにより部屋の出入を行うドアは、様々なタイプのものがある。例えば、ドアの種類としては、蝶番を軸にして弧を描くように扉部材を開閉するいわゆる開き戸タイプ、扉部材を左右や上下にスライドさせるいわゆる引き戸タイプ、等があり、これらは扉部材が取付枠に開閉自在に取り付けられている。この中でも、特に開き戸タイプのものは、構造上、扉部材の下端面と床面との間、又は扉部材の側面と壁面との間に隙間が形成される。このように隙間が形成されると、この隙間から空気、音、光が扉の内部空間に侵入したり、扉の内部空間から漏れ出たりする。
【0003】
このため、扉部材の下端面と床面との隙間を閉塞する装置が提案されている(特許文献1)。これは、扉部材の下端部に、その下端面に開口する収納溝を全長にわたって設け、この収納溝に閉塞部材を装着している。そして、この閉塞部材が扉部材の下端面から突出して扉部材の下端面と床面との隙間を閉塞する。
【特許文献1】特開2007−16552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものを扉部材の下端部に装着するためには、扉部材の下端部に収納溝を設けるという工程が必要であり、元の扉部材をそのまま使用することはできない。また、特許文献1のものは複雑な機構であるため、コスト高となる。さらには、細かい収納溝に収納しなければならないため、設置作業を容易に行なうことができず、設置作業に手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、簡単な機構で、既存の扉部材に簡単に装着することができる隙間閉塞構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の隙間閉塞構造体は、扉部材の端部に装着されて、扉部材の下端面と床面、又は扉部材の側面と壁面との間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞構造体であって、前記扉部材の表面側に配設される表側棒状体と、前記扉部材の裏面側に配設される裏側棒状体と、前記表側棒状体と裏側棒状体とを連結して、扉部材の下端面又は側面を被覆状とするシート状の連結部とを備え、前記夫々の表側棒状体と裏側棒状体とは、エア供給による膨張状態にて扉部材と密着するとともに、エア排出による収縮状態にて平板状となって折畳乃至巻回可能とするものである。ここで、扉部材の側面とは、扉部材の上下方向に沿って延びる面のうち、壁面と対面する面をいう。
【0007】
本発明の隙間閉塞構造体では、エアを供給することにより表側棒状体と裏側棒状体とが膨張することにより、表側棒状体と裏側棒状体とで扉部材の端部を挟持状とすることができる。また、エアにより表側棒状体と裏側棒状態とが膨張するものであるので、表側棒状体と裏側棒状態とを中実体とする必要がなく、しかもクッション性を有するものとなり、扉部材の端部に対して密着性に優れたものとなる。さらに、表側棒状体と裏側棒状体とは、エアを排出することにより収縮して平板状となって折畳乃至巻回可能とすることができて、コンパクトとすることができる。しかも、収縮状態では平板状とできるため、下端部に装着する場合、扉部材の下端部の長手方向端部側から挿入したり、短手方向端部側から挿入したりすることができる。また、扉部材の側面と壁面との間に形成される隙間に挿入することができる。
【0008】
前記表側棒状体と裏側棒状体とは、エアが供給される空気室と、この空気室へのエアの供給及び排出を可能とするエア給排口とを備えることができる。すなわち、エア給排口から空気室にエアを供給して、表側棒状体と裏側棒状体とを膨張させたり、空気室からエアを排出して表側棒状体と裏側棒状体とを収縮させたりすることができる。
【0009】
前記連結部は、表側棒状体側に設けられる第1の連結シートと、裏側棒状体側に設けられる第2の連結シートと、第1の連結シートと第2の連結シートとを重ね合わせた状態で固定する面ファスナとを備えることができる。これにより、表側棒状体と裏側棒状体との連結及び分離が容易となる。
【0010】
扉部材に装着した状態で、長手方向のずれを規制するストッパ部を長手方向端部に設けることができる。これにより、長期にわたって安定した装着状態を維持することができる。
【0011】
前記連結部は、複数の短シート状体を、前記表側棒状体及び裏側棒状体に沿った方向に所定間隔で配設することができる。
【0012】
本発明の他の隙間閉塞構造体は、扉部材の下端部に装着されて、扉部材の下方に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞構造体であって、前記扉部材の表面側に配設される表側棒状体と、前記扉部材の裏面側に配設される裏側棒状体と、前記表側棒状体と裏側棒状体とを連結して、扉部材の下方に配置されるシート状の連結部とを備え、前記夫々の表側棒状体と裏側棒状体とは、樹脂製のブロック体とするとともに、前記連結部は樹脂製のシート状体とし、前記表側棒状体と裏側棒状体とは、連結部から立設するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の隙間閉塞構造体によれば、エアを供給して表側棒状体と裏側棒状体とを膨張させているので、表側棒状体と裏側棒状態とは中実体とする必要がなく、軽量なものとできる。しかも、エアを供給するのみで表側棒状体と裏側棒状体とを膨張させることができるため、簡単な構成とすることができ、材料費を低減することができる。表側棒状体と裏側棒状態とはクッション性を有するため、扉部材の端部に密着するものとなり、既存の扉部材を加工することなく、簡単に既存の扉部材の端部に対して装着することができる。しかも、表側棒状体と裏側棒状体とは、エアを排出することにより収縮することができるため、折り畳んだり、巻回したりして、コンパクト化が可能となり、収納性、運搬性を向上することができる。
【0014】
前記表側棒状体と裏側棒状体とは、エアが供給される空気室と、この空気室へのエアの供給及び排出を可能とするエア給排口とを備えたものとすると、表側棒状体と裏側棒状体とに容易にエアを供給できて、取扱性の向上を図ることができる。
【0015】
前記連結部は、第1の連結シートと第2の連結シートと面ファスナとを備えたものとすると、表側棒状体と裏側棒状体との連結及び分離が容易となり、取扱性に優れたものとなる。
【0016】
扉部材に装着した状態で、長手方向のずれを規制するストッパ部を長手方向端部に設けると、長期にわたって安定した装着状態を維持することができ、隙間閉塞機能を長期にわたって維持することができる。
【0017】
前記連結部は、複数の短シート状体を、前記表側棒状体及び裏側棒状体に沿った方向に所定間隔で配設すると、材料を少なくすることができて、軽量なものとでき、またコスト低減を図ることもできる。
【0018】
本発明の他の隙間閉塞構造体は、前記夫々の表側棒状体と裏側棒状体とを樹脂製のブロック体としているため、表側棒状体と裏側棒状態との剛性を確保することができる。このため、強固に扉部材の下端部に固定でき、隙間閉塞機能を安定して発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の表側棒状体と裏側棒状体との膨張前の横断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の表側棒状体と裏側棒状体との膨張後の横断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の扉部材の下端部への装着途中を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体を扉部材の下端部への装着後を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示す隙間閉塞構造体の扉部材の下端部への装着後であって、扉部材を閉じた状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態を示す隙間閉塞構造体の扉部材の側部への装着後であって、扉部材を閉じた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示す隙間閉塞構造体であり、(a)は側面図、(b)は第1の連結シートと第2の連結シートの重ね合わせ途中を示す平面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示す隙間閉塞構造体の扉部材の下端部への装着後であって、扉部材を閉じた状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示す隙間閉塞構造体の平面図である。
【図12】本発明の第5実施形態を示す隙間閉塞構造体の平面図である。
【図13】本発明の第6実施形態を示す隙間閉塞構造体の斜視図である。
【図14】本発明の第6実施形態を示す隙間閉塞構造体の平面図である。
【図15】本発明の第6実施形態を示す隙間閉塞構造体の横断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
本発明の隙間閉塞構造体は、扉部材10(図5参照)の端部(下端部又は側部)に装着されるものであり、床面12と扉部材10の下端面11との間に形成される隙間13を防いだり、壁面18と扉部材10の側面17との間に形成される隙間19を防いだりするものである。本実施形態における扉は、蝶番14で固定された部分を軸に弧を描いて開閉するタイプの、いわゆる開き戸である。
【0022】
本発明の第1実施形態の隙間閉塞構造体を、扉部材10の下端部に装着する場合について説明する。隙間閉塞構造体は、図1に示すように、扉部材10の下端部表面15側(図5参照)に配設される表側棒状体1と、扉部材の下端部裏面16側(図5参照)に配設される裏側棒状体2と、表側棒状体1と裏側棒状体2とを連結して、扉部材10の下端面11と床面12との間に配置されるシート状の連結部5とを備えている。
【0023】
表側棒状体1と裏側棒状体2とは、エアAが供給される長尺の袋状の空気室3a、3bと、この空気室3a、3bへのエアAの供給及び排出を可能とするエア給排口4a、4bとから構成されている。空気室3a、3bは、ほぼ同一の大きさ、寸法にて構成され、エアAが供給された状態では、図4に示すような断面円形となる。すなわち、エア供給状態で、表側棒状体1と裏側棒状体2とは中空棒状態となる。夫々の空気室3a、3bは略平行に延びるように配置されている。エア給排口4a、4bは、図示省略の空気注入弁が設けられた給排口であり、表側棒状体1と裏側棒状態2との夫々の端部に設けられている。このエア給排口4a、4bを介して空気室3a、3bにエアAを供給することにより、表側棒状体1と裏側棒状態2とは膨張し、表側棒状体1と裏側棒状態2とはクッション性を有するものとなり、扉部材10の下端部に密着する。
【0024】
連結部5は、例えば布・織物・不織物等から構成されるシート状のものであり、表側棒状体1と裏側棒状体2とを連結している。
【0025】
表側棒状体1と裏側棒状体2とは、エアAが供給されていない状態では、図3に示すような平板状となっている。この平板状態では、表側棒状体1と裏側棒状体2と連結部5とを折畳んだり、巻回したりすることが可能となって、コンパクトなものとすることができる。
【0026】
そして、エア給排口4a、4bから空気室3a、3bの内部にエアAを供給すると、図4に示すように、表側棒状体1と裏側棒状態2とが膨張する。このようにして、本発明の隙間閉塞構造体を形成する。この場合、表側棒状体1と裏側棒状体2との間の寸法W1は、扉部材10の厚みよりも僅かに小とするのが好ましい。
【0027】
次に、本発明の隙間閉塞構造体を扉部材10の下端部に装着する方法について説明する。まず、エア給排口4a、4bを介して空気室3a、3bにエアAを供給し、表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させる。そして、この隙間閉塞構造体を、扉部材10の下端部に装着する。すなわち、図5に示すように、扉部材10を開状態とする。そして、扉部材10の下端部を、この隙間閉塞構造体の連結部5の一方の端部と、表側棒状体1と、裏側棒状体2とで挟持し、扉部材10の下端面11の自由端側(反枢支側)と、これに対応する床面12との間に挿入する。その後、図5の矢印に示すように、扉部材10の下端部に沿って、表側棒状体1と裏側棒状体2とをスライドさせる。この際、図6に示すように、扉部材10の下端部は、表側棒状体1と裏側棒状体2とで挟持して、表側棒状体1と裏側棒状体2に密着するようにする。また、扉部材10の下端面11は、連結部5に密着する。
【0028】
この場合、扉部材10の下端面11と床面12との間に隙間閉塞構造体が介在することになるが、扉部材10が開閉可能となる程度に、床面12と隙間閉塞構造体との間の摩擦を小としている、又は僅かな隙間が形成されている。このため、本発明の隙間閉塞構造体を、扉部材10の下端部に装着して扉部材10を閉状態とした場合であっても、図7に示すように、隙間閉塞構造体が床面12と扉部材10の下端面11との間に形成される隙間を塞ぐ。
【0029】
また、図8に示すように、本発明の隙間閉塞構造体を扉部材10の側部に装着することもできる。この場合、まず隙間閉塞構造体を平板状として、隙間19に隙間閉塞構造体を挿入し、連結部5を側面17に当接させる。その後、エア給排口4a、4bを介して空気室3a、3bにエアAを供給し、表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させる。このようにして、図8に示すように、隙間閉塞構造体を扉部材10の側部に装着することができる。
【0030】
このように、本発明の隙間閉塞構造体は、エアAを供給することにより表側棒状体1と裏側棒状体2とが膨張することにより、表側棒状体1と裏側棒状体2とで扉部材10の下端部を挟持状とすることができる。また、エアAにより表側棒状体1と裏側棒状態2とが膨張するものであるので、表側棒状体1と裏側棒状態2とを中実体とする必要がなく、軽量なものとできる。しかも、エアAを供給するのみで表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させることができるため、簡単な構成とすることができ、材料費を低減することができる。表側棒状体1と裏側棒状態2とはクッション性を有するものとなり、扉部材10の下端部に密着性に優れたものとなって、既存の扉部材を加工することなく、簡単に既存の扉部材の下端部に装着することができる。
【0031】
表側棒状体1と裏側棒状体2とは、エアAを排出することにより収縮して平板状となって折畳乃至巻回可能とすることができて、コンパクト化が可能となり、収納性、運搬性を向上することができる。しかも、収縮状態では平板状とできるため、装着する場合、扉部材10の下端部の長手方向端部側から挿入したり、短手方向端部側から挿入したりすることができ、取付時に便利なものとなる。
【0032】
表側棒状体1と裏側棒状体2とは、エアAが供給される空気室3a、3bと、この空気室3a、3bへのエアAの供給及び排出を可能とするエア給排口4a、4bとを備えたものとしているので、エア給排口4a、4bから空気室3a、3bにエアAを供給して、表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させたり、空気室3a、3bからエアAを排出して表側棒状体1と裏側棒状体2とを収縮させたりすることができる。これにより、表側棒状体1と裏側棒状体2とに容易にエアAを供給できて、取扱性の向上を図ることができる。
【0033】
次に、第2実施形態として、図9(a)及び図9(b)に示すように、連結部5は、表側棒状体側に設けられる第1の連結シート6と、裏側棒状体側に設けられる第2の連結シート7と、第1の連結シート6と第2の連結シート7とを重ね合わせた状態で固定する面ファスナ8とを備えている。すなわち、表側棒状体1から第1の連結シート6が延びるとともに、裏側棒状体2から第2の連結シート7が延びている。そして、第1の連結シート6の上に、第2の連結シート7を重ね合わせて、これらの重ね合わせ部を面ファスナ8にて固定している。これにより、表側棒状体1と裏側棒状体2とを連結することができる。また、表側棒状体1と裏側棒状体2とを連結して一体化した後、容易に分離することもできる。このようにして、本実施形態の隙間閉塞構造体は取扱性に優れたものとなる。
【0034】
次に、第3実施形態として、図10に示すように、隙間閉塞構造体の長手方向端部にストッパ部9を設けている。本実施形態では、ストッパ部9をゴム部材としている。すなわち、一対のエア給排口4a、4bにゴム部材を架渡す。これにより、隙間閉塞構造体を扉部材10の下端部に装着した際に、固定端側(枢支側)の側面にストッパ部9が当接する。これにより、隙間閉塞構造体に自由端側(反枢支側)への応力が付与されても、ストッパ部9にて、ずれを規制することができる。これにより、長期にわたって安定した装着状態を維持することができ、隙間閉塞機能を長期にわたって維持することができる。
【0035】
次に、第4実施形態として、図11に示すように、前記連結部5は、複数の短シート状体30を、表側棒状体1及び裏側棒状体2に沿った方向に所定間隔で配設したものとしている。このように、第4実施形態でも前記実施形態と同様の効果を奏する。特に、材料を少なくすることができて軽量なものとでき、コスト低減を図ることができる。
【0036】
第5実施形態として、図12に示すように、エア給排口4a、4bが上方に開口するように、表側棒状体1及び裏側棒状体2の上方に設けることもできる。
【0037】
次に、本発明の隙間閉塞構造体の第6実施形態について説明する。この隙間閉塞構造体は、図13及び図14に示すように、扉部材10の下端部表面側15に配設される表側棒状体21と、扉部材の下端部裏面側16に配設される裏側棒状体22と、表側棒状体21と裏側棒状体22とを連結して、扉部材10の下端面11と床面12との間に配置されるシート状の連結部25とを備えている。
【0038】
表側棒状体21と裏側棒状体22とは、例えば、発泡ポリエチレンを押し出し成形にて成形される樹脂製のブロック状体である。一対の表側棒状体21と裏側棒状体22とは、ほぼ同一の大きさ、寸法にて構成され、断面正方形である。夫々の表側棒状体21と裏側棒状体22とは略平行に延びるように配置されている。表側棒状体1と裏側棒状態2とはクッション性を有するものとなり、扉部材10の下端部に密着する。
【0039】
連結部25は、発泡ポリエチレンにて構成されるシート状体であり、この連結部25の長手辺の両端部に沿って、表側棒状体1と裏側棒状体2とが熱融着されている。これにより、図15に示すような、扉部材10の下端部を挿入するための溝を有するものとなる。表側棒状体1と裏側棒状体2との距離の最小値W2は、扉部材10の厚みよりも僅かに小とするのが好ましい。
【0040】
この隙間閉塞構造体は、前記第1実施形態と同様の方法にて扉部材10の下端部に装着することができる。
【0041】
このように、本発明の第6実施形態の隙間閉塞構造体でも、前記実施形態と同様の効果を奏する。特に、本実施形態では夫々の表側棒状体21と裏側棒状体22とを樹脂製のブロック体としているため、表側棒状体21と裏側棒状態22との剛性を確保することができる。このため、強固に扉部材10の下端部に固定でき、隙間閉塞機能を安定して発揮することができる。また、表側棒状体21と裏側棒状体22とを連結部25に熱融着しているので、表側棒状体21及び裏側棒状体22と、連結部25とを別部材にて形成できて、生産性に優れる。また、表側棒状体21と裏側棒状体22とを強固に連結部25に固着することができて、長期にわたって隙間閉塞機能を発揮することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、給排口の位置、数は任意である。エアAを供給した状態で円形でなくてもよい。表側棒状体1、21、裏側棒状体2、22、連結部5、25の材質は任意である。実施形態では、1枚の扉部材10を開閉する、いわゆる片開きタイプの開き戸としたが、2枚の扉部材10を左右両側から開閉する、いわゆる両開きタイプの開き戸とすることもできる。エアAを供給するタイプの隙間閉塞構造体の装着方法としては、実施形態では空気室3a、3bにエアAを供給して表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させた後、隙間閉塞構造体を扉部材10の下端部に挿入したが、扉部材10の下端部に挿入した後、表側棒状体1と裏側棒状体2とを膨張させてもよい。また、予め空気室3a、3bに僅かにエアAを供給して表側棒状体1と裏側棒状体2とを僅かに膨張させ、隙間閉塞構造体を扉部材10の下端部に挿入した後に、再度空気室3a、3bに十分な量のエアAを供給することもできる。すなわち、エアAの供給は二段階に分けて行なってもよい。エアAを供給しない状態では、隙間閉塞構造体は平板状であるので、扉部材10の短手方向端部側から隙間閉塞構造体を挿入することもでき、また、長手方向端部側から隙間閉塞構造体を挿入することもできる。第2実施形態において、短シート状体の数は任意であり、等ピッチで配設しても、不等ピッチで配設してもよく、各短シート状体の大きさを相違させてもよい。
【0043】
前記第6実施形態において、表側棒状体21と裏側棒状体22とは、断面正方形としたが、断面が、円形、楕円形、三角形、多角形、平行四辺形等種々の断面形状とすることができる。また、第6実施形態において、表側棒状体21及び裏側棒状体22は、連結部25に対して熱融着させたが、テープ等で固定してもよい。また、略コの字状の金型を用いて、押出成形にて表側棒状体21と裏側棒状体22と連結部25とを一体的に成形してもよい。この場合、種々の材質のものにて隙間閉塞構造体を成形することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 表側棒状体
2 裏側棒状体
3 空気室
4 エア給排口
5 連結部
6、7 連結シート
10 扉部材
11 下端面
12 床面
13 隙間
15 下端部表面
16 下端部裏面
30 短シート状体
A エア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉部材の端部に装着されて、扉部材の下端面と床面、又は扉部材の側面と壁面との間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞構造体であって、
前記扉部材の表面側に配設される表側棒状体と、前記扉部材の裏面側に配設される裏側棒状体と、前記表側棒状体と裏側棒状体とを連結して、扉部材の下端面又は側面を被覆状とするシート状の連結部とを備え、
前記夫々の表側棒状体と裏側棒状体とは、エア供給による膨張状態にて扉部材と密着するとともに、エア排出による収縮状態にて平板状となって折畳乃至巻回可能となることを特徴とする隙間閉塞構造体。
【請求項2】
前記表側棒状体と裏側棒状体とは、エアが供給される空気室と、この空気室へのエアの供給及び排出を可能とするエア給排口とを備えたことを特徴とする請求項1の隙間閉塞構造体。
【請求項3】
前記連結部は、表側棒状体側に設けられる第1の連結シートと、裏側棒状体側に設けられる第2の連結シートと、第1の連結シートと第2の連結シートとを重ね合わせた状態で固定する面ファスナとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の隙間閉塞構造体。
【請求項4】
扉部材に装着した状態で、長手方向のずれを規制するストッパ部を長手方向端部に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項の隙間閉塞構造体。
【請求項5】
前記連結部は、複数の短シート状体を、前記表側棒状体及び裏側棒状体に沿った方向に所定間隔で配設したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項の隙間閉塞構造体。
【請求項6】
扉部材の下端部に装着されて、扉部材の下方に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞構造体であって、
前記扉部材の表面側に配設される表側棒状体と、前記扉部材の裏面側に配設される裏側棒状体と、前記表側棒状体と裏側棒状体とを連結して、扉部材の下方に配置されるシート状の連結部とを備え、
前記夫々の表側棒状体と裏側棒状体とは、樹脂製のブロック体とするとともに、前記連結部は樹脂製のシート状体とし、前記表側棒状体と裏側棒状体とは、連結部から立設することを特徴とする隙間閉塞構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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