説明

集合住宅用充電システム及び集合住宅

【課題】簡易な構成で自動車の蓄電池を利便的に充電することができる集合住宅用充電システム及び集合住宅を提供することを目的とする。
【解決手段】自動車に搭載された蓄電池への充電を外部からの指示で開始可能な充電装置22の使用開始及び充電終了を外部へ通知するための操作を行う親機操作部38を備えると共に、集合住宅の玄関に設けられて充電装置22と通信可能に接続されたインターホン親機16と、親機操作部38の操作結果に基づく充電装置の利用状況を表示する子機表示部52及び充電装置22の使用予約を行うための子機操作部50を備えると共に、集合住宅の各戸に設けられてインターホン親機16と通信可能に接続されたインターホン子機18と、を備えることにより、インターホンシステムを利用して充電装置22による充電を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅用充電システム及び集合住宅にかかり、特に、ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載された蓄電池を充電可能な集集合住宅用充電システム及びこれを備えた集合住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術では、居室親機と、駐車場へと車両を入庫させる又は駐車場から車両を出庫させる際に開閉されるゲートと、駐車場のゲート付近に設置される集合玄関機と、ゲートの開閉を行うためのゲート開閉機と、居室親機、集合玄関機及びゲート開閉機をそれぞれ制御するための制御装置を備えて、駐車場のゲートを開閉するインターホンシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−154029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、環境問題等を考慮して、ハイブリッド自動車や電気自動車等の蓄電池を利用して走行する自動車が注目されており、これに伴って充電装置に関する技術についても注目されている。また、集合住宅においては、複数の住人が存在するので、集合住宅に充電装置を設置した場合の利用方法についても注目されるところである。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、インターホンシステムを利用して、無断駐車を抑制しつつ、来訪者の駐車を容易に行うことができるものの、ハイブリッド自動車や電気自動車などの自動車に搭載された蓄電池の充電までは考慮していないため、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、簡易な構成で自動車の蓄電池を利便的に充電することができる集合住宅用充電システム及び集合住宅を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、自動車に搭載された蓄電池への充電を外部からの指示で開始可能な充電装置の使用開始及び前記充電装置の充電終了を外部へ通知するための操作を行う操作手段を備えると共に、集合住宅の玄関に設けられて前記充電装置と通信可能に接続された親機と、前記操作手段の操作結果に基づく前記充電装置の利用状況を表示する表示手段及び前記充電装置の使用予約を行うための操作入力手段を備えると共に、集合住宅の各戸に設けられて前記親機と通信可能に接続された子機と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、充電装置は、外部から指示で自動車に搭載された蓄電池への充電を開始可能とされている。
【0009】
また、親機は、当該充電装置の使用開始及び充電装置の充電終了を外部へ通知するための操作を行う操作手段を備えると共に、集合住宅の玄関に設けられて充電装置と通信可能に接続されている。
【0010】
一方、子機は、操作手段の操作結果に基づく充電装置の利用状況を表示する表示手段及び充電装置の使用予約を行うための操作入力手段を備えていると共に、集合住宅の各戸に設けられて親機と通信可能に接続されている。
【0011】
すなわち、子機の操作入力手段を操作することで、充電装置の使用予約ができ、親機の操作手段を操作することで充電装置に対して充電開始を通知して充電を開始することができる。
【0012】
また、親機の操作手段を操作することで充電装置の使用開始及び充電終了を子機に対して通知することができ、これによって、子機の表示手段に操作手段の操作に基づく充電装置の利用状況が表示される。すなわち、子機から充電装置の利用状況を確認して充電予約を行うことができるので利便的な充電が可能となる。従って、簡易な構成で自動車の蓄電池を利便的に充電することができる。
【0013】
なお、子機の表示手段は、請求項2に記載の発明のように、利用状況として駐車場の区画毎の充電装置の空き状況を個別に表示するようにしてもよい。これによって区画毎の充電装置の利用状況を子機から確認することができる。
【0014】
また、親機は、請求項3に記載の発明のように、子機の表示手段と同様の機能を有する親機表示手段を更に備えるようにしてもよい。
【0015】
また、親機及び子機は、請求項4に記載の発明のように、インターホンを適用して、既設のインターホン設備を兼用するようにしてもよい。これによって、安価な構成とすることができる。
【0016】
また、親機は、請求項5に記載の発明のように、充電装置の使用予約を管理する管理手段を更に備えるようにしてもよい。この場合、管理手段は、請求項6に記載の発明のように、子機の前記操作入力手段の操作に基づいて前記使用予約を管理すると共に、前記親機の操作入力手段によって使用開始を通知するための操作が行われた場合に、充電装置による充電を開始するように充電装置を更に管理するようにしてもよいし、請求項7に記載の発明のように、充電装置の充電が終了した場合に、子機の表示手段に利用状況として充電完了を表す表示を行うように更に子機の表示を制御するようにしてもよい。またこの場合には、管理手段は、請求項8に記載の発明のように、子機の表示手段に充電完了を表示した後に、親機の操作手段によって充電終了を通知するための操作が行われたところで充電装置の充電に関する処理を完了するようにしてもよい。
【0017】
さらに、管理手段は、請求項9に記載の発明のように、使用履歴を更に記憶して、使用予約を管理する際に、該使用履歴に基づいて充電装置の予約の優先度を決定するようにしてもよい。例えば、使用頻度が多い住人よりも使用頻度が少ない住人を優先するように優先度を決定することにより、集合住宅における充電装置の使用に関する平等性を確保することができる。
【0018】
なお、本発明は、請求項10に記載の発明のように、自動車に搭載された蓄電池への充電を外部からの指示で開始可能な充電装置と、請求項1〜9の何れか1項に記載の集合住宅用充電システムと、を備えた集合住宅としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、簡易な構成で自動車の蓄電池を利便的に充電することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムにおける各戸インターホン子機の子機制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムにおけるインターホン親機で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムにおける充電装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】(A)は駐車場の区画毎の充電装置22の利用状況を表示した例を示す図であり、(B)は充電率が40%の表示例を示す図であり、(C)は充電終了(充電率100%)の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システムの概略構成を示す図である。
【0022】
集合住宅用充電システム10は、集合住宅12に設けられたインターホン親機16と各戸インターホン子機18を備えたインターホンシステム14を備えている。
【0023】
インターホン親機16は、複数の住戸を有する集合住宅12の玄関等に設けられている。各戸インターホン子機18は、集合住宅12の各住戸に設けられている。そして、インターホン親機16と各戸インターホン子機18とがそれぞれ接続されて通話が可能とされていると共に、インターホン子機18から集合住宅12の玄関のロック解除が可能とされている。すなわち、訪問者は、インターホン親機16から各戸インターホン子機18を呼び出すことにより、各戸の住人が各戸インターホン子機18を操作することによって集合住宅12の玄関のロックを解除することが可能とされている。
【0024】
また、集合住宅用充電システム10は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の自動車20に搭載された蓄電池を充電するための充電装置22を含んで構成されており、例えば、集合住宅12の敷地内の駐車場等に充電装置22が設置されている。
【0025】
充電装置22は、インターホン親機16に接続されて、インターホン親機16からの指示に応じて自動車20に搭載された蓄電池への充電の開始(充電許可)等の制御が可能とされている。
【0026】
なお、充電量、充電時間、課金などの充電に関する制御や仕組みは充電装置22自体のもので運用される。すなわち、本実施の形態の充電装置22は、外部からの指示(充電許可)に従って充電を開始し、終了を通知する機能を最低限備える構成であればよい。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システム10の構成を示すブロック図である。
【0028】
インターホン親機16は、図2に示すように、CPU24、ROM26、RAM28、及び入出力ポート30がそれぞれバス32を介して接続されたマイクコンピュータを備えている。
【0029】
また、インターホン親機16は、メモリ34、カメラ44、親機表示部36、親機操作部38、音声処理部40、及びインターホンインターフェース(I/F)42を更に備えており、入出力ポート30にそれぞれが接続されている。なお、親機表示部36は省略した構成としてもよいため、図2では点線で示す。
【0030】
メモリ34には、インターホンシステム14を利用して充電装置22による自動車に搭載された蓄電池への充電を行うためのプログラム等が記憶されている。
【0031】
カメラ44は、訪問者を撮影するために設けられており、撮影によって得られる画像情報をインターホンI/F42を介して各戸インターホン子機18へ送信する。なお、カメラ44も親機表示部36と同様に、省略した構成としてもよいため、図2では点線で示す。
【0032】
親機操作部38は、各戸インターホンを読み出すためのテンキーなどの操作ボタンや、充電装置22の充電開始や終了を指示するための操作ボタン等を有し、操作ボタンの操作に応じて各戸インターホン子機18の呼び出しや、充電装置22への充電開始通知(充電許可)や各戸インターホン子機18への終了通知などが可能とされている。また、本実施の形態では、充電装置22による蓄電池への充電を行うための識別情報(例えば、部屋番号などの識別情報)などの入力も親機操作部38の操作によって可能とされている。なお、親機操作部38は、タッチパネルなどの操作ボタンを適用するようにしてもよいし、タッチパネルと機械的なボタンを共に備えるようにしてもよい。また、充電開始や終了を指示するための操作ボタンは専用のものであってもよいし、テンキーや他の操作ボタン等を割り当てるようにしてもよい。
【0033】
親機表示部36は、親機操作部38によって操作された操作内容(例えば、各部屋番号の表示や識別情報の表示など)の表示が行われる。なお、後述する子機表示部52と同様に、充電装置22による充電に関する情報等の表示を行うようにしてもよい。
【0034】
音声処理部40は、スピーカやマイクロホン等を含んでおり、各戸インターホン子機18との通話に関する音声処理を行う。すなわち、インターホン通話が音声処理部40によって行われる。なお、音声処理部40は、音声をアナログ信号で各戸インターホン子機18と通信するようにしてもよいし、デジタル変換して通信するようにしてもよい。
【0035】
インターホンI/F42は、各戸インターホン子機18と接続され、音声通信や情報通信が行われる。インターホンI/F42と各戸インターホン子機18との接続は、既存のインターホン設備が適用される。既存のインターホン設備としては、例えば、音声ケーブル、映像ケーブル、情報ケーブル等の既存のインターホン用通信ケーブルなどを適用することができ、当該当該インターホン通信ケーブルでインターホンI/F42と各戸インターホン子機18が接続される。
【0036】
また、集合住宅の玄関入り口に設けられたロック装置46は、インターホン親機16の入出力ポート30に接続されており、インターホン子機18からの指示によってロック解除可能とされている。すなわち、インターホン親機16からインターホン子機18を呼び出して、インターホン子機18からロック解除指示を行うことでロック装置46のロックが解除される。
【0037】
一方、各戸インターホン子機18は、子機制御部48、子機表示部52、子機操作部50、及び音声通信部54を備えている。
【0038】
子機制御部48は、図2では省略するが、インターホン親機16と同様に、CPU、ROM、RAM、及び入出力ポートがそれぞれバスを介して接続されたマイクコンピュータを備えている。そして、子機制御部48の入出力ポートに子機操作部50、子機表示部52、及び音声通信部54がそれぞれ接続されている。
【0039】
子機操作部50は、上述したロック装置46のロック解除指示や、充電装置22による蓄電池への充電予約などの操作を行うための操作ボタンを備えている。なお、タッチパネルなどの表示ボタンを適用するようにしてもよいし、タッチパネルと機械的なボタンを共に備えるようにしてもよい。また、ロック解錠指示や充電予約を行うため操作ボタンは専用のものであってもよいし、テンキーや他の操作ボタン等を割り当てるようにしてもよい。
【0040】
子機表示部52は、インターホン親機18に設けられたカメラ44によって撮影された撮影画像の表示(例えば、訪問者の顔などの表示)や、充電装置22による充電に関する情報等の表示を行う。本実施の形態では、充電装置22の予約状況の表示や、充電装置22による充電状況の表示、或いは、充電完了表示などが行われる。
【0041】
音声通信部54は、インターホン親機16の音声処理部40と同様に、スピーカやマイクロホン等を含んでおり、各戸インターホン親機16との通話に関する音声処理を行う。すなわち、インターホン通話が音声通信部54によって行われる。なお、音声通信部54は、音声をアナログ信号でインターホン親機16と通信するようにしてもよいし、デジタル変換して通信するようにしてもよい。
【0042】
また、充電装置22は、通信部56及び充電制御部58を備えており、インターホン親機16からの指示を通信部56によって受信し、当該指示に従って充電制御部58によって充電開始が可能とされている。
【0043】
また、充電装置22は、充電完了時には、通信部56からインターホン親機16を介して各戸インターホン子機18へ充電終了を通知するようになっている。
【0044】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システム10で行われる具体的な処理について説明する。
【0045】
まず、各戸インターホン子機18で行われる処理の流れについて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システム10における各戸インターホン子機18の子機制御部48で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3の処理は、各戸インターホン子機18の子機操作部50が操作されて充電予約指示が行われた場合に開始するものとして説明する。
【0046】
子機操作部50が操作されて充電予約指示が行われるとステップ100では、充電予約状況がインターホン親機16から取得されてステップ102へ移行する。
【0047】
ステップ102では、充電予約状況が子機表示部52に表示されてステップ104へ移行する。例えば、図6(A)に示すように、駐車場の区画毎の充電装置22の利用状況を表示する。これによって、駐車場の区画毎の空き状況を容易に確認することができる。なお、図6(A)では、予約状況(予約数)以外に、使用中や充電終了などの表示も行う例を示すが、この場合には、充電プラグの自動車20への接続を検知するセンサや、各区画の自動車20の有無を検出するためのカメラ等を備えてセンサやカメラの検出結果をインターホン親機16に送信することにより、インターホン親機16から使用中や充電終了などの情報を取得する必要があるため、使用状況(使用中や充電終了など)は住人が確認するものとして予約状況のみを表示するようにしてもよい。
【0048】
ステップ104では、充電予約が指示されたか否か判定される。該判定は、子機操作部50が操作されて充電予約が指示されたか否かを判定し、充電予約が指示された場合には、判定が肯定されステップ106へ移行し、充電予約以外の操作が行われた場合には判定が否定されて当該処理を終了して、操作に対応する処理を開始する。
【0049】
ステップ106では、充電予約が登録されてステップ108へ移行する。充電予約の登録は、インターホン親機16に対して行われる。これによって、他の各戸インターホン子機18で充電予約が指示された場合には、更新された充電予約状況がインターホン親機16から各戸インターホン子機18へ送信されことになる。なお、インターホン親機16は、各戸インターホン子機18からの充電予約が登録されることにより、予約順に従って使用順を決定するなどの処理を行うことにより充電装置22の予約を管理するが、充電装置22の使用順序については使用頻度に基づいて優先順位を決定するようにしてもよい。例えば、インターホン親機16は、充電装置22の使用履歴を記憶しておき、複数の予約が存在する場合には、使用頻度が各戸で不公平にならないように、使用履歴が少ない家の予約を優先するなどの制御を行うようにしてもよい。
【0050】
ステップ108では、充電可能か否か判定される。該判定は、インターホン親機16から充電状況を随時取得して、予約した充電順番になったか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ110へ移行する。なお、インターホン親機16は、充電順番に対応する各戸インターホン子機18に対して充電順番になったことを表す情報を送信するものとする。
【0051】
ステップ110では、充電可能である旨が通知されてステップ112へ移行する。例えば、子機表示部52に充電順番であることを表すメッセージを表示したり、音声を発生することによって通知する。
【0052】
ステップ112では、充電開始か否か判定される。該判定は、自動車が充電装置22に接続されて、インターホン親機16が操作されて充電開始が指示された否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ114へ移行する。
【0053】
ステップ114では、充電装置22による充電状況がインターホン親機16経由で充電装置22から取得され、子機表示部52に表示されてステップ116へ移行する。充電状況の表示は、例えば、図6(B)、(C)に示すように、充電状況として現在の充電率を表示することにより、現在の充電状況を各戸インターホン子機18で確認することができる。なお、図6(B)では、充電率が40%の表示例を示し、図6(C)は充電終了(充電率100%)の表示例を示すが、充電率ではなく、残りの充電時間をインターホン親機16または各戸インターホン子機18で算出して表示するようにしてもよい。
【0054】
ステップ116では、充電が終了したか否か判定される。該判定は、充電終了を表す終了情報が充電装置22からインターホン親機16経由で受信したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ114に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定されたところでステップ118へ移行する。
【0055】
ステップ118では、充電終了が通知されて一連の処理を終了する。すなわち、子機表示部52に充電が終了したことを表すメッセージを表示したり、音声によって通知する。
【0056】
次に、インターホン親機16で行われる処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システム10におけるインターホン親機16で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、インターホン親機16における親機操作部38に対して充電開始を表す操作が行われた場合に開始するものとして説明する。
【0057】
インターホン親機16における親機操作部38に対して充電開始を表す操作が行われるとステップ200では、予め定めた識別情報入力画面が親機表示部36に表示されてステップ202へ移行する。予め定めた識別情報は、充電予約と使用者とが一致するか否かを確認するための識別情報であり、例えば、部屋番号や予め登録した暗証番号等を適用することができ、予め部屋番号や暗証番号をインターホン親機16に予め登録しておくことにより、充電予約と使用者が一致するか否かを判定できる。なお、親機表示部36を備えない構成の場合には、音声により、識別情報の入力を促すようにしてもよい。
【0058】
ステップ202では、親機操作部38が操作されて識別情報が入力されたか否か判定され、該判定が肯定されるまで待機してステップ204へ移行する。
【0059】
ステップ204では、識別情報が充電予約と一致するか否か判定される。すなわち、充電予約と使用者が一致するか否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、肯定された場合にはステップ208へ移行する。なお、該判定は、例えば、充電予約時の部屋番号と、入力された識別情報が充電予約の部屋番号と対応するか否かを判定する。
【0060】
ステップ206では、充電予約と使用者が一致しないので、使用不可である旨が通知されて一例の処理を終了する。通知方法としては、親機表示部36にメッセージを表示してもよいし、音声通知でもよい。
【0061】
ステップ208では、充電装置22に対して充電許可が通知されてステップ210へ移行する。これによって、後述する充電装置22による充電が開始可能となる。
【0062】
ステップ210では、充電が終了した否か判定される。該判定は、充電装置22から充電終了が通知されたか否かを判定し、判定が肯定されるまで待機してステップ212へ移行する。
【0063】
ステップ212では、対応する各戸インターホン子機18に対して充電終了が通知されてステップ214へ移行する。これによって、上述したステップ116の判定が肯定される。
【0064】
ステップ214では、充電完了操作が親機操作部38に対して行われたか否か判定される。該判定は、親機操作部38に対して充電完了を表す操作が行われた否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ216へ移行する。すなわち、当該ステップでは、充電終了を各戸インターホン子機18に対して通知した後に、使用者が充電装置22による充電場所から自動車を移動、またはプラグを引き抜いてから、親機操作部38に対して充電完了を表す操作が行われたか否かを判定する。
【0065】
ステップ216では、充電予約状況が更新されて一連の処理を終了する。これによって、各戸インターホン子機18で充電予約が指示されて上述のステップ102で表示される充電予約状況が更新される。
【0066】
続いて、充電装置22で行われる処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用充電システム10における充電装置22で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、上述のステップ208でインターホン親機16から通知される充電許可通知を受信した場合に開始するものとして説明する。
【0067】
充電許可通知をインターホン親機16から受信すると、ステップ300では、充電プラグが接続されているか否か判定される。該判定は、充電プラグの接続を検知するセンサを設けて判定するようにしてもよいし、充電プラグが接続されて所定のスイッチ操作が行われたか否かを判定してもよい。該判定が肯定されるまで待機してステップ302へ移行する。なお、判定が否定された場合には、音声等によって充電プラグの接続を促すように通知するようにしてもよい。
【0068】
ステップ302では、充電が開始されてステップ304へ移行して、充電処理が実行される。充電処理は、自動車に搭載された蓄電池の残量等に応じた充電を行うように、自動車20の蓄電池への通電が充電制御部58によって制御される。
【0069】
ステップ306では、充電が終了したか否か判定され、該判定が否定された場合には、ステップ304に戻って充電が終了するまで充電処理が継続され、充電が終了したこところでステップ308へ移行する。
【0070】
ステップ308では、充電終了がインターホン親機16に通知されて一連の処理を終了する。すなわち、充電装置22から充電終了がインターホン親機16に通知されることにより、上述のステップ210が肯定されて、各戸インターホン子機18に充電終了が通知されることによって、各戸インターホン子機18の子機表示部52で充電終了を確認することができる。
【0071】
このように本実施の形態では、IDカードなどの持ち物が不要で、集合住宅の各住戸から充電装置22の使用予約や充電状況の確認ができる利便性を有する。換言すれば、インターホンなどの簡易な装置を利用して、充電装置22の予約の確認から予約の登録までを容易に行うことができると共に、充電開始の指示から充電終了までを制御することができるので、安価かつ簡易な構成で充電装置22を集合住宅12で利便的に使用することができる。
【0072】
なお、上記の実施の形態では、充電装置22は、集合住宅12の敷地内の駐車場に設ける例を説明したが集合住宅12の敷地内に限るものではなく、例えば、隣接する敷地であってもよい。
【0073】
また、上記の実施の形態では、使用者が集合住宅12の住人であることを前提として説明したが、使用者は集合住宅12の住人でなくてもよい。この場合には、例えば、インターホン親機16に外来者用ボタン等を設けて、充電装置22を使用可能としてもよい。このとき、集合住宅12の住人を優先利用するように制御するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の実施の形態では、単一の集合住宅12を例として説明したが、これに限るものではなく、複数の集合住宅12を対象とするようにしてもよい。例えば、複数の集合住宅12のインターホン親機16同士をネットワーク接続して、インターホン親機16同士で通信可能とすることにより、複数の集合住宅12の充電装置22を相互利用することが可能となり、ゾーンで合理的な充電が可能となる。
【符号の説明】
【0075】
10 集合住宅用充電システム
12 集合住宅
14 インターホンシステム
16 インターホン親機
18 各戸インターホン子機
20 自動車
22 蓄電池
24 CPU
26 ROM
28 RAM
30 入出力ポート
32 バス
36 親機表示部
38 親機操作部
48 子機制御部
50 子機操作部
52 子機表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載された蓄電池への充電を外部からの指示で開始可能な充電装置の使用開始及び前記充電装置の充電終了を外部へ通知するための操作を行う操作手段を備えると共に、集合住宅の玄関に設けられて前記充電装置と通信可能に接続された親機と、
前記操作手段の操作結果に基づく前記充電装置の利用状況を表示する表示手段及び前記充電装置の使用予約を行うための操作入力手段を備えると共に、集合住宅の各戸に設けられて前記親機と通信可能に接続された子機と、
を備えた集合住宅用充電システム。
【請求項2】
前記子機の前記表示手段は、前記利用状況として駐車場の区画毎の前記充電装置の空き状況を個別に表示する請求項1に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項3】
前記親機は、前記子機の前記表示手段と同様の機能を有する親機表示手段を更に備えた請求項1又は請求項2に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項4】
前記親機と前記子機はインターホンであり、既設のインターホン設備を兼用する請求項1〜3の何れか1項に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項5】
前記親機は、前記充電装置の使用予約を管理する管理手段を更に備えた請求項1〜4の何れか1項に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項6】
前記管理手段は、前記子機の前記操作入力手段の操作に基づいて前記使用予約を管理すると共に、前記親機の操作入力手段によって使用開始を通知するための操作が行われた場合に、充電装置による充電を開始するように充電装置を更に管理する請求項5に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項7】
前記管理手段は、前記充電装置の充電が終了した場合に、前記子機の前記表示手段に前記利用状況として充電完了を表す表示を行うように更に子機の表示を制御する請求項5又は請求項6に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項8】
前記管理手段は、前記子機の表示手段に前記充電完了を表示した後に、前記親機の操作手段によって前記充電終了を通知するための操作が行われたところで前記充電装置の充電に関する処理を完了する請求項7に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項9】
前記管理手段は、使用履歴を更に記憶して、前記使用予約を管理する際に、該使用履歴に基づいて前記充電装置の予約の優先度を決定する請求項5に記載の集合住宅用充電システム。
【請求項10】
自動車に搭載された蓄電池への充電を外部からの指示で開始可能な充電装置と、
請求項1〜9の何れか1項に記載の集合住宅用充電システムと、
を備えた集合住宅。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−85072(P2013−85072A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222838(P2011−222838)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】