説明

電光ディスプレイのエレメントを駆動する方法および電光ディスプレイのエレメントのための回路

制御電圧により駆動される発光エレメント(3)を備えた電光ディスプレイにおいて、2つ以上の発光エレメントに給電する給電線路上での電圧降下が補償される。この目的で、1つの給電線路に接続されたすべての発光エレメント(3)に対する電流と既知の抵抗とを用いて、給電線路(20)の電位プロファイルが計算される。発光エレメント(3)に対する制御電圧は、各エレメント(3)に関する給電線路(20)の実際の電位を考慮して変更される。これにより、電位差から生じる電光ディスプレイの明るさの変動が防止される。
電光ディスプレイの1つのエレメント(3)は、電流制御手段(4)、信号保持手段(6)、発光手段(8)、および、発光手段(8)を流れる電流を遮断するための手段(12)を有している。制御電圧は電流が遮断された状態で調整されるため、給電線路上に電位差は存在しない。信号保持手段(6)は、発光エレメント(3)のそれぞれの位置における線路上の電位を基準として制御電圧を保持する。
電光ディスプレイは給電線路(20)に対する調整可能な電圧を有している。電圧は発光エレメント(3)を通る所望の電流を設定するための最小所要電圧が達成されるのに十分な高さに選ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電光ディスプレイのエレメントを駆動する方法と電光ディスプレイのエレメントのための回路とに関する。本発明はまた本発明による2つ以上のエレメントを有する電光ディスプレイにも関している。
【0002】
電流の流れる発光手段により光を発生させる電光ディスプレイは、適切な形に配置された多数の発光手段を有する。この場合、発光手段はそれらを流れる電流に依存した光束を放射する。光束という表現は光源の全放射出力を表している。以下のテキストでは、currentという表現は電流を表すために使用される。発光手段は別の回路素子と組み合わされて、エレメントを形成する。これら別の回路素子には、とりわけ、スイッチング手段と電流制御手段とが含まれる。発光手段を通る所望の電流はスイッチング手段と電流制御手段とにより設定される。マトリクス状に配置された2つ以上のエレメントを有する電光ディスプレイの場合、複数のピクセルにより単色または多色の画像が表示される。単色画像の場合には、画像はピクセルごとに個別のグレーレベルにラスタ化される。この場合のグレーレベルは異なる複数の光束値である。それぞれの場合における1つのエレメントは一般に1つのピクセルに対応するが、2つ以上のエレメントを組み合わせて1つのピクセルを形成することも可能である。様々な光束値は発光手段を通る異なる電流によって生じる。多色性の電光ディスプレイの場合、通常は、異なる色の2つ以上の単色エレメントが相互作用し、1つのピクセルを形成する。エレメント内の発光手段の元々の色とは異なる色は各ピクセルに対する加法混色により表示することができる。発光手段には、とりわけ、発光ダイオードが含まれる。発光ダイオードは半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム)をベースとして製造することができるが、有機材料をベースとした発光ダイオード(OLED:有機発光ダイオード)も使用可能である。これらの発光ダイオードのすべては、放射光束が発光手段を通る電流に依存するという共通の特徴を有している。
【0003】
公知の発光手段では、発光手段に直流電流を流して光を発生させている。発光手段は、この場合、順方向に接続されている。通常、電流制御手段は発光手段に直列接続されている。エレメントを駆動する第1の方法では、電流制御手段は基準接地電位を参照する制御電位により駆動される。電流制御手段の制御電極に制御電位が印加されることにより、電流制御手段と発光手段に電流が流れる。このケースでは、発光手段と電流制御手段の特性がはっきりとしているため、特定の電位は特定の電流を生じさせ、特定の電流は特定の光束を生じさせる。以下のテキストでは、電位および電圧という表現は、異なる意味が特に述べられていない限り、同義として使用される。
【0004】
好ましくは、電界効果トランジスタ(FET)が電流制御手段として使用される。これらのトランジスタは電圧制御によって区別される。制御電圧と抵抗損が変化した際に寄生容量への負荷を変化させる他には、駆動部は実質的に電力をまったく消費しない。このケースでは、制御電位はFETのゲート電極とソース電極の間に印加される。制御電圧の高さが可制御抵抗とも見なしうるトランジスタを流れる電流を決定する。制御回路の他の実施形態では、バイポーラトランジスタも電流制御手段として使用される。
【0005】
図1には、電圧駆動部のためのエレメント3が示されている。電流制御手段4は動作電圧VDDとグラウンドの間の発光手段8に直列接続されている。動作電圧は給電線路20を介してエレメント3に印加される。制御信号はスイッチ10を介して電流制御手段4の制御入力側に供給される。この例では、制御信号は制御電圧Usetである。スイッチ10は、この例では、そのつどエレメント配列の中の1つのエレメント3だけが駆動されるように制御される。したがって、1つの制御線路上に2つ以上のエレメント3を接続することが可能である。この回路には駆動部が必要とされるため、発光ダイオードが光を放射する期間は比較的短い。共通の制御線路に接続されている電光ディスプレイのエレメント3の個数に従って、アクティブ期間は短くなる。人間の目はローパスフィルタ特性を備えた自然系であるから、アクティブ期間中の光束を適度に増大させることにより短いアクティブ期間を補償することができる。
【0006】
各電流制御手段4が恒常的に制御信号Usetにより駆動される電光ディスプレイも実施可能である。その場合には、スイッチ10は不要である。しかし、多数の制御線路が必要になるため、電光ディスプレイにおいて光が出て来るための面積が小さくなってしまう。
【0007】
図2に示されているエレメントの場合、電流制御手段4と給電線路20との間にある上記回路に信号保持手段6が付加されている。したがって、エレメント8が光を放射するアクティブ期間を延長することが可能である。その場合、アクティブ期間は新しい画像が形成されるまで実質的に全期間をカバーする。結果として、アクティブ期間の間に放射されなければならない所要の光束は減少させられる。今や観察者の目は減少した光束をより長い期間にわたって積分することができるので、同じ量の光が知覚され、図1を参照して説明されたのと同じ画像の印象がもたらされる。OLEDの経年劣化と電気光学的特性の変化はOLEDを通る電流の電流密度に大きく依存しているため、この回路は特性の変化をより緩慢にするという利点を提供する。
【0008】
個々に電流制御手段を有するマトリクス状に配置されたエレメントから成る電光ディスプレイにおいて、個々のエレメントは行および列に配置される。2つ以上のエレメントが1つの共通給電線路に接続される。エレメントの性質に応じて、共通給電線路は供給電圧または基準電位、例えばグラウンドに接続される。
【0009】
給電線路と制御線路ならびに発光手段は、2つ以上のエレメントを有する電光ディスプレイの使用可能な画像エリアを共用する。できるだけ多くの光を放射することができるようにするため、制御線路と給電線路は薄く設計されている。ここでは、薄いとは、線路の断面が可能な限り小さいということを意味する。さらに、これらの線路は透明な導電性材料でできたものであってよい。これらの材料は通常の導電体材料に比べると導電性が弱いことが多い。個々の特定の実施形態にかかわらず、制御線路および給電線路は有限のインピーダンスを有する。特に、線路抵抗がオーム性であれば、給電線路に接続されたエレメントを流れる設定電流に応じて、エレメントが異なれば給電線路上の電位も異なりうるということを意味する。
【0010】
エレメントの電流制御手段の制御電極に印加される特定の制御電位は、先に述べたように、特定の電流を、したがってまた特定の光束を生じさせる。電流制御手段は、その導電性接続部のうちの1つにおける電位を、その制御電極に印加される制御電位の基準電位とする。この基準電位は、このケースでは、例えば、各エレメントの位置における給電線路上の電位である。導電性接続部のうちの1つにおける電位を参照する制御電位は相対的制御電位である。しかし、駆動回路により電流制御手段の制御電極に印加される定格制御電位は、基準電位を参照する。エレメントが異なれば給電線路上の電位も異なるため、相対的制御電位は定格制御電位に対して変動する。変化する相対的制御電位は電流を生じさせ、ひいては、所望の電流または光束とは異なる光束を生じさせる。
【0011】
給電線路上での電位差もまた表示されている画像内容に応じて変化する。というのも、エレメントを通るそれぞれの電流が画像内容に応じて変化するからである。したがって、駆動回路により印加される定格制御電位と相対的制御電位との間の差も変化する。
【0012】
先に説明したように、給電線路上での電圧降下は電流制御手段に対する制御電圧に直接的に影響を与える。ゲート接続部とソース接続部は、電流制御手段として使用される電界効果トランジスタ(FET)の2つの接続部である。制御電位、ゲート-ソース電圧は、ゲート接続部とソース接続部の間に印加される。ソース接続部は、この場合、給電線路に接続されており、制御電位はゲート接続に印加される。
【0013】
エレメントの1つの列または1つの行については、給電線路の抵抗は次のように定義される:
【数1】

ここで、pは給電線路の材料の抵抗であり、例えば、アルミニウムの場合であれば、3μΩcmである。Lは線路線分の長さであり、Aは線路の横断面の面積である。給電線路の線分における電圧降下は次のように計算することができる:
【数2】

ここで、Imaxは線分を通る最大の電流、例えば、給電線路の線分によって給電されるエレメントを通る電流の和である。電光ディスプレイ内の給電線路は200mmの長さを有しており、線路の断面積は20μm×200nmであり、これが15kΩの抵抗を生じさせる。給電線路によって給電されるエレメントが120個あり、1つの線分における電流の和が120μAであると仮定すると、この線分には180mVの最大電圧降下が生じる。このように、電圧降下はある範囲内にあり、電流制御手段として使用されるFETの閾電圧もこの範囲内でエレメントごとに変化する。これらの変動は製造方法や他の要因に依存している。閾電圧の変化でさえ、電光ディスプレイに非一様な輝度分布を生じさせる。給電線路上での電圧降下の結果として生じる制御電圧の変化はさらに非一様な輝度分布を強める。
【0014】
上の例で説明された電光ディスプレイは1つの給電線路につき120個のエレメントを有しているが、まだ比較的小さいものである。より大きな電光ディスプレイの場合、その影響は著しく悪化する。
【0015】
したがって、上で説明したタイプのエレメントを有する電光ディスプレイのための駆動部を改善することが望ましい。この目的のためには、電光ディスプレイ用の改善されたエレメントを提供することが望ましい。最終的には、本発明によるエレメントを備えた電光ディスプレイと適切な駆動方法を提供することが望ましい。
【0016】
請求項1に記載された方法はこの課題の一部を充たしている。請求項14に記載されたエレメントと請求項15に記載された電光ディスプレイは上記課題の別の部分を充たしている。本発明のさらなる発展形態はそれぞれの従属請求項に記載されている。
【0017】
本発明による方法は、給電線路上で予想される電圧降下またはオフセットを、個々のエレメントの間の既知の抵抗と個々のエレメントにおける電流のノミナル値とから計算する。計算から得られたオフセットは、例えば加算によって、個々のエレメントの相応する定格制御電位と結合されるので、定格制御電圧と電流制御手段の制御電極における実際の制御電圧との間に予想される差が補償される。表示されるべき画像内容ならびに発光手段の輝度と電流との間の関係は既知であり、曖昧でないから、個々のエレメントにおける電流が知られる。計算は連続的に行われる、すなわち、画像内容が変化するたびにオフセットも再計算される。概して、本発明による方法によれば、個々のエレメントまたはエレメントのグループが周期的に駆動される。
【0018】
以下のテキストでは、発光手段の輝度、電流、および電圧の間の関係は、発光手段の電気光学的特性とも呼ばれる。以下のテキストでは、電流制御手段における電圧と電流との間の関係は、電流制御手段の電気的特性と呼ばれる。
【0019】
本発明による方法の1つの実施形態では、オフセットの加算が外部計算回路において実行されるのではなく、発光手段を流れる電流が遮断されたときに信号保持手段における補正されていない定格制御電位の記憶が実行される。このケースでは、共通給電線路に接続されたすべてのエレメントに対するプログラミングフェーズの間、エレメントに電流が流れないようにスイッチング手段が制御される。電流が流れないので、電位は給電線路全体にわたって同じである。そこで、個々のエレメントの電流制御手段に対して、定格制御信号、すなわち、定格制御電圧が印加され、信号保持手段に記憶される。このケースでは、定格制御電圧は基準電位を参照している。信号保持手段は、エレメントが接続されている給電線路上の位置における電位を基準とした信号を保持するように接続されている。スイッチング手段は今度は、電流が発光手段を流れることができるように、共通給電線路により給電されるすべてのエレメントに関して制御される。これは動作フェーズの開始と呼ばれる。個々のエレメントに関わる給電線路上の電位はそれぞれ電流と画像内容とに応じて変化する。信号保持手段は、各エレメントが接続されている給電線路上の位置における電位を基準とした相対的な制御電位を保持する。それゆえ、各電流制御手段の相対的な制御電圧設定は変わらず、したがってまた各発光手段を通して電流の設定は一定である。本発明によれば、定格制御電圧と基準電位に対するオフセットの組合せは、各エレメントが接続されている給電線路上の位置を基準とした定格制御電圧を保持することにより達成される。したがって、給電線路上での電位差から生じる輝度のゆらぎが防止される。
【0020】
本発明による上記の方法のさらなる発展形態では、エレメントを通る電流が復帰すると、供給電圧は開始値から連続的または段階的に増大する。それと同時に、給電線路を通る電流が測定される。個々のエレメントの設定電流に達するまでは、供給電圧のいかなる上昇も個々のエレメントを通る電流の増大をもたらす。電圧がさらに上昇しても給電線路を流れる電流が定常状態のまま変化しない場合には、最小の所要供給電圧に達しており、同一の給電線路に接続されたエレメントの各々に所望の電流が流れることができる。これに代わって、測定された電流の変化率が所定の値を下回っている場合に、供給電圧の上昇を終了させることも可能である。その場合、この給電線路に接続されたすくなくとも1つのエレメントに関する画像情報が変化するまで、電圧設定が維持される。
【0021】
上記の方法を用いて駆動することのできる本発明による電光ディスプレイのエレメントは、発光手段と電流制御手段を有している。さらに、信号保持手段と第1のスイッチング手段が設けられており、この第1のスイッチング手段を介して、制御信号を信号保持手段に供給することができる。本発明によれば、発光手段を流れる電流を選択的に通過または遮断する第2のスイッチング手段が設けられる。
【0022】
本発明による電光ディスプレイの第1の実施形態は、マトリクス状に配置された本発明によるエレメントを有している。
【0023】
本発明による電光ディスプレイの別の実施形態では、エレメントの電流制御手段と発光手段の電気的および電気光学的特性は既知であり、例えば、メモリに記憶されている。さらに、給電線路は個別にまたはグループで可変電圧電源に接続されている。画像内容が知られていれば、個々の線路または線路グループ上のエレメントに最小所要電圧が印加されるように、供給電圧を調節することが可能である。経時的には僅かにしか変化しないが、場所によって大幅に変化する画像内容の場合、または、時間の経過とともに画像輝度がゆっくりと変化する場合には、このようにして電力要求を減少させることが可能である。経時的には僅かにしか変化しないが、場所によって大幅に変化する画像内容の1つの例は、駅または空港での情報掲示板の画像内容である。
【0024】
2つ以上のエレメントを有する本発明による電光ディスプレイの別の実施形態では、エレメント内の発光手段の第1の接続部が公知の仕方でそれぞれの電流制御手段に接続されている。1つの給電線路に接続されたすべての発光手段の第2の接続部は、電位を選択的に変化させることのできる接続回路網に接続されている。この実施形態では、プログラミングフェーズのあいだ電流を遮断する第2のスイッチング手段は省略してよい。プログラミングフェーズのあいだ、接続回路網上の電位は、電流が発光手段を流れることができないように変更される。1つの好ましい実施形態では、発光手段が例えば逆向きにスイッチングされる、または、発光手段における電圧が低すぎて電流が流れない、または、接続回路網がスイッチオフされる。定格制御信号は上で説明した仕方で信号保持手段に保持される。同一の給電線路に接続されているすべてのエレメントのプログラミングが完了すると、電流は再び接続回路網を流れることができる。
【0025】
本発明による電光ディスプレイの別の実施形態では、給電線路上の電位は可変である。プログラミングフェーズのあいだ、給電線路上の電位は、例えば基準電位に、すなわち、グラウンドに接続されている。給電線路に接続されているエレメントの電流制御手段と発光手段とにおける電圧の不足のため、電流は流れることができない。制御信号はこのとき信号保持手段に記憶される。動作フェーズでは、給電線路はエレメント内に所望の電流が流れるのに十分な電位に接続されている。信号保持手段は、信号保持手段が接続されている点を基準として、信号保持手段に印加された電位を保持するので、給電線路上での電位差がどうであろうと選択された電流が流れる。
【0026】
以下のテキストでは、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1は、電光ディスプレイの公知のエレメントを示しており、
図2は、電光ディスプレイの別の公知のエレメントを示しており、
図3は、給電線路を接続されたエレメントとともに示した概略図であり、
図3は、給電線路を接続されたエレメントとともに示した概略図であり、
図5は、補正された制御信号の計算の概略図であり、
図6は、互いに結合した給電線路を有する電光ディスプレイの詳細を示しており、
図7は、本発明による電光ディスプレイのエレメントの第1の実施例を示しており、
図8は、電光ディスプレイのエレメントの本発明に従った動作の実施例を示している。
【0027】
図中、同一または類似のコンポーネントには同じ参照記号が付されている。
【0028】
図1および2については、発明の説明の冒頭ですでに説明されている。以下のテキストでは、図1および2についてさらに詳細に説明することはしない。
【0029】
図3は電光ディスプレイの一部を概略的に示したものである。この図は給電線路20を接続されたエレメント3とともに示している。理解を助けるために、エレメント3は破線で囲まれている。電圧ΔV0,ΔV1,ΔV2,..,ΔVnはそれぞれ抵抗器21において降下する。なお、この電圧は抵抗器21を通る電流Irow,0,Irow,1,Irow,2,..,Irow,nに依存している。電流Irow,0,Irow,1,Irow,2,..,Irow,nの大きさは、後置された各エレメント3を通る電流IOLED,0,IOLED,1,IOLED,2,..,IOLED,nの和である。エレメント3を通る電流IOLED,0,IOLED,1,IOLED,2,..,IOLED,n の値と同様に、抵抗器21の抵抗は知られている。本発明によれば、個々の抵抗における電圧降下が計算される。基準電圧に関係した制御電圧の定格値VData,0,VData,1,VData,2,..,VData,n(図示されていない制御回路から来る)はそれぞれ、定常状態におけるこれらの電圧降下を補償するために、計算された電圧降下ΔV,ΔV,ΔV,..,ΔVに関して補正されている。図示されている例では、それぞれの電圧降下は次のように計算される:
【数3】

式中のインデックスnは給電線路20に接続されているエレメントの総数を表している。式中の第1の和は給電線路20に流れ込む全電流を表している。電圧降下が計算されているエレメント3の位置mに応じて、前置されたエレメント3の電流の和が全電流から減算される。簡単のため、抵抗器21の値は同じと仮定する。これらの抵抗が異なれば、これらの抵抗はその実際値とともに考慮されなければならない。
【0030】
位置mにあるエレメント3のための電流制御手段4における給電線路上の電圧は次のように計算される:
【数4】

位置mにあるエレメント3に対する制御電圧は、定格供給電圧VDDと位置mにおける給電線路20上の電圧Vmとの間の差によって補正されなければならない。
【0031】
図4には、図3に示されている回路に類似した回路が示されている図3とは対照的に、この例では、給電線路20はグラウンド線路である。しかし、先に説明された電圧降下と線路抵抗との間の関係はこの場合にも当てはまる。供給電圧VDDは、例えば、あるエリア全体にわたって供給されるため、この場合には電圧降下は無視しうる。
【0032】
これらの例では、線路抵抗は1つの線路に関連するものである。これらの関係は、そのうちの一方が供給電圧を伝達し、他方がグラウンドのような基準電位を伝達する2つの給電線路に対しても、類比的に当てはまる。
【0033】
使用される電流制御手段4と使用されるトランジスタのタイプとに応じて、正または負の制御電圧が電流制御手段の制御電極に印加される。このことはまた、電位差が補正電圧の加算により補償されるのか、または減算により補償されるのかを左右する。しかし、本発明は双方の状況において類比的に使用することができる。
【0034】
図5は、補正電圧の計算プロセスの一例をブロック図で示している。この例の電光ディスプレイは、1つの行のすべてのピクセルが共通の給電線路に接続されるように設計されている。電光ディスプレイは行の画像内容を表示するものと仮定すれば、各行のピクセルについてのデータはまずステップ100において1行ごとに遅延される。これにより、個々のピクセルについてのデータがピクセルごとに逐次的に伝送される場合でも、1つの行に関して全体的な電流を求めることが可能になる。ノミナル制御電位はステップ101において計算される。エレメント3の電気的および電気光学的特性の個別の変動または経年劣化に依存した変動も、このプロセスのあいだに補正される。各ピクセルについての電位差、すなわち、行内の各エレメント3についての電位差は、ステップ122〜105において計算され、ノミナル制御信号はステップ106において相応して補正される。1つの実施形態では、電位差は個々のエレメントのための線路のインピーダンスを表す技術要素104により求められる。
【0035】
本発明は、1つの給電線路に行ごとにまとめて接続されたエレメントを有する電光ディスプレイに限定されない。本方法は、エレメントが列ごとに共通の給電線路に接続されたディスプレイにも使用することができる。共通給電線路に接続されたエレメントが並列に駆動される場合、各エレメントについて、給電線路上での電位がこの給電線路に接続されたすべてのエレメントについてのデータから求められるまで、画像データの表示は遅延されなければならない。この遅延は、選択された表示のタイプに応じて、例えば、1フィールドまたは1フレームの期間である。フィールド駆動の場合、先行するそれぞれのフィールドについてのデータはすでに計算されているので、計算に含めることができる。
【0036】
本発明による電光ディスプレイの別の実施形態では、1つの行の中のエレメントは共通の給電線路に接続されている。電光ディスプレイのエレメントごとの逐次駆動は、給電線路上の電位プロファイルを計算するためにすでに駆動されたエレメントに関する既知の画像データを使用する。
【0037】
1つの実施形態では、まだ駆動されていないエレメントはスイッチオフされる、つまり、それらのエレメントには電流が流れない。電流を遮断するために、まだ駆動されていないエレメントを、例えば、スイッチング手段を介してスイッチオフしてよい。このようにして、そのとき駆動すべき各エレメントに関する給電線路上の電位は、すでに駆動されたエレメントの電流値を記憶し、これらの値を用いて給電線路上の電位プロファイルを計算することにより求めることができる。そして、駆動されるべき次の各エレメントに対する制御信号が相応して補正される。この方法によれば、メモリサイズを最小に保つことが可能である。例えば、駆動プロセスが行ごとに実行される場合、メモリは単一の行の中のエレメントについての値を記憶するのに十分な大きさでありさえすればよい。さらに、記憶時間はほんの短時間なので、逐次形式で伝送される画像情報を再生する際の遅延は短い。
【0038】
1つの給電線路上のすでに駆動されたすべてのエレメントの電流の和の各瞬時値を記憶するならば、さらに小さなメモリで十分である。個々のエレメントの間の抵抗が同じであり、駆動は行の遠端で開始され、供給電位が行の近端で供給されるならば、駆動されるべき次のエレメントの位置における給電線路上の電位の計算を可能にするには、以前の電流の和を記憶するだけでよい。この駆動プロセスは、給電線路を基準としてエレメントに対するそれぞれの制御信号を維持するために設けられた信号保持手段に依存している。1つの水平行がエレメントごとに左から右へ逐次的に駆動される場合、遠端は左側にあり、近端は右側にある。
【0039】
エレメントごとに電光ディスプレイを逐次的に駆動する方法の1つの実施形態では、保持手段内に保持されている駆動されるべき行または列の各エレメントについての値は、各駆動プロセスの前に消去される。1つの実施形態では、消去プロセスは信号保持手段内に記憶されている電位を消去することにより、または、一般に、適当な開始値を記憶することにより行われる。開始値が適切に選ばれれば、電流制御手段はスイッチオンされず、電流を遮断するために付加的なスイッチング手段は不要である。消去プロセスはそのつど行または列の全体に対して、または、共通の給電線路に接続された行または列のエレメントに対して適宜実行される。上に述べた比較的小さなメモリと、ピクセルごとに逐次形式で伝送される画像内容を再生する際の短い遅延の利点は、この実施形態においても保持されている。
【0040】
本発明による電光ディスプレイのエレメントごとの逐次駆動の1つの択一的実施形態では、先行するそれぞれの画像の記憶された画像情報を用いて、給電線路上の電位プロファイルが計算される。給電線路に接続された各エレメントに関して、新旧の画像内容、したがってまた電流も知られている。したがって、給電線路上の電位プロファイルも知られている、または計算することができる。駆動されるべき各エレメントに対する制御信号は、この既知のまたは計算された電位プロファイルに基づいて補正される。この択一的実施形態におけるエレメントの信号保持手段は新たな駆動の前に消去する必要がない。この実施形態は、画像内容が行ごとに逐次的に伝送される場合に特に適している。この場合、有効な画像内容は、陰極線管の場合と同様に、それぞれ行ごとに逐次的に電光ディスプレイに書き込まれる。
【0041】
本発明による電光ディスプレイの1つの実施形態は、行、列、フィールドもしくはフレーム、またはこれらの一部の画像内容が記憶された対応するメモリを有している。これにより、まず給電線路上の電位プロファイルの計算が可能になり、さらに補正された制御信号をエレメントに印加することが可能になる。記憶された画像内容の再生は相応して遅延される。画像内容の記憶とは、さらなる計算にも画像内容を使用することができるということを意味している。
【0042】
本発明は、図6に示されているように、給電線路が回路網の形で相互に接続されている場合にも使用することができる。この場合、一連の線形方程式を解かなければならない。これらの線形方程式は、ノードと回路網に関するキルヒホッフの法則に従って立てることができる。個々のエレメントに対する制御信号の補正値はこれらの線形方程式の解から得られる。明瞭性を助けるために、電流および電圧の差は図中では同じように示されている。明らかに、それぞれの値は異なりうる。この実施形態では、給電線路を介して接続されたすべてのエレメントの画像内容が駆動プロセス前に知られていることが得策である。例えば、この目的のために、適切なメモリが設けられる。
【0043】
本発明の1つの実施形態では、補正値またはオフセット電圧は明示的には数値的に計算されない。この実施形態では、オフセット電圧は自動的に設定される。本発明のこの実施形態による電光ディスプレイの1つのエレメント3が図7に示されている。エレメント3は電流制御手段4と発光手段8を有している。制御信号Usetは第1のスイッチング手段10を介して電流制御手段4の制御電極に印加される。信号保持手段6は、第1のスイッチング手段10が図示されていない制御回路への接続を遮断した場合に、制御信号Usetを保持する。制御信号は、電流が給電線路20を流れていないときに印加される。第2のスイッチング手段12はこの目的のために設けられており、発光手段8を介してグラウンドに至る電流経路を遮断する。この場合、給電線路20上に電位差はなく、ノミナル制御信号が電流制御手段4に印加される。共通の給電線路に接続されたすべてのエレメント3にそれぞれの制御信号が供給され、第1のスイッチング手段10が開かれると、第2のスイッチング手段12が閉じられる。電流は周知のように電位差を生じさせる。信号保持手段6は、それぞれのエレメント3が給電線路20に接続されているポイントにおける電位を基準とした相対的な制御信号を保持する。オフセット電圧は基準電位を基準として設定され、ノミナル制御信号はこの基準電位に関係している。信号保持手段6は、例えば、電圧駆動部のキャパシタによって形成される。1つの好ましい実施形態では、これらキャパシタは集積キャパシタであり、これらの集積キャパシタも電光ディスプレイの製造過程において製造される。
【0044】
図7を参照して説明されたようにエレメントを駆動する本発明による1つの方法は、プログラミングフェーズP1と動作フェーズP2を含んでいる。プログラミングフェーズP1のあいだは、発光手段とエレメント3を通る電流が遮断されるので、給電線路20上には定常的な電位差は存在しない。プログラミングフェーズP1の終了時には、電流の遮断が取り消され、動作フェーズP2が開始する。そして、信号保持手段6に保持されている相対的制御信号により所望の電流が決定される。この相対的制御信号は給電線路20上での電位の変動から独立しているか、またはこの電位の変動に追随する。
【0045】
本発明による電光ディスプレイの別の実施形態では、電流を遮断するために、エレメント3を備えた第2のスイッチング手段12が設けられている。一例として、このエレメント3は図2のエレメント3に相当する。発光手段8の第1の接続部は電流制御手段4を介して給電線路20に接続されている。図2とは対照的に、本発明による電光ディスプレイの発光手段8の第2の接続部はグラウンドまたは固定的な基準電位には接続されていないが、接続回路網に接続されている。接続回路網の電位は可変である。発光手段を通る電流は、この場合、接続回路網上の電位を適切に変化させることによって遮断することができる。本発明による電光ディスプレイの場合、発光手段8は、例えば、接続回路網上の電位を適切に変化させることにより逆バイアス方向に切り換えられ、それにより電流が遮断される。また、発光手段における電圧が低く、実質的に発光手段に電流が流れないように、接続回路網内の電位を選んでもよい。その場合、ノミナル制御信号が第1のスイッチング手段10を介して電流制御手段4の信号保持手段6に印加される。共通の接続回路網に接続されたすべてのエレメント3の電流制御手段4にそれぞれのノミナル制御信号が印加されると、第1のスイッチング手段10が開き、接続回路網上の電位は、制御信号に従って電流制御手段4と発光手段8を通って電流が流れることができるように変更される。信号保持手段6はそれぞれ、電流制御手段4の制御入力側と、エレメントの導電接続部が接続されている給電線路20上のポイントとの間に接続されている。したがって、給電線路20上に生じる電位差は信号保持手段6に記憶されている制御電位に対して逆効果を有さず、基準電位を基準としたオフセット電圧を形成する。
【0046】
図8は、本発明による電光ディスプレイのエレメント3を駆動するための方法の別の実施例を示している。電光ディスプレイの給電線路20上の電位は、例えば、給電線路20をスイッチオンおよびオフすることにより変化させることができる。プログラミングフェーズP1のあいだは、低い電位、例えば、基準電位またはグラウンドが給電線路20に印加される。図では、この低電位はVSSで表されている。この低電位のために、電流は発光手段を流れることができない。ノミナル制御信号が今は閉じられている第1のスイッチング手段10を介して信号保持手段6に供給される。給電線路20に接続されたすべてのエレメント3の信号保持手段6に制御信号が印加されると、第1のスイッチング手段10が再び開き、給電線路20は図中の高電位VDDに接続される。これが動作フェーズP2に相当する。電位は、少なくとも、すべての発光手段8に所望の電流が流れるのに十分な高さとなるように適宜選ばれる。図中では、給電線路20上の電位の変更は方形波状の電位プロファイルで示されている。2つのフェーズP1およびP2は相応の仕方で識別される。
【0047】
本発明による駆動方法の1つの有利な実施形態では、行ごとの駆動が提供される。このケースでは、一度に1つの行の画像内容のみが変更され、他の行の画像内容は変更されないままである。
【0048】
行ごとの駆動の1つの好ましい実施形態では、1つおきの各行の画像内容が逐次変更される。行はスクリーン上での位置に応じて奇数番の行と偶数番の行とに分割される。択一的には、奇数番の行の画像内容がまず変更され、続いて偶数番の行の画像内容が変更される。これは周知のインターレース法をまねたものである。
【0049】
駆動方法の別の実施形態では、駆動プロセスはフレームごとに行われる。この場合、画像内容の全体がプログラミングフェーズ中に信号保持手段にプログラミングされ、その後、プロセスは動作フェーズに切り替わる。
【0050】
本発明による方法は、適宜変更を加えれば、所望のいずれの電光ディスプレイにも使用することができる。行、列、または他のグループ化によるエレメント配列の特質は本質的には本方法に無関係である。
【0051】
画像内容は、画像内容が表示されるアクティブ時間に比べると短い時間で適宜プログラミングされる。
【0052】
本発明の1つの実施形態では、電光ディスプレイ内の本発明による2つ以上のエレメント3が周知のやり方でマトリクス状に配置される。これらのエレメントは行ごと、列ごと、および、フィールドごともしくはフレームごとに駆動される。しかし、本発明による駆動プロセスは行または列の一部もしくはグループにも、またフィールドもしくはフレームの一部にも使用することができる。このような状況では、電光ディスプレイ内のエレメントは合同で給電線路または接続回路網に相応に接続される。
【0053】
本発明による方法および本発明による電光ディスプレイは特に有利にはテレビジョンおよびモニタにおいて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】電光ディスプレイの公知のエレメントを示す。
【図2】電光ディスプレイの別の公知のエレメントを示す。
【図3】給電線路を接続されたエレメントとともに示した概略図である。
【図4】給電線路を接続されたエレメントとともに示した概略図である。
【図5】補正された制御信号の計算の概略図である。
【図6】互いに結合した給電線路を有する電光ディスプレイの詳細を示す。
【図7】本発明による電光ディスプレイのエレメントの第1の実施例を示す。
【図8】電光ディスプレイのエレメントの本発明に従った動作の実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレメント(3)を有し、該エレメント(3)が電流制御手段(4)と発光手段(8)を含んでおり、該発光手段(8)は電流が印加されると光を放射し、前記複数のエレメント(3)が共通の給電線路(20)を介して供給電位(VDD)に接続されている形式の電光ディスプレイを制御する方法であって、前記電流制御手段(4)の制御電極に基準電位と呼ばれる制御電位を印加するようにした方法において、
前記給電線路(20)の電流と有限インピーダンスとに起因する前記給電線路(20)の電位差の影響が補償されるように、前記基準電位を基準として、前記制御電極のノミナル制御電位をオフセット電圧で補正することを特徴とする、電光ディスプレイを制御する方法
【請求項2】
前記オフセット電圧を前記給電線路(20)のインピーダンスと前記給電線路(20)に接続されたエレメントに対して設定されるべき電流とを用いて計算し、前記ノミナル制御電位と結合することを特徴とする、請求項1記載の方法
【請求項3】
行、列、フィールド、フレーム、またはこれらの一部の画像情報を記憶し、この記憶した画像情報を用いて前記エレメント(3)を通る電流を計算することを特徴とする、請求項2記載の方法
【請求項4】
画像情報に対応する補正された制御電位を、1つの行、列、フィールド、もしくはフレームの期間、またはこれらの一部の期間だけ遅延して、前記エレメント(3)に印加することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
補正された制御電位を共通の給電線路(20)に接続されたエレメント(3)に対してエレメントごとに逐次印加することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
制御電位を印加する前に、共通の給電線路(20)に接続されたすべてのエレメント(3)の発光手段を通る電流を遮断し、制御電位の印加されたエレメント(3)を通る電流を復帰させ、制御電位の印加されたエレメント(3)の制御電位の値を記憶し、制御電位の印加されたエレメント(3)を通る電流を用いて、オフセット電圧を計算し、まだ制御電位の印加されていないエレメント(3)の制御電位を補正することを特徴とする、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
電流を遮断するために、電流の流れを生じさせない制御電位を前記電流制御手段(4)に印加することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
各給電線路(20)の最小所要供給電位(VDD)を、計算された給電線路(20)上での電位差と、この給電線路(20)に接続された各エレメント(3)を通る電流と、前記電流制御手段(4)と前記発光手段(8)のそれぞれの電気的および電気光学的特性とから求め、前記最小所要供給電位(VDD)を前記給電線路(20)に印加することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記電流制御手段(4)の制御電極に制御電位を印加しているあいだ、前記エレメント(3)の発光手段(8)を通る電流を遮断し、各エレメント(3)が給電線路(20)に接続されている箇所における給電線路(20)上の電位を基準として個々のエレメント(3)の制御電位を保持し、制御電位が印加された後に電流を復帰させ、ここで、電流の活動に伴って生じる給電線路(20)上の電位差が、前記電流制御手段(4)の制御電極において保持される制御電位を前記基準電位を基準として補正するオフセット電圧であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記発光手段(8)を通る電流を遮断するため、スイッチング手段(12)を制御することを特徴とする、請求項6または9記載の方法。
【請求項11】
前記発光手段(8)を通る電流を遮断するため、前記エレメント(3)が接続されている共通の接続回路網の電位を変更することを特徴とする、請求項6または9記載の方法。
【請求項12】
電流を復帰させた後に、給電線路(20)の供給電位(VDD)を初期値から始めて段階的にまたは絶えず上昇させ、給電線路(20)を通る電流を測定し、供給電位(VDD)がさらに上昇した場合に、定常状態において給電線路(20)を通る電流の変化が所定の値を下回れば、供給電位の上昇を終了させることを特徴とする、請求項6、7、9、10または11記載の方法。
【請求項13】
電流(iOLED)が印加されると光を放射する発光手段(8)と該発光手段(8)に直列接続された電流制御手段(4)を備えており、該電流制御手段(4)の制御電極に第1のスイッチング手段(10)を介して制御線路が接続されており、前記第1のスイッチング手段(10)が第1のスイッチング信号により制御される形式の電光ディスプレイのエレメント(3)において、
前記発光手段(8)を通る電流を遮断することのできる第2のスイッチング手段(12)と、各エレメント(3)が接続されている給電線路(20)の箇所における電位を基準として前記電流制御手段(4)の制御電極における電位を保持する信号保持手段(6)とを有していることを特徴とする、電光ディスプレイのエレメント(3)。
【請求項14】
マトリクス状に配置されたエレメント(3)を制御する制御ユニットを備えた電光ディスプレイであって、前記エレメントは電流が印加されると光を放射し、複数のエレメント(3)が共通の給電線路(20)に接続されている形式の電光ディスプレイにおいて、
前記制御ユニットが請求項1から12のいずれか1項記載の方法を実行するのに適していることを特徴とする、電光ディスプレイ。
【請求項15】
前記制御ユニットに、画像情報を記憶するためのメモリが割り当てられていることを特徴とする、請求項14記載の電光ディスプレイ。
【請求項16】
1つ又は複数の給電線路(20)が可変電圧電源に接続されていることを特徴とする、請求項14または15記載の電光ディスプレイ。
【請求項17】
給電線路(20)の電位を変えることにより、前記エレメント(3)の発光手段(8)を通る電流を遮断することができることを特徴とする、請求項16記載の電光ディスプレイ。
【請求項18】
複数のエレメント(3)の発光手段(8)が可変の電位を有する共通の接続回路網に接続されており、該接続回路網の電位を変更することにより、前記エレメント(3)の発光手段(8)を通る電流を遮断させることができることを特徴とする、請求項14、15、16または17記載の電光ディスプレイ。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか1項記載の電光ディスプレイを備えたテレビジョンセット。
【請求項20】
請求項14から18のいずれか1項記載の電光ディスプレイを備えたモニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−502015(P2008−502015A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526411(P2007−526411)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052342
【国際公開番号】WO2005/122120
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】