説明

集合住宅インターホンシステムの制御機、及び集合住宅インターホンシステムのリニューアル方法

【課題】 1台の集合玄関機から新旧何れかの居室親機を呼び出して通話を可能とする制御機を提供する。
【解決手段】 通信可能な新居室親機2のID情報を記憶するFROM41と、旧システムの通信プロトコルと新システムの通信プロトコルを相互変換して旧制御機と通信を実施するためのアダプタ4bとを備え、制御機CPU42は、通信可能な新居室親機2が追加されたらFROM41にそのID情報を追加し、新集合玄関機1から呼出信号を受けて新居室親機2を呼び出すか旧集居室親機を呼び出すか、FROM41の情報を参照して呼出信号送信先を選択し、FROM41に登録されていない居室親機を呼び出す場合は、アダプタ4bを介して旧制御機と通信を実施して旧居室親機に呼出信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、特に集合住宅インターホンシステムのリニューアルを行い易いよう構成した集合住宅インターホンシステムの制御機に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅インターホンシステムをリニューアルする場合、旧システムで使用した配線を利用して新システムを構築するのが配線作業のコストを削減できるため普及している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方式によりリニューアルする場合、リニューアル中は新旧何れのシステムも使用出来ないため、来訪者が集合玄関機を使用して居住者を呼び出すことができなかった。この使用できない期間が、例えば数時間或いは一日程度であれば、来訪者に対しても大きな迷惑をかけることはないが、集合住宅では交換する機器が多いため、使用できない期間が数日あるいは1週間程度かかり、リニューアル期間中は、来訪者や居住者に大きな迷惑をかけていた。
このようなことから、配線を共通にせず、新システムへの移行が完了するまでの間、新システムと共に旧システムも稼働させ、新旧何れかのシステムで居住者を呼び出しできるよう構成し、システムリニューアル中であっても来訪者等に迷惑をかけないリニューアル方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−260359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記新旧システムを並行稼働させるリニュアル方法により、来訪者が訪問先の居住者を呼び出しできないような事態を防ぐことはできる。しかしながら、居室親機が新システムに入れ替えられる度に、呼び出すための集合玄関機が旧集合玄関機から新集合玄関機に変更される為、新集合玄関機で呼び出す事のできる居室番号を来訪者がわかるように随時掲示する必要があり、呼び出す際に混乱してしまうなどの問題があった。
また、集合住宅によってはエントランスに新旧2台の集合玄関機を設置するには十分な広さがない場合があり、このような集合住宅では新旧のシステムを並行に稼働させるリニューアル方法が採用できなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、1台の集合玄関機から新旧何れかの居室親機を呼び出して通話を可能とする制御機を提供すること、またリニューアル中であっても1台の集合玄関機のみで確実に居住者を呼び出しできる集合住宅インターホンシステムのリニューアル方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、居住者を呼び出すために集合住宅のエントランスに設置された集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機とが接続され、双方の間の通信を制御する集合住宅インターホンシステムの制御機であって、接続されて通信可能な状態にある居室親機のID情報を記憶する接続親機ID記憶部と、通信可能な居室親機が追加されたら接続親機記憶部にそのID情報を追加登録するID登録制御手段と、別途設置されている他の集合住宅インターホンシステムの制御機と通信を実施するための通信プロトコル変換部を備えたインターフェース手段と、集合玄関機から呼出信号を受けて居室親機を呼び出すか、インターフェース手段を介して他の集合住宅インターホンシステムを構成する他の居室親機を呼び出すか、接続親機ID記憶部を参照して呼出信号送信先を選択制御する呼出制御手段と、を有し、呼出制御手段は、接続親機ID記憶部に登録されていない居室親機を呼び出す場合は、他の集合住宅インターホンシステムの制御機に呼出信号を送信して他の居室親機を呼び出すことを特徴とする。
【0007】
このように構成した制御機を、新設の集合住宅インターホンシステムに使用すれば、別途設置されている既設の集合住宅インターホンシステムとの間で通信を行い既設の居室親機であっても新設の集合玄関機から呼び出すことができる。
そのため、集合住宅インターホンシステムをリニューアルする際に、新システムの制御機として本発明の制御機を使用すれば、集合玄関機1台で新旧双方のシステムを並行稼働させることができ、システムを更新する途中の工程で、集合玄関機を新旧2台配置しておかなくても新旧何れかの居室親機を呼び出すことができる。
よって、エントランスが狭い集合住宅であっても、来訪者に迷惑をかけることなくスムーズなリニューアル作業を実施できるし、呼び出しできる居室親機を変更する度に、その通知をエントランスに掲示する必要も無くなる。
更に、新旧制御機間の通信に際して通信プロトコルを変換するので、新旧のシステムの通信プロトコルが異なる構成であっても、新集合玄関機から旧居室親機を呼び出すことが可能であり、更新機種が制限されることもない。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、インターフェース手段は、制御機本体と分離したケースに収容され、制御機本体に接続する第1接続部と他の制御機に接続する第2接続部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、インターフェース手段は容易に取り外すことができるので、必要ない場合は取り外せば良い。また変更も容易となるため、接続先のシステムの通信プロトコルに合わせてインターフェース手段を交換することも可能となり、制御機のコストダウンを図ることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、インターフェース手段には、映像信号の変調方式を他の集合住宅インターホンシステムの変調方式に変換する変調方式変換部が備えられ、呼出制御手段が、呼出信号と共に映像信号をインターフェース手段に送信した場合は、映像信号が他の集合住宅インターホンシステムの変調方式に変換されて他の制御機を介して他の居室親機に送信されることを特徴とする。
この構成によれば、映像信号の変調方式が異なっても接続した他のシステムへ来訪者撮像映像を伝送できる。よって、新集合玄関機から旧居室親機に映像信号を伝送することができる。
【0010】
請求項4の発明は、集合住宅のエントランスに設置されて居住者を呼び出して通話する機能を有する集合玄関機と、各住戸に設置されて集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を有する居室親機と、集合玄関機と居室親機との間の通信を制御する制御機とを備えた集合住宅インターホンシステムを新旧入れ替えるリニューアル方法であって、新集合住宅インターホンシステムを構成する新制御機として請求項1乃至3の何れかに記載の制御機を使用して新旧制御機を並列に配置し、居室親機を全て新居室親機に更新するまでの間、旧制御機の集合玄関機接続部と新制御機のインターフェース手段とを接続し、新集合玄関機からの呼出操作に対して新旧何れかの居室親機に呼出信号を送信して、任意の住戸の居住者の呼び出しを可能とし、旧居室親機から新居室親機への移行を随時可能とすることを特徴とする。
この方法によれば、旧システムを新制御機のインターフェース手段に接続することで、新システムの集合玄関機から旧居室親機も呼び出すことが可能となる。そのため、システムを更新する途中の工程で、集合玄関機を新旧2台配置しておくことなく任意の居住者を1台の集合玄関機から呼び出すことができ、エントランスが狭い場合でもスムーズな交換作業を実施できる。また、呼び出しできる居室親機を変更する度に、その通知をエントランスに掲示する必要も無くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る集合住宅インターホンシステムの制御機によれば、集合住宅インターホンシステムを更新する際に新システムの制御機としてこの制御機を使用し、インターフェース手段を旧システムの制御機と接続することで、新システムの集合玄関機から旧居室親機も呼び出すことができる。よって、集合玄関機1台で新旧双方のシステムを並行稼働させることができる。
【0012】
また、本発明に係る集合住宅インターホンシステムの交換方法によれば、新システムの集合玄関機から旧居室親機も呼び出すことができ、システムを更新する途中の工程で、集合玄関機を新旧2台配置しておく必要が無くなる。そのため、エントランスが狭い場合でもスムーズな交換作業を実施できるし、呼び出しできる居室親機を変更する度に、その通知をエントランスに掲示する必要も無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る制御機を備えた新集合住宅インターホンシステムを旧集合住宅インターホンシステムに接続した概略構成図である。
【図2】図1の新集合住宅インターホンシステムの要部を回路ブロックで示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1,図2は本発明に係る制御機を使用した集合住宅インターホンシステムの構成を示し、図1は既設の集合住宅インターホンシステムと接続した状態を示し、図2は機器の要部を回路ブロック図で示した構成図である。
図1において、S1は新たに設置される新集合住宅インターホンシステム(以下、新システムとする)、S2はリニューアル対象の旧集合住宅インターホンシステム(以下、旧システムとする)であり、新システムにリニューアルする途中の状態を示している。
【0015】
新システムS1は、集合玄関に設置されて居住者を呼び出す機能を備えた新集合玄関機1、各住戸に設置されて呼び出しに応答する機能を備えた新居室親機2,2・・、管理室に設置されて居住者等と通話する機能を備えた新管理室親機3、各機器間の通信を制御する新制御機4を備えている。但し、新制御機4は、新制御機の主要部である本体4aと、この本体4aとは分離されたケース内に組み付けられたアダプタ4bとで構成されている。アダプタ4bは、旧システムS2と通信するために使用される。
新集合玄関機1、新居室親機2、新管理室親機3は、夫々伝送線L1,L2,L3を介して新制御機4に接続され、アダプタ4bは伝送線L4により新制御機本体4aと接続され、伝送線L5により旧システムS2と接続される。
【0016】
尚、旧システムS2は、旧集合玄関機61、旧居室親機62、旧管理室親機63、旧制御機64等を備えている。但し、新システムS1が接続された段階で後述するように旧集合玄関機61は撤去される。
【0017】
新システムS1は具体的に次のように構成されている。新集合玄関機1は、呼出ボタンやテンキーを備えた操作部11、来訪者を撮像するためのカメラ12、通話の為のマイク13及びスピーカ14、新集合玄関機1全体を制御する集合玄関機CPU15、新制御機4と通信するための集合玄関機インターフェース(集合玄関機IF)16を備えている。
【0018】
新居室親機2は、呼び出しに応答するための通話ボタン21、通話のためのマイク22及びスピーカ23、カメラ12の撮像映像を表示するためのモニタ24等を備えている。新管理室親機3は、居室親機を選択して居住者を呼び出すための操作部31、通話するためのハンドセット32等を備えている。
【0019】
新制御機4の本体4aは、住戸番号と新居室親機2の関係及び通信が可能な状態にある新居室親機2のIDを記憶するFROM(フラッシュメモリ)41、通信を制御すると共に新制御機4全体を制御する制御機CPU42、新集合玄関機1や新居室親機2及び管理室親機3と通信するための制御機第1インターフェース(制御機第1IF)43、アダプタ4bと通信するための制御機第2インターフェース(制御機第2IF)44等を備えている。
【0020】
また、アダプタ4bは、新集合玄関機1から変調されて伝送されて来たカメラ12の撮像映像信号を旧システムS2が使用している変調信号に再変換する変調方式変換部51、新システムS1から伝送された呼出信号等の信号を旧システムS2が受信できるよう通信プロトコルを変換する機能や、逆に旧システムS2から伝送された信号を新システムS1が受信できるよう通信プロトコルを変換する機能を有し、アダプタ4b全体を制御するアダプタCPU53、新制御機4の本体4aと通信するためのアダプタ第1インターフェース(アダプタ第1IF)54、旧制御機64と通信するためのアダプタ第2インターフェース(アダプタ第2IF)55等を備えている。
尚、変調方式変換部51は、伝送されてきた映像信号を復調する映像復調回路51aと、この復調した映像信号を旧システムS2が使用している変調方式に再変調する映像変調回路51bとを備えている。
【0021】
以上の如く構成された集合住宅インターホンシステムのリニューアルは次のように行われる。まず、旧集合玄関機61を取り外して新集合玄関機1を設置する。そして、旧制御機64の近傍に新制御機4を設置し、新集合玄関機1と新制御機4を伝送線L1で接続し、新制御機4と旧制御機64を接続する。この時、アダプタ第1IF54が伝送線L4により新制御機本体4aの制御機第2IF44に接続され、アダプタ第2IF55が伝送線L5を介して旧制御機64の旧集合玄関機61が接続されていた図示しない端子(集合玄関機接続部)に接続される。こうして、新制御機4が旧制御機64に接続され、新旧システムS1,S2が連結される。
【0022】
この状態で、新制御機4から各住戸に対して伝送線L2が配設され、各住戸の居室親機の新旧入れ替えが実施される。入れ替えが行われて、新居室親機2と新制御機4とが接続されて双方の間で通信が可能となったら、制御機CPU42がそれを認識する。このとき、制御機CPU42は、新居室親機4との通信で新居室親機4のID情報を入手し、住戸番号に関連付けてFROM41に登録する。
この登録により、新集合玄関機1から登録された新居室親機2に対する呼び出しが成されたら、制御機CPU42は呼び出された住戸が新居室親機2へ入れ替えられたことを認識して旧居室親機62へ呼出信号を送出すること無く、新居室親機2に呼出信号を送信する。尚、制御機CPU42による新居室親機2の登録制御は適宜実施され、旧居室親機62が新居室親機2に入れ替えられる度に行われる。
こうして、全ての居室親機2,62、更には管理室親機3,63が入れ替えられたら、アダプタ4bを取り外し、旧制御機64を撤去してリニューアルは完了する。
【0023】
ここで、リニューアル途中で新集合玄関機1から居住者の呼出操作が成された場合のシステムの動作を具体的に説明する。新集合玄関機1の操作部11が操作されて訪問先の住戸番号が入力されて呼出操作されると、集合玄関機CPU15はデータに変換した呼出信号を集合玄関機IF16から新制御機4の本体4aへ送信する。呼出信号は新制御機4の制御機第1IF43で受信され、制御機CPU42にて呼出信号に含まれる被呼住戸番号情報が取得される。
【0024】
制御機CPU42は、実際に接続された新居室親機2の住戸番号情報を適宜FROM41に書き込むのに加えて、今後接続される新居室親機2の住戸番号情報もFROM41に書き込んでおり、このFROM41の情報を元に被呼住戸番号情報を判断し、既に新居室親機2が接続されている住戸番号であるか、未だ接続されてない住戸番号であるか判断する。接続されている場合は、制御機第1IF43から新居室親機2に呼出信号を送信して呼び出しを行い、接続されていない住戸に対しての呼び出しと判断した場合は、制御機第2IF44を介してアダプタ4bに呼出信号を送信する。
【0025】
また、呼出操作が成された新集合玄関機1は、カメラ12が起動して呼出操作した来訪者を撮像し、その映像信号が図示しない変調部で変調されて呼出信号と同様に集合玄関機IF16から新制御機4の本体4aに送信される。制御機CPU42は、この映像信号も呼出信号と同様に新居室親機2或いはアダプタ4bの何れかに送信する。
【0026】
FROM41の情報から新居室親機2への呼び出しであると制御機CPU42が判断したら、呼出信号が新居室親機2へ送信され、呼出音がスピーカ23から報音されると共に、映像信号を受けてモニタ24から来訪者映像が表示される。この呼出音に気づいた居住者により、通話ボタン21が操作されて応答操作されると、呼出信号と逆の経路で新制御機4に応答信号が送信される。この応答信号を受けて、制御機CPU42は、新集合玄関機1と呼出先の新居室親機2の間の通話路を形成する。こうして、来訪者は居住者と通話ができるし、居住者は応答しながら来訪者を映像で確認できる。
【0027】
一方、呼出先住戸にはまだ新居室親機2が接続されておらず、旧居室親機62への呼び出しであると制御機CPU42が判断したら、アダプタ4bへ呼出信号が送信される。アダプタ第1IF54がこの呼出信号を受信したら、アダプタCPU53により、呼出信号が旧システムS2の通信プロトコルにデータ変換されて、アダプタ第2IF55から旧制御機64に送信される。
また、呼出信号に追従して新集合玄関機1から送信された映像信号もアダプタ4bに送信される。アダプタ第1IF54で受信された映像信号は、変調方式変換部51において旧システムS2が受信可能な映像信号に再変調され、呼出信号と同様にアダプタ第2IF55から旧制御機64に送信される。
【0028】
旧制御機64は、旧集合玄関機61から呼出信号及び映像信号を受信する場合と同様に、アダプタ4bから呼出信号及び映像信号を受信したら、呼出先の旧居室親機62に送信する。この呼出信号及び伝送信号を受信した旧居室親機62は、呼出信号を受信した上記新居室親機2と同様に、呼び出しを報音すると共にモニタ62aから来訪者映像を表示する。
この呼出音に気づいた居住者により、通話ボタン62bが操作されて応答操作されると、通話路が形成されて来訪者は居住者と通話ができるし、居住者は応答しながら来訪者を映像で確認できる。
【0029】
このように、集合住宅インターホンシステムを更新する際に、新システムS1の制御機4として本発明の新制御機4を使用し、旧システムS2の制御機64とアダプタ4bを接続することで、新システムS1の新集合玄関機1から旧居室親機62も呼び出すことができ、集合玄関機1台で新旧双方のシステムを並行稼働させることができる。
その結果、システムを更新する途中の工程で、集合玄関機を新旧2台配置しておかなくても新旧何れかの居室親機を呼び出すことができ、エントランスが狭い集合住宅であっても、来訪者に迷惑をかけることなくスムーズなリニューアル作業を実施できる。また、呼び出しできる居室親機を変更する度に、その通知をエントランスに掲示する必要も無くなる。
更に、新旧制御機間の通信に際して通信プロトコルを変換するので、新旧のシステムの通信プロトコルが異なる構成であっても、新集合玄関機1から旧居室親機62を呼び出すことが可能であり、更新機種が制限されることもない。
また、アダプタ4bは容易に取り外すことができるので、必要ない場合は取り外せば良いし、変更も容易となるため、接続先のシステムの通信プロトコルに合わせてアダプタ4bを交換することも可能となるため、制御機4のコストダウンを図ることができる。
また、映像信号の変調方式が異なっても来訪者撮像映像を接続した旧システムS2へ伝送できる。よって、新集合玄関機1から旧居室親機62に映像信号を伝送することができ、呼出信号に合わせて映像情報を送信して表示させることができる。
【0030】
尚、上記実施形態は、旧システムS2が集合玄関機61にカメラを備えた構成となっているが、カメラを持たないシステムからカメラを備えたシステムにリニューアルする場合であっても上記新制御機4は容易に適用できる。また、カメラを備えたシステムのリニューアルであっても変調方式が同一の場合は、アダプタ4bに変調方式変換部51を設ける必要がない。
更に、アダプタ4bを新制御機本体4aとは別体としているが、一体としても良い。
【符号の説明】
【0031】
1・・新集合玄関機(集合玄関機)、2・・新居室親機(居室親機)、4・・新制御機(制御機)、4a・・新制御機本体、4b・・アダプタ(インターフェース手段)、11・・操作部、12・・カメラ、15・・集合玄関機CPU、16・・集合玄関機IF、41・・FROM(接続親機ID記憶部)、42・・制御機CPU(ID登録制御手段、呼出制御手段)、43・・制御機第1IF、44・・制御機第2IF、51・・変調方式変換部、51a・・映像復調回路、51b・・映像変調回路、53・・アダプタCPU(プロトコル変換部)、54・・アダプタ第1IF(第1接続部)、55・・アダプタ第2IF(第2接続部)、S1・・新集合住宅インターホンシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住者を呼び出すために集合住宅のエントランスに設置された集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに応答するために各住戸に設置された居室親機とが接続され、双方の間の通信を制御する集合住宅インターホンシステムの制御機であって、
接続されて通信可能な状態にある前記居室親機のID情報を記憶する接続親機ID記憶部と、
通信可能な居室親機が追加されたら前記接続親機記憶部にそのID情報を追加登録するID登録制御手段と、
別途設置されている他の集合住宅インターホンシステムの制御機と通信を実施するための通信プロトコル変換部を備えたインターフェース手段と、
前記集合玄関機から呼出信号を受けて前記居室親機を呼び出すか、前記インターフェース手段を介して前記他の集合住宅インターホンシステムを構成する他の居室親機を呼び出すか、前記接続親機ID記憶部を参照して呼出信号送信先を選択制御する呼出制御手段と、
を有し、
前記呼出制御手段は、前記接続親機ID記憶部に登録されていない居室親機を呼び出す場合は、前記他の集合住宅インターホンシステムの制御機に呼出信号を送信して前記他の居室親機を呼び出すことを特徴とする集合住宅インターホンシステムの制御機。
【請求項2】
前記インターフェース手段は、制御機本体と分離したケースに収容され、制御機本体に接続する第1接続部と前記他の制御機に接続する第2接続部とを有することを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステムの制御機。
【請求項3】
前記インターフェース手段には、映像信号の変調方式を前記他の集合住宅インターホンシステムの変調方式に変換する変調方式変換部が備えられ、
前記呼出制御手段が、呼出信号と共に映像信号をインターフェース手段に送信した場合は、前記映像信号が前記他の集合住宅インターホンシステムの変調方式に変換されて他の制御機を介して他の居室親機に送信されることを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅インターホンシステムの制御機。
【請求項4】
集合住宅のエントランスに設置されて居住者を呼び出して通話する機能を有する集合玄関機と、各住戸に設置されて前記集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を有する居室親機と、前記集合玄関機と前記居室親機との間の通信を制御する制御機とを備えた集合住宅インターホンシステムを新旧入れ替えるリニューアル方法であって、
新集合住宅インターホンシステムを構成する新制御機として請求項1乃至3の何れかに記載の制御機を使用して新旧制御機を並列に配置し、
居室親機を全て新居室親機に更新するまでの間、旧制御機の集合玄関機接続部と前記新制御機のインターフェース手段とを接続し、
新集合玄関機からの呼出操作に対して新旧何れかの居室親機に呼出信号を送信して、任意の住戸の居住者の呼び出しを可能とし、旧居室親機から新居室親機への移行を随時可能とすることを特徴とする集合住宅インターホンシステムのリニューアル方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−35469(P2011−35469A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176940(P2009−176940)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】