説明

集塵脱臭具

【課題】空気に含まれる塵埃を確実に捕集することができるとともに、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる集塵脱臭具を提供する。
【解決手段】集塵脱臭具10Aは、空気を通流させる空気流路を有して長さ方向へ延びる複数の中空部材から作られたハニカム構造の脱臭カートリッジ12と、脱臭カートリッジ12の長さ方向一端部に配置されたエアフィルタ13と、カートリッジ12およびエアフィルタ13を収納した収納ケース11とから形成されている。脱臭カートリッジ12を形成する中空部材の内周面全域には、臭気を吸着する活性炭と人工ゼオライト粉末と炭粉末とのうちの少なくとも1つが固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気路を流れる空気の塵埃を捕集するとともに、空気の臭気を除去する集塵脱臭具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の床下に設置された脱臭装置と、建物内の空気を脱臭装置に供給するとともに脱臭した後の空気を建物内に戻す循環路と、循環路に取り付けられた送風ファンとを備え、脱臭装置が、脱臭ケースと、折り曲げられた状態で脱臭ケースに収容された脱臭シートとから形成された脱臭システムがある(特許文献1参照)。この脱臭システムは、送風ファンによって建物内の空気が循環路を通って脱臭装置内に進入し、脱臭装置において脱臭された空気が循環路を通って再び建物内に流入する。この脱臭システムでは、脱臭シートが折り曲げられた状態で脱臭ケースに収納されているから、脱臭シートの脱臭面積を大きくすることができる。
【特許文献1】特開2006−122261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許公報に開示の脱臭システムは、脱臭シートが折り曲げられた状態で脱臭ケースに収納されているが、脱臭シートの折り曲げ方によってはシートが空気に対する抵抗となる。脱臭シートが空気抵抗になると、空気が脱臭装置内を円滑に流動することができないのみならず、脱臭装置内に空気の滞留空間が形成され、脱臭シートの一部が脱臭に利用されない。この脱臭システムは、脱臭シートの全域を脱臭に利用することができない場合があり、空気に含まれる臭気を十分に除去することができない場合がある。また、この脱臭システムは、空気に含まれる塵埃を除去することができないから、塵埃が脱臭シートに付着し易く、脱臭シートの脱臭機能が早期に低下してしまう場合がある。
【0004】
本発明の目的は、空気に含まれる塵埃を確実に捕集することができるとともに、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる集塵脱臭具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、通気路に着脱可能に設置され、前記通気路を流れる空気の塵埃を捕集しつつ、空気の臭気を除去する集塵脱臭具である。
【0006】
前記前提における本発明の特徴は、集塵脱臭具が、空気を通流させる空気流路を有して長さ方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、脱臭カートリッジの長さ方向両端部のうちの少なくとも一方に配置されたエアフィルタとから形成され、臭気を吸着する吸着式脱臭剤が中空部材の周面全域に担持されていることにある。
【0007】
本発明の一例としては、中空部材が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジが複数の中空部材の外周面どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている。
【0008】
本発明の他の一例としては、集塵脱臭具が長さ方向へ延びる収納ケースを含み、脱臭カートリッジが収納ケースの内部に着脱可能に収納され、エアフィルタが脱臭カートリッジの端部に隣接して収納ケースの内部に着脱可能に収納されている。
【0009】
本発明の他の一例として、収納ケースの内周面には、長さ方向へ延びる少なくとも2本の案内レールが形成され、集塵脱臭具では、脱臭カートリッジの外周面が案内レールに当接し、該カートリッジが該案内レールに支持される。
【0010】
本発明の他の一例として、吸着式脱臭剤には、活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つが使用されている。
【0011】
本発明の他の一例としては、中空部材の長さ方向の寸法が0.3〜1.5mの範囲、中空部材1本当たりの幅方向の断面積が0.5〜100cmの範囲にあり、脱臭カートリッジにおける中空部材の本数が30〜90本の範囲にある。
【0012】
本発明の他の一例としては、エアフィルタの初期圧力損失が60〜200Paの範囲にあり、空気流路を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる集塵脱臭具によれば、脱臭カートリッジが空気流路を有して長さ方向へ延びる複数の中空部材から作られ、中空部材の空気流路に空気の滞留空間が形成されることはなく、すべての中空部材の内周面全域を臭気の脱臭に利用することができるから、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる。集塵脱臭具は、脱臭カートリッジの長さ方向両端部のうちの少なくとも一方に配置されたエアフィルタが空気中の塵埃を捕集するから、空気に含まれる塵埃を確実に除去することができ、空気を清浄することができる。
【0014】
中空部材が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジがハニカム構造に形成された集塵脱臭具は、脱臭カートリッジをハニカム構造にすることで、カートリッジの座屈強度や圧縮強度が向上し、カートリッジが破損し難く、カートリッジが破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。集塵脱臭具は、中空部材が六角形に形成されることで、中空部材の周面の面積を最大にすることができ、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができる。この集塵脱臭具は、和紙から作られた中空部材が通気性と吸湿性とを有するから、隣接する中空部材間において空気が流通し、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を確実に吸着させることができるとともに、それら中空部材に空気中の湿気を吸着させることができる。
【0015】
脱臭カートリッジとエアフィルタとが収納ケースの内部に着脱可能に収納された集塵脱臭具は、所定期間使用した脱臭カートリッジをケースから取り出して交換することができるから、脱臭機能の低下したカートリッジを新しいそれと取り換えることで、脱臭装置における脱臭効率の低下を防ぐことができる。また、所定期間使用したエアフィルタをケースから取り出して交換することができるから、集塵機能の低下したエアフィルタを新しいそれと取り換えることで、脱臭具における塵埃捕集効率の低下を防ぐことができる。
【0016】
長さ方向へ延びる少なくとも2本の案内レールが収納ケースの内周面に形成され、脱臭カートリッジの外周面が案内レールに当接し、カートリッジが案内レールに支持される集塵脱臭具は、脱臭カートリッジが案内レールに支持されることで、収納ケース内におけるカートリッジの不要な動きを防ぐことができ、カートリッジを収納ケース内に確実に固定することができる。この集塵脱臭具は、脱臭カートリッジが収納ケース内で動くことによるカートリッジの破損を防ぐことができ、カートリッジが破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。
【0017】
吸着式脱臭剤として活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つが使用された集塵脱臭具は、活性炭や人工ゼオライト、炭の優れた脱臭機能を利用することで、中空部材の周面に担持された活性炭や人工ゼオライト、炭に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる。人工ゼオライトを使用した集塵脱臭具は、人工ゼオライトが優れた吸湿機能を有するから、それら人工ゼオライトに空気中の湿気を吸着させることができる。
【0018】
中空部材の長さ方向の寸法が0.3〜1.5mの範囲、中空部材1本当たりの幅方向の断面積が0.5〜100cmの範囲、脱臭カートリッジにおける中空部材の本数が30〜90本の範囲にある集塵脱臭具は、中空部材を通流する空気の中空部材における接触時間を長くすることができ、かつ、中空部材における空気の接触面積を大きくすることができるから、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる。
【0019】
エアフィルタの初期圧力損失が60〜150Paの範囲、空気流路を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲にある集塵脱臭具は、中空部材の両端部の少なくとも一方に配置されたエアフィルタが空気抵抗となり、空気が中空部材の内部を前記流速でゆっくりと流れるから、空気が中空部材の内部を瞬時に通過することはなく、中空部材を通流する空気の中空部材における接触時間を長くすることができる。この集塵脱臭具は、空気の中空部材における接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付の図面を参照し、本発明に係る集塵脱臭具の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、空気流入口17の側から見た一例として示す集塵脱臭具10Aの斜視図であり、図2は、空気流出口19の側から見た集塵脱臭具10Aの斜視図である。図3は、集塵脱臭具10Aの分解斜視図であり、図4は、収納ケース11の部分破断斜視図である。図5は、図1の5−5線矢視断面図であり、図6は、一例として示す脱臭カートリッジ12の斜視図である。図1,2では、長さ方向を矢印Aで示し、幅方向を矢印Bで示す。図4では、一方の案内レールの図示を省略している。集塵脱臭具10Aは、長さ方向へ延びる収納ケース11および脱臭カートリッジ12と、エアフィルタ13とから形成されている。
【0021】
収納ケース11は、プラスチックから作られ、長さ方向へ長い円筒状のケース本体14と、ケース本体14の長さ方向一端部15に取り付けられる円環状のキャップ16とから形成されている。ケース本体14は、その長さ方向一端部15に形成された空気流入口17と、長さ方向他端部18に形成された空気流出口19とを有する。ケース本体14の一端部15の外周面には、雄螺子20が作られている。ケース本体14の内部には、脱臭カートリッジ12やエアフィルタ13を収納する収納スペース21が画成されている。キャップ16の内周面には、雌螺子22が作られている。キャップ16は、その直径がケース本体14のそれよりもわずかに大きく、その雌螺子22を介してケース本体14の端部15に形成された雄螺子20に着脱可能に螺子止めされている。
【0022】
ケース本体14の内周面には、長さ方向へ延びる2本の案内レール23が形成されている。案内レール23は、ケース本体14の内周面において対向する位置に作られ、空気流入口17から空気流出口19に向かって互いに並行して直状に延びている。案内レール23は、一方の端部24がケース本体14の一端部15の長さ方向内方に位置し、他方の端部25がケース本体14の他端部18に位置している。なお、ケース本体14の形状を円筒状に限定するものではなく、ケース本体14が角筒状であってもよい。また、キャップ16の形状を円環状に限定するものではなく、キャップ16が角環状であってもよい。ケース本体14の内周面には、2本を超える案内レール23が形成されていてもよい。
【0023】
脱臭カートリッジ12は、図6に示すように、長さ方向へ延びる複数の中空部材26の集合物から作られている。カートリッジ12は、収納ケース11に画成された収納スペース21に取り外し可能に収納される。カートリッジ12は、ケース本体14の一端部15(空気流入口17)の側に位置する端部27と、ケース本体14の他端部18(空気流出口19)の側に位置する反対端部28とを有する。カートリッジ12は、図5に示すように、中空部材26の外周面29どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている。中空部材26は、和紙から作られ、正六角形の断面形状(幅方向の断面形状)を有する。中空部材26の内部には、空気が通過可能な直状に延びる空気流路30が画成されている。中空部材26の内周面31全域には、空気に含まれる臭気を吸着する吸着式脱臭剤(図示せず)が担持されている。
【0024】
中空部材26を作る和紙には、蛍光物質や重金属、インク成分を含まず、吸湿性および通気性に優れた楮紙や三椏紙、雁皮紙のいずれかを使用することができる。和紙には、それらの他に、イネ、竹、笹、カジノキ、アサ、麦、クワ、スギ、ヒノキ、クズ、パルプから作られた和紙を使用することもできる。パルプには、木材パルプ、ぼろパルプ、茎かんパルプ、靭皮パルプのうちの少なくとも1つを使用することができる。なお、中空部材は、和紙の他に、他の種類の紙から作られていてもよい。
【0025】
中空部材26の内周面31に担持された吸着式脱臭剤には、活性炭、人工ゼオライト粉末、粉状や粒状に粉砕した炭粉末、のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物が使用されている。活性炭は、ヤシガラ系の破砕状活性炭や石炭系の球状活性炭が使用され、その細孔径が5〜300Åにあり、優れた臭気吸着機能を有する。活性炭には、ヨウ素酸や無機酸を付着させて臭気のうちの塩基性成分、酸性成分、中性成分を同時に吸着する活性炭を使用することもできる。人工ゼオライトは、無水物である石炭灰をアルカリ水熱処理することから作られる。人工ゼオライト粉末は、その細孔径が5〜19Åの範囲、比表面積が100〜150m/grの範囲にあり、吸湿能力が20〜50%の範囲、吸油能力が1.3〜1.5倍の範囲にある。人工ゼオライト粉末は、細孔径や比表面積が前記範囲にあるから、優れた臭気吸着機能を有し、さらに、吸湿能力や吸油能力が前記範囲にあるから、優れた吸湿機能および吸油機能を有する。活性炭や人工ゼオライト粉末は、中空部材26の内周面31に接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0026】
炭粉末には、広葉樹から作られた中温炭粉末、広葉樹から作られた高温炭粉末、針葉樹から作られた中温炭粉末(活性化炭素)、針葉樹から作られた高温炭粉末(活性化炭素)、竹から作られた中低温炭粉末のいずれか1つまたはそれらの混合物を使用することができる。なお、炭粉末としては竹から作られた中低温炭粉末を使用することが好ましい。炭粉末は、高い臭気吸着機能を有する。炭粉末は、中空部材26の内周面31に接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0027】
エアフィルタ13には、機械式(濾過式)の中性能フィルタまたは高性能フィルタ、ヘパフィルタのうちのいずれかが使用されている。エアフィルタ13は、プラスチックから作られた円環状のフレーム32と、濾材33とから形成されている。濾材33は、フレーム32の内側に設置され、フレーム32に固定されている。中性能フィルタは、捕集対象粒子径が1〜10μm(比色法)の範囲、平均粒子捕集率が60%以上である。高性能フィルタは、捕集対象粒子径が1μm以下(計数法)、平均粒子捕集率が90%以上である。ヘパフィルタは、捕集対象粒子径が0.3μm以下(計数法)、平均粒子捕集率が99.97%以上である。エアフィルタ13は、初期圧力損失が60〜200Paの範囲にある。エアフィルタ13の初期圧力損失の好ましい範囲は、80〜150Paである。
【0028】
収納ケース11に脱臭カートリッジ12やエアフィルタ13を収納するには、キャップ16をケース本体14の一端部15から取り外してケース本体14の端部15を開け、カートリッジ12を端部15から収納スペース21に挿入する。カートリッジ12を収納スペース21に挿入する場合、カートリッジ12の外周面34が案内レール23の外面に当接し、カートリッジ12の外周面34が案内レール23の外面を摺動する。なお、案内レール23の上部35の断面形状は三角形に形成され、カートリッジ12の外周面34の三角形の凹み36に案配レール23の上部35が嵌り込む。カートリッジ12をケース本体14の収納スペース21に挿入した後は、エアフィルタ13をケース本体14の一端部15から収納スペース21に入れ、キャップ16をケース本体14の端部15に螺子止めする。収納スペース21では、ケース本体14の空気流入口17から空気流出口19に向かってエアフィルタ13、脱臭カートリッジ12の順で並んでいる。
【0029】
収納ケース11に収納された脱臭カートリッジ12は、その反対端部28の周縁がケース本体14の他端部18の内周縁の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。ケース11に収納されたエアフィルタ13は、脱臭カートリッジ12の端部27に隣接し、ケース本体14の一端部15における収納スペース21に位置する。エアフィルタ13は、そのフレーム32がキャップ16の内周縁の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。脱臭カートリッジ12は、その外周面34がそれら案内レール23に支持固定されることで、収納スペース21での動きが防止される。脱臭カートリッジ12やエアフィルタ13をケース11から取り外すには、キャップ16をケース本体14の一端部15から取り外してケース本体14の端部15を開け、カートリッジ12やフィルタ13を収納スペース21から抜き取る。カートリッジ12を収納スペース21から抜き取る場合、カートリッジ12の挿入時と同様に、カートリッジ12の外周面34が案内レール23の外面を摺動する。
【0030】
図7は、使用状態で示す図1の集塵脱臭具10Aの側面図である。図7では、空調装置の図示を省略している。図7では、空気の通過方向を矢印で示す。集塵脱臭具10Aは、空調装置につながる空調ダクト37(通気路)の給気路の内部に着脱可能に設置されている。集塵脱臭具10Aでは、空気流入口17が空調ダクト37の空気取り入れ口38に向かっている。空調装置のスイッチをONにすると、矢印L1で示すように、空気が空気取り入れ口38から空調ダクト37内に流入し、空調装置に向かって流動する。空調ダクト37に進入した空気は、空気流入口17から集塵脱臭具10Aの内部に流入し、エアフィルタ13を通って中空部材26の空気流路30に流入した後、空気排出口19から集塵脱臭具10Aの外側に排出され、再び空調ダクト37に戻る。
【0031】
集塵脱臭具10Aでは、60〜200Paの範囲の初期圧力損失を有するエアフィルタ13が使用され、フィルタ13の圧力損失がそこを通過する空気の抵抗となる。したがって、空調ダクト37を流れる空気の流速はフィルタ13の圧力損失によって低下し、フィルタ13を通過した空気はその流速が低下した状態で中空部材26の空気流路30に進入する。ゆえに、中空部材26の空気流路30を通過する空気の流速が空調ダクト37を流れる空気のそれよりも小さく、空気が空気流路30をゆっくりと通過する。
【0032】
集塵脱臭具10Aでは、エアフィルタ13の初期圧力損失を選定することで、中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲に調節されている。出力が大きい空調装置であって空調ダクト37を流れる空気の流速が大きい場合は初期圧力損失が大きなエアフィルタ13を使用し、出力が小さい空調装置であって空調ダクト37を流れる空気の流速が小さい場合は初期圧力損失が小さなエアフィルタ13を使用し、空気流路30を流れる空気の流速を0.1〜0.7m/secの範囲に設定する。なお、集塵脱臭具10Aと空調ダクト37との間には間隙39が形成され、集塵脱臭具10Aに進入しない空気は、矢印L2で示すように、集塵脱臭具10Aの外側を通過して空調装置に向かう。
【0033】
中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速が0.1m/sec未満では、空気流路30に空気の滞留空間が形成される場合があり、中空部材26の全域を脱臭に利用することができず、集塵脱臭具10Aにおける脱臭効率が低下する。また、エアフィルタ13の塵埃捕集効率が低下する。中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速が0.7m/secを超過すると、空気が空気流路30を素早く通過するから、中空部材26の内周面31(吸着式脱臭剤)に対する空気の接触度合いが不十分となる。したがって、中空部材26の内周面31に接触しない空気の割合が多くなり、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができない。
【0034】
集塵脱臭具10Aの内部では、空気に含まれる塵埃(たばこの煙、花粉、カビの粒子、排ガス、ハウスダスト等)がエアフィルタ13に捕集され、空気に含まれる臭気(アンモニア、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオン酸、ノルマル酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸等)が中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に吸着される。塵埃や臭気が取り除かれた空気は、図7に矢印L3で示すように、空気流出口19から集塵脱臭具10Aの外側に排出され、ダクト37内に流入する。この集塵脱臭具10Aは、すべての中空部材26の空気流路30を空気が流動するから、一部の中空部材26において空気が滞留することはない。なお、脱臭カートリッジ12やエアフィルタ13を所定期間使用した後は、そのカートリッジ12やそのフィルタ13をケース11から取り外し、新しいカートリッジ12やフィルタ13をケース11に収納する。
【0035】
集塵脱臭具10Aは、脱臭カートリッジ12が直状に延びる空気流路30を有する複数の中空部材26から作られ、中空部材26の空気流路30に空気の滞留空間が形成されることはなく、すべての中空部材26の内周面31全域を臭気の脱臭に利用することができる。集塵脱臭具10Aは、それを形成するエアフィルタ13が空気に含まれる塵埃を捕集するから、空気を清浄することができることはもちろん、塵埃が取り除かれた空気が中空部材26の空気流路30に進入するから、中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に塵埃が付着することによるそれらの脱臭機能の低下を防ぐことができるとともに、脱臭カートリッジ12の有効使用期間を延ばすことができる。
【0036】
集塵脱臭具10Aは、エアフィルタ13の空気抵抗を利用することで、脱臭カートリッジ12の端部27から反対端部28に向かって空気がゆっくりと流動するから、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間を長くすることができ、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができる。集塵脱臭具10Aは、カートリッジ12の脱臭機能を最大限に利用することで、集塵脱臭具10Aにおける脱臭効率を向上させることができ、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる。
【0037】
集塵脱臭具10Aでは、中空部材26が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジ12がハニカム構造に形成されているから、カートリッジ12の座屈強度や圧縮強度が向上し、カートリッジ12が破損し難く、カートリッジ12が破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。集塵脱臭具10Aは、中空部材26が六角形に形成されることで、中空部材26の内周面31の面積を最大にすることができ、それら中空部材26の面を臭気の脱臭に有効に利用することができる。集塵脱臭具10Aは、和紙から作られた中空部材26が通気性と吸湿性とを有するから、隣接する中空部材26間において空気が流通し、空気に含まれる臭気をそれら中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末の全域に確実に吸着させることができるとともに、それら中空部材26に空気中の湿気を吸着させることができる。
【0038】
集塵脱臭具10Aは、所定期間使用して塵埃捕集機能が低下したエアフィルタ13をケース11から取り出して交換することができるから、古いフィルタ11を新しいそれと取り換えることで、集塵脱臭具10Aにおける塵埃捕集効率の低下を防ぐことができる。また、脱臭機能の低下した脱臭カートリッジ12をケース11から取り出して交換することができるから、古いカートリッジ12を新しいそれと取り換えることで、集塵脱臭具10Aにおける脱臭効率の低下を防ぐことができる。
【0039】
集塵脱臭具10Aでは、脱臭カートリッジ12を形成する中空部材26の長さ方向の寸法が0.3〜1.5mの範囲、好ましくは、0.5〜1.0mの範囲にあり、中空部材26の1本当たりの幅方向の断面積が0.5〜100cmの範囲、好ましくは、1〜25cmの範囲にある。また、脱臭カートリッジ12における中空部材26の本数が30〜90本の範囲、好ましくは、40〜60本の範囲にある。中空部材26の長さ方向の寸法が0.3m未満であって中空部材26の1本当たりの幅方向の断面積が100cmを超過すると、中空部材26の内周面31(吸着式脱臭剤)に対する空気の接触度合いが不十分となり、中空部材26の内周面31に接触しない空気の割合が多くなるから、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができない。
【0040】
図8は、収納ケース11を除いた状態で示す他の一例の集塵脱臭具10Bの分解斜視図である。この集塵脱臭具10Bは、長さ方向へ延びる収納ケース11と、同形同大の第1脱臭カートリッジ12Aおよび第2脱臭カートリッジ12Bと、同形同大の第1エアフィルタ13Aおよび第2エアフィルタ13Bとから形成されている。この集塵脱臭具10Bの収納ケース11は、図1の集塵脱臭具10Aのそれよりも長さ寸法が大きい点を除き、その他の構成は図1の集塵脱臭具10Aの収納ケース11と同一である。ゆえに、この集塵脱臭具10Bの収納ケース11については、図1と同一の符号を付すことで、その説明は省略する。
【0041】
第1および第2脱臭カートリッジ12A,12Bは、図1の集塵脱臭具10Aのそれと同様に、長さ方向へ延びる複数の中空部材26の集合物から作られ、ケース本体14の一端部15(空気流入口17)の側に位置する端部27と、ケース本体14の他端部18(空気流出口19)の側に位置する反対端部28とを有する。それらカートリッジ12A,12Bは、中空部材26の外周面29どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている。中空部材26は、図1のそれと同様に和紙または他の種類の紙から作られ、正六角形の断面形状(幅方向の断面形状)を有する。
【0042】
第1脱臭カートリッジ12Aを形成する中空部材26の内周面31全域には、人工ゼオライト粉末が接着剤(図示せず)を介して固着されている。第2脱臭カートリッジ12Bを形成する中空部材26の内周面31全域には、活性炭と炭粉末とのうちのいずれか一方またはそれらの混合物が接着剤(図示せず)を介して固着されている。なお、活性炭や炭粉末、人工ゼオライト粉末は、図1の集塵脱臭具10Aに使用されているそれらと同一である。それら脱臭カートリッジ12A,12Bを形成する中空部材26の長さ方向の寸法は0.3〜1.5mの範囲、好ましくは、0.5〜1.0mの範囲にあり、中空部材26の1本当たりの幅方向の断面積は0.5〜100cmの範囲、好ましくは、1〜25cmの範囲にある。また、それら脱臭カートリッジ12A,12Bにおける中空部材26の本数は30〜90本の範囲、好ましくは、40〜60本の範囲にある。
【0043】
第1エアフィルタ13Aには、図1の集塵脱臭具10Aのそれと同様に、機械式(濾過式)の中性能フィルタまたは高性能フィルタ、ヘパフィルタのうちのいずれかが使用されている。第2エアフィルタ13Bには、機械式(濾過式)の粗塵フィルタが使用されている。それらエアフィルタ13A,13Bは、プラスチックから作られた円環状のフレーム32と、濾材33とから形成されている。濾材33は、フレーム32の内側に設置され、フレーム32に固定されている。粗塵フィルタは、捕集対象粒子径が10〜100μm(質量法)の範囲、平均粒子捕集率が50%以上である。第1エアフィルタ13Aは、初期圧力損失が60〜200Paの範囲、好ましくは、80〜150Paの範囲にある。
【0044】
収納ケース11に脱臭カートリッジ12A,12Bやフィルタ13A,13Bを収納するには、キャップ16をケース本体14の一端部15から取り外してケース本体14の端部15を開け、第1脱臭カートリッジ12A、第2脱臭カートリッジ12Bの順でそれらをケース本体14の一端部15から収納スペース21に挿入した後、第1エアフィルタ13A、第2エアフィルタ13Bの順でそれらをケース本体14の一端部15から収納スペース21に入れ、キャップ16をケース本体14の端部15に螺子止めする。
【0045】
収納ケース11に収納された第1脱臭カートリッジ12Aは、その反対端部28の周縁がケース本体14の他端部18の内周縁の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。ケース11に収納された第1および第2エアフィルタ13A,13Bは、第2脱臭カートリッジ12Bの端部27に隣接し、ケース本体14の一端部15における収納スペース21に位置する。第2エアフィルタ13Bは、そのフレーム32がキャップ16の内周縁の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。
【0046】
収納スペース21では、カートリッジ12A,12Bの外周面34の三角形の凹み36に案配レール23の上部35が嵌り込み、脱臭カートリッジ12の外周面34がそれら案内レール23に支持固定される。この集塵脱臭具10Bでは、それらカートリッジ12A,12Bを収納スペース21に挿入するときに、案内レール23によってそれらカートリッジ12A,12Bの挿入方向が一定するとともにそれらカートリッジ12A,12Bの姿勢が一定する。ゆえに、それらカートリッジ12A,12Bを収納スペース21に挿入すると、カートリッジ12Aを形成するそれら中空部材26の空気流路30とカートリッジ12Bを形成するそれら中空部材26の空気流路30とが互いに一致した状態で、カートリッジ12Aの反対端部28とカートリッジ12Bの端部27とが当接する。換言すると、それらカートリッジ12A,12Bを収納スペース21に挿入したときに、それらカートリッジ12A,12Bを形成する中空部材26の空気流路30が一直線につながり、一方のカートリッジが他方のカートリッジの空気流動の邪魔をすることはない。
【0047】
収納スペース21では、ケース本体14の空気流入口17から空気流出口19に向かって、第2エアフィルタ13B、第1エアフィルタ13A、第2脱臭カートリッジ12B、第1脱臭カートリッジ12Aの順でそれらが並んでいる。それらカートリッジ12A,12Bやそれらフィルタ13A,13Bをケース11から取り外すには、キャップ16をケース本体14の一端部15から取り外してケース本体14の端部15を開け、カートリッジ12A,12Bやフィルタ13A,13Bを収納スペース21から抜き取る。
【0048】
図9は、使用状態で示す図8の集塵脱臭具10Bの側面図である。図9では、空調装置の図示を省略している。図9では、空気の通過方向を矢印で示す。この集塵脱臭具10Bは、空調装置につながる空調ダクト37(通気路)の給気路の内部に着脱可能に設置されている。集塵脱臭具10Bでは、空気流入口17が空調ダクト37の空気取り入れ口38に向かっている。空調装置のスイッチをONにすると、矢印L1で示すように、空気が空気取り入れ口38から空調ダクト37内に流入し、空調装置に向かって流動する。空調ダクト37に進入した空気は、空気流入口17から集塵脱臭具10Bの内部に流入し、第2エアフィルタ13Bを通過した後、第1エアフィルタ13Aを通過し、第2脱臭カートリッジ12Bを形成する中空部材26の空気流路31を通った後、第1脱臭カートリッジ12Aを形成する中空部材26の空気流路31を通り、空気排出口19から集塵脱臭具10Bの外側に排出され、再び空調ダクト37に戻る。
【0049】
この集塵脱臭具10Bでは、60〜200Paの範囲の初期圧力損失を有する第1エアフィルタ12Aが使用され、フィルタ12Aの圧力損失がそこを通過する空気の抵抗となる。したがって、空調ダクト37を流れる空気の流速はフィルタ12Aの圧力損失によって低下し、フィルタ12Aを通過した空気はその流速が低下した状態で中空部材26の空気流路31に進入する。ゆえに、中空部材26の空気流路31を通過する空気の流速が空調ダクト37を流れる空気のそれよりも小さく、空気が空気流路31をゆっくりと通過する。集塵脱臭具10Bでは、第1エアフィルタ12Aの初期圧力損失を選定することで、空気流路31を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲に調節されている。なお、集塵脱臭具10Bと空調ダクト37との間には間隙39が形成され、集塵脱臭具10Bに進入しない空気は、矢印L2で示すように、集塵脱臭具10Bの外側を通過して空調装置に向かう。
【0050】
集塵脱臭具10Bの内部では、空気に含まれる粗大な塵埃が第1エアフィルタ13Aに捕集され、空気に含まれる微細な塵埃(たばこの煙、花粉、カビの粒子、排ガス、ハウスダスト等)が第2エアフィルタ13Bに捕集さる。また、空気に含まれる臭気(アンモニア、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオン酸、ノルマル酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸等)は、第2脱臭カートリッジ12Bを形成する中空部材26の内周面31に固着された活性炭や炭粉末に吸着されるとともに、第1脱臭カートリッジ12Aを形成する中空部材26の内周面31に固着された人工ゼオライト粉末に吸着される。第1脱臭カートリッジ12Aでは、臭気の除去の他に、人工ゼオライト粉末が重金属や六価クロム、ダイオキシン、PCB等の有害物質を吸着する。
【0051】
塵埃や臭気が取り除かれた空気は、図8に矢印L3で示すように、空気流出口19から集塵脱臭具10Bの外側に排出され、ダクト37内に流入する。この集塵脱臭具10Bは、すべての中空部材26の空気流路30を空気が流動するから、一部の中空部材26において空気が滞留することはない。なお、脱臭カートリッジ12A,12Bやエアフィルタ13A,13Bを所定期間使用した後は、そのカートリッジ12A,12Bやそのフィルタ13A,13Bをケース11から取り外し、新しいカートリッジ12A,12Bやフィルタ13A,13Bをケース11に収納する。
【0052】
集塵脱臭具10Bは、第1および第2脱臭カートリッジ12A,12Bが直状に延びる空気流路30を有する複数の中空部材26から作られ、中空部材26の空気流路30に空気の滞留空間が形成されることはなく、すべての中空部材26の内周面31全域を臭気の脱臭に利用することができる。集塵脱臭具10Bは、それを形成する第1および第2エアフィルタ13A,13Bが空気に含まれる塵埃を捕集するから、空気を清浄することができることはもちろん、塵埃が取り除かれた空気が中空部材26の空気流路30に進入するから、中空部材26の内周面31に固着された活性炭や炭粉末、人工ゼオライト粉末に塵埃が付着することによるそれらの脱臭機能の低下を防ぐことができる。また、第2脱臭カートリッジ12Bによって粗塵が取り除かれるから、第1脱臭カートリッジ12Aに粗塵が付着することはなく、第1脱臭カートリッジ12Aに粗塵が付着することによるカートリッジ12Aの塵埃捕集効率の低下を防ぐことができる。
【0053】
集塵脱臭具10Bは、エアフィルタ13Aの空気抵抗を利用することで、第1および第2脱臭カートリッジ12A,12Bの端部27から反対端部28に向かって空気がゆっくりと流動するから、中空部材26の内周面31(吸着式脱臭剤)に対する空気の接触時間を長くすることができ、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や炭粉末、人工ゼオライト粉末に十分に吸着させることができる。集塵脱臭具10Bは、第1および第2カートリッジ12A,12Bの脱臭機能を最大限に利用することで、集塵脱臭具10Bにおける脱臭効率を向上させることができ、空気に含まれる臭気を確実に除去することができる。
【0054】
それら図示の集塵脱臭具10A,10Bは、空調装置につながる空調ダクト37(通気路)の給気路の内部に設置されているが、空調装置につながる空調ダクト37(通気路)の排気路の内部に設置することもでき、空調装置が設置されていない通気ダクト(通気路)に設置することもできる。それら図示の集塵脱臭具10A,10Bでは、第1および第2脱臭カートリッジ12A,12Bを形成する中空部材26の断面形状が正六角形であるが、中空部材26の断面形状を正六角形に限定するものではなく、中空部材26の断面形状を正三角形や正四角形、正円形にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一端部の側から見た一例として示す集塵脱臭具の斜視図。
【図2】他端部の側から見た集塵脱臭具の斜視図。
【図3】集塵脱臭具の分解斜視図。
【図4】収納ケースの部分破断斜視図。
【図5】図1の5−5線矢視断面図。
【図6】一例として示す脱臭カートリッジの斜視図。
【図7】使用状態で示す図1の集塵脱臭具の側面図。
【図8】収納ケースを除いた状態で示す他の一例の集塵脱臭具の分解斜視図。
【図9】使用状態で示す図7の集塵脱臭具の側面図。
【符号の説明】
【0056】
10A 集塵脱臭具
10B 集塵脱臭具
11 収納ケース
12 脱臭カートリッジ
12A 第1脱臭カートリッジ
12B 第2脱臭カートリッジ
13 エアフィルタ
13A 第1エアフィルタ
13B 第2エアフィルタ
14 ケース本体
16 キャップ
17 空気流入口
19 空気流出口
21 収納スペース
23 案内レール
26 中空部材
30 空気流路
31 内周面
32 フレーム
33 濾材
37空調ダクト(通気路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気路に着脱可能に設置され、前記通気路を流れる空気の塵埃を捕集しつつ、前記空気の臭気を除去する集塵脱臭具において、
前記集塵脱臭具が、前記空気を通流させる空気流路を有して長さ方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、前記脱臭カートリッジの長さ方向両端部のうちの少なくとも一方に配置されたエアフィルタとから形成され、前記臭気を吸着する吸着式脱臭剤が、前記中空部材の周面全域に担持されていることを特徴とする集塵脱臭具。
【請求項2】
前記中空部材が、和紙から作られて六角形の断面形状を有し、前記脱臭カートリッジが、前記複数の中空部材の外周面どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている請求項1記載の集塵脱臭具。
【請求項3】
前記集塵脱臭具が、前記長さ方向へ延びる収納ケースを含み、前記脱臭カートリッジが、前記ケースの内部に着脱可能に収納され、前記エアフィルタが、前記脱臭カートリッジの端部に隣接して前記ケースの内部に着脱可能に収納されている請求項1または請求項2に記載の集塵脱臭具。
【請求項4】
前記収納ケースの内周面には、前記長さ方向へ延びる少なくとも2本の案内レールが形成され、前記集塵脱臭具では、前記脱臭カートリッジの外周面が前記案内レールに当接し、該カートリッジが該案内レールに支持される請求項3記載の集塵脱臭具。
【請求項5】
前記吸着式脱臭剤には、活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つが使用されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の集塵脱臭具。
【請求項6】
前記中空部材の長さ方向の寸法が、0.3〜1.5mの範囲、前記中空部材1本当たりの幅方向の断面積が、0.5〜100cmの範囲にあり、前記脱臭カートリッジにおける前記中空部材の本数が、30〜90本の範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載の集塵脱臭具。
【請求項7】
前記エアフィルタの初期圧力損失が、60〜200Paの範囲にあり、前記空気流路を流れる空気の流速が、0.1〜0.7m/secの範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の集塵脱臭具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−18104(P2009−18104A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184580(P2007−184580)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(502228247)株式会社アールデック (8)
【出願人】(507227522)有限会社 塚本電設 (2)
【Fターム(参考)】