説明

集束管

【課題】施工現場での手間や労力を削減することができ、輸送時や施工時の作業性を向上させることができる集束管を提供することを課題とする。
【解決手段】ケーブルが挿通される鞘管5と、該鞘管5が挿通される鞘管ダクトスリーブ6と、該鞘管ダクトスリーブ6が挿通されるボディ管7Aと、該鞘管ダクトスリーブ6を該ボディ管7Aに固定するための固定板11Aとを有しており、ハンドホール1の側壁2に設けられたボディ管ダクトスリーブ3に一端が接続され、該ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側では該鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7Aから突出しており、該ボディ管7Aには該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が設けられている集束管4Aを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドホールのボディ管ダクトスリーブに接続される集束管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドホールの貫通孔にさや管を挿通する通信用管路とハンドホールとの接続構造として、本体管を摺動可能に挿入できかつ奥部が段付き面とされた管受け口を有する本体管用ダクトスリーブがハンドホールに固定されており、さや管のそれぞれが摺動可能に挿通される複数のさや管用ダクトスリーブが束ねられてその一端部(本体管用ダクトスリーブに接続される側の一端部)が結束具で結束され、結束されたさや管用ダクトスリーブ束の管端部が本体管用ダクトスリーブ内に挿入されるとともに、本体管が本体管用ダクトスリーブ内に摺動可能に挿入されており、さや管用ダクトスリーブ束を結束する結束具が本体管の管端面と本体管用ダクトスリーブの奥部の段付き面との間に移動可能に配置されているものが提供されている(特許文献1参照)。
【0003】
また従来、電力または通信用のケーブル保護管継手として、外管内に複数本の内管が挿入されており、外管内には内管固定材が設けられ、複数本の内管が内管固定材により外管内において固定されているケーブル保護管継手であって、該内管が該外管から突出しており、また、該内管固定材が該マンホールの接続口(他のリブ付き管)に接続される側に取り付けられているものが提供されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−282891号公報(第3−7頁、第1図)
【特許文献2】特開2000−50477号公報(第3−4頁、第6−10図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の通信用管路とハンドホールとの接続構造では、本体管とさや管用ダクトスリーブをそれぞれ施工現場に搬入し、施工現場において、さや管用ダクトスリーブを束ねてその一端部を結束具で結束した後、該さや管用ダクトスリーブ束の管端部を本体管用ダクトスリーブに挿入するとともに、該本体管を本体管用ダクトスリーブに挿入するという組立て作業を行う必要があるため、施工現場で多大な手間や労力を要するという問題があった。
また、本体管用ダクトスリーブに接続される側の一端部に結束具が取り付けられているので、本体管用ダクトスリーブに接続される側で結束具から突出しているさや管用ダクトスリーブの突出部分の長さが短くなり、そのため、該さや管用ダクトスリーブに外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合には、該さや管用ダクトスリーブの突出部分が撓みにくいので、及ぼされた外力を十分吸収することができず、該さや管用ダクトスリーブが破損してしまうおそれがあるという問題があった。
更に、本体管用ダクトスリーブに接続される側とは反対側には結束具が取り付けられていないので、本体管用ダクトスリーブに接続される側とは反対側ではさや管用ダクトスリーブの位置が安定せず、該さや管用ダクトスリーブにさや管を挿入するときの作業性が低下するという問題があった。
【0006】
一方、上記従来のケーブル保護管継手では、内管が外管から突出しているため、該ケーブル保護管継手の施工現場への輸送の際や施工現場での該ケーブル保護管継手の取り回しの際などに、該内管が障害物等に衝突・接触等して破損するおそれがあるという問題があった。
また、マンホールの接続口(他のリブ付き管)に接続される側に内管固定材が取り付けられているので、マンホールの接続口(他のリブ付き管)に接続される側で内管固定材から突出している内管の突出部分の長さが短くなり、そのため、該内管に外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合には、該内管の突出部分が撓みにくいので、及ぼされた外力を十分吸収することができず、該内管が破損してしまうおそれがあるという問題があった。
更に、マンホールの接続口(他のリブ付き管)に接続される側とは反対側には内管固定材が取り付けられていないので、マンホールの接続口(他のリブ付き管)に接続される側とは反対側では内管の位置が安定せず、該内管に単管を接続するときの作業性が低下するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、ケーブルを挿通可能な鞘管5が挿通される鞘管ダクトスリーブ6と、該鞘管ダクトスリーブ6が挿通されるボディ管7A,7Bと、該鞘管ダクトスリーブ6を該ボディ管7A,7Bに固定するための固定板11A,11Bとを有しており、ハンドホール1の側壁2に設けられたボディ管ダクトスリーブ3に一端が接続される集束管4A,4Bにおいて、該ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側では該鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7A,7Bから突出しており、該ボディ管7A,7Bには該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が設けられている集束管4A,4Bを提供するものである。
該カバー15の外径は、該ボディ管7A,7Bの外径よりも小さく設定されていることが望ましい。
また、該カバー15の内径は、該鞘管ダクトスリーブ6を中央に集束させた鞘管ダクトスリーブ集束物19の外径と略等しく設定されていることが望ましい。
更に、該固定板11A,11Bは、該ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側において、該ボディ管7A,7Bの内部に取り付けられていることが望ましい。
また更に、該カバー15は、該ボディ管7A,7Bとは別体とされていることが望ましい。
この場合、該カバー15の外周部の所定箇所には、該ボディ管7A,7Bの一端が突き当たって係止される係止突部16が設けられており、該係止突部16の外径は、該ボディ管7A,7Bの一端の外径と等しく設定されていることが望ましい。
また、該ボディ管7A,7Bの内周面の所定箇所にはテーパ面12が設けられており、該固定板11A,11Bの外周部には該ボディ管7A,7Bのテーパ面12に対応した形状のテーパ部14が設けられていることが望ましい。
更に、該カバー15の内部において、中央に集束された該鞘管ダクトスリーブ6の周囲の隙間には緩衝材22が充填されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の集束管4A,4Bでは、鞘管ダクトスリーブ6が固定板11A,11Bによってボディ管7A,7Bに固定されているので、予め工場等で組み立てられた集束管4A,4Bを施工現場に搬入するだけで済み、施工現場で組立て作業を行う必要がない。そのため、施工現場での手間や労力を削減することができる。
また本発明では、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側で鞘管ダクトスリーブ6がボディ管7A,7Bから突出しているので、ボディ管ダクトスリーブ3の一端側(ハンドホール1側)の内径が他端側(集束管4A,4B側)の内径(=ボディ管7A,7Bの外径)よりも小さく設定されている場合、すなわちボディ管ダクトスリーブ3がハンドホール1側を絞った形状とされておりボディ管7A,7Bをハンドホール1の内部まで挿入できない場合であっても、集束管4A,4Bの一端側を該ボディ管ダクトスリーブ3に挿入して、該ボディ管7A,7Bから突出した鞘管ダクトスリーブ6にハンドホール1の内部で接続作業を行うことができる。
更に本発明では、ボディ管7A,7Bに鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が設けられているので、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分は該カバー15によって常に保護されており、集束管4A,4Bの施工現場への輸送の際や施工現場での集束管4A,4Bの取り回しの際などに、該鞘管ダクトスリーブ6が障害物等に衝突・接触等して破損することがない。その上、カバー15の部分を持って集束管4A,4Bの輸送や取り回しをすることができるため、輸送時や施工時の作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施例1および実施例2により詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明を図1〜図6に示す一実施例によって説明する。
図1および図6に示すように、ハンドホール1の側壁2に設けられたボディ管ダクトスリーブ3に一端が接続される集束管4Aは、一本または複数本のケーブル(図示せず)を内部にそれぞれ挿通可能な複数本の鞘管5が各一本ずつ内部にそれぞれ挿通される複数本の鞘管ダクトスリーブ6と、該複数本の鞘管ダクトスリーブ6が内部に挿通される一本のボディ管7Aとを有している。
本実施例では、該ボディ管7Aの他端側(図1における右側)には、ゴム輪受口8が形成されている。すなわち、該ボディ管7Aの他端側は若干拡径されて受口が形成されており、該受口の内周面にはゴム輪嵌着溝9が設けられ、該ゴム輪嵌着溝9にはゴム輪10が嵌着されている。
なお本実施例では、ハンドホール1のボディ管ダクトスリーブ3の他端側にも、ボディ管7Aの他端側と同様なゴム輪受口8’が形成されている。
【0011】
ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側(ボディ管7Aの他端側)において、該ボディ管7Aの内部には、鞘管ダクトスリーブ6を該ボディ管7Aに固定するための固定板11Aが取り付けられている(図1参照)。
そして、固定板11Aの取付け位置において、該ボディ管7Aの内周面にはテーパ面12が設けられている。本実施例では、該固定板11Aの取付け位置(すなわちテーパ面12の位置)はゴム輪受口8の一端側(図1における左側)に設定されている。
【0012】
図2および図5に示すように、該固定板11Aには、複数本の鞘管ダクトスリーブ6をそれぞれ挿通するための複数個の挿通孔13が設けられており、また、該固定板11Aの外周部には、該ボディ管7Aの内周面のテーパ面12に対応した形状のテーパ部14が全周にわたって設けられている。
本実施例では、固定板11Aに設けられる挿通孔13は、固定板11A全体に分散して配置されている。(図2参照)
【0013】
一方、該ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側(ボディ管7Aの一端側)では、該鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7Aから突出した状態とされている。そして、該ボディ管7Aの一端側(図1における左側)には、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が取り付けられている(図1および図3参照)。
【0014】
図1および図4に示すように、該カバー15の外周部の中央部には、該ボディ管7Aの先端(一端)が突き当たって係止される係止突部16が全周にわたってフランジ状に形成されている。そして、該カバー15の中央部よりも一端側は、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うためのカバー部17とされており、該カバー15の中央部によりも他端側は、該カバー15を該ボディ管7Aに挿着するための挿入部18とされている。
【0015】
本実施例では、該カバー15のカバー部17の外径は、該ボディ管7Aの外径よりも小さく設定されており、かつ、ボディ管ダクトスリーブ3の最も細い部分の内径よりも小さく設定されている(図1参照)。
一方、該カバー15のカバー部17の内径は、ボディ管7Aの内径よりも小さく設定されており、かつ、該鞘管ダクトスリーブ6を中央に集束させた鞘管ダクトスリーブ集束物19の外径と略等しく設定されている(図3参照)。
【0016】
該ボディ管7Aの一端の外周面には先端テーパ面20が形成されており、該カバー15の係止突部16の外径は、該ボディ管7Aの先端テーパ面20の一端(先端)の外径と等しく設定されている。
すなわち、カバー15の係止突部16の外周面とボディ管7Aの一端の外周面とは段差のない連続面とされており、該連続面は一端側に向けて細くなるように傾斜した連続テーパ面21とされている。そのため、集束管4Aをボディ管ダクトスリーブ3に挿入する際に引っ掛かりが生じることがなく、集束管4Aをボディ管ダクトスリーブ3に円滑に挿入することができるようにされている(図1および図6参照)。
【0017】
該カバー15は、該ボディ管7Aとは別体とされており、該カバー15の肉厚は、ボディ管7Aの肉厚よりも薄く設定されている(図1参照)。そのため、カバー15の内径をより大きく確保することができ、より多くの鞘管ダクトスリーブ6を収容することができるように構成されている。
また、該カバー15の内部において、中央に集束された複数本の鞘管ダクトスリーブ6の周囲の隙間には緩衝材22が充填されている(図3参照)。
【0018】
本実施例では、鞘管ダクトスリーブ6、ボディ管7A、固定板11A、カバー15の材料として、例えば塩化ビニル等の合成樹脂が使用されている。
【0019】
上記の集束管4Aを工場等で組み立てる場合には、まず、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側において、カバー15の挿入部18を一端側(図1における左側)からボディ管7Aの内部に挿入して、該カバー15の係止突部16に該ボディ管7Aの先端を突き当てて係止させて位置決めし、該カバー15の挿入部18の外周面と該ボディ管7Aの一端側の内周面とを接着して、ボディ管7Aとカバー15とを固定する(図1参照)。
【0020】
それと同時に、複数本の鞘管ダクトスリーブ6を固定板11Aの複数個の挿通孔13にそれぞれ挿通し、該鞘管ダクトスリーブ6を該固定板11Aの挿通孔13に接着して、該鞘管ダクトスリーブ6と該固定板11Aとを固定する。
そして、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側において、該鞘管ダクトスリーブ6が挿通固定された固定板11Aを他端側(図1における右側)からボディ管7Aの内部に挿入して、該固定板11Aの外周部のテーパ部14と該ボディ管7Aの内周面のテーパ面12とを当接させて位置決めし、該固定板11Aのテーパ部14を該ボディ管7Aのテーパ面12に接着して、該固定板11Aと該ボディ管7Aとを固定する(図1参照)。
このようにして組み立てられた鞘管ダクトスリーブ6を施工現場に搬入する。
【0021】
そして、施工現場に搬入された鞘管ダクトスリーブ6を用いて施工作業をする場合には、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側において、集束管4Aを一端側(図6における左側)からボディ管ダクトスリーブ3のゴム輪受口8’の内部に挿入して、該ボディ管7Aから突出した鞘管ダクトスリーブ6にハンドホール1の内部で接続作業を行う。
一方、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側においては、該複数本の鞘管ダクトスリーブ6にそれぞれ各一本ずつ鞘管5をそれぞれ接続するとともに、該ボディ管7Aのゴム輪受口8に他のボディ管23の挿口24を挿入して接続する(図6参照)。
【0022】
上記のように、本実施例の集束管4Aでは、鞘管ダクトスリーブ6が固定板11Aによってボディ管7Aに固定されているので、予め工場等で組み立てられた集束管4Aを施工現場に搬入するだけで済み、施工現場で組立て作業を行う必要がない。そのため、施工現場での手間や労力を削減することができる。
また、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側で鞘管ダクトスリーブ6がボディ管7Aから突出しているので、ボディ管ダクトスリーブ3の一端側(ハンドホール1側)の内径が他端側(集束管4A側)の内径(=ボディ管7Aの外径)よりも小さく設定されている場合、すなわちボディ管ダクトスリーブ3がハンドホール1側を絞った形状とされておりボディ管7Aをハンドホール1の内部まで挿入できない場合であっても、集束管4Aの一端側を該ボディ管ダクトスリーブ3に挿入して、該ボディ管7Aから突出した鞘管ダクトスリーブ6にハンドホール1の内部で接続作業を行うことができる。
更に、ボディ管7Aに鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が設けられているので、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分は該カバー15によって常に保護されており、集束管4Aの施工現場への輸送の際や施工現場での集束管4Aの取り回しの際などに、該鞘管ダクトスリーブ6が障害物等に衝突・接触等して破損することがない。その上、カバー15のカバー部17の部分を持って集束管4Aの輸送や取り回しをすることができるため、輸送時や施工時の作業性を向上させることができる。
【0023】
本実施例では、カバー15の外径がボディ管7Aの外径よりも小さく設定されているので、ボディ管ダクトスリーブ3の一端側(ハンドホール1側)の内径が他端側(集束管4A側)の内径(=ボディ管7Aの外径)よりも小さく設定されている場合、すなわちボディ管ダクトスリーブ3がハンドホール1側を絞った形状とされておりボディ管7Aをハンドホール1の内部まで挿入できない場合であっても、該カバー15を取り付けた状態で集束管4Aの一端側(カバー15側)を該ボディ管ダクトスリーブ3に挿入することができ、ハンドホール1の内部で接続作業を行うことができる(図6参照)。
【0024】
また、カバー15の内径が鞘管ダクトスリーブ6を中央に集束させた鞘管ダクトスリーブ集束物19の外径と略等しく設定されているので、ボディ管ダクトスリーブ3に接続する側で複数本の鞘管ダクトスリーブ6が該カバー15によって束ねられ、該鞘管ダクトスリーブ6のぐらつきが防止される。したがって、ハンドホール1の内部で該鞘管ダクトスリーブ6の一端に鞘管5を挿入する場合等の作業性を向上させることができる。
更に、集束管4Aに外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合に、該集束管4Aは該ボディ管ダクトスリーブ3に対して水平方向に進退することとなるが(図6参照)、該カバー15によって複数本の鞘管ダクトスリーブ6が結束されているので、該鞘管ダクトスリーブ6の先端(一端)の位置が安定する。
また更に、複数本の鞘管ダクトスリーブ6が該カバー15によって束ねられているので、ボディ管ダクトスリーブ3に接続する側に固定板11Aをもう一つ取り付ける必要がなく、その分だけ製造コストを低く抑えることができる。
【0025】
更に、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側において、ボディ管7Aの内部に固定板11Aが取り付けられているので、該固定板11Aによって該複数本の鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7Aに固定され、該鞘管ダクトスリーブ6のぐらつきが防止される。したがって、該鞘管ダクトスリーブ6の他端に鞘管5を挿入する場合等の作業性が向上する。
また、集束管4Aに外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合に、該集束管4Aは該ボディ管ダクトスリーブ3に対して水平方向に進退することとなるが(図6参照)、該固定板11Aによって複数本の鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7Aに固定されているので、該鞘管ダクトスリーブ6の先端(他端)の位置が安定する。
更に、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側において、ボディ管7Aの内部に固定板11Aが取り付けられているので、該固定板11Aから該鞘管ダクトスリーブ6の突出部分までの長さを十分に長く確保することができ、該鞘管ダクトスリーブ6が撓みやすくなる。そのため、該集束管4Aに外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合には、該鞘管ダクトスリーブ6が撓むことにより、及ぼされた外力を十分吸収することができ、該鞘管ダクトスリーブ6が破損しにくくなる。
また更に、ボディ管7Aの内部に固定板11Aを取り付けることによって、ボディ管7Aの内部に鞘管ダクトスリーブ6のおける配置を、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側(一端側)では中心部に集中させる一方、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側(他端側)ではボディ管7A中に適度に分散させることができるので、該ボディ管7Aの内部のスペースを有効に利用することができる。
また、固定板11Aに設ける挿通孔13を分散して配置することができるので、挿通孔13の配置が中央に集中している場合に比べて固定板11Aの穴あけ加工が容易であり、製造コストを低下させることができる。
更に、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側(すなわち、カバー15が取り付けられる側)とは反対側から固定板11Aの取付け作業を行うことができるので、カバー15の外径を固定板11Aの外径(=ボディ管7Aの内径)よりも小さく設定することができる。
【0026】
また更に、カバー15がボディ管7Aとは別体とされているので、例えばカバー15の形状が複雑な場合やカバー15の肉厚が薄い場合であっても、カバー15とボディ管7Aとが一体の場合に比べて、該カバー15の加工・製造が容易であり、製造効率を向上させることが可能となる。
【0027】
この場合、カバー15の外周部の所定箇所にボディ管7Aの一端が突き当たって係止される係止突部16が設けられているので、該カバー15を該ボディ管7Aに取り付ける際に、該カバー15が該ボディ管7Aの内部に深く入り込んでしまうことが防止される。
また、該係止突部16の外径が該ボディ管7Aの一端の外径と等しく設定されているので、カバー15の係止突部16の外周面とボディ管7Aの一端の外周面とは段差のない連続面とされ、そのため、集束管4Aをボディ管ダクトスリーブ3に挿入する際に引っ掛かりが生じることがなく、該集束管4Aをボディ管ダクトスリーブ3に円滑に挿入することができる。
【0028】
また、ボディ管7Aの内周面の所定箇所にテーパ面12が設けられており、固定板11Aの外周部にボディ管7Aのテーパ面12に対応した形状のテーパ部14が設けられているので、本実施例のように固定板11Aの取付け位置がボディ管7Aの内部に設定されている場合であっても、該固定板11Aを該ボディ管7Aの内部に挿入して取り付ける場合に、該ボディ管7Aのテーパ面12と該固定板11Aのテーパ部14とが当接し、該固定板11Aが該ボディ管7Aの内部にそれ以上入り込むことが防止され、固定板11Aの取付け位置の位置決めを容易に行うができる。したがって、該固定板11Aの取付け作業の作業性が向上し、該集束管4Aの製造効率を向上させることができる。
そして、本実施例のように固定板11Aの取付け位置がボディ管7Aの内部に設定されている場合には、該固定板11Aから該ボディ管7Aの他端の開口部までの長さを長く確保することができ、該鞘管ダクトスリーブ6が撓みやすくなる。そのため、該集束管4Aに外力が及ぼされた場合、例えば地震が生じた場合には、該鞘管ダクトスリーブ6が撓むことにより、及ぼされた外力を十分吸収することができ、該鞘管ダクトスリーブ6が破損しにくくなる。
【0029】
更に、カバー15の内部において、中央に集束された鞘管ダクトスリーブ6の周囲の隙間に緩衝材22が充填されているので、集束管4Aの施工現場への輸送の際や施工現場での集束管4Aの取り回しの際などに、該鞘管ダクトスリーブ6が障害物等に衝突・接触等しても、衝突等の衝撃力は該緩衝材22によって吸収され、該カバー15に覆われた部分の鞘管ダクトスリーブ6を確実に保護することができる。
また、中央に集束された鞘管ダクトスリーブ6の周囲の隙間に緩衝材22が充填されているので、カバー15によって束ねられた複数本の鞘管ダクトスリーブ6のぐらつきがより確実に防止される。
【実施例2】
【0030】
図7〜図10には他の実施例が示される。
図7および図10に示すように、本実施例の集束管4Bは、一本または複数本のケーブル(図示せず)を内部にそれぞれ挿通可能な複数本の鞘管5が各一本ずつ内部にそれぞれ挿通される実施例1と同様の複数本の鞘管ダクトスリーブ6と、該複数本の鞘管ダクトスリーブ6が内部に挿通される一本のボディ管7Bとを有している。
そして、図1〜図6に示した実施例1では、ボディ管7Aの他端側にゴム輪受口8が形成されていたのに対して、本実施例では、図7に示すようにボディ管7Bの他端側(図7における右側)には挿口25が形成されている。
【0031】
ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側(ボディ管7Bの他端側)の端部の開口部には、鞘管ダクトスリーブ6を該ボディ管7Bに固定するための固定板11Bが取り付けられている(図7参照)。すなわち、本実施例では、該固定板11Bの取付け位置は、該ボディ管7Bの他端部に設定されている。
【0032】
図8および図9に示すように、該固定板11Bには、複数本の鞘管ダクトスリーブ6をそれぞれ挿通するための複数個の挿通孔13が設けられており、また、該固定板11Bの外周部には、該ボディ管7Bの他端の開口部に突き当たり係止する係止段部26が全周にわたって設けられている。
本実施例でも、実施例1と同様、固定板11Bに設けられる挿通孔13は、固定板11B全体に分散して配置されている。(図8参照)
【0033】
一方、該ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側(ボディ管7Bの一端側)では、実施例1と同様、該鞘管ダクトスリーブ6が該ボディ管7Bから突出した状態とされている。そして、該ボディ管7Bの一端側(図7における左側)には、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆う実施例1と同様のカバー15が取り付けられている(図7参照)。
【0034】
上記の集束管4Bを工場等で組み立てる場合には、まず、複数本の鞘管ダクトスリーブ6を固定板11Bの複数個の挿通孔13にそれぞれ挿通し、該鞘管ダクトスリーブ6を該固定板11Bの挿通孔13に接着して、該鞘管ダクトスリーブ6と該固定板11Bとを固定する。
つぎに、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側において、該鞘管ダクトスリーブ6が挿通固定された固定板11Bをボディ管7Bの他端の開口部に嵌着して、該固定板11Bの外周部の係止段部26と該ボディ管7Bの他端の開口部とを当接させて位置決めし、該固定板11Bの係止段部26を該ボディ管7Bの他端の開口部に接着して、該固定板11Bと該ボディ管7Bとを固定する(図7参照)。
【0035】
そして、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側において、カバー15の挿入部18を一端側(図7における左側)からボディ管7Bの内部に挿入して、該カバー15の係止突部16に該ボディ管7Bの先端突き当てて係止させて位置決めし、該カバー15の挿入部18の外周面と該ボディ管7Bの一端側の内周面とを接着して、ボディ管7Bとカバー15とを固定する(図7参照)。
このようにして組み立てられた鞘管ダクトスリーブ6を施工現場に搬入する。
【0036】
そして、施工現場に搬入された鞘管ダクトスリーブ6を用いて施工作業をする場合には、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側において、集束管4Bを一端側(図10における左側)からボディ管ダクトスリーブ3のゴム輪受口8’の内部に挿入して、該ボディ管7Bから突出した鞘管ダクトスリーブ6にハンドホール1の内部で接続作業を行う。
一方、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側とは反対側においては、該複数本の鞘管ダクトスリーブ6にそれぞれ各一本ずつ鞘管5をそれぞれ接続するとともに、該ボディ管7Bの挿口25を他のボディ管27のゴム輪受口28に挿入して接続する(図10参照)。
【0037】
本実施例の集束管4Bにおいても、実施例1と同様の作用効果が奏される。
すなわち、本実施例の集束管4Bでは、鞘管ダクトスリーブ6が固定板11Bによってボディ管7Bに固定されているので、予め工場等で組み立てられた集束管4Bを施工現場に搬入するだけで済み、施工現場で組立て作業を行う必要がない。そのため、施工現場での手間や労力を削減することができる。
また、ボディ管ダクトスリーブ3に接続される側で鞘管ダクトスリーブ6がボディ管7Bから突出しているので、ボディ管ダクトスリーブ3の一端側(ハンドホール1側)の内径が他端側(集束管4B側)の内径(=ボディ管7Bの外径)よりも小さく設定されている場合、すなわちボディ管ダクトスリーブ3がハンドホール1側を絞った形状とされておりボディ管7Bをハンドホール1の内部まで挿入できない場合であっても、集束管4Bの一端側を該ボディ管ダクトスリーブ3に挿入して、該ボディ管7Bから突出した鞘管ダクトスリーブ6にハンドホール1の内部で接続作業を行うことができる。
更に、ボディ管7Bに鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分の外周部を覆うカバー15が設けられているので、該鞘管ダクトスリーブ6の突出した部分は該カバー15によって常に保護されており、集束管4Bの施工現場への輸送の際や施工現場での集束管4Bの取り回しの際などに、該鞘管ダクトスリーブ6が障害物等に衝突・接触等して破損することがない。その上、カバー15のカバー部17の部分を持って集束管4Bの輸送や取り回しをすることができるため、輸送時や施工時の作業性を向上させることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を実施例により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
例えば、上記実施例では、カバー15の外径がボディ管7A,7Bの内径よりも小さく設定されているものとして説明したが、上記実施例以外、カバー15の外径はボディ管7A,7Bの内径と等しく設定されていてもよく、また、カバー15の外径はボディ管7A,7Bの内径よりも大きく設定されていてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、鞘管ダクトスリーブ6、ボディ管7A,7B、固定板11A,11B、カバー15が合成樹脂製であるものとして説明したが、上記実施例以外、鞘管ダクトスリーブ6、ボディ管7A,7B、固定板11A,11B、カバー15は例えばステンレス等の金属製であってもよい。その場合、合成樹脂製の鞘管ダクトスリーブ6、ボディ管7A,7B、固定板11A,11B、カバー15に比べて、鞘管ダクトスリーブ6、ボディ管7A,7B、固定板11A,11B、カバー15の肉厚を薄く設定することができる。
【0040】
更に、上記実施例では、カバー15の係止突部16がカバー15の外周部の全周にわたってフランジ状に形成されているものとして説明したが、上記実施例以外、カバー15の係止突部16はカバー15の外周部の周方向に間欠的に形成されていてもよい。
【0041】
また更に、上記実施例では、カバー15がボディ管7A,7Bとは別体とされているものとして説明したが、上記実施例以外、カバー15はボディ管7A,7Bと一体とされていてもよい。
【0042】
また、上記実施例では、カバー15の内部において、中央に集束された鞘管ダクトスリーブ6の周囲の隙間に緩衝材22が充填されているものとして説明したが、上記実施例以外、緩衝材22は充填されていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、施工現場での手間や労力を削減することができ、輸送時や施工時の作業性を向上させることができる集束管として、産業上利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1の集束管の半分切欠き断面図である。
【図2】実施例1の集束管のゴム輪受口側の側面図である。
【図3】実施例1の集束管のカバー側の側面図である。
【図4】カバーの半分切欠き断面図である。
【図5】固定板の半分切欠き断面図である。
【図6】実施例1の集束管をハンドホールのボディ管ダクトスリーブに装着した状態を示すの半分切欠き断面図である。
【図7】実施例2の集束管の半分切欠き断面図である。
【図8】実施例2の集束管の挿口側の側面図である。
【図9】実施例2の固定板の半分切欠き断面図である。
【図10】実施例2の集束管をハンドホールのボディ管ダクトスリーブに装着した状態を示すの半分切欠き断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ハンドホール
2 側壁
3 ボディ管ダクトスリーブ
4A 集束管(実施例1)
4B 集束管(実施例2)
5 鞘管
6 鞘管ダクトスリーブ
7A ボディ管(実施例1)
7B ボディ管(実施例2)
11A 固定板(実施例1)
11B 固定板(実施例2)
12 テーパ面
14 テーパ部
15 カバー
16 係止突部
19 鞘管ダクトスリーブ集束物
22 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを挿通可能な鞘管が挿通される鞘管ダクトスリーブと、該鞘管ダクトスリーブが挿通されるボディ管と、該鞘管ダクトスリーブを該ボディ管に固定するための固定板とを有しており、ハンドホールの側壁に設けられたボディ管ダクトスリーブに一端が接続される集束管において、
該ボディ管ダクトスリーブに接続される側では該鞘管ダクトスリーブが該ボディ管から突出しており、該ボディ管には該鞘管ダクトスリーブの突出した部分の外周部を覆うカバーが設けられていることを特徴とする集束管。
【請求項2】
該カバーの外径は、該ボディ管の外径よりも小さく設定されている請求項1に記載の集束管。
【請求項3】
該カバーの内径は、該鞘管ダクトスリーブを中央に集束させた鞘管ダクトスリーブ集束物の外径と略等しく設定されている請求項1または請求項2に記載の集束管。
【請求項4】
該固定板は、該ボディ管ダクトスリーブに接続される側とは反対側において、該ボディ管の内部に取り付けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の集束管。
【請求項5】
該カバーは、該ボディ管とは別体とされている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の集束管。
【請求項6】
該カバーの外周部の所定箇所には、該ボディ管の一端が突き当たって係止される係止突部が設けられており、該係止突部の外径は、該ボディ管の一端の外径と等しく設定されている請求項5に記載の集束管。
【請求項7】
該ボディ管の内周面の所定箇所にはテーパ面が設けられており、該固定板の外周部には該ボディ管のテーパ面に対応した形状のテーパ部が設けられている請求項1〜請求項6のいずれかに記載の集束管。
【請求項8】
該カバーの内部において、中央に集束された該鞘管ダクトスリーブの周囲の隙間には緩衝材が充填されている請求項1〜請求項7のいずれかに記載の集束管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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