説明

隣接セル処理装置および隣接セル処理方法

【課題】適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることが可能な隣接セル処理装置および隣接セル処理方法を提供する。
【解決手段】隣接セル処理装置は、少なくとも対象の無線基地局装置以外の複数の無線基地局装置の属性を示す属性情報を取得するための属性情報取得部11と、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象の無線基地局装置以外の複数の無線基地局装置のうち、対象の無線基地局装置の周辺に配置された1または複数の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成するための隣接セル情報生成部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接セル処理装置および隣接セル処理方法に関し、特に、無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける隣接セル処理装置および隣接セル処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信システムでは、半径数百メートルから数十キロメートルのセルすなわち無線端末装置が通信可能なエリアを形成する無線基地局装置(以下、マクロ基地局とも称する。)による通信サービスが提供されてきた。
【0003】
近年、移動通信サービスの加入者数の劇的な増加およびデータ通信による通信トラヒック量の増大から、より半径の小さいセルを形成することによって加入者および通信トラヒックを分散し、また、一定レベルの通信速度をユーザへ安定して提供することが望まれている。また、ビルの超高層化に伴う不感地対策のため、企業フロア内および一般家庭内への無線基地局装置の設置も望まれている。
【0004】
これらの要望と併せて、無線基地局装置で使用される種々のデバイスの処理能力が飛躍的に向上したことによって無線基地局装置の小型化が進み、このような小型化された基地局が注目を集めている。
【0005】
この小型基地局(以下、フェムト基地局とも称する。)が形成するフェムトセル(Femto Cell)の半径は10メートル前後と小さいため、フェムト基地局は、マクロ基地局が形成するマクロセル(Macro Cell)の圏外となりマクロ基地局の設置が困難な宅内および地下街等の場所で使用されることが考えられる。
【0006】
また、フェムト基地局は特定のエリアに多数設置されることから、フェムト基地局を直接コアネットワークに接続することは難しい。このため、特定のエリアに設置された多数のフェムト基地局を一旦、HeNB−GW等のゲートウェイ装置に接続し、フェムト基地局とコアネットワークとをHeNB−GW経由で接続することが考えられる。
【0007】
このような構成において、フェムト基地局を設置する際に1つ1つのフェムト基地局の設定を事業者またはフェムト基地局の購入者が行なっていくと、相当な作業と費用を要する。また、新たにフェムト基地局が設置されてフェムト基地局が増加するたびに、新たに設置されたフェムト基地局だけでなく、既存の周辺のフェムト基地局の再設定も行なわなければならなくなる。
【0008】
このような問題点を解決するための構成として、たとえば、特許文献1には、以下のような技術が開示されている。すなわち、新たなセルは、既存のセルによって用いられている様々な異なるチャネルの信号強度を測定する。新たなセルは、大きな信号強度を持つチャネルに対応する候補チャネルのリストを作成し、このリストをセルラシステムの移動体交換センタに送信する。移動体交換センタは、どの候補チャネルが既存のセル内で用いられているビーコンに対応するかを決定し、新たなセルに、これら既存の各セルに関する構成情報を送信する。こうして、新たなセルは、隣接セルに関する構成情報を自動的に受信する。移動体交換センタが、識別されたネーバー(隣接セル)が最大値Nに達してないことを決定した場合は、移動体交換センタは、新たなセルに対して、追加の候補チャネル(つまり、より低い信号強度を持つ候補チャネル)を送信することを要請する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11―331931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
フェムト基地局の購入者は、当該フェムト基地局の設置場所を独自に決めることができる。このため、フェムト基地局が設置された無線通信システムでは、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフが起こりやすいことから、周辺にフェムト基地局が存在する無線基地局装置において適切な隣接セル情報を生成することが困難となる。
【0011】
たとえば、無線端末装置は、この隣接セル情報を用いて、自律的に、またはフェムト基地局からの指示に従い、隣接セル情報に登録されたフェムト基地局からの受信電力を測定し、この測定結果をフェムト基地局に報告する。この場合、ハンドオーバ先としては向かないフェムト基地局が隣接セル情報に登録されていると、無線端末装置が無駄な測定動作を行ない、また、無駄なハンドオーバが発生してしまう。
【0012】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることが可能な隣接セル処理装置および隣接セル処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる隣接セル処理装置は、無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける隣接セル処理装置であって、少なくとも対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の属性を示す属性情報を取得するための属性情報取得部と、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記対象無線基地局装置の周辺に配置された1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成するための隣接セル情報生成部と、上記隣接セル情報生成部によって生成された上記隣接セル情報を上記対象無線基地局装置または上記対象無線基地局装置と通信可能な無線端末装置へ送信するための隣接セル情報送信部とを備える。
【0014】
このような構成により、無線基地局装置の移動および電源のオン/オフに関わらず、隣接セル情報を自動的に最適化することができるため、人手を介すことなく、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることができる。また、自動的に隣接セル情報の最適化が行われることから、無線基地局装置に対する特別な設置処理が不要となるため、無線基地局装置を設置するための作業時間および費用の低減を図ることができる。
【0015】
したがって、適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることができる。
【0016】
(2)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する。
【0017】
このような構成により、詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線基地局装置は、順位付け結果において上位の無線基地局装置を優先的に移動先として選択することにより、移動動作の成功率を高めることができる。
【0018】
(3)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、順位付けした複数の上記無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0019】
このような構成により、たとえば無線端末装置に通知する隣接セル情報に含めることができる無線基地局装置の数に制限がある場合において、上位N個の無線基地局装置を隣接セル情報に含めることで、適切な隣接セル情報を無線端末装置に通知することが可能となる。
【0020】
(4)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、順位付けした上記無線基地局装置の順位をさらに示す隣接セル情報を生成する。
【0021】
このような構成により、さらに詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線端末装置は、隣接セル情報における無線基地局装置の順位に従い、測定順序の決定、および測定対象の無線基地局装置の絞り込み等を行ない、効率的な測定動作を行なうことができる。
【0022】
(5)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を上記隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する。
【0023】
このような構成により、無線基地局装置の属性に応じて無線基地局装置を隣接セル情報において適切に登録または削除することができる。
【0024】
(6)好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置の属性をさらに示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報の示す上記対象無線基地局装置の属性、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の属性に基づいて上記隣接セル情報を生成する。
【0025】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として、対象基地局以外の複数の無線基地局装置の属性を示す情報に加えて、対象基地局の属性を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0026】
(7)好ましくは、上記通信システムにおける上記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれかはフェムト基地局である。
【0027】
このように、無線基地局装置の移動および電源のオン/オフが頻繁に起こる無線通信システムにおいて適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図るという効果をより顕著に得ることができる。
【0028】
(8)好ましくは、上記属性情報取得部は、少なくとも上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示す属性情報を取得する。
【0029】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0030】
(9)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、マクロ基地局である上記無線基地局装置の順位を、フェムト基地局である上記無線基地局装置よりも上げる。
【0031】
このように、マクロ基地局およびフェムト基地局が混在する無線通信システムにおいて、電源がオフされにくいマクロ基地局の優先順位を上げることにより、マクロ基地局/フェムト基地局の別による順位付けを適切に行なうことができる。
【0032】
(10)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、フェムト基地局である上記無線基地局装置の順位を、マクロ基地局である上記無線基地局装置よりも上げる。
【0033】
このような構成により、マクロ基地局およびフェムト基地局が混在する通信システムにおいて、フェムト基地局を隣接セル情報に優先して登録すべき状況において、マクロ基地局/フェムト基地局の別による順位付けを適切に行なうことができる。
【0034】
(11)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記属性情報の示す属性がマクロ基地局である上記無線基地局装置またはフェムト基地局である上記無線基地局装置を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0035】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0036】
(12)より好ましくは、上記通信システムにおける上記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれか2つは、すべての上記無線端末装置に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置および登録されていない上記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能なフェムト基地局であり、上記属性情報取得部は、フェムト基地局である上記無線基地局装置が、上記オープンアクセスモード、上記クローズドアクセスモードおよび上記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかをさらに示す属性情報を取得する。
【0037】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0038】
(13)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、マクロ基地局である上記無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置および上記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置の順位をこの順番で高くする。
【0039】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0040】
(14)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、マクロ基地局である上記無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置および上記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0041】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0042】
(15)好ましくは、上記通信システムにおける上記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれか2つは、すべての上記無線端末装置に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置および登録されていない上記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能であり、上記属性情報取得部は、少なくとも上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が、上記オープンアクセスモード、上記クローズドアクセスモードおよび上記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかを示す属性情報を取得する。
【0043】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてアクセスモードの別を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0044】
(16)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記オープンアクセスモードで動作する上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作する上記無線基地局装置および上記クローズドアクセスモードで動作する上記無線基地局装置の順位をこの順番で高くする。
【0045】
このような構成により、アクセスモードの別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0046】
(17)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記オープンアクセスモードで動作する上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作する上記無線基地局装置および上記クローズドアクセスモードで動作する上記無線基地局装置の3種類のうちの1種類または2種類を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0047】
このような構成により、アクセスモードの別に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0048】
(18)より好ましくは、上記無線基地局装置は、上記クローズドアクセスモードまたは上記ハイブリッドモードで動作する場合において、設定された加入者グループに属しており、同じ上記加入者グループに属する上記無線端末装置に対して通信を許可し、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が、上記オープンアクセスモード、上記クローズドアクセスモードおよび上記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかをさらに示し、かつ上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置がそれぞれ属する上記加入者グループをさらに示す属性情報を取得する。
【0049】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置について、アクセスモードの別および加入者グループの異同を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0050】
(19)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属する上記無線基地局装置の順位を、上記対象無線基地局装置と異なる上記加入者グループに属する上記無線基地局装置よりも上げる。
【0051】
このような構成により、加入者グループの異同に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0052】
(20)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記対象無線基地局装置が上記クローズドアクセスモードで動作している場合には、上記順位付けにおいて、上記クローズドアクセスモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属する上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属する上記無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作する上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と異なる上記加入者グループに属する上記無線基地局装置をこの順番で高くする。
【0053】
このような構成により、アクセスモードの別および加入者グループの異同に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0054】
(21)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかをさらに示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記対象無線基地局装置が上記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、上記順位付けにおいて、上記クローズドアクセスモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置、マクロ基地局である上記対象無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と異なる上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置をこの順番で高くする。
【0055】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別および加入者グループの異同に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0056】
(22)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置が上記クローズドアクセスモードで動作している場合には、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記クローズドアクセスモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属する上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属する上記無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作する上記無線基地局装置、および上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と異なる上記加入者グループに属する上記無線基地局装置の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0057】
このような構成により、アクセスモードの別および加入者グループの異同に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0058】
(23)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかをさらに示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置が上記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記クローズドアクセスモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置、上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と同じ上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置、マクロ基地局である上記対象無線基地局装置、上記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である上記無線基地局装置、および上記ハイブリッドモードで動作し、かつ上記対象無線基地局装置と異なる上記加入者グループに属するフェムト基地局である上記無線基地局装置の5種類のうちの1種類、2種類、3種類または4種類を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0059】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別および加入者グループの異同に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0060】
(24)好ましくは、上記属性情報取得部は、少なくとも上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得する。
【0061】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として無線基地局装置の搬送周波数を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0062】
(25)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記属性情報の示す上記周波数が、上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と同じ上記無線基地局装置の順位を、周波数の異なる上記無線基地局装置よりも上げる。
【0063】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、無線端末装置における測定を容易にすることができる。
【0064】
(26)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記属性情報の示す上記周波数が、上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と異なる上記無線基地局装置の順位を、周波数の同じ上記無線基地局装置よりも上げる。
【0065】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉を減らすことができる。
【0066】
(27)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記順位付けにおいて、上記属性情報の示す上記周波数が、上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数に対して遠い上記無線基地局装置の順位を、上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数に対して近い上記無線基地局装置よりも上げる。
【0067】
このような構成により、自己の搬送周波数からより離れた搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉をさらに減らすことができる。
【0068】
(28)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記属性情報の示す上記周波数が、上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と同じ上記無線基地局装置、または上記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と異なる上記無線基地局装置を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0069】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。具体的には、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉を減らすことができる。あるいは、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、無線端末装置における測定を容易にすることができる。
【0070】
(29)好ましくは、上記属性情報取得部は、少なくとも上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する。
【0071】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として無線基地局装置の無線アクセス方式を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0072】
(30)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記属性情報の示す上記無線アクセス方式が、上記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と同じ上記無線基地局装置の順位を、無線アクセス方式の異なる上記無線基地局装置よりも上げる。
【0073】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置を誘導することができるため、無線通信システムにおける動作の安定化を図ることができる。
【0074】
(31)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、上記順位付けにおいて、上記属性情報の示す上記無線アクセス方式が、上記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と異なる上記無線基地局装置の順位を、無線アクセス方式の同じ上記無線基地局装置よりも上げる。
【0075】
このような構成により、対象基地局と無線アクセス方式の異なる無線基地局装置を隣接セル情報に優先して登録すべき状況において、無線基地局装置の無線アクセス方式の別に応じて無線基地局装置の順位付けを適切に行なうことができる。
【0076】
(32)より好ましくは、上記属性情報取得部は、上記対象無線基地局装置、および上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の中から、上記属性情報の示す上記無線アクセス方式が、上記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と異なる上記無線基地局装置、または上記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と同じ上記無線基地局装置を少なくとも除いた上記隣接セル情報を生成する。
【0077】
このような構成により、無線基地局装置の無線アクセス方式の別に応じて無線基地局装置を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0078】
(33)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記対象無線基地局装置と通信する無線端末装置の移動先候補となる1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0079】
このような構成により、設置された無線基地局装置のセル内における移動動作を最適な状態にすることが可能となる。また、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、通信中の無線端末装置の移動先候補となる隣接セルの数を低減することができるため、無駄な移動動作が発生することを防ぐことができる。
【0080】
(34)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記無線端末装置の測定対象となる1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0081】
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置が測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
【0082】
(35)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記無線端末装置が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0083】
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置が受信レベル測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。特に、アイドル状態の無線端末装置の消費電力を低減することができるため、顕著な効果が得られる。
【0084】
(36)より好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記対象無線基地局装置と通信中でない上記無線端末装置が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0085】
このような構成により、無線基地局装置からの報知情報等によって指示される定期的な電力測定の対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
【0086】
(37)好ましくは、上記隣接セル情報生成部は、上記属性情報取得部によって取得された上記属性情報に基づいて、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成し、上記隣接セル情報生成部は、上記対象無線基地局装置と通信する無線端末装置が、対象の上記無線基地局装置以外の上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを複数の周波数において測定した結果に基づいて、上記隣接セル情報の初期情報を生成する。
【0087】
このような構成により、適切な隣接セル情報を早期に構築することが可能となり、無線通信システムにおける動作の効率化を早期に実現することができる。
【0088】
(38)より好ましくは、上記隣接セル処理装置は、さらに、上記対象無線基地局装置が、上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置および登録されていない上記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作する場合には、登録されていない上記無線端末装置に対して、対象の上記無線基地局装置以外の上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを上記複数の周波数において測定することを指示するための電力測定指示部を備える。
【0089】
このような構成により、登録ユーザの所有する無線端末装置の電力が消費されることを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
【0090】
(39)より好ましくは、上記隣接セル処理装置は、さらに、上記対象無線基地局装置が、上記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された上記無線端末装置および登録されていない上記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作する場合には、登録された上記無線端末装置に対して、対象の上記無線基地局装置以外の上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを上記複数の周波数において測定することを指示するための電力測定指示部を備える。
【0091】
このような構成により、無線端末装置を即時に充電できる環境を有していない場合が多い非登録ユーザの所有する無線端末装置の電力が消費されることを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
【0092】
(40)好ましくは、上記隣接セル処理装置は、1または複数の上記無線基地局装置に含まれる。
【0093】
このような構成により、たとえばゲートウェイ装置または上位装置で各無線基地局装置の隣接セル情報の最適化を行なう必要がなくなり、無線通信システムにおける処理負荷の分散、ならびに無線基地局装置とゲートウェイ装置または上位装置との間における通信量の低減を図ることができる。
【0094】
(41)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる隣接セル処理方法は、無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける隣接セル処理方法であって、少なくとも対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置の属性を示す属性情報を取得するステップと、取得された上記属性情報に基づいて、対象の上記無線基地局装置以外の複数の上記無線基地局装置のうち、上記対象無線基地局装置の周辺に配置された1または複数の上記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成するステップと、生成された上記隣接セル情報を上記対象無線基地局装置または上記対象無線基地局装置と通信可能な無線端末装置へ送信するステップとを含む。
【0095】
このような構成により、無線基地局装置の移動および電源のオン/オフに関わらず、隣接セル情報を自動的に最適化することができるため、人手を介すことなく、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることができる。また、自動的に隣接セル情報の最適化が行われることから、無線基地局装置に対する特別な設置処理が不要となるため、無線基地局装置を設置するための作業時間および費用の低減を図ることができる。
【0096】
したがって、適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることができる。
【発明の効果】
【0097】
本発明によれば、適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局のアクセスモードと接続可能な無線端末装置との関係を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置の配置例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置の配置例を詳細に示す図である。
【図4】図2に示す無線通信システムにおける、各無線基地局装置の属性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る信号処理部の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が初期の隣接セル情報を生成するシーケンスの一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作のシーケンスの一例を示す図である。
【図9】無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
【図10】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図11】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図12】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【図16】無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
【図17】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図18】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図19】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図20】無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
【図21】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図22】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図23】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図24】無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
【図25】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図26】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図27】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図28】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図29】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図30】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図31】無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
【図32】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
【図33】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図34】無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
【図35】本発明の第5の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【図36】本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置の構成を示す図である。
【図37】本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置におけるデータ処理部の構成を示す図である。
【図38】本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置が隣接セル情報を通知する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0100】
<第1の実施の形態>
無線基地局装置は、自らの形成するセルおよび周辺セルについての情報、すなわち無線信号の周波数および周辺セルのID(identification)等を無線端末装置に通知する。無線端末装置は、無線基地局装置から通知された情報に基づいて、周辺セルの検出および測定を行なう。無線端末装置は、この測定結果に基づいて、周辺セルへの移動を開始する。ここで、無線端末装置の「移動」とは、ハンドオーバを意味することに加えて、アイドル状態の無線端末装置が今後通信を開始する、すなわち通話またはデータ通信を開始する際にどのセルを介して通信を行なうかを選択することを意味する。
【0101】
たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信しているときには、無線端末装置の移動先は無線基地局装置またはコアネットワークにおける上位装置が決定する。また、無線端末装置が無線基地局装置と通信していないときには、無線端末装置の移動先は無線端末装置が決定する。
【0102】
フェムトセルおよびアクセスモードは、3GPP(Third Generation Partnership Project) SPEC TS22.220において以下のように説明されている。すなわち、フェムト基地局は、無線インタフェースを介して接続されている無線端末装置を、IPバックホール(backhaul)を用いて、移動通信事業者網に接続する顧客構内装置である。
【0103】
また、フェムトセルのアクセスモードにおいて、クローズドアクセスモードのフェムト基地局は、関連するCSG(Closed Subscriber Group)メンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードのフェムト基地局は、関連するCSGメンバーおよびCSGノンメンバーにサービスを提供する。また、オープンアクセスモードのフェムト基地局は、通常の基地局として動作する。
【0104】
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいても、このような3GPPの定義を適用してもよい。
【0105】
また、上記定義と合わせて、あるいは別個に、以下のような定義を適用することも可能である。
【0106】
マクロ基地局は、事業者の管理下にあり、事業者と契約している無線基地局装置が通信可能な無線基地局装置である。また、マクロ基地局は、基本的に電源がオフになることはないと考えられる。
【0107】
また、フェムト基地局は、主に個人または法人の建物内に設置され、ユーザの事情により移動するまたは電源がオフとなる可能性がある無線基地局装置である。
【0108】
また、フェムト基地局は、オープン/ハイブリッド/クローズドのいずれかのアクセスモードで動作する。フェムト基地局は、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー(端末)のみ接続可能となる。また、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードで動作する場合には、登録済みのメンバー、および未登録のメンバーすなわちノンメンバーの両方にサービスを提供する。また、オープンアクセスモードで動作する場合には、マクロ基地局と同じ動作をする。
【0109】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局のアクセスモードと接続可能な無線端末装置との関係を示す図である。
【0110】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局は、3つのアクセスモードを有する。すなわち、クローズドアクセスモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置は登録済みの無線端末装置のみである。また、オープンアクセスモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置はすべての無線端末装置であり、通常のマクロ基地局と同様である。また、ハイブリッドモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置はすべての無線端末装置である。ただし、ハイブリッドモードでは、メンバーすなわち登録されている無線端末装置は、ノンメンバーすなわち登録されていない無線端末装置と比べて、フェムト基地局の通信リソースの割り当ておよび課金等で優遇される場合がある。
【0111】
すなわち、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局は、すべての無線端末装置に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、無線端末装置を登録することが可能であり、登録された無線端末装置に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または無線端末装置を登録することが可能であり、登録された無線端末装置および登録されていない無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能である。
【0112】
クローズドアクセスモードのセルにおいては、無線端末装置が自立的に周辺セルを検出することが3GPPで規定されている。また、オープンアクセスモードのマクロセルにおいては、事業者が計画的に無線基地局装置を設置する場合には、周辺のマクロセルに関する情報も事業者が把握しており、無線基地局装置の設置時および保守時等に設定される。
【0113】
ところで、ユーザは、フェムト基地局を任意の場所に設置できることから、フェムト基地局が現在地を把握することは困難である。このため、フェムト基地局において、周辺セルの情報を得ることも困難である。
【0114】
前述のように、クローズドアクセスモードのセルにおける無線端末装置のフェムトセル検出方法および移動方法は3GPPで規定されている。しかしながら、マクロセルまたはフェムトセルから、マクロセルまたはオープンアクセスモードのフェムトセルへ無線端末装置が移動する場合には、移動元の無線基地局装置が移動先の無線基地局装置の情報を無線端末装置に通知する必要がある。
【0115】
ここで、フェムト基地局はユーザによって独自に使用場所が決められるため、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフが起こり得る。これにより、次の2つが課題となる。すなわち、フェムト基地局が現在地を把握できないので、周辺に配置されたセルの情報をOAM機能(保守機能)によって取得することが困難である。また、無線基地局装置の周辺にフェムト基地局が存在する場合であってフェムト基地局の電源がオフされているときには、無線端末装置は当該フェムト基地局へ移動することができないので、フェムト基地局の電源のオン/オフを検出する必要が生じてしまう。
【0116】
なお、フェムト基地局がGPS(Global Positioning System)等を利用して現在地を特定できる場合には、フェムト基地局が事業者網に問い合わせを行ない、地理的に近いセルの情報を取得することも考えられるが、精度の問題から、正確な位置を特定することは困難である。
【0117】
[構成および基本動作]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置の配置例を示す図である。
【0118】
図2を参照して、無線通信システム301は、たとえば3GPPで規格化されたLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信システムであり、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101F,101Gを備える。
【0119】
無線通信システム301では、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fがフェムト基地局であり、無線基地局装置101Bおよび101Gがマクロ基地局である。
【0120】
無線基地局装置101Bおよび101Gは、たとえば半径数キロメートルのマクロセルMCBおよびMCGをそれぞれ形成する。また、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fは、たとえば半径数10メートルのフェムトセルFCA,FCC,FCD,FCE,FCFをそれぞれ形成する。
【0121】
ここでは、マクロ基地局101Bおよびマクロ基地局101Gが形成するマクロセル内に、複数のフェムト基地局が存在する状態を考える。
【0122】
無線基地局装置101Bは、マクロセルMCB内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Gは、マクロセルMCG内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
【0123】
無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fは、宅内および地下街等、無線基地局装置101Bまたは101Gからの無線信号を無線端末装置202が受信しにくい場所に設置され、それぞれフェムトセルFCA,FCC,FCD,FCE,FCF内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
【0124】
図2では、無線基地局装置101Bおよび101Gがそれぞれ形成するマクロセルMCBおよびMCGの各々の一部が重なり合っている。また、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fは、無線基地局装置101Bおよび101Gがそれぞれ形成するマクロセルMCBおよびMCGの重複部分に配置されている。ここでは、無線基地局装置101Aと通信している無線端末装置202が存在するものとする。
【0125】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置の配置例を詳細に示す図である。
【0126】
図3を参照して、フェムトセルFCA,FCC,FCD,FCE,FCFの各々の一部が重なり合っている。無線基地局装置101Aと通信している無線端末装置202は、フェムトセルFCA,FCC,FCD,FCE,FCF内に位置しており、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101F,101Gからのすべての無線信号を受信可能である。
【0127】
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101F,101Gが、それぞれ隣接セル処理装置として動作する。すなわち、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101F,101Gの各々は、単体で隣接セル情報の最適化を行なう。
【0128】
以下、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101F,101Gの各々を無線基地局装置101と称する場合がある。また、図2では、2つのマクロ基地局と、5つのフェムト基地局とを代表的に示しているが、少数またはさらに多数のマクロ基地局およびフェムト基地局が設けられてもよい。
【0129】
図4は、図2に示す無線通信システムにおける、各無線基地局装置の属性を示す図である。
【0130】
図4を参照して、無線通信システム301において、無線基地局装置101AのセルIDが1111であり、セル形態がフェムトであり、アクセスモードがクローズドアクセスモードであり、CSG(Closed Subscriber Group) IDが8888であり、無線基地局装置101Aから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)がLTEである。無線基地局装置101BのセルIDが2222であり、セル形態がマクロであり、無線基地局装置101Bから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、無線アクセス方式がLTEである。無線基地局装置101CのセルIDが3333であり、セル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、CSG IDが8888であり、無線基地局装置101Cから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、無線アクセス方式がLTEである。無線基地局装置101DのセルIDが4444であり、セル形態がフェムトであり、アクセスモードがクローズドアクセスモードであり、CSG IDが8888であり、無線基地局装置101Dから送信される無線信号の搬送周波数がf3であり、無線アクセス方式がLTEである。無線基地局装置101EのセルIDが5555であり、セル形態がフェムトであり、アクセスモードがオープンアクセスモードであり、無線基地局装置101Eから送信される無線信号の搬送周波数がf2であり、無線アクセス方式がW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)である。無線基地局装置101FのセルIDが6666であり、セル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、CSG IDが9999であり、無線基地局装置101Fから送信される無線信号の搬送周波数がf3であり、無線アクセス方式がLTEである。無線基地局装置101GのセルIDが7777であり、セル形態がマクロであり、無線基地局装置101Gから送信される無線信号の搬送周波数がf2であり、無線アクセス方式がW−CDMAである。
【0131】
ここで、CSG IDは、無線端末装置202、ならびにクローズドアクセスモードおよびハイブリッドモードの無線基地局装置に割り当てられるIDである。このCSG IDにより、無線端末装置202は、ある無線基地局装置101にとって自己がメンバーであるかノンメンバーであるかを識別することができる。
【0132】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。
図5を参照して、無線基地局装置101は、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部93と、無線送信部94と、信号処理部95とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
【0133】
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
【0134】
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
【0135】
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してコアネットワーク側へ送信する。
【0136】
送信信号処理部97は、コアネットワーク側から受信した通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
【0137】
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
【0138】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る信号処理部の構成を示す図である。
図6を参照して、受信信号処理部96は、属性情報取得部11と、隣接セル情報生成部12とを含む。送信信号処理部97は、隣接セル情報送信部13と、電力測定指示部14とを含む。
【0139】
属性情報取得部11は、少なくとも対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性を示す属性情報を、他の無線基地局装置101および無線端末装置202の少なくとも一方からの情報に基づいて取得する。
【0140】
隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、隣接セル情報を与える対象となる無線基地局装置(以下、対象基地局とも称する。)以外の無線通信システム301における複数の無線基地局装置101のうち、対象基地局の周辺に設置された1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。本発明の第1の実施の形態に係る無線基地局装置では、対象基地局は自己の無線基地局装置101である。
【0141】
たとえば、隣接セル情報生成部12は、対象基地局と通信する無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0142】
隣接セル情報送信部13は、隣接セル情報生成部12によって生成された隣接セル情報を自己の無線基地局装置101と通信可能な無線端末装置202、すなわち自己の無線基地局装置101によって形成されるセルに存在する無線端末装置202へ送信する。
【0143】
電力測定指示部14は、他の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。
【0144】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る無線基地局装置が隣接セル情報を生成する際の動作について説明する。
【0145】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が初期の隣接セル情報を生成するシーケンスの一例を示す図である。
【0146】
無線基地局装置101の起動時等、無線基地局装置101が隣接セル情報を有していない状態では、無線基地局装置101は、無線端末装置202に対して全周波数検索を指示する。たとえばLTEでは、最初に無線端末装置202が当該無線基地局装置101とのRRC(Radio Resource Control)コネクションを確立した時、すなわち無線基地局装置101と通信を開始するための処理を完了した時に、当該無線基地局装置101は、当該無線端末装置202に対して全周波数検索を指示する。
【0147】
ここで、全周波数検索とは、無線通信システムにおいて設定されたすべての種類の送信周波数について、各無線基地局装置101からの無線信号の受信レベルを測定することを意味する。
【0148】
そして、無線基地局装置101は、無線端末装置202からの測定結果の報告に基づいて隣接セル情報を生成し、図示しない記憶部に保存する。
【0149】
より詳細には、図7を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202の測定対象となる他の無線基地局装置を設定する(ステップS101)。
【0150】
次に、無線基地局装置101Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求に、測定対象となる周波数および無線基地局装置の情報が含まれる(ステップS102)。
【0151】
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、受信した測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS103)。
【0152】
次に、無線端末装置202は、この受信レベルの測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS104)。
【0153】
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、初期の隣接セル情報を生成する(ステップS105)。
【0154】
なお、無線基地局装置101Aは、起動時に限らず、一定期間ごとに最初にRRCコネクションを確立した無線端末装置202に対して全周波数検索を指示してもよい。
【0155】
また、無線基地局装置101Aがフェムト基地局であり、かつハイブリッドモードで動作する場合には、無線基地局装置101Aは、たとえばノンメンバーの無線端末装置202がRRCコネクションを確立する際に、当該無線端末装置202に対して全周波数検索を指示する。
【0156】
すなわち、電力測定指示部14は、対象基地局がハイブリッドモードで動作する場合には、登録されていない無線端末装置202に対して、対象基地局以外の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数において測定することを指示する。
【0157】
このような構成により、登録ユーザの所有する無線端末装置202の電力が消費される
ことを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
【0158】
あるいは、電力測定指示部14は、対象基地局がハイブリッドモードで動作する場合には、登録された無線端末装置202に対して、対象基地局以外の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数において測定することを指示する構成であってもよい。
【0159】
このような構成により、無線端末装置202を即時に充電できる環境を有していない場合が多い非登録ユーザの所有する無線端末装置202の電力が消費されることを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
【0160】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作のシーケンスの一例を示す図である。
【0161】
図8を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、自己と通信中の無線端末装置202の測定対象となる周波数と、測定セルすなわち当該周波数の無線信号を送信する他の無線基地局装置とを設定する(ステップS81)。
【0162】
次に、無線基地局装置101Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求には、測定対象となる無線基地局装置101の情報すなわちセルIDが含まれる。この情報は、たとえば、図7に示すシーケンスによって生成した隣接セル情報である。また、この測定開始要求には、各無線基地局装置101の送信周波数が含まれる(ステップS82)。
【0163】
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、受信した測定開始要求の示す周波数において、測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS83)。
【0164】
次に、無線端末装置202は、この受信レベルの測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する。たとえば、無線端末装置202は、受信レベルの測定を定期的に行ない、無線基地局装置101Aとの通信状態が悪くなった場合、および無線基地局装置101A以外の他の無線基地局装置101との通信状態が良くなった場合に、測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS84)。
【0165】
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、セルIDごとの測定結果を示す測定情報を取得し、図示しない記憶部に保存する(ステップS85)。
【0166】
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202がハンドオーバすべきか否かを判断し、ハンドオーバすべきであると判断すると、隣接セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定し、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を上位装置へ送信する(ステップS86)。
【0167】
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ハンドオーバとは、通話中またはデータ通信中の無線端末装置202の通信相手となる無線基地局装置101が切り替えられることを意味する。
【0168】
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Bへ当該ハンドオーバ要求を送信する(ステップS87)。
【0169】
次に、無線基地局装置101Bは、上位装置からハンドオーバ要求を受信して、上位装置へ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS88)。
【0170】
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線基地局装置101Aへハンドオーバ指示を送信する(ステップS89)。
【0171】
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置からハンドオーバ指示を受信して、無線端末装置202へRRCコネクション再確立指示を送信する(ステップS90)。
【0172】
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置へ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する(ステップS91)。
【0173】
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aから状態通知を受信して、無線基地局装置101Bへ無線端末装置202との通信内容等を示す状態通知を送信する(ステップS92)。
【0174】
また、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション確立通知を送信する(ステップS93)。
【0175】
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション確立通知を受信して、上位装置へハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS94)。
【0176】
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS95)。
【0177】
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置から端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し、上位装置へ端末情報解放完了通知を送信する(ステップS96)。
【0178】
次に、図7に示すシーケンス等によって生成した隣接セル情報の更新方法について説明する。
【0179】
無線基地局装置101は、他の無線基地局装置から定期的にまたは不定期に送信される報知情報等から、図4に示す各無線基地局装置の属性の一部または全部を属性情報として取得し、図示しない記憶部に保存する。無線基地局装置101は、図示しない記憶部に保存された無線基地局装置のリストに対して、指標を用いて順位付けを行なう。すなわち、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、対象基地局の周辺に配置された1または複数の無線基地局装置101を順位付けした隣接セル情報を生成する。
【0180】
たとえば、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示す属性情報を取得する。
【0181】
図9は、無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
図9を参照して、無線基地局装置101Aでは、セルIDが2222である無線基地局装置101Bのセル形態がマクロであり、セルIDが3333である無線基地局装置101Bのセル形態がフェムトであり、セルIDが4444である無線基地局装置101Dのセル形態がフェムトであり、セルIDが5555である無線基地局装置101Eのセル形態がフェムトであり、セルIDが6666である無線基地局装置101Fのセル形態がフェムトであり、セルIDが7777である無線基地局装置101Gのセル形態がマクロであることを示す属性情報が得られている。
【0182】
図10は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図10を参照して、マクロ基地局はフェムト基地局に比べて、電源がオフされにくいと考えられる。このため、無線基地局装置101Aは、取得した図9に示す属性情報において、マクロ基地局の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、マクロ基地局である無線基地局装置101の順位を、フェムト基地局である無線基地局装置101よりも上げる。
【0183】
具体的には、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、セル形態がマクロであるセルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セル形態がマクロであるセルID7777(無線基地局装置101G)が1位であり、セル形態がフェムトであるセルID3333(無線基地局装置101C)が2位であり、セル形態がフェムトであるセルID4444(無線基地局装置101D)が2位であり、セル形態がフェムトであるセルID5555(無線基地局装置101E)が2位であり、セル形態がフェムトであるセルID6666(無線基地局装置101F)が2位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0184】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0185】
図11は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
図11を参照して、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が2つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セルID7777(無線基地局装置101G)が1位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。なお、ここでは、隣接セル情報に登録されたすべての無線基地局装置の順位が1位となっているが、この場合、他の何らかの基準に基づいて異なる順位を付すことも可能である。
【0186】
図12は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0187】
隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局/フェムト基地局の別による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す属性がマクロ基地局である無線基地局装置101またはフェムト基地局である無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する構成であってもよい。
【0188】
図12を参照して、たとえば、隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局であることを登録基準とし、フェムト基地局であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101C、101D、101Eおよび101Fを除き、無線基地局装置101Bおよび101Gを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0189】
[隣接セル情報の通知]
上述のように、無線基地局装置101は、属性情報の取得に伴い、隣接セル情報の最適化を行なう。そして、この最適化された隣接セル情報は無線端末装置202へ通知する必要がある。すなわち、無線基地局装置101における隣接セル情報送信部13は、隣接セル情報生成部12によって生成された隣接セル情報を対象基地局である自己の無線基地局装置101と通信可能な無線端末装置202へ送信する。この通知方法としては、たとえば以下の3つの方法が考えられる。
【0190】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【0191】
図13を参照して、無線基地局装置101Aは、アイドル状態すなわち通話およびデータ通信を行なっていない状態の無線端末装置202に対して、隣接セル情報を報知情報に含めて通知する。この場合、無線基地局装置101Aは、報知情報変化通知を利用して、隣接セル情報が更新されたことを無線端末装置202に通知する。
【0192】
より詳細には、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報の最適化が発生すると(ステップS27)、報知情報変化通知をフェムトセルFCAに存在する各無線端末装置202へブロードキャストする(ステップS28)。
【0193】
次に、無線基地局装置101Aは、更新した隣接セル情報を含んだ報知情報をフェムトセルFCAに存在する各無線端末装置202へブロードキャストする。そして、報知情報変化通知を受信した無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから送信される報知情報から隣接セル情報を読み出し、自ら保持している隣接セル情報を、読み出した隣接セル情報に更新する(ステップS29)。
【0194】
次に、無線端末装置202は、自律的にまたは無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、更新した隣接セル情報の示す無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS30)。
【0195】
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【0196】
図14を参照して、たとえばLTEでは、RRCコネクションの確立処理を行なう無線端末装置202に対して、無線基地局装置101Aは、無線データリンクを設定する際に隣接セル情報を通知する。
【0197】
より詳細には、まず、無線端末装置202および無線基地局装置101A間で無線制御信号のリンク設定、すなわちIP(Internet Protocol)パケット等の通信データを送受信する前段階の各種制御処理が行われる(ステップS31)。
【0198】
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101A間でNAS(Non-Access Stratum)層のセキュリティ処理、すなわち通信の暗号化に必要な情報の送受信が行われる(ステップS32)。たとえば、LTEでは、無線端末装置202は、コアネットワークにおける上位装置との間で当該情報をやりとりし、無線基地局装置101Aは当該情報を中継する役割を果たす。
【0199】
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101A間で無線データリンクの設定が行われ、その後、無線端末装置202および無線基地局装置101A間でIPパケット等の通信データが送受信される。また、無線基地局装置101Aは、他の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する(ステップS33)。たとえば、LTEでは、無線基地局装置101Aから無線端末装置202に通知される無線データリンクの設定要求に、当該測定開始要求が含まれる。そして、この測定開始要求に隣接セル情報が含まれる。
【0200】
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、自ら保持している隣接セル情報を、新たに通知された隣接セル情報に更新し、更新した隣接セル情報の示す無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS34)。
【0201】
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
【0202】
図15を参照して、無線基地局装置101Aは、自己と通信中の無線端末装置202に対して、測定変更要求を利用して隣接セル情報の更新を通知する。
【0203】
より詳細には、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報の最適化が発生すると(ステップS27)、更新された隣接セル情報を測定変更要求に含めて無線端末装置202へ送信する(ステップS41)。
【0204】
次に、無線端末装置202は、自ら保持している隣接セル情報を、無線基地局装置101Aから受信した測定変更要求に含まれる隣接セル情報に変更し、変更した隣接セル情報の示す無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS42)。
【0205】
ところで、フェムト基地局の購入者は、当該フェムト基地局の設置場所を独自に決めることができる。このため、フェムト基地局が設置された無線通信システムでは、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフが起こりやすいことから、周辺にフェムト基地局が存在する無線基地局装置において適切な隣接セル情報を生成することが困難となる。
【0206】
たとえば、無線端末装置は、この隣接セル情報を用いて、自律的に、またはフェムト基地局からの指示に従い、隣接セル情報に登録されたフェムト基地局からの受信電力を測定し、この測定結果をフェムト基地局に報告する。この場合、ハンドオーバ先としては向かないフェムト基地局が隣接セル情報に登録されていると、無線端末装置が無駄な測定動作を行ない、また、無駄なハンドオーバが発生してしまう。
【0207】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、少なくとも対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性を示す属性情報を、たとえば他の無線基地局装置101からの報知情報に基づいて取得する。隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、対象基地局の周辺に配置された1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0208】
このような構成により、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフに関わらず、隣接セル情報を自動的に最適化することができるため、人手を介すことなく、無線通信システム301における動作の効率化を図ることができる。また、自動的に隣接セル情報の最適化が行われることから、無線基地局装置101に対する特別な設置処理が不要となるため、無線基地局装置101を設置するための作業時間および費用の低減を図ることができる。
【0209】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する。
【0210】
このような構成により、詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線基地局装置101は、順位付け結果において上位の無線基地局装置を優先的にハンドオーバ先として選択することにより、ハンドオーバの成功率を高めることができる。
【0211】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、順位付けした複数の無線基地局装置101のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0212】
このような構成により、たとえば無線端末装置202に通知する隣接セル情報に含めることができる無線基地局装置の数に制限がある場合において、上位N個の無線基地局装置を隣接セル情報に含めることで、適切な隣接セル情報を無線端末装置202に通知することが可能となる。
【0213】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、順位付けした無線基地局装置101の順位をさらに示す隣接セル情報を生成する。
【0214】
このような構成により、さらに詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線端末装置202は、隣接セル情報における無線基地局装置の順位に従い、測定順序の決定、および測定対象の無線基地局装置の絞り込み等を行ない、効率的な測定動作を行なうことができる。
【0215】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する。
【0216】
このような構成により、無線基地局装置101の属性に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報において適切に登録または削除することができる。
【0217】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示す属性情報を取得する。
【0218】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0219】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、マクロ基地局である無線基地局装置101の順位を、フェムト基地局である無線基地局装置101よりも上げる。
【0220】
このように、マクロ基地局およびフェムト基地局が混在する無線通信システムにおいて、電源がオフされにくいマクロ基地局の優先順位を上げることにより、マクロ基地局/フェムト基地局の別による順位付けを適切に行なうことができる。
【0221】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す属性がマクロ基地局である無線基地局装置101またはフェムト基地局である無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0222】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0223】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける複数の無線基地局装置101のうちの少なくともいずれかはフェムト基地局である。
【0224】
このように、無線基地局装置の移動および電源のオン/オフが頻繁に起こる無線通信システムにおいて適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図るという効果をより顕著に得ることができる。
【0225】
また、特許文献1に記載の技術を用いて自動的にフェムト基地局の設定を行なうと、周辺のフェムト基地局をすべて隣接セルとして扱って隣接セル情報に登録し、ハンドオーバ先の候補としてしまう。このため、無線端末装置に対してフェムト基地局が壁の向こう側に存在する等、本来ハンドオーバ先としては向かないフェムト基地局も隣接セル情報に登録してしまう可能性がある。
【0226】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、対象基地局と通信する無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0227】
このような構成により、設置された無線基地局装置101のフェムトセル内におけるハンドオーバ動作を最適な状態にすることが可能となる。また、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、通信中の無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる隣接セルの数を低減することができるため、無駄なハンドオーバが発生することを防ぐことができる。
【0228】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、無線端末装置202の測定対象となる1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0229】
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置202が測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
【0230】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、無線端末装置202が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0231】
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置202が受信レベル測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。特に、アイドル状態の無線端末装置202の消費電力を低減することができるため、顕著な効果が得られる。
【0232】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101のうち、アイドル状態すなわち対象基地局と通信中でない無線端末装置202が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の無線基地局装置101を示す隣接セル情報を生成する。
【0233】
このような構成により、無線基地局装置101からの報知情報等によって指示される定期的な電力測定の対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
【0234】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局と通信する無線端末装置202が、対象基地局以外の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数について測定した結果に基づいて、隣接セル情報の初期情報を生成する。
【0235】
このような構成により、適切な隣接セル情報を早期に構築することが可能となり、無線通信システム301における動作の効率化を早期に実現することができる。
【0236】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置101が、単体で隣接セル情報の最適化を行なう。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る隣接セル処理装置は、無線基地局装置101に含まれる。
【0237】
このような構成により、たとえばコアネットワークにおける上位装置で各無線基地局装置101の隣接セル情報の最適化を行なう必要がなくなり、無線通信システム301における処理負荷の分散、ならびに無線基地局装置101および上位装置間における通信量の低減を図ることができる。
【0238】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置101が他の無線基地局装置101からの情報に基づいて無線基地局装置101の属性情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線端末装置202が無線基地局装置101からの報知情報等によって当該無線基地局装置101の属性を取得することが可能である場合には、無線端末装置202が、取得した属性を対象基地局に報告し、対象基地局がこの報告に基づいて他の無線基地局装置101の属性情報を取得する構成であってもよい。
【0239】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、フェムト基地局である無線基地局装置101の順位を、マクロ基地局である無線基地局装置101よりも上げる構成であってもよい。
【0240】
このような構成により、マクロ基地局およびフェムト基地局が混在する通信システムにおいて、フェムト基地局を隣接セル情報に優先して登録すべき状況において、マクロ基地局/フェムト基地局の別による順位付けを適切に行なうことができる。
【0241】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線基地局装置では、隣接セル情報生成部12は、対象基地局と通信する無線端末装置202が、対象基地局以外の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数について測定した結果に基づいて、隣接セル情報の初期情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システムにおける無線基地局装置101の送信周波数を全種類測定する構成に限らず、それらの一部である複数の周波数を測定する構成であってもよい。
【0242】
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバの動作として、無線端末装置202の通信相手となる無線基地局装置101が無線基地局装置101主導で切り替えられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線端末装置202の通信相手となる無線基地局装置101が無線端末装置202主導で切り替えられる構成であってもよい。
【0243】
また、本発明の第1の実施の形態では、無線端末装置のハンドオーバ動作について具体的な説明を行なったが、無線基地局装置と通信中の無線端末装置が行なう基地局間移動(セル間移動)動作であるハンドオーバに限らず、アイドル状態の無線端末装置が行なう基地局間移動(セル間移動)動作についても、本発明は適用される。すなわち、本発明の第1の実施の形態において、「ハンドオーバ」を「移動」に置き換えた構成および動作についても、本発明は適用される。
【0244】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0245】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて属性情報の内容を変更した無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
【0246】
無線基地局装置101は、クローズドアクセスモードまたはハイブリッドモードで動作する場合において、設定された加入者グループに属する、すなわちCSG IDが設定されている。そして、無線基地局装置101は、同じ加入者グループに属する無線端末装置202すなわち自己と同じCSG IDを有する無線端末装置202に対して通信を許可する。
【0247】
そして、無線端末装置202が利用できる可能性の高い無線リソースという観点から無線基地局装置の優先順位を考えると、(1)クローズドアクセスモードで動作し、かつ当該無線端末装置202がメンバーとなるフェムト基地局すなわち自己と同じCSG IDを有するフェムト基地局、(2)ハイブリッドモードで動作し、かつ当該無線端末装置202がメンバーとなるフェムト基地局、(3)マクロ基地局、(4)オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、(5)ハイブリッドモードで動作し、かつ当該無線端末装置202がノンメンバーとなるフェムト基地局すなわち自己と異なるCSG IDを有するフェムト基地局、(6)クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局であり、かつ当該無線端末装置202がノンメンバーとなるフェムト基地局、の順番となる。
【0248】
ただし、「クローズドアクセスモードで動作し、かつ当該無線端末装置202がメンバーとなるフェムト基地局」および「ハイブリッドモードで動作し、かつ当該無線端末装置202がメンバーとなるフェムト基地局」については、無線基地局装置101において、他の無線基地局装置101からの報知情報および無線端末装置202からの報告等により周辺の無線基地局装置101のCSG IDが判明しており、かつ、自己と同じCSG IDを持つ無線端末装置202に対して隣接セル情報を個別に適用する、たとえば無線端末装置202に対する測定要求またはハンドオーバ先の検索において隣接セル情報を個別に使用する場合にのみ有用となる。
【0249】
このため、無線基地局装置101Aが、自己と通信可能なすべての無線端末装置202に共通の隣接セル情報を報知し、かつ後述する変形例のような自己のアクセスモードを考慮した隣接セル情報の生成を行なわない場合には、CSG IDの異同による順位付けは行なわない。
【0250】
そうすると、無線端末装置202が利用できる可能性の高い無線リソースという観点からの無線基地局装置の優先順位は、(1)マクロ基地局、(2)オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、(3)ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局、(4)クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局の順番となる。
【0251】
この場合、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示し、かつフェムト基地局である無線基地局装置101が、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモードおよびハイブリッドモードのいずれで動作しているかを示す属性情報を取得する。
【0252】
図16は、無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
図16を参照して、無線基地局装置101Aでは、セルIDが2222である無線基地局装置101Bのセル形態がマクロであり、セルIDが3333である無線基地局装置101Cのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、セルIDが4444である無線基地局装置101Dのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがクローズドアクセスモードであり、セルIDが5555である無線基地局装置101Eのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがオープンアクセスモードであり、セルIDが6666である無線基地局装置101Fのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、セルIDが7777である無線基地局装置101Gのセル形態がマクロであることを示す属性情報が得られている。
【0253】
図17は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図17を参照して、無線基地局装置101Aは、取得した図16に示す属性情報において、上記優先順位付けに従った隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101の順位をこの順番で高くする。
【0254】
具体的には、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、セル形態がマクロであるセルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セル形態がマクロであるセルID7777(無線基地局装置101G)が1位であり、セル形態がフェムトでオープンアクセスモードで動作するセルID5555(無線基地局装置101E)が2位であり、セル形態がフェムトでハイブリッドモードで動作するセルID3333(無線基地局装置101C)が3位であり、セル形態がフェムトでハイブリッドモードで動作するセルID6666(無線基地局装置101F)が3位であり、セル形態がフェムトでクローズドアクセスモードで動作するのセルID4444(無線基地局装置101D)が4位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0255】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0256】
図18は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
図18を参照して、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が3つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セルID7777(無線基地局装置101G)が1位であり、セルID5555(無線基地局装置101E)が2位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0257】
図19は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0258】
隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0259】
図19を参照して、たとえば、隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、またはハイブリッドモードで動作するフェムト基地局であることを登録基準とし、クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101Dを除き、無線基地局装置101B、101C、101E、101Fおよび101Gを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0260】
[変形例]
この変形例では、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性に加えて、対象基地局の属性をさらに示す属性情報を取得する。そして、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報の示す対象基地局の属性、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性に基づいて隣接セル情報を生成する。
【0261】
より詳細には、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示し、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101が、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモードおよびハイブリッドモードのいずれで動作しているかを示し、かつ対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がそれぞれ属する加入者グループを示す属性情報を取得する。
【0262】
隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101の順位を、対象基地局と異なる加入者グループに属する無線基地局装置101よりも上げる。
【0263】
図20は、無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
図20を参照して、無線基地局装置101Aでは、セルIDが1111である自己の無線基地局装置101Aのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがクローズドアクセスモードであり、CSG IDが8888であり、セルIDが2222である無線基地局装置101Bのセル形態がマクロであり、セルIDが3333である無線基地局装置101Cのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、CSG IDが8888であり、セルIDが4444である無線基地局装置101Dのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがクローズドアクセスモードであり、CSG IDが8888であり、セルIDが5555である無線基地局装置101Eのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがオープンアクセスモードであり、セルIDが6666である無線基地局装置101Fのセル形態がフェムトであり、アクセスモードがハイブリッドモードであり、CSG IDが9999であり、セルIDが7777である無線基地局装置101Gのセル形態がマクロであることを示す属性情報が得られている。
【0264】
図21は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図21を参照して、無線基地局装置101Aがクローズドアクセスモードで動作する場合を考える。無線端末装置202は、現在通信中である無線基地局装置101Aと同じCSG IDを有する他の無線基地局装置101にとって自己がメンバーであると認識することが可能である。この場合、無線端末装置202が利用できる可能性の高い無線リソースという観点から無線基地局装置の優先順位を考えると、(1)クローズドアクセスモードで動作し、かつ自己の無線基地局装置と同じCSG IDを有するフェムト基地局、(2)ハイブリッドモードで動作し、かつ自己の無線基地局装置と同じCSG IDを有するフェムト基地局、(3)マクロ基地局、(4)オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、(5)ハイブリッドモードで動作し、かつ自己の無線基地局装置と異なるCSG IDを有するフェムト基地局、の順番となる。
【0265】
ここで、自己の無線基地局装置と異なるCSG IDを有し、クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局にとっても、自己と通信可能な無線端末装置202がメンバーである可能性もあるが、メンバーでない無線端末装置202も存在するため、上記優先順位付けでは、このようなフェムト基地局を優先順位付けの対象外としている。
【0266】
無線基地局装置101Aは、取得した図20に示す属性情報において、上記優先順位に従った隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、無線基地局装置101の順位付けにおいて、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101をこの順番で高くする。
【0267】
具体的には、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、セル形態がフェムトであってクローズドアクセスモードで動作し、CSG IDが8888と自己のCSG IDと同じであるセルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、セル形態がフェムトであってハイブリッドモードで動作し、CSG IDが8888と自己のCSG IDと同じであるセルID3333(無線基地局装置101C)が2位であり、セル形態がマクロであるセルID2222(無線基地局装置101B)が3位であり、セル形態がマクロであるセルID7777(無線基地局装置101G)が3位であり、セル形態がフェムトであってオープンアクセスモードで動作するセルID5555(無線基地局装置101E)が5位であり、セル形態がフェムトであってハイブリッドモードで動作し、CSG IDが9999と自己のCSG IDと異なるセルID6666(無線基地局装置101F)が6位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0268】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0269】
図22は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
図22を参照して、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が4つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、セルID3333(無線基地局装置101C)が2位であり、セルID2222(無線基地局装置101B)が3位であり、セルID7777(無線基地局装置101G)が3位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0270】
図23は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0271】
隣接セル情報生成部12は、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別およびCSG IDの異同による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、およびハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101の5種類のうちの1種類、2種類、3種類または4種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0272】
図23を参照して、たとえば、隣接セル情報生成部12は、ハイブリッドモードまたはクローズドアクセスモードで動作し、かつ自己の無線基地局装置と同じCSG IDのフェムト基地局、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、またはマクロ基地局であることを登録基準とし、ハイブリッドモードまたはクローズドアクセスモードで動作し、かつ自己の無線基地局装置と異なるCSG IDのフェムト基地局であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101Fを除き、無線基地局装置101B、101C、101D、101Eおよび101Gを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0273】
次に、無線基地局装置101Aがハイブリッドモードまたはオープンアクセスモードモードで動作する場合、および無線基地局装置101Aがマクロ基地局であると仮定した場合を考える。
【0274】
無線基地局装置101Aと通信を行なう無線端末装置202は、メンバーである場合、すなわち無線基地局装置101Aと同じCSGに属する場合と、ノンメンバーである場合、すなわち異なるCSGに属する場合と、どのCSGにも属さない場合とがある。このため、無線基地局装置101Aが、自己と通信可能なすべての無線端末装置202に共通の隣接セル情報を報知する場合には、ハイブリッドモードで動作し、かつ自己と同じCSG IDを有するフェムト基地局と、ハイブリッドモードで動作し、かつ自己と異なるCSG IDを有するフェムト基地局との優先順位、ならびにクローズドアクセスモードで動作し、かつ自己と同じCSG IDを有するフェムト基地局と、クローズドアクセスモードで動作し、かつ自己と異なるCSG IDを有するフェムト基地局との優先順位は一意に決めることができない。
【0275】
そうすると、無線端末装置202が利用できる可能性の高い無線リソースという観点からの無線基地局装置の優先順位は、(1)マクロ基地局、(2)オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局、(3)ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局、(4)クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局の順番となる。
【0276】
すなわち、無線基地局装置101Aがハイブリッドモードまたはオープンアクセスモードモードで動作する場合、および無線基地局装置101Aがマクロ基地局であると仮定した場合における隣接セル情報の生成方法は、図17〜図19で説明した内容と同様となる。
【0277】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかに加えて、フェムト基地局である無線基地局装置101が、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモードおよびハイブリッドモードのいずれで動作しているかをさらに示す属性情報を取得する。
【0278】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別を示す情報を用いることにより、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0279】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101の順位をこの順番で高くする。
【0280】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0281】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0282】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別およびアクセスモードの別に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0283】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性に加えて、対象基地局の属性をさらに示す属性情報を取得する。そして、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報の示す対象基地局の属性、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性に基づいて隣接セル情報を生成する。
【0284】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の属性を示す情報に加えて、対象基地局の属性を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0285】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がそれぞれ属する加入者グループをさらに示す属性情報を取得する。
【0286】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101について、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0287】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101の順位を、対象基地局と異なる加入者グループに属する無線基地局装置101よりも上げる。
【0288】
このような構成により、加入者グループすなわちCSG IDの異同に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0289】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、この順位付けにおいて、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101をこの順番で高くする。
【0290】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0291】
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101、マクロ基地局である無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である無線基地局装置101、およびハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属するフェムト基地局である無線基地局装置101の5種類のうちの1種類、2種類、3種類または4種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0292】
このような構成により、マクロ基地局/フェムト基地局の別、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0293】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別を示す情報を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0294】
たとえばマクロ基地局がオープンアクセスモード、ハイブリッドモードおよびクローズドアクセスモードの3つのアクセスモードを有する場合には、マクロ基地局/フェムト基地局の別に関わらず、アクセスモードの別による順位付けを行なう構成であってもよい。
【0295】
また、マクロ基地局が配置されていない無線通信システム、あるいはフェムト基地局だけが無線基地局装置の周辺に配置されている場合においても、マクロ基地局/フェムト基地局の別に関わらず、たとえばアクセスモードの別による順位付けを行なう構成が考えられる。
【0296】
すなわち、隣接セル情報生成部12は、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてマクロ基地局/フェムト基地局の別を示す情報を用いない構成であってもよい。
【0297】
この場合、属性情報取得部11は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101が、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモードおよびハイブリッドモードのいずれで動作しているかを示す属性情報を取得する。
【0298】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてアクセスモードの別を示す情報を用いることにより、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0299】
また、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、オープンアクセスモードで動作する無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作する無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作する無線基地局装置101の順位をこの順番で高くする。
【0300】
このような構成により、アクセスモードの別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0301】
あるいは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、オープンアクセスモードで動作する無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作する無線基地局装置101およびクローズドアクセスモードで動作する無線基地局装置101の3種類のうちの1種類または2種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0302】
このような構成により、アクセスモードの別に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0303】
また、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101がそれぞれ属する加入者グループをさらに示す属性情報を取得する。
【0304】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101について、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同を示す情報を用いることにより、さらに適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0305】
また、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作している場合には、この順位付けにおいて、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作する無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属する無線基地局装置101をこの順番で高くする。
【0306】
このような構成により、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0307】
あるいは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局がクローズドアクセスモードで動作している場合には、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、クローズドアクセスモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101、ハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と同じ加入者グループに属する無線基地局装置101、オープンアクセスモードで動作する無線基地局装置101、およびハイブリッドモードで動作し、かつ対象基地局と異なる加入者グループに属する無線基地局装置101の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0308】
このような構成により、アクセスモードの別および加入者グループすなわちCSG IDの異同に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0309】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0310】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0311】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて属性情報の内容を変更した無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
【0312】
本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得する。
【0313】
図24は、無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
図24を参照して、無線基地局装置101Aでは、セルIDが1111である自己の無線基地局装置101Aから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、セルIDが2222である無線基地局装置101Bから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、セルIDが3333である無線基地局装置101Cから送信される無線信号の搬送周波数がf1であり、セルIDが4444である無線基地局装置101Dから送信される無線信号の搬送周波数がf3であり、セルIDが5555である無線基地局装置101Eから送信される無線信号の搬送周波数がf2であり、セルIDが6666である無線基地局装置101Fから送信される無線信号の搬送周波数がf3であり、セルIDが7777である無線基地局装置101Gから送信される無線信号の搬送周波数がf2であることを示す属性情報が得られている。
【0314】
無線基地局装置101Aは、他の無線基地局装置から定期的にまたは不定期に送信される報知情報等から、図24に示す各無線基地局装置の搬送周波数を属性情報として取得する。
【0315】
なお、無線基地局装置101Aは、上記各搬送周波数を報知情報等から取得する構成に限らず、無線基地局装置101A自身が他の無線基地局装置101から送信される無線信号の周波数を測定することにより取得してもよい。また、図8に示すように無線基地局装置101Aが自己と通信中の無線端末装置202に、他の無線基地局装置101から送信される無線信号の周波数を測定させることにより取得してもよい。
【0316】
無線基地局装置101Aと同じ搬送周波数を使用している他の無線基地局装置101へ無線端末装置202が移動した場合には、当該無線端末装置202からの無線信号および当該他の無線基地局装置101からの無線信号も、無線基地局装置101Aおよび無線基地局装置101Aと通信している他の無線端末装置202にとっては干渉波となる。そこで、無線基地局装置101Aは、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置101の優先順位を上げる。
【0317】
すなわち、隣接セル情報における優先順位は、(1)自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置、(2)自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置、の順番となる。
【0318】
図25は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図25を参照して、無線基地局装置101Aは、取得した図24に示す属性情報において、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置101の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と異なる無線基地局装置101の順位を、周波数の同じ無線基地局装置101よりも上げる。
【0319】
具体的には、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、搬送周波数がf3のセルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、搬送周波数がf3のセルID6666(無線基地局装置101F)が1位であり、搬送周波数がf2のセルID5555(無線基地局装置101E)が3位であり、搬送周波数がf2のセルID7777(無線基地局装置101G)が3位であり、搬送周波数がf1のセルID2222(無線基地局装置101B)が5位であり、搬送周波数がf1のセルID3333(無線基地局装置101C)が5位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0320】
このような構成により、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉を減らすことができる。
【0321】
また、ここでは、f1<f2<f3であり、搬送周波数f1を使用する無線基地局装置101にとって、搬送周波数f3の無線信号が最も干渉しにくいものとする。
【0322】
すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数に対して遠い無線基地局装置101の順位を、対象基地局から送信される無線信号の周波数に対して近い無線基地局装置101よりも上げる。
【0323】
このような構成により、自己の搬送周波数からより離れた搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉をさらに減らすことができる。
【0324】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0325】
図26は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
図26を参照して、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が2つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、セルID6666(無線基地局装置101F)が1位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。なお、ここでは、隣接セル情報に登録されたすべての無線基地局装置の順位が1位となっているが、この場合、他の何らかの基準に基づいて異なる順位を付すことも可能である。
【0326】
図27は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0327】
隣接セル情報生成部12は、搬送周波数の別による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と同じ無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0328】
図27を参照して、隣接セル情報生成部12は、自己の無線基地局装置と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置であることを登録基準とし、自己の無線基地局装置と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101Bおよび101Cを除き、無線基地局装置101D、101E、101Fおよび101Gを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0329】
[変形例]
無線端末装置202は、基本的に、少なくとも現在通信している無線基地局装置101が使用する搬送周波数については受信レベル等の測定を行なう。よって、隣接セル情報に登録する無線基地局装置の使用する搬送周波数が、現在通信している無線基地局装置101と同じである場合には、無線端末装置202の測定対象の周波数が1つとなり、測定が容易となる。
【0330】
そこで、この変形例では、無線基地局装置101Aは、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置を優先する。
【0331】
すなわち、隣接セル情報における優先順位は、(1)自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置、(2)自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置、の順番となる。
【0332】
図28は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。ただし、f1<f2<f3であるものとする。
【0333】
図28を参照して、無線基地局装置101Aは、取得した図24に示す属性情報において、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置101の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と同じ無線基地局装置101の順位を、周波数の異なる無線基地局装置101よりも上げる。
【0334】
図28を参照して、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、搬送周波数がf1のセルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、搬送周波数がf1のセルID3333(無線基地局装置101C)が1位であり、搬送周波数がf2のセルID5555(無線基地局装置101E)が3位であり、搬送周波数がf2のセルID7777(無線基地局装置101G)が3位であり、搬送周波数がf3のセルID4444(無線基地局装置101D)が5位であり、搬送周波数がf3のセルID6666(無線基地局装置101F)が5位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0335】
このような構成により、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、無線端末装置202における測定を容易にすることができる。
【0336】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0337】
図29は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が2つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セルID3333(無線基地局装置101C)が1位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。なお、ここでは、隣接セル情報に登録されたすべての無線基地局装置の順位が1位となっているが、この場合、他の何らかの基準に基づいて異なる順位を付すことも可能である。
【0338】
図30は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
この変形例においても、隣接セル情報生成部12は、搬送周波数の別による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と異なる無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0339】
図30を参照して、たとえば、隣接セル情報生成部12は、自己の無線基地局装置と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置であることを登録基準とし、自己の無線基地局装置と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101D、101E、101Fおよび101Gを除き、無線基地局装置101Bおよび101Cを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0340】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得する。
【0341】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として無線基地局装置の搬送周波数を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0342】
また、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と異なる無線基地局装置101の順位を、周波数の同じ無線基地局装置101よりも上げる。
【0343】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉を減らすことができる。
【0344】
さらに、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数に対して遠い無線基地局装置101の順位を、対象基地局から送信される無線信号の周波数に対して近い無線基地局装置101よりも上げる。
【0345】
このような構成により、自己の搬送周波数からより離れた搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉をさらに減らすことができる。
【0346】
また、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と同じ無線基地局装置101の順位を、周波数の異なる無線基地局装置101よりも上げる。
【0347】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、無線端末装置202における測定を容易にすることができる。
【0348】
また、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す周波数が、対象基地局から送信される無線信号の周波数と同じ無線基地局装置101、または対象基地局から送信される無線信号の周波数と異なる無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0349】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。具体的には、自己と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、自己の無線基地局装置への干渉を減らすことができる。あるいは、自己と同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、無線端末装置202における測定を容易にすることができる。
【0350】
なお、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、隣接セル情報生成部12は、自己の無線基地局装置と異なる搬送周波数を使用する無線基地局装置、および同じ搬送周波数を使用する無線基地局装置の別による順位付け、あるいは無線基地局装置の登録/非登録を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。周波数の高低等、隣接セル情報生成部12が、自己の無線基地局装置の属性とは関係の無い基準に基づいて無線基地局装置の順位付け、あるいは無線基地局装置の登録/非登録を行なう構成であってもよい。この場合、属性情報取得部11は、対象基地局が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得する必要がなくなる。
【0351】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0352】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0353】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて属性情報の内容を変更した無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
【0354】
本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202による測定結果等から、図31に示す各無線基地局装置の無線アクセス方式を属性情報として取得する。
【0355】
すなわち、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する。
【0356】
図31は、無線基地局装置が取得した属性情報の一例を示す図である。
図31を参照して、無線基地局装置101Aでは、セルIDが1111である自己の無線基地局装置101Aの無線アクセス方式がLTEであり、セルIDが2222である無線基地局装置101Bの無線アクセス方式がLTEであり、セルIDが3333である無線基地局装置101Cの無線アクセス方式がLTEであり、セルIDが4444である無線基地局装置101Dの無線アクセス方式がLTEであり、セルIDが5555である無線基地局装置101Eの無線アクセス方式がW−CDMAであり、セルIDが6666である無線基地局装置101Fの無線アクセス方式がLTEであり、セルIDが7777である無線基地局装置101Gの無線アクセス方式がW−CDMAであることを示す属性情報が得られている。
【0357】
そして、無線基地局装置101Aは、LTE以外の無線アクセス方式に対応していない無線端末装置202が隣接セル情報を使用する場合を考慮して、自己と同じ無線アクセス方式を使用する無線基地局装置の順位を上げる。
【0358】
すなわち、隣接セル情報における優先順位は、(1)自己と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置、(2)自己と異なる無線アクセス方式を採用する無線基地局装置の順番となる。
【0359】
図32は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図32を参照して、無線基地局装置101Aは、取得した図31に示す属性情報において、自己と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する。すなわち、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す無線アクセス方式が、対象基地局の無線アクセス方式と同じ無線基地局装置101の順位を、無線アクセス方式の異なる無線基地局装置101よりも上げる。
【0360】
具体的には、無線基地局装置101Aは、図7に示すシーケンスによって生成した初期の隣接セル情報を、無線アクセス方式としてLTEを採用するセルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、無線アクセス方式としてLTEを採用するセルID3333(無線基地局装置101C)が1位であり、無線アクセス方式としてLTEを採用するセルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、無線アクセス方式としてLTEを採用するセルID6666(無線基地局装置101F)が1位であり、無線アクセス方式としてW−CDMAを採用するセルID5555(無線基地局装置101E)が5位であり、無線アクセス方式としてW−CDMAを採用するセルID7777(無線基地局装置101G)が5位であることを示す隣接セル情報に更新する。
【0361】
このような構成により、自己と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、無線通信システムにおける動作の安定化を図ることができる。
【0362】
そして、無線基地局装置101Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置101Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
【0363】
図33は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が4つと限定されている場合には、無線基地局装置101Aは、セルID2222(無線基地局装置101B)が1位であり、セルID3333(無線基地局装置101C)が1位であり、セルID4444(無線基地局装置101D)が1位であり、セルID6666(無線基地局装置101F)が1位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。なお、ここでは、隣接セル情報に登録されたすべての無線基地局装置の順位が1位となっているが、この場合、他の何らかの基準に基づいて異なる順位を付すことも可能である。
【0364】
図34は、無線基地局装置の生成する隣接セル情報の他の例を示す図である。
本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、属性情報取得部11によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0365】
隣接セル情報生成部12は、無線アクセス方式の別による順位付けを行なわず、属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する構成であってもよい。より詳細には、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す無線アクセス方式が、対象基地局の無線アクセス方式と異なる無線基地局装置101、または対象基地局の無線アクセス方式と同じ無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0366】
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。また、隣接セル情報生成部12は、自己の無線基地局装置と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置、および異なる無線アクセス方式を採用する無線基地局装置の別による順位付け、あるいは無線基地局装置の登録/非登録を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信性能の高低等、隣接セル情報生成部12が、自己の無線基地局装置の属性とは関係の無い基準に基づいて無線基地局装置の順位付け、あるいは無線基地局装置の登録/非登録を行なう構成であってもよい。この場合、属性情報取得部11は、対象基地局の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する必要がなくなる。
【0367】
たとえば、LTEとW−CDMAとを比較した場合、新しい技術であるLTEの方がスループット等の通信性能が高いとみなせることから、新しい技術の方を上位とする順位付けを行なう構成であってもよい。
【0368】
具体的には、図34を参照して、隣接セル情報生成部12は、LTEを採用する無線基地局装置であることを登録基準とし、W−CDMAを採用する無線基地局装置であることを非登録基準とする。この場合、隣接セル情報生成部12は、無線基地局装置101Eおよび101Gを除き、無線基地局装置101B、101C、101Dおよび101Fを隣接セル情報に登録する。そして、隣接セル情報送信部13は、当該隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
【0369】
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、属性情報取得部11は、対象基地局、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する。
【0370】
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準として無線基地局装置の無線アクセス方式を示す情報を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
【0371】
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す無線アクセス方式が、対象基地局の無線アクセス方式と同じ無線基地局装置101の順位を、無線アクセス方式の異なる無線基地局装置101よりも上げる。
【0372】
このような構成により、無線基地局装置の搬送周波数の別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。具体的には、自己と同じ無線アクセス方式を採用する無線基地局装置へ移動するように無線端末装置202を誘導することができるため、無線通信システムにおける動作の安定化を図ることができる。
【0373】
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101の中から、属性情報の示す無線アクセス方式が、対象基地局の無線アクセス方式と異なる無線基地局装置101、または対象基地局の無線アクセス方式と同じ無線基地局装置101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
【0374】
このような構成により、無線基地局装置の無線アクセス方式の別に応じて無線基地局装置101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
【0375】
なお、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象基地局の無線アクセス方式と同じ無線基地局装置101の優先順位を上げた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。隣接セル情報生成部12は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置101を順位付けし、この順位付けにおいて、属性情報の示す無線アクセス方式が、対象基地局の無線アクセス方式と異なる無線基地局装置101の順位を、無線アクセス方式の同じ無線基地局装置101よりも上げる構成であってもよい。
【0376】
このような構成により、対象基地局と無線アクセス方式の異なる無線基地局装置を隣接セル情報に優先して登録すべき状況において、無線基地局装置の無線アクセス方式の別に応じて無線基地局装置101の順位付けを適切に行なうことができる。
【0377】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0378】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0379】
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第1〜第4の実施の形態に係る無線通信システムと比べて無線基地局装置の代わりにゲートウェイ装置が隣接セル処理装置として動作する無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1〜第4の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
【0380】
図35は、本発明の第5の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図35を参照して、無線通信システム302は、無線基地局装置101A,101B,101C,101D,101E,101Fと、ゲートウェイ装置203と、上位装置205とを備える。
【0381】
無線通信システム302では、無線通信システム301と同様に、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fがフェムト基地局であり、無線基地局装置101Bがマクロ基地局である。
【0382】
以下、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fの各々をフェムト基地局101と称する場合がある。また、図35では、1つのマクロ基地局と、4つのフェムト基地局とを代表的に示しているが、さらに多数のマクロ基地局およびフェムト基地局が設けられてもよい。
【0383】
ゲートウェイ装置203は、無線基地局装置101A,101C,101D,101E,101Fとコアネットワーク204における上位装置205との間で送信される種々の通信データの中継処理等を行なう。
【0384】
図36は、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置の構成を示す図である。
図36を参照して、ゲートウェイ装置203は、基地局側送受信部81と、データ処理部82と、コアネットワーク側送受信部83とを備える。
【0385】
基地局側送受信部81は、データ処理部82から受けた通信データを各フェムト基地局101へ送信し、また、各フェムト基地局101から受信した通信データをデータ処理部82へ出力する。
【0386】
データ処理部82は、基地局側送受信部81から受けた通信データに種々の処理を行ない、コアネットワーク側送受信部83へ出力し、また、コアネットワーク側送受信部83から受けた通信データに種々の処理を行ない、基地局側送受信部81へ出力する。
【0387】
コアネットワーク側送受信部83は、データ処理部82から受けた通信データをコアネットワーク204における上位装置205へ出力し、また、コアネットワーク204における上位装置205から受信した通信データをデータ処理部82へ出力する。
【0388】
本発明の第5の実施の形態に係る無線通信システムでは、ゲートウェイ装置203が、その配下の各フェムト基地局を監視して隣接セル情報の最適化を行なう。
【0389】
図37は、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置におけるデータ処理部の構成を示す図である。
【0390】
図37を参照して、データ処理部82は、属性情報取得部21と、隣接セル情報生成部22と、隣接セル情報送信部23とを含む。
【0391】
属性情報取得部21は、少なくとも対象基地局以外の無線基地局装置101の属性を示す属性情報を各フェムト基地局101からの情報に基づいて取得する。
【0392】
隣接セル情報生成部22は、属性情報取得部21によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の無線通信システム302における複数の無線基地局装置のうち、対象基地局の周辺に設置された1または複数の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
【0393】
隣接セル情報送信部23は、隣接セル情報生成部22によって生成された隣接セル情報を対象基地局へ送信する。
【0394】
隣接セル情報生成部22による隣接セル情報の生成方法の内容は、本発明の第1〜第4の実施の形態に係る隣接セル情報生成部12による隣接セル情報の生成方法とたとえば同様である。
【0395】
図38は、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置が隣接セル情報を通知する方法を示す図である。
【0396】
図38を参照して、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101A,101C,101D,101E,101Fに対して、それぞれ対応の隣接セル情報を通知する。
【0397】
なお、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置は、無線基地局装置と別個に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ゲートウェイ装置203が、無線通信システム302における各無線基地局装置のうちの少なくとも1つに含まれる構成であってもよい。この場合、ゲートウェイ装置203を搭載する無線基地局装置は、自己の形成するセルに存在する無線端末装置202、および他の無線基地局装置からの情報に基づいて属性情報を取得する。そして、ゲートウェイ装置203は、生成した隣接セル情報を、自己の形成するセルに存在する無線端末装置202、および他の無線基地局装置へ通知する。
【0398】
また、本発明の第1〜第5の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部は、属性情報取得部によって取得された属性情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置のうち、対象基地局の周辺に設置された1または複数の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。隣接セル情報生成部は、無線基地局装置の属性を示す属性情報に加えて、無線端末装置のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報、および無線基地局装置から送信される無線信号の測定結果を示す測定情報の組み合わせに基づいて隣接セル情報を生成する構成であってもよい。ハンドオーバ情報としては、たとえば、ハンドオーバ回数およびハンドオーバ成功率が考えられる。また、測定情報としては、たとえば、受信レベル、および無線基地局装置の存在を検出した回数または検出率が考えられる。
【0399】
また、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置と同様に、本発明の第1〜第4の実施の形態において、無線基地局装置101の代わりに上位装置205が隣接セル処理装置として動作する構成であってもよい。
【0400】
その他の構成および動作は第1〜第4の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0401】
なお、無線基地局装置が複数のセクタを有している場合、すなわち1つのセルが複数のセクタに分割されている場合には、隣接セル情報において1つのセクタを1つの無線基地局装置として扱えばよく、本発明は、このような場合にも適用される。
【0402】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0403】
11,21 属性情報取得部
12,22 隣接セル情報生成部
13,23 隣接セル情報送信部
14 電力測定指示部
81 基地局側送受信部
82 データ処理部
83 コアネットワーク側送受信部
91 アンテナ
92 サーキュレータ
93 無線受信部
94 無線送信部
95 信号処理部
96 受信信号処理部
97 送信信号処理部
101A,101B,101C,101D,101E,101F,101G 無線基地局装置
202 無線端末装置
203 ゲートウェイ装置
205 上位装置
301 無線通信システム
FCA,FCC,FCD,FCE,FCF フェムトセル
MCB,MCG マクロセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける隣接セル処理装置であって、
少なくとも対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の属性を示す属性情報を取得するための属性情報取得部と、
前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記対象無線基地局装置の周辺に配置された1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成するための隣接セル情報生成部と、
前記隣接セル情報生成部によって生成された前記隣接セル情報を前記対象無線基地局装置または前記対象無線基地局装置と通信可能な無線端末装置へ送信するための隣接セル情報送信部とを備える、隣接セル処理装置。
【請求項2】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する、請求項1に記載の隣接セル処理装置。
【請求項3】
前記隣接セル情報生成部は、順位付けした複数の前記無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する、請求項2に記載の隣接セル処理装置。
【請求項4】
前記隣接セル情報生成部は、順位付けした前記無線基地局装置の順位をさらに示す隣接セル情報を生成する、請求項2または3に記載の隣接セル処理装置。
【請求項5】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報の示す属性が所定の属性と一致するか否かに基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を前記隣接セル情報に登録するか否かをそれぞれ決定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項6】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置の属性をさらに示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報の示す前記対象無線基地局装置の属性、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の属性に基づいて前記隣接セル情報を生成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項7】
前記通信システムにおける前記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれかはフェムト基地局である、請求項1から6のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項8】
前記属性情報取得部は、少なくとも前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかを示す属性情報を取得する、請求項1から7のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項9】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、マクロ基地局である前記無線基地局装置の順位を、フェムト基地局である前記無線基地局装置よりも上げる、請求項8に記載の隣接セル処理装置。
【請求項10】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、フェムト基地局である前記無線基地局装置の順位を、マクロ基地局である前記無線基地局装置よりも上げる、請求項8に記載の隣接セル処理装置。
【請求項11】
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記属性情報の示す属性がマクロ基地局である前記無線基地局装置またはフェムト基地局である前記無線基地局装置を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項8に記載の隣接セル処理装置。
【請求項12】
前記通信システムにおける前記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれか2つは、すべての前記無線端末装置に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置および登録されていない前記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能なフェムト基地局であり、
前記属性情報取得部は、フェムト基地局である前記無線基地局装置が、前記オープンアクセスモード、前記クローズドアクセスモードおよび前記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかをさらに示す属性情報を取得する、請求項8から11のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項13】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、マクロ基地局である前記無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置および前記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置の順位をこの順番で高くする、請求項12に記載の隣接セル処理装置。
【請求項14】
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、マクロ基地局である前記無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置および前記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項12に記載の隣接セル処理装置。
【請求項15】
前記通信システムにおける前記複数の無線基地局装置のうちの少なくともいずれか2つは、すべての前記無線端末装置に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置および登録されていない前記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能であり、
前記属性情報取得部は、少なくとも前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が、前記オープンアクセスモード、前記クローズドアクセスモードおよび前記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかを示す属性情報を取得する、請求項1から7のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項16】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記オープンアクセスモードで動作する前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作する前記無線基地局装置および前記クローズドアクセスモードで動作する前記無線基地局装置の順位をこの順番で高くする、請求項15に記載の隣接セル処理装置。
【請求項17】
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記オープンアクセスモードで動作する前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作する前記無線基地局装置および前記クローズドアクセスモードで動作する前記無線基地局装置の3種類のうちの1種類または2種類を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項15に記載の隣接セル処理装置。
【請求項18】
前記無線基地局装置は、前記クローズドアクセスモードまたは前記ハイブリッドモードで動作する場合において、設定された加入者グループに属しており、同じ前記加入者グループに属する前記無線端末装置に対して通信を許可し、
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が、前記オープンアクセスモード、前記クローズドアクセスモードおよび前記ハイブリッドモードのいずれで動作しているかをさらに示し、かつ前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置がそれぞれ属する前記加入者グループをさらに示す属性情報を取得する、請求項12から17のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項19】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属する前記無線基地局装置の順位を、前記対象無線基地局装置と異なる前記加入者グループに属する前記無線基地局装置よりも上げる、請求項18に記載の隣接セル処理装置。
【請求項20】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記対象無線基地局装置が前記クローズドアクセスモードで動作している場合には、前記順位付けにおいて、前記クローズドアクセスモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属する前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属する前記無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作する前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と異なる前記加入者グループに属する前記無線基地局装置をこの順番で高くする、請求項19に記載の隣接セル処理装置。
【請求項21】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかをさらに示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記対象無線基地局装置が前記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、前記順位付けにおいて、前記クローズドアクセスモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置、マクロ基地局である前記対象無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と異なる前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置をこの順番で高くする、請求項20に記載の隣接セル処理装置。
【請求項22】
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置が前記クローズドアクセスモードで動作している場合には、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記クローズドアクセスモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属する前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属する前記無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作する前記無線基地局装置、および前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と異なる前記加入者グループに属する前記無線基地局装置の4種類のうちの1種類、2種類または3種類を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項18に記載の隣接セル処理装置。
【請求項23】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置がマクロ基地局であるかフェムト基地局であるかをさらに示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置が前記クローズドアクセスモードで動作するフェムト基地局である場合には、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記クローズドアクセスモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置、前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と同じ前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置、マクロ基地局である前記対象無線基地局装置、前記オープンアクセスモードで動作するフェムト基地局である前記無線基地局装置、および前記ハイブリッドモードで動作し、かつ前記対象無線基地局装置と異なる前記加入者グループに属するフェムト基地局である前記無線基地局装置の5種類のうちの1種類、2種類、3種類または4種類を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項22に記載の隣接セル処理装置。
【請求項24】
前記属性情報取得部は、少なくとも前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得する、請求項1から7のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項25】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記属性情報の示す前記周波数が、前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と同じ前記無線基地局装置の順位を、周波数の異なる前記無線基地局装置よりも上げる、請求項24に記載の隣接セル処理装置。
【請求項26】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記属性情報の示す前記周波数が、前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と異なる前記無線基地局装置の順位を、周波数の同じ前記無線基地局装置よりも上げる、請求項24に記載の隣接セル処理装置。
【請求項27】
前記隣接セル情報生成部は、前記順位付けにおいて、前記属性情報の示す前記周波数が、前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数に対して遠い前記無線基地局装置の順位を、前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数に対して近い前記無線基地局装置よりも上げる、請求項26に記載の隣接セル処理装置。
【請求項28】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置が送信する無線信号の周波数を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記属性情報の示す前記周波数が、前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と同じ前記無線基地局装置、または前記対象無線基地局装置から送信される無線信号の周波数と異なる前記無線基地局装置を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項24に記載の隣接セル処理装置。
【請求項29】
前記属性情報取得部は、少なくとも前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得する、請求項1から7のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項30】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記属性情報の示す前記無線アクセス方式が、前記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と同じ前記無線基地局装置の順位を、無線アクセス方式の異なる前記無線基地局装置よりも上げる、請求項29に記載の隣接セル処理装置。
【請求項31】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、前記順位付けにおいて、前記属性情報の示す前記無線アクセス方式が、前記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と異なる前記無線基地局装置の順位を、無線アクセス方式の同じ前記無線基地局装置よりも上げる、請求項29に記載の隣接セル処理装置。
【請求項32】
前記属性情報取得部は、前記対象無線基地局装置、および前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の無線アクセス方式を示す属性情報を取得し、
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の中から、前記属性情報の示す前記無線アクセス方式が、前記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と異なる前記無線基地局装置、または前記対象無線基地局装置の無線アクセス方式と同じ前記無線基地局装置を少なくとも除いた前記隣接セル情報を生成する、請求項29に記載の隣接セル処理装置。
【請求項33】
前記隣接セル情報生成部は、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記対象無線基地局装置と通信する無線端末装置の移動先候補となる1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する、請求項1から32のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項34】
前記隣接セル情報生成部は、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記無線端末装置の測定対象となる1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する、請求項1から32のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項35】
前記隣接セル情報生成部は、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記無線端末装置が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する、請求項1から34のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項36】
前記隣接セル情報生成部は、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記対象無線基地局装置と通信中でない前記無線端末装置が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する、請求項35に記載の隣接セル処理装置。
【請求項37】
前記隣接セル情報生成部は、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報に基づいて、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成し、
前記隣接セル情報生成部は、前記対象無線基地局装置と通信する無線端末装置が、対象の前記無線基地局装置以外の前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを複数の周波数において測定した結果に基づいて、前記隣接セル情報の初期情報を生成する、請求項1から36のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項38】
前記隣接セル処理装置は、さらに、
前記対象無線基地局装置が、前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置および登録されていない前記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作する場合には、登録されていない前記無線端末装置に対して、対象の前記無線基地局装置以外の前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを前記複数の周波数において測定することを指示するための電力測定指示部を備える、請求項37に記載の隣接セル処理装置。
【請求項39】
前記隣接セル処理装置は、さらに、
前記対象無線基地局装置が、前記無線端末装置を登録することが可能であり、登録された前記無線端末装置および登録されていない前記無線端末装置の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作する場合には、登録された前記無線端末装置に対して、対象の前記無線基地局装置以外の前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを前記複数の周波数において測定することを指示するための電力測定指示部を備える、請求項37に記載の隣接セル処理装置。
【請求項40】
前記隣接セル処理装置は、1または複数の前記無線基地局装置に含まれる、請求項1から39のいずれか1項に記載の隣接セル処理装置。
【請求項41】
無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける隣接セル処理方法であって、
少なくとも対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置の属性を示す属性情報を取得するステップと、
取得された前記属性情報に基づいて、対象の前記無線基地局装置以外の複数の前記無線基地局装置のうち、前記対象無線基地局装置の周辺に配置された1または複数の前記無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成するステップと、
生成された前記隣接セル情報を前記対象無線基地局装置または前記対象無線基地局装置と通信可能な無線端末装置へ送信するステップとを含む、隣接セル処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2012−70074(P2012−70074A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211069(P2010−211069)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】